JP2003157757A - 電子源基板およびそれを用いた表示装置 - Google Patents

電子源基板およびそれを用いた表示装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アノード−電子放出素子間で放電が生じて
も、他の電子放出素子に悪影響を及ぼさない電子源基板
を提供する。 【解決手段】 行方向に配線された行方向配線18と、
行方向配線と交差するように列方向に配線された列方向
配線17と、一端が抵抗素子15を介して行方向配線1
8に接続され、他端が抵抗素子14を介して列方向配線
17に接続され、これら配線17、18から所定の駆動
電圧が供給される電子放出素子11とを有し、列方向配
線17の配線抵抗値が行方向配線18の配線抵抗値より
高く、かつ、抵抗素子14の抵抗値が抵抗素子15の抵
抗値より高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電子放出素
子がマトリクス状に配置された電子源基板およびそれを
用いた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の表示装置に用いられる電子放出
素子として、熱電子源、冷陰極電子源の2種類が知られ
ている。冷陰極電子源には、電界放出型素子、金属/絶
縁層/金属型素子、表面伝導型電子放出素子(以下SC
E素子と略す)等がある。ここでは、SCE素子につい
て説明する。
【0003】SCE素子は、基板上に形成された小面積
の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放
出が生ずる現象を利用するものである。このSCE素子
の典型的な素子構成としてM.ハートウェルの素子構成
を図20に示す。図20の(a)は素子の上面図、図2
0の(b)はその側面図である。
【0004】図20の(a)および(b)を参照する
と、このSCE素子は、ガラス等からなる基板141上
に素子電極間隔L、素子電極長さWの一対の素子電極1
42、143が形成され、これら素子電極142、14
3を跨ぐように導電性薄膜144が形成され、この導電
性薄膜144の中央付近に電子放出部145が形成され
た構造になっている。
【0005】SCE素子は、構造が単純で製造も容易で
あることから、それを大面積にわたり多数配列形成でき
るという利点を有しており、容易に表示装置への適用が
可能であり、これまでに種々の表示装置が提案されてい
る。
【0006】以下、SCE素子がマトリクス状に配置さ
れた電子源基板を備える一般的な表示装置の構成および
動作について簡単に説明する。
【0007】図21は、従来の表示パネルの一部を切り
欠いて示した斜視図である。この表示パネルは、下面に
蛍光体150が形成されたフェースプレート159と、
これに対向して配置されるリアプレート151とを備え
る。リアプレート151には、一対の素子電極152、
153と、これらを跨ぐように形成された、中央付近に
電子放出部155を備える導電性薄膜154とから構成
される、複数の電子放出素子156〜158が形成され
ている。これら電子放出素子156〜158は、図20
に示したSCE素子と同様のものである。
【0008】この表示パネルでは、素子電極152、1
53間に十数Vの素子電圧Vfを印加すると、電子放出
部155の低電位側から電子が放出され、その一部の電
子が数kVの電圧を印加されたアノードとなるフェース
プレート159に達し、蛍光体150を発光させる。
【0009】参考のために、上述したSCE素子に関す
る技術について、本出願人による先行技術の一部を以下
に紹介する。
【0010】インクジェット形成方式によるSCE素子
作製に関しては、特開平09−102271号公報や特開2000−
251665号公報に詳述されている。また、SCE素子をマ
トリクス状に配置した例としては、特開昭64-031332号
公報、特開平07-326311号公報に詳述されている。更に
は、SCE素子を備える電子源基板の配線形成方法に関
しては、特開平08-185818号公報や特開平09-050757号公
報に記載されており、駆動方法については特開平06-342
636号公報等に詳述されている。また、電子放出素子特
性の均一性を向上させる目的でSCE素子と直列に抵抗
素子を配置することが特開平02-247936号公報、特開平0
2-247937号公報、特開平07-326283号公報に開示されて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のSCE素子を用いた表示装置には、以下のよう
な問題がある。
【0012】図21に示した従来の表示パネルにおい
て、例えば電子放出素子158の素子電極152、15
3間に10Vから20V程度の素子電圧Vfを印加して
電子を放出させ、放出された電子を数kVの加速電圧で
加速させる場合、電子放出部155の近傍の吸着物、あ
るいは局部的な脱ガスによる放電等で、電子放出素子の
低電位側、高電位側が短絡することがあった。その場
合、電子放出素子158に過電流が流れ、それによって
導電性薄膜154、電極152、153が破壊されるこ
とがあった。更には、その際に発生するガスによりアノ
ードと電子放出部155との間で放電が発生し、導電性
薄膜154、電極152、153を破壊するだけでな
く、配線を通じて、電気的に接続された他の電子放出素
子156、157にも異常な電圧が印加され、これらの
素子の劣化を引き起こしていた。従来は、このよう現象
により、輝度の不均一化などによる表示画像の品位低下
が起きるという問題があった。
【0013】また、アノードに印加する電圧を増加させ
ると、電子放出素子の電子放出部−アノード間で放電が
生じる。この放電によりダメージを受ける素子数は、ア
ノード電圧が高い程増加する傾向にある。これは、放電
により流れる異常電流が大きくなり、それによって素子
のダメージの程度が大きくなるとともに、配線に印加さ
れる異常電圧も高くなるために、配線を通して影響を受
ける素子数が増加することによる。このため、従来はア
ノード電圧を十分に高くできず、これが表示パネルの輝
度を下げる原因の1つとなっていた。
【0014】以上のような問題があるため、表面伝導型
電子放出素子は、素子構造が簡単であるという利点があ
るにもかかわらず、産業上積極的に応用されるには至っ
ていなかった。
【0015】本発明の目的は、上記問題を解決し、アノ
ード−電子放出素子間で放電が生じても、他の電子放出
素子に悪影響を及ぼさない電子源基板、およびそれを用
いた表示装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明の電子源基板は、行方向に配線された行
方向配線と、前記行方向配線と交差するように列方向に
配線された列方向配線と、一端が前記行方向配線に接続
され、他端が第1の抵抗素子を介して前記列方向配線に
接続され、これら行方向配線および列方向配線から所定
の駆動電圧が供給される電子放出素子とを有し、前記列
方向配線の配線抵抗値が前記行方向配線の配線抵抗値よ
り高いことを特徴とする。
【0017】上記の第1の発明においては、行方向配線
に駆動電圧を供給する駆動回路は、列方向配線に駆動電
圧を供給する駆動回路に比べて、許容電流量が大きく設
計されていおり、これに伴って出力インピーダンスは低
く設定されている。この設計条件からすると、列方向配
線よりも行方向配線から流れ込む電流量を多くしたほう
が設計上有利となるので、列方向配線の配線抵抗値が行
方向配線の配線抵抗値より高く、かつ、電子放出素子と
列方向配線との間に、第1の抵抗素子を設けている。こ
れによって、電流許容量の大きな行方向配線に選択的に
放電電流を流すことができるとともに、電子源へのダメ
ージを低減することができる。
【0018】また、上記の第1の発明において、電子放
出素子と行方向配線との間に第2の抵抗素子を設けるこ
とによって、電子放出素子の行方向配線側で放電した場
合は、その放電によって生じる放電電流(異常電流)が
第2の抵抗素子によって抑制される。この第2の抵抗素
子は、他の電子放出素子がその行方向配線側で放電した
場合には、行方向配線を介して流れ込む放電電流も抑制
する。また、電子放出素子の列方向配線側で放電した場
合は、上述のとおり、その放電によって生じる放電電流
(異常電流)が第1の抵抗素子によって抑制される。こ
の第1の抵抗素子は、他の電子放出素子がその列方向配
線側で放電した場合には、列方向配線を介して流れ込む
放電電流も抑制する。このように、第1および第2の抵
抗素子を設けたことで、行方向、列方向のいずれの方向
においても、他の電子放出素子への放電電流によるダメ
ージを低く抑えることができ、かつ、他の電子放出素子
からの放電電流によるダメージを低く抑えることができ
る。
【0019】また、上記の第1の発明において、第1の
抵抗素子の抵抗値をA、第2の抵抗素子の抵抗値をB、
列方向配線の配線抵抗値をC、行方向配線の配線抵抗値
をDとするとき、 A/B ≦ C/D の条件を満たすことが望ましい。この場合は、じょうき
の駆動電圧への影響を考慮して第1および第2の抵抗素
子の抵抗値の設定をさらに最適なものにすることが可能
となる。
【0020】第2の発明の電子源基板は、行方向に配線
された行方向配線と、前記行方向配線と交差するように
列方向に配線された列方向配線と、一端が前記行方向配
線に接続され、他端が第1の電流抑制手段を介して前記
列方向配線に接続され、これら行方向配線および列方向
配線から所定の駆動電圧が供給される電子放出素子とを
有し、前記列方向配線の配線抵抗値が前記行方向配線の
配線抵抗値より高いことを特徴とする。
【0021】上記の第2の発明によれば、第1の電流抑
制手段によって、上述の第1の発明と同様に、電流許容
量の大きな行方向配線に放電電流を流すことができると
ともに、電子源へのダメージを低減することができる。
また、電子放出素子と行方向配線との間に第2の電流抑
制手段をさらに設けることによって、行方向配線および
列方向配線を通じて他の電子放出素子へ流れ出す放電電
流が抑制される。この第2の電流抑制手段は、行方向配
線および列方向配線を通じて他の電子放出素子から流れ
込む放電電流も抑制する。よって、より確実に、他の電
子放出素子への放電電流によるダメージを低く抑えるこ
とができ、かつ、他の電子放出素子からの放電電流によ
るダメージを低く抑えることができる。
【0022】第3の発明の電子源基板は、行方向に配線
された行方向配線と、前記行方向配線と交差するように
列方向に配線された列方向配線と、一端が前記行方向配
線に接続され、他端が第1の電圧降下手段を介して前記
列方向配線に接続され、これら行方向配線および列方向
配線から所定の駆動電圧が供給される電子放出素子とを
有し、前記列方向配線の配線抵抗値が前記行方向配線の
配線抵抗値より高いことを特徴とする。
【0023】上記の第3の発明によれば、上述の第1の
発明と同様に、電流許容量の大きな行方向配線に放電電
流を流すことができるとともに、電子源へのダメージを
低減することができる。また、電子放出素子と行方向配
線との間に第2の電圧降下手段をさらに設けることによ
って、電子放出素子が放電した場合は、電圧降下手段に
よって、行方向配線および列方向配線との間で放電電圧
を降下させることができるので、これら配線を通じて他
の電子放出素子へ流れ出す放電電流は小さい。他の電子
放出素子で放電が生じた場合も、電圧降下手段によっ
て、行方向配線および例方向配線との間で放電電圧を降
下させることができるので、これら配線を通じて他の電
子放出素子から流れ込む放電電流は小さい。よって、よ
り確実に他の電子放出素子への放電電流によるダメージ
を低く抑えることができ、かつ、他の電子放出素子から
の放電電流によるダメージを低く抑えることができる。
【0024】なお、特開平02-247936号公報および特開
平02-247937号公報には、電子放出素子特性の均一性を
向上させる目的で、電子放出素子と直列に抵抗素子を配
置することが開示されている。しかしながら、これら公
報に記載の構成は、上述の第1から第3の発明の構成と
は異なり、ラダー配線であるため、電子放出素子と直列
に配置した抵抗素子と行方向及び列方向の配線抵抗値に
関する記載がなく、表示装置内で放電が発生した場合の
問題および解決手法についても記載されていない。従っ
て、この開示例からは、表示装置内のどこで放電がおき
てもダメージを一定以下に抑えることと、駆動装置の出
力電圧を下げることを両立させる技術思想を発想するの
は容易ではない。
【0025】また、特開平07-326283号公報には、電子
放出素子特性の均一性を向上させる目的で複数の電子放
出素子と接続した配線と電源との間に、直列に抵抗素子
を配置することが開示されている。これはマトリクス配
線の開示例である。しかしながら、この公報に記載のも
のも、上述の第1から第3の発明の構成とは異なるもの
である。また、その公報にも表示装置内で放電が発生し
た場合については想定されていない。したがって、上記
特開平02-247936号公報及び特開平02-247937号公報等か
らは、表示装置内のどこで放電がおきてもダメージを一
定以下に抑えることと、駆動装置の出力電圧を下げるこ
と、を両立させる技術思想を発想し得るものではない。
【0026】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0027】なお、繰り返しになるが、本発明の目的は
アノード−電子放出素子間で放電が生じても、他の電子
放出素子に悪影響を及ぼさないことにある。そのアプロ
ーチとして放電電流を抑制することと放電箇所から他の
電子放出素子までの間に電圧降下させることが上げられ
る。
【0028】まず、放電電流を抑制することによって、
他の電子放出素子に過電流が流れ込むのを防ぐことがで
きる。放電電流は放電電流経路のインピーダンスを高く
することで抑制することができる。例えば、配線抵抗を
大きくしたり、放電スピードに合わせて配線のインダク
タンスや配線間の容量をマッチングさせることでインピ
ーダンスを大きくすることができる。
【0029】また、電圧降下をすることによっても他の
電子放出素子に過電圧が印加するのを防ぐことができ
る。例えば、外部回路のインピーダンスを小さくした
り、電子放出素子の両端を容量結合させ放電スピードに
合わせて見かけ上のインピーダンスを小さくしたりして
過電圧を防ぐことができる。
【0030】なお、過電流を防ぐ手段と過電圧を防ぐ手
段は電流を管理するか電圧を管理するかの発想の違いは
あるものの、電流と電圧は従属関係にあるのでほとんど
の手段が実質的に同じ構成で両方の効果がある。例え
ば、後述の本実施例に記載した電子放出素子に直列に配
置した抵抗素子はその代表的な例であり、電流制限機能
も電圧降下機能も有している。
【0031】図1は、本発明の一実施形態である電子源
基板を説明するための図で、(a)はその電子源基板の
マトリクス配線の基本回路を示す等価回路図、(b)は
(a)に示す基本回路における電子放出素子の列方向配
線側の素子電極で放電が生じた場合の異常電流の発生を
示す模式図、(c)は(a)に示す基本回路における電
子放出素子の行方向配線側の素子電極で放電が生じた場
合の異常電流の発生を示す模式図である。
【0032】図1(a)に示すように、本実施形態の電
子源基板のマトリクス配線の基本回路は、行方向に配線
された行方向配線18と、これに交わるように列方向に
配線された列方向配線17と、これら配線の交差部近傍
に配置された電子放出素子11とを有し、電子放出素子
11の一対の素子電極のうち、素子電極12は第1の抵
抗素子14を介して列方向配線17に接続され、素子電
極13は第2の抵抗素子15を介して行方向配線18に
接続されている。本形態の電子源基板では、同様の構成
の回路がマトリクス状に配置、配線されている。
【0033】上記のマトリクス配線では、通常時は、電
子放出素子11の一方の素子電極12に列方向配線17
から第1の抵抗素子14を介して情報信号電圧が印加さ
れ、もう一方の素子電極13には行方向配線18から第
2の抵抗素子15を介して走査信号電圧が印加される。
これにより、電子放出素子11に所望の駆動電圧が印加
される。
【0034】次に、列方向配線17側の素子電極12に
放電が生じて電子放出素子11が破壊された場合の異常
電流の列方向への影響を図1(b)を用いて説明する。
【0035】図1(b)において、放電により破壊され
た電子放出素子11は、その素子電極12、13のみが
示されている。電子放出素子11’は電子放出素子11
と列方向に隣接するもので、一対の素子電極12’、1
3’を備え、一方の素子電極12’が第1の抵抗素子1
4’を介して列方向配線17に接続され、もう一方の素
子電極13’が第2の抵抗素子を介して行方向配線1
8’に接続されている。行方向配線18’は、行方向配
線18に隣接している。
【0036】列方向配線17側の素子電極12で放電が
生じて電子放出素子11が破壊された場合は、図1
(b)に示すように、その放電によって生じる異常電流
16は第1の抵抗素子14によって電流制限を受ける。
この第1の抵抗素子14による電流制限効果により、異
常電流16の列方向配線17へ流れ出す電流量は抑制さ
れたものとなる。同時に、第1の抵抗素子14によって
素子電極12と列方向配線17の間で電圧降下が生じ
る。
【0037】また、列方向配線17に沿って隣接する画
素では、列方向配線17から電子放出素子11’に流れ
込む電流は第1の抵抗素子14’によって電流制限を受
ける。同時に、第1の抵抗素子14’によって素子電極
12’と列方向配線17の間で電圧降下が生じる。この
結果、列方向配線17に沿って隣接する電子放出素子1
1’への放電のダメージは大きく減少することになる。
【0038】次に、行方向配線18側の素子電極13に
放電が生じて電子放出素子11が破壊された場合の異常
電流の行方向への影響を図1(c)を用いて説明する。
【0039】図1(c)において、放電により破壊され
た電子放出素子11は、その素子電極12、13のみが
示されている。電子放出素子11’は電子放出素子11
と行方向に隣接するもので、一対の素子電極12’、1
3’を備え、一方の素子電極12’が第1の抵抗素子1
4’を介して列方向配線17’に接続され、もう一方の
素子電極13’が第2の抵抗素子15’を介して行方向
配線18に接続されている。列方向配線17’は、列方
向配線17に隣接している。
【0040】電子放出素子11の行方向配線18側の素
子電極13で放電が生じて電子放出素子11が破壊され
た場合は、図1(c)に示すように、その放電によって
生じる異常電流16は第2の抵抗素子15によって電流
制限を受ける。この第2の抵抗素子15による電流制限
効果により、異常電流16の行方向配線18へ流れ出す
電流量は抑制されたものとなる。同時に、第2の抵抗素
子15によって素子電極13と行方向配線18の間で電
圧降下が生じる。
【0041】また、行方向配線18に沿って隣接する画
素では、行方向配線18から電子放出素子11'に流れ
込む電流は第2の抵抗素子15'によって電流制限を受
ける。同時に、第2の抵抗素子15'によって素子電極
13'と行方向配線18の間で電圧降下が生じる。この
結果、行方向配線18に沿って隣接する電子放出素子1
1'への放電のダメージは大きく減少することになる。
【0042】上述のように、図1に示した回路構成によ
れば、電子放出素子の素子電極対のどちら側の素子電極
で放電した場合でも、配線電極に流れ出す異常電流は少
なくなり、かつ、電圧が降下するため、その配線電極沿
いの電子放出素子に与えるダメージを抑制することがで
きる。
【0043】従来の場合は、ある電子放出素子の素子電
極対のいずれかで放電が起きると、その素子電極に接続
された配線電極を通じて、該配線電極に接続された他の
電子放出素子にダメージを与えることになる。このた
め、表示パネル上における輝度が変化し、それが表示画
面上でライン状あるいは十字状の欠陥として現れ、とて
も目立っていた。しかし、本実施形態のものでは、放電
した電子放出素子のみがダメージを受けることになるた
め、表示画面上では点状の欠陥で済み、ライン状や十字
状の欠陥は発生しない。
【0044】以上説明した本実施形態の構成において、
第1および第2の抵抗素子の抵抗値が高ければ高いほ
ど、異常電流量を抑制する効果が大きくなるが、その反
面、抵抗値を高くすると電子放出素子を駆動するための
電圧を大きくする必要がある。例えば、図1(b)の回
路において、第1の抵抗素子14の抵抗値をxΩ、第2
の抵抗素子15の抵抗値をyΩ、電子放出素子11の抵
抗値をzΩとすると、電子放出素子に所望の駆動電圧を
印加するには、列方向配線電極17と行方向配線電極1
8の間には(x+y+z)/z倍の電圧を印加する必要
がある。つまり、第1の抵抗素子14と第2の抵抗素子
15の抵抗値は、高ければ高いほど、大きな駆動電圧が
必要となり、駆動装置が大掛かりなものになってしま
う。従って、第1の抵抗素子14と第2の抵抗素子15
の抵抗値は、電子放出素子11がダメージを受けない程
度に放電の影響を抑制しうる範囲で、より小さい値に設
定することが望ましい。
【0045】以下、上述した本実施形態の電子源基板の
各電子放出素子に接続される第1および第2の抵抗素子
の抵抗値について詳細に説明する。ここでは、SPIC
E(Simulation Program with Integrated Circuit Emp
hasis)による電気シミュレーションを行って、駆動時
や放電時の電位分布や電流分布を計算し、その計算結果
から最適な抵抗値の割り出しを行った。より厳密には、
電子放出素子やマトリクス配線、本発明で導入する制限
素子はインピーダンスにより記述され、実際の設計にお
いても抵抗値だけでなく自己インダクタンスや相互イン
ダクタンス、容量を考慮した等価回路を用いるが、発明
の本質の説明を簡単にするために抵抗値の等価回路を用
いて説明する。また、その場合、電位分布、電流分布は
時間的応答を考慮し、実際には電子放出素子に流れ込む
電流や印加される電圧は電圧波形、電流波形として評価
し、振幅と位相を考慮した設計を行うが、説明が煩雑化
することを避けるため電流、電圧として表現する。図2
に、この電気シミュレーションに用いた電子源基板の等
価回路の一部を示す。
【0046】図2に示すマトリクス配線は、図1に示し
た基本回路より構成される画素が3840×768個配置され
ている。各画素の電子放出素子11は、非線形な特性を
有し、素子電極13が第2の抵抗素子15を介して行方
向配線18に接続され、素子電極12が第1の抵抗素子
14を介して列方向配線17に接続されている。この電
気シミュレーションでは、行方向配線18及び列方向配
線17は集中定数化し、各抵抗素子が画素ごとに等間隔
に配置されていると見なした。この電気シミュレーショ
ン結果から、以下のことがわかった。
【0047】(1)列方向配線17側の素子電極12で
放電した場合には、列方向配線17に電圧上昇が生じ
る。
【0048】(2)列方向配線17の駆動回路(不図
示)側から最も遠い位置で放電した場合が最も電圧上昇
が大きい。
【0049】(3)列方向配線17側の素子電極12で
放電した場合には、第1の抵抗素子14の値を大きくす
ると、列方向配線17における放電電流が制限され、か
つ、列方向配線17の電圧の上昇量が抑えられる。
【0050】(4)行方向配線18側の素子電極13で
放電した場合には、行方向配線18に電圧上昇が生じ
る。
【0051】(5)行方向配線18の駆動回路(不図
示)側から最も遠い位置で放電した場合が最も電圧上昇
が大きい。
【0052】(6)行方向配線18側の素子電極13で
放電した場合には、第2の抵抗素子15の値を大きくす
ると、行方向配線18における放電電流が制限され、か
つ、行方向配線18の電圧の上昇量が抑えられる。
【0053】(7)列方向配線17及び行方向配線18
における、各駆動回路から最も遠い位置で放電した場合
の電圧の上昇量を、一定の基準以下に抑制するのに必要
な第1の抵抗素子14の値xと第2の抵抗素子15の値
yが異なる。
【0054】(8)xとyの比は、列方向配線17の配
線抵抗値と行方向配線18の配線抵抗値の比に近い。
【0055】(9)第1の抵抗素子14の抵抗値および
第2の抵抗素子15の抵抗値が小さいほど、電子放出素
子11に印加する電圧を一定に保つために必要な駆動回
路から出力する電圧が小さくなる。
【0056】以上のことから、列方向配線17の駆動回
路と行方向配線18の駆動回路から最も遠い位置で、列
方向配線17側の素子電極12に放電した場合のダメー
ジを一定の基準以下に抑制するのに必要な第1の抵抗素
子14の最小抵抗値xと、列方向配線17の駆動回路と
行方向配線18の駆動回路から最も遠い位置で、行方向
配線18側の素子電極13に放電した場合のダメージを
一定の基準以下に抑制するのに必要な第2の抵抗素子1
5の最小抵抗値yを設定すれば、表示面内のダメージを
一定の基準以下に抑制することが可能となり、かつ、第
1および第2の抵抗素子が駆動電圧に与える影響を抑制
することが可能になることが分かった。さらに、このよ
うな最小抵抗値xとyの関係は、列方向配線の配線抵抗
と行方向配線の配線抵抗値の比に近いものである、とい
知見も得られた。
【0057】また、一般に、カラー表示を行う場合のマ
トリクス配線は、一行の配線に対しRGBの三列の配線
で表示単位を構成するため、配線幅などの物理的な制約
から、列方向配線の抵抗値を行方向配線の抵抗値並に低
くすることは難しい。従って、第1の抵抗素子の抵抗値
は、第2の抵抗素子の抵抗値より高く設定することが望
ましい。
【0058】また、電子放出素子のダメージとは別に、
放電が駆動回路に与える影響を考慮する必要もある。一
般に、駆動回路の許容電流量は行側の駆動回路と列側の
駆動回路で異なる。例えば、行側の場合には、行選択し
た場合の総素子数分の駆動電流が流れるため、表面伝導
型電子放出素子で1A〜10A程度の瞬時電流を流せる
ように設計されている。一方、列側の場合には、選択さ
れた素子分の駆動電流が流れるため、表面伝導型電子放
出素子で0.2mA〜2mA程度の瞬時電流を流せるよ
うに設計されている。つまり、行側の駆動回路は、列側
の駆動回路に比べて許容電流量が大きい。また、これに
伴って、出力インピーダンスも行側の駆動回路のほうが
低く設計されている。従って、駆動回路の観点では、列
配線よりも行配線から流れ込む電流量を多くしたほうが
良い。
【0059】以上のことから、電子放出素子のダメージ
と駆動回路の許容電流量及びインピーダンスを考え合わ
せると、電子放出素子と列方向配線との間の第1の抵抗
素子の抵抗値をA、電子放出素子と行方向配線との間の
第2の抵抗素子の抵抗値をB、列方向配線の配線抵抗値
をC、行方向配線の配線抵抗値をDとしたときの関係は A/B ≒ C/D よりも A/B ≦ C/D とすることが望ましい。
【0060】電気シミュレーション結果によれば、放電
によって生じるダメージはアノード電極の電圧やアノー
ド電極と電子放出素子との距離に影響される。これは、
放電電流のもととなるフェースプレートに溜まる電荷量
がアノード電極の電圧やアノード電極と電子放出素子と
の距離によって変化することに起因すると推測される。
放電による電圧上昇を、後述する活性化工程の最大電圧
値の20V以下に抑えることを前提とし、アノード電極
の電圧を1kV〜10kV、アノード電極と電子放出素
子との距離を2mm〜8mmの範囲に設定したところ、
電圧上昇を基準以下に抑制するのに必要な第1の抵抗素
子の抵抗値は1kΩ〜50kΩ、第2の抵抗素子の抵抗
値は200Ω〜10kΩであった。
【0061】なお、列方向配線または行方向配線に電圧
を印加している場合は、ダメージを一定の基準以下に抑
制するのに必要な第1および第2の抵抗素子の値が、電
圧を印加していない場合の値から変化する。これは、電
子放出素子がダメージを受ける電圧値に対し、印加電圧
(駆動電圧)の分があらかじめオフセットされているこ
とによるものである。以上、基本的な説明として、放電
により生じる放電電流と異常電圧に対し、電子放出素子
に流れ込む電流の抑制と電子放出素子に印加される電圧
を電圧降下により抑制することで電子放出素子のダメー
ジを抑制する作用を説明した。但し、本発明はこれに限
定されるものではない。本発明の主旨は、電子放出素子
に流れ込む電流波形と印加電圧波形を、抵抗を含むイン
ピーダンス素子等の電流抑制手段、電圧降下手段により
制御し、電子放出素子のダメージを所定の値に抑制でき
ることである。従って、例えば、マトリクス配線抵抗の
値や電子放出素子特性により表示装置の仕様に合わせ
て、ダメージの緩和を制御し例えばダメージのパターン
をバランスさせた最適化も可能であり、放電によって電
子放出素子から流れ出す放電電流の量と流れ込む放電電
流の量を等しくする電流抑制手段の値も実施可能であ
る。同様に、放電により生じる異常電圧により電子放出
素子に印加される電圧に関しても、前述したように振幅
と位相を含めた電圧波形レベルで抑制可能であり、印加
電圧の最大振幅を所定値以下とすること、電子放出素子
間の放電時の印加電圧を等しくしダメージのバランスを
最適化することも実施可能である。
【0062】
【実施例】以下、上述した実施形態の電子源基板の実施
例を具体的に説明する。
【0063】(実施例1)図3は、本発明の電子源基板
の一実施例であるマトリクス配線部の概略構成を示す模
式図である。図3中、電子放出素子31、一対の素子電
極32、33、第1の抵抗素子34、列方向配線35、
行方向配線36は、前述の等価回路図で説明したものと
同様で、電子源基板(リアプレート)30上に形成され
ている。電子放出素子31は、一対の素子電極32、3
3を有し、これら素子電極を跨ぐように素子膜が形成さ
れている。素子電極33は第1の抵抗素子34と接続さ
れ、素子電極32は不図示の第2の抵抗素子と接続され
ている。なお、第2の抵抗素子は絶縁層中のスルーホー
ル内に設けられている為、図3中には示されていない。
【0064】次に、このリアプレート30の作製方法
を、順次説明する。図4〜図9にリアプレート作製手順
を示す工程模式図示す。以下、これら図4〜図9を参照
して作製手順を説明する。
【0065】[基板形成]本実施例においては、リアプレ
ート30のガラス基板40として、アルカリ成分が少な
いPD-200(旭硝子(株)社製)の2.8mm厚ガラスを
用い、更にこのガラス基板上にナトリウムブロック層と
して膜厚100nmのSiO2膜を塗付焼成したものを
用いた。
【0066】まず、図4に示すように、上記のガラス基
板40上に一対の素子電極42、43をマトリクス状に
形成する。この素子電極42、43は、スパッタ法によ
って、まず下引き層として膜厚5nmのチタニウムTi
膜を成膜し、その上に膜厚40nmの白金Pt膜を成膜
した後、全面にフォトレジストを塗布し、露光、現像、
エッチングという一連のフォトリソグラフィー法によっ
てパターニングして形成した。本実施例では、素子電極
42、43の間隔Lは10μmとした。また、各素子電
極の長さWは適宜選択した。
【0067】[下配線形成]行配線と列配線の配線材料
に関しては、多数のSCE素子にほぼ均等な電圧が供給
されるように低抵抗である事が望ましく、これを考慮し
て材料、膜厚、配線幅等が適宜設定される。
【0068】共通配線としての列方向配線(下配線)4
5は、図5に示すように、列方向に並ぶ素子電極対に平
行に、かつ、それら素子電極対を連結するようにライン
状のパターンで形成した。このパターン形成では、例え
ば、材料として銀Agフォトペーストインキを用い、ス
クリーン印刷した後、乾燥させてから、所定のパターン
に露光し現像した。この後、480℃前後の温度で焼成
して配線を形成した。配線の厚さは約10μm、配線幅
は20μmとした。なお、終端部は配線取り出し電極と
して使うために、線幅をより大きくした。このようにし
て形成した列方向配線の抵抗値は100Ωであった。
【0069】[第1の抵抗素子形成]図6に示すよう
に、列方向配線45と素子電極43との間に第1の抵抗
素子44を形成する。この抵抗素子形成では、例えばニ
クロム合金を蒸着させた後に、フォトエッチングにより
不要部分を取り除いた。第1の抵抗素子44の大きさ
は、素子電極43とほぼ同じ大きさとした。このように
して形成した第1の抵抗素子44を介した列方向配線4
5と素子電極43の間の抵抗値は5kΩであった。
【0070】[絶縁膜形成]図7に示すように、列方向
配線45とその上に形成される後述する行方向配線を絶
縁するために、層間絶縁層47を配置する。この層間絶
縁層47は、後述の行方向配線(上配線)下に、先に形
成した列方向配線45(下配線)との交差部を覆うよう
に、かつ、行方向配線(上配線)と素子電極42との電
気的接続が可能なように、接続部にコンタクトホールを
開けて形成した。この層間絶縁層47の形成では、例え
ば、PbOを主成分とする感光性のガラスペーストをス
クリーン印刷した後、露光・現像するといった工程を4
回繰り返し、最後に480℃前後の温度で焼成した。こ
の層間絶縁層47の厚みは、全体で約30μmとし、幅
は150μmとした。
【0071】[第2の抵抗素子形成]図8に示すよう
に、後述する行方向配線と素子電極42の間に第2の抵
抗素子48を配置する。この第2の抵抗素子48の形成
では、前述のコンタクトホール部分にRuO2ペースト
を印刷した後、乾燥させてから、450℃前後の温度で
焼成した。このように形成した第2の抵抗素子48を介
した行方向配線と素子電極42の間の抵抗値は2kΩで
あった。
【0072】[上配線形成]図9に示すように、先に形
成した層間絶縁膜47の上に行方向配線(上配線)46
を形成する。この行方向配線46の形成では、Agペー
ストインキをスクリーン印刷した後、乾燥させ、この上
に再度同様なことを行って2度塗りしてから、480℃
前後の温度で焼成した。この行方向配線46の厚さは、
約15μmとした。図9には示していないが、外部駆動
回路との引出し配線、外部駆動回路への引出し端子もこ
れと同様の方法で形成した。このように形成した行方向
配線46の抵抗値は4Ωであった。
【0073】以上の基板形成、下配線形成、第1の抵抗
素子形成、絶縁膜形成、第2の抵抗素子形成、上配線形
成を順次行うことで、マトリクス配線を有する基板を形
成した。
【0074】[素子膜形成]上記マトリクス配線を有す
る基板を十分にクリーニングした後、撥水剤を含む溶液
で表面を処理し、表面が疎水性になるようにした。これ
は、この後塗布する素子膜形成用の水溶液が、素子電極
上に適度な広がりをもって配置されるようにする事が目
的である。その後、図10に示すように、素子電極間に
インクジェット塗布方法により、素子膜51を形成し
た。
【0075】図11(a)、(b)に、この素子膜形成
の工程を模式的に示す。図11(a)において、61は
ガラス基板、62、63は素子電極である。
【0076】本実施例では、素子膜としてパラジウム膜
を得る目的で、先ず水とイソプロピルアルコール(IP
A)が85:15の割合で混ぜられた水溶液に、パラジ
ウム−プロリン錯体(0.15重量%)を溶解し、有機
パラジウム含有溶液を得た。この他若干の添加剤を加え
た。
【0077】上記の溶液の液滴を、例えばピエゾ素子を
用いたインクジェット噴射装置よりなる液滴付与手段6
4で、ドット径が60μmとなるように調整して素子電
極62、63間に付与した(図11(b)参照)。その
後、この基板を空気中にて、350℃で10分間の加熱
焼成処理をして酸化パラジウム(PdO)とした。ドッ
トの直径が約60μm、厚みが最大で10nmの膜が得
られた。
【0078】以上の工程により、素子部分に酸化パラジ
ウムPdO膜(導電性薄膜65)が形成された。
【0079】[還元フォーミング]次に、フォーミング
と呼ばれる本工程に於いて、上記導電性薄膜65を通電
処理して内部に亀裂を生じさせ、電子放出部を形成す
る。図11(c)、(d)に、この還元フォーミングの
工程を模式的に示す。
【0080】この還元フォーミングでは、具体的には、
上記基板61の周囲の取り出し電極部を残して、基板全
体を覆うようにフード状の蓋をかぶせて基板との間で内
部に真空空間を作り、外部電源より電極端子部から行方
向配線と列方向配線の間に電圧を印加して、素子電極6
2、63間を通電する(図11(c)参照)。この通電
処理によって、導電性薄膜65を局所的に破壊、変形も
しくは変質させることにより、電気的に高抵抗な状態の
電子放出部66を形成する(図11(d)参照)。
【0081】上記の通電の際、若干の水素ガスを含む真
空雰囲気下で通電加熱すると、水素によって還元が促進
されて、酸化パラジウムPdOがパラジウムPd膜に変
化する。この変化時に、膜の還元収縮によって、一部に
亀裂が生じて電子放出部66が形成される。また、得ら
れた導電性薄膜65の抵抗値は、102Ω〜107Ωの値
であった。
【0082】ここで、フォーミング処理に用いた電圧波
形について簡単に紹介する。
【0083】図12に、フォーミング処理に用いた電圧
波形の一例を示す。パルス波形の印加電圧を用いてフォ
ーミング処理を行う場合、図12(a)に示すようにパ
ルス波高値が定電圧のパルスを印加する場合と、図12
(b)に示すようにパルス波高値を増加させながら印加
する場合とがある。
【0084】図12(a)中、T1は電圧波形のパルス
幅、T2はパルス間隔である。この例では、パルス幅T
1を1μsec〜10msec、パルス間隔T2を10
μsec〜100msecとして、三角波の波高値(フ
ォーミング時のピーク電圧)を適宜選択する。
【0085】図12(b)の例では、パルス幅T1とパ
ルス間隔T2は上記の図12(a)の例の場合と同様で
あるが、三角波の波高値(フォーミング時のピーク電
圧)を、例えば0.1Vステップ程度ずつ増加させるよ
うになっている。
【0086】フォーミング処理は、フォーミング用パル
スの間に、導電性膜65を局所的に破壊、変形しない程
度の電圧、例えば0.1V程度のパルス電圧を挿入して
素子電流を測定し、その測定結果から抵抗値を求め、そ
の求めた抵抗値が例えばフォーミング処理前の抵抗に対
して1000倍以上の抵抗を示した時点で終了とした。
【0087】[活性化−カーボン堆積]先に述べたよう
に、上記フォーミング処理が施されただけの状態では、
電子発生効率が非常に低いものとなっている。よって、
電子放出効率を上げるために、上記素子に活性化と呼ば
れる処理を行うことが望ましい。この処理では、有機化
合物が存在する適当な真空度のもとで、上述のフォーミ
ングと同様に、フード状の蓋をかぶせて基板との間で内
部に真空空間を作り、外部から配線電極を通じてパルス
電圧を素子電極に繰り返し印加する。そして、炭素原子
を含むガスを導入し、それに由来する炭素あるいは炭素
化合物を、上述した亀裂近傍にカーボン膜として堆積さ
せる。
【0088】この活性化工程では、例えばカーボン源で
あるトリニトリルをスローリークバルブを通して真空空
間内に導入し、1.3×10-4Paを維持した。導入す
るトリニトリルの圧力は、真空装置の形状や真空装置に
使用している部材等によって若干影響されるが、1×1
-5Pa〜1×10-2Pa程度が好適である。
【0089】図13の(a)、(b)に活性化工程で用
いられる電圧印加の好ましい一例を示す。印加する最大
電圧値は、10V〜20Vの範囲で適宜選択される。図
13(a)において、T1は電圧波形の正と負のパルス
幅、T2はパルス間隔であり、電圧値は正負の絶対値が
等しく設定されている。図13(b)において、T1、
T1'はそれぞれ電圧波形の正のパルス幅、負のパルス
幅であり、T2はパルス間隔であり、T1>T1'で、
電圧値は正負の絶対値が等しく設定されている。そし
て、約60分後に、放出電流Ieがほぼ飽和に達した時
点で、通電を停止し、スローリークバルブを閉め、活性
化処理を終了した。
【0090】以上の工程で、電子源素子を有する電子源
基板を作製する事ができた。
【0091】[基板特性]以上説明したような作製手順
で作製された電子源基板の電子放出素子の基本特性につ
いて説明する。
【0092】図14は、前述した電子源基板のSCE素
子の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略
図である。図14において、91は基板部分、92、9
3は素子電極、94は電子放出部を含む薄膜、95は電
子放出部である。901は電子放出素子に素子電圧Vf
を印加するための電源、900は素子電極92、93間
の電子放出部を含む導電性薄膜94を流れる素子電流I
fを測定するための電流計、904は素子の電子放出部
95より放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノ
ード電極、903はアノード電極904に電圧を印加す
るための高圧電源、902は素子の電子放出部95より
放出される放出電流Ieを測定するための電流計であ
る。
【0093】電子放出素子およびアノード電極904は
真空装置905内に設置され、その真空装置905には
排気ポンプ906および真空計等の真空装置に必要な機
器が具備されており、所望の真空下で本素子の測定評価
を行えるようになっている。アノード電極904は、電
子放出素子の上方に配置されており、電源903と電流
計902が接続されている。電子放出素子の素子電極間
を流れる素子電流If、及びアノードへの放出電流Ie
の測定にあたっては、素子電極92、93に電源901
と電流計900とを接続する。なお、アノード電極の電
圧は1kV〜10kV、アノード電極と電子放出素子と
の距離Hは2mm〜8mmの範囲とした。
【0094】図15は、図14に示した測定評価装置に
より測定された、本発明の電子源基板の電子放出素子の
放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係
の典型的な例を示す特性図である。放出電流Ieと素子
電流Ifは大きさが著しく異なるが、図15の例では、
If、Ieの変化の定性的な比較検討のために、リニア
スケールで縦軸を任意単位で表記した。この測定結果か
ら分かるように、素子電極間に印加する電圧12Vにお
ける放出電流Ieを測定した結果、平均0.6μA、電
子放出効率は平均0.15%を得た。また素子間の均一
性もよく、各素子間でのIeのばらつきは5%と良好な
値が得られた。
【0095】[封着−パネル化]上記のような単純マト
リクス配置の電子源基板を用いた電子源、及び、表示等
に用いる画像表示装置の一例について説明する。
【0096】図16は、そのような電子源基板を備える
画像表示装置の一例を示す概略構成図である。図16に
おいて、111は電子放出素子が多数配置された電子源
基板(リアプレート)であり、内部にダイオード素子が作
り込まれている。112はガラス基板113の内面に蛍
光膜114とメタルバック115等が形成されたフェー
スプレートであり、116は支持枠である。リアプレー
ト111、支持枠116及びフェースプレート112を
フリットガラスによって接着し、400℃〜500℃
で、10分以上焼成することで、封着して、外囲器を構
成する。この一連の工程を全て真空チャンバー中で行う
事で、同時に外囲器内部を最初から真空にすることが可
能となり、かつ工程もシンプルにすることが可能になっ
た。
【0097】リアプレート111には、前述したような
作製工程により、電子放出素子(SCE素子)117が
形成され、この電子放出素子117の一対の素子電極に
行方向配線118、列方向配線119が接続されてい
る。フェースプレート112とリアプレート111間に
は、スペーサーと呼ばれる不図示の支持体が設置され、
これにより、大面積パネルの場合にも大気圧に対して十
分な強度を持つ外囲器を実現できる。
【0098】図17の(a)、(b)は、図16に示し
た画像表示装置に適用されるフェースプレート上に設け
る蛍光膜の説明図である。
【0099】封着時の真空度は、10-5Pa程度の真空
度が要求される他、外囲器の封止後の真空度を維持する
ために、ゲッター処理を行う場合もある。ゲッター処理
では、例えば、外囲器の封止を行う直前あるいは封止後
に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外
囲器内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを
加熱し、蒸着膜を形成する、といった処理が行われる。
この場合、ゲッターは通常Ba等が主成分であり、その
蒸着膜の吸着作用により、たとえば10-3Pa〜10-5
Paの真空度を維持することが可能である。
【0100】[画像表示素子]前述した本発明にかかわ
るSCE素子の基本的特性によれば、電子放出部からの
放出電子は、しきい値電圧以上では対向する素子電極間
に印加するパルス状電圧の波高値と幅によって制御さ
れ、その中間値によっても電流量が制御され、これによ
り中間調表示が可能になる。また、多数の電子放出素子
を配置した場合においては、各ラインの走査線信号によ
って選択ラインを決め、各情報信号ラインを通じて個々
の素子に上記パルス状電圧を適宜印加すれば、任意の素
子に適宜電圧を印加する事が可能となり、各素子をON
することができる。中間調を有する入力信号に応じて電
子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パ
ルス幅変調方式が挙げられる。
【0101】以下、本発明の電子源基板を備える画像表
示装置の駆動系の概要について説明する。
【0102】図18は、本発明の電子源基板を備える表
示装置の一実施形態である、NTSC方式のテレビ信号
に基づいたテレビジョン表示用の画像表示装置の概略構
成を示すブロック図である。
【0103】図18において、131は単純マトリクス
配置の電子源を用いて構成した表示パネル、132は走
査回路、133は制御回路、134はシフトレジスタ、
135はラインメモリ、136は同期信号分離回路、1
37は情報信号発生器、138は直流高圧電源である。
【0104】電子放出素子を用いた表示パネル131の
行方向配線には、走査線信号を印加する走査ドライバー
を備えた走査回路132が、列方向配線には情報信号が
印加されるデータドライバーの情報信号発生器137が
接続されている。電圧変調方式を実施する場合は、情報
信号発生器137として、一定の長さの電圧パルスを発
生するが入力されるデータに応じて、適宜パルスの波高
値を変調するような回路を用いる。また、パルス幅変調
方式を実施する場合には、情報信号発生器137として
は、一定の波高値の電圧パルスを発生するが入力される
データに応じて、適宜電圧パルスの幅を変調するような
回路を用いる。いずれの場合も、抵抗素子による電圧降
下を考慮し、電子放出素子に印加したい所望の電圧値の
1.1〜1.2倍の電圧値を出力する。
【0105】制御回路133は、同期信号分離回路13
6から送られてくる同期信号Tsyncに基づいて、各部に
対してTscan、Tsft及びTnryの各制御信号を送出す
る。同期信号分離回路136は、外部から入力されるN
TSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と輝度信号
成分とを分離するための回路である。この輝度信号成分
は、同期信号に同期してシフトレジスタ134に入力さ
れる。
【0106】シフトレジスタ134は、制御回路133
より送られるシフトクロックに基づいてその動作が制御
され、時系列的にシリアルに入力される前記輝度信号
を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換する。
このシリアル/パラレル変換された画像1ライン分のデ
ータ(電子放出素子n素子分の駆動データに相当)は、
n個の並列信号としてシフトレジスタ134より出力さ
れる。
【0107】ラインメモリ135は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、記憶された内容は、情報信号発生器137に入力さ
れる。情報信号発生器137は、各々の輝度信号に応じ
て、電子放出素子の各々を適切に駆動する為の信号源で
あり、その出力信号は列方向配線を通じて表示パネル1
31内に入り、行方向配線によって選択中の走査ライン
との交点にある各々の電子放出素子に印加される。行方
向配線を順次走査する事によって、パネル全面の電子放
出素子を駆動する事が可能になる。
【0108】以上のように構成された表示装置におい
て、各電子放出素子に、表示パネル内の配線電極を通
じ、電圧を印加することにより電子放出させ、高圧端子
Hvを通じ、アノード電極であるメタルバック115に
高圧を印加し、発生した電子ビームを加速し、蛍光膜1
14に衝突させることによって、画像を表示することが
できる。
【0109】また、この表示装置では、駆動している間
に放電が発生したところ、放電以前の状態に比べ輝度の
低下が3%程度であったため、表示画面にむらがあるよ
うには感じなかった。一方、従来例で示した表示装置で
は、輝度の低下が50%を超える電子源が列電極沿いに
できたため、放電が発生した箇所を通る縦筋状のむらが
観察された。
【0110】以上説明したように、表面伝導型電子放出
素子の両端に直列に抵抗素子を設けることにより、放電
時に発生する異常電流が電子放出素子に印加されること
を抑制する効果がある。ここで、第一の抵抗素子の抵抗
値を第二の抵抗素子の抵抗値よりも大きくすることで、
電子放出素子へのダメージを低減しつつ、放電電流を行
方向配線に積極的に流すことで、駆動回路への悪影響を
低減できる。その結果、電子放出素子の電子放出特性の
劣化、あるいは破壊を防止することが可能になり、マル
チ電子ビーム源の実用上の寿命を大幅に延長することが
できる。
【0111】なお、ここで述べた表示装置の構成は、本
発明の一例であり、本発明の技術思想を逸脱しない範囲
で種々の変形が可能である。また、入力信号について
は、NTSC方式を例に挙げたが、入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL、HDTVなどでもよい。
【0112】(実施例2)本実施例においては、抵抗素
子を列方向配線側にのみ形成し、更に、その抵抗素子と
しては、素子電極が抵抗素子を兼ねる、具体的には、抵
抗体で素子電極を形成した点において、上述の実施例1
と異なっており、それ以外の構成は実施例1と同様であ
るため、素子電極の部分についてのみ、詳述する。
【0113】本実施例においては、列方向配線とつなが
る素子電極に所望の抵抗値を持たせるため、金属と絶縁
物の混合材料による膜(以下サーメット膜と呼ぶ)を用
いている。
【0114】本実施例のサーメット膜に使われている金
属は白金(Pt)であり、絶縁物は酸化シリコン(Si
2)である。この両方の材料をそれぞれ粉体に加工
し、それぞれ所望の重量パーセントで混合させ、ホット
プレス法でスパッタ用のターゲットを作製する(三菱マ
テリアル社製)。
【0115】ここで金属に白金(Pt)を用いる理由
は、のちのパネル作製工程における熱履歴を通った場
合、膜の抵抗値に変化が生じないようにするためであ
る。
【0116】このサーメット膜は、膜厚50nmのとき
に外部抵抗値が1kΩ〜2kΩとするため、シート抵抗
で100Ω/cm2〜200Ω/cm2となるように重量
パーセントを決めており、白金が80wt%〜90wt
%、酸化シリコンが10wt%〜20wt%の範囲の重
量パーセントで作製されて、本実施例では、白金が83
wt%、酸化シリコンが17wt%の重量パーセントで
作製した。
【0117】このように、列方向配線に接続する素子電
極に所望の抵抗地を持たせることで、実施例1同様、放
電時における放電電流が列方向配線に流れるのを抑制
し、許容電流量の小さい列方向配線に過電流が流れるこ
とを回避できた。
【0118】(実施例3)本実施例においては、上述の
実施例2の列方向配線と素子電極の間に更に抵抗素子と
特定破損ラインを形成し、放電の規模が大きい場合に
は、特定破損ラインが断線することで、他の素子への放
電電流の回り込みをより確実に遮断する構成とした。以
下、図19を用いて説明する。
【0119】図19は、本発明の電子源基板の一例を示
す概略構成図(平面図)で、電子源基板の一部のみを示
している。また、図19において、1001は表面にナ
トリウム拡散防止層を設けた基板、1002、1003
は素子電極、1004は導電性薄膜、1005は電子放
出部、1006、1007はそれぞれ素子電極100
2、1003に接続された列方向配線、行方向配線、1
008は列方向配線1006と行方向配線1007を電
気的に絶縁するための層間絶縁層である。
【0120】また、列方向配線1006とつながる素子
電極1002との間に外部抵抗体1010を設けてあ
る。この外部抵抗1010は、素子電極と同一の材料で
作製される。
【0121】さらに、列方向配線1006と上記外部抵
抗体1010の間には、外部抵抗体の一部として特定破
損ライン1011を設けてあり、やはり素子電極と同一
材料で作製されている。
【0122】対向する素子電極1002の材料として
は、実施例1と同様、以後の熱処理工程を経ても安定し
た導電性を有するものが好ましく、白金(Pt)と酸化
シリコンの混合により作製されたサーメット膜を用い
た。本実施例ではサーメット膜に含まれる白金(Pt)
と酸化シリコンそれぞれの含有量は、白金が83wt
%、酸化シリコンが17wt%の重量パーセントで作製
した。
【0123】外部抵抗体1010は、上記素子電極10
02と同一の材料で作製され、その形状は、列方向配線
1006と素子電極1002との間にパターン幅1(1
5μm)に対して、距離15(225μm)となるよう
なスネーク形状を設け、1.7kΩの外部抵抗体とし
た。
【0124】さらに、図19に示すような、上記列方向
配線1006と外部抵抗体1010の間にパターン幅
(15μm)よりも細い幅(10μm)の特定破損ライ
ン1011を設けてあり、その設置場所は層間絶縁層1
008と接触しない位置に設けている。
【0125】上記示した部位以外の基本的な電子源基板
の構成、およびその他の作製工程については、実施例1
と同様であるため、本実施例では省略する。
【0126】本実施例の構成において、フェースプレー
トに高電圧を印加した場合、ある確率でフェースプレー
トからリアプレートの電子放出素子へ放電することがあ
る。このとき、放電により発生した過電流は列方向配線
1006と素子電極1002の間に設けられた外部抵抗
体1010があることによって、列方向配線へ流れる電
流を制限することができ、許容(供給)電流量の小さい
列方向配線及び列方向配線につながる駆動ICの破壊を
抑制することができる。
【0127】さらに、本実施例では、上記列方向配線1
006と外部抵抗体1010の間にパターン幅がより細
い幅の特定破損ライン1011を設けてあるために、放
電が発生した場合、過電流による外部抵抗体の破壊が、
細い幅の特定破損ライン1011で行われるため、特定
部位の破損で済み、また過電流による外部抵抗の破損
が、層間絶縁層1008から離れた位置に設けられてい
るため列方向配線と行方向配線間の絶縁不良を誘発しな
い。つまり、放電により発生した素子破壊による二次的
な破壊が行われないために、発生した欠陥を最小限度で
抑えることができ、画像表示装置としての品質を保持す
ることができる。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように、アノード−電子放
出素子間で放電が生じても、他の電子放出素子に悪影響
を及ぼすことがないので、寿命の長い電子源を提供する
ことができ、また、高画質な表示画面を提供することが
できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電子源基板を説明す
るための図で、(a)はその電子源基板のマトリクス配
線の基本回路を示す等価回路図、(b)は(a)に示す
基本回路における電子放出素子の列方向配線側の素子電
極で放電が生じた場合の異常電流の発生を示す模式図、
(c)は(a)に示す基本回路における電子放出素子の
行方向配線側の素子電極で放電が生じた場合の異常電流
の発生を示す模式図である。
【図2】電気シミュレーションに用いた、図1に示す回
路により構成された電子源基板の等価回路である。
【図3】本発明の電子源基板の一実施例であるマトリク
ス配線部の概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明の電子源基板を利用するリアプレートの
作製工程を説明するための図である。
【図5】本発明の電子源基板を利用するリアプレートの
作製工程を説明するための図である。
【図6】本発明の電子源基板を利用するリアプレートの
作製工程を説明するための図である。
【図7】本発明の電子源基板を利用するリアプレートの
作製工程を説明するための図である。
【図8】本発明の電子源基板を利用するリアプレートの
作製工程を説明するための図である。
【図9】本発明の電子源基板を利用するリアプレートの
作製工程を説明するための図である。
【図10】本発明の電子源基板を利用するリアプレート
の作製工程を説明するための図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の電子源基板の素
子膜形成〜フォーミングの一連のプロセスを説明するた
めの図である。
【図12】(a)および(b)は、本発明の電子源基板
のフォーミング処理の際の印加電圧波形の一例を示す波
形図である。
【図13】(a)、(b)に活性化工程で用いられる電
圧印加の好ましい一例を示す図である。
【図14】本発明の電子源基板のSCE素子の電子放出
特性を測定するための測定評価装置の概略図である。
【図15】図14に示す測定評価装置により測定された
放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係
の典型的な例を示す特性図である。
【図16】本発明の電子源基板を備える画像表示装置の
一例を示す概略構成図である。
【図17】(a)、(b)は、図16に示す画像表示装
置に適用されるフェースプレート上に設ける蛍光膜の模
式図である。
【図18】本発明の電子源基板を備える表示装置の一実
施形態である、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテ
レビジョン表示用の画像表示装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図19】本発明の電子源基板の一例を示す平面図であ
る。
【図20】SCE素子の典型的な素子構成を示す図で、
(a)は上面図、(b)は側面図である。
【図21】従来の表示パネルの一部を切り欠いて示した
斜視図である。
【符号の説明】 11、11’、31、117、156〜158 電子放
出素子 12、12’、13’、32、33、42、43、6
2、63、92、93、 142、143、152、153、1002、1003
素子電極 14、14’、15、15’、34、44、48 抵抗
素子 17、17’、35、45、1006 列方向配線 18、18’、36、46、1007 行方向配線 30、111 リアプレート 40、61、113 ガラス基板 47、1008 層間絶縁層 51 素子膜 65、144、154、1004 導電性薄膜 66、95、145、155、1005 電子放出部 91 基板部分 94 薄膜 112、159 フェースプレート 114、150 蛍光膜 115 メタルバック 116 支持体 118 行配線 119 列配線 121 黒色導電体 122 蛍光体 131 表示パネル 132 走査回路 133 制御回路 134 シフトレジスタ 135 ラインメモリ 136 同期信号分離回路 137 情報信号発生器 138 直流高圧電源 141、1001 基体 900、902 電流計 901 電源 903 高圧電源 904 アノード電極 905 真空装置 906 排気ポンプ Hv 高圧端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C031 DD17 5C036 EE08 EG12 EG33 EH08 5C135 BB12 BB16 BB20 FF03 FF11 GG05 HH12

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 行方向に配線された行方向配線と、 前記行方向配線と交差するように列方向に配線された列
    方向配線と、 一端が前記行方向配線に接続され、他端が第1の抵抗素
    子を介して前記列方向配線に接続され、これら行方向配
    線および列方向配線から所定の駆動電圧が供給される電
    子放出素子とを有し、 前記列方向配線の配線抵抗値が前記行方向配線の配線抵
    抗値より高いことを特徴とする電子源基板。
  2. 【請求項2】 前記行方向配線と前記電子放出素子が第
    2の抵抗素子を介して接続されていることを特徴とする
    請求項1に記載の電子源基板。
  3. 【請求項3】 前記第1の抵抗素子の抵抗値をA、前記
    第2の抵抗素子の抵抗値をB、前記列方向配線の配線抵
    抗値をC、前記行方向配線の配線抵抗値をDとすると
    き、 A/B ≦ C/D の条件を満たすことを特徴とする請求項2に記載の電子
    源基板。
  4. 【請求項4】 前記第1の抵抗素子がサーメット材料に
    よって形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の電子源基板。
  5. 【請求項5】 行方向に配線された行方向配線と、 前記行方向配線と交差するように列方向に配線された列
    方向配線と、 一端が前記行方向配線に接続され、他端が第1の電流抑
    制手段を介して前記列方向配線に接続され、これら行方
    向配線および列方向配線から所定の駆動電圧が供給され
    る電子放出素子とを有し、 前記列方向配線の配線抵抗値が前記行方向配線の配線抵
    抗値より高いことを特徴とする電子源基板。
  6. 【請求項6】 前記行方向配線と前記電子放出素子が第
    2の電流抑制手段を介して接続されていることを特徴と
    する請求項5に記載の電子源基板。
  7. 【請求項7】 前記第1の電流抑制手段は、所定のイン
    ピーダンスを有するインピーダンス素子より構成されて
    いることを特徴とする請求項5に記載の電子源基板。
  8. 【請求項8】 行方向に配線された行方向配線と、 前記行方向配線と交差するように列方向に配線された列
    方向配線と、 一端が前記行方向配線に接続され、他端が第1の電圧降
    下手段を介して前記列方向配線に接続され、これら行方
    向配線および列方向配線から所定の駆動電圧が供給され
    る電子放出素子とを有し、 前記列方向配線の配線抵抗値が前記行方向配線の配線抵
    抗値より高いことを特徴とする電子源基板。
  9. 【請求項9】 前記行方向配線と前記電子放出素子が第
    2の電圧降下手段を介して接続されていることを特徴と
    する請求項8に記載の電子源基板。
  10. 【請求項10】 前記電子放出素子は、表面伝導型電子
    放出素子であることを特徴とする請求項1に記載の電子
    源基板。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の電子源基板よりなる
    リアプレートと、 前記リアプレートと対向して設けられた、前記電子源基
    板から放出された電子が照射される蛍光膜を備えるフェ
    ースプレートとを有する表示装置。
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