JP2002127292A - 再剥離可能な積層体およびその再剥離方法 - Google Patents

再剥離可能な積層体およびその再剥離方法

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JP2002127292A JP2000323254A JP2000323254A JP2002127292A JP 2002127292 A JP2002127292 A JP 2002127292A JP 2000323254 A JP2000323254 A JP 2000323254A JP 2000323254 A JP2000323254 A JP 2000323254A JP 2002127292 A JP2002127292 A JP 2002127292A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質ボードにプラスチックシートを接着し
たプラスチックオーバーレイ化粧板を材破することなく
再剥離して材料のリサイクルを図る。 【解決手段】 プラスチックシートと多孔質ボードを
(A)エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンお
よび(B)熱膨張性微粒中空体からなる水性接着剤を用
いた接着剤により接着したプラスチックオーバーレイ化
粧板に、加熱雰囲気下で遠赤外線あるいは紫外線を照射
することにより、短い時間で、かつ、材破を生じること
なく自然剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面材と基材を接
着してなる再剥離可能な積層体、例えばプラスチックシ
ートと多孔質ボードを接着してなる再剥離可能プラスチ
ックオーバーレイ化粧板、および、該積層体の再剥離に
よるリサイクルに関する。特にプラスチックシートと多
孔質ボードの接着によるプラスチックオーバーレイ化粧
板において、接着不良による再剥離作業や将来のリサイ
クルのための再剥離作業を容易とする水性接着剤組成物
を用いてオーバーレイしたプラスチックオーバーレイ化
粧板の再剥離方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から表面材と基材を接着してなる積層
体、とりわけ塩ビ合板を代表とするプラスチックオーバ
ーレイ化粧板は、オフィス、マンション、住宅などの建
材、住宅機器あるいは車両などの分野で広く用いられて
いる。これらは木目調の印刷を施したポリ塩化ビニル、
ポリエステル、ポリオレフィンを素材とした化粧シート
と木質ボードすなわち多孔質ボードを水性接着剤で貼り
合わせてオーバーレイ加工した化粧板自体、あるいはそ
れらを組立加工したものからなっている。
【0003】ところで、オフィス、マンション、住宅な
どの建材、住宅機器、車両などはリフォームや解体作業
を行う場合、これらは多大な産業廃棄物として環境に放
出されることとなり、従来から深刻な社会問題の一因と
なっている。とりわけプラスチックオーバーレイ化粧板
からプラスチックシートを再剥離することなく一括処理
する場合は、リサイクルすることも適わず、一層の環境
破壊となる恐れがある。
【0004】予めリサイクルを考えて再剥離しやすいよ
うに、木材同士の接着で使用される例えば特開昭56−
61468号公報に示される接着剤であるアクリル系粘
着剤のような、弱接着材料を用いて、プラスチックシー
トを木質ボードに貼り合わせたプラスチックオーバーレ
イ化粧板では、建材や住宅機器などとしての日常の使用
時に、オーバーレイしたプラスチックシートの剥がれや
浮きを生じ易く、耐久性を要求される住宅、車両などの
材料に使用するには根本的に問題であった。すなわち、
接着製品であるプラスチックオーバーレイ化粧板は使用
時においては安心して使用できる基本性能を有しなけれ
ばならず、不要時にはできるだけ簡単に材料の破壊を伴
わずに再剥離できるものでなければならない。そして材
料の破壊を伴わずに簡単に再剥離できるならば、資源と
してリサイクルして再利用できる利点を生ずる。
【0005】しかし、残念ながら必要時にその要求され
る品質および性能を与え、不要時に極めて簡単に再剥離
できてリサイクルを容易とするような都合の良い技術
は、いまだに見当たらないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、積層
体、特にプラスチックオーバーレイ化粧板などの一旦接
着させた接着製品において、将来の再剥離などのリサイ
クル技術まで踏み込んで考慮した積層体、特にプラスチ
ックオーバーレイ化粧板を開発し、将来簡単に再剥離で
きる剥離方法を提供することである。
【0007】ところで基材にオーバーレイするプラスチ
ックシートとしての塩ビシートは環境上から使用が控え
られる。そこで、プラスチックシートと多孔質ボードの
接着においては、ポリエステル、ポリオレフィンなど難
接着材料を含む塩ビ以外のプラスチックシートにおいて
は、良好な接着性を与えるものでなければならない。そ
して、これらからなるプラスチックオーバーレイ化粧板
は建材、住宅機器などに用いられることから、耐水性、
耐熱性、耐熱クリープ性、JAS2類浸漬剥離試験など
業界の品質要求試験に合格する性能水準を発現しなけれ
ばならない。またさらに表面材と基材を接着する接着剤
はハウスシック症候群を回避するためにも水性接着剤で
あることが要求されるが、これら水性接着剤は接着性を
発揮するため被接着材を通して水分が抜けることが要求
される。さらにこれらの積層体、特にプラスチックオー
バーレイ化粧板は、接着製品として実際に使用されてい
るときには十分な接着状態、接着性能を持続しているこ
とが必要で、リサイクルするときにはプラスチックシー
トのみを手で容易に剥離できる程度の自然剥離性を具備
しているものでなければならない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、接着剤の
開発と再剥離手段の開発を志した。まず接着剤におい
て、熱膨張性微粒中空体すなわち熱膨張性マイクロカプ
セルをエマルジョン系接着剤に配合する研究を開始し
た。これら熱膨張性微粒中空体は加熱発泡性を利用した
工業材料に広く使用されている。
【0009】例えば、包装ラベル等で、アクリル系粘着
剤のような感圧型接着剤に、熱膨張性微粒中空体等の発
泡材料を配合し、再剥離機能を与える試みが古くからあ
るが、感圧型接着剤に熱膨張性微粒中空体を配合し、プ
ラスチックオーバーレイ化粧板を製造すれば、耐熱性、
耐熱クリープ性に欠けるため、使用段階で浮き、剥がれ
を生じるため、極めて低品質のプラスチックオーバーレ
イ化粧板しか得られない。従って、耐水性、耐熱性、耐
熱クリープ性、耐温水性など業界の品質要求試験に到底
適うものではない。耐久性を重視するため、熱硬化性樹
脂等のリジッドな接着剤に、熱膨張性微粒中空体を配合
すれば、熱膨張性微粒中空体自体の熱膨張性が阻害され
て再剥離性を与えることが困難になる。もっとも熱硬化
性樹脂等のリジッドな接着剤は、プラスチックシート材
料であるポリエステル、ポリオレフィンシートなど難接
着材料への根本的に接着性が乏しいことも接着剤を選定
する上での障害となる。
【0010】さらに、熱膨張性微粒中空体を水性接着剤
に配合した場合、熱膨張性微粒中空体の吸水性に基づ
き、本来その接着剤が有していた接着性、耐水性耐熱ク
リープ性が低下傾向にあるため、この難点をカバーする
接着剤を選定しなければならない。従って熱膨張性微粒
中空体を配合した接着剤が、熱膨張性微粒中空体の膨張
に追従する特性、プラスチックシート材料に優れた接着
性、プラスチックオーバーレイ化粧板としての耐水性、
耐熱性、耐熱クリープ性、耐温水性など業界の品質要求
試験に合格する性能水準を発現する接着剤を開発するこ
とに鋭意研究を重ねた。
【0011】本研究で、特に留意したのはリサイクル時
の再剥離の容易性である。ポリエステル、ポリオレフィ
ンシートなど難接着材料への優れた接着性を与え、積層
体、特にプラスチックオーバーレイ化粧板として、耐水
性、耐熱性、耐熱クリープ性、耐温水性などの性能水準
を維持することを前提に、リサイクルするときには表面
材と基材、特にプラスチックシートと多孔質ボードが自
然剥離した状態にあるか、表面材あるいはプラスチック
シートのみを手で容易に剥離できる程度の剥離容易性を
具備している接着剤の発見が、第一の目標であった。
【0012】その結果、熱膨張性微粒中空体を配合した
場合でも、積層体、特にプラスチックオーバーレイ化粧
板として優れた接着性能、耐水性、耐熱性、耐熱クリー
プ性、耐温水性を与え、熱膨張性微粒中空体の膨張力を
最大限に利用できる特性を備えた接着剤を開発した。こ
れを用いた積層体すなわちプラスチックオーバーレイ化
粧板を再剥離するに際し、150℃程度の加熱炉で20
分〜60分程度放置後に取り出し、手で簡単に再剥離で
きるところまで来た。
【0013】このレベルの再剥離を具備すれば、実用性
はある。しかし、加熱時間の短縮、熱い内に行う再剥離
作業への障害(作業者が火傷等の危険があることな
ど)、安全のため手で触れる程度まで放置すれば、熱膨
張性微粒中空体が萎んで再び接着してしまう傾向がある
こと、高温に長時間放置するため、プラスチックオーバ
ーレイ化粧板が変形、変質してしまう場合があることに
気づき、本発明をさらに有用にするための技術手段を、
第二の目標として研究した。
【0014】その結果、エネルギー照射装置を備えた加
熱炉を用いて再剥離する接着剥離方法を用いることに想
到した。最初に、加熱炉における紫外線照射を行ったと
ころ、かなり短時間に再剥離できるところまで来た。し
かし、紫外線は人体に有害につき、大掛かりな装置的な
工夫が必要であった。次いで赤外線に着目し、実験を行
ったところ、単なる赤外線よりも遠赤外線照射がさらに
有効であることを発見した。特にある波長領域が極めて
有効なことにも気がついた。それでも自然剥離までには
至らなかったため、多数の接着剤で積層体、特にプラス
チックオーバーレイ化粧板を試作し、実験したところ、
なんと数分程度の遠赤外照射で見事に自然剥離する積層
体特にプラスチックオーバーレイ化粧板を発見し、第一
目標、第二目標の総てが解決することで、本発明を完成
させた。
【0015】以下に上記の課題を解決するための本発明
の手段について説明する。請求項1の発明では、表面材
または基材の少なくとも一方が多孔質体からなるこれら
表面材および基材を接着剤により接着した積層体におい
て、接着剤として(A)エチレン−酢酸ビニル系共重合
体エマルジョンおよび(B)熱膨張性微粒中空体からな
る水性接着剤が用いられていることを特徴とする再剥離
可能な積層体である。
【0016】本発明において使用する接着剤は水性接着
剤であるので、水性接着剤の水分を接着時に表面材ある
いは基材のいずれかから抜け出させる必要がある。そこ
で、表面材あるいは基材の少なくともいずれか一方を多
孔質とする。
【0017】請求項2の発明では、積層体は、表面材が
プラスチックシートで基材が多孔質ボードからなるプラ
スチックオーバーレイ化粧板であることを特徴とする請
求項1記載の再剥離可能な積層体である。
【0018】この水性接着剤を用いた積層体であるプラ
スチックオーバーレイ化粧板は基本的な接着性と再剥離
機能を有する。
【0019】請求項3の発明では、水性接着剤における
(A)エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン
は、トルエン不溶分が70質量%以上であることを特徴
とする請求項1または2の手段における再剥離可能な積
層体である。
【0020】この手段における接着剤は、プラスチック
シートに基本的な接着性を備え、熱膨張性微粒中空体の
熱膨張追従性が良好であるため、この接着剤を使用して
得られた積層体のうち、特にプラスチックオーバーレイ
化粧板は、使用時に接着性能を維持し、熱膨張性微粒中
空体の膨張力を有効に利用できる。リサイクルするとき
には、プラスチックシートのみを手で容易に剥離できる
程度の剥離容易性を与えることができる。
【0021】請求項4の発明では、水性接着剤は、
(C)アニオン性ウレタンエマルジョンを配合している
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段に
おける再剥離可能な積層体である。
【0022】請求項5の発明では、アニオン性ウレタン
エマルジョンは、スルホン酸変性したアニオン性ウレタ
ンエマルジョンであることを特徴とする請求項4の手段
における再剥離可能な積層体である。
【0023】この請求項4または5の手段における接着
剤、特に請求項5の手段における接着剤は、プラスチッ
クシートに優れた接着性、耐水性、耐熱性、耐熱クリー
プ性、耐温水性を備え、熱膨張性微粒中空体の熱膨張追
従性が良好であるため、この接着剤を使用して得られた
積層体のうち、特にプラスチックオーバーレイ化粧板
は、使用時に高度な接着性能を維持し、熱膨張性微粒中
空体の膨張力を有効に利用できる。リサイクルするとき
には、プラスチックシートのみを手で容易に剥離できる
程度あるいは自然剥離に至る程度の剥離容易性を与える
ことができる。
【0024】請求項6の発明では、水性接着剤は、
(A)成分のポリマー固形分100質量部または(A)
成分と(C)成分のポリマー固形分総量100質量部に
対して、熱膨張性微粒中空体2〜100質量部を配合し
てなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項の
手段における再剥離可能な積層体である。水性接着剤
は、この配合範囲にあれば熱膨張性微粒中空体による接
着性、耐水性の低下を最小限に押さえることができる接
着剤となるので、この接着剤を使用して得られた積層
体、特にプラスチックオーバーレイ化粧板は、接着性、
耐水性の低下が比較的少なく、かつ、膨張による効果を
有効に発揮できる配合領域である。
【0025】請求項7の発明では、(B)熱膨張性微粒
中空体は、発泡倍率が20〜100倍であり、発泡開始
温度が90〜150℃であることを特徴とする請求項1
〜6のいずれか1項の手段における再剥離可能な積層体
である。この手段における熱膨張性微粒中空体の特性
は、この熱膨張性微粒中空体を配合した接着剤を用いた
積層体、特にプラスチックオーバーレイ化粧板が通常使
用される用途にて熱膨張性微粒中空体が自然発泡を生じ
て、表面材であるプラスチックシートが剥離することな
く、長期間接着性能を維持するために好ましい範囲であ
る。
【0026】ところで、リサイクルのため再剥離したと
きにリサイクルする側の材料面に接着剤を残したくない
ときには、その相手側材面を凹凸面とすることにより全
体の接着表面積を大にして全体の接着力を高めること
で、再剥離したときにその凹凸面側に接着剤を残すよう
にするとよい。
【0027】請求項8の発明では、請求項1〜7のいず
れか1項の手段における再剥離可能な積層体、特にプラ
スチックオーバーレイ化粧板に対し、加熱炉内で遠赤外
線照射を行うことを特徴とする積層体、特にプラスチッ
クオーバーレイ化粧板の再剥離方法である。この遠赤外
線照射装置を備えた加熱炉を用いる場合、積層体の表面
層を上にして、すなわちプラスチックオーバーレイ化粧
板のプラスチックシートを上にして、上部から遠赤外線
照射して再剥離を行う。これにより再剥離できるまでの
時間を大幅に短縮することができる。この中でも遠赤外
線照射は、紫外線照射より効率がよく、かつ、安全な手
段である。遠赤外線照射を行えば、加熱炉のみを用いた
場合に比較して、再剥離可能な状態に至る時間を大幅に
短縮できる。
【0028】請求項9の発明では、遠赤外線照射は、波
長が5〜30μの遠赤外線を照射することを特徴とする
請求項7の手段における積層体、特にプラスチックオー
バーレイ化粧板の再剥離方法である。加熱炉内におい
て、この遠赤外線の波長領域を上記に設定して照射すれ
ば、再剥離可能な状態に至る時間を大幅に短縮できる。
【0029】請求項10の発明では、加熱炉内は、雰囲
気を150℃以上に調整し、遠赤外線照射を2分間以上
継続することにより、積層体から表面材を自然剥離させ
る、特にプラスチックシートを多孔質ボードから自然剥
離させることを特徴とする請求項8または9の手段にお
ける積層体、特にプラスチックオーバーレイ化粧板の再
剥離方法である。
【0030】この加熱炉の雰囲気を150℃以上に調整
して遠赤外線照射を2分間以上保持することにより表面
材であるプラスチックシートを基材である多孔質ボード
から自然剥離できるため、生産工程で発生する接着不良
等による再剥離作業が極めて容易に実施でき、使用が終
わった積層体、特にプラスチックオーバーレイ化粧板の
リサイクルが非常に容易となる。
【0031】請求項11の発明では、請求項1〜7のい
ずれか1項の手段における再剥離可能な積層体、特にプ
ラスチックオーバーレイ化粧板に対し、加熱炉内で紫外
線照射を行うことを特徴とする積層体、特にプラスチッ
クオーバーレイ化粧板の再剥離方法である。
【0032】この紫外線照射装置を備えた加熱炉を用い
る場合、積層材の表面材を上にして、すなわち、プラス
チックオーバーレイ化粧板のプラスチックシートを上に
して、上部から紫外線照射して再剥離を行う。これによ
り再剥離できるまでの時間を大幅に短縮することができ
る。紫外線照射を行えば、加熱炉のみを用いた場合に比
較して、再剥離可能な状態に至る時間を短縮できる。
【0033】上記において、請求項5の手段のスルホン
酸変性したアニオン性ウレタンエマルジョンを配合した
特定の接着剤を用いたプラスチックオーバーレイ化粧板
は、本発明の再剥離方法に最も適合する特性を持つた
め、本発明の再剥離方法による効果が最大限に発揮でき
る。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、積層体と
してベスト例としてプラスチックオーバーレイ化粧板に
より説明する。従って、接着剤においてもプラスチック
オーバーレイ化粧板に用いられる接着剤について説明す
る。本発明のプラスチックオーバーレイ化粧板を得るた
めのもっとも効果的な水性接着剤は(A)エチレン−酢
酸ビニル系共重合体エマルジョンのトルエン不溶分が7
0質量%以上であり、(C)スルホン酸変性したアニオ
ン性ウレタンエマルジョンであることを特徴とし、
(B)熱膨張性微粒中空体を配合することである。従っ
て、接着剤には、これを用いて説明する。先ず本発明で
はエチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョン(以
下、「EVAEm」と表記する。)を用いるので、EV
AEmとその好ましい範囲を最初に説明する。EVAE
mとは、エチレンモノマーと酢酸ビニルモノマーを共重
合したポリマーエマルジョンである。共重合比はエチレ
ン/酢酸ビニルが5〜35/95〜65(質量比)で、プ
ラスチックへの接着性、耐水性、耐熱性、耐熱クリープ
性、耐温水性、熱膨張性微粒中空体の熱膨張追従性のバ
ランスを考慮した場合、エチレン/酢酸ビニルが10〜
30/90〜70(質量比)が好ましい。EVAEmは
ポリビニルアルコール、ヒドキシエチルセルロース等の
水溶性高分子、界面活性剤の一種以上を用いて高圧乳化
重合することで得られる。本発明においては、生産ライ
ン適性、熱膨張性微粒中空体の混合容易性から、ポリビ
ニルアルコールを含有するものが好ましい。本発明でも
っとも好ましいEVAEmはポリビニルアルコールを2
〜6質量%含有し、エチレン/酢酸ビニルが15〜30/
85〜70(質量比)にあるものである。EVAEmは
市販されているため、これを求めてもよいが、本発明の
効果を高めるためには、トルエン不溶分が70質量%以
上のものが好ましい。
【0035】本発明プラスチックオーバーレイ化粧板を
得る上で、好ましいトルエン不溶分が70質量%以上の
EVAEmは、特開平9−194811号公報に示され
る製造方法を用いて製造することができる。
【0036】このトルエン不溶分は、共重合体の皮膜
2.0gを200mlのトルエンを用いて60℃で24
時間抽出した後に、回収される不溶分の質量を測定し、
下式により求める。
【0037】
【数1】トルエン不溶分(質量%)=〔残差質量(g)
/皮膜質量(g)〕×100
【0038】トルエン不溶分が70質量%以上のEVA
Emは、エチレンモノマー、酢酸ビニルモノマーに対し
て多官能性モノマーを併用することで得ることができ
る。多官能性モノマーとは、共重合体の構成成分として
2個以上のエチレン性二重結合を供給しうるモノマー
で、具体例として、トリアリルシアヌレート、トリアリ
ルイソシアヌレート、ジアリルフタレートなどが挙げら
れる。
【0039】上記のトルエン不溶分が70質量%以上の
ポリビニルアルコール含有エチレン−酢酸ビニル−多官
能性モノマー系共重合体のエチレン/酢酸ビニルの質量
比は5〜30/95〜70であるが、接着剤の造膜性、
皮膜の柔軟性、接着物の耐熱性等の点から10〜30/
90〜70であるのが好ましく、多官能性モノマー/酢
酸ビニルの質量比は0.05〜0.4/100で、より
好ましくは0.1〜0.2/100である。ポリビニル
アルコールの含有量は、全ポリマーあたり1〜10質量
%、好ましくは3〜8質量%の範囲で選択すれば水性ポ
リウレタンとの相互作用により、各種プラスチックへの
接着性がよくなる。また、トルエン不溶分の存在は、優
れた耐熱クリープ性と再剥離性を与える要因となる。ト
ルエン不溶分が70質量%未満では、良好な耐熱クリー
プ性と再剥離性は得られない。好ましいトルエン不溶分
は、85〜100質量%である。
【0040】トルエン不溶分が70質量%以上のポリビ
ニルアルコールの含有エチレン−酢酸ビニル−多官能性
モノマー系共重合体エマルジョンの固形分濃度は40〜
70質量%であるが、作業性、機械的安定性、初期接着
性などの点から45〜65%質量%であるのが好まし
い。
【0041】上記トルエン不溶分が70質量%以上のポ
リビニルアルコール含有エチレン−酢酸ビニル−多官能
性モノマー系共重合体エマルジョンには、必要に応じ
て、他のモノマーが共重合されてもよい。上記の他のモ
ノマーとしては、例えば、アクリル酸;アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル
などのアクリル酸エステル;メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸エチルなどのメタクリル酸エステル;(メタ)
アクリル酸以外のカルボキシル基含有モノマーの他、ス
ルホン酸、水酸基、エポキシ基、メチロール基、アミノ
基、アミド基などの官能基を含有する各種モノマーが使
用可能である。
【0042】トルエン不溶分が70質量%以上のEVA
Emに対して配合するスルホン酸変性したアニオン性ポ
リウレタンエマルジョンとはウレタンポリマー分子内に
スルホネート基を有し、通常はスルホネート塩となって
乳化安定しているエマルジョンをいう。
【0043】また、上記スルホン酸変性したアニオン性
ポリウレタンエマルジョンの固形分濃度としては、20
〜60質量%であるが、作業性、機械的安定性などの点
から35〜55質量%であるのが好ましい。
【0044】上記スルホン酸変性したアニオン性ポリウ
レタンエマルジョンは、プラスチックシートとの接着
性、特に耐熱クリープ特性を発現させるために使用され
る成分である。さらに、このポリウレタンエマルジョン
と上記トルエン不溶分が70質量%以上のポリビニルア
ルコール含有エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー
系共重合体エマルジョンを組み合わせた場合、熱膨張性
微粒中空体を配合することにより生じる弊害である耐水
性の低下を抑制することが可能である。
【0045】上記スルホン酸変性したアニオン性ポリウ
レタンエマルジョンの好ましい具体例としては、例えば
三洋化成(株)製のユープレンUXA−3005、UX
−306、大日本インキ化学工業(株)製のECOS−
1000S、ECOS−1000H、第一工業製薬
(株)製のスーパーフレックス410、700、750
などが挙げられる。
【0046】本発明の水性接着剤において(A)トルエ
ン不溶分が70質量%以上のポリビニルアルコール含有
エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重合体エ
マルジョン、(C)スルホン酸変性したアニオン性ポリ
ウレタンエマルジョンの関係についていえば、(A)成
分100質量部(固形分)に対して(C)成分2〜50
質量部、特に3〜40質量部(固形分)、(C)成分が
少なすぎると耐熱クリープ特性が著しく低下し、多すぎ
ると常態接着強さの低下、接着剤使用時の作業性不良、
コスト高となる傾向が生じる。
【0047】本発明の熱膨張性微粒中空体とは、加熱す
ることによりプラスチックシートのみを再剥離するため
に配合する成分で、発泡倍率が20〜100倍であり、
発泡開始温度は90〜150℃のものである。このよう
な熱膨張性微粒中空体は液体ガスを内包したポリマー殻
で生成した平均粒子径が3〜30μのプラスチック球体
からなる微粒中空体で、加熱されることにより、殻の内
部のガス圧が増し、熱可塑性プラスチックの殻が軟化す
ることで、体積が劇的に増加し、中空球状粒子になるも
のである。発泡倍率が20倍未満である熱膨張性微粒中
空体においては、再剥離性能が低下傾向を示し、発泡倍
率が100倍を超える熱膨張性微粒中空体においては、
発泡開始温度が150℃を超える傾向があるため、加熱
温度を高く、かつ、時間を長く設定する必要がある。
【0048】熱膨張性微粒中空体の平均粒子径は非常に
重要で、3μ未満の場合、再剥離性の低下傾向および混
合時の分散性の低下傾向を招くことがある。30μを超
える場合、混合時の粗粒子を生じる傾向が高まる。特に
平均粒子径が9〜17μの範囲の熱膨張性微粒中空体を
選択すれば、本発明を最も効果的に実施できる。プラス
チック球体は塩素化合物を含まないアクリル系ポリマー
がダイオキシンを発生せず、エチレン−酢酸ビニル系共
重合体エマルジョンとの相溶性、膨張力を最大に発揮で
きることから好ましい。これら熱膨張性微粒中空体は市
販品を使用でき、その市販品としては、例えば、EXP
ANCEL053DU(Expancel社製、発泡倍
率35倍、発泡開始温度101℃)がある。
【0049】本発明のプラスチックオーバーレイ化粧板
に使用の接着剤における熱膨張性微粒中空体の配合割合
は、(A)EVAEm、(B)熱膨張性微粒中空体、お
よび(C)ウレタンエマルジョンを配合する場合には、
(A)EVAEmのポリマー固形分100質量部に対し
て、または(A)EVAEmと(C)ウレタンエマルジ
ョンのポリマー固形分総量100質量部に対して、熱膨
張性微粒中空体2〜100質量部を配合する。熱膨張性
微粒中空体による接着性、耐水性、熱膨張性微粒中空体
に対する膨張追従性を考慮すれば5〜75質量部である
ことが好ましい。(B)成分が少なすぎると再剥離性が
難しくなり、多すぎると常態接着強さの低下、耐水性の
低下、接着剤への混合性、接着剤使用時の作業性不良、
コスト高となる傾向が生じる。
【0050】本発明の実施に当たっては、標準的には水
性加工釜を用いて、トルエン不溶分が70質量%以上の
ポリビニルアルコール含有エチレン−酢酸ビニル−多官
能性モノマー系共重合体エマルジョン、スルホン酸変性
したアニオン性ポリウレタンエマルジョンならびに熱膨
張性微粒中空体を混合加工する。この場合、増粘剤、p
H調整剤、充填剤、トルエン、キシレンなどの有機溶
剤、可塑剤、消泡剤、防黴剤を配合することができる。
【0051】本発明のプラスチックシートとはコロナ放
電ポリプロピレンシートなどのポリオレフィン系シー
ト、ポリエステルフィルム、アクリル系フィルム、メラ
ミン樹脂板を代表とする表面に化粧が施された、また
は、無地のプラスチックシートである。
【0052】本発明の多孔質ボードとは、多孔質ボード
は、MDF、パーチクルボード、合板などの木質ボード
類、石膏ボード、フレキシブルボード、ALC版、ケイ
酸カルシウム板などの無機質ボードがある。その他、発
泡ウレタンボード、FRP板などのプラスチックボード
がある。
【0053】プラスチックオーバーレイ化粧板の用途
は、システムキッチンの扉や箱、内装ドアの扉や枠、ク
ローゼットの扉や枠、げた箱の扉や枠、ドレッシングや
洗面化粧台の扉や枠、ドアのような住宅部材、額縁、幅
木、飾り縁のような造作材がある。
【0054】本発明のプラスチックオーバーレイ化粧板
は、業界で慣用的に行われている連続ラミネーターマシ
ンにて使用され、通常ロールスプレッダーにて、本発明
における積層体の接着に用いる熱膨張性微粒中空体を配
合した接着剤(以下、「発泡性接着剤」という。)を、
合板、MDFなどの基材側すなわち多孔質ボード側に塗
布し、表面材であるプラスチックシートを貼り合わすこ
とができる。
【0055】この場合、各種連続ラミネーターマシンの
方式に従い、表面材であるプラスチックシートに塗布し
てラミネートしてもよく、表面材のプラスチックシー
ト、基材の多孔質ボードの両方に塗布してもよい。
【0056】本発明のプラスチックオーバーレイ化粧板
の再剥離方法として、リサイクルを目的として再剥離す
る際には、接着パネルを150℃以上の雰囲気下に20
分〜1時間程度放置し、直ちに手などで強制剥離するこ
とによりプラスチックシートと、MDFなどの多孔質ボ
ードとを分別して再剥離することができる。なお、12
0℃に長時間(約1時間以上)放置した場合は、同様の
効果が認められる。しかし、このような加熱炉を用いた
だけでは、加熱に長時間がかかること。熱い内に行う再
剥離作業は、作業者が火傷する等の危険があること、手
で触れる程度まで放置すれば、熱膨張性微粒中空体が萎
んで再接着してしまうこと、プラスチックオーバーレイ
化粧板によっては変形、変質するなどの恐れがある。
【0057】本発明のプラスチックオーバーレイ化粧板
を短時間で再剥離を可能とする方法が、加熱炉を用いて
遠赤外線照射を行う方法である。ここでは、遠赤外線ミ
ニジェットMJS−200((株)ジャード製)内を通
過させる方法で説明する。先ず加熱炉を150℃で通過
時間を2分に設定して昇温確認後、接着パネルをコンベ
アの上に載せ、通過させる。遠赤外線照射(波長5〜3
0μ)は、接着パネルのプラスチックシート上に照射さ
れ、加熱炉から出てきたプラスチックオーバーレイ化粧
板は、プラスチックシートと多孔質ボードに自然剥離す
ることで見事に分別できる。
【0058】同様に、紫外線を用いた場合を説明する。
紫外線硬化装置パナキュアーNUX7328F−467
(松下電工(株)製)を用いて加熱炉を150℃に設定
し、通過時間を10分程度で、プラスチックシートと多
孔質ボードに自然剥離した。
【0059】参考のため、同じプラスチックオーバーレ
イ化粧板を150℃に設定した熱風循環器で行ったとこ
ろ、20分で自然剥離には至らないが、手などで簡単に
剥離することができる水準であった。
【0060】
【実施例】以下に実施例を記載し、本発明を詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
【0061】EVA(1)の製造 トルエン不溶分が70質量%以上のポリビニルアルコー
ル含有エチレン−酢酸ビニル−多官能性モノマー系共重
合体エマルジョンは、エチレン/酢酸ビニルの質量比が
17/83、多官能性モノマーとしてトリアリルイソシ
アヌレートを用いて、その多官能性ポリマー/酢酸ビニ
ルの質量比が0.1/100となるように選択して共重
合したものであって、ポリビニルアルコールの含有量が
全ポリマーの5質量%となるようにして、加圧重合装置
にポリビニルアルコール水溶液を仕込み、設計値に見合
うエチレンガスを封入した後に、酢酸ビニルと多官能性
モノマーの混合溶液を滴下し、加圧下で50〜70℃に
て乳化重合することにより得られた。このポリマーのト
ルエン不溶分は92.5質量%で、その性状は、粘度2
000mPa・s/25℃、固形分55.3質量%、p
H4.6であった。この樹脂エマルジョンをEVA
(1)とする。
【0062】EVA(2)の製造 多官能性モノマー/酢酸ビニルの質量比を0.07/1
00にした以外は、EVA(1)と同様な方法で樹脂エ
マルジョンを得た。このポリマーのトルエン不溶分は7
5.5質量%で、その性状は、粘度200mPa・s/
25℃、固形分55.0質量%、pH4.5であった。
この樹脂エマルジョンをEVA(2)とする。
【0063】EVA(3)の製造 多官能性モノマー/酢酸ビニルの質量比を0.01/1
00にした以外は、EVA(1)と同様な方法で樹脂エ
マルジョンを得た。このポリマーのトルエン不溶分は6
5.3質量%で、その性状は、粘度1800mPa・s
/25℃、固形分55.4質量%、pH4.6であっ
た。この樹脂エマルジョンをEVA(3)とする。
【0064】(実施例1における接着剤) (A)エチレン−酢酸ビニル系共重合体エマルジョンと
してスミカフレックス467(住友化学工業(株)製、
固形分濃度65質量%、pH5、トルエン不溶分29質
量%、以下「SF467」と記載する。)100質量部
(固形分)に対して、(B)熱膨張性微粒中空体として
EXPANCEL053DU(発泡倍率35倍、発泡開
始温度101℃)の30質量部を加えて十分に混合し、
水性接着剤組成物を得た。
【0065】(実施例2〜5、比較例1〜3における接
着剤)表1に示す配合量のSF467、EVA(1)、
EVA(2)、EVA(3)[以上、成分(A)]、熱
膨張性微粒中空体[以上、成分(B)]、スルホン酸変
性した、すなわちスルホン酸基を有しポリエステル骨格
を持つ芳香族アニオン性ウレタンエマルジョン(以下、
「S含有PU」と記載する。)(固形分濃度45質量
%、pH8)[以上、成分(C)]を使用した以外は、
実施例1と同様に水性接着剤組成物を得た。
【0066】(実施例1〜5、比較例1〜3におけるプ
ラスチックオーバーレイ化粧板サンプルの作製)得られ
た水性接着剤組成物を、3.0mm厚のJAS1類ラワ
ン合板にゴムロールを用いて、110g/m2の塗布量
となるよう均一に塗布し、この水性接着剤組成物塗布面
に0.08mm厚のポリエチレンテレフタレート製化粧
シートを貼り合わせた後、22℃雰囲気下で0.2MP
aの圧力で1時間圧締した。解圧後、同温度にて5日間
放置養生して、プラスチックオーバーレイ化粧板サンプ
ルを作製した。
【0067】上記で得られた水性接着剤組成物を使用し
て得られたプラスチックオーバーレイ化粧板について、
下記の性能評価を行い、その結果を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】このように実施例1においては、耐熱クリ
ープ性、耐温水性は実用性の最下限であるが耐久性を高
度に必要としない一般内装建材用途として実用性を備
え、150℃以上の熱風循環器中では自然剥離が発生せ
ず、直ちに手で剥離することでプラスチックシートのみ
を剥離できる程度であることに対し、150℃以上の雰
囲気下において2分間遠赤外線を照射する、もしくは、
10分間紫外線を照射することにより、直ちに手で剥離
することで容易にプラスチックシートのみが剥離できる
ことのみならず、放冷後も容易にプラスチックシートが
剥離できることを確認した。実施例2〜3においては、
150℃以上の雰囲気下において遠赤外線もしくは紫外
線を照射することでプラスチックシートが自然剥離する
ことを認めた。実施例4〜5においては、窓枠部材など
の高度な耐熱性能が要求される用途にも十分使用できる
性能を具備し、さらに、150℃以上の雰囲気下におい
て遠赤外線もしくは紫外線を照射することで自然剥離す
ることが認められた。さらに、実施例4〜5において、
120℃雰囲気下にて遠赤外線に10分間照射させるこ
とで、照射後、直ちに剥離すると手で容易にプラスチッ
クシートのみを剥離することができ、放冷後もプラスチ
ックシートのみを剥離できる、すなわち、表1における
「○」の評価に至ることが確認できた。比較例1のよう
にポリビニルアルコール含有エチレン−酢酸ビニル−多
官能性モノマー系共重合体エマルジョンのトルエン不溶
分が65.3質量%の場合、上記条件にて遠赤外線もし
くは紫外線を照射することにより自然剥離が発生せず、
照射後、直ちに手で剥離してもプラスチックシート側に
も接着剤皮膜が付着した、すなわち、凝集破壊状態で剥
離するため、剥離したプラスチックシートを容易にリサ
イクルに供することが困難である。比較例2〜3のよう
に熱膨張性微粒中空体を配合しない場合においては、上
記条件にて遠赤外線もしくは紫外線を照射しても合板の
材料破壊にて剥離することを確認した。
【0070】(JAS2類浸漬剥離試験)得られた化粧
板サンプルを75mm角に切断し、70℃温水中に2時
間浸漬後、60℃恒温器にて3時間乾燥したときのプラ
スチックシートの剥離長さを測定した。
【0071】なお、評価は、○:剥離なし、△:1辺あ
たり25mm以内の剥離あり、×:1辺あたり25mm
を超える剥離あり、で示す。このとき、△以上がJAS
基準に適合する。
【0072】(耐熱クリープ試験)得られた化粧板サン
プルを25mm(幅)×200mm(長さ)に切断し、
ポリエチレンテレフタレート製化粧シート側を端から縦
方向に50mm剥離した後、水平に置き、剥離したポリ
エチレンテレフタレート製化粧シートを垂れ下がったま
まの状態で60℃または70℃恒温器中に1時間放置し
た後、剥離しているポリエチレンテレフタレート製化粧
シートの先端に500gの荷重にかけて1時間後の剥離
長さを測定した。この場合、剥離長さが短いほど耐熱ク
リープ特性が優れていることを示す。
【0073】(遠赤外線照射装置による再剥離試験)得
られた化粧板サンプルを150mm角に切断し、表1に
示す各温度に設定した遠赤外線ミニジェットMJS−2
00((株)ジャード製)内を2分間通過させ、各温度
で再剥離状態を評価した。
【0074】再剥離状態の評価は、次の基準に基づく。 ◎:プラスチックシートの自然剥離が発生し、放冷後も
容易にプラスチックシートのみを剥離できる ○:プラスチックシートの自然剥離が発生しないが、直
ちに剥離することで容易にプラスチックシートのみを剥
離でき、放冷後も容易にプラスチックシートのみを剥離
できる △:プラスチックシートの自然剥離が発生しないが、直
ちに剥離することで容易にプラスチックシートのみを剥
離できるが、放冷後に剥離すれば合板の材料破壊が発生
する ×:プラスチックシートの自然剥離が発生せず、直ちに
剥離するとプラスチックシート側に接着剤が付着した、
すなわち、凝集破壊状態で剥離する ××:プラスチックシートの自然剥離が発生せず、直ち
に剥離すると合板の材料破壊が発生する の5段階で評価を行い、このうち本発明の実用的な範囲
は○以上である。
【0075】(紫外線照射装置による再剥離試験)得ら
れた化粧板サンプルを150mm角に切断し、150℃
に調温した紫外線硬化装置パナキュアーNUX7328
F−467(松下電工(株)製)中を10分間通過させ
ることで、再剥離状態を評価した。
【0076】再剥離の評価は、次の基準に基づく。 ◎:プラスチックシートの自然剥離が発生し、放冷後も
容易にプラスチックシートのみを剥離できる ○:プラスチックシートの自然剥離が発生しないが、直
ちに剥離することで容易にプラスチックシートのみを剥
離でき、放冷後も容易にプラスチックシートのみを剥離
できる △:プラスチックシートの自然剥離が発生しないが、直
ちに剥離することで容易にプラスチックシートのみを剥
離できるが、放冷後に剥離すれば合板の材料破壊が発生
する ×:プラスチックシートの自然剥離が発生せず、直ちに
剥離するとプラスチックシート側に接着剤が付着した、
すなわち、凝集破壊状態で剥離する ××:プラスチックシートの自然剥離が発生せず、直ち
に剥離すると合板の材料破壊が発生する の5段階で評価を行い、このうち本発明の実用的な範囲
は○以上である。
【0077】(熱風循環器による再剥離試験)得られた
化粧板サンプルを150mm角に切断し、楠本化成
(株)製熱風循環器HISPEC HT210を150
℃に調温して、20分間および24時間放置後、再剥離
状態を評価した。いずれも評価は△で、遠赤外線あるい
は紫外線照射する方法の方が単なる加熱によるものより
も優れていることが判る。
【0078】再剥離状態の評価は、次の基準に基づく。 ◎:プラスチックシートの自然剥離が発生し、放冷後も
容易にプラスチックシートのみを剥離できる ○:プラスチックシートの自然剥離が発生しないが、直
に剥離することで容易にプラスチックシートのみを剥離
でき、放冷後も容易にプラスチックシートのみを剥離で
きる △:プラスチックシートの自然剥離が発生しないが、直
に剥離することで容易にプラスチックシートのみを剥離
できるが、放冷後に剥離すれば合板の材料破壊が発生す
る ×:化粧金属板の自然剥離が発生せず、直に剥離すると
化粧金属板側に接着剤が付着した、すなわち、凝集破壊
状態で剥離する ××:プラスチックシートの自然剥離が発生せず、直に
剥離すると合板の材料破壊が発生する の5段階で評価を行い、このうち本発明の実用的な範囲
は○以上である。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、表面材
または基材の少なくとも一方が多孔質体からなるこれら
表面材および基材を、すなわちプラスチックシートと多
孔質ボードを(A)エチレン−酢酸ビニル系共重合体エ
マルジョンおよび(B)熱膨張性微粒中空体からなる水
性接着剤を用いた接着剤により接着した積層体、すなわ
ちプラスチックオーバーレイ化粧板であるので、加熱雰
囲気下で遠赤外線あるいは紫外線を照射することによ
り、単に外部加熱による剥離に比して短い時間で、か
つ、材破を生じることなく自然剥離ができ、放冷後にお
いても容易に表面材であるプラスチックシートのみを再
剥離できるので、表面材であるプラスチックシートと基
材である多孔質ボードからなる積層体であるプラスチッ
クオーバーレイ化粧板のうち製造ミスした製品あるいは
これらのプラスチックオーバーレイ化粧板からなる使い
古した住宅器機や設備器機を環境を害することなく再剥
離して多孔質ボードとプラスチックシートに分離するこ
とで容易に資材をリサイクルして再利用することができ
るなど、従来にない優れた効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 27/28 101 B32B 27/28 101 C09J 11/00 C09J 11/00 123/08 123/08 131/04 131/04 175/04 175/04 (72)発明者 下間 澄也 大阪市鶴見区鶴見4丁目7番9号 コニシ 株式会社大阪研究所内 (72)発明者 松下 真一郎 大阪市中央区平野町2丁目1番2号沢の鶴 ビル5階 コニシ株式会社本社ボンド事業 本部内 (72)発明者 濱多 慶一 大阪市鶴見区鶴見4丁目7番9号 コニシ 株式会社大阪研究所内 Fターム(参考) 2B002 AA03 BA01 BA20 BB06 DA06 2B250 AA01 AA31 CA11 DA04 EA01 EA13 FA28 FA31 GA03 HA01 4F100 AK01A AK51G AK68G AL07G BA02 BA10A BA10B CA23 CB01 CB10 DE04G DJ01A DJ01B GB08 GB90 HB31 HB31A JA02G JB05G JL14 JL16 JM01G YY00G 4J040 DA051 DA052 DE031 DE032 EF001 EF002 EF351 EF352 FA062 GA25 JA03 JA10 JB09 KA02 KA05 KA16 KA37 LA06 MA01 MA10 MB01 MB03 MB05 PA42

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面材または基材の少なくとも一方が多
    孔質体からなるこれら表面材および基材を接着剤により
    接着した積層体において、接着剤として(A)エチレン
    −酢酸ビニル系共重合体エマルジョンおよび(B)熱膨
    張性微粒中空体からなる水性接着剤が用いられているこ
    とを特徴とする再剥離可能な積層体。
  2. 【請求項2】 積層体は、表面材がプラスチックシート
    で基材が多孔質ボードからなるプラスチックオーバーレ
    イ化粧板であることを特徴とする請求項1記載の再剥離
    可能な積層体。
  3. 【請求項3】 水性接着剤における(A)エチレン−酢
    酸ビニル系共重合体エマルジョンは、トルエン不溶分が
    70質量%以上であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の再剥離可能な積層体。
  4. 【請求項4】 水性接着剤は、(C)アニオン性ウレタ
    ンエマルジョンを配合していることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の再剥離可能な積層体。
  5. 【請求項5】 (C)アニオン性ウレタンエマルジョン
    は、スルホン酸変性したアニオン性ウレタンエマルジョ
    ンであることを特徴とする請求項4に記載の再剥離可能
    な積層体。
  6. 【請求項6】 水性接着剤は、(A)成分のポリマー固
    形分100質量部または(A)成分と(C)成分のポリ
    マー固形分総量100質量部に対して、熱膨張性微粒中
    空体2〜100質量部を配合してなることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の再剥離可能な積層
    体。
  7. 【請求項7】 (B)熱膨張性微粒中空体は、発泡倍率
    が20〜100倍であり、発泡開始温度が90〜150
    ℃であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の再剥離可能な積層体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の再
    剥離可能な積層体に対し、加熱炉内で遠赤外線照射を行
    うことを特徴とする積層体の再剥離方法。
  9. 【請求項9】 遠赤外線照射は、波長が5〜30μの遠
    赤外線を照射することを特徴とする請求項8に記載の積
    層体の再剥離方法。
  10. 【請求項10】 加熱炉内は、雰囲気を150℃以上に
    調整し、遠赤外線照射を2分間以上継続することによ
    り、表面材を基材から自然剥離させることを特徴とする
    請求項8または9に記載の積層体の再剥離方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    再剥離可能な積層体に対し、加熱炉内で紫外線照射を行
    うことを特徴とする積層体の再剥離方法。
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