JP2003171648A - 熱剥離型接着剤組成物 - Google Patents

熱剥離型接着剤組成物

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JP2003171648A
JP2003171648A JP2002282124A JP2002282124A JP2003171648A JP 2003171648 A JP2003171648 A JP 2003171648A JP 2002282124 A JP2002282124 A JP 2002282124A JP 2002282124 A JP2002282124 A JP 2002282124A JP 2003171648 A JP2003171648 A JP 2003171648A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱硬化性接着剤成分を含み、初期せん断接着
力が高い一方、加熱処理(熱水処理を含む。)により接
着力が著しく低下して、容易に自己剥離可能な熱剥離型
接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 加熱処理により接着力が低下する熱剥離
型接着剤組成物であって、熱硬化性接着剤成分100重
量部に対して、有機系熱膨張性粒子を30〜300重量
部の割合で添加するとともに、加熱処理前のJIS K
6850に準拠した引っ張りせん断接着力を3MPa
以上の値とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定量の熱硬化性
接着剤成分および有機系熱膨張性粒子を含み、初期接着
力が高い一方、加熱処理、特に熱水処理を実施すること
により接着力が著しく低下して、容易に剥離可能な熱剥
離型接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱処理により接着力が低下して
容易に剥離可能な熱剥離型接着剤組成物が提案されてい
る。例えば、加熱により膨張する膨張性微小球(発泡倍
率:約2〜150倍)を、アクリル系熱可塑性樹脂から
なる接着剤成分100重量部に対して、30〜100重
量部含有した粘着剤が開示されており、ビニルテープや
ラベル等の用途に用いることが示されている(例えば、
特許文献1および特許文献2参照)。また、同様の粘着
剤が、他の特許公報に開示されている(例えば、特許文
献3〜5参照)。しかしながら、開示されたこれらの粘
着剤は、それぞれ粘着剤成分が基本的にアクリル系熱可
塑性樹脂から構成されており、接着力や耐熱性に乏しい
という問題が見られた。したがって、例えば、3MPa
以上の高い接着力や機械的特性が要求される用途には、
事実上使用することが困難であった。また、開示された
接着剤は、加熱処理した場合の接着力の低下が乏しく、
一方で、無理やり剥離しようとすると、被着体を汚染し
やすくなり、いずれにしてもリサイクルが困難であると
いう問題が見られた。
【0003】また、加熱により膨張する膨張性微小球
(発泡倍率:約20〜150倍)を、接着剤成分100
重量部に対して、10重量部程度含有した熱膨張性接着
剤が開示されており、ラベル等に用いることが例示され
ている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、開
示された接着剤は、接着力の向上を目的として膨張性微
小球を添加しているため、膨張性微小球の添加量が適当
でなく、また、硬化処理後に膨張性微小球を発泡させ
て、接着力を低下させることにより、自己剥離性を得る
という意図は全くなかった。
【0004】また、粘着剤と、放射線重合性化合物と、
熱膨張性微小球とからなる粘着剤を塗布した粘着シート
が開示されており、半導体素子のダイシング工程に用い
られることが例示されている(例えば、特許文献7参
照)。しかしながら、開示された粘着シートは、使用す
るにあたって、粘着剤に配合された放射線重合性化合物
を放射線硬化しなければならないという使用上の制約が
見られた。そのため、放射線を透過させることができな
い用途には使用することが困難であった。また、開示さ
れた粘着シートは、半導体素子をダイシングする際に、
仮固定することが主目的であって、例えば、3MPa以
上の高い接着力や機械的特性が要求される用途には、事
実上使用することが困難であった。
【0005】また、粘着剤と、平均粒径差が3μm以上
異なる2種以上の熱膨張性微小球とを配合した加熱剥離
性接着剤が開示されている(例えば、特許文献8参
照)。しかしながら、開示された加熱剥離性接着剤は、
2種類以上の熱膨張性微小球を使用しなければならず、
逆に剥離性にばらつきが見られたり、経済的に不利にな
ったりするばかりか、複数の熱膨張性微小球を均一に混
合することが困難となるなどの製造上の問題も見られ
た。また、開示された加熱剥離性接着剤は、例えば、3
MPa以上の高い接着力や機械的特性が要求される場合
には、使用することが困難であった。
【0006】また、ブロック共重合体と、複数の粘着付
与剤と、熱膨張性微小球とを配合した剥離性感圧接着剤
が開示されている(例えば、特許文献9参照)。しかし
ながら、開示された剥離性感圧接着剤は、被着体に対す
る接着力が乏しく、例えば、3MPa以上の高い接着力
や機械的特性が要求される場合には、使用することが困
難であった。また、ブロック共重合体に対して、熱膨張
性微小球を均一に混合するには、溶剤を使用しなければ
ならないなどの製造上の制約が大きく、また、環境上も
好ましくないという問題が見られた。
【0007】さらにまた、硬化性樹脂中に、膨張開始温
度が150℃以上の熱膨張性無機物を配合した熱剥離型
接着剤組成物が開示されている(例えば、特許文献10
参照)。しかしながら、開示された熱剥離型接着剤組成
物は、加熱処理による接着力の低下が乏しく、実質的に
被着体をリサイクルすることが困難であるという問題が
見られた。また、熱膨張性無機物は比重や粒径が大き
く、硬化性樹脂中に均一に混合することが困難であり、
そのため、初期接着力がばらつくばかりか、接着力の低
下が不均一であるという問題も見られた。
【0008】一方、通常の使用時においては強力な接着
力を示し、温水に接触すると接着力が低下する粘着ラベ
ルの提供を目的として、熱収縮性のプラスチックフィル
ムないしシートを基材とし、その片面に、吸水性ポリマ
ーを配合したアクリル系粘着剤層を形成した粘着ラベル
が開示されている(例えば、特許文献11参照)。しか
しながら、開示された粘着ラベルに使用される粘着剤
は、接着力や耐熱性に乏しいという問題が見られた。ま
た、開示された粘着ラベルに使用される粘着剤は、水処
理による接着力の低下が乏しいという問題も見られた。
したがって、例えば、3MPa以上の高い接着力や機械
的特性が要求される一方、容易にリサイクルすることが
要求される熱剥離型接着剤組成物の用途には使用するこ
とが困難であった。
【0009】さらに、モーター等における接着剤で固定
した磁石の回収方法が開示されており、エポキシ系接着
剤等を熱分解以上の高温で加熱して、エポキシ系接着剤
等を炭化除去することを特徴としている(例えば、特許
文献12参照)。しかしながら、開示された磁石の回収
方法では、高温での加熱処理の実施が不可欠であって、
危険性を伴う一方、磁石自身が熱劣化しやすく、リサイ
クル性に乏しいという問題が見られた。
【0010】
【特許文献1】特開昭56−61468号公報 (特許
請求の範囲)
【特許文献2】特開昭60−252681号公報 (特
許請求の範囲)
【特許文献3】特開平11−228921号公報 (特
許請求の範囲)
【特許文献4】特開2000−86994号公報 (特
許請求の範囲)
【特許文献5】特開2000−239620号公報
(特許請求の範囲)
【特許文献6】特開昭56−61467号公報 (特許
請求の範囲)
【特許文献7】特開昭63−17981号公報 (特許
請求の範囲)
【特許文献8】特開平6−184504号公報 (特許
請求の範囲)
【特許文献9】特開平6−33025号公報 (特許請
求の範囲)
【特許文献10】特開2000−204332号公報
(特許請求の範囲)
【特許文献11】特開平3−354442号公報 (特
許請求の範囲)
【特許文献12】特開2001−85233号公報
(特許請求の範囲)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の発明
者らは鋭意検討した結果、エポキシ樹脂や反応性アクリ
ル樹脂等の熱硬化性接着剤成分を用いるとともに、当該
熱硬化性接着剤成分に対して、所定量の有機系熱膨張性
粒子を添加することにより、接着剤成分が硬化処理後、
加熱処理前は、高い接着力が得られる一方、加熱処理後
には、短時間で急激に接着力が低下し、より好ましくは
自己剥離(自然剥離)し、被着体を容易に回収して、リ
サイクルできることを見出したものである。すなわち、
本発明は、所定量の熱硬化性接着剤成分および有機系熱
膨張性粒子を含み、初期接着力が高い一方、加熱処理に
より接着力が著しく低下して、容易に剥離可能な熱剥離
型接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、加熱処
理により接着力が低下する熱剥離型接着剤組成物であっ
て、熱硬化性接着剤成分100重量部に対して、有機系
熱膨張性粒子を30〜300重量部の割合で添加すると
ともに、加熱処理前のJIS K 6850に準拠した
引っ張りせん断接着力を3MPa以上の値とした熱剥離
型接着剤組成物が提供され、上述した問題点を解決する
ことができる。すなわち、このように構成することによ
り、熱硬化性接着剤成分を含みながら、加熱処理前は、
高い接着力や耐熱性が得られる一方、加熱処理後には、
有機系熱膨張性粒子の働きにより、急激に接着力が低下
するため、被着体を容易に回収してリサイクルすること
ができる。なお、本発明の熱剥離型接着剤組成物の場
合、硬化処理後の加熱処理によって、初期接着力が所定
量低下して、被着体を回収できる程度の接着剤組成物で
あれば良い。その場合、例えば、60分間加熱処理する
ことにより、初期接着力が1/2〜1/100の範囲で
低下する接着剤組成物であることが好ましく、より好ま
しくは、被着体から自己剥離する接着剤組成物である。
【0013】また、本発明の熱剥離型接着剤組成物を構
成するにあたり、熱硬化性接着剤成分が、エポキシ系樹
脂、オキセタン系樹脂、反応性アクリル系樹脂、シアネ
ートエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、
フェノールアルデヒド系樹脂、メラミンアルデヒド系樹
脂、尿素アルデヒド系樹脂、レゾルシノールアルデヒド
樹脂、キシレンアルデヒド樹脂、およびフラン樹脂から
なる群から選択される少なくとも一つの硬化型接着剤で
あることが好ましい。このように構成することにより、
70℃未満の低温であっても硬化することが可能であっ
て、優れた初期接着特性や機械的特性を得ることができ
る一方、粘度が低いために、有機系熱膨張性粒子を均一
に混合分散することができ、硬化処理後の加熱処理によ
って、確実に接着力を低下させることができる。
【0014】また、本発明の熱剥離型接着剤組成物を構
成するにあたり、熱硬化性接着剤成分100重量部に対
して、0.1〜20重量部のカップリング剤を含むこと
が好ましい。このように構成することにより、アルミニ
ウム等の難接着被着体に対する初期接着力を高めること
ができるとともに、耐湿性や耐水性を向上させることも
できる。その一方で、カップリング剤の添加量が所定範
囲に制限されているため、熱水等を用いた場合であって
も、容易に自己剥離させることができる。
【0015】また、本発明の熱剥離型接着剤組成物を構
成するにあたり、熱硬化性接着剤成分100重量部に対
して、0.001〜20重量部の界面活性剤を含むこと
が好ましい。このように構成することにより、界面活性
剤の添加量が所定範囲に制限されているため、初期接着
力の低下を抑制できる一方、加熱処理によって、均一に
接着力を低下させたり、容易に自己剥離させたりするこ
とができる。
【0016】また、本発明の熱剥離型接着剤組成物を構
成するにあたり、フィルム形成樹脂を含むとともに、厚
さが10〜200μmのフィルム状であることが好まし
い。このように構成することにより、取り扱いが容易に
なるばかりか、初期接着力のばらつきが小さくなる一
方、所定温度で加熱処理した場合に、均一に接着力を低
下させることができる。
【0017】また、本発明の熱剥離型接着剤組成物を構
成するにあたり、70〜250℃の温度での加熱処理に
より、60分以内に自己剥離することが好ましい。この
ように構成することにより、加熱処理中の被着体の熱劣
化を有効に防止することができるため、回収した被着体
を容易にリサイクルすることができる。
【0018】また、本発明の熱剥離型接着剤組成物を構
成するにあたり、70〜250℃の熱水による加熱処理
により、60分以内に自己剥離することが好ましい。こ
のように構成することにより、剥離処理が容易かつ短時
間で可能になるとともに、加熱処理中の被着体の熱劣化
を有効に防止することができる。また、加熱媒体とし
て、水(水蒸気を含む。)が使用できるため、大量、短
時間処理が可能となり、極めて経済的であるばかりか、
剥離プロセス制御上の安全性も高くなる。そして、剥離
した後の被着体をそのまま加熱媒体によって洗浄するこ
とができるため、回収した被着体を容易にリサイクルす
ることもできる。
【0019】また、本発明の熱剥離型接着剤組成物を構
成するにあたり、加熱処理の温度をT2(℃)とし、硬
化処理の温度をT1(℃)とした場合に、T2≧T1+
30℃の関係式を満足することが好ましい。このように
硬化処理の温度(T1)と、加熱処理の温度(T2)の
値が離れていることにより、加熱処理前は、高い接着力
や耐熱性が得られる一方、加熱処理後には、急激に接着
力が低下するため、被着体を容易に回収してリサイクル
することができる。なお、硬化処理の温度(T1)は、
JIS K 6850に準拠した引っ張りせん断接着力
(被着体:ステンレス板同士)として、3MPa以上の
値が得られる硬化温度であって、加熱処理の温度(T
2)は、引っ張りせん断接着力が1/10以下に低下す
る温度とそれぞれ定義される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、加熱処理
により接着力が低下する、より好ましくは、自己剥離可
能な熱剥離型接着剤組成物であって、熱硬化性接着剤成
分100重量部に対して、有機系熱膨張性粒子を30〜
300重量部の割合で添加するとともに、硬化処理後、
加熱処理前のJIS K 6850に準拠した引っ張り
せん断接着力を3MPa以上の値とした熱剥離型接着剤
組成物である。
【0021】1.接着剤 (1)熱硬化性接着剤成分 本発明に使用する熱硬化性接着剤成分としては、例え
ば、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂、反応性アクリ
ル系樹脂、シアネートエステル系樹脂、シリコーン系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シアノアク
リレート系接着剤、フェノールアルデヒド系接着剤、メ
ラミンアルデヒド系接着剤、尿素アルデヒド系接着剤、
レゾルシノールアルデヒド樹脂、キシレンアルデヒド樹
脂、フラン樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わ
せが挙げられる。また、これらの熱硬化性接着剤成分の
うち、硬化処理後の加熱処理条件(剥離処理条件)が通
常、70℃以上の温度であることを考慮して、70℃未
満の温度、より好ましくは、室温付近の温度であっても
硬化が可能な低温硬化型接着剤成分を使用することが好
適である。
【0022】また、機械的特性や接着特性に優れ、しか
も、通常70℃未満の温度での低温硬化が可能であるこ
とから、熱硬化性接着剤成分として、エポキシ系樹脂を
使用することがより好ましい。このようなエポキシ系樹
脂を使用する場合、その主剤として、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールS型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹
脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエス
テル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ
樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、あるいはそれらの変性
物等を挙げることができる。また、硬化剤としては、脂
肪族ポリアミン化合物、ポリアミド樹脂、芳香族ジアミ
ン化合物、脂環族ジアミン化合物、ジシアンジアミド化
合物、複素環式アミン化合物、イミダゾール化合物、メ
ラミン化合物、フェノール化合物、メルカプタン系化合
物、酸無水物、三フッ化ホウ素錯体、あるいはそれらの
変性物等を挙げることができる。さらに、エポキシ系樹
脂を用いる場合、剥離接着力の値が低い場合があるの
で、エポキシ系樹脂100重量部に対して、数平均分子
量が1,000〜5,000の液状ゴム、例えばカルボ
キシル基末端NBR(CTBN)を1〜500重量部の
割合で予め反応させて得られる変性エポキシ系樹脂を用
いることが好ましい。あるいは、同様の理由から、後述
するフィルム形成樹脂としてのポリビニルブチラール樹
脂やフェノキシ樹脂等を、エポキシ系樹脂100重量部
に対して、10〜50重量部の範囲で添加し、熱硬化性
樹脂/熱可塑性樹脂からなる混合物として使用すること
も好ましい。
【0023】また、30〜50℃の室温付近温度であっ
ても、硬化反応が速く、しかもせん断接着力のみならず
剥離接着力の値も著しく高いことから、熱硬化性接着剤
成分として、反応性アクリル系樹脂を使用することがよ
り好ましい。このような反応性アクリル系樹脂を使用す
る場合、その主剤として、アクリルモノマーとラジカル
発生剤との組み合わせるとともに、硬化促進剤として、
アクリルモノマーと還元剤の組み合わせを使用すること
が好ましい。さらに、70℃未満の温度であっても、硬
化反応が極めて速く、しかも熱硬化のみならず、光硬化
も併用できることから、シアネートエステル樹脂を使用
することも好ましい。その場合、その主剤として、シア
ネートエステル樹脂を使用し、硬化剤として、シクロペ
ンタジエニル鉄(フェロセン)等の有機金属化合物を添
加するとともに、加水分解防止剤として、エポキシ樹脂
等を添加することが好ましい。
【0024】また、硬化性接着剤成分の数平均分子量を
100〜10,000の範囲内の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる数平均分子量が100未満の値
となると、取り扱いが困難となったり、あるいは、有機
系熱膨張性粒子を均一に分散することが困難となったり
する場合があるためである。一方、かかる数平均分子量
が10,000を超えると、流動性が低下して、取り扱
いが困難となったり、あるいは、硬化速度が低下したり
する場合があるためである。したがって、硬化性接着剤
成分の数平均分子量を200〜5,000の範囲内の値
とすることがより好ましく、300〜3,000の範囲
内の値とすることがより好ましい。なお、熱硬化性接着
剤成分の数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ(GPC)により、ポリスチレン換算分子量
として、測定することができる。
【0025】また、硬化性接着剤成分(硬化後)のガラ
ス転移点を60〜250℃の範囲内の値とすることが好
ましい。この理由は、かかるガラス転移点が60℃未満
の値となると、耐熱性が低下したり、耐クリープ性が不
十分となったりする場合があるためである。一方、かか
るガラス転移点が250℃を超えると、有機系熱膨張性
粒子を均一に分散することが困難となったり、加熱後に
速やかに接着力が低下しなかったりする場合があるため
である。したがって、硬化性接着剤成分のガラス転移点
を70〜200℃の範囲内の値とすることがより好まし
く、80〜150℃の範囲内の値とすることがより好ま
しい。なお、熱硬化性接着剤成分のガラス転移点は、示
差走査型熱量計(DSC)により、例えば、窒素中、1
0℃/分の条件で昇温させた場合に現れる比熱の変化点
として測定することができる。
【0026】(2)添加剤 カップリング剤 また、熱剥離型接着剤組成物には、シランカップリング
剤、アルミニウムカップリング剤、およびチタンカップ
リング剤からなる群から選択される少なくとも一つのカ
ップリング剤を添加することが好ましい。この理由は、
このようなカップリング剤を添加することにより、水処
理前には、空気中等の水分によって、接着力が低下する
ことを防止することができるためである。このようなカ
ップリング剤としては、具体的に、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシアルミニウム、
γ−アミノプロピルトリメトキシチタン等が挙げられ
る。なお、カップリング剤を添加する場合、当該カップ
リング剤の添加量を、熱硬化性接着剤成分100重量部
に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値とすること
が好ましく、0.5〜10重量部の範囲内の値とするこ
とがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とするこ
とがさらに好ましい。
【0027】界面活性剤 また、熱剥離型接着剤組成物には、界面活性剤を添加す
ることが好ましい。このように界面活性剤を添加するこ
とにより、熱水処理等を実施した場合に、より迅速に剥
離することができる。このような界面活性剤の種類は特
に制限されるものではなく、アニオン系界面活性剤、カ
チオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、高分子界
面活性剤のいずれであっても良い。より具体的には、脂
肪酸、脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエーテル、ソルビ
トール脂肪酸エステルエーテル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ショ糖脂肪酸エステル等の一種単独または二種以
上の組み合わせが挙げられる。特に、ポリエチレングリ
コールモノステアリルエーテルやデカグリセリントリス
テアリルエステル、ソルビトールモノステアレート、ソ
ルビトールモノラウリレート、ソルビタンモノステアレ
ート、ソルビタンモノラウリレート、ショ糖ジステアレ
ート、ショ糖モノジステアレート等を使用することによ
り、少量の添加で添加効果が発現させることができる一
方、初期接着力の低下についても、有効に防止すること
ができる。
【0028】また、界面活性剤の添加量を、熱硬化性接
着剤成分100重量部に対して、0.001〜20重量
部の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、か
かる界面活性剤の添加量が、0.001重量部未満とな
ると、添加効果が発現せず、熱水処理等を実施した場合
に、迅速に接着力が低下しない場合があるためである。
一方、かかる界面活性剤の添加量が20重量部を超える
と、均一に混合分散することが困難となったり、あるい
は初期接着力が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる界面活性剤の添加量を、熱硬化性接
着剤成分100重量部に対して、0.5〜10重量部の
範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5重量部の
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0029】有機溶剤 溶液型の熱剥離型接着剤組成物とする場合、適当な有機
溶剤を添加することも好ましい。このような有機溶剤と
しては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、トルエン、エチルエーテル、酢酸エチル、テトラヒ
ドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノー
ル、1−ブタノール等の一種単独または二種以上の組み
合わせが挙げられる。
【0030】その他 また、熱剥離型接着剤組成物中に、例えば、チクソトロ
ピー剤、粘性調整剤、可塑剤、着色剤、顔料、耐候剤、
変色防止剤、酸化防止剤、無機粒子、カーボン粒子、炭
素繊維、導電性粒子等の一種単独または二種以上の組み
合わせを本発明の目的を逸脱しない範囲で添加すること
も好ましい。
【0031】(3)引っ張りせん断接着力 熱剥離型接着剤組成物の硬化後であって、剥離前のJI
S K 6850に準拠した引っ張りせん断接着力を3
MPa(約30kgf/cm2)以上の値とすることが好まし
い。この理由は、かかる引っ張りせん断接着力が3MP
a以上の値であれば、機械的特性に優れ、粘着剤では使
用することができない構造用接着剤として、一般に使用
することができるためである。逆に、かかる引っ張りせ
ん断接着力が3MPa未満の値となると、使用中の被着
体等の振動や温度上昇等によって、硬化処理後の熱剥離
型接着剤組成物が剥離するおそれが生じるためである。
ただし、かかる引っ張りせん断接着力の値が過度に大き
くなると、加熱処理によって容易に剥離することが困難
となる場合がある。したがって、熱剥離型接着剤組成物
の硬化後であって、剥離前の引っ張りせん断接着力を4
〜60MPaの範囲内の値とすることがより好ましく、
5〜40MPaの範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0032】2.有機系熱膨張性粒子 (1)種類1 有機系熱膨張性粒子(単に、熱膨張性粒子と称する場合
がある。)としては、マイクロカプセル内に、有機材料
(ポリマー)により有機溶剤が封入された熱膨張性のマ
イクロカプセルを使用することができる。すなわち外殻
の有機材料が加熱により軟化するとともに内殻の溶剤が
ガス化し、体積が、例えば5〜250倍に膨張する粒子
である。より具体的には、内殻の溶剤としては、イソブ
タン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン、オクタン、
イソオクタン等の有機溶剤が挙げられ、それらの有機溶
剤を、外殻である塩化ビニリデン、アクリロニトリル、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等からなる
熱可塑性樹脂で包み込んだ熱膨張性マイクロカプセルを
好ましく使用できる。
【0033】(2)種類2 有機系熱膨張性粒子の発泡温度を制御するために、上述
した有機系熱膨張性粒子の周囲に、無機材料や熱硬化性
樹脂からなる最外層を設けることも好ましい。すなわ
ち、熱剥離型接着剤組成物を、発熱状態で使用する場
合、例えばモーター等における磁石固定用接着剤に使用
し、かかるモーター等が過度に発熱した場合には、所定
の加熱処理前であっても、熱可塑性樹脂からなる外殻を
有する有機系熱膨張性粒子が発泡するおそれがあるため
である。したがって、有機系熱膨張性粒子の発泡温度を
制御するために、上述した有機系熱膨張性粒子の周囲
に、メッキ法、蒸着法、スパッタリング法、印刷法、浸
漬法、光硬化法等の手法により、無機材料、例えば、
金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、鉛、半田、錫、
二酸化珪素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等を
被覆したり、熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂や
エポキシ樹脂等を被覆したりすることが好ましい。ま
た、最外層として、無機材料や熱硬化性樹脂を被覆する
場合、その厚さを0.01〜10μmの範囲内の値とす
ることが好ましい。この理由は、最外層の厚さが0.0
1μm未満の値となると、被覆効果が得られずに、発泡
温度を制御することが困難となる場合があるためであ
る。一方、最外層の厚さが10μmを超えると、有機系
熱膨張性粒子の発泡性が過度に抑制されて、熱剥離型接
着剤組成物の剥離性が低下する場合があるためである。
【0034】(3)添加量 有機系熱膨張性粒子の添加量を、熱硬化性接着剤成分1
00重量部に対して、30〜300重量部の範囲内の値
とする。この理由は、かかる有機系熱膨張性粒子の添加
量が30重量部未満の値になると、有機系熱膨張性粒子
の熱膨張性が不十分となって、硬化処理後の熱剥離型接
着剤組成物の剥離性が低下する場合があるためである。
一方、かかる有機系熱膨張性粒子の添加量が300重量
部を超えると、剥離前の熱剥離型接着剤組成物の接着力
が著しく低下する場合があるためである。したがって、
硬化処理後の熱剥離型接着剤組成物の剥離性と、剥離前
の熱剥離型接着剤組成物の初期接着力とのバランスがよ
り良好となることから、有機系熱膨張性粒子の添加量
を、熱硬化性接着剤成分100重量部に対して、40〜
200重量部の範囲内の値とすることが好ましく、50
〜150重量部の範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0035】ここで、図1〜図3を参照して、熱剥離型
接着剤組成物における有機系熱膨張性粒子の添加量の影
響をより詳細に説明する。図1は、横軸には、熱硬化性
接着剤成分100重量部に対する有機系熱膨張性粒子の
添加量を採って示してあり、縦軸には、硬化処理後の熱
剥離型接着剤組成物が3加熱条件(105℃オーブン、
120℃のオーブン、90℃の熱水)により、それぞれ
自己剥離するまでの時間を採って示してある。また、図
2は、図1の部分拡大図である。なお、熱硬化性接着剤
成分および有機系熱膨張性粒子は、実施例1で使用した
ものと同様である。これらの図1および図2から容易に
理解できるように、有機系熱膨張性粒子の添加量が25
重量部を超えたあたりから、急激に自己剥離性を生じる
傾向が見られる。そして、有機系熱膨張性粒子の添加量
が30重量部以上となると、90℃の熱水によれば5分
以内、105℃のオーブン加熱によれば40分以内、お
よび120℃のオーブン加熱によれば20分以内の加熱
時間によって、容易に自己剥離することが可能であるこ
とが理解される。
【0036】また、図3は、横軸には、熱硬化性接着剤
成分100重量部に対する有機系熱膨張性粒子の添加量
を採って示してあり、縦軸には、熱剥離型接着剤組成物
の初期接着力(ステンレス板同士)の値を採って示して
ある。この図3から容易に理解できるように、有機系熱
膨張性粒子の添加量が増加する程、熱剥離型接着剤組成
物の初期接着力は若干低下する傾向が見られるものの、
有機系熱膨張性粒子の添加量が、100重量部を相当量
超えるまでは、実用上、十分な初期接着力(3MPa以
上)が得られることが推定される。したがって、熱剥離
型接着剤組成物の剥離性の低下防止と、熱剥離型接着剤
組成物の初期接着力の低下防止との観点から、熱硬化性
接着剤成分100重量部に対して、有機系熱膨張性粒子
の添加量を40〜200重量部の範囲内の値とすること
が好ましく、50〜150重量部の範囲内の値とするこ
とがさらに好ましい。
【0037】(4)平均粒径 有機系熱膨張性粒子の平均粒径を5〜100μmの範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる有機
系熱膨張性粒子の平均粒径が5μm未満の値になると、
熱剥離型接着剤組成物の剥離性が低下する場合があるた
めである。一方、かかる有機系熱膨張性粒子の平均粒径
が100μmを超えると、剥離前の熱剥離型接着剤組成
物の接着力が低下する場合があるためである。したがっ
て、熱剥離型接着剤組成物の剥離性と、剥離前の熱剥離
型接着剤組成物の接着力とのバランスがより良好となる
ことから、有機系熱膨張性粒子の平均粒径を10〜70
μmの範囲内の値とすることが好ましく、15〜50μ
mの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0038】(5)表面処理 有機系熱膨張性粒子の表面に、上述した最外層を設ける
ほかに、カップリング剤処理や、無機物粒子添加、金属
メッキ、金属蒸着、無機物蒸着あるいは、有機系熱膨張
性粒子の外殻材料よりもガラス転移点が高い高分子を用
いて被覆しておくことが好ましい。このように有機系熱
膨張性粒子を表面処理すると、耐熱性や混合分散性を向
上させることができる。また、表面処理していない有機
系熱膨張性粒子を、エポキシ樹脂やオキセタン樹脂、あ
るいはフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂に添加した場
合、有機系熱膨張性粒子が硬化触媒となって、加熱硬化
前に、熱硬化性樹脂の硬化を促進してしまう場合があ
る。そのような場合、有機系熱膨張性粒子に対して、カ
ップリング剤処理等の表面処理を施すことにより、かか
る硬化触媒としての弊害を有効に防止することができ
る。
【0039】3.形態 (1)溶液状接着剤 溶液状の熱剥離型接着剤組成物とする場合、その粘度を
0.1〜1,000Pa・s(測定温度25℃)の範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる粘度
が0.1Pa・s未満の値となると、熱剥離型接着剤組
成物の取り扱い性が低下する場合があるためであり、所
定場所に均一に塗布することが困難となる場合があるた
めである。一方、かかる粘度が1,000Pa・sを超
えた値となると、逆に取り扱いが困難となって、被着体
を均一に接着することが困難となる場合があるためであ
る。したがって、熱剥離型接着剤組成物の粘度を1〜1
00Pa・sの範囲内の値とすることがより好ましく、
5〜50Pa・sの範囲内の値とすることがさらに好ま
しい。なお、熱剥離型接着剤組成物の粘度は、使用する
熱硬化性接着剤成分の種類を選択したり、あるいは、稀
釈剤として、有機溶剤やグリシジルエーテル化合物等を
添加したりすることにより、適宜調整することができ
る。
【0040】(2)フィルム状接着剤1 図4(a)に示すように、フィルム状の熱剥離型接着剤
組成物とする場合、フィルム形成樹脂を含むとともに、
熱剥離型接着剤組成物の厚さを10〜200μmの範囲
内の値とすることが好ましい。この理由は、熱剥離型接
着剤組成物の厚さが10μm未満の値となると、取り扱
いが困難となったり、接着力が低下したりする場合があ
るためである。一方、熱剥離型接着剤組成物の厚さが2
00μmを超えた値となると、被着体を均一に接着する
ことが困難となる場合があるためである。したがって、
熱剥離型接着剤組成物の厚さを20〜150μmの範囲
内の値とすることがより好ましく、30〜100μmの
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0041】また、フィルム形成樹脂の添加量は、熱剥
離型接着剤組成物の硬化速度や接着力等を考慮して定め
ることが好ましいが、例えば、熱硬化性接着剤成分10
0重量部に対して、5〜70重量部の範囲内の値とする
ことが好ましい。この理由は、かかるフィルム形成樹脂
の添加量が5重量部未満の値となると、フィルム化が不
十分となる場合があるためである。一方、かかるフィル
ム形成樹脂の添加量が70重量部を超えると、硬化速度
やせん断接着力が著しく低下する場合があるためであ
る。したがって、フィルム形成樹脂の添加量を熱硬化性
接着剤成分100重量部に対して、10〜60重量部の
範囲内の値とすることがより好ましく、20〜50重量
部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0042】また、フィルム形成樹脂としては、熱硬化
性接着剤成分と相溶性があるとともに、GPCで測定さ
れる数平均分子量が1,000〜1,000,000の
高分子量物であることが好ましい。好ましいフィルム形
成樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニル
ホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、カルボキシル化SEB
S樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げ
られる。また、フィルム形成樹脂は、熱硬化性接着剤成
分と反応可能な官能基を有することが好ましい。例え
ば、熱硬化性接着剤成分がエポキシ樹脂の場合、フィル
ム形成樹脂が、分子内に水酸基やカルボキシル基等の官
能基を有することが好ましい。このように熱硬化性接着
剤成分と反応可能な官能基を有することにより、熱剥離
型接着剤組成物の硬化速度を高めることができる。
【0043】(3)フィルム状接着剤2 図4(b)に示すように、フィルム状の熱剥離型接着剤
組成物(第1の接着剤層と称する場合がある。)の片面
(図中B側)に、有機系熱膨張性粒子を全く含まない
か、あるいは第1の接着剤層よりも少量の有機系熱膨張
性粒子を含む熱硬化性接着剤成分からなる接着剤層(第
2の接着剤層と称する場合がある。)を設けることが好
ましい。このように構成すると、第1の接着剤層と基材
とが接し、第2の接着剤層と被着体とが接するように接
着することにより、剥離面を選択することができ、第1
の接着剤層と基材との界面において、被着体を容易に剥
離することができる。また、図4(b)に示すような構
成であれば、第1の接着剤層において、有機系熱膨張性
粒子の平均粒径と、接着剤の厚さを実質的に等しくする
ことができる。すなわち、必要な熱硬化性接着剤成分や
フィルム形成樹脂の量は、片面に設けた第2の接着剤層
の厚さで調節することができるため、第1の接着剤層に
おける熱硬化性接着剤成分量やフィルム形成樹脂量を低
下させることができる。よって、剥離するために加熱処
理した場合、第1の接着剤層において、比較的少量の有
機系熱膨張性粒子を添加した場合であっても、それらが
均一に膨張するため、より効果的に被着体を剥離するこ
とができる。
【0044】また、図4(c)に示すように、2枚の熱
剥離型接着剤組成物(第1の接着剤層)の間に、有機系
熱膨張性粒子を含まないか、あるいは第1の接着剤層よ
りも少量の有機系熱膨張性粒子を含む熱硬化性接着剤成
分からなる接着剤層(第3の接着剤層と称する場合があ
る。)を設けることも好ましい。このように構成する
と、両面に第1の接着剤層が設けてあり、フィルムの裏
表がなくなるため使い勝手が良好となる一方、上述した
ように、有機系熱膨張性粒子の平均粒径と、第1の接着
剤層の厚さを実質的に等しくすることができる。したが
って、第1の接着剤層において、有機系熱膨張性粒子を
少量使用するだけで、熱剥離型接着剤組成物を容易に剥
離することができる。
【0045】4.対象物および剥離処理法 (1)被着体 接着するとともに、リサイクルする対象物としての被着
体は、特に制限されるものではないが、例えば、モータ
ーにおける永久磁石と、円筒状部材であるヨークとの間
の接合や、家電リサイクル法対象の冷蔵庫、エアコン、
洗濯機、またはテレビにおける金属部材と、樹脂部材と
の間の接合や、パソコンにおける回路基板と、ハウジン
グとの間の接合や、自動車やバイクにおける金属部材
と、樹脂部材との間の接合等が挙げられる。さらに、本
発明の熱剥離型接着剤組成物を基材上に積層し、電子部
品の搬送用テープ材料や仮止めテープ材料の一部として
用いたり、あるいは、金属箔上に積層して、加熱剥離可
能なシールドテープ材料の一部として用いたりすること
も好ましい。
【0046】(2)剥離処理法1 熱剥離型接着剤組成物を剥離する際の加熱温度を、70
〜250℃の範囲内の値とすることが好ましい。逆に言
えば、70℃未満の加熱温度でも、250℃超の加熱温
度でも、熱剥離型接着剤組成物が良好に剥離しない場合
があるためである。すなわち、かかる加熱温度が70℃
未満となると、有機系熱膨張性粒子の発泡性が不十分と
なって、せん断接着力の低下が不十分となる場合がある
ためである。一方、かかる温度が250℃を超えると、
被着体自身が熱変形したり、熱劣化したりするため、被
着体をリサイクルすることが困難となる場合があるため
である。したがって、熱剥離型接着剤組成物を剥離する
際の温度を、90〜200℃の範囲内の値とすることが
より好ましく、105〜180℃の範囲内の値とするこ
とがさらに好ましい。一方、熱剥離型接着剤組成物を適
用する被着体の熱変形温度を考慮して、熱剥離型接着剤
組成物を剥離する際の温度を決定することが好ましい。
例えば、被着体の熱変形温度が150℃未満の場合に
は、当該加熱温度を70〜150℃の範囲内の値とする
ことが好ましく、被着体の熱変形温度が150℃以上の
場合には、当該加熱温度を150〜250℃の範囲内の
値とすることがより好ましい。
【0047】また、熱剥離型接着剤組成物を剥離する際
の加熱時間を、1秒〜24時間の範囲内の値とすること
が好ましい。この理由は、かかる加熱時間が1秒未満と
なると、接着力が十分に低下しない場合が生じるためで
ある。一方、かかる加熱時間が24時間を超えると、被
着体をリサイクルするための生産性が著しく低下する場
合があるためである。したがって、熱剥離型接着剤組成
物を剥離する際の加熱時間を、5秒〜6時間の範囲内の
値とすることがより好ましく、10秒〜1時間の範囲内
の値とすることがさらに好ましい。なお、熱剥離型接着
剤組成物を剥離する際の加熱手段についても特に制限さ
れるものではないが、例えば、オーブン、ドライヤー、
加熱蒸気、フッ素系炭化水素蒸気、フッ素系炭化水素
浴、赤外線加熱炉、高周波加熱炉等を用いることが好ま
しい。
【0048】(3)剥離処理法2 また、熱剥離型接着剤組成物として、熱硬化型接着剤組
成物を使用し、硬化処理の温度をT1(℃)とし、加熱
処理の温度をT2(℃)とした場合に、T2≧T1+3
0℃の関係式を満足することが好ましい。このように加
熱処理の温度(T2)と、硬化処理の温度(T1)との
値が30℃以上離れていることにより、加熱処理前は、
高い接着力や耐熱性が得られる一方、加熱処理後には、
急激に接着力が低下するため、被着体を容易に回収して
リサイクルすることができるためである。ただし、過度
に異なると、使用可能な接着剤組成物の種類が過度に制
限される場合がある。したがって、T1+150℃≧T
2≧T1+30℃の関係式を満足することがより好まし
く、T1+120℃≧T2≧T1+50℃の関係式を満
足することがさらに好ましい。なお、硬化処理の温度
(T1)および加熱処理の温度(T2)の定義は、それ
ぞれ上述したとおりである。
【0049】(4)剥離処理法3 また、硬化処理後の熱剥離型接着剤組成物を、熱水を利
用して剥離することも好ましい。そして、その際の熱水
処理条件は、熱水(アルコールや界面活性剤等を含む場
合がある。以下、同様である。)に浸漬して、熱剥離型
接着剤組成物中の有機系熱膨張性粒子が急速に発泡膨張
可能な条件であれば良い。したがって、硬化処理後の熱
剥離型接着剤組成物を熱水処理する際の温度を、加圧条
件下も含めて、70〜250℃の範囲内の値とすること
が好ましい。すなわち、かかる温度が70℃未満となる
と、有機系熱膨張性粒子の発泡膨張が不十分となる場合
があるためである。一方、かかる温度が250℃を超え
ると、被着体自身が熱変形したり、熱劣化したりするた
め、被着体をリサイクルすることが困難となる場合があ
るためである。したがって、熱水処理する際の温度を、
加圧条件下も含めて、75〜120℃の範囲内の値とす
ることがより好ましく、80〜100℃の範囲内の値と
することがさらに好ましい。また、熱水処理する際の処
理時間を、10秒〜12時間の範囲内の値とすることが
好ましい。この理由は、かかる処理時間が10秒未満と
なると、接着力が十分に低下しない場合が生じるためで
ある。一方、かかる処理時間が12時間を超えると、被
着体をリサイクルするための生産性が著しく低下する場
合があるためである。したがって、熱剥離型接着剤組成
物を剥離する際の熱水による処理時間を、30秒〜60
分の範囲内の値とすることがより好ましく、60秒〜1
0分の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0050】
【実施例】[実施例1] (1)熱剥離型接着剤組成物の作成 攪拌機付きの容器内に、エピコート828(ジャパンエ
ポキシレジン(株)製)100gと、有機系熱膨張性粒
子としてのマツモトマイクロスフェアー F−30D
(松本油脂製薬(株)製、発泡開始温度:70℃)50
gとをそれぞれ添加した後、ミキサーを用いて1時間攪
拌し、均一に混合した。次いで、エポキシ樹脂の硬化剤
であるエポメートB002(ジャパンエポキシレジン
(株)製)50gを添加した後、さらに5分間攪拌し
て、粘度10,000Pa・s(測定温度:25℃)の
熱剥離型接着剤組成物を作成した。
【0051】(2)熱剥離型接着剤組成物の評価 初期接着力測定 JIS K 6850に準拠して引っ張りせん断接着力
を測定した。すなわち、得られた熱剥離型接着剤組成物
を2枚のSUS板(長さ120mm×幅25mm×厚さ
1.5mm)の間に、接着面積が3.125cm2とな
るように挟みこんだ。次いで、オーブン中、60℃、2
時間の条件で加熱し、熱剥離型接着剤組成物を加熱硬化
させて、接着力測定試料とした。得られた接着力測定試
料の引っ張りせん断強度(初期接着力、n数=5)を、
温度25℃、湿度65%RHの環境条件下、万能抗張力
試験試験機5569型(インストロンジャパン(株)
製)を用いて測定した。
【0052】加熱/熱水剥離性評価 作成した接着力測定試料を、熱水(90℃)、105℃
オーブン、120℃オーブン中にそれぞれ放置し、自己
剥離するまでの時間を測定した。得られた結果を表1に
示す。なお、表1中、×印は、所定の加熱処理を12時
間実施した後も自己剥離しない場合を示している。
【0053】[実施例2〜4および比較例1〜3]表1
に示すように、有機系熱膨張性粒子の添加量を変更した
ほかは、実施例1と同様に熱剥離型接着剤組成物を調製
し、評価した。得られた結果を表1に示す。結果から容
易に理解されるように、硬化処理後の熱剥離型接着剤組
成物の剥離性は、有機系熱膨張性粒子の添加量に対応し
ており、例えば、熱硬化性接着剤成分100重量部あた
り、30〜150重量部の範囲であれば、短時間での加
熱処理によって自己剥離が可能である一方、初期接着力
の低下も確実に抑制することが可能である。
【0054】
【表1】
【0055】[実施例5〜7]表2に示すように、シラ
ンカップリング剤の添加量を変更したほかは、実施例1
と同様に熱剥離型接着剤組成物を調製し、評価した。ま
た、被着体として、2枚のアルミニウム板(長さ120
mm×幅25mm×厚さ1.6mm)からなる測定試料
も評価した。得られた結果を表2に示す。結果から理解
されるように、熱剥離型接着剤組成物の接着力や、剥離
性は、シランカップリング剤の添加量に対応しており、
例えば、全体量に対して、0.1〜10重量%の添加量
であれば、ステンレス板のみならず、通常、難接着性の
アルミニウム板に対しても良好な接着特性を示す一方、
短時間の加熱処理(熱水処理含む。)によっても自己剥
離が可能であることを確認した。
【0056】
【表2】
【0057】[実施例8〜10]表3に示すように、界
面活性剤の添加量を変更したほかは、実施例1と同様に
熱剥離型接着剤組成物を調製し、評価した。得られた結
果を表3に示す。結果から理解されるように、熱剥離型
接着剤組成物の接着力や、剥離性は、界面活性剤の添加
量に対応しており、例えば、全体量に対して、0.1〜
20重量%の添加量であれば、良好な接着特性を示す一
方、短時間の加熱処理(熱水処理含む。)によっても自
己剥離が可能であることを確認した。
【0058】
【表3】
【0059】[実施例11〜13]表4に示すように、
フィルム形成樹脂として、デンカブチラール#6000
−EP(ポリビニルブチラール樹脂、重合度2400、
Tg89℃)を使用し、その添加量を10〜30重量部
の範囲で変更して、厚さ20μmのフィルム状接着剤と
したほかは、実施例1と同様に熱剥離型接着剤組成物を
調製し、評価した。また、被着体として、SUS板(長
さ120mm×幅25mm×厚さ1.5mm)と、アル
ミニウム箔(長さ300mm×幅25mm×厚さ0.1
mm)を用いて、180°剥離接着力を測定した。さら
に以下の基準により、フィルム形成性を評価した。得ら
れた結果を表4に示す。 ◎:フィルムとして取り扱うことができる。 ○:一部、破損や亀裂があるが、フィルムとして取り扱
うことができる。 △:大きな破損や亀裂があるが、フィルムとして取り扱
うことができる。 ×:フィルムとして取り扱うことができない。 結果から理解されるように、熱剥離型接着剤組成物の接
着力や剥離性は、フィルム形成樹脂の添加量に対応して
おり、例えば、熱硬化性接着剤成分100重量部に対し
て、5〜70重量部の範囲であれば、良好な接着特性を
示す一方、短時間の加熱処理(熱水処理含む。)によっ
ても自己剥離が可能であることを確認した。
【0060】
【表4】
【0061】[実施例14〜16および比較例4]表5
に示すように、エポキシ樹脂に対するカルボキシル基末
端液状ゴム(CTBN)の反応効果、および反応性アク
リル樹脂(ハードロックC−320K−03、電気化学
工業(株)製)の種類効果を検討したほかは、実施例1
と同様に熱剥離型接着剤組成物を調製し、評価した。ま
た、実施例11〜13と同様に、180°剥離接着力を
測定した。得られた結果を表5に示す。結果から理解さ
れるように、エポキシ樹脂に対して、所定量のCTBN
を予め反応させることにより、初期せん断接着力の値を
低下させることなく、初期剥離接着力の値を著しく向上
させることが可能になった。また、エポキシ樹脂のかわ
りに、反応性アクリル樹脂を使用することにより、30
〜40℃の温度で、反応時間が5分以内で十分に硬化さ
せることができる一方、初期せん断接着力および初期剥
離接着力の値を、いずれも著しく増加させることが可能
になった。
【0062】
【表5】
【0063】[実施例17〜18]実施例1におけるF
−30Dのかわりに、実施例17では、F−85D(松
本油脂製薬(株)製、発泡開始温度:140℃)を使用
するとともに、加熱剥離性評価において、オーブン温度
を180℃に設定し、実施例18では、F−100D
(松本油脂製薬(株)製、発泡開始温度:130℃)を
使用するとともに、加熱剥離性評価において、オーブン
温度を200℃に設定した以外は、実施例1と同様に、
被着体同士が自己剥離するまでの時間を測定した。得ら
れた結果を、実施例2の結果と比較しながら表6に示
す。
【0064】
【表6】
【0065】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、所定量の熱硬化性接着剤成分および有機系熱膨
張性粒子を含むことにより、初期せん断接着力が3MP
a以上と高い一方、加熱処理により接着力が著しく低下
して、容易に自己剥離可能な熱剥離型接着剤組成物を提
供できるようになった。また、特に熱水処理を実施する
ことにより、接着力が著しく低下して、例えば60分以
内で自己剥離可能な熱剥離型接着剤組成物を提供できる
ようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 有機系熱膨張性粒子の添加量と、自己剥離時
間の関係を示す図である。
【図2】 有機系熱膨張性粒子の添加量と、自己剥離時
間の関係を示す図であって、図1の部分拡大図である。
【図3】 有機系熱膨張性粒子の添加量と、初期せん断
接着力との関係を示す図である。
【図4】 本発明の熱剥離型接着剤組成物からなるフィ
ルム状接着剤の断面図である。
【符号の説明】
10、20,30 熱剥離型接着剤組成物 12 有機系熱膨張性粒子 14 熱硬化性接着剤成分 16 有機系熱膨張性粒子を含まない熱硬化性接着剤層
(第2または第3の接着剤層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 誠 滋賀県八日市市下二俣町901番地 化研テ ック株式会社滋賀工場内 Fターム(参考) 4J040 DF001 EB031 EB061 EB081 EB111 EB131 EC001 EE011 EF001 EH001 EK031 KA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱処理により接着力が低下する熱剥離
    型接着剤組成物であって、熱硬化性接着剤成分100重
    量部に対して、有機系熱膨張性粒子を30〜300重量
    部の割合で添加するとともに、硬化処理後、加熱処理前
    のJIS K6850に準拠した引っ張りせん断接着力
    を3MPa以上の値とすることを特徴とする熱剥離型接
    着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性接着剤成分が、エポキシ系
    樹脂、オキセタン系樹脂、反応性アクリル系樹脂、シア
    ネートエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン系
    樹脂、ポリエステル系樹脂、シアノアクリレート系樹
    脂、フェノールアルデヒド系樹脂、メラミンアルデヒド
    系樹脂、尿素アルデヒド系樹脂、レゾルシノールアルデ
    ヒド樹脂、キシレンアルデヒド樹脂、およびフラン樹脂
    からなる群から選択される少なくとも一つの硬化型接着
    剤であることを特徴とする請求項1に記載の熱剥離型接
    着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記熱硬化性接着剤成分100重量部に
    対して、0.1〜20重量部のカップリング剤を含むこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の熱剥離型接着
    剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化性接着剤成分100重量部に
    対して、0.001〜20重量部の界面活性剤を含むこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱
    剥離型接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 フィルム形成樹脂を含むとともに、厚さ
    が10〜200μmのフィルム状であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱剥離型接着剤
    組成物。
  6. 【請求項6】 70〜250℃の温度での加熱処理によ
    り、60分以内に自己剥離することを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載の熱剥離型接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 70〜250℃の熱水による加熱処理に
    より、60分以内に自己剥離することを特徴とする請求
    項1〜6のいずれか一項に記載の熱剥離型接着剤組成
    物。
  8. 【請求項8】 前記加熱処理の温度をT2(℃)とし、
    前記硬化処理の温度をT1(℃)とした場合に、T2≧
    T1+30℃の関係式を満足することを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか一項に記載の熱剥離型接着剤組成
    物。
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