JP2005282165A - 表面材の剥離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接着剤層により下地材上に表面材が接着固定されている積層体において、表面材及び下地材に損傷を与えることなく、短時間で容易に表面材を剥離することを可能とする表面材剥離方法を提供する。
【解決手段】 下地材1に接着剤層2を介して表面材としての磁器タイル3が接着固定されている積層体において、下地材1から表面材としての磁器タイル3を剥離するに際し、磁器タイル3の外表面に工具ホーン4を接触させ、工具ホーン4を介して超音波振動を表面材3を経由して接着剤層2に印加することにより、接着剤層2の接着力の低下または破壊をもたらし、しかる後、表面材3を下地材1から剥離する表面材剥離方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、下地材に接着剤層を介して表面材が積層されている積層体から表面材を剥離する方法に関し、例えば、壁、床、もしくは屋根などの建造物や様々な物品に用いられている積層体から、表面材を剥離する方法に関する。
異種の材料を接合することができ、かつ応力分散性に優れているため、接着剤は住宅の内装や外装を構成するのに際し大量に用いられている。しかしながら、住宅をリフォームする際や住宅を解体する際には、接着剤で接合されている部分を剥離するのに多くの手間が掛かり、作業に長時間を要していた。また、接着剤により接合部分を無理なく剥離することが困難である場合には、接合されている部材が破壊された状態で剥離が行われたりし、その場合、接合されている部材を全て廃棄しなければならなかった。特に、接合されている複数の部材をそのまま廃棄する場合には、分別廃棄が行われず、従って、これらの材料のリサイクル使用ができないという問題もあった。
下記の特許文献1には、接着剤を用いて接合されている床材を剥離する方法が開示されている。ここでは、接着剤を熱風で加熱し、振動剥離刃を接着界面に押し当てつつ、床材が下地から剥離されている。上記振動剥離刃としては、例えば回転カッターなどが用いられている。
他方、下記の特許文献2には、水分散性接着剤に熱膨張性中空微粒子を混在させ、遠赤外線により加熱し、接着剤層を膨張させることにより、剥離を容易とする方法が開示されている。
特開平1−105862号公報 特開2002−127290号公報
特許文献1に記載の床材の剥離方法では、接着剤層を熱風で加熱し、振動剥離刃を接触界面に押し当てつつ床材が下地から剥離されている。この方法では、下地から床材を剥離方向に引っ張り上げる必要があるため、柔らかい床材にしか適用することができなかった。さらに、振動剥離刃として回転カッターを用いた場合には、床材を切り込みながら、剥離しなければならなかった。従って、剥離された床材をリサイクル使用することができなかった。
特許文献2に記載の剥離方法では、接着剤層を加熱するのに、下地材や接着剤を介して接合されている表面材などにも熱が加わらざるを得なかった。そのため、下地や表面材などの損傷が生じがちであった。また、余分な熱量を消費するという問題もあった。さらに、表面材や下地材などが損傷すると、これらのリサイクル使用を行うことが困難であった。
なお、加熱手段として高周波を用いる方法も存在するが、高周波を用いた加熱方法は、高周波誘導加熱を利用するものであるため、金属を必要とする。従って、接着剤層中に金属板を存在させたり、表面材や下地材として金属を用いねば加熱することができず、様々な材料からなる接着部分に用いることはできなかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、壁、床、屋根材などの建造物やその他の構造物において、接着剤により下地材に貼り合わされている表面材を下地材及び表面材の損傷をもたらすことなく容易にかつ効率良く剥離することができ、表面材や下地材のリサイクル使用を可能とする剥離方法を提供することにある。
本発明は、下地材に接着剤層を介して表面材が積層されている積層体から前記表面材を剥離する方法であって、前記表面材に工具ホーンを接触させ、該工具ホーンを介して超音波振動を印加することにより、前記接着剤層を破壊もしくは接着力を低下させ、次に下地材から表面材を分離することを特徴とする。
本発明の表面材の剥離方法のある特定の局面では、前記接着剤層が、超音波振動の印加により体積膨張を引き起こす接着剤を用いて構成されており、前記接着剤層の破壊もしくは接着力の低下が、前記超音波振動の印加による接着剤層の体積膨張により引き起こされる。
本発明に係る表面材の剥離方法の他の特定の局面では、前記接着剤層が、超音波振動が印加された際に分解ガスを発生する接着剤を用いて構成されており、前記接着剤層の破壊もくしは接着力の低下が、超音波振動の印加により接着剤層から分解ガスが発生することにより引き起こされる。
本発明に係る表面材の剥離方法では、表面材に工具ホーンを接触させ、該工具ホーンを介して超音波振動を印加することにより、接着剤層が破壊もしくは接着力が低下され、次に下地材から表面材が分離される。すなわち、超音波振動により、接着剤層の破壊または接着強度の低下が生じるため、表面材を下地材から容易に剥離することができる。
従って、加熱による接着剤層の破壊などと異なり、超音波振動を利用するものであるため、表面材や下地材の熱による損傷が生じ難い。よって、剥離後に、表面材や下地材をリサイクル使用することができる。
また、加熱により接着力を低下させる方法ではないため、表面材の下地材への接着固定に適した接着剤を広い範囲の接着剤から選択することができる。
高周波誘導熱を用いた従来法では、金属を用いた部分の剥離にしか適用できなかったのに対し、本発明に係る表面材の剥離方法は、高周波誘導加熱を用いるものではないため、接合部分に金属材料を用いる必要がない。従って、様々な表面材や下地材を有する積層体における表面材の剥離方法に広く用いることができる。
加えて、超音波振動の印加は数秒程度の極めて短時間でよいため、表面材の剥離に際し、多大な手間及び長時間の作業を必要としない。
よって、本発明によれば、下地材から表面材を容易にかつ速やかに剥離することができ、かつ表面材や下地材の損傷が生じ難いため、表面材や下地材のリサイクル使用を容易とするだけでなく、表面材の剥離を効率良く行うことができる。
本発明において、接着剤層が、超音波振動の印加より体積膨張を引き起こす接着剤を用いて構成されている場合には、超音波振動の印加により接着剤層が体積膨張し、それによって接着剤層の破壊もしくは接着力の低下が生じる。従って、接着剤層を上記接着剤を用いて構成しておくだけで、表面材を下地材から超音波振動の印加により容易に剥離することができる。
また、本発明に係る表面材の剥離方法において、接着剤層は、超音波振動が印加された際に、分解ガスが発生する接着剤を用いて構成されている場合には、超音波振動を印加するだけで、分解ガスが接着剤層から発生し、それによって接着剤層の破壊もしくは接着力の低下が生じる。従って、上記接着剤を用いて積層体を構成しておけば、超音波振動を印加するだけで、容易にかつ速やかに表面材を下地材から剥離することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において印加される超音波振動とは、電気的なエネルギーを機械的な振動に変換することにより得られる振動をいう。例えば、圧電振動子に電圧を印加して、この圧電振動子が振動することにより、超音波振動が発生する。そして、超音波振動は、工具ホーンに伝えられ、この工具ホーン及び表面材を介して、接着剤層に伝播される。
表面材を介して接着剤層に伝播した超音波振動は、接着剤層にてエネルギー励起を引き起こし、接着剤層のみを破壊する。従って、接着剤層のみに選択的にエネルギーを集中できる。このため、表面材や下地材の致命的な損傷を抑制できる。
本発明による超音波振動の伝播を促進するには、発振周波数、発振時間、発振振幅、縦振動及び横振動が重要な因子となる。従って、表面材や接着剤層の大きさ、厚さ、及び材質などによって大きく作用されるので、これら条件によって超音波振動の条件を決定するのが好ましい。
なお、縦振動とは、工具ホーンに接触する表面材と下地材との主たる接合面に直交する方向に沿って、圧電振動子すなわち工具ホーンが振動することを示している。また、横振動とは、工具ホーンに接触する表面材と下地材との主たる接合面に平行な方向に沿って、圧電振動子すなわち工具ホーンが振動することを示している。
上記主たる接合面とは、接着剤層による接合面の内、主となる部分をいうものとし、例えば表面材が下地材に埋設されて接着されている場合には、表面材の周囲の接着剤層による複数の接合面の内、最も大きな接合面をいうものとする。
本発明の超音波振動の印加時間は1秒以下〜数秒であるのが望ましい。従って、オーブンなどの単純に接着剤層を加熱する手段や超音波カッターなどで物理的に接着剤層を切断する手段に比べて所要時間が短く、効率に優れている。また、接着剤層を加熱する方法において懸念される熱劣化等による下地材の致命的な損傷(加熱による機械的な強度の低下)も生じない。
また、本発明の方法により、表面材を介して接着剤層に縦振動の超音波振動を付与した場合、同じ条件で横振動の超音波振動を付与した場合よりも、接着剤層の接着力の低下の割合は大きい。すなわち、縦振動の超音波振動は、横振動の超音波振動に比べて接着剤層の接着力を効果的に低下させ得る。
さらに、本発明の方法において接着剤層を構成する接着剤とは、一般的に用いられる接着剤を広く含む。具体的には酢酸ビニル樹脂系(エマルジョン型、溶剤型含む)、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系(ブチラール、ホルマール含む)、塩化ビニル系、アクリル樹脂系(エマルジョン型、シアノアクリレート型含む)、ポリアミド系、ポリエチレン系、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系接着剤、ポリエステル系等の熱可塑型接着剤、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール系、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、ポリイミド系、ポリベンゾイミダゾール系等の熱硬化型接着剤及びクロロプレンゴム系(溶剤型、ラテックス型含む)、ニトリルゴム系(溶剤型、ラテックス型、フィルム型含む)、スチレンブタジエンゴム系(溶剤型、ラテックス型含む)、SISゴム系、SBSゴム系、SEBSゴム系、SEPSゴム系、ポリサルファイド系(エポキシ混合型、シーラント型含む)、ブチルゴム系、シリコーンゴム系、変成シリコーン系等のエラストマー型接着剤などが挙げられる。さらに、上記した接着剤の2種類以上を併用しても良い。特に本発明では、熱硬化型接着剤、エラストマー系の熱硬化タイプの接着剤からなる接着剤層を有した構造に使用できる点が非常に有用である。
上記接着剤の中でも架橋型接着剤を用いることが本発明の方法には特に好ましい。従来の手法では熱可塑型接着剤しか効率良い接着体の分離は行えない。しかしながら、熱可塑型接着剤はその特性ゆえに常態接着力や耐熱性が乏しいという欠点を有していた。本発明の方法によると架橋型接着剤でも剥離が可能となる。
本発明でいう架橋型接着剤とは、三次元的にネットワーク構造を有しているものをベースレジンとして使用しているものを意味する。上記架橋型接着剤としては例えば2液成分の化学反応によって硬化するエポキシ系や熱以外にも湿気(水分)を必要とするポリウレタン系、シリコーンゴム系、変成シリコーン系等が挙げられる。他にも紫外線、電子線等で架橋反応を起こしたり逆に嫌気条件でのみで硬化するものも挙げられる。特に、変成シリコーン系とエポキシ系の併用は粘弾性の適宜設計変更が自由に行い易いという点で好ましい。
本発明において用いられる接着剤は上記のように特に限定されないが、特に、剥離に際し加熱を必要としないため、熱硬化性接着剤からなる接着剤層が形成されている部分に好適に用いることができる。
より好ましくは、上記接着剤としては、分解ガスが生じ易い、固体から気体への体積変化が大きい接着剤が好適に用いられる。すなわち、超音波振動が印加された際に、接着剤層中において、分子が振動し、超音波振動のエネルギーが熱エネルギーに変換される。この場合の温度は、瞬時に200℃を越えることが確認されている。従って、このような温度に達した際に、接着剤成分または必要に応じて接着剤に配合される発泡剤が分解し、ガスに変化するものが好適に用いられる。このような接着剤を用いれば、超音波振動の印加により加熱し、分解ガスが発生し、接着剤層の体積膨張が生じる。
上記のように、200℃を越える温度で分解し、ガスを発生し、体積膨張を生じる接着剤としては、例えば変性シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤などが挙げられる。
また、好ましくは、接着剤中に、熱膨張性中空微粒子を混入させておいてもよい。熱膨張性中空微粒子が混入されている接着剤では、超音波の印加により、熱膨張性中空微粒子が超音波振動のエネルギーを受けて瞬時にその体積を数十倍から数百倍に膨張させる。そのため、表面材と下地材と接合界面が膨張により剥離し、表面材を下地材から容易にかつ速やかに剥離することができる。この場合、発泡無機材料等の熱伝導性の悪い材料からなる表面材や下地材も確実に分離することが出来ると共に、加熱することにより機械的な強度などが低下しやすいすなわち熱劣化し易い下地材からも、熱劣化を招くことなく表面材を確実に分離することが可能となる。このような熱膨張性中空微粒子としては、低沸点炭化水素を内包した熱可塑性樹脂粒子などが挙げられる。
また、本発明が適用される表面材とは、下地材に接着剤層を介して貼り合わされて固定されている表面の部材を広く含むものとする。従って、表面材は、床、壁、天井、外壁のような建築物を構成する積層部材の表面部材であってもよく、あるいは建築物以外の構造物や製品の表面材であってもよい。また、上記下地材とは、これらの建造物に設けられる部材や構造物もしくは製品において、表面材が貼り合わされる下地の部材を広く含むものとする。このような下地材としては、例えば、床材、壁材または屋根材などの下地部材が挙げられ、この場合、表面材としては、床仕上げ材としての床タイル、木質フローリング材、セラミックス性表面床材などが挙げられる。また、壁の下地材に貼り合わされる壁仕上げ材としては、セラミックスや陶器などからなるタイル、金属もくしは樹脂などからなるサイディング材などが挙げられる。屋根に用いられる表面材としては、プラスチック瓦などが挙げられる。また、ソーラーパネルなども場合によっては本発明における表面材に含まれるものである。
なお、好ましくは、表面材は工具ホーンの超音波印加面よりも大きな面積を有する。言い換えれば、工具ホーンとしては、超音波印加面の面積が表面材の面積よりも小さいものを用いることが好ましい。その場合には、接着剤の分解ガスによる発生ガス圧や分解熱が大きな面積の領域に作用するので、剥離がより一層容易となる。
さらに、本発明が適用される積層体は、上記のような建築物における積層体に限らず、様々な構造物や製品に用いられている積層体であってもよい。
図1は、第1の実施形態に係る表面材剥離方法を説明するための模式的正面図である。
本実施形態では、壁下地材1の表面に接着剤層2を介して表面材としての磁器タイル3が接着固定されて積層体が構成されている。そして、磁器タイル3を下地材1から剥離するに際し、図示の工具ホーン4が用いられる。工具ホーン4は、先端にいくほど径が小さくなった円錐台形状の筒状の形状を有し、かつ工具ホーン4の先端が超音波印加面4aを構成しており、超音波印加面4aと反対側の基端部分に、圧電振動子5が連結されている。工具ホーン4の超音波印加面4aは、超音波を均一に伝播させるために、平坦面とされている。超音波印加面に凹凸が存在すると、磁器タイル3を損傷させるおそれがある。圧電振動子5は、工具ホーン4に超音波振動を印加し、超音波振動を部品としての磁器タイル3に伝播させるために用いられている。従って、圧電振動子5は、工具ホーン4の基端4b側に連結される必要は必ずしもなく、工具ホーン4の側面に連結されていてもよい。すなわち、超音波振動が超音波印加面4aまで伝播され得る限り、圧電振動子5の工具ホーン4への連結位置は特に限定されない。
上記工具ホーン4を構成する材料は、利用する超音波振動を良好に伝播させ得る限り、特に限定されず、例えば、チタンなどの金属により構成される。もっとも、工具ホーン4は、他の材料により構成されていてもよい。
また、圧電振動子5は、接着剤層2の破壊や接着剤層2による接着力を低下させるのに充分な超音波振動を発生させ得る限り、特に限定されないが、エポキシ系接着剤などの熱硬化性接着剤の破壊及び接着力の低下を引き起こすには、15〜60kHz程度の周波数の超音波振動を発生させるものであることが望ましい。
本実施形態の表面材剥離方法では、接着剤層2により固定されている磁器タイル3に、工具ホーン4の超音波振動印加面4aが当接され、その状態で圧電振動子5からの超音波振動子が工具ホーン4を介して磁器タイル3に与えられる。この場合、圧電振動子5の駆動は、工具ホーン4の超音波振動印加面4aを磁器タイル3の一面に当接させる前、させた後のいずれのタイミングにおいて開始してもよい。
超音波振動は、超音波振動印加面4aから磁器タイル3に伝播し、磁器タイル3を経由して接着剤層2に伝播する。接着剤層2は、印加された超音波振動により接着剤層を構成している分子が振動する。従って、接着剤層2の破壊や接着力の低下が生じる。従って、この超音波振動の印加時間は、接着剤層2の破壊や接着力の低下が生じる時間であって、磁器タイル3が破壊に至らない時間であればよい。
しかる後、接着力の低下や接着剤層の破壊が生じた後に、工具ホーン4を取り外し、磁器タイル3を壁下地材1から剥離すればよい。
図2は、本発明の変形例に係る表面材剥離方法を説明するための模式的正面図である。
また、図2に示す変形例のように、壁仕上げ材としての磁器タイル3の外表面に複数の工具ホーン4を当接させ、磁器タイルの複数箇所から超音波振動を印加してもよい。このように、表面材の面積の大きさに応じて、複数の工具ホーン及び圧電振動子を表面材の複数箇所に当接させることにより、本発明に従って大きな面積の表面材を効率良く剥離することができる。
次に、具体的な実施例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
コンクリート壁からなる下地材上に、弾性接着剤(積水化学工業社製、商品名:#72)を塗工し、縦5cm×横5cm×厚み4mmの磁器タイルを貼り付け、外壁を構成した。積層体としての上記外壁において、磁器タイルの表面中央に、超音波振動印加面が2cm角の超音波ホーンを当接し、該工具ホーンに連結されている圧電振動子から40kHzの周波数の超音波振動を5秒印加した。この場合、振動は、上記磁器タイルとコンクリート壁との接合面に対し、振動の方向が垂直である縦振動の形態で超音波振動を印加した。その結果、磁器タイル裏面の接着剤層から接着剤成分が分解して生じたガスが発生し、磁器タイルがコンクリート壁から剥離した。
(実施例2)
コンクリート床に、一液型ウレタン系接着剤(積水化学工業社製、商品名:U−750)を塗工し、30cm×横5cm×厚み1cmの木質フローリング材(永大産業社製、商品名:ホクアメリカンスタイル合板)を貼り合わせ、固定し、本発明における積層体を構成した。この積層体の木質フローリング材の表面に、図2に示されている実施形態のように、等間隔で3個の工具ホーンを当接させた。工具ホーンとしては、実施例1で用いたのと同様に、2cm角の超音波振動印加面を有する工具ホーンを用い、40kHzの超音波振動を5秒間印加した。その結果、木質フローリング材の裏面側から接着剤分解ガスが生じ、木質フローリング材がコンクリート床から剥離した。
(実施例3)
アルミニウムからなる壁面(下地材)上に、弾性接着剤(積水化学工業社製、商品名:#72A)に、10重量%の熱膨張性中空微粒子(低沸点炭化水素を熱可塑性樹脂に内包させたプラスチック微小球)を混合したものを塗工し、幅5cm×横5cm×厚み4mmの磁器タイルを貼り付け、積層体を構成した。このようにして構成された積層体からなる外壁において、磁器タイル表面中央に、2cm角の工具ホーンを当接し、実施例1と同様にして圧電振動子を駆動し、40kHzの超音波振動を3秒間印加した。その結果、磁器タイル裏面の接着剤層が盛り上がり、すなわち、体積膨張が生じ、磁器タイルが剥離した。
(比較例1)
実施例3と同様に構成された外壁において、マイナスドライバーを磁器タイルの裏面に挿入し、手作業で剥離したが、多大な労力を要した。また、磁器タイルの裏面が損傷した。
本発明の第1の実施形態における部品剥離方法を説明するための略図的正面断面図。 本発明の変形例にかかる部品剥離方法を説明するための略図的正面断面図。
符号の説明
1…下地材
2…接着剤層
3…磁器タイル
4…工具ホーン
4a…超音波振動印加面

Claims (3)

  1. 下地材に接着剤層を介して表面材が積層されている積層体から前記表面材を剥離する方法であって、
    前記表面材に工具ホーンを接触させ、該工具ホーンを介して超音波振動を印加することにより、前記接着剤層を破壊もしくは接着力を低下させ、次に下地材から表面材を分離することを特徴とする、表面材の剥離方法。
  2. 前記接着剤層が、超音波振動の印加により体積膨張を引き起こす接着剤を用いて構成されており、前記接着剤層の破壊もしくは接着力の低下が、前記超音波振動の印加による接着剤層の体積膨張により引き起こされる、請求項1に記載の表面材の剥離方法。
  3. 前記接着剤層が、超音波振動が印加された際に分解ガスを発生する接着剤を用いて構成されており、前記接着剤層の破壊もくしは接着力の低下が、超音波振動の印加により接着剤層から分解ガスが発生することにより引き起こされる、請求項1に記載の表面材の剥離方法。
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