JP2010142537A - 歯科インプラント手術用のサージカルガイド - Google Patents

歯科インプラント手術用のサージカルガイド Download PDF

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Abstract

【課題】サージカルガイドの製作を容易にし、インプラント手術の費用の低廉化と治療時間の短縮化を図ることができるサージカルガイドを提案する。
【解決手段】
歯科用CTによって撮影可能な第1網状体31を上面側に、同様の第2の網状体32を下面側に設けたガイドブロック30と、天然歯の欠損部を含む口内部所に合わせて形成したマウスピース33とからなるガイド基体35を設け、前記ガイド基体35を欠損した歯領域36を含む口内部所に嵌め合わせてCT撮影し、前記した上面側と下面側の網状体31、32の線状交点から前記人工歯根の埋設方向と位置を定めた後、前記ガイド基体35を口内から取り出し、前記網状体31、32の線状交点によって定めた人工歯根の埋設方向と位置にしたがってドリルをガイドするガイド孔を形成したサージカルガイドとなっている。
【選択図】図10

Description

本発明は、欠損した歯の跡に人工の造形歯を設けるためのインプラント手術用のサージカルガイドに関する。
欠損した歯の跡に人工歯根を埋め込み、この人工歯根に人工歯を装着して造形歯を設けるインプライト手術が普及している。
このインプライト手術は、図14に示したように、欠損した歯の跡の顎骨11に人工歯根12を埋設し、この人工歯根12に連結部材13を介して人工歯14を取り付ける手術が行われる。
具体的には、インプラントは、図15に示す通り、人工歯根(フィクスチャー)12、連結部材(アバットメント)13、人工歯(上部構造)14の各部品から構成されている。
人工歯根12と連結部材13はチタン材で形成されたものが多く、人工歯根12にはネジ山形成され、顎骨11にネジ込んで埋設させる。
連結部材13は、人工歯根12の連結孔12aに嵌合すると共に、内孔13a
より差し入れた小ネジ15を人工歯根12のネジ孔12bにネジ込み人工歯根12に固定させる。
人工歯14は、セラミック材などから形成してあり、連結部材13にネジ止めし或いは接着材で固着する。
インプラント手術では、人工歯根12の埋設処理が極めて重要となる。
すなわち、ドリルを使って口内の顎骨11に細長い穴を予め形成し、この穴に人工歯根12をネジ込んで固定させるため、ドリルによる穴形成方向と穴の深さを厳格に定めなければならない。
しかしながら、顎骨や歯根の形態、神経位置、血管などは人それぞれによって異なるために、ドリルによる穴形成時に歯根、神経、血管などを傷付けてしまうおそれがあり、これによって重大な医療事故となることがある。
そのために、インプラント手術に際しては、歯科用CT(Computed Tomography)などを駆使し、顎骨や歯根の立体的な形態や神経、血管の位置把握などの精密検査を行い、ドリルによる穴形成方向と位置を充分に把握した上で穴形成手術を施す高度な技術が必要になっている。
そこで、ドリルによる穴形成の安全性を高める一方、インプラント手術を少しでも簡単化するために、図16に一例として示したサージカルガイド16が既に提案されている。
なお、サージカルガイドは、インプラント手術においてドリル挿入方向や深さを規定するためのガイドである。
このサージカルガイド16は、患者の歯形模型より合成樹脂材によってマウスピース17を作成する。
そして、歯科用CTを使って患者の口内を撮影し、歯列データ、顎骨データ、欠損歯跡のデータなどの多くの3次元データを求め、このデータより人工歯根12を埋設する方向と位置とを特定し、この埋設方向と位置に対応するマウスピース17の部所にドリルの進行方向を誘導するガイド孔18を形成したサージカルガイド16となっている。
図17は、上記したサージカルガイド16を使用してドリル19によって顎骨11に穴開けする状態を示す。
なお、図示する例では、歯肉20を剥離してインプラント手術をする一例を示したが、歯肉20を剥離しないで手術することも可能となっている。
特開2007−275556
上記したインプラント手術は、手術費用が高く、治療時間も長くなる。
これは歯科用CTなどの設備が必要となる他に、手術に高度な技術が要請されるためであり、また、上記したようなサージカルガイド16は、歯科医院では製作が困難であり、専門会社に外注して製作することになるために、手術費用(例えば、30〜40万円)が高く、治療時間(例えば、2〜3ヶ月)が長くなる。
そこで、本発明では、手術費用の低廉化に適し、かつ、治療時間の短縮化に有利なインプラント手術用のサージカルガイドを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、本発明は、口内の顎骨にドリルにより穴形成して人工歯根を埋設し、埋設した人工歯根に人工歯を取り付けるインプラント手術用のサージカルガイドにおいて、X線によって撮影可能な網状体を上下面部に設けたガイドブロックを設け、天然歯の欠損部を含む口内部所に合わせて形成したマウスピースに前記ガイドブロックを固着して形成したガイド基体を設け、前記ガイド基体を口内部所に嵌め合わせてX線撮影し、前記した上下側の網状体の線状交点から前記人工歯根の埋設方向と位置を定めた後、前記ガイド基体を口内から取り出し、前記網状体の線状交点によって定めた人工歯根の埋設方向と位置にしたがってドリルをガイドするガイド孔を形成して構成したことを特徴とするサージカルガイドを提案する。
上記したサージカルガイドのガイドブロックは、欠損歯部所に合わせて形成した透明性の合成樹脂材からなるブロックの上側に、ガターパーチャポイントなどの細線によって形成した第1の網状体を埋設し、前記ブロックの下側に、上記同様に形成した第2の網状体を埋設して構成することができる。
上記したサージカルガイドのマウスピースは、歯型から形成した石膏模型に合わせて形成した透明性の合成樹脂材によって構成することができる。
上記したサージカルガイドは、X線撮影において、上側の網状体の多数の線状交点から線状交点Aを、下側の多数の線状交点から線状交点Bを定めて記録または記憶し、この記録または記憶にしたがって前記ガイド基体に前記ガイド穴を形成する構成とすることができる。
上記したサージカルガイドは、X線を使用した三次元画像を作りだす断層撮影装置と前記網状体とを使用して、人工歯根を埋設する方向と位置とを検出し、この検出にもとづいて前記ガイド基体にドリルのガイド孔を形成する構成とすることができる。
本発明に係わるサージカルガイドは、欠損歯部を含む口内部所に合わせてセットし、そのガイド孔によって誘導してドリルを進行させて顎骨に穴開けをすれば、人工歯根を埋設する精密な位置と方向にしたがって顎骨に穴開けすることができる。
したがって、顎骨に形成したドリル穴に人工歯根を埋設し、この人工歯根に連結部材を介して人工歯を取り付けることによって、天然歯に代用させる造形歯を設けることができる。
一方、本発明のサージカルガイドは、網状体を設けたガイドブロックをマウスピースに固着したガイド基体を設け、このガイド基体にドリルのガイド孔を形成した構成となっているので、インプラント手術の費用の低廉化と治療時間の短縮化に極めて有利となる。
具体的には、人工歯根を埋設する顎骨の穴開けは、上記のサージカルガイドを使用して行うことで、高度な技術を要しないから、インプラント手術が簡単化される。
その上、本発明のサージカルガイドは、専門会社に外注する必要がなく、歯科医師が製作することができる。
つまり、ガイドブロックは、高価とならないので予め用意しておくことができ、また、マウスピースの製作は歯科医師の専門とするところであるから、容易に製作することができる。
したがって、ガイド基体を簡単に製作することができる。
また、X線立体撮影装置(例えば、歯科用CT)を駆使できる歯科医師であれば、ガイド基体に形成するガイド孔の位置と方向とを定めることができる。
このことから、サージカルガイドが歯科医師によって、安価に、短時間に製作することができる。
以上から分かるように、インプラント手術に高度の技術を要しないこと、また、サージカルガイドが歯科医師によって簡単に製作することが可能であることなどから、インプラント手術の費用の低廉化と治療時間の短縮化に有利となる。
次に、本発明の一実施形態について図面に沿って説明する。
図1は、ガイドブロック30の斜視図であり、図2は、同ガイドブロック30の横断面図である。
これらの図面に示すように、このガイドブロック30は、欠損した歯領域部分に合わせて形成した透明または半透明の合成樹脂材からなる立方体形状のものとしてある。
なお、このガイドブロック30は、円形断面、多角形断面などのものとしても形成することができる。
また、このガイドブロック30は、上面側に第1の網状体31を設け、下面側に第2の網状体32が設けてある。
これら第1、第2の網状体31、32は、X線立体撮影装置である歯科用CTによって撮影可能な細線を交差させて固定し、多数の交点を設けたものとなっている。
したがって、金属線は反射して撮影困難なものとなるから、第1、第2の網状体31、32としては、金属線以外のCT撮影可能な細線で形成することが好ましく、例えば、テンポラリーストッピング、ガターパーチャポイント、ビタペックスなどのようなCT撮影可能な材料からなる細線を網状に形成したものとしてある。
特に、上記したテンポラリーストッピングは仮封材として、また、ガターパーチャポイント、ビタペックスは根充材として歯科医が用意している材料であるので、上記した網状体を製作する上に好都合な材料となる。
なお、第1の網状体31は合成樹脂材からなる立方体内の上位置に埋設し、第2の網状体32はその立方体の下位置に埋設させてもよい。
また、上記したガイドブロック30については、透明または半透明の長形の合成樹脂材に網状体を埋設した長形物を予め用意しておき、サージカルガイドの作成時に必要な大きさのガイドブロックに切断するようにすることもできる。
図3は、マウスピース33の製作例を示す。
図示するように、インプラント手術を行う患者の歯形模型34を使って透明または半透明の合成樹脂材からなるマウスピース33を製作する。
上記の歯形模型34は、周知の通り石膏模型として構成することができる。
製作の一例を述べれば、具体的には、透明または半透明の合成樹脂板を歯形模型34の歯上に載せた状態で適当な温度で加熱すると共に、歯形模型34の下方から吸引力を加え、その後、歯形模型34から取り外し図4、図5に示すマウスピース33を形成する。
また、上記のようにマウスピース33を製作するに際しては、歯損相当部所34aに適当な仮ブロック38を配置しておき、この部所に空間を形成して上記ガイドブロック30の取り付け領域を設ける。
なお、図4は、上記のようにして製作したマウスピース33の平面図、図5は、同マウスピース33の横断面図である。
図6は、ガイドブロック30をマウスピース33に固着して構成したガイド基体35を示す断面図、図7は同ガイド基体35の平面図である。
なお、ガイドブロック30は接着材を用い、欠損歯領域に相当するマウスピース33の部所に固着してある。
このように構成したガイド基体35は、図8に示すように、欠損した歯領域36を含む患者の口内にセット(設置)する。
この状態で、歯科用CTを使って口内を撮影し、顎骨や歯根の立体的な状態、神経、血管の位置などを精密に検査し、これら歯根や神経、血管に影響を与えないようにして人工歯根12を埋設する方向と位置を定める。
歯科用CTは、合成樹脂材からなるガイドブロック30やマウスピース33は写し出されなく、第1、第2の網状体31、32と、顎骨11や天然歯21などの骨類とが写し出されるから、第1、第2の網状体31、32と骨類とを観察して人工歯根12を埋設する方向と位置を定める。
歯科用CTは、立体的な撮影が可能であるから、欠損した歯領域の正面、側面、平面、底面の撮影画面を見ることができる。
したがって、図8に示したように、欠損した歯領域36にX線、Y線を描き、骨類や神経位置に影響しない最も適当な人工歯根12の埋設方向と位置を探し、探索した埋設方向と位置とを第1、第2の網状体31、32の線状交点を利用して記録する。
例えば、人工歯根12を埋設する最も適当な方向と位置について、図9の説明図に示したX線、Y線のように、歯科CTにより描くことができれば、第1の網状体31については、線状交点L12、D14(線状交点A)を記録(または、記憶)し、第2の網状体32については、線状交点L23、D25(線上交点B)を記録(または、記憶)する。
続いて、ガイド基体35を口内なら取り出し、図10に示すように、このガイド基体35にガイド孔35aを設けてサージカルガイド37を形成する。
すなわち、第1、第2網状体31、32はガイドブロック30とマウスピース33を透してそれらの上方から見えるから、ガイド孔35aは、記録または記憶した第1、第2の網状体31、32の線状交点L12、D14とL23、D25とをマウスピース33の上方から見ながら、それらの線状交点A、Bに向かってドリルを進めて孔形成する。
なお、ガイド孔35aの孔径については、ドリルの太さを変えて形成することにより定める。
さらに、ガイドブロック30には、図9に示した第1、第2網状体31、32の縦線位置の文字(L11、L12・・・、L21、L22・・・)や横線位置の文字(・・・D13、D14・・・、・・・D23、D24・・・)については、必ずしも設けることを要しない。
上記のようにして製作したサージカルガイド37は、図11に示すように、患者の口内に再びセットし、サージカルガイド37のガイド孔35aから挿入したドリルによって顎骨11に人工歯根12の埋設穴11aを形成する。
このようにして顎骨11に穴開けした後は、従来例同様に、顎骨11の埋設穴11a内に人工歯根12を埋設し、図12に示す通り、人工歯根12に連結した連結部材13を介して人工歯14を取り付け、天然歯に代用させる造形歯を作成する。
なお、埋設穴11aの深さは、歯科CTの撮影時に測定することができるから、その測定値にしたがってドリルをガイドする。
以上、上記実施形態では、欠損した歯領域とその近傍の天然歯部分をカバーする部分的なマウスピース33として形成したが、欠損した歯領域を含む全天然歯部分をカバーするマウスピースを形成し、このマウスピースにガイド孔39aを形成し図13に示すようなサージカルガイド39を製作することもできる。
また、上記した実施形態では、歯肉20を剥離しないでインプラント手術する一例について説明したが、欠損した歯領域を含む口内部所の歯肉20を剥離して人工歯根12の埋設手術を行うこともできる。
さらに、上記した実施形態では2ピースのインプラントについて説明したが、人工歯根12と連結部材13とが一体となった1ピースのインプラントを使用しても同様に実施することができる。
歯科インプラント手術用のサージカルガイドとして適用する。
サージカルガイドを構成するガイドブロックの拡大斜視図である。 上記したガイドブロックの横断面図である。 サージカルガイドを構成するマウスピースの構成例を示した簡略的な断面図である。 上記したマウスピースの平面図である。 上記したマウスピースの断面図である。 上記したガイドブロックをマウスピースに固着して構成したガイド基体を示した断面図である。 上記したガイド基体の平面図である。 上記したガイド基体を口内にセットして歯科用CTによって撮影し、人工歯根の埋設方向と位置とを検出する状態を示した簡略的な断面図である。 人工歯根の埋設方向と位置を示すガイドブロックに設けた網状体の線状交点を表した説明図である。 一実施形態と示したサージカルガイドの簡略的な断面図である。 口内にセットした上記のサージカルガイドによってドリルを誘導して人工歯根の埋設穴を形成した状態を示した簡略的な断面図である。 人工歯根を埋設して人工歯を取り付けた状態を示した簡略的な断面図である。 他の実施形態と示したサージカルガイドの簡略的な斜視図である。 インプラント手術によって設けた造形歯を示す簡略的な断面図である。 インプラントを分解して示した拡大断面図である。 従来例として示したサージカルガイドの斜視図である。 ドリルをサージカルガイドのガイド孔で誘導して人工歯根の埋設穴を形成する状態を簡略して示した拡大断面図である。
符号の説明
11 顎骨
12 人工歯根
13 連結部材
14 人工歯
30 ガイドブロック
31 第1の網状体
32 第2の網状体
33 マウスピース
35 ガイド基体
37 サージカルガイド

Claims (5)

  1. 口内の顎骨にドリルにより穴形成して人工歯根を埋設し、埋設した人工歯根に人工歯を取り付けるインプラント手術用のサージカルガイドにおいて、
    X線によって撮影可能な網状体を上下面部に設けたガイドブロックを設け、天然歯の欠損部を含む口内部所に合わせて形成したマウスピースに前記ガイドブロックを固着して形成したガイド基体を設け、
    前記ガイド基体を口内部所に嵌め合わせてX線撮影し、前記した上下側の網状体の線状交点から前記人工歯根の埋設方向と位置を定めた後、前記ガイド基体を口内から取り出し、前記網状体の線状交点によって定めた人工歯根の埋設方向と位置にしたがってドリルをガイドするガイド孔を形成して構成したことを特徴とするサージカルガイド。
  2. 請求項1に記載したサージカルガイドにおいて、
    前記ガイドブロックは、欠損歯部所に合わせて形成した透明性の合成樹脂材からなり、ガターパーチャーポイントなどの細線によって形成した第1の網状体を上側に、同様に形成した第2の網状体を下側に埋設した構成であることを特徴とするサージカルガイド。
  3. 請求項1又は2に記載したサージカルガイドにおいて、
    前記マウスピースは、歯型から形成した石膏模型に合わせて形成した透明性の合成樹脂材からなることを特徴とするサージカルガイド。
  4. 請求項1に記載したサージカルガイドにおいて、
    X線撮影において、上側の網状体の多数の線状交点から線状交点Aを、下側の多数の線状交点から線状交点Bを定めて記録または記憶し、この記録または記憶にしたがって前記ガイド基体に前記ガイド孔を形成することを特徴とするサージカルガイド。
  5. 請求項1に記載したサージカルガイドにおいて、
    X線撮影は、X線を使用した三次元画像を作り出す断層撮影装置を持ち得ることを特徴とするサージカルガイド。

























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