JP2003068188A - 電子源基板および画像形成装置ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

電子源基板および画像形成装置ならびにそれらの製造方法

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JP2003068188A
JP2003068188A JP2001257175A JP2001257175A JP2003068188A JP 2003068188 A JP2003068188 A JP 2003068188A JP 2001257175 A JP2001257175 A JP 2001257175A JP 2001257175 A JP2001257175 A JP 2001257175A JP 2003068188 A JP2003068188 A JP 2003068188A
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徹 菅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の列方向配線と、この列方向配線の上に
帯状絶縁層を介して複数の行方向配線が形成され、両方
向配線の交差部近傍に電極対を含む電子放出素子が配設
され、電極対の一方が列方向配線と、他方が帯状絶縁層
に設けられた開口部を介して行方向配線と接続された構
成を有する電子源基板において、配線形成時の素子電極
との電気的接続部分の信頼性向上を実現し、また、かか
る電子源基板を用いた画像形成装置において、より高品
位な画像を得られるようにする。 【解決手段】 少なくとも行方向配線(上配線)26の
形成直後には、絶縁層25に設けたコンタクトホール2
8が密閉されないように、絶縁層25にコンタクトホー
ル28に達する切込み部29を設け、この切込み部29
を密閉しないようにして行方向配線(上配線)26を形
成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の電子放出素
子をマトリクス状に並べた電子源基板、及びそれを用い
た表示装置等の画像形成装置に関わり、特に電子放出素
子の素子電極とこれに電気的に接続させる配線の接続性
の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては熱電子源と
冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源に
は電界放出型素子(FE型素子)、金属/絶縁層/金属
型素子(MIM素子)、表面伝導型電子放出素子等があ
る。
【0003】本出願人は、電子放出素子とその応用に関
しこれまで多数の提案を行っており、その一部を紹介す
る。
【0004】インクジェット方式による素子作成に関し
ては特開平9−102271号公報や特開2000−2
51665号公報に、これらの素子をXYマトリクス形
状に配置した例として、特開昭64−031332号公
報、特開平7−326311号公報に詳述されている。
更には配線形成方法に関しては特開平8−185818
号公報や、特開平9−50757号公報に、駆動方法に
ついては特開平6−342636号公報等に詳述されて
いる。
【0005】また、表面伝導型電子放出素子の構成、製
造方法などは、例えば特開平7−235255号公報、
特登録2903295号公報に詳述されている。
【0006】以下に、上記公報に開示されている表面伝
導型電子放出素子の概略を簡単に説明する。
【0007】上記の表面伝導型電子放出素子は、図4に
模式的に示すように、基板1上に対向する一対の素子電
極2,3と、該素子電極に接続されその一部に電子放出
部5を有する導電性膜4とを有してなる。
【0008】電子放出部5は、導電性膜4の一部が、破
壊・変形ないし変質され、間隙が形成された部分を含
み、間隙内部及びその近傍の導電性膜上には、活性化と
呼ばれる工程を行うことにより、炭素及び/または炭素
化合物を主成分とする堆積物が形成されている。なお、
この堆積物は上記導電性膜に形成された間隙よりもさら
に狭い間隙部をもって対峙した形状となっている。
【0009】上述の表面伝導型電子放出素子は、構造が
単純で製造も容易であることから、大面積にわたって多
数の素子を配列形成できる利点がある。そこで、その特
徴を生かせるような様々な応用が研究されている。例え
ば、多数の表面伝導型電子放出素子をマトリクス状に配
線接続した電子源基板、かかる電子源基板を用いた表示
装置等の画像形成装置が挙げられる。
【0010】多数の表面伝導型電子放出素子をマトリク
ス状に配線接続した電子源基板の構成例を図5に示す。
図5中、21は基板、2と3は素子電極、24は列方向
配線(下配線)、25は絶縁層、26は行方向配線(上
配線)、4は導電性膜(素子膜)である。
【0011】上記電子源基板は、基板21上に、複数の
列方向配線24と、該列方向配線24の上に絶縁層25
を介して複数の行方向配線26が形成され、該両方向配
線の交差部近傍にそれぞれ、電極対(素子電極2,3)
を含む電子放出素子が配設され、該電極対の一方(素子
電極3)が列方向配線24と、他方(素子電極2)が絶
縁層25に設けられたコンタクトホールを介して行方向
配線26と接続された構成を有している。
【0012】以下、この電子源基板の製造方法の一例
を、図6乃至図9を参照しつつ簡単に説明する。
【0013】先ず、基板21上に複数の電極対(素子電
極2,3)を形成する(図6参照)。
【0014】次に、一方の素子電極(素子電極3)に接
して、かつそれらを連結するようにライン状のパターン
で複数の列方向配線(下配線)24を形成する(図7参
照)。
【0015】次に、上下配線を絶縁するために、絶縁層
25を形成する(図8参照)。この絶縁層25は、後述
の行方向配線(上配線)下に、先に形成した列方向配線
(下配線)24との交差部を覆うように、かつ行方向配
線(上配線)と他方の素子電極(素子電極2)との電気
的接続が可能なように、各素子に対応した接続部にコン
タクトホール28を開けて形成する。
【0016】次に、先に形成した絶縁層25の上に、行
方向配線(上配線)26を形成する(図6参照)。行方
向配線26は、絶縁層25を挟んで列方向配線24と交
差しており、絶縁層25に設けたコンタクトホール28
部分で素子電極2と接続される。
【0017】次に、素子電極2,3間に、例えば特開平
9−102271号公報や特開2000−251665
号公報に記載のインクジェット方式によって導電性膜4
を形成する(図5参照)。
【0018】次に、両方向配線24,26間にパルス電
圧を印加し、素子電極2,3間に通電することによっ
て、導電性膜4を局所的に破壊、変形もしくは変質させ
ることにより、電気的に高抵抗な状態の電子放出部(亀
裂)を形成する(フォーミング工程)。
【0019】次に、炭素原子を含むガスの雰囲気下で、
上記のフォーミングと同様、両方向配線24,26間に
パルス電圧を印加し、素子電極2,3間に通電すること
によって、炭素あるいは炭素化合物を、前記亀裂近傍に
カーボン膜として堆積させる(活性化工程)。
【0020】以上の工程により、基板上に多数の表面伝
導型電子放出素子をマトリクス配線接続してなる電子源
基板が作製される。
【0021】前述した両方向配線24,26及び絶縁層
25の形成方法としては、スクリーン印刷法が好適であ
る。これは導電性ペーストや絶縁層ペーストをスクリー
ンを通して直接パターン印刷した後、焼成して配線パタ
ーンや絶縁層パターンを形成する方法である。また、よ
り精密なパターンを得る目的で、導電性であるAgや、
絶縁性のPbOを含有する感光性ペーストを、スクリー
ン印刷等の印刷法で塗布し、フォトマスクを用いて露
光、現像するという工程でも形成可能である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たスクリーン印刷法を用いて行方向配線(上配線)26
を形成する際に、以下のような問題が生じていた。
【0023】即ち、図8のように四方が囲まれたコンタ
クトホール28上に、このコンタクトホール28より大
きな寸法の行方向配線(上配線)26をスクリーン印刷
法により形成すると、コンタクトホール28の凹部をペ
ーストで蓋をする状態となり、内部に空気が一部残った
状態になりやすかった。この状態で加熱乾燥工程および
加熱焼成工程を経ると、残留空気が膨張しこれにより行
方向配線(上配線)26が素子電極2から浮いてしま
い、本来電気的に接続していなければならない行方向配
線(上配線)26と素子電極2が非接続状態となる状況
が発生していた。
【0024】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を改善するものであり、多数の表面伝導型電子放出素
子をマトリクス状に配線接続した電子源基板において、
特に上配線形成時の素子電極との電気的接続部分の信頼
性向上を実現し、また、かかる電子源基板を用いた画像
形成装置において、より高品位な画像を得られるように
することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の構成は以下の通りである。
【0026】即ち、本発明は、基板上に、複数の列方向
配線と、該列方向配線の上に絶縁層を介して複数の行方
向配線が形成され、該両方向配線の交差部近傍にそれぞ
れ、電極対を含む電子放出素子が配設され、該電極対の
一方が該列方向配線と、他方が該絶縁層に設けられたコ
ンタクトホールを介して該行方向配線と接続された構成
を有する電子源基板の製造方法において、少なくとも前
記行方向配線の形成直後には、前記コンタクトホールが
密閉されないように該行方向配線を形成することを特徴
とするものである。
【0027】上記本発明の電子源基板の製造方法は、更
なる好ましい特徴として、「前記絶縁層に前記コンタク
トホールに達する切込み部を設け、該切込み部を密閉し
ないように、前記行方向配線を形成すること」、「前記
コンタクトホールの一部と重なる開口部を設けて前記行
方向配線を形成すること」、「前記行方向配線をスクリ
ーン印刷法によって形成すること」、を含む。
【0028】また、本発明は、上記本発明の電子源基板
の製造方法によって製造したことを特徴とする電子源基
板に関する。
【0029】また、本発明は、電子源基板と、画像が形
成される領域を備えた基板とが支持枠を介して対向し、
該両基板の間の空間が減圧状態となっており、前記電子
源基板に画像形成用の駆動回路が接続された構成を有す
る画像形成装置の製造方法において、前記電子源基板
を、上記本発明の電子源基板の製造方法によって製造す
ることを特徴とする画像形成装置の製造方法に関する。
【0030】さらに、本発明は、上記本発明の画像形成
装置の製造方法によって製造したことを特徴とする画像
形成装置に関する。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、
この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材
質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲をそれら
のみに限定する趣旨のものではない。
【0032】本発明の電子源基板に形成される電子放出
素子としては、図4に例示した構成が挙げられる。
【0033】基板1としては、例えば石英ガラス、Na
等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、S
iO2を表面に形成したガラス基板およびアルミナ等の
セラミックス基板等が挙げられる。
【0034】素子電極2、3の材料としては、一般的な
導体材料が用いられ、例えばNi、Cr、Au、Mo、
Pt、Ti等の金属やPd−Ag等の金属が好適であ
り、基板上にスパッタリング等により成膜された後、フ
ォトリソグラフィー・エッチング技術により形成され
る。あるいは金属酸化物とガラス等から構成される印刷
導体や、ITO等の透明導電体等から適宜選択され、そ
の膜厚は、好ましくは数百Åから数μmの範囲が適当で
ある。
【0035】素子電極間隔L、素子電極長さW、素子電
極2、3の形状等は、実素子が応用される形態等に応じ
て適宜設計されるが、間隔Lは好ましくは数千Åから1
mmであり、より好ましくは素子電極間に印加する電圧
等を考慮して1μmから100μmの範囲である。ま
た、素子電極長さWは、好ましくは電極の抵抗値、電子
放出特性を考慮して、数μmから数百μmの範囲であ
る。
【0036】導電性膜4としては、良好な電子放出特性
を得るために、微粒子で構成された微粒子膜が特に好ま
しい。またその膜厚は、素子電極2、3へのステップカ
バレージ、素子電極間の抵抗値、および後述するフォー
ミング処理条件等を考慮して適宜設定されるが、好まし
くは数Åから数千Åであり、特に好ましくは10Åから
500Åの範囲とするのが良い。そのシート抵抗値は、
好ましくは103〜107Ω/□である。
【0037】なお、ここで述べる微粒子膜とは、複数の
微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒
子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互い
に隣接あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
指しており、微粒子の粒径は、数Å〜数千Å、好ましく
は10Å〜200Åである。
【0038】電子放出部5は、例えば以下に説明するよ
うな通電処理(フォーミング処理によって形成すること
ができる。
【0039】所定の真空度のもとで素子電極2,3間に
不図示の電源より通電すると、導電性膜4の部位に、構
造の変化した間隙(亀裂)が形成される。この間隙領域
が電子放出部5を構成する。尚、このフォーミングによ
り形成した間隙付近からも、所定の電圧下では電子放出
が起こるが、この状態ではまだ電子放出効率が非常に低
いものである。
【0040】通電フォーミングの電圧波形の例を図10
に示す。電圧波形は、特にパルス波形が好ましい。これ
にはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加
する図10(a)に示した手法と、パルス波高値を増加
させながらパルスを印加する図10(b)に示した手法
がある。
【0041】まず、パルス波高値を定電圧とした場合に
ついて図10(a)で説明する。図10(a)における
T1及びT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔であ
る。通常、T1は1μ秒〜10m秒、T2は10μ秒〜
100m秒の範囲で設定される。三角波の波高値(通電
フォーミング時のピーク電圧)は、電子放出素子の形態
に応じて適宜選択される。このような条件のもと、例え
ば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形は、
三角波に限定されるものではなく、矩形波等の所望の波
形を採用することができる。
【0042】次に、パルス波高値を増加させながら電圧
パルスを印加する場合について図10(b)で説明す
る。図10(b)におけるT1及びT2は、図10
(a)に示したのと同様とすることができる。三角波の
波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば
0.1Vステップ程度づつ、増加させることができる。
【0043】通電フォーミング処理の終了は、パルス電
圧印加中の素子に流れる電流を測定して抵抗値を求め
て、例えば1MΩ以上の抵抗を示した時に通電フォーミ
ングを終了させることができる。
【0044】このフォーミング処理後の状態では電子発
生効率は非常に低いものである。よって電子放出効率を
上げるために、上記素子に活性化と呼ばれる処理を行う
ことが望ましい。
【0045】この活性化処理は、有機化合物が存在する
適当な真空度のもとで、パルス電圧を素子電極2,3間
に繰り返し印加することによって行うことができる。そ
して炭素原子を含むガスを導入し、それに由来する炭素
あるいは炭素化合物を、前記間隙(亀裂)近傍にカーボ
ン膜として堆積させる。
【0046】本工程の一例を説明すると、例えばカーボ
ン源としてトルニトリルを用い、スローリークバルブを
通して真空空間内に導入し、1.3×10-4Pa程度を
維持する。導入するトルニトリルの圧力は、真空装置の
形状や真空装置に使用している部材等によって若干影響
されるが、1×10-5Pa〜1×10-2Pa程度が好適
である。
【0047】図11に、活性化工程で用いられる電圧印
加の好ましい一例を示した。印加する最大電圧値は、1
0〜20Vの範囲で適宜選択される。
【0048】図11(a)に於いて、T1は電圧波形の
正と負のパルス幅、T2はパルス間隔であり、電圧値は
正負の絶対値が等しく設定されている。また、図11
(b)に於いて、T1およびT1’はそれぞれ電圧波形
の正と負のパルス幅、T2はパルス間隔であり、T1>
T1’、電圧値は正負の絶対値が等しく設定されてい
る。
【0049】このとき、約60分後に放出電流Ieがほ
ぼ飽和に達した時点で通電を停止し、スローリークバル
ブを閉め、活性化処理を終了する。
【0050】以上の工程により図4に示したような電子
放出素子を作製することができる。
【0051】上述のような素子構成と製造方法によって
作製された電子放出素子の基本特性について図12、図
13を用いて説明する。
【0052】図12は、前述した構成を有する電子放出
素子の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概
略図である。図12において、51は素子に素子電圧V
fを印加するための電源、50は素子の電極部を流れる
素子電流Ifを測定するための電流計、54は素子の電
子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉するための
アノード電極、53はアノード電極54に電圧を印加す
るための高圧電源、52は素子の電子放出部より放出さ
れる放出電流Ieを測定するための電流計である。
【0053】電子放出素子の素子電極2,3間を流れる
素子電流If、及びアノードへの放出電流Ieの測定に
あたっては、素子電極2,3に電源51と電流計50と
を接続し、該電子放出素子の上方に電源53と電流計5
2とを接続したアノード電極54を配置している。
【0054】また、本電子放出素子およびアノード電極
54は真空装置55内に設置され、その真空装置には排
気ポンプ56および真空計等の真空装置に必要な機器が
具備されており、所望の真空下で本素子の測定評価を行
えるようになっている。なお、アノード電極54の電圧
は1kV〜10kV、アノード電極と電子放出素子との
距離Hは2mm〜8mmの範囲で測定した。
【0055】図12に示した測定評価装置により測定さ
れた放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの
関係の典型的な例を図13に示す。なお、放出電流Ie
と素子電流Ifは大きさが著しく異なるが、図13では
If、Ieの変化の定性的な比較検討のために、リニア
スケールで縦軸を任意単位で表記した。
【0056】本電子放出素子は放出電流Ieに対する三
つの特徴を有する。
【0057】まず第一に、図13からも明らかなよう
に、本素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図13中
のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流
Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電
流Ieがほとんど検出されない。すなわち、放出電流I
eに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素
子としての特性を示しているのが判る。
【0058】第二に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依
存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御でき
る。
【0059】第三に、アノード電極54に捕捉される放
出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。す
なわち、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子
電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0060】次に、本発明に係る電子源基板及び画像形
成装置について説明する。
【0061】本発明の電子源基板としては、図5に例示
したような構成が挙げられる。但し、本発明において
は、行方向配線(上配線)26は、絶縁層25に形成さ
れているコンタクトホールが密閉されないようにして形
成される。
【0062】その具体的な方法は後述の実施例において
詳しく説明するが、例えば、 (1)図1に示すように、絶縁層25にコンタクトホー
ル28に達する切込み部29を設け、この切込み部29
を密閉しないように、行方向配線(上配線)26を形成
する方法。 (2)図2に示すように、コンタクトホール28の一部
と重なる開口部30を設けて行方向配線(上配線)26
を形成する方法。 (3)図3に示すように、行方向配線(上配線)26を
コンタクトホール28からずらし、行方向配線(上配
線)26がコンタクトホール28を全て覆わないよう
に、行方向配線(上配線)26を形成する方法。等があ
る。
【0063】このように、絶縁層25に形成されている
コンタクトホールが密閉されないようにして行方向配線
(上配線)26を形成することにより、コンタクトホー
ル内の空気を抱き込むことなく行方向配線(上配線)2
6を形成することができ、上配線と素子電極の電気的接
続不良のない配線作製が可能となり、素子特性のばらつ
きの少ない電子源基板を得ることができる。
【0064】本発明においては、少なくとも上配線の形
成直後においてコンタクトホールが密閉されないように
すれば、コンタクトホールは最終的には密閉された状態
となっていても良い。即ち、導電性ペーストを用いてス
クリーン印刷法によって上配線を形成する場合、形成直
後には導電性ペーストがコンタクトホールを密閉しない
状態で形成すれば、その後、徐々に流動して最終的には
コンタクトホール全体に広がったとしても、コンタクト
ホール内の空気抜きを行うことができるからである。
【0065】次に、上記のような単純マトリクス配置の
電子源基板を用いた画像形成装置の一例について、図1
4を用いて説明する。
【0066】図14において、21は上記の電子源基
板、82はガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタル
バック85等が形成されたフェースプレート、86は支
持枠である。電子源基板21、支持枠86及びフェース
プレート82をフリットガラスによって接着し、400
〜500℃で、10分以上焼成することで、封着して、
外囲器90を構成する。
【0067】尚、フェースプレート82と電子源基板2
1との間に、スペーサーと呼ばれる不図示の支持体を設
置することにより、大面積パネルの場合にも大気圧に対
して十分な強度を持つ外囲器90を構成することもでき
る。
【0068】図15はフェースプレート82上に設ける
蛍光膜84の説明図である。蛍光膜84は、モノクロー
ムの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場
合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいは
ブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電体91と蛍
光体92とで構成される。ブラックストライプ、ブラッ
クマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の場合必
要となる三原色蛍光体の、各蛍光体92間の塗り分け部
を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光
膜84における外光反射によるコントラストの低下を抑
制することである。
【0069】また、蛍光膜84の内面側には通常メタル
バック85が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光をフェースプレート82側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するためのアノード電極として作用
すること等である。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍
光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼
ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積するこ
とで作製できる。
【0070】前述の封着を行う際、カラーの場合は各色
蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないた
め、上下基板の突き当て法などで十分な位置合わせを行
う必要がある。
【0071】封着時の真空度は10-5Pa程度の真空度
が要求される他、外囲器90の封止後の真空度を維持す
るために、ゲッター処理を行なう場合もある。これは、
外囲器90の封止を行なう直前あるいは封止後に、抵抗
加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器内の
所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、
蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が
主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、真空度を維
持するものである。
【0072】前述した本発明に係る表面伝導型電子放出
素子の基本的特性によれば、電子放出部からの放出電子
は、しきい値電圧以上では対向する電極間に印加するパ
ルス状電圧の波高値と巾によって制御され、その中間値
によっても電流量が制御され、もって中間調表示が可能
になる。
【0073】また多数の電子放出素子を配置した場合に
おいては、各ラインの走査線信号によって選択ラインを
決め、各情報信号ラインを通じて個々の素子に上記パル
ス状電圧を適宜印加すれば、任意の素子に適宜電圧を印
加する事が可能となり、各素子をONすることができ
る。
【0074】また中間調を有する入力信号に応じて電子
放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パル
ス幅変調方式が挙げられる。
【0075】以下に具体的な駆動装置について説明す
る。
【0076】単純マトリクス配置の電子源基板を用いて
構成した表示パネルを利用した、NTSC方式のテレビ
信号に基づいたテレビジョン表示用の画像形成装置の構
成例を、図16に示す。
【0077】図16において、101は図14に示した
ような画像表示パネル、102は走査回路、103は制
御回路、104はシフトレジスタ、105はラインメモ
リ、106は同期信号分離回路、107は情報信号発生
器、Vaは直流電圧源である。
【0078】電子源基板を用いた画像表示パネル101
の行方向配線26には、走査線信号を印加するXドライ
バーの走査回路102が、列方向配線24には情報信号
が印加されるYドライバーの情報信号発生器107が接
続されている。
【0079】電圧変調方式を実施するには、情報信号発
生器107として、一定の長さの電圧パルスを発生する
が入力されるデータに応じて、適宜パルスの波高値を変
調するような回路を用いる。また、パルス幅変調方式を
実施するには、情報信号発生器107としては、一定の
波高値の電圧パルスを発生するが入力されるデータに応
じて、適宜電圧パルスの幅を変調するような回路を用い
る。
【0080】制御回路103は、同期信号分離回路10
6より送られる同期信号Tsyncに基づいて、各部に
対してTscan,Tsft及びTmryの各制御信号
を発生する。
【0081】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離するための回路である。この輝度
信号成分は、同期信号に同期してシフトレジスタ104
に入力される。
【0082】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記輝度信号を、画像の1ライン毎に
シリアル/パラレル変換して、制御回路103より送ら
れるシフトクロックTsftに基づいて動作する。シリ
アル/パラレル変換された画像1ライン分のデータ(電
子放出素子n素子分の駆動データに相当)は、n個の並
列信号として前記シフトレジスタ104より出力され
る。
【0083】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、記憶された内容は、情報信号発生器107に入力さ
れる。
【0084】情報信号発生器107は、各々の輝度信号
に応じて、電子放出素子の各々を適切に駆動する為の信
号源であり、その出力信号は列方向配線24を通じて表
示パネル101内に入り、走査回路102によって選択
中の行方向配線26との交点にある各々の電子放出素子
に印加される。
【0085】行方向配線26を順次走査することによっ
て、パネル全面の電子放出素子を駆動することが可能に
なる。
【0086】以上のように本発明による画像形成装置に
おいて、各電子放出素子に両方向配線を通じ、電圧を印
加することにより電子放出させ、直流電圧源Vaに接続
された高圧端子Hvを通じ、アノード電極であるメタル
バック85に高圧を印加し、発生した電子ビームを加速
し、蛍光膜84に衝突させることによって、画像を表示
することができる。
【0087】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明の画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基
づいて種々の変形が可能である。入力信号についてはN
TSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限られるもの
ではなく、PAL、HDTVなどでも同じである。
【0088】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0089】[実施例1]本実施例は、図5に示したよ
うな多数の表面伝導型電子放出素子をマトリクス配線接
続してなる電子源基板を製造した例である。
【0090】図1は本実施例の電子源基板における配線
構造の特徴を表す上面模式図である。同図において2、
3は素子電極、24は列方向配線(下配線)、25は空
気抜き構造を有する絶縁層、26は行方向配線(上配
線)、28はコンタクトホール、29はコンタクトホー
ルに達する切込み部である。なお、同図においては、説
明のために1素子分のエリアのみを抽出して図示してお
り、実際の装置においてはこれが縦横に複数個配列され
ている。
【0091】以下、本実施例の電子源基板の製造方法を
説明する。
【0092】(素子電極の形成)基板としてアルカリ成
分が少ないPD−200(旭硝子(株)製)の2.8m
m厚ガラス上にナトリウムブロック層としてSiO2
100nmを塗付焼成したものを用いた。
【0093】このガラス基板上に、スパッタ法によって
まず下引き層としてチタニウムTi(厚さ5nm)、そ
の上に白金Pt(厚さ40nm)を成膜した後、ホトレ
ジストを塗布し、露光、現像、エッチングという一連の
フォトリソグラフィー法によってパターニングして素子
電極2,3を形成した。なお、本実施例では素子電極の
間隔L=10μm、対向する長さW=100μmとし
た。
【0094】(下配線の形成)共通配線としての列方向
配線(下配線)24は、一方の素子電極3に接して、か
つそれらを連結するようにライン状のパターンで形成し
た。材料にはAgフォトぺーストインキを用い、スクリ
ーン印刷した後、乾燥させてから、所定のパターンに露
光し現像した。この後480℃前後の温度で焼成して下
配線24を形成した。この下配線24の厚さは約10μ
m、幅は約50μmである。なお終端部は配線取り出し
電極として使うために、線幅をより大きくした。
【0095】(絶縁層の形成)図1(a)のような空気
抜き構造を有する絶縁層25を、列方向配線(下配線)
24と同様な方法でガラスフォトペーストを用いて作製
した。ここで、コンタクトホール28は素子電極2の少
なくとも一部がコンタクトホール28内に剥き出しにな
る位置に作製し、絶縁層25の繰り返し方向の端部から
コンタクトホール28に達する2本の切込み部29を設
けた。なお、絶縁層25は複数回同じ工程を通して絶縁
に必要な膜厚を得る。
【0096】ところで、この切込み部29は幅が広過ぎ
ると次工程のスクリーン印刷で作製する行方向配線(上
配線)26用のペーストが流動して絶縁層25の外部へ
広がり、また、ペーストがこの切込み部29を橋渡しで
きなくなって断線の原因となるため最大幅は50μm以
下が望ましい。なお、コンタクトホール28のサイズと
形状、および、切込み部29の平面形状、長さおよび高
さには特に制限は無い。
【0097】(上配線の形成)先に形成した絶縁層25
の上に、図1(b)のようなストライプ状の行方向配線
(上配線)26をAgぺーストインキを用いたスクリー
ン印刷法により形成した。行方向配線26は、絶縁層2
5を挟んで列方向配線(下配線)24と交差しており、
絶縁層25に設けたコンタクトホール28部分で素子電
極2と接続されている。
【0098】このとき、絶縁層25上のペーストは自身
の流動性によりコンタクトホールの凹部を充填していく
が、切り込み部29が存在するためコンタクトホール2
8内の空気を閉じ込めることなくコンタクトホール28
内をペーストで充填することができた。その後、同基板
の乾燥、焼成を経て配線作製が完了する。
【0099】この行方向配線26は電気駆動時は走査電
極として作用する。尚、行方向配線26の厚さは約15
μmである。図示していないが、外部駆動回路への引出
し端子もこれと同様の方法で形成した。
【0100】このようにしてXYマトリクス配線を有す
る基板が形成された。
【0101】次に、上記基板を十分にクリーニングした
後、撥水剤を含む溶液で表面を処理し、表面が疎水性に
なるようにした。これはこの後塗布する導電性膜形成用
の水溶液が、素子電極上に適度な広がりをもって配置さ
れるようにするためである。
【0102】(導電性膜の形成)次に、素子電極2,3
間に導電性膜4を形成した。本工程を図17の模式図を
用いて説明する。尚、基板21上における個々の素子電
極の平面的ばらつきを補償するために、基板上の数箇所
に於いてパターンの配置ずれを観測し、観測点間のポイ
ントのずれ量は直線近似して位置補完し、導電性膜形成
材料を塗付する事によって、全画素の位置ずれをなくし
て、対応した位置に的確に塗付するようにした。
【0103】本実施例では、導電性膜4としてパラジウ
ム膜を得る目的で、先ず水85:イソプロピルアルコー
ル(IPA)15からなる水溶液に、パラジウム−プロ
リン錯体0.15重量%を溶解し、有機パラジウム含有
溶液を得た。この他若干の添加剤を加えた。この溶液の
液滴を、液滴付与手段71として、ピエゾ素子を用いた
インクジェット噴射装置を用い、ドット径が60μmと
なるように調整して素子電極間に付与した(図17
(a))。
【0104】その後、この基板を空気中にて、350℃
で10分間の加熱焼成処理をして酸化パラジウム(Pd
O)からなる導電性膜4’が形成された(図17
(b))。
【0105】(フォーミング工程)次に、フォーミング
と呼ばれる本工程に於いて、上記導電性膜4’を通電処
理して内部に亀裂を生じさせ、電子放出部5を形成する
(図17(c))。
【0106】具体的な方法は、上記基板21の周囲の取
り出し電極部を残して、基板全体を覆うようにフード状
の蓋をかぶせて基板21との間で内部に真空空間を作
り、外部電源より電極端子部から両方向配線24,26
間に電圧を印加し、素子電極2,3間に通電することに
よって、導電性膜4’を局所的に破壊、変形もしくは変
質させることにより、電気的に高抵抗な状態の電子放出
部5を形成する。
【0107】この時若干の水素ガスを含む真空雰囲気下
で通電加熱すると、水素によって還元が促進され酸化パ
ラジウムPdOからなる導電性膜4’がパラジウムPd
からなる導電性膜4に変化する。
【0108】フォーミング処理に用いた電圧波形は図1
0(b)の様な矩形パルス波形を用い、T1を0.1m
sec、T2を50msecとした。印加した電圧は
0.1Vから始めて5秒ごとに0.1Vステップ程度ず
つ増加させた。通電フォーミング処理の終了は、パルス
電圧印加時に素子に流れる電流を測定して抵抗値を求め
て、1MΩ以上の抵抗を示した時に通電フォーミングを
終了した。
【0109】(活性化工程)前記のフォーミングと同様
にフード状の蓋をかぶせて基板21との間で内部に真空
空間を作り、外部から両方向配線24,26を通じてパ
ルス電圧を素子電極2,3に繰り返し印加することによ
って行う。そして炭素原子を含むガスを導入し、それに
由来する炭素あるいは炭素化合物を、前記亀裂近傍にカ
ーボン膜として堆積させる。
【0110】本工程ではカーボン源としてトリニトリル
を用い、スローリークバルブを通して真空空間内に導入
し、1.3×10-4Paを維持した。
【0111】図11に、活性化工程で用いられる電圧印
加の好ましい一例を示した。印加する最大電圧値は、1
0〜20Vの範囲で適宜選択される。
【0112】図11(a)に於いて、T1は電圧波形の
正と負のパルス幅、T2はパルス間隔であり、電圧値は
正負の絶対値が等しく設定されている。また、図11
(b)に於いて、T1およびT1’はそれぞれ電圧波形
の正と負のパルス幅、T2はパルス間隔であり、T1>
T1’、電圧値は正負の絶対値が等しく設定されてい
る。
【0113】本実施例では、約60分後に放出電流Ie
がほぼ飽和に達した時点で通電を停止し、スローリーク
バルブを閉め、活性化処理を終了した。
【0114】以上の工程で、基板上に多数の電子放出素
子をマトリクス配線接続してなる電子源基板を作成する
ことができた。
【0115】次に、以上のようにして製造した単純マト
リクス配置の電子源基板を用いて図14に示したような
画像形成装置(表示パネル)を製造した。尚、図14は
内部を表現するために部分的に切り欠いて表している。
【0116】図14において、21は上記の電子源基
板、82はガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタル
バック85等が形成されたフェースプレート、86は支
持枠である。電子源基板21、支持枠86及びフェース
プレート82をフリットガラスによって接着し、480
℃で、30分焼成することで、封着して、外囲器90を
得た。
【0117】このようにして図14に示されるような表
示パネルを製造し、図16の走査回路・制御回路・変調
回路・直流電圧源などからなる駆動回路を接続し、パネ
ル状の画像形成装置を製造した。
【0118】行方向端子と列方向端子を通じて、各電子
放出素子に時分割で所定電圧を印加し、高電圧端子Hv
を通じてメタルバック85に高電圧を印加することによ
って、任意のマトリクス画像パターンを画素欠陥の無い
良好な画像品質で表示することができた。
【0119】[実施例2]本実施例も、図5に示したよ
うな多数の表面伝導型電子放出素子をマトリクス配線接
続してなる電子源基板を製造した例である。
【0120】図2は本実施例の電子源基板における配線
構造の特徴を表す上面模式図である。同図において30
は行方向配線(上配線)に設けた開口部であり、他は図
1と同じである。なお、同図においては、説明のために
1素子分のエリアのみを抽出して図示しており、実際の
装置においてはこれが縦横に複数個配列されている。
【0121】本実施例は、行方向配線26にコンタクト
ホール28と部分的に重なる開口部30を設けたもので
あり、以下に示す絶縁層及び行方向配線(上配線)の形
成方法以外は実施例1と同様である。
【0122】(絶縁層の形成)図2(a)のような円形
のコンタクトホール28を有する絶縁層25を、列方向
配線(下配線)24と同様な方法でガラスフォトペース
トを用いて作製した。ここで、コンタクトホール28は
素子電極2の少なくとも一部がコンタクトホール28内
に剥き出しになる位置に作製した。なお、絶縁層25は
複数回同じ工程を通して絶縁に必要な膜厚を得る。
【0123】(上配線の形成)先に形成した絶縁層25
の上に、図2(b)のような開口部30を有する行方向
配線(上配線)26をAgぺーストインキを用いたスク
リーン印刷法により形成した。この行方向配線26は、
絶縁層25を挟んで列方向配線(下配線)24と交差し
ており、絶縁層25に設けたコンタクトホール28部分
で素子電極2と接続されている。
【0124】このとき、行方向配線(上配線)26の開
口部30は絶縁層25のコンタクトホール28よりも小
さな円形で、かつ、円の中心が重なる位置に作製した。
すると、印刷直後は図2(b)のようであるが、コンタ
クトホール28のエッジ内周付近に転写されたペースト
が自らの流動性によりコンタクトホール28の壁面を伝
いながらコンタクトホール28の凹部を充填していくた
め空気を抱き込まずにコンタクトホール28をペースト
で充填し、かつ、最終的に開口の無いストライプ状の形
状をした行方向配線(上配線)26を形成できた。その
後、同基板の乾燥、焼成を経て配線作製が完了する。
【0125】以下、実施例1と同様に電子源基板を作製
し、この電子源基板を用いて図14に示したような画像
形成装置(表示パネル)を製造した。その結果、本実施
例の画像形成装置においても任意のマトリクス画像パタ
ーンを画素欠陥の無い良好な画像品質で表示することが
できた。
【0126】[実施例3]本実施例も、図5に示したよ
うな多数の表面伝導型電子放出素子をマトリクス配線接
続してなる電子源基板を製造した例である。
【0127】図3は本実施例の電子源基板における配線
構造の特徴を表す上面模式図である。同図において図1
中の符号と同一符号のものは同一部材である。なお、同
図においては、説明のために1素子分のエリアのみを抽
出して図示しており、実際の装置においてはこれが縦横
に複数個配列されている。
【0128】本実施例は、行方向配線(上配線)26を
コンタクトホール28からずらし、行方向配線(上配
線)26がコンタクトホール28を全て覆わないように
したものであり、以下に示す絶縁層及び行方向配線(上
配線)の形成方法以外は実施例1と同様である。
【0129】(絶縁層の形成)図3(a)のような矩形
のコンタクトホール28を有する絶縁層25を、列方向
配線(下配線)24と同様な方法でガラスフォトペース
トを用いて作製した。ここで、コンタクトホール28の
位置を絶縁層25の中央ではなく、素子電極2側の絶縁
層25エッジ近傍で、かつ、行方向配線(上配線)26
を形成したときに少なくともコンタクトホール28の素
子電極2側の辺が行方向配線(上配線)26で覆われな
い位置とした。なお、絶縁層25は複数回同じ工程を通
して絶縁に必要な膜厚を得る。
【0130】(上配線の形成)先に形成した絶縁層25
の上に、図3(b)のようなストライプ状の行方向配線
(上配線)26をAgぺーストインキを用いたスクリー
ン印刷法により形成した。この行方向配線26は、絶縁
層25を挟んで列方向配線(下配線)24と交差してお
り、絶縁層25に設けたコンタクトホール28部分で素
子電極2と接続されている。
【0131】このとき、上述のように、コンタクトホー
ル28の素子電極2側の辺はペーストが転写されない。
そして、コンタクトホール28内で、かつ、行方向配線
(上配線)26下の空間は大気中に開放状態となってい
るため、ペーストが流動してコンタクトホール28を充
填していくときに充分な空気の逃げ場が存在することに
なる。これにより、空気の抱き込みのないストライプ状
の行方向配線(上配線)26が得られた。その後、同基
板の乾燥、焼成を経て配線作製が完了する。
【0132】なお、本実施例においては行方向配線(上
配線)26をストライプパターンとしたが、より効果を
あげるために実施例2のように行方向配線26にコンタ
クトホール28と部分的に重なる開口部を設けても良
い。
【0133】また、本実施例において重要な点は行方向
配線(上配線)形成時にコンタクトホールを一部覆わな
い点であり、同様の効果は、例えばコンタクトホールを
絶縁層中央に配置し、行方向配線(上配線)を配線方向
で2分割して形成した場合でも同様の効果を得ることが
できるため、必ずしも本実施例とおりの構成である必要
は無い。
【0134】以下、実施例1と同様に電子源基板を作製
し、この電子源基板を用いて図14に示したような画像
形成装置(表示パネル)を製造した。その結果、本実施
例の画像形成装置においても任意のマトリクス画像パタ
ーンを画素欠陥の無い良好な画像品質で表示することが
できた。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法に従
い配線を作製するならば、上配線と素子電極の電気的接
続不良のない配線作製が可能となり、素子特性のばらつ
きの少ない電子源基板を得ることができる。また結果と
して、表示品位の良い画像形成装置を形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る電子源基板における配
線構造の特徴を表す上面模式図である。
【図2】本発明の実施例2に係る電子源基板における配
線構造の特徴を表す上面模式図である。
【図3】本発明の実施例3に係る電子源基板における配
線構造の特徴を表す上面模式図である。
【図4】本発明の電子源基板に設けられる電子放出素子
の一構成例を模式的に示す平面図及び断面図である。
【図5】電子源基板の一構成例を模式的に示す平面図で
ある。
【図6】図5の電子源基板の製造工程を説明するための
図である。
【図7】図5の電子源基板の製造工程を説明するための
図である。
【図8】図5の電子源基板の製造工程を説明するための
図である。
【図9】図5の電子源基板の製造工程を説明するための
図である。
【図10】フォーミング電圧の例を示す図である。
【図11】活性化電圧の例を示す図である。
【図12】本発明に係る電子放出素子の特性を測定する
ための装置を模式的に示す図である。
【図13】本発明に係る表面伝導型電子放出素子の素子
電流及び放出電流と素子電圧との関係を示す図である。
【図14】本発明に係る画像形成装置の一構成例を模式
的に示す斜視図である。
【図15】本発明に係る画像形成装置における蛍光膜の
例を模式的に示す図である。
【図16】本発明に係る画像形成装置の駆動回路図であ
る。
【図17】本発明の実施例に係る電子源基板の製造工程
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板 2、3 素子電極 4 導電性膜 5 電子放出部 21 電子源基板 24 列方向配線(下配線) 25 絶縁層 26 行方向配線(上配線) 28 コンタクトホール 29 絶縁層に設けた切り込み部 30 行方向配線(上配線)に設けた開口部 50 素子電流Ifを測定するための電流計 51 素子に素子電圧Vfを印加するための電源 52 放出電流Ieを測定するための電流計 53 アノード電極に電圧を印加するための高圧電源 54 放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極 55 真空装置 56 排気ポンプ 71 液滴付与手段 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 90、101 外囲器(表示パネル) 91 黒色導電体 92 蛍光体 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 情報信号発生器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、複数の列方向配線と、該列方
    向配線の上に絶縁層を介して複数の行方向配線が形成さ
    れ、該両方向配線の交差部近傍にそれぞれ、電極対を含
    む電子放出素子が配設され、該電極対の一方が該列方向
    配線と、他方が該絶縁層に設けられたコンタクトホール
    を介して該行方向配線と接続された構成を有する電子源
    基板の製造方法において、 少なくとも前記行方向配線の形成直後には、前記コンタ
    クトホールが密閉されないように該行方向配線を形成す
    ることを特徴とする電子源の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記絶縁層に前記コンタクトホールに達
    する切込み部を設け、該切込み部を密閉しないように、
    前記行方向配線を形成することを特徴とする請求項1に
    記載の電子源基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記コンタクトホールの一部と重なる開
    口部を設けて前記行方向配線を形成することを特徴とす
    る請求項1に記載の電子源基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記行方向配線をスクリーン印刷法によ
    って形成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の電子源基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造
    方法によって製造したことを特徴とする電子源基板。
  6. 【請求項6】 電子源基板と、画像が形成される領域を
    備えた基板とが支持枠を介して対向し、該両基板の間の
    空間が減圧状態となっており、前記電子源基板に画像形
    成用の駆動回路が接続された構成を有する画像形成装置
    の製造方法において、前記電子源基板を、請求項1乃至
    4のいずれかに記載の製造方法によって製造することを
    特徴とする画像形成装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の製造方法によって製造
    したことを特徴とする画像形成装置。
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