JP2011202042A - 粘接着シート - Google Patents

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潤一 黒木
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貴之 植木
Takahisa Taniguchi
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Abstract

【課題】 初期粘着性を有し、金属と有機材料などとを接着でき、接着強度は強力であり、接着強度は温度変化で劣化しにくい粘接着シート1を提供する。
【解決手段】 粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シート1であって、第1離型紙21A、粘接着層11及び第2離型紙21Bからなり、粘接着層11を構成する粘接着剤がビニルホルマール樹脂、ゴム弾性エポキシ樹脂及びコアシェル微粒子ゴムから選択されてなる1又は複数と、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、硬化剤を含み、粘接着層11を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが少なくとも30〜70℃の範囲内にあることを特徴とし、また、Tgが30〜70℃の範囲内及び90〜150℃の範囲内に各1つづつ合計2つあり、さらに、Tgが30〜70℃の範囲内に1つあり、かつ90〜150℃の範囲内にないことも特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、粘接着シートに関し、さらに詳しくは、粘接着シートの粘接着層を露出させ、2つの被着体で挟んで保持した後に、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて被着体を強力に接着させることができる粘接着シートに関するものである。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。なお、本明細書では、「粘接着シート」とは「基材に貼り付けた瞬間に粘着力をもち、その後加熱することによって接着力をもつシート」で、「粘着力」とは「基材に貼り付けた瞬間に密着する力のこと」で、「接着力」とは「基材に貼り付け後、加熱することによって物理的に接着する力のこと」をいう。
(背景技術)従来、2つの被着体を一体化させる接合方法としては、咬合、溶接、接着剤や粘着剤による接着方法があり、それぞれの分野で用途に応じて多用されている。近年、自動車などの輸送機関連の用途では、温暖化防止に炭酸ガスCO2排出の削減などの課題解決として、車体の軽量化、ハイブリッド車や電気自動車の普及が進んでいる。そのために、車体に軽量なアルミニウムやマグネシウム、FRP(CFRP=carbon fiber reinforced prastics、GFRP=garas fiber reinforced prastics)を使用する流れが強くなってきている。しかしながら、従来の溶接法ではアルミニウムと鉄などの異種材料の溶接は非常に困難を極め、ガラス繊維や炭素繊維のFRPに至っては溶接自体が不可能であり、これらの材料(被着体)を強力に接合できる接合材料が必要である。接合方法としては、粘着シート又は接着シートを用いる方法があるが、十分ではない。また、常温での接着強度は満たすものの、アルミニウムやCFRPなどとの異種材料との接着では、零下の低温と高温とを繰り返すサーマルサイクル試験を受けた後の接着強度は劣化するという課題もあった。
従って、粘接着シートには、次のような性能が求められている。(1)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること。(2)接着強度は構造用途に使用できるように強力であること。(3)接着強度は温度変化で劣化しないこと。(4)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性のよいこと。(5)異種材料との接着強度が、零下の低温と高温とを繰り返すサーマルサイクル試験後でも劣化し難いこと。
特開2006−237483号公報 特開平9−181421号公報
(従来技術)従来、基材フィルム(I)、粘着剤層、基材フィルム(II)およびフィルム状接着剤層がこの順に構成されてなるダイアタッチフィルムであって、基材フィルム(II)のフィルム状接着剤層側の界面が離型処理されており、かつ、フィルム状接着剤層が、アクリル酸エステル共重合体、熱硬化性樹脂を含むことを特徴とするダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、フィルム状接着剤層のウエハーへの貼り付け温度が15℃以上60℃以下であり、初期粘着性はあるが、加工後に剥離するために接着力は低いという問題点がある。
また、(a)加熱硬化後においても再加熱により金属箔との接着が可能である熱硬化性樹脂Aを離型フィルムに塗布乾燥して、片面に熱硬化性樹脂Aの層を有する離型フィルムを準備する工程、(b)上記離型フィルムの熱硬化性樹脂Aの層側に、シート状基材に熱硬化性樹脂を含浸乾燥して得たプリプレグを重ね、加熱加圧成形により一体化して板状体とする工程、(c)離型フィルムを剥がして又は剥がさずに、上記板状体の所定位置に貫通穴をあける工程、(d)上記工程を経た板状体の熱硬化性樹脂Aの層側に、金属箔を重ねて加熱加圧成形により一体化する工程、の(a)〜(d)の工程を経ることを特徴とする金属箔張り積層板の製造法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、フィルム状態でも熱硬化し、加熱加圧成形により一体化でも熱硬化させ、2回も熱硬化工程があり、工程数が多くなるという欠点がある。
さらに、一部には初期粘着のある熱硬化型シートもあるが、一般的に初期粘着のある接着シートは、接着剤層にアクリル等の粘着樹脂を添加することでつくられており、粘着樹脂を添加することで、接着強度が低下することがわかっている。その結果、自動車用途などで必要とされる接着強度15〜20MPaを満たす粘着接着シートは作製困難であった。また、強固な接着強度を有する異種材料との粘接着シートはないようなので、接着強度の低温と高温とを繰り返すサーマルサイクル試験による劣化に対する記載はなかった。
そこで、本発明は上記のような問題点を解消するために、本発明者らは鋭意研究を進め、サーマルサイクル試験に耐え、なおかつ接着強度を高い水準で保つためには、硬化後の樹脂の粘弾性が最も重要であることを突き止め、耐サーマルサイクル性と接着強度を両立する粘弾性をもつ粘接着剤の樹脂組成を導き出して、本発明の完成に至ったものである。その目的は、次の性能を満足する粘接着シートを提供することである。(1)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着できること。(2)接着強度は構造用途に使用できるように強力であること。(3)接着強度は温度変化で劣化しないこと。(4)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性のよいこと。(5)異種材料との接着強度が、零下の低温と高温とを繰り返すサーマルサイクル試験後でも劣化し難いこと。
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1の発明に係わる粘接着シートは、第1離型紙、粘接着層、及び第2離型紙からなり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートであって、前記粘接着層を構成する粘接着剤がビニルホルマール樹脂、ゴム弾性エポキシ樹脂及びコアシェル微粒子ゴムから選択されてなる1又は複数と、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、硬化剤を含み、前記粘接着剤を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが少なくとも30〜70℃の範囲内にあるように、したものである。
請求項2の発明に係わる粘接着シートは、上記粘接着剤を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが30〜70℃の範囲内及び120〜150℃の範囲内に各1つづつ合計2つあるように、したものである。
請求項3の発明に係わる粘接着シートは、上記粘接着剤を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが30〜70℃の範囲内に1つあり、かつ90〜150℃の範囲内にないように、したものである。
請求項4の発明に係わる粘接着シートは、上記粘接着層が芯材を含み、上記粘接着剤が芯材へ含浸状態であるように、したものである。
請求項5の発明に係わる粘接着シートは、上記粘接着剤が、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが海島構造であるように、したものである。
請求項6の発明に係わる粘接着シートは、上記アクリル系樹脂がEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体で、
上記エポキシ系樹脂がNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂からなり、
上記硬化剤がジシアンジアミドであるように、したものである。
請求項7の発明に係わる粘接着シートは、上記芯材が織布又は不織布であるように、したものである。
請求項8の発明に係わる粘接着シートは、請求項1〜5のいずれかに記載の粘接着シートの第1離型紙及び第2離型紙を剥離し除去して露出した上記粘接着層を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層の粘着性で保持し、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を接着させることができるように、したものである。
請求項1の本発明によれば、初期粘着性を有してプレヒートなどの工程をなくせて作業性がよく、金属と有機材料とを接着でき、その接着強度は強力であり、温度変化でも劣化し難い効果を奏する。
請求項2〜3の本発明によれば、請求項1の効果に加えて、サーマルサイクル試験後でも接着強度が劣化し難くなる効果を奏する。
請求項4の本発明によれば、請求項1〜3の効果に加えて、より強力な接着強度が得られる効果を奏する。
請求項5の本発明によれば、請求項1〜4の効果に加えて、より安定した初期粘着性を有し、金属と有機材料とをより強力に接着できる効果を奏する。
請求項6の本発明によれば、請求項1〜5の効果に加えて、被着体である金属と有機材料の材料をより自由に選択することができる効果を奏する。
請求項7の本発明によれば、請求項1〜6の効果に加えて、粘接着層の凝集が高くできより強力な接着強度が得られるの効果を奏する。
請求項8の本発明によれば、初期粘着性を有しているので、プレヒートなどの工程をなくせ、また、仮固定する必要もなく、接合の作業性がよく、低コストで接合でき、しかも、その接着強度は強力であり、またサーマルサイクルでも接着強度が劣化し難い効果を奏する。
本願発明の1実施例を示す粘接着シートの断面図である。 本願発明の1実施例を示す粘接着シートの断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(粘接着シート)本願発明の粘接着シート1は、図1に示すように、第1離型紙21A、粘接着層11、及び第2離型紙21Bからなり、粘接着層11を構成する粘接着剤13は、ビニルホルマール樹脂、ゴム弾性エポキシ樹脂及びコアシェル微粒子ゴムから選択されてなる1又は複数と、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、硬化剤を含んでおり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートである。粘接着剤13を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが少なくとも30〜70℃の範囲内にあるようにする。また、好ましくは、粘接着剤13を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが30〜70℃の範囲内及び120〜150℃の範囲内に各1つづつ合計2つあるようにする。さらに好ましくは、粘接着剤13を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが30〜70℃の範囲内に1つあり、かつ90〜150℃の範囲内にないようにする。さらにまた、図2に示すように、粘接着層11へ芯材15を含ませて、粘接着剤13が芯材へ含浸状態としてもよい。芯材15としては、織布又は不織布が好ましい。なお、芯材15を含まない場合の粘接着層11は粘接着剤13と一致し、同意語となる。さらに、粘接着層11が、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが海島構造であることが好ましい。さらにまた、上記アクリル系樹脂がEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体で、上記エポキシ系樹脂がNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ樹脂と、ビスフェノール型エポキシ樹脂からなり、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であるが好ましい。なお、EA−BA−ANは、エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリルを表す。
最も好ましくは、粘接着層11を構成する粘接着剤13としては、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とを用い、上記エポキシ系樹脂としては、少なくとも、柔らかいゴム状エポキシ樹脂であるNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ系樹脂と、堅いビスフェノール型エポキシ樹脂とを含ませ、かつ、上記アクリル系樹脂としては、粘着性を有するEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体を用い、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物を用い、さらに、ビニルホルマール樹脂、ゴム弾性エポキシ樹脂及びコアシェル微粒子ゴムから選択されてなる1又は複数を加えることで、下記の性能を満たし、初期粘着をもった熱硬化型の粘接着シート1とすることができる。即ち、粘接着シート1は、(1)初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性のよい、(2)金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着でき、(3)接着強度は構造用途に使用できるように強力であり、(4)接着強度は温度変化で劣化しない効果が得られ、(5)さらに、異種材料との接着でも、その接着強度が、零下の低温と高温とを繰り返すサーマルサイクル試験後でも劣化し難いという効果もある。
(剥離紙)本明細書では、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bとを合わせて離型紙21と呼称する。また、第1離型紙21Aと第2離型紙21Bは同じものでも異なったものを用いてもよい。離型紙21は離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、セパ紙、剥離フィルム、剥離紙とも呼ばれる。離型紙21は、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルムなどの離型紙用基材の片面又は両面に離型層を有している。
(離型層)該離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。
(離型層の形成)離形層は、離形層成分を分散および/または溶解した塗液を、離型紙用基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。該塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、グラビアコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成してもよい。
(剥離力)離形層の剥離力は、粘着剤テープに対し、1〜2000mN/cm程度、さらに100〜1000mN/cmであることが好ましい。離形層の剥離力が1mN/cm未満の場合は、粘着シートや被粘着材との剥離力が弱く、剥がれたり部分的に浮いたりする。また、2000mN/cmより大きい場合は、離形層の剥離力が強く、剥離しにくい。安定した離形性や加工性の点で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加及び/又は重縮合型の剥離紙用硬化型シリコーン樹脂が好ましい。
(粘接着層)粘接着層13は、ゴム的性能を有する物質と、粘着性を有するアクリル系樹脂、主に被着体との接着性を有するエポキシ系樹脂、これらの樹脂と反応する硬化剤を含ませることで、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シート1とすることができる。
(ゴム性物質)ゴム的性能を有する物質とは、ビニルホルマール樹脂、ゴム弾性エポキシ樹脂及びコアシェル微粒子ゴムから選択されてなる1又は複数が例示できる。
(エポキシ)上記エポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられ、またフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂などが例示できる。
これらの樹脂から、少なくとも、比較的柔らかいエポキシ系樹脂と、硬いエポキシ系樹脂とを含ませるのが好ましい。ここで、柔らかい、硬いとは、相対比較であり、硬さに差のある柔らかいもの、硬いものを用いればよい。
(硬いエポキシ)硬いエポキシ系樹脂としては、結晶性エポキシ樹脂が好ましく、ビフェニル骨格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格などの剛直構造を主鎖にもち、比較的低分子量のものがよい。好ましくは、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂で、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で液体、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂は常温で固体である。結晶性エポキシ樹脂のうち、常温で結晶化して固体のものも、融点以上の温度になると、急速に融解して低粘度の液状に変化することで、粘接着層13の接着剤部分に被着体の裏面とを接合工程で、初期に密着し、更に接着して、接着強度を高めることができる。硬いエポキシ系樹脂は架橋密度が高くなるため、機械的強度が高く、耐薬品性がよく、硬化性が高く、吸湿性(自由体積が小さくなるため)が小さくなる特徴もある。
硬いエポキシ系樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましいが、さらに、硬さの異なる複数を用いるのが更に好ましい。複数とは、剛直な構造であるビスフェノール骨格の主鎖の数の異なるものが例示でき、例えば、主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂と、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂とを併用すればよい。併用することで、機械的強度を保ちつつ、若干の柔軟性を得ることが出来るため、密着性に優れる。固体のエポキシを混合することで、製膜性も向上させることができる。ここで、硬さ異なるとは相対比較であり、硬さに差があればよく、硬いもの、更に硬いものを用いればよい。具体的には、主鎖が1〜3のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER828が、主鎖が2〜10のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、ジャパンエポキシレジン社製、JER1001などが例示できる。
(柔いエポキシ)柔かいエポキシ樹脂としては、ゴム成分を含むように変性したエポキシ系樹脂が好ましい。特に、NBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ系樹脂が、加熱による変色も少なく、硬いエポキシ樹脂である結晶性エポキシ樹脂と混ざり易さから好ましい。具体的には、ADEKA社製、EPR4030などが例示できる。被着体の熱膨張による寸法変化などに追従するため、耐熱性向上、耐衝撃性、柔軟性の点で優れる。
(アクリル)アクリル系樹脂としては、粘着性があれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのエステルモノマーを重合させたポリマーのほか、前記モノマーと共重合可能な不飽和単量体(例えば、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなど)とを共重合させたコポリマーが使用できる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸エステル共重合体が好ましく、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびアクリルニトリルのうち少なくとも1つをモノマー成分とした共重合体が挙げられる。この中でも、官能基としてエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、二トリル基等を持つ化合物を有するアクリル酸エステル共重合体が好ましい。これにより、被着体への接着性がより向上する。具体的には、ナガセケムテックス社製、SG−P3などが例示できる。
特に好ましくは、アクリル系樹脂として、EA−BA−AN(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリルニトリルをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体であって、エポキシ系樹脂との分散性や、粘接着層11を形成する際の塗布性成膜性を向上させることができる。しかも、粘接着層11の初期粘着性を確保できる。
アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、10万以上が好ましく、15万〜100万が特に好ましく、重量平均分子量がこの範囲内であると、粘接着層11の塗布性が向上する。また、凝集力を高めるために、ロジン樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族系や芳香族系石油樹脂等の粘着付与剤等を添加してもよい。
(硬化剤)前記硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤が例示できる。
特に、ジシアンジアミド(DICY)は潜在性の硬化剤のため、保存安定性に優れ、室温保存でもポットライフが数週間もあるので好ましい。また、硬化促進剤としてイミダゾール類を含ませてもよい。
(添加剤)さらに、粘接着剤13には、必要に応じて、例えば、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、例えば、滑剤、可塑剤、充填剤、フィラー、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他等を添加してもよい。また、必要に応じて、さらにシラン系、チタン系、アルミニウム系などのカップリング剤を含むことができる。これにより樹脂と被着体及び樹脂と後述する芯材財との密着性を向上させることができる。
(海島)粘接着剤13は、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂を主成分としているが、海島構造が好ましい。アクリル系樹脂を海状態とし、この海にエポキシ系樹脂が島状態をなしていることが好ましい。エポキシ系樹脂は複数種からなるが相溶状態であると推測される。この好ましい構造によって、アクリル系樹脂の海状態が初期粘着性を発現し、島状態のポキシ系樹脂が加圧加熱によって、被着体と接触し、接着すると推測される。さらに分散状態は、海と島どうしが接触しないある程度の距離(数μm)を保つことで、界面破壊を避けることが出来、接着強度も高く維持できるので好ましい。
(配合比)粘接着剤13は、アクリル系樹脂、硬いエポキシ系樹脂、柔かいエポキシ系樹脂とからなり、その配合比は、アクリル系樹脂:硬いエポキシ系樹脂:柔かいエポキシ系樹脂:硬化剤=100:75〜175:10〜100:2〜20程度、好ましくは、アクリル系樹脂:硬いエポキシ系樹脂:柔かいエポキシ系樹脂=100:100〜150:25〜75:5〜10である。なお、硬いエポキシ系樹脂を複数用いる場合にはその合計とする。アクリル酸エステル共重合体に対して、硬いエポキシ樹脂及び柔かいエポキシ系樹脂がこの範囲未満であると、粘着力が強すぎて、貼り替えが必要な場合に不良が起こったり、作業性の低下したりし、被着体との接着力が低下する。この範囲以上では、被着体との接着力は向上するが、粘着力が低く、仮固定を要して作業性が低下する。また、硬化剤の配合比がこの範囲未満であると、接合後の耐熱性が低く、また接着強度が温度変化で劣化しやすい。この範囲以上では、粘接着シート1を被着体と接合するまで保管するが、その期間の保存性が低下し、また、未反応の硬化剤が残留することで、接着力が低下する問題点もある。また、ビニルホルマール樹脂、ゴム弾性エポキシ樹脂及びコアシェル微粒子ゴムから選択されてなる1又は複数のゴム的性能を有する物質の配合は、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂の合計を100として、10〜50とする。範囲以上では、接着強度が低下し、この範囲未満では高温度でも接着強度が向上しない。
(芯材)粘接着層11へ芯材15を含ませて、粘接着剤13が芯材へ含浸状態としてもよく、芯材15としては、織布又は不織布が好ましい。織布又は不織布の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、液晶ポリマーなどの耐熱性のあるプラスチックの繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などが例示でき、これらで構成した織布、不織布が使用できる。
(製造方法)まず、粘接着層11を形成するための粘接着剤13組成物を作製し、この粘接着剤13組成物を離型紙へ塗布すればよい。撹拌機を用いて、硬いエポキシ系樹脂として複数種を用いる場合は先に混合撹拌し、次に硬化剤を混合撹拌し、溶媒で希釈した後に、柔かいエポキシ系樹脂を混合撹拌し、次いで、アクリル系樹脂を混合撹拌して、さらに、ビニルホルマール樹脂、ゴム弾性エポキシ樹脂及びコアシェル微粒子ゴムから選択されてなる1又は複数のゴム的性能を有する物質混合撹拌して、粘接着剤13組成物を得た。コーティング法を用いて、第1離型紙21Aの離型面に上記の粘接着剤13組成物を塗布し、乾燥後に、塗布面に第2離型紙21Bを貼り合わせて、粘接着シート1が得られる。
(芯材)芯材15を含める場合には、コーティング機を用いて、第1離型紙21Aと芯材15とを重ねて走行させて、その芯材15面に上記の粘接着剤13組成物を塗布することで、芯材15へ含浸されるので、乾燥後に、塗布面に第2離型紙21Bを貼り合わせて、粘接着シート1が得られる。
(撹拌)粘接着剤13組成物を作製する撹拌機は、所望の材料を混合し、必要に応じて混練、分散して調製すればよく、特に限定されるものではない。通常の混練分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、および超音波分散機などが適用できる。
(コーティング法)コーティング法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ダイコート、リップコート、ディップコートなどが適用できる。組成物を、第1離型紙21Aの離型面、又は第1離型紙21Aと芯材15を重ねて、芯材15面へ、上記のコーティング法で塗布して、乾燥した後に、第2離型紙21Bを貼り合わせればよい。組成物(塗布液)の粘度は、1〜20000センチストークス(25℃)程度、好ましくは1〜200センチストークスに調整する。芯材15へ含浸塗布する場合には、粘度が低い方が好ましく、1〜100センチストークスである。
(接着方法)被着体との接合は、粘接着シート1の第1離型紙21A及び第2離型紙21Bを剥離し除去して、粘接着層11を露出させる。露出した粘接着層11を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層11の粘着性で保持させる。次いで、加熱、又は加圧加熱することで粘接着層11を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を強固に接着させることができる。この場合の加熱温度は、100〜300℃程度、好ましくは150〜250℃である。加熱時間は1〜240分間、好ましくは10〜60分間である。硬化した粘接着シート1の粘接着層11は、初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、粘着力のみで被着体を保持して作業できるので、作業性がよく、低コストでもある。また、粘接着層11の材料及びその配合比を選択することで、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着することができる。さらに、エポキシ系樹脂に起因する強固な接着強度が得られ、この接着強度は温度変化でも劣化しにくく、また、アクリル系樹脂に起因するために脆質性が低く、優れた剪断強度と高い耐衝撃性、耐熱性を有するので、構造用途に使用できる。
(被着体)被着体としては、金属、無機材料、有機材料、これらを組み合わせた複合材料や、積層材料などが例示できる。
(接着強度の測定方法)粘接着シート1を25mm×12.5mmに裁断し、離型紙21Aを剥離し除去して、被着体としてアルミニム材(長さ100mm×幅25mm×厚さ1.5mm)の先端部に貼り付け、次いで、離型紙21Bを剥離し除去して、別の被着体としてCFRP基材(長さ100mm×幅25mm×厚さ1.5mm、樹脂はエポキシ樹脂)を先端部へ重なるように貼り付け、重ねた上から3kgのおもりをのせ、180℃1時間、加熱硬化させて、積層体を得て、試験片とした。この評価用サンプルの両端をテンシロン(オリエンテック製RTA−1T)に固定して、0.5mm/minで引張り、せん断強度を測定した。
(サーマルサイクル試験法)粘接着シート1を用いて、アルミニウムとCFRP基材とを積層した積層体を用いて、−40℃で30分間放置後、+150℃で30分間放置するを1サイクルとして、280回、及び500サイクル行った。
(初期粘着力の測定方法)また、初期粘着力の測定方法は、23℃、50%RH雰囲気下に24時間静置した粘接着シートを、幅25mm、長さ250mmに裁断し、試験サンプルとした。その後、粘接着シートサンプルの上部剥離フィルムをはがし、粘着面が接触するように洗浄した硝子板の上に置く。その上から、手動式圧着装置(JIS0237)にて、圧着速さ約5mm/sec、1往復させ、貼り付けた。貼り付けた試験片の片方を、テンシロン(オリエンテック製RTC1310A)にて、300mm/minの速さで引き剥がし、そのときの応力を粘着力とした。離型シートと粘着剤層との剥離強度で、180°による剥離方法において、100〜1,700gの範囲、好ましくは500〜1,400gの範囲にすることが望ましい。
(粘弾性の測定方法)粘弾性の測定方法は、動的粘弾性測定装置(DMA)を用いて、試料をダイヤモンドカッターで幅5mm、長さ50mmに切り出し、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「DMS6100」を用いて、測定温度範囲:室温〜300℃、昇温速度:3℃/min、周波数:1Hz(正弦波)、歪振幅:10μm、試料のの両持ち曲げによる動的粘弾性を測定して、tanδ最大値の温度をTgとした。
(粘接着層のTg)異種材料同士を接合し、しかもその接着強度が強固にするためには、硬化後の樹脂のガラス転移温度Tgが重要である。粘接着剤13の180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークを少なくとも30〜70℃の範囲内にあるようにすることで、強固な接着強度とすることができ、温度変化受けても接着強度が劣化し難い。
(サーマルサイクル性)また、粘接着剤13の180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークを30〜70℃の範囲内及び120〜150℃の範囲内に各1つづつ合計2つあるようにすることで、接着強度である引張りせん断力が高温の熱履歴を受けても低下しない。理由は定かではないが、温度変化受けても、樹脂自身の変化を受けにくいものと推測される。初期の接着強度を満たし、さらに、アルミニウムやCFRPなどとの異種材料との接着でも、零下の低温と高温とを繰り返すサーマルサイクル試験を受けた後の接着強度も劣化し難い。
さらに、粘接着剤13の180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークを30〜70℃の範囲内に1つあり、かつ90〜150℃の範囲内にないようにすることで、接着強度である引張りせん断力が高温の熱履歴を受けても、接着強度が劣化し難い。サーマルサイクル試験によって、高温域にさらされることで、未硬化部及び/又は半硬化部の本硬化がなされたか、硬化物が一体化してきたものと推測される。
サーマルサイクル性は、280サイクル程度での接着強度(引張せん断力)は上昇するが、さすがに500サイクル後では若干低下するものもあるが、いずれも初期接着強度の75%以上を維持する十分なる強度を有しており、実用上の支障はないと、推測される。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、各層の各組成物は溶媒を除いた固形分の質量部である。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(主鎖1〜3)をEPX−1、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(主鎖2〜10)をEPX−2と呼称する。
(実施例1)下記原料を攪拌機により混合し、粘接着剤13組成物を作製した。
・アクリル酸エステル共重合体 100部
・EPX−2 133部
・ジシアンジアミド 7部
・ゴム弾性エポキシ樹脂 67部
・コアシェル微粒子ゴム 40部
次に、芯材15として目付け量5.9g/m2の液晶ポリマー不織布(ベクルスMBBK6FZSO、(株)クラレ社製、商品名)を用い、離型紙21Aとして(セパフィルムSP−PET03BU東セロ製、商品名)を用いた。
離型紙21Aへ芯材15を重ねて、該芯材15面へ上記粘接着剤13組成物をコンマコーターにて、乾燥後の塗布量が50g/m2になるように、コーティングし乾燥した後に、軽剥離の離型紙21Bとして(セパフィルムSP−PET01BU東セロ製)を貼り合わせて、実施例1の粘接着シート1を得た。
(実施例2〜5)表1の粘接着剤13組成物を用いる以外以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5の粘接着シート1を得た。
Figure 2011202042
(評価方法)アルミニウムとCFRP基材への接着強度(引張りせん断力)、CFRP基材への初期粘着力、サーマルサイクル試験280回及び500回後の引張せん断力で評価した。結果を表1に表す。
(評価結果)
実施例1〜4のいずれも初期粘着力もあり、接合時の初期接着強度(引張せん断力)も良好であった。実施例1〜4のいずれも280サイクル後の接着強度(引張せん断力)は上昇したが、500サイクル後では若干低下しているが、いずれも初期接着強度の75%以上を維持していて、実用上に支障はなかった。
実施例5では初期粘着力があり、接合時の初期接着強度(引張せん断力)は若干低いが、280サイクル後の接着強度(引張せん断力)が上昇し、500サイクル後でもさらに上昇していた。
(産業上の利用可能性)本発明の粘接着シートの主なる用途としては、従来の溶接法では困難な、ガラス繊維や炭素繊維のFRP、異種金属などの材料(被着体)を強力に接合でき、自動車などの輸送機関連の部材などのものである。
しかしながら、初期粘着性を有し、プレヒートなどの工程がなく、作業性がよく、金属同士、金属と有機材料、有機材料と有機材料とを接着でき、接着強度は強力であり、異種材料との接着強度でも零下の低温と高温とを繰り返すサーマルサイクル試験後でも劣化しないことを必要とする用途であれば、特に限定されるものではない。
1:粘接着シート
11:粘接着層
13:粘接着剤
15:芯材
21:離型紙
21A:第1離型紙
21B:第2離型紙

Claims (8)

  1. 第1離型紙、粘接着層、及び第2離型紙からなり、粘着性と接着性を併せ持つ粘接着シートであって、前記粘接着層を構成する粘接着剤がビニルホルマール樹脂、ゴム弾性エポキシ樹脂及びコアシェル微粒子ゴムから選択されてなる1又は複数と、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、硬化剤を含み、前記粘接着剤を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが少なくとも30〜70℃の範囲内にあることを特徴とする粘接着シート。
  2. 上記粘接着剤を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが30〜70℃の範囲内及び90〜150℃の範囲内に各1つづつ合計2つあることを特徴とする請求項1に記載の粘接着シート。
  3. 上記粘接着剤を180℃で1時間硬化させた後のガラス転移温度Tgのピークが30〜70℃の範囲内に1つあり、かつ90〜150℃の範囲内にないことを特徴とする請求項1に記載の粘接着シート。
  4. 上記粘接着層が芯材を含み、上記粘接着剤が芯材へ含浸状態であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘接着シート。
  5. 上記粘接着層が、アクリル系樹脂とエポキシ系樹脂とが海島構造であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粘接着シート。
  6. 上記アクリル系樹脂がEA−BA−ANをもつモノマーをラジカル重合してなるアクリル酸エステル共重合体で、上記エポキシ系樹脂がNBR(ニトリルブタジエンゴム)変性エポキシ樹脂と、bis−A型エポキシ樹脂からなり、上記硬化剤がジシアンジアミド系の化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粘接着シート。
  7. 上記芯材が織布又は不織布であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の粘接着シート。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の粘接着シートの第1離型紙及び第2離型紙を剥離し除去して露出した上記粘接着層を、2つの同じ又は異なる第1被着体及び第2被着体で挟み、粘接着層の粘着性で保持し、加圧加熱することで粘接着層を硬化させて、第1被着体及び第2被着体を接着させることができることを特徴とする粘接着シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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TWI756770B (zh) * 2019-08-07 2022-03-01 美商3M創新有限公司 可uv固化的膠粘劑組合物及包含該組合物的膠膜、膠帶和粘接構件
KR20230030342A (ko) * 2021-08-25 2023-03-06 존스미디어 주식회사 기능성 탄소섬유 복합소재

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