JP2011087708A - 歯科用テンプレート - Google Patents

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Abstract

【課題】安全且つ容易に歯科用インプラントフィクスチャー用の埋入穴を顎骨に形成させることができ、また埋入穴を穿設した後に容易に取り外すことができる歯科用テンプレートを提供する。
【解決手段】少なくとも欠如歯部を含む顎堤に沿って装着され、顎骨にインプラントフィクスチャー埋入用の穴を穿設するためのドリルをガイドするガイド穴1が欠如歯部に対応する部分に設けられている硬質の歯科用テンプレートに、ガイド穴1が設けられている部位を除いた咬合面側の所定位置に余分の印象材が口腔内側に押し出される貫通穴2を形成させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも欠如歯部を含む顎堤に沿って装着され、顎骨にインプラントフィクスチャー埋入用の穴を穿設するためのドリルをガイドするガイド穴が欠如歯部に対応する部分に設けられている歯科用テンプレートに関するものである。
欠如歯部の失われた口腔機能を回復するための治療方法として、欠如歯部の顎骨内に埋入して顎骨と骨結合した人工歯根となる歯科用インプラントフィクスチャーの口腔内側に歯科用補綴物を固定する歯科インプラント治療が盛んに行われている。
この歯科インプラント治療では、歯肉を切開又は切除して顎骨を露出させ、この顎骨をドリルで切削して埋入穴を形成し、歯科用インプラントフィクスチャーが埋入される。
その際、歯肉を切開又は切除した状態で、顎骨の正確な位置及び方向に向けてドリルを押し当てて切削することが非常に難しいという問題がある。
このような問題に対して、予め定められた位置にあって予め定められた傾斜を有し、かつ、歯科用インプラントフィクスチャーの種類に応じて前もって定められた標準寸法を有する誘導シリンダが設けられたボアチューブを有する歯科用テンプレートがある(例えば、特許文献1(補正後の請求項1)参照。)。
この歯科用テンプレートは患者毎に採得された印象や顎骨のCTスキャンデータ等に基づいて作製され、マウスピース状をなしていて、歯科用インプラントフィクスチャーを埋入したい位置及び傾斜に沿った誘導シリンダが設けられたボアチューブを有しているので、この歯科用テンプレートを欠如歯部を含む顎堤に沿って装着して誘導シリンダにドリルを差し込んで顎骨を切除するだけで正確な位置及び方向に向けて歯科用インプラントフィクスチャー用の埋入穴を形成させることができるのである。
しかしながら、このような歯科用テンプレートはドリルが正確に挿入されるように、誘導シリンダが設けられたボアチューブ以外の部分も硬質なアクリル樹脂等で形成させる必要があり、その結果人力では容易に変形させることができないため、歯科用テンプレートを押し広げて残存歯牙等に挟持させるなどの固定方法をとることができない。そのため、このような歯科用テンプレートを使用する場合、歯科用テンプレートを手で押さえて固定し、その歯科用テンプレートにドリルを差し込むようにして顎骨を切削する必要があるため、非常に危険で治療も煩雑となるという問題がある。
このような歯科用テンプレートを固定することが難しいという問題に対して、歯科用テンプレートの裏面に接着剤を塗布して歯科用テンプレートの咬合面側の裏面と残存歯牙の咬合面とを接着固定させる方法が考えられる。しかしながら、この方法では歯科用テンプレートの咬合面側の裏面と残存歯牙の咬合面とが強固に接着されてしまうため、顎骨に歯科用インプラントフィクスチャーの埋入穴を穿設した後に歯科用テンプレートを取り外すのが容易でないという問題がある。
特表2005−518834号公報
本発明は前記の問題に鑑み、安全且つ容易に歯科用インプラントフィクスチャー用の埋入穴を顎骨に形成させることができ、また埋入穴を穿設した後に容易に取り外すことができる歯科用テンプレートを提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、歯科用テンプレートの咬合面側の裏面と残存歯牙の咬合面とを接着剤ではなく印象材を介して保持させれば、埋入穴を穿設した後に歯科用テンプレートを容易に取り外すことができ、また印象材は粘性が高いので舌側及び頬側では印象材をはみ出させた状態で固めることができ、このようにして印象材を固めることによって歯科用テンプレートの端部から延長されたスカート部を形成させて、歯面にしっかりと保持させることができ、またもともと歯科用テンプレートは患者の口腔内形状を正確に再現して形成されたものであるから、印象材が僅かにでも厚く塗布されていると、歯科用テンプレートを正確に装着することが難しくなり、特に咬合面側の裏面に厚めに印象材が塗布された場合は、舌側及び頬側のスカート部へと押し出されずに逃げ場をなくした咬合面側の余分の印象材によって、歯科用テンプレートが咬合面から大きく浮き上がった状態となり、歯科用インプラントフィクスチャー用の埋入穴を正確に形成させることが難しくなるため、このような現象が生じないように、歯科用テンプレートのドリルをガイドするガイド穴が設けられている部位を除いた咬合面側の所定位置に余分の印象材が口腔内側に押し出される貫通穴を形成させれば、残存歯牙の咬合面と歯科用テンプレートの裏面との間に印象材が厚く塗布された場合であっても、その余分の印象材を貫通穴から歯科用テンプレートの口腔内側へと容易に押し出すことができるので、口腔内に装着された際に歯科用テンプレートが咬合面から大きく浮き上がることがなく、また貫通穴から押し出された印象材が歯科用テンプレートの口腔内側に広がって固まることにより、印象材と歯科用テンプレートとを強く結合させることができ、歯科用テンプレートを確実に口腔内に保持させることができるので、安全且つ容易に歯科用インプラントフィクスチャー用の埋入穴を顎骨に形成させることができ、また印象材は弾性を有しているので埋入穴を穿設した後に容易に取り外すことができることを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明は、少なくとも欠如歯部を含む顎堤に沿って装着され、顎骨にインプラントフィクスチャー埋入用の穴を穿設するためのドリルをガイドするガイド穴が欠如歯部に対応する部分に設けられている硬質の歯科用テンプレートであって、ガイド穴が設けられている部位を除いた咬合面側の所定位置に余分の印象材が口腔内側に押し出される貫通穴が形成されていることを特徴とする歯科用テンプレートである。
またガイド穴が設けられている部位を除いた舌側及び/又は唇側にも所定位置に余分の印象材が口腔内側に押し出される貫通穴を形成させれば、貫通穴から押し出させれた印象材が歯科用テンプレートの舌側及び/又は唇側の口腔内側に広がって固まり、残存歯牙と歯科用テンプレートとをより強く結合させることができて好ましいのである。
本発明に係る歯科用テンプレートは、少なくとも欠如歯部を含む顎堤に沿って装着され、顎骨にインプラントフィクスチャー埋入用の穴を穿設するためのドリルをガイドするガイド穴が欠如歯部に対応する部分に設けられている硬質の歯科用テンプレートであって、咬合面側の裏面と残存歯牙の咬合面とを印象材を介して保持させる歯科用テンプレートであるから、弾性を有する印象材を使用するので埋入穴を穿設した後に歯科用テンプレートを容易に取り外すことができ、また印象材は粘性が高いので舌側及び頬側では印象材をはみ出させた状態で固めることができ、このようにして印象材を固めることによって歯科用テンプレートの端部から延長されたスカート部を形成させて、歯面にしっかりと保持させることができ、またもともと歯科用テンプレートは患者の口腔内形状を正確に再現して形成されたものであるから、印象材が僅かにでも厚く塗布されていると、歯科用テンプレートを正確に装着することが難しくなり、特に咬合面側の裏面に厚めに印象材が塗布された場合は、舌側及び頬側のスカート部へと押し出されずに逃げ場をなくした咬合面側の余分の印象材によって、歯科用テンプレートが咬合面から大きく浮き上がった状態となり、歯科用インプラントフィクスチャー用の埋入穴を正確に形成させることが難しくなるため、このような現象が生じないように、ガイド穴が設けられている部位を除いた咬合面側の所定位置に余分の印象材が口腔内側に押し出される貫通穴が形成されているから、残存歯牙の咬合面と歯科用テンプレートの裏面との間に印象材が厚く塗布された場合であっても、その余分の印象材が貫通穴から歯科用テンプレートの口腔内側へと容易に押し出されるので、口腔内に装着された際に歯科用テンプレートが咬合面から大きく浮き上がることがなく、また貫通穴から押し出された印象材が歯科用テンプレートの口腔内側に広がって固まることにより、印象材と歯科用テンプレートとを強く結合させることができ、歯科用テンプレートを確実に口腔内に保持させることができるので、安全且つ容易に歯科用インプラントフィクスチャー用の埋入穴を顎骨に形成させることができるのである。
またガイド穴が設けられている部位を除いた舌側及び/又は唇側にも所定位置に余分の印象材が口腔内側に押し出される貫通穴が形成されている態様では、貫通穴から押し出された印象材が歯科用テンプレートの舌側及び/又は唇側の口腔内側に広がって固まり、残存歯牙と歯科用テンプレートとをより強く結合させることができて好ましいのである。
本発明に係る歯科用テンプレートの一実施例を示す斜視図である。 図1の歯科用テンプレートを口腔内に装着した様子を示す斜視図である。 貫通穴から余分な印象材が押し出された様子を示す斜視図である。 本発明に係る歯科用テンプレートの他の実施例を示す斜視図である。
以下、図面を用いて本発明に係る歯科用テンプレートについて詳細に説明する。
図面中、Xは本発明に係る歯科用テンプレートを残存歯牙の歯面にしっかり保持させるために使用される印象材である。このような印象材Xとしては、シリコーン印象材等が使用できる。
1は顎骨にインプラントフィクスチャー埋入用の穴を穿設するためのドリルをガイドするガイド穴であり、本発明に係る歯科用テンプレートの欠如歯部に対応する部分に設けられている。このガイド穴1にはドリルが挿入されるので、このガイド穴1部分は金属製であると好ましく、歯科用テンプレートとは別体として作製して歯科用テンプレートに固着させたり、歯科用テンプレートを金属製にしてその歯科用テンプレートに穿設して形成させたりすることができる。
2はガイド穴1が設けられている部位を除いた咬合面側の所定位置に余分の印象材Xが口腔内側に押し出される貫通穴である。またこの貫通穴2がガイド穴1が設けられている部位を除いた舌側及び/又は唇側にも所定位置に形成されていれば、貫通穴2から押し出された印象材Xが歯科用テンプレートの舌側及び/又は唇側の口腔内側に広がって固まり、印象材Xと歯科用テンプレートとをより強く結合させることができるのである。
このような本発明に係る歯科用テンプレートを実際に使用するには、先ず患者の口腔内の印象を採得し、その印象の形状に基づいて歯科用テンプレートを作製する。この歯科用テンプレートは、欠如歯部の部分は歯肉表面を覆うように形成され、欠如歯部以外の部分は残存歯牙の咬合面側を覆うような形に形成される。このような歯科用テンプレートに対して、例えば図1〜4の如く、欠如歯部に対応し歯肉表面を覆うように形成された部分に、金属製の円筒を埋設することによりガイド穴1を形成させることができる。また金属製の歯科用テンプレートを作製する場合には、欠如歯部に対応する部分にドリルを挿入するガイド穴1を穿設すればよい。
そしてこのような歯科用テンプレートに、余分の印象材Xが口腔内側に押し出される貫通穴2をガイド穴1が設けられている部位を除いた咬合面側の所定位置に適宜形成させる。この貫通穴2は、例えば図1〜3の如く欠如歯部以外の部分において各歯牙毎にその咬合面側に1つずつ形成させれば、各残存歯牙毎に確実に余分の印象材Xを口腔内側に押し出すことができる。また印象材Xの粘性が高い場合などは、各残存歯牙毎に複数の貫通穴2を形成させたり、比較的大きな貫通穴2を形成させることで、余分の印象材Xが容易に口腔内側に押し出されるようにすればよい。
また本発明に係る歯科用テンプレートでは粘性のある印象材Xを使用するので、舌側及び/又は唇側からはみ出すように押し出された印象材Xは、歯科用テンプレートの端部から延長されたスカート部を形成して固まるので、残存歯牙の歯面をしっかりと保持することができる。そのため舌側及び/又は唇側において貫通穴2を形成させる必要は必ずしもないが、舌側及び/又は唇側に貫通穴2を形成させれば、貫通穴2から押し出された印象材が歯科用テンプレートの舌側及び/又は唇側の口腔内側に広がって固まり、印象材と歯科用テンプレートとをより強く結合させることができて好ましいのである。
X 印象材
1 ガイド穴
2 貫通穴

Claims (2)

  1. 少なくとも欠如歯部を含む顎堤に沿って装着され、顎骨にインプラントフィクスチャー埋入用の穴を穿設するためのドリルをガイドするガイド穴(1)が欠如歯部に対応する部分に設けられている硬質の歯科用テンプレートであって、ガイド穴(1)が設けられている部位を除いた咬合面側の所定位置に余分の印象材(X)が口腔内側に押し出される貫通穴(2)が形成されていることを特徴とする歯科用テンプレート。
  2. ガイド穴(1)が設けられている部位を除いた舌側及び/又は唇側にも所定位置に余分の印象材(X)が口腔内側に押し出される貫通穴(2)が形成されている請求項1に記載の歯科用テンプレート。
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