JP4660106B2 - 部品剥離方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材の一面に接着剤層を介して接着固定されている部品を基材から剥離する方法に関し、例えば、ICチップやICタグなどの部品を基材から剥離するのに好適に用いられる部品剥離方法に関する。
接着により固定されている小さな部品は、小さいがために治具などにより挟むことが困難であり、従って、小さな部品を剥離することは容易ではない。接着により固定されている小さな部品の例としては、電子部品や電気部品あるいは精密機器用部品が挙げられる。例えば、電子部品の例として、ICチップや水晶振動子などが挙げられ、電気部品の例としては、小型モータが挙げられ、精密機器用部品とてしはカメラの部品などが挙げられる。
特に、電子部品の中でも能動素子としてのICチップは、様々な電子機器において広く用いられている。また、ICチップを内蔵したICカードやICタグが近年広く用いられており、様々な製品に微細なICタグが取り付けられている。
ICタグでは、その製品の生産地、生産者、生産方法、ロット番号、及び流通ルートなどの情報が瞬時に記録され、かつ瞬時に読みとられる。
しかしながら、上記ICタグには、個人情報や秘密情報などが記録されることも想定されている。例えば、クレジットカード、デビットカード、携帯電話などに用いられるICタグでは、個人情報や秘密情報が記録される。
ところで、現在のICカード等は、折り曲げたり、切断することができ、容易に情報を破壊した後に廃棄することができる。しかしながら、将来、カード基材が簡単に折り曲げられたり、切断されたりできない材料により構成されるおそれもある。
また、携帯電話やパソコンをリサイクル使用する場合、ICタグに個人の情報や銀行口座などが記録されていることが考えられるため、ICタグを取り除くことが求められる。
すなわち、上記ICタグ、またはICカード内のICチップなどは、不要とされた際に、個人情報や個人の財産を守るために、容易に基材から取り外され得ることが求められる。
他方、上記ICタグやICチップは、通常、基材上に接着剤を用いて固定されている。
下記の特許文献1には、接着固定されているチップ部品を除去する方法が開示されている。この先行技術に記載の方法では、加熱装置を用いて、チップ部品の接着に用いられているエポキシ系銀ペーストや半田が軟化され、振動されているコレットによりチップが把持され、基材から剥離される。
また、下記の特許文献2には、同様に加熱装置を用いて、接着部を加熱し、超音波カッターを接着界面に差し込み、部品を剥離する方法が開示されている。
特開昭61−295696号公報 実開平7−21650号公報
特許文献1に記載のチップ部品の剥離方法では、加熱装置によりエポキシ系銀ペーストや半田を軟化させた状態で、振動されているコレットによりチップ部品が把持され、剥離が行われている。従って、この方法を、ICタグの基材からの剥離に利用した場合、加熱により基材が剥離されるおそれがあった。すなわち、ICタグが接着固定されている基材部分が破壊され、ICタグが取り付けられていた製品のリサイクル使用ができなくなるおそれがあった。
また、振動コレットによりチップ部品を把持するものであるため、ICチップやICタグが基材の凹んだ部分に埋め込まれて接着されている場合には、ICチップやICタグを剥離することはできなかった。
他方、特許文献2に記載の方法においても、加熱装置が必須であるため、部品が接合されている基材部分の熱による破壊が生じるというおそれがあった。
また、特許文献1に記載の発明の場合と同様に、基材の凹んだ部分にICチップやICタグなどの部品が埋め込まれて接着されている場合には、部品を容易に剥離することはできなかった。また、個々の部品の接着界面に超音波カッターを有するのに長時間を要し、かつカッターにより部品が固定されている基材を損傷するおそれもあった。
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、基材に接着剤を用いて接着固定されている部品を基材から容易に剥離することができ、特に、部品の凹んだ部分に埋め込まれて接着されている部品のように、基材の複雑な形状の部分に、接着固定されている部品であっても基材を破壊することなく、速やかにかつ容易に剥離することを可能とする部品剥離方法を提供することにある。
本発明は、基材に接着剤層を介して接着されて固定されている部品を基材から剥離する方法であって、前記部品の外表面に先端が平坦面である工具ホーンの該平坦面を接触させ、該工具ホーンを介して超音波振動を部品に印加することにより前記接着剤層を破壊もしくは接着力を低下させ、基材から部品を剥離することを特徴とし、かつ前記工具ホーンとして、超音波印加面中央に吸引孔を有する工具ホーンを用いることを特徴とする。
本発明に係る部品剥離方法の他の特定の局面では、前記基材の一面に接着剤層を介して固定接着されている部品がICチップまたはICタグである。
本発明の部品剥離方法では、基材の一面に接着剤層を介して接着されて固定されている部品を基材から剥離するに際し、部品の外表面に工具ホーンが接触され、該工具ホーンを介して超音波振動が部品に印加される。この超音波振動は、部品を介して接着剤層に伝播し、該超音波振動により接着剤層の破壊または該接着剤層の接着強度の低下が生じる。そのため、部品を基材から容易に剥離することができる。
従って、加熱による接着剤層の破壊と異なり、超音波振動を利用するものであるため、基材の熱による破壊等が生じ難い。よって、部品が搭載されている基材を有する製品をリサイクル使用することができる。
また、加熱により接着力を低下させる方法ではないため、部品の基材への接着固定に適した接着剤を広い範囲から選択することができる。
加えて、部品を介して接着剤層に超音波を印加するものであるため、部品が基材の凹部などの複雑な形状部分に埋め込まれて接着されている場合にも、接着剤層を容易に破壊したり、接着力を低下させたりすることができる。従って、複雑な形状の基材部分に埋め込まれて接着されている部品などにも、本発明の部品剥離方法を好適に用いることができる。
本発明において、工具ホーンとして、超音波印加面中央に吸引孔を有する工具ホーンを用いた場合には、接着剤層に超音波振動を印加し、基材から部品を剥離するに際し、部品を吸引孔からの真空吸引により、工具ホーンの超音波印加面に吸引固定することができる。従って、超音波振動により、接着剤層が破壊したり、超音波振動により接着剤層及び基材が溶融し、再溶着した場合であっても、部品を工具ホーンに吸引保持することにより、基材から容易にかつ確実に剥離することができる。
基材の一面に接着剤層を介して接着固定されている部品がICチップまたはICタグである場合には、本発明に従ってICチップまたはICタグを基材から容易に剥離することができ、かつ基材の表面の凹部などの複雑な形状部分に、ICチップやICタグが埋設されて接着固定されている場合でも、ICチップやICタグを容易にかつ確実に剥離することができる。従って、ICチップやICタグが搭載されている製品のリサイクル使用に際し、ICチップまたはICタグを容易に剥離することができるので、個人情報等の漏洩を招くことなく、製品のリサイクル使用が容易に行われ得る。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において印加される超音波振動とは、電気的なエネルギーを機械的な振動に変換することにより得られる振動をいう。例えば、圧電振動子に電圧を印加して、この圧電振動子が振動することにより、超音波振動が発生する。そして、超音波振動は、工具ホーンに伝えられ、この工具ホーン及び部品を介して、接着剤層に伝播される。
部品を介して接着剤層に伝播した超音波振動は、接着剤層にてエネルギー励起され接着剤層のみを破壊する。従って、接着剤層のみに選択的にエネルギーを集中できる。このため、部品や基材の致命的な損傷を抑制できる。
本発明による超音波振動の伝播を促進するには、発振周波数、発振時間、発振振幅、縦振動及び横振動が重要な因子となる。従って、部品や接着剤層の大きさ、厚さ、及び材質などによって大きく作用されるので、これら条件によって超音波振動の条件を決定するのが好ましい。
なお、縦振動とは、工具ホーンに接触する部品と基材との主たる接合面に直交する方向に沿って、圧電振動子すなわち工具ホーンが振動することを示している。また、横振動とは、工具ホーンに接触する部品と基材との主たる接合面に平行な方向に沿って、圧電振動子すなわち工具ホーンが振動することを示している。
上記主たる接合面とは、接着剤層による接合面の内、主となる部分をいうものとし、例えば部品が基材に埋設されて接着されている場合には、部品の周囲の接着剤層による複数の接合面の内、最も大きな接合面をいうものとする。
本発明の超音波振動の印加時間は1秒以下ないし数秒であるのが望ましい。従って、オーブンなどの単純に接着剤層を加熱する手段や超音波カッターなどで物理的に接着剤層を切断する手段に比べて所要時間が短く、効率に優れている。また、接着剤層を加熱する方法において懸念される熱劣化等による基材の致命的な損傷(加熱による機械的な強度の低下)も生じない。
また、本発明の方法により、部品を介して接着剤層に縦振動の超音波振動を付与した場合、同じ条件で横振動の超音波振動を付与した場合よりも、接着剤層の接着力の低下の割合は大きい。すなわち、縦振動の超音波振動は、横振動の超音波振動に比べて接着剤層の接着力を効果的に低下させ得る。
さらに、本発明の方法において接着剤層を構成する接着剤とは、一般的に用いられる接着剤を広く含む。具体的には酢酸ビニル樹脂系(エマルジョン型、溶剤型含む)、ポリビニルアルコール系、ポリビニルアセタール系(ブチラール、ホルマール含む)、塩化ビニル系、アクリル樹脂系(エマルジョン型、シアノアクリレート型含む)、ポリアミド系、ポリエチレン系、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)系接着剤、ポリエステル系等の熱可塑型接着剤、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール樹脂系、レゾルシノール系、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、ポリイミド系、ポリベンゾイミダゾール系等の熱硬化型接着剤及びクロロプレンゴム系(溶剤型、ラテックス型含む)、ニトリルゴム系(溶剤型、ラテックス型、フィルム型含む)、スチレンブタジエンゴム系(溶剤型、ラテックス型含む)、SISゴム系、SBSゴム系、SEBSゴム系、SEPSゴム系、ポリサルファイド系(エポキシ混合型、シーラント型含む)、ブチルゴム系、シリコーンゴム系、変成シリコーン系等のエラストマー型接着剤などが挙げられる。さらに、上記した接着剤の2種類以上を併用しても良い。特に本発明では、熱硬化型接着剤、エラストマー系の熱硬化タイプの接着剤からなる接着剤層を有した構造に使用できる点が非常に有用である。
上記接着剤の中でも架橋型接着剤を用いることが本発明の方法には特に好ましい。従来の手法では熱可塑型接着剤しか効率良い接着体の分離は行えない。しかしながら、熱可塑型接着剤はその特性ゆえに常態接着力や耐熱性が乏しいという欠点を有していた。本発明の方法によると架橋型接着剤でも剥離が可能となった。本発明でいう架橋型接着剤とは、三次元的にネットワーク構造を有しているものをベースレジンとして使用しているものを意味する。上記架橋型接着剤としては例えば2液成分の化学反応によって硬化するエポキシ系や熱以外にも湿気(水分)を必要とするポリウレタン系、シリコーンゴム系、変成シリコーン系等が挙げられる。他にも紫外線、電子線等で架橋反応を起こしたり逆に嫌気条件でのみで硬化するものも挙げられる。特に、変成シリコーン系とエポキシ系の併用は粘弾性の適宜設計変更が自由に行い易いという点で好ましい。
さらに、上記接着剤中に熱膨張性中空微粒子を混入したものも適用することが出来る。この場合、発泡無機材料等の熱伝導性の悪い材料からなる部品や基材も確実に分離することが出来ると共に、加熱することにより機械的な強度などが低下しやすいすなわち熱劣化し易い基材からも、熱劣化することなく確実に部品分離が可能となる。
本発明において使用されている接着剤は上記のように特に限定されないが、特に、剥離に際し加熱を必要としないため、熱硬化性接着剤からなる接着剤層が形成されている部分に好適に用いることができる。また、ICチップやICタグの接着には、通常、耐熱性に優れた熱硬化性接着剤、例えば、エポキシ系接着剤が用いられているが、このような用途に、本発明に係る剥離方法を好適に用いることができる。
本発明が適用される部品とは、本発明の部品剥離方法により剥離され得る様々な部品を得ることができ、特に限定されるものではない。もっとも、好ましくは、リサイクルユースが求められている製品に搭載されている電子部品、電気部品または精密機器部品などの小型の部品の剥離に本発明は好適に用いられる。また、部品は、基材に接着固定されているものであるが、この接着固定の態様についても、特に限定されず、例えば基材の凹部に埋設固定されている部品のように複雑な基材形状部分に接着固定されている部品であってもよい。
上記部品の具体例としては、ICタグやICチップなどが挙げられ、本発明に係る部品剥離方法は、ICタグやICチップなどの基材からの剥離に好適に用いられ、従って、ICタグやICチップが搭載されていた製品のリサイクル使用に際しての個人情報の漏洩等を効果的に防止することができる。
本発明の部品剥離方法において、上記部品が接着固定される基材は、部品が接着される部分の全てを広く含むものであり、特に限定されるものではない。例えば、部品がICタグの場合には、ICタグが搭載固定されている基材は、プラスチックなどの有機材料、金属などの無機材料、あるいは様々な複合材料からなるものであり得る。また、基材は土木建築物などであってもよい。さらに、基材は、カード類やパソコンのケース材などであってもよい。また、ICチップなどの部品が搭載される基材は、携帯電話、パソコン、宅配便荷物、航空手荷物、時計、鍵、及びオートバイなどの各種製品の一部であってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る部品剥離方法を説明するための模式的平面図である。
第1の実施形態の部品剥離方法では、板状の基材1上に、接着剤層2を介して部品としてのICタグ3が固定されている。そして、ICタグ3を基材1から剥離するに際し、図示の工具ホーン4が用いられる。工具ホーン4は、先端にいくほど径が小さくなった円錐台形状を有し、かつ工具ホーン4の先端が超音波印加面4aを構成しており、超音波印加面4aと反対側の基端部分に、圧電振動子5が連結されている。工具ホーン4の超音波印加面4aは、超音波を均一に伝播させるために、平坦面とされている。超音波印加面に凹凸が存在すると、ICタグ3を損傷させるおそれがある。圧電振動子5は、工具ホーン4に超音波振動を印加し、超音波振動を部品としてのICタグ3に伝播させるために用いられている。従って、圧電振動子5は、工具ホーン4の基端4b側に連結される必要は必ずしもなく、工具ホーン4の側面に連結されていてもよい。すなわち、超音波振動が超音波印加面4aまで伝播され得る限り、圧電振動子5の工具ホーン4への連結位置は特に限定されない。
また、工具ホーン4内には、吸引路4cが設けられており、吸引路4cは、上記超音波振動印加面4aに開口している。すなわち、超音波振動印加面4aに吸引孔4dが開口している。吸引路4cの他端は、図示しない真空ポンプなどの吸引源に接続されている。
吸引孔4dは、超音波振動印加面4aの中央に開口している。もっとも、本実施形態では、1つの吸引孔4dが設けられているが、複数の吸引孔4dが超音波振動印加面4dに設けられていてもよい。複数の吸引孔4dが設けられる場合、複数の吸引孔4dは1本の吸引路4cに接続されていてもよく、それぞれ異なる吸引路に接続されていてもよい。
また、吸引路4cは、工具ホーン4の基端4b側から外部に引き出され、吸引源に接続されていてもよい。
上記工具ホーン4を構成する材料は、利用する超音波振動を良好に伝播させ得る限り、特に限定されず、例えば、チタンなどの金属により構成される。もっとも、工具ホーン4は、他の材料により構成されていてもよい。
また、圧電振動子5は、接着剤層2の破壊や接着剤層2による接着力を低下させるのに充分な超音波振動を発生させ得る限り、特に限定されないが、エポキシ系接着剤などの熱硬化性接着剤の破壊及び接着力の低下を引き起こすには、15〜60kHz程度の周波数の超音波振動を発生させるものであることが望ましい。
本実施形態の部品剥離方法では、接着剤層2により固定されているICタグ3に、工具ホーン4の超音波振動印加面4aが当接され、その状態で圧電振動子5からの超音波振動子が工具ホーン4を介して部品としてのICタグ3に与えられる。この場合、圧電振動子5の駆動は、工具ホーン4の超音波振動印加面4aをICタグ3の一面に当接させる前、させた後のいずれのタイミングにおいて開始してもよい。
超音波振動は、超音波振動印加面4aからICタグ3に伝播し、ICタグ3を経由して接着剤層2に伝播する。接着剤層2は、印加された超音波振動により接着剤層を構成している分子が振動する。従って、接着剤層2の破壊や接着力の低下が生じる。よって、この超音波振動の印加時間は、接着剤層2の破壊や接着力の低下が生じる時間であればよく、かつICタグ3の破壊が生じない時間であればよい。
なお、吸引孔4dからから吸引しつつ、上記超音波振動が印加される。従って、接着力の低下や接着剤層2の破壊が生じた後、工具ホーン4の超音波振動印加面4aから吸引を行い、ICタグ3を超音波振動印加面4aに吸着保持し、接着剤層2から分離すればよい。
なお、本実施形態では、吸引孔4dからの吸引によりICタグ3が工具ホーン4の下面である超音波振動印加面4dに保持されて、接着剤層2から分離される。しかしながら、吸引孔4dは必ずしも必要ではなく、接着剤層2の破壊や接着力の低下が生じた後、工具ホーン4をICタグ3の上方から取り外し、他のチャックなどの部品把持具によりICタグ3を接着剤層2から剥離してもよい。
もっとも、吸引孔4dを有する工具ホーン4を用いることにより、ICタグ3を工具ホーン4のみを用いて、接着剤層2から剥離し、保持することができる。また、接着剤層2や基材1の一部が超音波振動により溶融し、再溶着現象が生じたとしても、吸引孔4dによりICタグ3を吸引・保持している場合には、工具ホーン4を引き上げることにより、ICタグ3を確実に接着剤層2から剥離することができる。従って、本実施形態のように吸引孔4dが工具ホーン4に設けられていることが望ましい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る部品剥離方法を説明するための正面図である。
図1に示した部品剥離方法では、平板状の基材1の上面に接着剤層2を介してICタグ3が固定されていた。これに対して、図2に示す第2の部品剥離方法では、基材11の上面に、凹部11aが設けられており、凹部11a内に、接着剤層12を介して部品としてのICタグ3が埋め込まれて接着固定されている。このように、凹部11aなどの複雑な形状部分に部品としてのICタグ3が接着・固定されている場合であっても、第1の実施形態と同様の工具ホーン4及び圧電振動子5を用いることにより、ICタグ3を容易に基材11から剥離することができる。なお、第2の実施形態に用いられる工具ホーン4及び圧電振動子5は第1の実施形態で用いられている工具ホーン4及び圧電振動子5と同様である。
本実施形態においても、工具ホーン4の超音波振動印加面4aをICタグ3の上面に当接させた状態で圧電振動子5からの超音波振動子がICタグ3に加えられる。そのため、ICタグ3を経由して超音波振動が接着剤層12に伝播し、接着剤層12の破壊または接着剤層12による接着力の低下が生じる。従って、第1の実施形態の場合と同様に、吸引孔4dからICタグ3を吸引保持し、工具ホーン4を引き上げることにより、ICタグ3を基材11から容易に剥離することができる。
なお、第2の実施形態においても、吸引孔4dを有しない工具ホーン4を用いてもよく、その場合には、工具ホーン4により超音波振動を印加した後、工具ホーン4をICタグ3の上方から取り外し、他の吸引チャック等によりICタグ3を吸引保持し、基材11の凹部11aから剥離すればよい。
なお、第1,第2の実施形態では、部品としてICタグ3が基材1,11に接着固定さされている場合における部品剥離方法を説明したが、部品としてはICタグ3に限らず、ICチップなどの他の電子部品や、精密金属部品などであってもよい。
また、複雑な基材の形状部分についても、図示のような凹部11aに限定されず、様々な具体的な形状部分に部品が接着固定されている場合にも、本発明の部品剥離方法を好適に用いることができる。
次に、具体的な実施例につき説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレートからなるカード基材上に、シアノアクリレート系接着剤を用いて2mm角×厚み0.1mmのICチップが接着固定されている構造から、該ICチップを剥離した。まず、ICチップに、接着界面に対して縦方向の40kHzの周波数の超音波振動を工具ホーン4及び圧電振動子5を用いて1秒間印加し、しかる後、ICチップを工具ホーン4上の吸引孔4dから吸引しつつ、工具ホーン4を引き上げ、カード基材から剥離した。
シアノアクリレート系接着剤からなる接着剤層は、超音波振動の印加により破壊されたためか、ICチップを無理なく容易に剥離することができる。
(実施例2)
パソコンの側面に二液混合型エポキシ系接着剤で、約1mm角×厚み0.5mmのICタグが接着されている構造から、該ICタグを剥離した。図1に示した工具ホーン4及び圧電振動子5を用い、ICタグに、40kHzの周波数の超音波振動を、接着剤層の接着界面に対して横方向の振動となるように、0.4秒印加し、直後に工具ホーン4によりICタグを吸引しつつ、工具ホーン4をパソコン側面から分離し、ICタグを剥離した。剥離は円滑に行われ、パソコン側面に損傷はみられなかった。
(比較例1)
実施例2と同様に、パソコン側面に二液混合型エポキシ系接着剤を用いて約1mm角×厚み約0.5mmのICタグが取り付けられている構造から、ドライバーの先端をICタグとパソコン側面との間に挿入し、物理的にICタグの除去を試みた。その結果、パソコン側面ごとめくれが生じ、パソコン側面に大きな損傷が生じた。
(比較例2)
実施例2と同様に、パソコン側面に二液混合型エポキシ系接着剤によりICタグが固定されている構造において、ICタグに200℃の熱風を吹き付けた後、剥離を試みたが、パソコン側面の樹脂からなる基材が熱で変形し、かつ剥離に20秒の時間を要した。
(比較例3)
自動車のボンネットの裏面に二液混合型エポキシ系接着剤を用い、約1mm角×厚み0.5のICタグを貼り付けた構造から、200℃の熱風を吹き付け剥離を試みた。剥離に60秒の時間を要し、かつボンネットの表面の塗料に焼け焦げが生じた。
本発明の第1の実施形態における部品剥離方法を説明するための略図的正面断面図。 本発明の第2の実施形態における部品剥離方法を説明するための略図的正面断面図。
符号の説明
1…基材
2…接着剤層
3…ICタグ
4…工具ホーン
4a…超音波振動印加面
4b…基端
4c…吸引路
4d…吸引孔
5…圧電振動子
11…基材
11a…凹部
12…接着剤層

Claims (2)

  1. 基材に接着剤層を介して接着されて固定されている部品を基材から剥離する方法であって、前記部品の外表面に先端が平坦面である工具ホーンの該平坦面を接触させ、該工具ホーンを介して超音波振動を部品に印加することにより前記接着剤層を破壊もしくは接着力を低下させ、基材から部品を剥離することを特徴とし、かつ
    前記工具ホーンとして、超音波印加面中央に吸引孔を有する工具ホーンを用いることを特徴とする、部品剥離方法。
  2. 前記基材の一面に接着剤層を介して接着固定されている部品がICチップまたはICタグである、請求項1に記載の部品剥離方法。
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