JP2007209575A - 歯科用補綴物の製造方法及び歯科用補綴物設計装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 歯科技工士が行なっていた作業を自動化することによって、製造時間を短縮するとともに、歯科用補綴物の品質に対する歯科技工士の熟練度の影響を軽減することができ、かつ、歯列模型又は歯列印象の三次元形状を正確に計測することができる歯科用補綴物の製造方法を提供する。
【解決手段】 歯列模型又は歯列印象の三次元形状をX線CTで計測することにより、X線画像データを作成する画像データ作成工程と、前記X線画像データに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する座標データ作成工程と、前記三次元座標データに基づいて、歯科用補綴物の三次元形状を設計する補綴物設計工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】 歯列模型又は歯列印象の三次元形状をX線CTで計測することにより、X線画像データを作成する画像データ作成工程と、前記X線画像データに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する座標データ作成工程と、前記三次元座標データに基づいて、歯科用補綴物の三次元形状を設計する補綴物設計工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、歯科用補綴物の製造方法及び歯科用補綴物設計装置に関する。
従来、クラウン、ブリッジ、インレー、アンレー、ベニア等の歯冠補綴物や有床義歯等の歯科用補綴物は埋没鋳造法の原理を用いて製造されていた。例えば、クラウン等の歯冠補綴物の製造方法では、支台歯を形成する整形工程と、支台歯と当該支台歯の隣接歯と当該支台歯の対合歯の咬合面の印象を採得する印象作製工程と、石膏材を印象内に注入することによって歯列模型を作製する歯列模型作製工程と、歯列模型にワックスパターンを形成し、スプルーを設けて耐火材で埋没するワックスアップ工程と、ワックスを焼成するロストワックス工程と、ワックスパターン形状の空間にスプルーを通して溶融した金属を充填し冷却する鋳造工程と、スプルーを取り除き、表面を研摩して所望の歯冠補綴物を得る研磨工程といった工程が順に実行されていた。
このような歯科用補綴物の製造方法において、整形工程及び印象作製工程は、臨床で歯科医師により手作業で行なわれるが、歯列模型作製工程から研磨工程までの工程は、歯科技工所で歯科技工士により手作業で行なわれる。つまり、歯科用補綴物の製造方法において、全ての工程が、手作業で行なわれていた。よって、歯科用補綴物の生産性の向上を図ることができないうえに、歯科用補綴物の品質にばらつきがあった。また、歯列模型作製工程から研磨工程までの工程は、熟達した技能を必要とするために、歯科技工士の育成を必要とするという問題があった。
そこで、近年、歯科技工士が行なっていた作業を自動化することによって、製造時間を短縮するとともに、歯科用補綴物の品質に対する歯科技工士の熟練度の影響を軽減するために、歯科用補綴物をCAD/CAMにより製作する方法が提案されている。この方法に用いられる装置は、一般的に、歯列模型の三次元形状を計測する形状計測装置と、三次元座標データに基づいて歯科用補綴物の三次元形状を設計し、設計データを出力する演算処理装置(コンピュータ)と、設計データに基づいて歯科用補綴物を製作する加工装置とからなる。
ここで、支台歯と当該支台歯の隣接歯と歯肉とを有する歯列模型の三次元形状を計測する従来の形状計測装置について説明する。図1は、支台歯と当該支台歯の隣接歯と当該支台歯の対合歯の咬合面と歯肉とを有する歯列模型の一例の斜視図である。図2は、図1に示すAの拡大断面図である。歯列模型1は、支台歯13と、隣接歯11、12と、歯肉14とを有する。
図6は、歯列模型の三次元形状を計測する従来の形状計測装置50の一例である。形状計測装置50では、接触プローブ51を多軸移動手段52により移動させながら、歯列模型16に接触プローブ51を接触させることにより信号処理装置53に信号を出力させていた。このとき、密接した箇所に接触プローブ51を接触させることは不可能であるので、支台歯13及び歯肉14を有する歯列模型16を歯列模型1から切り離して用いていた。
また、図7は、歯列模型の三次元形状を計測する従来の形状計測装置の他の一例である。形状計測装置60では、歯列模型16の測定点にむけてレーザ光源61によりレーザ光を照射させ、光学レンズ62を通じて集光された歯列模型16からの反射光を光位置検出素子(PSD)63により受光させていた。このとき、密接した箇所にレーザ光を照射させることは不可能であるので、支台歯13及び歯肉14を有する歯列模型16を歯列模型1から切り離して用いていた。そして、レーザ光源61の位置と、PSD63の位置と、受光した歯列模型16からの反射光とに基づいて、信号処理装置64に、歯列模型16の測定点の位置を算出させていた。例えば、特許文献1に記載の歯科補綴物の製造方法においては、レーザーセンサを用いることが開示されている。
特開平10−290814号公報
しかしながら、形状計測装置50では、計測精度をよくするためには接触プローブ51の移動速度を遅くする必要があるので、三次元座標データを作成するのに多大な時間がかかるとともに、接触プローブ51の摩耗によって計測精度が経時劣化する問題があった。一方、形状計測装置60では、歯列模型16は微細な凹凸形状を有するので、歯列模型16の測定点からの反射光が凹凸形状に当たり、凹凸形状からの反射光(2次反射光)がPSD63に受光されることがあった。
また、形状計測装置50、60では、密接した箇所を計測することは不可能であったので、支台歯13及び歯肉14を有する歯列模型16を歯列模型1から切り離して計測していた。つまり、歯列模型16を歯列模型1から切り離す手間がかかった。さらに、歯列模型16を歯列模型1から切り離して計測しても、支台歯13と歯肉14との間には歯肉14が盛り上がっているために小さな隙間17が形成されているので、歯列模型16の三次元形状を正確に計測することはできなかった。例えば、形状計測装置50、60で計測することにより作成された歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データは、隙間17の三次元形状を正確に計測することができないために、図8に示すような歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データとなっていた。すなわち、隙間17が計測されていなかった。
また、石膏模型の形状を計測するのでなく、直接歯列印象を計測することができれば、形状の転写のプロセスが1回になって誤差が減少すると期待できるが、印象の形状が溝や穴などのくぼんだ形状なので、接触式や光学式の計測方法では測定が困難であった。
また、石膏模型の形状を計測するのでなく、直接歯列印象を計測することができれば、形状の転写のプロセスが1回になって誤差が減少すると期待できるが、印象の形状が溝や穴などのくぼんだ形状なので、接触式や光学式の計測方法では測定が困難であった。
そこで、本発明は、歯科技工士が行なっていた作業を自動化することによって、製造時間を短縮するとともに、歯科用補綴物の品質に対する歯科技工士の熟練度の影響を軽減することができ、かつ、歯列模型又は歯列印象の三次元形状を正確に計測することができる歯科用補綴物の製造方法及び歯科用補綴物設計装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の歯科用補綴物の製造方法は、歯列模型又は歯列印象の三次元形状をX線CTで計測することにより、X線画像データを作成する画像データ作成工程と、前記X線画像データに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する座標データ作成工程と、前記三次元座標データに基づいて、歯科用補綴物の三次元形状を設計する補綴物設計工程とを含むようにしている。
本発明の歯科用補綴物の製造方法によれば、X線CTとコンピュータ等とにより歯科用補綴物の三次元形状を設計するので、歯科技工士が行なっていた作業を自動化することによって、製造時間を短縮するとともに、歯科用補綴物の品質を均一にすることができる。
また、歯列模型又は歯列印象の三次元形状をX線CTで計測することにより、歯列模型又は歯列印象を切り離す必要もなく、歯列模型又は歯列印象の三次元形状を計測することができる。さらに、例えば、支台歯と歯肉との間の隙間のような小さな三次元形状も正確に計測することができる。特に石膏模型の場合、転写のプロセスが2回あるのに対して、石膏模型の形状を計測するのでなく、直接歯列印象を計測する場合は、形状の転写のプロセスが1回になって誤差が減少する。
また、歯列模型又は歯列印象の三次元形状をX線CTで計測することにより、歯列模型又は歯列印象を切り離す必要もなく、歯列模型又は歯列印象の三次元形状を計測することができる。さらに、例えば、支台歯と歯肉との間の隙間のような小さな三次元形状も正確に計測することができる。特に石膏模型の場合、転写のプロセスが2回あるのに対して、石膏模型の形状を計測するのでなく、直接歯列印象を計測する場合は、形状の転写のプロセスが1回になって誤差が減少する。
(その他の課題を解決するための手段および効果)
また、本発明の歯科用補綴物の製造方法においては、前記画像データ作成工程は、前記歯列模型又は歯列印象の全体の三次元形状を計測することにより、歯列模型又は歯列印象の全体を示す第一X線画像データを作成する第一画像データ作成工程と、前記歯列模型又は歯列印象を切断せずに、前記歯列模型又は歯列印象の所定の領域の三次元形状を計測することにより、歯列模型又は歯列印象の所定の領域を示す第二X線画像データを作成する第二画像データ作成工程とを含むとともに、前記座標データ作成工程は、前記第一X線画像データと第二X線画像データとに基づいて、歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成するようにしてもよい。
このような本発明の歯科用補綴物の製造方法によれば、歯列模型又は歯列印象の全体の三次元形状を示す第一X線画像データを作成するとともに、例えば、支台歯と歯肉との間の隙間のような小さな三次元形状を示す第二X線画像データを、CTの撮影条件を変えて拡大して撮影することによって作成することにより、第一X線画像データと第二X線画像データとに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データをより正確に作成することができる。
また、本発明の歯科用補綴物の製造方法においては、前記画像データ作成工程は、前記歯列模型又は歯列印象の全体の三次元形状を計測することにより、歯列模型又は歯列印象の全体を示す第一X線画像データを作成する第一画像データ作成工程と、前記歯列模型又は歯列印象を切断せずに、前記歯列模型又は歯列印象の所定の領域の三次元形状を計測することにより、歯列模型又は歯列印象の所定の領域を示す第二X線画像データを作成する第二画像データ作成工程とを含むとともに、前記座標データ作成工程は、前記第一X線画像データと第二X線画像データとに基づいて、歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成するようにしてもよい。
このような本発明の歯科用補綴物の製造方法によれば、歯列模型又は歯列印象の全体の三次元形状を示す第一X線画像データを作成するとともに、例えば、支台歯と歯肉との間の隙間のような小さな三次元形状を示す第二X線画像データを、CTの撮影条件を変えて拡大して撮影することによって作成することにより、第一X線画像データと第二X線画像データとに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データをより正確に作成することができる。
また、本発明の歯科用補綴物の製造方法においては、前記歯列模型は、支台歯と当該支台歯の隣接歯と当該支台歯の対合歯の咬合面と歯肉とを有するようにしてもよい。
このような本発明の歯科用補綴物の製造方法によれば、支台歯と隣接歯との間の距離及び支台歯と歯肉との間の隙間(所謂、マージンライン)と支台歯の対合歯の咬合面とを正確に計測することができる。これにより、歯科用補綴物のマージンラインを正確かつ自動で設計することができる。
このような本発明の歯科用補綴物の製造方法によれば、支台歯と隣接歯との間の距離及び支台歯と歯肉との間の隙間(所謂、マージンライン)と支台歯の対合歯の咬合面とを正確に計測することができる。これにより、歯科用補綴物のマージンラインを正確かつ自動で設計することができる。
そして、本発明の歯科用補綴物の製造方法においては、前記画像データ作成工程は、前記歯列模型の全体の三次元形状を計測することにより、歯列模型の全体を示す第一X線画像データを作成する第一画像データ作成工程と、前記歯列模型を切断せずに、前記歯列模型の支台歯及び歯肉の三次元形状を計測することにより、歯列模型の支台歯及び歯肉を示す第二X線画像データを作成する第二画像データ作成工程とを含むとともに、前記座標データ作成工程は、前記第一X線画像データと第二X線画像データとに基づいて、歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成するようにしてもよい。
さらに、本発明の歯科用補綴物の製造方法においては、前記第二画像データ作成工程は、少なくとも前記支台歯と前記歯肉との間の隙間を示す第二X線画像データを作成するようにしてもよい。
また、本発明の歯科用補綴物設計装置においては、X線CTと、演算処理装置とを備える歯科用補綴物設計装置であって、前記演算処理装置は、歯列模型又は歯列印象の三次元形状を前記X線CTで計測することにより、X線画像データを作成する画像データ作成手段と、前記X線画像データに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する座標データ作成手段と、前記三次元座標データに基づいて、歯科用補綴物の三次元形状を設計する補綴物設計手段とを有するようにしている。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
図3は、本発明の一実施形態である歯科用補綴物設計装置の構成を示すブロック図である。歯科用補綴物設計装置40は、X線CT検査部30と、演算処理装置(コンピュータ)20とにより構成される。
X線CT検査部30は、X線発生装置31とX線検出器32とを有するX線測定光学系33と、歯列模型1を載置するステージ35と、ステージ34を回転・並進移動させる駆動部35とにより構成される。
X線測定光学系33は、X線検出器32とX線発生装置31とを有する。X線検出器32は、イメージインテンシファイア(以下、IIと略す)と当該IIの裏面に一体的に取り付けられたCCDカメラとを有する。一方、X線発生装置31は、X線源であり、IIの表面に向けて透視用X線を照射するX線管を有する。よって、IIが透視用X線を検出することにより蛍光像を形成することになる。さらに、この蛍光像をCCDカメラで撮影することによって、透視用X線の映像信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換しコンピュータ20に出力される。
X線測定光学系33は、X線検出器32とX線発生装置31とを有する。X線検出器32は、イメージインテンシファイア(以下、IIと略す)と当該IIの裏面に一体的に取り付けられたCCDカメラとを有する。一方、X線発生装置31は、X線源であり、IIの表面に向けて透視用X線を照射するX線管を有する。よって、IIが透視用X線を検出することにより蛍光像を形成することになる。さらに、この蛍光像をCCDカメラで撮影することによって、透視用X線の映像信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換しコンピュータ20に出力される。
ステージ34は、上面に垂直な方向(Z方向)に軸を有する下部円板状体34bと、当該軸を回転軸として回転可能となるように形成された上部円板状体34aとで構成される。そして、上部円板状体34aの上面に、歯列模型1は載置されることになる。
なお、下部円板状体34bは、駆動信号が入力された駆動部35により、ステージ34面に平行な方向(XY方向)に移動したり、ステージ34面に垂直な方向(Z方向)に昇降移動したりするように、移動可能に設けられている。さらに、上部円板状体34aは、駆動信号が入力された駆動部35により、回転移動(α方向)するように設けられている。
よって、ステージ34の位置を移動させることにより、歯列模型1の位置を移動させることになる。
なお、下部円板状体34bは、駆動信号が入力された駆動部35により、ステージ34面に平行な方向(XY方向)に移動したり、ステージ34面に垂直な方向(Z方向)に昇降移動したりするように、移動可能に設けられている。さらに、上部円板状体34aは、駆動信号が入力された駆動部35により、回転移動(α方向)するように設けられている。
よって、ステージ34の位置を移動させることにより、歯列模型1の位置を移動させることになる。
コンピュータ20においては、CPU21を備え、さらに、表示装置23と、入力装置であるキーボード22a及びマウス22bとが連結されている。また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、X線画像データを作成する画像データ作成手段24と、三次元座標データを作成する座標データ作成手段25と、補綴物設計手段26と、設計データを作成する設計データ作成手段27と、駆動信号発生手段28とに分けられる。
駆動信号発生手段28は、キーボード22aやマウス22b等の種々の操作によって、ステージ34を移動させる駆動信号を駆動部15に発生する制御を行うものである。
画像データ作成手段24は、X線検出器32から出力された映像信号(アナログ信号)から変換されたデジタル信号に基づいて、X線画像データを作成する制御を行うものである。
座標データ作成手段25は、X線画像データに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成するとともに、表示装置23に歯列の三次元グラフィックを画像表示する制御を行うものである。
座標データ作成手段25は、X線画像データに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成するとともに、表示装置23に歯列の三次元グラフィックを画像表示する制御を行うものである。
補綴物設計手段26は、キーボード22aやマウス22b等の種々の操作によって歯科用補綴物の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成するとともに、表示装置23に歯科用補綴物の三次元グラフィックを画像表示する制御を行うものである。
設計データ作成手段27は、三次元座標データに基づいて、設計データを作成する制御を行うものである。
設計データ作成手段27は、三次元座標データに基づいて、設計データを作成する制御を行うものである。
次に、歯科用補綴物の製造方法の一例について説明する。図4は、歯科用補綴物の製造方法の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS1の処理において、X線CT検査部30により歯列模型1の全体の三次元形状を計測することにより、歯列模型1の全体を示す第一X線画像データを作成する。なお、歯列模型1の全体を計測することにより、歯列の全体の状態を把握することができることになる。
まず、ステップS1の処理において、X線CT検査部30により歯列模型1の全体の三次元形状を計測することにより、歯列模型1の全体を示す第一X線画像データを作成する。なお、歯列模型1の全体を計測することにより、歯列の全体の状態を把握することができることになる。
次に、ステップS2の処理において、X線CT検査部30により歯列模型1の支台歯13、隣接歯11、12及び歯肉14を有する所定の領域の三次元形状を計測することにより、支台歯、隣接歯及び歯肉を有する所定の領域を拡大撮影して第二X線画像データを作成する。このとき、所定の領域を歯列模型1から切り離して用いる必要はなく、ステージ34の位置をX線管球側に移動させることにより、歯列模型1の位置を移動させるだけでよいことになる。なお、歯列模型1の所定の領域を計測することにより、支台歯13と隣接歯11、12との間の距離及び支台歯13と歯肉14との間の隙間17を把握することができることになる。
次に、ステップS3の処理において、第一X線画像データと第二X線画像データとに基づいて、歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する。具体的には、第一X線画像データに基づいて、歯列の全体の三次元グラフィックを示す第一三次元座標データを作成する。そして、第二X線画像データに基づいて、歯列の所定の領域の三次元グラフィックを示す第二三次元座標データを作成する。さらに、第一三次元座標データと第二三次元座標データとを合成して、所定の領域が鮮明になった歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する。なお、第二三次元座標データは、隙間17の三次元形状を正確に計測することができるので、図5に示すような歯列の所定の領域の三次元グラフィックを示すようなものとなる。
次に、ステップS4の処理において、歯科用補綴物の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する。例えば、表示装置23に画像表示された歯科用補綴物の三次元グラフィックにより、支台歯と隣接歯との間の距離、支台歯と歯肉との間の隙間及び支台歯の対合歯の咬合面を把握しながら、キーボード22aやマウス22b等の種々の操作によって歯科用補綴物の三次元グラフィックを設計する。
最後に、ステップS5の処理において、歯科用補綴物の三次元グラフィックを示す三次元座標データに基づいて、設計データを作成する。
このような本発明の歯科用補綴物の製造方法によれば、X線CT検査部30とコンピュータ20とにより歯科用補綴物の三次元形状を設計するので、歯科技工士が行なっていた作業を自動化することによって、製造時間を短縮するとともに、歯科用補綴物の品質を均一にすることができる。
また、歯列模型1の三次元形状をX線CT検査部30で計測することにより、歯科模型1の所定の領域を切り離す必要もなく、歯科模型1の所定の領域の三次元形状を計測することができる。さらに、支台歯13と歯肉14との間の隙間17の三次元形状も正確に計測することができる。よって、第一三次元座標データと第二三次元座標データとを合成して、支台歯と歯肉との間の隙間も鮮明になった歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成することができる。
また、歯列模型1の三次元形状をX線CT検査部30で計測することにより、歯科模型1の所定の領域を切り離す必要もなく、歯科模型1の所定の領域の三次元形状を計測することができる。さらに、支台歯13と歯肉14との間の隙間17の三次元形状も正確に計測することができる。よって、第一三次元座標データと第二三次元座標データとを合成して、支台歯と歯肉との間の隙間も鮮明になった歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成することができる。
(他の実施形態)
上述した歯科用補綴物の製造方法では、歯列模型1を計測する例を示したが、歯列印象を計測するようにしてもよい。この場合には、歯列印象を示すX線画像データを作成し、当該X線画像データに基づいて歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成することになる。このとき、アルギン酸などの印象材は時間がたつと形状が安定しないが、ゴム印象と呼ばれる素材を用いれば、時間がたっても安定であるため、CTによる直接形状撮影が可能となる。
上述した歯科用補綴物の製造方法では、歯列模型1を計測する例を示したが、歯列印象を計測するようにしてもよい。この場合には、歯列印象を示すX線画像データを作成し、当該X線画像データに基づいて歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成することになる。このとき、アルギン酸などの印象材は時間がたつと形状が安定しないが、ゴム印象と呼ばれる素材を用いれば、時間がたっても安定であるため、CTによる直接形状撮影が可能となる。
本発明は、歯列模型又は歯列印象の三次元形状を計測する歯科用補綴物の製造方法に利用することができる。
1、16: 歯列模型
11、12: 隣接歯
13: 支台歯
14: 歯肉
30: X線CT検査部
20: 演算処理装置(コンピュータ)
40: 歯科用補綴物設計装置
50、60: 形状計測装置
11、12: 隣接歯
13: 支台歯
14: 歯肉
30: X線CT検査部
20: 演算処理装置(コンピュータ)
40: 歯科用補綴物設計装置
50、60: 形状計測装置
Claims (6)
- 歯列模型又は歯列印象の三次元形状をX線CTで計測することにより、X線画像データを作成する画像データ作成工程と、
前記X線画像データに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する座標データ作成工程と、
前記三次元座標データに基づいて、歯科用補綴物の三次元形状を設計する補綴物設計工程とを含むことを特徴とする歯科用補綴物の製造方法。 - 前記画像データ作成工程は、前記歯列模型又は歯列印象の全体の三次元形状を計測することにより、歯列模型又は歯列印象の全体を示す第一X線画像データを作成する第一画像データ作成工程と、
前記歯列模型又は歯列印象を切断せずに、前記歯列模型又は歯列印象の所定の領域の三次元形状を計測することにより、歯列模型又は歯列印象の所定の領域を示す第二X線画像データを作成する第二画像データ作成工程とを含むとともに、
前記座標データ作成工程は、前記第一X線画像データと第二X線画像データとに基づいて、歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成することを特徴とする請求項2に記載の歯科用補綴物の製造方法。 - 前記歯列模型は、支台歯と当該支台歯の隣接歯と当該支台歯の対合歯の咬合面と歯肉とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の歯科用補綴物の製造方法。
- 前記画像データ作成工程は、前記歯列模型の全体の三次元形状を計測することにより、歯列模型の全体を示す第一X線画像データを作成する第一画像データ作成工程と、
前記歯列模型を切断せずに、前記歯列模型の支台歯及び歯肉の三次元形状を計測することにより、歯列模型の支台歯及び歯肉を示す第二X線画像データを作成する第二画像データ作成工程とを含むとともに、
前記座標データ作成工程は、前記第一X線画像データと第二X線画像データとに基づいて、歯列の全体の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成することを特徴とする請求項3に記載の歯科用補綴物の製造方法。 - 前記第二画像データ作成工程は、少なくとも前記支台歯と前記歯肉との間の隙間を示す第二X線画像データを作成することを特徴とする請求項4に記載の歯科用補綴物の製造方法。
- X線CTと、演算処理装置とを備える歯科用補綴物設計装置であって、
前記演算処理装置は、歯列模型又は歯列印象の三次元形状を前記X線CTで計測することにより、X線画像データを作成する画像データ作成手段と、
前記X線画像データに基づいて、歯列の三次元グラフィックを示す三次元座標データを作成する座標データ作成手段と、
前記三次元座標データに基づいて、歯科用補綴物の三次元形状を設計する補綴物設計手段とを有することを特徴とする歯科用補綴物設計装置。
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KR101264657B1 (ko) | 2012-10-19 | 2013-05-15 | 조건제 | 디지털 치아 보철물 데이터 생성 장치 및 그 방법 |
JP2015523108A (ja) * | 2012-05-07 | 2015-08-13 | シロナ・デンタル・システムズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 歯の状況の測定方法 |
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2006
- 2006-02-10 JP JP2006033305A patent/JP2007209575A/ja active Pending
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