JP2011162577A - 粘接着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シート1であって、第1離型紙21A、粘接着層11及び第2離型紙21Bからなり、粘接着層11が液晶ポリマー不織布からなる芯材15へ粘接着剤13を含浸させてなり、粘接着剤13がアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含むことを特徴とし、また、芯材15の比重が0.15以下であることも特徴とする。
【選択図】 図1
Description
従って、粘接着シートには、次のような性能が求められている。(1)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること。(2)接着強度は構造用途に使用できるように強力であること。(3)接着強度は温度変化で劣化しないこと。(4)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業工程数が少ないこと。(5)被着体への接合作業の作業性がよいこと。
また、(a)加熱硬化後においても再加熱により金属箔との接着が可能である熱硬化性樹脂Aを離型フィルムに塗布乾燥して、片面に熱硬化性樹脂Aの層を有する離型フィルムを準備する工程、(b)上記離型フィルムの熱硬化性樹脂Aの層側に、シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥して得たプリプレグを重ね、加熱加圧成形により一体化して板状体とする工程、(c)離型フィルムを剥がして又は剥がさずに、上記板状体の所定位置に貫通穴をあける工程、(d)上記工程を経た板状体の熱硬化性樹脂Aの層側に、金属箔を重ねて加熱加圧成形により一体化する工程、の(a)〜(d)の工程を経ることを特徴とする金属箔張り積層板の製造法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、フィルム状態でも熱硬化し、加熱加圧成形により一体化でも熱硬化させ、2回も熱硬化工程があり、工程数が多くなるという欠点があり、また、(b)上記離型フィルムの熱硬化性樹脂Aの層側に、シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥して得たプリプレグを重ね、加熱加圧成形により一体化して板状体とする工程が類似しているが、「熱硬化性樹脂A/熱硬化性樹脂を含浸乾燥しプリプレグ」の2層構成で工程数も多く、また、強固な接着強度が得られないという問題点もある。
さらに、一部には初期粘着のある熱硬化型シートもあるが、一般的に初期粘着のある接着シートは、接着剤層にアクリル等の粘着樹脂を添加することでつくられており、粘着樹脂を添加することで、接着強度が低下することがわかっている。その結果、自動車用途などで必要とされる接着強度15〜20MPaを満たす粘着接着シートは作製困難であった。
請求項2の発明に係わる粘接着シートは、請求項1において、上記芯材の比重が0.15以下であるように、したものである。
請求項3の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜2において、上記粘接着層が、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが海島構造であるように、したものである。
請求項4の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜3において、上記アクリル系樹脂がEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体で、上記エポキシ系樹脂がNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ樹脂と、bis−A型エポキシ樹脂からなり、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であるように、したものである。
請求項5の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜4において、上記不織布が全芳香族ポリエステルの溶融ポリマーをメッシュに吹付け直接シート化する方法で不織布加工されてなるように、したものである。
請求項6の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜5のいずれかに記載の粘接着シートの第1離型紙及び第2離型紙を剥離し除去して露出した上記粘接着層を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層の粘着性で保持し、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を接着させることができるように、したものである。
請求項2の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、より強力な接着強度が得られる効果を奏する。
請求項3の本発明によれば、請求項1〜2の効果に加えて、より安定した初期粘着性を有し、金属と有機材料とをより強力に接着できる効果を奏する。
請求項4の本発明によれば、請求項1〜3の効果に加えて、被着体である金属と有機材料の材料をより自由に選択することができる効果を奏する。
請求項5の本発明によれば、請求項1〜4の効果に加えて、粘接着層の凝集が高くできより強力な接着強度が得られるの効果を奏する。
請求項6の本発明によれば、初期粘着性を有しているので、プレヒートなどの工程をなくせ、また、仮固定する必要もなく、接合作業でのハンドリング性も優れ作業性がよく、低コストで接合できる効果を奏する。
アクリル酸エステル共重合体に対して、硬いエポキシ樹脂及び柔かいエポキシ系樹脂がこの範囲未満であると、粘着力が強すぎて、貼り替えが必要な場合に不良が起こったり、作業性の低下したりし、被着体との接着力が低下する。この範囲以上では、被着体との接着力は向上するが、粘着力が低く、仮固定を要して作業性が低下する。また、硬化剤の配合比がこの範囲未満であると、接合後の耐熱性が低く、また接着強度が温度変化で劣化しやすい。この範囲以上では、粘接着シート1を被着体と接合するまで保管するが、その期間の保存性が低下し、また、未反応の硬化剤が残留することで、接着力が低下する問題点もある。
(3)薬品性;安定した化学構造と高い配向性で、酸、アルカリ、酸化剤、溶剤、潤滑油に対して耐薬品性がある。(4)放射線性;100メガグレイの放射線に耐える優れた耐放射線性がある。(5)電圧;密度を1.3に調整されたベクルス(クラレ社、液晶ポリマー不織布の商品名)は30KV/mmの耐電圧を持つ。(6)コスト;メルトブロー方式で生産するため、優れた加工特性で、また工程がシンプルで、低コストで製造でき、しかも細繊度である。(7)難燃性;UL94規格でV−0。LOI値は28と優れた難燃性である。さらに、芯材15を構成する液晶ポリマー不織布は、汎用繊維の数倍もの高強度及び高弾性率の繊維からなり、さらに、メルティングポイントは350℃、分解点は400℃以上と優れた耐熱性を有している。
・アクリル酸エステル共重合体 100部
・EPX−1 50部
・EPX−2 100部
・EPX−3 50部
・ジシアンジアミド 7部
次に、芯材15として比重0.144g/cm3のベクルス((株)クラレ社製、商品名)を用い、離型紙21Aとして(セパフィルムSP−PET03BU東セロ製)を用いた。離型紙21Aへ芯材15を重ねて、該芯材15面へ上記粘接着剤13組成物をコンマコーターにて、乾燥後の塗布量が50g/m2になるように、コーティングし乾燥した後に、軽剥離の離型紙21Bとして(セパフィルムSP−PET01BU東セロ製)を貼り合わせて、実施例1の粘接着シート1を得た。
11:粘接着層
13:粘接着剤
15:芯材
21:離型紙
21A:第1離型紙
21B:第2離型紙
Claims (6)
- 第1離型紙、粘接着層、及び第2離型紙からなり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートであって、前記粘接着層が液晶ポリマー不織布からなる心材へ粘接着剤を含浸させてなり、前記粘接着剤がアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、及び硬化剤を含むことを特徴とする粘接着シート。
- 上記芯材の比重が0.15以下であることを特徴とする請求項1に記載の粘接着シート。
- 上記粘接着層が、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが海島構造であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の粘接着シート。
- 上記アクリル系樹脂がEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体で、上記エポキシ系樹脂がNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ樹脂と、bis−A型エポキシ樹脂からなり、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘接着シート。
- 上記不織布が全芳香族ポリエステルの溶融ポリマーをメッシュに吹付け直接シート化する方法で不織布加工されてなるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘接着シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の粘接着シートの第1離型紙及び第2離型紙を剥離し除去して露出した上記粘接着層を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層の粘着性で保持し、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を接着させることができることを特徴とする粘接着シート。
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