JP5660443B2 - 粘接着シートおよびそれを用いた接着方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粘接着シートに関し、より詳しくは、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着でき、硬化前であっても初期粘着性を有するとともにポットライフ性にも優れ、かつ、硬化後は温度変化を受けることなく優れた接着強度を保持できる粘接着シートに関する。
従来、2つの被着体を一体化させる接合方法としては、咬合、溶接、接着剤や粘着剤による接着方法があり、それぞれの分野で用途に応じて多用されている。近年、自動車などの輸送機関連の用途では、温暖化防止に炭酸ガスCO排出の削減などの課題解決として、車体の軽量化、ハイブリッド車や電気自動車の普及が進んでいる。そのために、車体に軽量なアルミニウムやマグネシウム、FRP(CFRP=carbon fiber reinforced prastics、GFRP=Glass fiber reinforced prastics)を使用する傾向が強くなってきている。
ところで、従来の溶接法では、アルミニウムと鉄などの異種材料の溶接は非常に困難であり、ガラス繊維や炭素繊維のFRPに至っては溶接自体が不可能であり、これらの材料(被着体)を強力に接合できる接合方法が必要とされる。溶接等により接合できない材料間での接合方法としては、粘着シートや接着シートを用いる方法があるが、これら粘着シートおよび接着シートには、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること、接着強度が構造用途に使用できるように強力であること、また、接着強度は温度変化で劣化しないこと、さらには、初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性のよいこと、などが求められている。
このような接着シートとして、特開2006−237483号公報(特許文献1)には、基材フィルム、粘着剤層、基材フィルム、およびフィルム状接着剤層をこの順で構成したダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが提案されており、このダイアタッチフィルムにおいては、基材フィルムのフィルム状接着剤層側の界面を離型処理し、かつ、フィルム状接着剤として、アクリル酸エステル共重合体および熱硬化性樹脂の混合物を使用することが開示されている。しかしながら、このフィルムのフィルム状接着剤層は、15〜60℃の温度範囲で初期粘着性を有するものの、加工後に剥離することを前提としているため、接着力が低い。
また、特開平9−181421号公報(特許文献2)には、片面に熱硬化性樹脂層を備えた離型フィルムの熱硬化性樹脂層側に、シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥して得たプリプレグを重ね合わせて、加熱加圧成形により一体化して板状体とし、さらに板状体に所望の加工を施した後に、離型フィルムを剥がして熱硬化性樹脂層側に金属箔を重ねて合わせて加熱加圧成形により一体化した金属箔張り積層板が知られている。しかしながら、この積層板の製造工程においては、上記のように2回の熱硬化工程がある。
さらに、接着シートの接着剤成分としてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含有するものは、通常、硬化剤が含まれており、接着シートの使用時に加熱して接着剤成分を硬化させて被着体を接着することが行われる。熱硬化性樹脂を低温かつ短時間で硬化させることができるような硬化剤を用いると、接着シートを使用する前に硬化反応が進行してしまい、ポットライフが短くなる。従って、樹脂の硬化時間が短く、かつ接着シートのポットライフの長い接着シートが望まれている。
特開2006−237483号公報 特開平9−181421号公報
本発明者らは、今般、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、および硬化剤を含む粘接着剤とした粘接着シートにおいて、硬化剤として、樹脂分散性に劣るジシアンジアミド系の化合物と、硬化触媒としてイミダゾール系触媒とを併用することにより、初期粘着性を有し、かつ金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できるとともに、温度変化を受けることなく優れた接着強度を保持できる粘接着シートであって、粘接着剤の硬化速度を高めながら、粘接着シートのポットライフ性も向上させた粘接着シートを実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、初期粘着性を有し、かつ金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できるとともに、温度変化を受けることなく優れた接着強度を保持できる粘接着シートであって、粘接着剤の硬化速度を高めながらポットライフ性にも優れる粘接着シートを提供することである。
また、本発明の別の目的は、上記のような粘接着シートを用いて被着体を接着する方法を提供するものである。
本発明による粘接着シートは、第1離型紙と、粘接着層と、第2離型紙とを、この順で積層してなる粘接着シートであって、
前記粘接着層が、粘接着剤を含んでなり、
前記粘接着剤が、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、硬化剤、および硬化触媒を少なくとも含み、
前記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であり、前記硬化触媒がイミダゾール系触媒であることを特徴とするものである。
また、本発明の態様によれば、前記粘接着層が芯材をさらに含んでなり、前記粘接着剤が前記芯材に含浸されていることが好ましい。
また、本発明の態様によれば、前記エポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において175〜300部含まれていることが好ましい。
また、本発明の態様によれば、前記粘接着剤が、前記アクリル系樹脂が海、前記エポキシ系樹脂が島とする海島構造を有することが好ましい。
また、本発明の態様によれば、前記アクリル系樹脂が、エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体、エチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体、およびブチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体からなる群から選択されるアクリル酸エステル共重合体であることが好ましい。
また、本発明の態様によれば、前記重合体が、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、またはアミド基の少なくとも1種以上の官能基が導入されていることが好ましい。
また、本発明の態様によれば、前記エポキシ樹脂が、ニトリルブタジエンゴム変性エポキシ樹脂と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とからなる混合物であることが好ましい。
また、本発明の態様によれば、前記ニトリルブタジエンゴム変性エポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において25〜75部であり、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において150〜225部であることが好ましい。
また、本発明の態様によれば、前記芯材が、織布または不織布であることが好ましい。
また、本発明の別の態様による貼合体は、粘接着シートを介して、第1被着体と第2被着体とが接着した貼合体であって、前記粘接着シートの、前記第1被着体および第2被着体との界面において、エポキシ系樹脂層が形成され、前記第1被着体側のエポキシ系樹脂層と、前記第2被着体側のエポキシ系樹脂層との間に、前記アクリル系樹脂が海、前記エポキシ系樹脂が島とする3次元的な海島構造が形成されているものである。
また、本発明の別の態様による接着方法は、上記粘接着シートを用いて第1被着体と第2被着体とを接着する方法であって、
前記粘接着シートから、第1離型紙および第2離型紙を剥離し除去して粘接着層を露出させ、
前記粘接着層を、前記第1被着体および前記第2被着体で挟んで、前記第1被着体および前記第2被着体の仮固定を行い、
前記粘接着層を、加熱することにより硬化させて、前記第1被着体および前記第2被着体を接着することを特徴とするものである。
また、本発明によれば、上記の接着方法により得られる貼合体も提供される。
本発明によれば、粘着シートが硬化前であっても初期粘着性を有するため、被着体を接着する際にプレヒートなどの工程を省くことができる。また、粘接着シートがエポキシ系樹脂からなる接着剤成分を含有するため、金属どうしや有機材料どうしの接着だけでなく、金属と有機材料とを接着することができ、かつ粘接着シートにより接着された被着体は、温度変化を受けることなく優れた接着強度を保持できる。さらに、硬化剤として、樹脂分散性に劣るジシアンジアミド系の化合物と、硬化触媒としてイミダゾール系触媒とを併用することにより、粘接着剤の硬化速度を高めながら、粘接着シートのポットライフ性も向上させることができる。
本発明による粘接着シートの一実施態様による断面概略図である。 本発明による粘接着シートの他の実施態様による断面概略図である。 粘接着剤自体の断面のSTEM写真である。 粘接着剤を硬化させる前の貼合体の断面のSTEM写真である。 粘接着剤を硬化させる前の貼合体の断面のSEM写真である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
本発明による粘接着シート1は、図1に示すように、第1離型紙21A、粘接着層11、および第2離型紙21Bをこの順で積層した構成を有する。そして、粘接着層11は、後記のようなアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、および硬化剤を含む粘接着剤13からなる。また、本発明においては、図2に示すように、粘接着層11を、芯材15に粘接着剤13が含浸した構成としてもよい。以下、本発明に使用する粘接着剤について説明する。
<粘接着剤>
本発明による粘接着シートは、粘接着剤として、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、硬化剤および硬化触媒を少なくとも含んでなり、前記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であり、前記硬化触媒がイミダゾール系触媒である。本発明においては、粘接着剤が、粘着性を有するアクリル系樹脂、および主に被着体との接着性を有するエポキシ系樹脂を含有するため、初期粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートを実現することができる。また、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが上記の範囲で含まれるため、温度変化を受けることなく優れた接着強度を保持できるとともに、脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有する。さらに、硬化剤として、樹脂分散性に劣るジシアンジアミド系の化合物と、硬化触媒としてイミダゾール系触媒とを併用することにより、粘接着剤の硬化速度を高めながら、粘接着シートのポットライフ性を向上させることができる。
アクリル系樹脂としては、後記するエポキシ樹脂と架橋反応し得るものであれば、特に制限なく使用することができ、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、これらアクリル酸エステルモノマーと、マレイン酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、n−ブトキシ−N−メチロールアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ソーダ、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリル酸グリシジル等の官能基含有モノマーや、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチルビニルエーテル等のモノマーとを共重合して得られるアクリル酸エステル共重合体を好適に使用することができる。
上記の共重合体の中でも、エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体、エチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体、またはブチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体がより好ましい。これら共重合体は、エポキシ系樹脂との分散性や、粘接着層を形成する際の塗布性成膜性を向上させることができる。しかも、粘接着層の初期粘着性を確保できる。本発明においては、上記したアクリル酸エステル共重合体の中でも、特に、エポキシ樹脂と架橋反応し得る官能基として、アクリル系樹脂中に水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、またはアミド基の少なくとも1種以上の官能基が導入されていることが好ましい。
アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、15万〜100万が特に好ましく、重量平均分子量がこの範囲内であると、粘接着層11の塗布性が向上する。また、凝集力を高めるために、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族系や芳香族系石油樹脂等の粘着付与剤等を添加してもよい。
本発明において使用できるエポキシ系樹脂とは、少なくとも1つ以上のエポキシ基を有するプレポリマーが、硬化剤との併用により架橋重合反応により硬化したものを意味する。このようなエポキシ系樹脂としては、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられ、またフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
本発明においては、エポキシ系樹脂として、硬いエポキシ樹脂および軟らかいエポキシ樹脂の2種を含むことが好ましい。粘接着剤が、2種のエポキシ系樹脂を含有することにより、硬化後の粘接着剤が、より優れた脆質性、と優れた剪断強度と高い耐衝撃性および耐熱性を有することができる。ここで、「硬い」および「軟らかい」とは、相対比較であり、硬さに差のある軟らかいもの、硬いものを用いればよい。
硬いエポキシ系樹脂としては、結晶性エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格などの剛直構造を主鎖にもち、比較的低分子量のものがよい。好ましくは、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂で、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。結晶性エポキシ樹脂のうち、常温で結晶化して固体のものも、融点以上の温度になると、急速に融解して低粘度の液状に変化することで、粘接着層13の接着剤部分に被着体の裏面とを接合工程で、初期に密着し、さらに接着して、接着強度を高めることができる。硬いエポキシ系樹脂は架橋密度が高くなるため、機械的強度が高く、耐薬品性がよく、硬化性が高く、吸湿性(自由体積が小さくなるため)が小さくなる特徴もある。
硬いエポキシ系樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましいが、さらに、硬さの異なる複数を用いるのがさらに好ましい。複数とは、剛直な構造であるビスフェノール骨格の主鎖の数の異なるものが例示でき、例えば、主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを併用すればよい。併用することで、機械的強度を保ちつつ、若干の柔軟性を得ることが出来るため、密着性に優れる。固体のエポキシを混合することで、製膜性も向上させることができる。ここで、硬さ異なるとは相対比較であり、硬さに差があればよく、硬いもの、さらに硬いものを用いればよい。具体的には、主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER828が、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER1001などが例示できる。
軟らかいエポキシ樹脂としては、ゴム成分を含むように変性したエポキシ系樹脂が好ましい。特に、NBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ系樹脂が、加熱による変色も少なく、硬いエポキシ樹脂である結晶性エポキシ樹脂と混ざり易さから好ましい。具体的には、ADEKA社製、EPR4030などが例示できる。被着体の熱膨張による寸法変化などに追従するため、耐熱性向上、耐衝撃性、柔軟性の点で優れる。
本発明においては、粘接着剤中のエポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において175〜300部含まれていることが好ましい。エポキシ系樹脂の含有量がこの範囲未満であると、粘着力が強すぎて、貼り替えが必要な場合に不良が起こったり、作業性の低下したりして、被着体との接着力が低下する場合がある。一方、エポキシ系樹脂の含有量がこの範囲を超えると、粘接着性が損なわれるだけでなく、被着体との接着力が低下してしまう場合がある。なお、エポキシ系樹脂が上記したように複数種含まれる場合、エポキシ系樹脂の含有量とは、それら複数のエポキシ系樹脂の合計含有量とする。
また、本発明においては、上記した「軟らかい」および「硬い」エポキシ樹脂のそれぞれの含有量は、「硬い」エポキシ樹脂が「軟らかい」エポキシ樹脂よりも多く含まれることが好ましい。「軟らかい」エポキシ樹脂がニトリルブタジエンゴム変性エポキシ樹脂であり、「硬い」エポキシ樹脂がビスフェノールA型エポキシ樹脂である場合、粘接着剤中のそれぞれの好ましい含有量は、ニトリルブタジエンゴム変性エポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において25〜75部であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において150〜225部である。それぞれのエポキシ樹脂の含有量を上記の範囲内とすることにより、より優れた剪断強度、耐衝撃性耐熱性、および柔軟性を有する粘接着シートを得ることができる。
上記したアクリル系樹脂およびエポキシ系樹脂は、粘接着剤中で、アクリル系樹脂が海、エポキシ系樹脂が島とする海島構造を有していることが好ましい。アクリル系樹脂(海)とエポキシ系樹脂(島)とが互いに架橋されており、エポキシ系樹脂は複数種からなるが相溶状態であると推測される。このように互いが架橋された海島構造をとることにより、アクリル系樹脂の海状態が初期粘着性を発現し、島状態のエポキシ系樹脂が加圧加熱によって、被着体と接触し、接着すると推測される。
上記したように粘接着シートは、エポキシ樹脂を島、アクリル樹脂を海とする3次元的な海島構造が形成されており、この粘接着シートを介して第1被着体と第2被着体とを貼り合わせると、第1被着体と粘接着剤との界面、および第2被着体と粘着剤との界面においては、粘接着剤のエポキシ系樹脂成分が凝集して、アクリル樹脂成分を含まない、見かけ上のエポキシ系樹脂のみからなる層が形成され、このエポキシ系樹脂層の間に、エポキシ系樹脂およびアクリル系樹脂からなる海島構造が形成されることを見出した。貼合体の粘接着シート部分が上記のような構造をとることにより、エポキシ系樹脂由来の強固な接着力と、海島構造由来の柔軟性および耐熱衝撃性とを併せ持つ貼合体が得られるものと推測できる。
また、アクリル系樹脂中にエポキシ系樹脂が島のように分散し、島どうしが接触しないある程度の距離(数μm)を保つことで、界面破壊を避けることができ、接着強度も高く維持できるので好ましい。
このような海島構造を形成し得るアクリル系樹脂およびエポキシ系樹脂の組み合わせとしては、アクリル系樹脂として、エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体、エチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体、またはブチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体を用い、硬いエポキシ系樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用い、軟らかいエポキシ系樹脂としてニトリルブタジエンゴム変性エポキシ樹脂を用いた場合に、良好な海島構造が発現する。
アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とは加熱等により反応が進行して粘接着剤が硬化するが、本発明においては、粘接着剤中に、硬化反応を促進するための硬化剤として、ジシアンジアミド系の化合物が含まれる。ジシアンジアミド(DICY)は潜在性の硬化剤のため、保存安定性に優れ、室温保存でもポットライフが数週間もある。
また、硬化剤として、ジシアンジアミド系の化合物に加えて、公知の硬化剤を併用してもよく、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤が例示できる。
硬化剤の粘接着剤中の含有量は、エポキシ系樹脂の含有量を175〜300部とした場合に、質量基準で2〜20部含まれていることが好ましい。硬化剤の配合比がこの範囲未満であると、接合後の耐熱性が低く、また接着強度が温度変化で劣化しやすい。硬化剤の含有量がこの範囲を超えると、粘接着シートを被着体と接合するまで保管した場合に、その保管期間中の保存安定性(ポットライフ)が低下し、また、粘接着剤の硬化後も未反応の硬化剤が残留することで、接着力が低下する問題点もある。
また、本発明においては、粘接着剤中に、硬化触媒としてイミダゾール系触媒が含まれる。ジシアンジアミド系硬化剤とイミダゾール系硬化触媒とを併用して用いることにより、常温ではエポキシ系樹脂の硬化反応がほとんど進行しないため、粘接着シートのポットライフを改善することができる。イミダゾール系触媒としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジンイソシアヌール酸化付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾールなどが挙げられる。これらの中でも2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール及び2−フェニルイミダゾール等を挙げることができる。
イミダゾール系触媒としては、活性部位を包接したイミダゾール系触媒やマイクロカプセル化されたイミダゾール系触媒を好適に使用することができる。上記したジシアンジアミド系硬化剤と活性部位を包接したイミダゾール系触媒とを併用することにより、120℃×2時間程度で硬化し、かつ40℃以下で2週間以上のポットライフを有する粘接着シートを得ることができる。また、上記したジシアンジアミド系硬化剤とマイクロカプセル化されたイミダゾール系触媒とを併用することにより、180℃×1分程度で硬化し、かつ40℃以下で2週間以上のポットライフを有する粘接着シートを得ることができる。
上記した活性部位を包接したイミダゾール系触媒としては、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(TEP)、5−ヒドロキシイソフタル酸(HIPA)、5−ニトロイソフタル酸等の嵩高の化合物の水酸基やカルボン酸基が、イミダゾール環の活性部位であるNHと水素結合することにより、イミダゾールがこれら化合物に包接された構造のものが挙げられる。また、市販の活性部位を包接したイミダゾール系触媒を用いてもよく、例えば、HIPA−2E4MZ、NIPA−2E4MZ、TEP−2E4MZ(いずれも、日本曹達社製)等を好適に使用することができる。
上記したマイクロカプセル化されたイミダゾール系触媒は、(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル等の炭素数1〜8のアルキルエステルやこのアルキルエステルのアルキル基がアリル基等の置換基を有するもの、また、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等の単官能性単量体及びエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能単量体のポリマー中に、上記したイミダゾール系硬化触媒が閉じ込められたものである。なお、上記ポリマーの中では、(メタ)アクリレート系単量体の重合物が好ましい。
マイクロカプセル化されたイミダゾール系触媒の製造方法としては様々な方法が挙げられるが、生産性及び球状度が高いマイクロカプセルを製造するためには、通常懸濁重合法及び乳化重合法などの従来から公知の方法で製造することができる。また、市販のマイクロカプセル化されたイミダゾール系触媒を用いてもよく、例えば、ノバキュアシリーズ(旭化成イーマテリアルズ社製)等を好適に使用することができる。
上記したイミダゾール系硬化触媒の粘接着剤中の含有量は、エポキシ系樹脂の含有量を300部とした場合に、質量基準で0.5〜30部程度であることが好ましい。特に、活性部位を包接したイミダゾール系触媒を用いる場合、有効イミダゾール成分の含有量にもよるが、概ね、エポキシ系樹脂の含有量を300部とした場合に、質量基準で1〜90部であることが好ましい。
さらに、粘接着剤には、必要に応じて、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を添加してもよい。また、必要に応じて、さらにシラン系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤を含むことができる。これにより樹脂と被着体および樹脂と後述する芯材財との密着性を向上させることができる。
本発明において使用される粘接着剤は、上記した各成分を混合し、必要に応じて混練、分散して、粘接着剤を調製することができる。混合ないし分散方法は、特に限定されるものではなく、通常の混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機などが適用できる。硬いエポキシ系樹脂として複数種を用いる場合は、先にこれらを混合撹拌し、次に硬化剤を混合撹拌し、溶媒で希釈した後に、軟かいエポキシ系樹脂を混合撹拌し、次いで、アクリル系樹脂を混合撹拌することが好ましい。
<粘接着シート>
本発明による粘接着シートは、上記した粘接着剤からなる粘接着層の両面に第1離型紙および第2離型紙が設けられている層構成を有する。なお、本明細書では、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bとを合わせて離型紙21と呼称する。粘接着層は、図2に示すように、芯材をさらに含み、粘接着剤が芯材に含浸されていてもよい。芯材としては、織布または不織布が好ましく、従来公知の種々の織布または不織布を使用できる例えば、液晶ポリマーなどの耐熱性のあるプラスチックの繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などが例示でき、これらで構成した織布、不織布が使用できる。
粘接着層が芯材を含む場合、図3に示すように、コーティング機を用いて、後記する第1離型紙21と芯材15とを重ねて走行させて、その芯材15面に上記した粘接着剤13組成物を塗布することで、芯材15へ含浸されるので、乾燥後に、塗布面に第2離型紙21Bを貼り合わせて、粘接着シート1が得られる。
離型紙への粘接着剤の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートなどが適用できる。組成物を、第1離型紙21Aの離型面、または第1離型紙21Aと芯材15を重ねて、芯材15面へ、上記のコーティング法で塗布して、乾燥した後に、第2離型紙21Bを貼り合わせればよい。組成物(塗布液)の粘度は、1〜20000センチストークス(25℃)程度、好ましくは1〜2000センチストークスに調整する。芯材15へ含浸塗布する場合には、粘度が低い方が好ましく、1〜1000センチストークスである。
第1離型紙21Aと第2離型紙21Bは同じものでも異なったものを用いてもよい。離型紙21としては、離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙等の従来公知のものを好適に使用できる。また、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面または両面に離型層を形成したものを用いてもよい。離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型または無溶剤型のいずれもが使用できる。
離形層は、離形層成分を分散および/または溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成してもよい。
第一および第二離型紙の剥離力は、粘着剤テープに対し、1〜2000mN/cm程度、さらに100〜1000mN/cmであることが好ましい。離形層の剥離力が1mN/cm未満の場合は、粘着シートや被粘着材との剥離力が弱く、剥がれたり部分的に浮いたりする。また、2000mN/cmより大きい場合は、離形層の剥離力が強く、剥離しにくい。安定した離形性や加工性の点で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加および/または重縮合型の剥離紙用硬化型シリコーン樹脂が好ましい。
<被着体の接着方法>
被着体との接合は、粘接着シート1の第1離型紙21Aおよび第2離型紙21Bを剥離し除去して、粘接着層11を露出させる。露出した粘接着層11を、2つの同じまたは異なる第1被着体および第2被着体で挟み、粘接着層11の粘着性で保持させる。次いで、加熱、または加圧加熱することで粘接着層11を硬化させて、第1被着体および第2被着体を強固に接着させることができる。このように、本発明による粘接着シートを用いることにより、初期粘着性を利用して、被着体どうしを仮固定でき、その後に、例えばバッチ方式により粘接着シートを熱硬化させて被着体を接着できるため、プレヒートなどの工程を省くことができるとともに、生産性が著しく向上する。
被着体としては、特に限定されるものではないが、金属、無機材料、有機材料、これらを組み合わせた複合材料や、積層材料などが例示できる。
硬化時の加熱温度は、使用する硬化剤や硬化触媒の種類等にもよるが、100〜300℃程度、好ましくは150〜250℃である。加熱時間は1〜240分間、好ましくは10〜60分間である。 硬化した粘接着シートの粘接着層11は、初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、粘着力のみで被着体を保持して作業できるので、作業性がよく、低コストでもある。また、粘接着層の材料およびその配合比を選択することで、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着することができる。さらに、エポキシ系樹脂に起因する強固な接着強度が得られ、この接着強度は温度変化でも劣化しにくく、また、アクリル系樹脂に起因するために脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有するので、構造用途に使用できる。
<貼合体>
本発明による粘接着シートを用いることにより、従来の溶接法では困難な、ガラス繊維や炭素繊維のFRP、異種金属などの材料(被着体)を強力に接合でき、例えば、アルミニウムと鉄等の金属との貼合体や、FRPやCFRPどうしの貼合体を得ることができる。これら貼合体は、120℃で2時間程度の硬化条件により、優れた接着強度を有し、かつ温度変化を受けることなく接着強度を保持できるとともに、脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有するため、自動車、航空機、船舶等の分野で利用することができる。また、180℃で1分程度の硬化条件では、接着強度は劣るものの、温度変化を受けることなく接着強度を保持できるとともに、脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有するため、電子材料分野、例えば、液晶パネルと基板との貼合体や、フレキシブルフラットケーブル(FFC)を基板に固定した貼合体、更には、半導体等を積層した多層集積回路等に利用することができる。
本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例の内容に限定されるものではない。なお、各層の各組成物は溶媒を除いた固形分の質量部である。
実施例1
<粘接着シートの作製>
下記の成分を攪拌機により混合し、粘接着剤を調製した。
アクリル酸エステル(BA−EA−AN)共重合体樹脂 100部
(SG−P3、ナガセケムテック社製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50部
(JER828、ジャパンエポキシレジン社製)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂 100部
(JER1001、ジャパンエポキシレジン社製)
NBR変性エポキシ樹脂 50部
(EPR4030、ADEKA社製)
ジシアンジアミド(DICY7、ジャパンエポキシレジン社製) 7部
イミダゾール系硬化触媒(活性部位包接硬化触媒) 5部
(HIPA−2E4MZ、日本曹達社製)
得られた粘接着剤を、セパフィルム(SP−PET 03BU、東セロ社製)に重ね合わせた芯材(ベルクスMBBK6FZSO、クラレ社製)の表面に、コンマコーターにて、塗布量が100g/mとなるように塗布して、芯材に粘接着剤を含浸させて粘接着層を形成し、その粘接着層上に、セパフィルム(SP−PET 01BU、東セロ社製)を貼り合わせることにより粘接着シートを作製した。
<貼合体の作製>
得られた粘接着シートを25mm×12.5mmに裁断し、一方のセパフィルムを剥離して粘接着層を露出させて、一方の被着体であるCFRP(長さ100mm×幅25mm×厚み1.5mm)の先端部分に貼り付けた。CFRPに貼りつけた粘接着シートからセパフィルムを剥離して粘接着層を露出させて、その粘接着層部分に、他方の被着体であるCFRP(長さ100mm×幅25mm×厚み1.5mm)の先端部分を貼りつけた。この状態で、両方のCFRPは仮固定されていた。
次いで、仮固定された被着体の上に3kgの荷重をかけて120℃で2時間、粘接着層の加熱硬化を行うことにより貼合体を得た。
実施例2
粘接着層に芯材を入れない以外は、実施例1と同様にして粘接着シートを作製した。実施例1と同様にして貼合体を得た。
実施例3
イミダゾール系硬化触媒として、マイクロカプセル化イミダゾール系硬化触媒であるノバキュア3721(旭化成イーマテリアルズ社製)を25部の割合で添加した以外は、実施例1と同様にして粘接着シートを作製し、加熱硬化を180℃で1分とした以外は実施例1と同様にして貼合体を得た。
実施例4
粘接着層に芯材を入れない以外は、実施例3と同様にして粘接着シートを作製し、実施例3と同様にして貼合体を得た。
実施例5
イミダゾール系硬化触媒の添加量を50部に変えた以外は、実施例3と同様にして粘接着シートを作製し、実施例3と同様にして貼合体を得た。
比較例1
硬化触媒を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして粘接着シートを作製し、実施例2と同様にして貼合体を得た。
比較例2
硬化触媒として、芳香族ポリアミン触媒であるJERキュアW(ジャパンエポキシレジン社製)を30部の割合で添加した以外は、実施例2と同様にして粘接着シートを作製し、実施例2と同様にして貼合体を得た。
比較例3
アクリル酸エステル共重合体樹脂およびNBR変性エポキシ樹脂を添加せずに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるJER828およびJER1001の添加量をそれぞれ100部および200部に代えた以外は、実施例4と同様にして粘接着シートを作製し、実施例4と同様にして貼合体を得た。
比較例4
硬化剤であるジシアンジアミドを添加しなかった以外は、実施例4と同様にして粘接着シートを作製し、実施例4と同様にして貼合体を得た。
<接着強度評価>
粘接着シートを作製した直後に、上記のようにして貼合体を作製し、その両端をテンシロン(オリエンテック製RTA−1T)に固定して、0.5mm/minで引張り、せん断強度を測定した。また、作製した粘接着シートを40℃の温度環境下で2週間放置した後、上記のようにして貼合体を作製し、その両端をテンシロン(オリエンテック製RTA−1T)に固定して、0.5mm/minで引張り、せん断強度を測定した。それぞれの場合の接着強度は、下記の表1に示される通りであった。
表1からも明らかなように、硬化剤としてジシアンジアミドを用い、硬化触媒として活性部位包接イミダゾールを用いた粘接着シート(実施例1および実施例2)は、120℃×2時間の硬化条件において、17MPa以上の接着強度を有するだけでなく、40℃で2時間放置した後の粘接着シートでも同様の接着強度を有し、ホットライフ性に優れることがわかる。また、硬化剤としてジシアンジアミドを用い、硬化触媒としてマイクロカプセル化イミダゾールを用いた粘接着シート(実施例3〜実施例5)は、180℃×1分の硬化条件であっても、2MPa以上の接着強度を有するだけでなく、40℃で2時間放置した後の粘接着シートでも同様の接着強度を有し、ホットライフ性に優れることがわかる。
一方、硬化触媒を含まない粘接着シート(比較例1)は、接着強度が低いだけでなく、ホットライフ性も劣っている。また、硬化触媒として、芳香族ポリアミン系触媒を用いた粘接着シート(比較例2)は、硬化触媒としてイミダゾール系触媒を用いたもの(実施例2)と比較して、粘接着シート製造直後の接着強度は同等であるものの、ポットライフ性に劣っている。また、アクリル酸エステル共重合体樹脂およびNBR変性エポキシ樹脂を含まない粘接着シート(比較例3)は、これらを含む粘接着シート(実施例4)と比較して粘接着シート製造直後の接着強度は同等であるものの、ポットライフ性に劣っている。
これは、比較例3の粘接着シートは、粘接着剤がアクリル系樹脂(SG−P3)および軟らかいエポキシ系樹脂(EPR4030)を含まないため、粘接着剤中の樹脂の相溶性が高く、海島構造が形成されず、硬化剤の分散性が高くなってしまったためと考えられる。
さらに、硬化触媒を含み、硬化剤を含まない粘接着シート(比較例4)は、その両方を含むもの(実施例4)と比較して、ポットライフ性は同等であるものの、接着強度が低い。
<貼合体の評価>
先ず、実施例2において使用した粘接着剤(表面にセパフィルムを貼り合わせたもの)を、ウルトラミクロトーム(ULTRACUT UC6、日本電子株式会社製)により貼合体断面の超薄切片試料(厚さ80nm)を作製し、カーボンコーター(V−1000、株式会社真空デバイス製)を用いて、超薄切片試料の表面にカーボン蒸着を行った。得られた超薄切片試料を12時間かけてオスミウム染色を行い、STEM観察用の試料とした。
次に、実施例2の貼合体の作製において、CFRPを、一方の面が鏡面仕上げされており、他方の面がマット仕上げされているアルミニウム板に代えた貼合体を作製した。なお、アルミニウム板の、粘接着シートの一方の面と接着する側を鏡面仕上げ面とし、他方の面と接着する側をマット仕上げ面とした。アルミニウム板を粘接着シートにより仮固定した状態(硬化前)で、ウルトラミクロトーム(ULTRACUT UC6、日本電子株式会社製)により貼合体断面の超薄切片試料(厚さ80nm)を作製し、カーボンコーター(V−1000、株式会社真空デバイス製)を用いて、超薄切片試料の表面にカーボン蒸着を行った。得られた超薄切片試料を12時間かけてオスミウム染色を行い、STEM観察用の試料とした。
また、粘接着剤を硬化させた後の貼合体を用いて、上記と同様に超薄切片試料を作製し、カーボン蒸着を行った後、12時間かけてルテニウム染色を行い、面出しを行ってから再度3時間かけてルテニウム染色を行い、SEM観察用の試料とした。
上記の各試料を、電子顕微鏡(S−4800、日立ハイテク株式会社製)を用いて観察した。図3は、粘接着剤自体の断面STEM写真を示したものである。粘接着剤の厚さ方向全体にわたり、均一な海島構造が形成されていることが確認できる。図3のSTEM写真において、白色部分(海部分)がアクリル系樹脂であり、灰色部分(島部分)がエポキシ系樹脂である。
図4は、硬化前の粘接着剤とアルミニウム板との界面付近のSTEM写真を示したものである。アルミニウム板のマット仕上げ面と粘接着剤層との界面、およびアルミニウム板の鏡面仕上げ面と粘接着剤層との界面のいずれにも、ほぼ均一な厚みのエポキシ系樹脂層が形成され、そのエポキシ系樹脂層の間に、アクリル系樹脂を海としエポキシ系樹脂を島とした3次元的な海島構造が形成されていることが確認できる。
また、図5は、硬化後の粘接着剤とアルミニウム板との界面付近のSEM写真を示したものである。粘接着剤が硬化した後も、アルミニウム板のマット仕上げ面と粘接着剤層との界面、およびアルミニウム板の鏡面仕上げ面と粘接着剤層との界面のいずれにも、ほぼ均一な厚みのエポキシ系樹脂層が形成され、そのエポキシ系樹脂層の間に、アクリル系樹脂を海としエポキシ系樹脂を島とした3次元的な海島構造が形成されていることが確認できる。
1:粘接着シート
11:粘接着層
13:粘接着剤
15:芯材
21:離型紙
21A:第1離型紙
21B:第2離型紙

Claims (10)

  1. 第1離型紙と、粘接着層と、第2離型紙とを、この順で積層してなる粘接着シートであって、
    前記粘接着層が、粘接着剤を含んでなり、
    前記粘接着剤が、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、硬化剤、および硬化触媒を少なくとも含み、
    前記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であり、前記硬化触媒が、イミダゾール系触媒であり、
    前記アクリル系樹脂が、エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体、エチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体、およびブチルアクリレート−アクリルニトリル共重合体からなる群から選択されるアクリル酸エステル共重合体であり、
    前記アクリル酸エステル重合体が、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、またはアミド基の少なくとも1種以上の官能基が導入されている、ことを特徴とする、粘接着シート。
  2. 前記粘接着層が芯材をさらに含んでなり、前記粘接着剤が前記芯材に含浸されている、請求項1に記載の粘接着シート。
  3. 前記エポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において175〜300部含まれている、請求項1または2に記載の粘接着シート。
  4. 前記粘接着剤が、前記アクリル系樹脂が海、前記エポキシ系樹脂が島とする海島構造を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘接着シート。
  5. 前記エポキシ樹脂が、ニトリルブタジエンゴム変性エポキシ樹脂と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とからなる混合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の粘接着シート。
  6. 前記ニトリルブタジエンゴム変性エポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において25〜75部であり、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂の含有量が、アクリル系樹脂100部に対して、質量基準において150〜225部である、請求項に記載の粘接着シート。
  7. 前記芯材が、織布または不織布である、請求項2〜のいずれか一項に記載の粘接着シート。
  8. 請求項1〜の粘接着シートを介して、第1被着体と第2被着体とが接着した貼合体であって、
    前記粘接着シートの、前記第1被着体および第2被着体との界面において、エポキシ系樹脂層が形成され、前記第1被着体側のエポキシ系樹脂層と、前記第2被着体側のエポキシ系樹脂層との間に、前記アクリル系樹脂が海、前記エポキシ系樹脂が島とする3次元的な海島構造が形成されている、貼合体。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の粘接着シートを用いて第1被着体と第2被着体とを接着する方法であって、
    前記粘接着シートから、第1離型紙および第2離型紙を剥離し除去して粘接着層を露出させ、
    前記粘接着層を、前記第1被着体および前記第2被着体で挟んで、前記第1被着体および前記第2被着体の仮固定を行い、
    前記粘接着層を、加熱することにより硬化させて、前記第1被着体および前記第2被着体を接着することを特徴とする、方法。
  10. 請求項に記載の方法により得られる貼合体。
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