JP2003109502A - 表示パネルの封着方法、表示パネルおよびこれを備える画像表示装置 - Google Patents

表示パネルの封着方法、表示パネルおよびこれを備える画像表示装置

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JP2003109502A
JP2003109502A JP2001301772A JP2001301772A JP2003109502A JP 2003109502 A JP2003109502 A JP 2003109502A JP 2001301772 A JP2001301772 A JP 2001301772A JP 2001301772 A JP2001301772 A JP 2001301772A JP 2003109502 A JP2003109502 A JP 2003109502A
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plates
display panel
temperature
vacuum
sealing
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Masaki Tokioka
正樹 時岡
Mitsutoshi Hasegawa
光利 長谷川
Hiroharu Ueda
弘治 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精度、かつ、簡単に高真空の表示パネルを作
製する。 【解決手段】リアプレート81とフェースプレート82
が第1の温度で融点を持つ接合部材206により接合さ
れて真空外囲器が形成される表示パネルの封着方法にお
いて、上記第1の温度より高い第2の温度で融点を持つ
空隙保持部材205がプレート間に挟持された状態でク
リップ207により固定されたパネル部材を、真空加熱
炉208内で上記第2の温度より低い温度で所定時間に
わたって加熱することでガスを放出させるとともに該放
出ガスを枯渇する工程と、その枯渇した放出ガスを真空
加熱炉208内から排気した後、上記第2の温度以上の
温度で上記パネル部材を加熱することで空隙保持部材2
05を変形させるとともに接合部材206を融解してプ
レート81、82を接合する工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス部材を接合
することにより真空外囲器が形成される表示パネルの封
着方法に関する。さらには、本発明はそのような封着方
法により作製される表示パネルおよびそれを備える画像
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の表示パネルの電子源としては、
熱電子源と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰
極電子源には電界放出型素子、金属/絶縁層/金属型素
子、表面伝導型電子放出素子(以下SCE素子と略す)
等がある。一例として、SCE素子をマトリクス状に配
置した電子源基板を用いた従来の表示パネルを図20に
示す。
【0003】図20を参照すると、この表示パネルは、
SCE素子である電子放出素子87がマトリクス状に多
数配置された電子源基板80を片面に持つリアプレート
81と、ガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバ
ック85等を形成してなるフェースプレート82と、こ
れらプレートが接合される支持枠86とからなる真空外
囲器90を備える。
【0004】電子源基板80には、SCE素子87の一
対の素子電極のそれぞれと接続されたX方向配線88及
びY方向配線89が形成されている(マトリクス配
線)。フェースプレート82には、電子源基板80の電
子放出素子87から放出された電子をガラス基板83の
蛍光膜84の方向に加速させるための電圧が供給される
高圧端子Hvが設けられている。
【0005】上記の表示パネルでは、X方向配線88及
びY方向配線89を介してSCE素子87の素子電極間
に選択的に十数Vの素子電圧Vfを印加すると、SCE
素子87から電子が放出される。その放出された電子
は、高圧端子Hvを介して数kVの電圧が印加されたア
ノードであるフェースプレート82に達し、蛍光膜84
の蛍光体を発光させる。このフェースプレート82にお
ける蛍光体の発光を制御することにより画像が表示され
る。
【0006】次に、上述した従来の表示パネルの外囲器
90の封着方法について具体的に説明する。
【0007】外囲器90を封着する場合は、リアプレー
ト81と支持枠86の一方の側の端面との間、およびフ
ェースプレート82と支持枠86の他方の側の端面との
間にそれぞれシール材であるフリットガラスを塗布また
は載置して、電気炉等の封着炉に入れ、またはホットプ
レートヒータに載せ(上下からホットプレートヒータで
挟む場合もある)て、容器全体を封着温度で加熱する。
この加熱処理により、フリットガラス材料が溶融し、流
動性が増した状態で、リアプレート81およびフェース
プレート82が支持枠86に接合されて封着される。通
常は、400〜500℃で10分以上焼成することで外
囲器90を封着している。
【0008】上記の外囲器90の一連の封着工程を全て
真空チャンバー中で行う事で、外囲器90内部を最初か
ら真空にすることが可能となり、かつ作製工程もシンプ
ルなものとなる。また、フェースプレート82とリアプ
レート81の間に、スペーサーと呼ばれる不図示の支持
体を設置することにより、大面積パネルの場合にも大気
圧に対して十分な強度を持つ外囲器90を構成すること
ができる。
【0009】以上説明したような真空外囲器を備える表
示パネルにおいて、SCE素子87を安定に長時間動作
させるためには外囲器90内を超高真空にする必要があ
る。そのため、通常は、外囲器90の内部に、封着時の
加熱により放出されたガスを吸着して真空を維持するゲ
ッタを設けることで、外囲器90内を超高真空に維持し
ている。
【0010】ゲッタには、蒸着型と非蒸発型がある。蒸
着型ゲッタの場合は、Ba等を主成分とする合金を、外
囲器90内で通電あるいは高周波により加熱することで
外囲器90内壁に蒸着膜を形成し(ゲッタフラッシ
ュ)、内部で発生したガスを活性なゲッタ金属面によっ
て吸着して高真空を維持する。一方、非蒸発型ゲッタの
場合は、外囲器90内にTi,Zr,V、Al,Fe等
のゲッタ材を配置し、真空中で加熱して、ガス吸着特性
を得る「ゲッタ活性化」を行うことで、放出ガスを吸着
する。図20に示した表示パネルにおいて、非蒸発型ゲ
ッタは、フェースプレート82の画像表示エリア(電子
放出素子87からの電子が蛍光膜84に照射されて画像
表示が行われる領域)、又は、リアプレートの電子源基
板80、或いは両プレートのガラス基板上に形成され
る。
【0011】なお、平面型の表示パネルの場合は、パネ
ル自体が薄いために、蒸着型ゲッタの設置領域や瞬時放
電のためのフラッシュ領域を十分確保することができな
いため、蒸着型ゲッタは画像表示エリア外の支持枠近傍
に設置されている。好ましくないガスを発生させる部分
は、主に電子ビームにより照射される画像表示エリアで
あるため、このような蒸着型ゲッタの配置では、ゲッタ
によるガス吸着(排気)を十分に行うことができない。
そこで、通常は、パネルを高真空で保持するために、放
出ガスの発生源である蛍光体や電子源近傍に非蒸発型ゲ
ッタが配置されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の表示パネルの封着手法には、以下のような問題
がある。
【0013】前述したように外囲器90の一連の封着工
程を真空チャンバー中で行えば、外囲器90内部を最初
から真空にすることができるものの、封着加熱時にリア
プレート81、フェースプレート82、X方向配線8
8、Y方向配線89及び蛍光膜84等からの放出ガスが
外囲器90内部に閉じ込められてしまう。内部に閉じ込
められた放出ガスはゲッタに吸着され、その結果、ゲッ
タの吸着能力が低下する。このために、表示パネルを駆
動した際に新たに発生する放出ガスをゲッタが充分に吸
着することができなくなり、パネルを高真空に維持でき
なくなる、という問題があった。
【0014】加えて、封着時に外囲器90内部に閉じ込
められた放出ガスの一部が、電子放出素子に吸着するた
めに、駆動初期の段階から電子放出素子の特性が損なわ
れるという問題もあった。
【0015】なお、大型の真空チャンバー内で、外囲器
90を封着する前に、350℃以上の真空ベーク工程を
行うことで、リアプレート81、フェースプレート8
2、X方向配線88、Y方向配線89及び蛍光膜84等
からガスを放出させて除去し、その後に、リアプレート
81およびフェースプレート82を支持枠86に近接さ
せて加熱封着するものもある。しかしながら、この場合
は、上述した放出ガスの問題を解決することができるも
のの、リアプレート81、フェースプレート82、支持
枠86などの部材を真空チャンバー内に搬入する装置が
必要となるとともに、真空チャンバー内にそれら部材を
固定するステージやその位置決めを行うための装置を配
置する必要があり、封着を行う装置自体が大型になり、
高価になるという問題がある。さらに加えて、そのよう
な大型の封着装置では、装置内を高真空に維持すること
が難しく、またプレートなどの位置決め精度も低いこと
から、高真空の表示パネルを高精度に作製することは困
難である。
【0016】本発明の目的は、上記問題を解決し、高真
空の表示パネルを小型な封着装置で高精度、かつ、簡単
に作製することのできる封着方法を提供することにあ
る。
【0017】本発明のさらなる目的は、そのような封着
方法により封着が施された表示パネルおよびそれを備え
た画像表示装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の表示パネルの封着方法は、対向して配置さ
れた第1および第2のプレートが接合されて真空外囲器
が形成される表示パネルの封着方法において、前記第1
および第2のプレートの間に、これらプレートを所定の
間隔で保持する空隙保持部材が挟持され、前記第1およ
び第2のプレートの両面から所定の圧力が加えられて固
定されたパネル部材を、真空加熱炉内で所定の温度で加
熱して、前記第1および第2のプレートおよびこれらプ
レート上に形成された部材からガスを放出させるととも
に該放出ガスを枯渇する第1の工程と、前記枯渇した放
出ガスを前記真空加熱炉内から排気した後、前記空隙保
持部材を変形または融解することで前記第1および第2
のプレートを近接させて前記接合を行う第2の工程とを
含むことを特徴とする。
【0019】また、本発明の表示パネルの封着方法は、
対向して配置された第1および第2のプレートが第1の
温度で融点を持つ接合部材により接合されて真空外囲器
が形成される表示パネルの封着方法において、前記第1
および第2のプレートの間に、これらプレートを所定の
間隔で保持する、前記第1の温度より高い第2の温度で
融点を持つ空隙保持部材が挟持され、前記第1および第
2のプレートの両面から所定の圧力が加えられて固定さ
れたパネル部材を、真空加熱炉内で前記第2の温度より
低い温度で所定時間にわたって加熱して前記第1および
第2のプレートおよびこれらプレート上に形成された部
材からガスを放出させるとともに該放出ガスを枯渇する
第1の工程と、前記枯渇した放出ガスを前記真空加熱炉
内から排気した後、前記第2の温度以上の温度で前記パ
ネル部材を加熱することにより、前記空隙保持部材を軟
化させ、変形させて前記第1および第2のプレートを近
接させるとともに、前記接合部材を融解して前記第1お
よび第2のプレートを接合する第2の工程とを含むこと
を特徴とする。
【0020】さらに、本発明の表示パネルの封着方法
は、対向して配置された第1および第2のプレートが第
1の温度で融点を持つ接合部材により接合されて真空外
囲器が形成される表示パネルの封着方法において、前記
第1および第2のプレートの間に、これらプレートを所
定の間隔で保持する、前記第1の温度より高い第2の温
度で融点を持つ空隙保持部材が前記接合部材と接するよ
うに挟持され、前記第1および第2のプレートの両面か
ら所定の圧力が加えられて固定されたパネル部材を、真
空加熱炉内で前記第2の温度以上の温度で所定時間にわ
たって加熱することで、前記第1および第2のプレート
およびこれらプレート上に形成された部材からガスを放
出させて、該放出ガスを枯渇するとともに、前記空隙保
持部材および接合部材を融解し合金化して前記第1およ
び第2のプレートを接合する第1の工程と、前記合金化
の際に、前記枯渇した放出ガスを前記真空加熱炉内から
排気する第2の工程とを含むことを特徴とする。
【0021】本発明の表示パネルは、対向して配置され
た第1および第2のプレートが接合されて真空外囲器が
形成される表示パネルにおいて、第1の温度で融点を持
つ接合部材によって前記第1および第2のプレートが接
合され、前記接合時における前記第1および第2のプレ
ート間の支持部材である、前記第1の温度より高い第2
の温度で融点を持つ空隙保持部材が前記真空外囲器の外
周部に設けられていることを特徴とする。
【0022】また、本発明の表示パネルは、対向して配
置された第1および第2のプレートが接合されて真空外
囲器が形成される表示パネルにおいて、第1の温度で融
点を持つ接合部材と、前記接合時における前記第1およ
び第2のプレート間の支持部材である、前記第1の温度
より高い第2の温度で融点を持つ空隙保持部材とが合金
化され、該合金化部により前記第1および第2のプレー
トの接合部の少なくとも一部が形成されていることを特
徴とする。
【0023】本発明の画像表示装置は、上記のいずれか
の表示パネルと、前記表示パネルに駆動電圧を供給して
画像表示を行わせる駆動回路とを有することを特徴とす
る。
【0024】上記のとおりの本発明によれば、第1およ
び第2のプレート(フェースプレートおよびリアプレー
ト)およびこれらプレート上に形成された部材(X方向
配線、Y方向配線および蛍光膜)からガスを放出させて
枯渇し、該枯渇した放出ガスを真空加熱炉内から排気し
た後、真空加熱炉内を高真空に保持した状態で、第1お
よび第2のプレートの接合が行われるので、真空外囲器
内に前述の課題で述べた放出ガスが残ることはない。
【0025】また、本発明によれば、第1および第2の
プレートの間に空隙保持部材が挟持され、両プレート面
から所定の圧力が加えられて固定された状態、すなわち
組みつけられた状態のパネル部材を真空加熱炉内で加熱
処理するようになっているので、真空加熱炉内にそれら
パネル部材を固定するためのステージやその位置決めを
行うための装置を配置する必要がない。
【0026】さらに、従来は、真空加熱炉内でプレート
の位置決めが行われていたために、その位置決め精度が
低いものになっていたが、本発明では、プレートの位置
決め(パネル部材の組み付け)は、真空加熱炉外で行わ
れるため、パネル部材を高精度に組み付けることが可能
である。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0028】(第1の実施形態)図2は、本発明の第1
の実施形態である表示パネルの封着方法が適用された表
示パネルの一例を示す図で、(a)はパネルの一部を切
り欠いた斜視図、(b)は(a)に示すパネルの破線部
aの断面拡大図である。
【0029】図2(a)に示す表示パネルは、リアプレ
ート81と、このリアプレート81と対向して配置され
たフェースプレート82と、これらプレートを支持する
支持枠86とからなる外囲器90を備える。リアプレー
ト81は、SCE素子である電子放出素子87がマトリ
クス状に多数配置され、これらSCE素子87の一対の
素子電極がX方向配線88、Y方向配線89にそれぞれ
接続された電子源基板80を片面に持つ。フェースプレ
ート82は、内面に蛍光膜84とメタルバック85等が
形成されたガラス基板83よりなる。これらリアプレー
ト81、支持枠86及びフェースプレート82は前述の
図20に示したものとほぼ同様であり、外囲器90内に
は、蒸発型ゲッタや非蒸発型ゲッタなどのゲッタが設け
られている。ただし、外囲器90の封着構造は図20に
示したそれとは異なる。
【0030】以下、図2(b)を参照して外囲器90の
封着構造を具体的に説明する。
【0031】支持枠86はリアプレート81にフリット
ガラス203によって接着され、400〜500℃で1
0分以上焼成することで固定されている。支持枠86と
フェースプレート82は接合部材206により接着され
ている。接合部材206としては、リアプレート81と
フェースプレート82の熱膨張率の差を吸収することが
できるように比較的柔らかいもの(弾性を有するもの)
で、高温でもガス放出の少ない材料を用いる。金属や合
金は、溶媒やバインダを含んでいないため、融点で溶け
出した時の放出ガスが非常に少なく、接合部材として望
ましい。本実施形態では、接合部材206に融点の低い
金属Inを用いる。
【0032】支持枠86及びフェースプレート82の接
合部材206によって接着される箇所には、界面での密
着性を高めるために、下引き層204が設けられてい
る。本実施形態では、下引き層204として、接合部材
206に用いられる金属Inに対して濡れ性の良い銀を
用いる。銀を用いた場合、銀ペーストを用いてスクリー
ン印刷などにより下引き層204を容易にパターニング
することができるという利点がある。この他、下引き層
204としては、接合部材206に金属Inを用いた場
合、ITOやPtなど真空蒸着法により簡単に形成でき
る金属薄膜でも充分である。
【0033】外囲器90の外周部には、一端がリアプレ
ート81に当接され、他端がフェースプレート82に当
接された空隙保持部材205が設けられている。この空
隙保持部材205は、外囲器90を封着する際に用いら
れた機能部材であり、場合によっては、外囲器90の封
着後に、その一部または全部が取り除かれる。空隙保持
部材206としては、融点での放出ガスが少なく、か
つ、融点以下の温度では軟化しないもの、例えば金属や
合金が望ましい。なお、空隙保持部材206を金属や合
金よりなる導体で形成した場合、空隙保持部材206
は、フェースプレート82上の高圧端子の引き出し配線
や、リアプレート81上のX方向配線88、Y方向配線
89とショートしないように設ける必要がある。
【0034】次に、上記の封着構造を備える表示パネル
の封着手順について具体的に説明する。図1は、本発明
の第1の実施形態である表示パネルの封着方法を説明す
るための模式図、図3はその封着手順を示す工程図であ
る。
【0035】高さが1.8mmの支持枠86が接着され
たリアプレート81と、フェースプレート82とを対向
して配置し、支持枠86の外周に沿って配置された複数
本の円柱形状の空隙保持部材205をそれらプレートの
間に挟み込んだ状態で、複数個のクリップ207により
両プレートを挟んで固定する。支持枠86の、フェース
プレート82と接合される面には、全面にわたって接合
部材206が設けられているが、この接合部材206と
フェースプレート82とは空隙保持部材205によって
所定の間隔で保持されている。このようにして組み付け
たパネル部材を真空加熱炉208内へ投入する(ステッ
プS10)。クリップ207は、400℃程度の高温で
も弾性を失わない材料が用いられており、一定のバネ圧
によりリアプレート81とフェースプレート82を互い
に接近される方向へ押し付ける。空隙保持部材205
は、SnとAgを主成分とする高温半田材料を円柱状に
加工したもので、その融点より低い温度ではクリップ2
07のバネ圧に耐える強度をもつ。
【0036】次いで、投入されたパネル部材(組みつけ
た状態のもの)を350℃で2時間ほど加熱して各パネ
ル部材から放出されるガスを除去する(ステップS1
1)。図4は、加熱温度と真空加熱炉内の真空度の関係
を示す図である。図4中、実線が真空加熱炉内のヒータ
部の温度変化を示し、破線が真空加熱炉内の真空度の変
化を示す。投入されたパネル部材を350℃まで加熱す
ると、リアプレート81、フェースプレート82、X方
向配線88、Y方向配線89及び蛍光膜84から大量の
ガスが放出され、真空加熱炉208の内部の真空度が劣
化する(図4の破線を参照)。2時間ほど350℃で加
熱保持する間に、放出ガスが枯渇し始め真空加熱炉20
8に備えられた不図示の真空排気手段により炉内の真空
度が10-7Pa台まで改善する。
【0037】放出ガスが除去されて真空加熱炉208内
が高真空に維持されると、続いて、パネル部材を空隙保
持部材205の融点(接合部材206の融点より高い)
まで加熱する(ステップS12)。この加熱処理によ
り、空隙保持部材205が軟化し、クリップ27のバネ
圧によって空隙保持部材205が変形し、フェースプレ
ート82が支持枠86に設けられた接合部材206に当
接されて接合される。この接合の際、接合部材206は
融解し流動性が増した状態となっており、その結果、封
着時に外囲器90内部の真空が保持されることになる。
パネル部材は、接合後、自然冷却により室温まで冷却さ
れる。
【0038】以上の封着プロセスによれば、リアプレー
ト81、フェースプレート82、X方向配線88、Y方
向配線89及び蛍光膜84からの放出ガスが除去された
後、真空加熱炉208を高真空に保持した状態で外囲器
90の封着が行われるので、前述の課題で述べた放出ガ
スの問題は生じない。よって、表示パネルを駆動した際
に新たに発生する放出ガスをゲッタが充分に吸着するこ
とができ、表示パネルを高真空に維持することができ
る。
【0039】また、上述した一連の封着プロセスは全て
真空チャンバー(真空加熱炉208)中で行われるの
で、外囲器90内部を最初から真空にすることができ、
結果的に工程もシンプルになる。
【0040】上述したステップS11における加熱処
理、すなわち350℃での加熱処理による脱ガスプロセ
スには、以下の2つの目的も含まれている。
【0041】第1の目的は、冷却後の外囲器90の真空
度を向上させるための真空ベークを行うことにある。電
子放出素子の寿命は、駆動時における、真空雰囲気中の
水の分圧が支配的と考えられており、10-11Pa以下
の分圧が望ましいため、真空ベークが必須である。
【0042】第2の目的は、後述する素子活性化プロセ
スにより形成されたカーボンのうち、電子放出部に付着
し素子特性に悪影響を与える余分なカーボンや不純物を
加熱により焼失させることで、安定な電子放出素子の特
性を得ることである。余分なカーボンの存在は、素子電
流の不安定性を生じさせるため、電気的に駆動させるデ
バイスに対しては不適であり、真空での高温加熱処理が
やはり必須と考えられる。
【0043】なお、一般には、真空ベークは、望ましく
は350℃以上の加熱が必要であるが、実験的には、2
00℃でも効果が少なくないことが確認されている。
【0044】以上説明した封着構造(図1の構成)およ
び封着条件(図4の加熱処理)は単なる一例であり、本
発明はこれに限定されるものではない。例えば、空隙保
持部材205は、リアプレートとフェースプレートを所
定の間隔で保持でき、所定の温度で過熱されると軟化
し、変形するのであれば、どのような材料、形状であっ
てもよい。また、加熱条件も、空隙保持部材205およ
び接合部材206の材質など応じて適宜変更可能であ
る。
【0045】次に、本実施形態の封着方法が適用される
表示パネルの各構成要素について、その構成および形成
プロセスを詳細に説明する。
【0046】<電子放出素子>ここでは、表面伝導型電
子放出素子の典型的な素子構成であるM.ハートウェル
の素子構成について説明する。図5の(a)は、M.ハ
ートウェルの素子構成の上面図、(b)はその断面図で
ある。
【0047】図5を参照すると、このSCE素子は、ガ
ラス等からなる基板1上に素子電極間隔L、素子電極長
さWの一対の素子電極2、3が形成され、これら素子電
極2、3を跨ぐように導電性薄膜4が形成され、この導
電性薄膜4の中央付近に電子放出部5が形成された構造
になっている。
【0048】基板1の大きさおよび厚みは、その基板上
に設置される電子放出素子の個数、サイズ、さらには外
囲器を構成する際の耐大気圧構造等の力学的強度等を考
慮して適宜設定される。基板1のガラスの材質として
は、兼価な青板ガラスを使うことが一般的であるが、基
板上にナトリウムブロック層として厚さ0.5μmのシ
リコン酸化膜をスパッタ法で形成した基板等を用いる場
合もある。この他にナトリウムなどのアルカリイオンが
少ないガラスや、石英基板を用いて基板1を作製するこ
ともできる。本実施形態では、プラズマディスプレイ用
電気ガラスである。アルカリ成分の少ないPD−200
(旭硝子(株)社製)を使用している。
【0049】素子電極2、3の材料としては、一般的な
導体材料が用いられる。例えばNi、Cr、Au、M
o、Pt、Ti等の金属やPd−Ag等の金属が好適で
ある。また、金属酸化物とガラス等から構成される印刷
導体や、ITO等の透明導電体等を用いることできる。
いずれの場合も、素子電極の膜厚は、好ましくは数百Å
から数μmの範囲が適当である。
【0050】素子電極間隔L、素子電極長さW、素子電
極形状等は、実素子が応用される形態等に応じて適宜設
計されるものであるが、素子電極間隔Lは好ましくは数
千Å〜1mmであり、より好ましくは素子電極間に印加
される電圧等を考慮して1μm〜100μmの範囲であ
る。また、素子電極長さWは、好ましくは電極の抵抗
値、電子放出特性を考慮して数μm〜数百μmの範囲で
ある。
【0051】素子電極2、3には、市販の白金Pt等の
金属粒子を含有したペーストを、オフセット印刷等の印
刷法によって塗布形成することも可能である。また、よ
り精密なパターンを得る目的で、白金Pt等を含有する
感光性ペーストをスクリーン印刷等の印刷法で塗布し、
フォトマスクを用いて露光、現像するという工程でも形
成可能である。
【0052】導電性薄膜4としては、良好な電子放出特
性を得るために、微粒子で構成された微粒子膜が特に好
ましい。導電性薄膜4の膜厚は、素子電極2、3へのス
テップカバレージ、素子電極間の抵抗値、および後述す
るフォーミング処理条件等を考慮して適宜設定される
が、好ましくは数Å〜数千Åであり、より好ましくは1
0Å〜500Åの範囲とするのが良い。本出願人らの研
究によると、導電性薄膜4の導電性膜材料には、一般に
はパラジウムPdが適しているが、これに限ったもので
はない。導電性薄膜4の成膜方法としては、スパッタ
法、溶液塗布後に焼成する方法などが適宜用いられる。
【0053】電子放出部5は、導電性薄膜4の成膜後
に、フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことで形成
する。例えば、有機パラジウム溶液を塗布後、焼成して
酸化パラジウムPdO膜を形成することで導電性薄膜4
を形成し、その後、水素が共存する還元雰囲気下で通電
加熱してパラジウムPd膜とし、同時に亀裂部を形成す
ることで電子放出部5を形成する。
【0054】上記のように構成されたSCE素子では、
一対の素子電極2、3間に所定の電圧を印加して導電性
薄膜4の表面(素子表面)に電流(放出電流)を流すこ
とで、電子放出部5の亀裂付近から電子が放出される。
なお、図5に示した例では、電子放出部5は導電性薄膜
4の中央に矩形の形状で示されているが、これは模式的
に示したものであり、実際の電子放出部の位置や形状を
忠実に表現しているわけではない。
【0055】<電子源基板形成プロセス>図6〜図10
は、上述したようなSCE素子を備える電子源基板の形
成プロセスの一例を示す工程説明図である。以下、図6
〜図10を参照して、電子源基板の形成プロセスを説明
する。
【0056】[ガラス基板/素子電極形成]図6に示す
ように、ガラス基板21上に素子電極22、23をスパ
ッタ法により形成する。ここでは、まず、下引き層とし
て膜厚5nmのチタニウムTi膜を形成し、さらにその
上に膜厚40nmの白金Pt膜を成膜した後、ホトレジ
ストを塗布し、露光、現像、エッチングという一連のフ
ォトリソグラフィー法によって素子電極22、23のパ
ターニングを行った。素子電極22、23は、間隔Lを
10μm、対応する長さWを100μmとした。
【0057】[Y方向配線(下配線)形成]素子電極2
2、23が形成されると、続いて、図7に示すように、
共通配線としてのY方向配線(下配線)24を一方の素
子電極23を列方向に連結するようにライン状のパター
ンで形成する。ここでは、材料に銀Agフォトぺースト
インキを用いてスクリーン印刷した後、乾燥させてか
ら、所定のパターンに露光し現像した。現像後、480
℃前後の温度で焼成してY方向配線24を形成した。Y
方向配線24の厚さは約10μm、幅は50μmとし
た。なお、Y方向配線24の終端部は配線取り出し電極
として使うために、線幅をより大きくした。
【0058】[層間絶縁層形成]Y方向配線24が形成
されると、続いて、図8に示すように、後述のX方向配
線(上配線)26とY方向配線24を絶縁するための層
間絶縁層25をY方向配線24と交わるように形成す
る。この層間絶縁層25は、Y方向配線24とX方向配
線26との交差部を覆うように形成されており、層間絶
縁層25には、X方向配線26と他方の素子電極22と
の電気的接続が可能なように、接続部にコンタクトホー
ル28が開けられている。ここでは、まず、PbOを主
成分とする感光性のガラスペーストをスクリーン印刷し
た後、露光−現像した。これを4回繰り返し、最後に4
80℃前後の温度で焼成して層間絶縁層25を形成し
た。この層間絶縁層25の厚みは全体で約30μmと
し、幅は150μmとした。
【0059】[X方向配線(上配線)形成]層間絶縁層
25が形成されると、続いて、図9に示すように、X方
向配線(上配線)26をY方向配線24と交わるように
層間絶縁層25上に形成する。ここでは、層間絶縁層2
5上にAgペーストインキをスクリーン印刷した後、乾
燥させるという工程を2度繰り返して行い(2度塗
り)、その後、480℃前後の温度で焼成してX方向配
線26を形成した。このようにして形成したX方向配線
26は、層間絶縁層25に開けられたコンタクトホール
28を介して素子電極22と電気的に接続される。すな
わち、このX方向配線26は、素子電極22を行方向に
連結しており、パネル化した後は走査電極として作用す
る。このX方向配線26の厚さは約15μmとした。な
お、図示していないが、外部駆動回路への引出し端子も
これと同様の方法で形成した。
【0060】以上の工程により、XYマトリクス配線を
有する基板が形成されたことになる。X方向配線26お
よびY方向配線24に関しては、多数の表面伝導型素子
にほぼ均等な電圧が供給されるように低抵抗である事が
望まれ、材料、膜厚、配線幅等は適宜設定される。
【0061】[素子膜形成]XYマトリクス配線が形成
されると、続いて、図10に示すように、素子電極2
2、23を跨ぐように表面伝導型電子放出素子膜27を
形成する。ここでは、まず、基板21を十分にクリーニ
ングした後、撥水剤を含む溶液で表面を処理し、表面が
疎水性になるようにした。これは、この後に塗布する素
子膜形成用の水溶液が、素子電極上に適度な広がりをも
って形成されるようにする事が目的である。具体的に
は、撥水剤としてDDS(ジメチルジエトキシシラン)
溶液をスプレー法にて基板21上に散布し、120℃に
て温風乾燥した。その後、素子電極22、23間にイン
クジェット塗布方法により素子膜27を形成した。
【0062】図11の(a)、(b)に、この素子膜形
成の工程を模式的に示す。この例では、素子膜としてパ
ラジウム膜を得る目的で、先ず水とイソプロピルアルコ
ール(IPA)が85:15の割合で混ぜられた水溶液
に、パラジウム−プロリン錯体(0.15重量%)を溶
解し、有機パラジウム含有溶液を得た。この他若干の添
加剤を加えた。この溶液の液滴を、例えばピエゾ素子を
用いたインクジェット噴射装置よりなる液滴付与装置2
9で、ドット径が60μmとなるように調整して素子電
極22、23間に付与した(図11(b)参照)。その
後、この基板21を空気中にて、350℃で10分間の
加熱焼成処理をして酸化パラジウム(PdO)とした。
ドットの直径が約60μm、厚みが最大で10nmの膜
が得られた。このようにして得られた酸化パラジウム膜
の平面性、及び均一性が素子特性に大きく影響する。
【0063】実際の素子膜形成工程では、基板21上に
おける個々の素子電極の平面的ばらつきを補償するため
に、基板21上の数箇所に於いてパターンの配置ずれを
観測し、観測点間のポイントのずれ量は直線近似して位
置補完した上で、素子膜形を形成する。これにより、全
画素の位置ずれをなくし、対応した位置に的確に素子膜
を形成することが可能となる。
【0064】以上の工程により、素子部分に酸化パラジ
ウムPdO膜(導電性薄膜)が形成された。
【0065】[還元フォーミング]次に、フォーミング
と呼ばれる本工程に於いて、上記導電性薄膜を通電処理
して内部に亀裂を生じさせ、電子放出部27aを形成す
る。図11の(c)、(d)に、この還元フォーミング
の工程を模式的に示す。
【0066】この還元フォーミングでは、具体的には、
上記基板21の周囲の取り出し電極部を残して、基板全
体を覆うようにフード状の蓋をかぶせて基板との間で内
部に真空空間を作り、外部電源より電極端子部からY方
向配線24とX方向配線26の間に電圧を印加して、素
子電極22、23間を通電する(図11(c)参照)。
この通電処理によって、導電性薄膜を局所的に破壊、変
形もしくは変質させることにより、電気的に高抵抗な状
態の電子放出部27aを形成する(図11(d)参
照)。
【0067】上記の通電の際、若干の水素ガスを含む真
空雰囲気下で通電加熱すると、水素によって還元が促進
されて、酸化パラジウムPdOがパラジウムPd膜に変
化する。この変化時に、膜の還元収縮によって、一部に
亀裂が生じて電子放出部27aが形成される。この亀裂
発生位置、及びその形状は元の膜の均一性に大きく影響
される。多数の素子の特性ばらつきを抑えるのに、上記
亀裂は中央部に起こり、かつ、なるべく直線状になるこ
とがより望ましい。
【0068】なお、上述のフォーミングにより形成した
亀裂付近からも、所定の電圧下では電子放出が起こる
が、現状の条件では、まだ発生効率が非常に低いものと
なっている。また、得られた導電性薄膜の抵抗値は、1
2から107Ωの値であった。
【0069】ここで、フォーミング処理に用いた電圧波
形について簡単に紹介する。
【0070】図12に、フォーミング処理に用いた電圧
波形の一例を示す。パルス波形の印加電圧を用いてフォ
ーミング処理を行う場合、図12(a)に示すようにパ
ルス波高値が定電圧のパルスを印加する場合と、図12
(b)に示すようなパルス波高値を増加させながら印加
する場合とがある。
【0071】図12(a)中、T1は電圧波形のパルス
幅、T2はパルス間隔である。この例では、パルス幅T
1を1μsec〜10msec、パルス間隔T2を10
μsec〜100msecとして、三角波の波高値(フ
ォーミング時のピーク電圧)を適宜選択する。
【0072】図12(b)の例では、パルス幅T1とパ
ルス間隔T2は上記の図15(a)の例のばあいと同様
であるが、三角波の波高値(フォーミング時のピーク電
圧)を、例えば0.1Vステップ程度ずつ増加させるよ
うになっている。
【0073】フォーミング処理の終了は、フォーミング
用パルスの間に、導電性膜を局所的に破壊、変形しない
程度の電圧、例えば0.1V程度のパルス電圧を挿入し
て素子電流を測定し、その測定結果から抵抗値を求め、
その求めた抵抗値が例えばフォーミング処理前の抵抗に
対して1000倍以上の抵抗を示した時点とした。
【0074】[活性化−カーボン堆積]先に述べたよう
に、上記フォーミング処理が施されただけの状態では、
電子発生効率が非常に低いものとなっている。よって、
電子放出効率を上げるために、上記素子に活性化と呼ば
れる処理を行うことが望ましい。この処理では、有機化
合物が存在する適当な真空度のもとで、上述のフォーミ
ングと同様に、フード状の蓋をかぶせて基板との間で内
部に真空空間を作り、外部からXY配線(24、26)
を通じてパルス電圧を素子電極22、23に繰り返し印
加する。そして、炭素原子を含むガスを導入し、それに
由来する炭素あるいは炭素化合物を、上述した亀裂近傍
にカーボン膜として堆積させる。
【0075】この活性化工程では、例えばカーボン源で
あるトリニトリルを、スローリークバルブを通して真空
空間内に導入し、1.3×10-4Paを維持した。導入
するトリニトリルの圧力は、真空装置の形状や真空装置
に使用している部材等によって若干影響されるが、1×
10-5Pa〜1×10-2Pa程度が好適である。
【0076】図13(a)、(b)に活性化工程で用い
られる電圧印加の好ましい一例を示す。印加する最大電
圧値は、10〜20Vの範囲で適宜選択される。図13
(a)において、T1は電圧波形の正と負のパルス幅、
T2はパルス間隔であり、電圧値は正負の絶対値が等し
く設定されている。図13(b)において、T1、T
1’はそれぞれ電圧波形の正のパルス幅、負のパルス幅
であり、T2はパルス間隔であり、T1>T1’で、電
圧値は正負の絶対値が等しく設定されている。ここで
は、素子電極23に与える電圧を正としており、素子電
流Ifは、素子電極23から素子電極22へ流れる方向
が正である。約60分後に、放出電流Ieがほぼ飽和に
達した時点で、通電を停止し、スローリークバルブを閉
め、活性化処理を終了した。
【0077】以上の工程で、電子源素子を有する電子源
基板を作製する事ができた。
【0078】参考のために、SCE素子に関する技術に
ついて、本出願人による先行技術の一部を以下に紹介す
る。
【0079】インクジェット形成方式によるSCE素子
作製に関しては、特開平09−102271号公報や特開2000−
251665号公報に詳述されている。また、SCE素子をマ
トリクス状に配置した例としては、特開昭64-031332号
公報、特開平07-326311号公報に詳述されている。更に
は、SCE素子を備える電子源基板の配線形成方法に関
しては、特開平08-185818号公報や特開平09-050757号公
報に記載されており、駆動方法については特開平06-342
636号広報等に詳述されている。また、電子放出素子特
性の均一性を向上させる目的でSCE素子と直列に抵抗
素子を配置することが特開平2-247936号公報、特開平2-
247937号公報、特開平07-326283号公報に開示されてい
る。
【0080】<基板特性>以上説明したような作製手順
で作製された電子源基板の電子放出素子の基本特性につ
いて説明する。
【0081】図14は、前述した電子源基板のSCE素
子の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略
図である。評価対象であるSCE素子は、基板21上に
素子電極22、23が形成され、これら素子電極22、
23を跨ぐように素子膜27が形成されており、素子膜
27の中央付近には電子放出部27aが形成されてい
る。図14において、51は電子放出素子に素子電圧V
fを印加するための電源、50は素子電極22、23間
の電子放出部27aを含む素子膜27を流れる素子電流
Ifを測定するための電流計、54は素子の電子放出部
27aより放出される放出電流Ieを捕捉するためのア
ノード電極、53はアノード電極54に電圧を印加する
ための高圧電源、52は素子の電子放出部27aより放
出される放出電流Ieを測定するための電流計である。
【0082】電子放出素子およびアノード電極54は真
空装置55内に設置され、その真空装置55には排気ポ
ンプ56および真空計等の真空装置に必要な機器が具備
されており、所望の真空下で電子放出素子の測定評価を
行えるようになっている。アノード電極54は、電子放
出素子の上方に配置されており、電源53と電流計52
が接続されている。電子放出素子の素子電極間を流れる
素子電流If、及びアノードへの放出電流Ieの測定に
あたっては、素子電極22、23に電源51と電流計5
0とを接続する。なお、アノード電極54の電圧は1k
V〜10kV、アノード電極54と電子放出素子との距
離Hは2mm〜8mmの範囲とした。
【0083】図15は、図14に示した測定評価装置に
より測定された、電子放出素子の放出電流Ieおよび素
子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例を示す特
性図である。放出電流Ieと素子電流Ifは大きさが著
しく異なるが、図15の例では、If、Ieの変化の定
性的な比較検討のために、リニアスケールで縦軸を任意
単位で表記した。この測定結果から分かるように、素子
電極間に印加する電圧12Vにおける放出電流Ieを測
定した結果、平均0.6μA、電子放出効率は平均0.
15%を得た。また素子間の均一性もよく、各素子間で
のIeのばらつきは5%と良好な値が得られた。
【0084】上記の電子放出素子は放出電流Ieに対す
る以下の三つの特徴を有する。 (1)図15の測定結果からも明らかなように、電子放
出素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ。図15中のV
th。)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流I
eが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流
Ieがほとんど検出されない。すなわち、放出電流Ie
に対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子
としての特性を示しているのが判る。 (2)放出電流Ieが素子電圧Vfに依存するため、放
出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。 (3)アノード電極54に捕捉される放出電荷は、素子
電圧Vfを印加する時間に依存する。すなわち、アノー
ド電極54に捕捉される電荷量は、素子電圧Vfを印加
する時間により制御できる。
【0085】<封着−パネル化>上述したような単純マ
トリクス配置の電子源基板よりなるリアプレートと、フ
ェースプレートと、支持枠とから図1に示したパネルの
外囲器90を構成する。この外囲器90の封着は、先に
説明したとおりであるので、ここでは、その説明は省略
する。
【0086】図16の(a)、(b)は、図1に示した
画像表示装置のフェースプレート上に設ける蛍光膜の模
式図である。蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の
配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリ
クスなどと呼ばれる黒色導電体91と蛍光体92とで構
成される。ブラックストライプ、ブラックマトリクスが
設けられる目的は、カラー表示の場合必要となる三原色
蛍光体の、各蛍光体92間の塗り分け部を黒くすること
で混色等を目立たなくすることと、蛍光膜84における
外光反射によるコントラストの低下を抑制することであ
る。図16(a)の例では、黒色導電体91は略四角形
の開口がマトリクス状に設けられた構造になっており、
各開口部分に蛍光体92が形成されている。他方、図1
6(b)の例では、黒色導電体91の、蛍光体92が形
成される開口の形状が楕円状になっている。
【0087】図2に示したように、蛍光膜84の内面側
には、通常、メタルバック85が設けられている。メタ
ルバック85を設ける目的は、蛍光体の発光のうち、内
面側への光をフェースプレート82側へ鏡面反射するこ
とにより輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印
加するためのアノード電極として作用すること等であ
る。このようなメタルバック85は、蛍光膜作製後、蛍
光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼
ばれる)を行い、その後、A1を真空蒸着等で堆積する
ことで作製できる。
【0088】フェースプレート82には、リアプレート
81と同様、プラズマディスプレイ用電気ガラスであ
る、アルカリ成分の少ないPD−200(旭硝子(株)
社製)の材料が用いられている。このガラス材料は、ガ
ラスの着色現象が起きないこと、板厚を3mm程度にす
れば、10kV以上の加速電圧で駆動した場合でも、2
次的に発生する軟X線の漏れを抑える遮蔽効果が充分で
あること、などの利点を有する。
【0089】外囲器90の封着を行う際、カラーの場合
は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけ
ないため、上下基板の突き当て法などで十分な位置合わ
せを行う必要がある。
【0090】封着時の真空度は、10-6Pa程度の真空
度が要求される。外囲器90の封止後の真空度を維持す
るために、ゲッタ処理が行われる。ゲッタ処理では、例
えば、外囲器の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗
加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器内の
所定の位置(不図示)に配置されたゲッタを加熱し、蒸
着膜を形成する、といった処理が行われる。この場合、
ゲッタは通常、Ba等が主成分であり、その蒸着膜の吸
着作用により、たとえば10-3〜10-5Paの真空度を
維持することが可能である。
【0091】<画像表示素子>前述した本発明にかかわ
るSCE素子の基本的特性によれば、電子放出部からの
放出電子は、しきい値電圧以上では対向する素子電極間
に印加するパルス状電圧の波高値と幅によって制御さ
れ、その中間値によっても電流量が制御され、これによ
り中間調表示が可能になる。また、多数の電子放出素子
を配置した場合においては、各ラインの走査線信号によ
って選択ラインを決め、各情報信号ラインを通じて個々
の素子に上記パルス状電圧を適宜印加すれば、任意の素
子に適宜電圧を印加する事が可能となり、各素子をON
することができる。中間調を有する入力信号に応じて電
子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パ
ルス幅変調方式が挙げられる。
【0092】以下、駆動装置の概要について説明する。
【0093】図17は、本発明の画像表示装置の一実施
形態である、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレ
ビジョン表示用の画像表示装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【0094】図17において、101は単純マトリクス
配置の電子源を用いて構成した表示パネル、102は走
査回路、103は制御回路、104はシフトレジスタ、
105はラインメモリ、106は同期信号分離回路、1
07は情報信号発生器、Vaは直流高圧電源である。
【0095】電子放出素子を用いた表示パネル101の
X方向配線には、走査線信号を印加する走査ドライバー
(駆動回路)を備えた走査回路102が、Y方向配線に
は情報信号を印加するデータドライバー(駆動回路)を
備えた情報信号発生器107が接続されている。電圧変
調方式を実施する場合は、情報信号発生器107とし
て、一定の長さの電圧パルスを発生するが入力されるデ
ータに応じて、適宜パルスの波高値を変調するような回
路を用いる。また、パルス幅変調方式を実施する場合に
は、情報信号発生器107としては、一定の波高値の電
圧パルスを発生するが入力されるデータに応じて、適宜
電圧パルスの幅を変調するような回路を用いる。
【0096】制御回路103は、同期信号分離回路10
6から送られてくる同期信号Tsyncに基づいて、各部に
対してTscan、Tsft及びTmryの各制御信号を送出す
る。同期信号分離回路106は、外部から入力されるN
TSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と輝度信号
成分とを分離するための回路である。この輝度信号成分
は、同期信号に同期してシフトレジスタ104に入力さ
れる。
【0097】シフトレジスタ104は、制御回路103
より送られるシフトクロックに基づいてその動作が制御
され、時系列的にシリアルに入力される前記輝度信号
を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換する。
このシリアル/パラレル変換された画像1ライン分のデ
ータ(電子放出素子n素子分の駆動データに相当)は、
n個の並列信号としてシフトレジスタ104より出力さ
れる。
【0098】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、記憶された内容は、情報信号発生器107に入力さ
れる。情報信号発生器107は、各々の輝度信号に応じ
て、電子放出素子の各々を適切に駆動する為の信号源で
あり、その出力信号はY方向配線を通じて表示パネル1
01内に入り、X方向配線によって選択中の走査ライン
との交点にある各々の電子放出素子に印加される。X方
向配線を順次走査する事によって、パネル全面の電子放
出素子を駆動する事が可能になる。
【0099】以上説明したような、図1に示したパネル
を備える本画像表示装置において、各電子放出素子に、
パネル内のXY配線を通じて電圧を印加することにより
電子放出を行わせるとともに、高圧端子Hvを通じてア
ノード電極であるメタルバック85に高圧を印加し、各
電子放出素子から放出された電子を加速し、蛍光膜に衝
突させることによって、画像を表示することができる。
【0100】なお、ここで述べた画像形成装置の構成
は、本発明の画像形成装置の一例であり、本発明の技術
思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号につ
いてはNTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限ら
れるものではなく、PAL、HDTVなどでもよい。
【0101】(第2の実施形態)図18は、本発明の第
2の実施形態である表示パネルの封着方法を説明するた
めの模式図である。この図18に示した構造は、空隙保
持部材の構成が異なる以外は、前述の図1に示したもの
ほぼ同様のものである。図18中、同じ部材には同じ符
号を付している。
【0102】高さが1.8mmの支持枠86が接着され
たリアプレート81と、フェースプレート82とが対向
して配置され、支持枠86の、フェースプレート82と
接合される面には、全面にわたって接合部材206が設
けられている。フェースプレート82と接合部材206
の間には、Snを主成分とする複数の楔形状の空隙保持
部材205’が所定の間隔で設けられており、複数個の
クリップ207により両プレートが挟み込まれた状態で
固定されている。接合部材206とフェースプレート8
2とは、空隙保持部材205’によって所定の間隔で保
持されている。このようにして組み付けたパネル部材を
真空加熱炉208内へ投入する。
【0103】図19は、上記のパネル部材を封着する際
の加熱温度と真空加熱炉内の真空度の関係を示す図であ
る。図19中、実線が真空加熱炉内のヒータ部の温度変
化を示し、破線が真空加熱炉内の真空度の変化を示す。
投入されたパネル部材を350℃まで加熱すると、リア
プレート81、フェースプレート82、X方向配線8
8、Y方向配線89及び蛍光膜84から大量のガスが放
出され、真空加熱炉208の内部の真空度が劣化する
(図19の破線を参照)。2時間ほど350℃で加熱保
持する間に、放出ガスが枯渇し始め真空加熱炉208に
備えられた不図示の真空排気手段により炉内の真空度が
10-7Pa台まで改善する。
【0104】上記の加熱処理の際に、フェースプレート
82と支持枠86との接合が同時に行われる。すなわ
ち、本実施形態では、空隙保持部材205’は、Snを
主成分とする高温半田材料であるため、350℃で加熱
保持する間に、接合部材206と空隙保持部材205’
の界面において、接合部材206の主成分であるInと
空隙保持部材205’の主成分であるSnとの間で合金
化(俗に「食われ」と呼ばれている)が進む。合金化が
徐々に進むことで、空隙保持部材205’の形状が変化
し、その変化に伴ってリアプレート81とフェースプレ
ート82の間隔が狭まり、最終的には、支持枠86とフ
ェースプレート82が近接するまでに至り接合される。
接合後、パネル部材は自然冷却により室温まで冷却され
る。なお、リアプレート81、フェースプレート82、
X方向配線88、Y方向配線89及び蛍光膜84からの
大量の放出ガスは、上記の合金化が進む間に枯渇し、排
気されるので、接合後に外囲器90内に残ることはな
い。
【0105】本実施形態の封着方法によれば、前述した
第1の実施形態の場合と異なり、空隙保持部材205’
を軟化させるための再加熱処理(図3のステップS1
3)が不要である。そのため、封着にかかる時間もより
短縮されることになる。
【0106】なお、本実施形態では、合金化のし易いよ
うに、空隙保持部材205’の形状を楔型としている
が、合金化が徐々に進むことによって封着がなされるの
であれば他の形状にしてもよい。
【0107】以上説明した封着構造(図18の構成)お
よび封着条件(図19の加熱処理)は単なる一例であ
り、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
空隙保持部材205’は、合金化のし易いようにその形
状が楔型になっているが、合金化が徐々に進むことによ
って封着がなされるのであれば他の形状にしてもよい。
また、加熱条件も、空隙保持部材205’および接合部
材206の材質など応じて適宜変更可能である。
【0108】以上説明した各実施形態において、電子源
基板に設けられる電子放出素子としてSCE素子を例に
上げているが、本発明は、これに限定されるものではな
く、その他の電子放出素子、例えば電界放出型素子を用
いてもよい。
【0109】また、接合部材は、支持枠とフェースプレ
ートの間に設けられているが、本発明は、これに限定さ
れるものではない。例えば、リアプレートと支持枠の間
を接合部材で接合するような構造としてもよい。この場
合は、支持枠とフェースプレートの間がフリットガラス
で接着されることになる。また、支持枠とフェースプレ
ートの間、リアプレートと支持枠の間の両方を接合部材
で接合するような構造としてもよい。
【0110】さらに、各実施形態では、フェースプレー
トとリアプレートが支持枠に接合されることで外囲器が
形成されているが、本発明は、これに限定されるもので
はない。本発明の表示パネルの封着方法は、例えば支持
枠のないパネル構造にも適用することができる。この場
合は、フェースプレートとリアプレートが接合部材によ
り接合されるパネル構造になり、フェースプレートとリ
アプレートを所定の間隔で保持するために、高さ規定部
材が設けられる。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
真空外囲器内に前述の課題で述べた放出ガスが残ること
はないので、表示パネルを駆動した際に新たに発生する
放出ガスをゲッタにより充分に吸着することができ、表
示パネルを高真空に維持することができる。加えて、電
子放出素子への放出ガスの吸着も生じないので、駆動初
期の段階における電子放出素子の特性が従来と比べて格
段に向上する。よって、表示品位の良い画像表示を提供
することができる。
【0112】また、本発明によれば、真空加熱炉内にパ
ネル部材を固定するステージやその位置決めを行うため
の装置を配置する必要がないので、小型で低価格の封着
装置(真空加熱炉)を用いることができる。
【0113】さらに、本発明によれば、フェースプレー
トおよびリアプレートを組み付けたパネル部材を真空加
熱炉に投入して加熱および排気を行うだけで、表示パネ
ルの封着を行うことができるので、工程数の少ない、簡
単な封着プロセスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である表示パネルの封
着方法を説明するための模式図である。
【図2】図1に示す封着方法により作製された表示パネ
ルの一例を示す図で、(a)はパネルの一部を切り欠い
た斜視図、(b)は(a)に示すパネルの破線部aの断
面拡大図である。
【図3】図1に示す表示パネルの封着手順を示す工程図
である。
【図4】図1に示す表示パネルの封着の際の加熱温度と
真空加熱炉内の真空度の関係を示す図である。
【図5】(a)はM.ハートウェルの素子構成の上面
図、(b)はその断面図である。
【図6】図4に示すSCE素子を備える電子源基板の形
成プロセスを説明するための工程説明図である。
【図7】図4に示すSCE素子を備える電子源基板の形
成プロセスを説明するための工程説明図である。
【図8】図4に示すSCE素子を備える電子源基板の形
成プロセスを説明するための工程説明図である。
【図9】図4に示すSCE素子を備える電子源基板の形
成プロセスを説明するための工程説明図である。
【図10】図4に示すSCE素子を備える電子源基板の
形成プロセスを説明するための工程説明図である。
【図11】(a)〜(d)は、素子膜形成〜フォーミン
グの一連のプロセスを説明するための図である。
【図12】(a)および(b)は、フォーミング処理の
際の印加電圧波形の一例を示す波形図である。
【図13】(a)および(b)は、活性化工程で用いら
れる電圧印加の好ましい一例を示す図である。
【図14】SCE素子の電子放出特性を測定するための
測定評価装置の概略図である。
【図15】図14に示す測定評価装置により測定された
放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係
の典型的な例を示す特性図である。
【図16】(a)および(b)は、フェースプレート上
に設けられる蛍光膜の一例を示す模式図である。
【図17】本発明の画像表示装置の一実施形態である、
NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示
用の画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第2の実施形態である表示パネルの
封着方法を説明するための模式図である。
【図19】図18に示す表示パネルの封着の際の加熱温
度と真空加熱炉内の真空度の関係を示す図である。
【図20】SCE素子をマトリクス状に配置した電子源
基板を用いて表示パネルを構成した従来の表示パネルの
模式図である。
【符号の説明】
1 基板 2、3、22、23 素子電極 4 導電性薄膜 5、27a 電子放出部 21、80 電子源基板 24、88 X方向配線 25 層間絶縁層 26、89 Y方向配線 27 表面伝導型電子放出素子膜 28 コンタクトホール 29 液滴付与装置 50、52 電流計 51 電源 53 高圧電源 54 アノード電極 55 真空装置 56 排気ポンプ 81 リアプレート 82 フェースプレート 83 ガラス基板 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 支持枠 87 電子放出素子 90 外囲器 91 黒色導電体 92 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 動機信号分離回路 107 情報信号発生器 200 位置決め装置 205、205’ 空隙保持部材 206 接合部材 207 クリップ Hv 高圧端子
フロントページの続き (72)発明者 上田 弘治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA05 BC03 BC04 BD01 BD02 5C036 EE14 EE17 EF01 EF06 EF09 EG05 EG06 EH11 EH26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向して配置された第1および第2のプ
    レートが接合されて真空外囲器が形成される表示パネル
    の封着方法において、 前記第1および第2のプレートの間に、これらプレート
    を所定の間隔で保持する空隙保持部材が挟持され、前記
    第1および第2のプレートの両面から所定の圧力が加え
    られて固定されたパネル部材を、真空加熱炉内で所定の
    温度で加熱して、前記第1および第2のプレートおよび
    これらプレート上に形成された部材からガスを放出させ
    るとともに該放出ガスを枯渇する第1の工程と、 前記枯渇した放出ガスを前記真空加熱炉内から排気した
    後、前記空隙保持部材を変形または融解することで前記
    第1および第2のプレートを近接させて前記接合を行う
    第2の工程とを含むことを特徴とする表示パネルの封着
    方法。
  2. 【請求項2】 対向して配置された第1および第2のプ
    レートが第1の温度で融点を持つ接合部材により接合さ
    れて真空外囲器が形成される表示パネルの封着方法にお
    いて、 前記第1および第2のプレートの間に、これらプレート
    を所定の間隔で保持する、前記第1の温度より高い第2
    の温度で融点を持つ空隙保持部材が挟持され、前記第1
    および第2のプレートの両面から所定の圧力が加えられ
    て固定されたパネル部材を、真空加熱炉内で前記第2の
    温度より低い温度で所定時間にわたって加熱して前記第
    1および第2のプレートおよびこれらプレート上に形成
    された部材からガスを放出させるとともに該放出ガスを
    枯渇する第1の工程と、 前記枯渇した放出ガスを前記真空加熱炉内から排気した
    後、前記第2の温度以上の温度で前記パネル部材を加熱
    することにより、前記空隙保持部材を軟化させ、変形さ
    せて前記第1および第2のプレートを近接させるととも
    に、前記接合部材を融解して前記第1および第2のプレ
    ートを接合する第2の工程とを含むことを特徴とする表
    示パネルの封着方法。
  3. 【請求項3】 対向して配置された第1および第2のプ
    レートが第1の温度で融点を持つ接合部材により接合さ
    れて真空外囲器が形成される表示パネルの封着方法にお
    いて、 前記第1および第2のプレートの間に、これらプレート
    を所定の間隔で保持する、前記第1の温度より高い第2
    の温度で融点を持つ空隙保持部材が前記接合部材と接す
    るように挟持され、前記第1および第2のプレートの両
    面から所定の圧力が加えられて固定されたパネル部材
    を、真空加熱炉内で前記第2の温度以上の温度で所定時
    間にわたって加熱することで、前記第1および第2のプ
    レートおよびこれらプレート上に形成された部材からガ
    スを放出させて、該放出ガスを枯渇するとともに、前記
    空隙保持部材および接合部材を融解し合金化して前記第
    1および第2のプレートを接合する第1の工程と、 前記合金化の際に、前記枯渇した放出ガスを前記真空加
    熱炉内から排気する第2の工程とを含むことを特徴とす
    る表示パネルの封着方法。
  4. 【請求項4】 第1および第2のプレートおよびこれら
    プレート上に形成された部材からガスを放出させる際の
    加熱温度が、350℃以上であることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれか1項に記載の表示パネルの封着方
    法。
  5. 【請求項5】 前記第1および第2のプレートおよびこ
    れらプレート上に形成された部材からガスを放出させる
    際の加熱により真空外囲器内に設けられた非蒸発型ゲッ
    タを活性化することを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか1項に記載の表示パネルの封着方法。
  6. 【請求項6】 接合部材としてInを主成分とする材料
    を用い、空隙保持部材としてSnまたはAgを少なくと
    も含有する合金を用いることを特徴とする請求項2また
    は3に記載の表示パネルの封着方法。
  7. 【請求項7】 対向して配置された第1および第2のプ
    レートが接合されて真空外囲器が形成される表示パネル
    において、 第1の温度で融点を持つ接合部材によって前記第1およ
    び第2のプレートが接合され、前記接合時における前記
    第1および第2のプレート間の支持部材である、前記第
    1の温度より高い第2の温度で融点を持つ空隙保持部材
    が前記真空外囲器の外周部に設けられていることを特徴
    とする表示パネル。
  8. 【請求項8】 対向して配置された第1および第2のプ
    レートが接合されて真空外囲器が形成される表示パネル
    において、 第1の温度で融点を持つ接合部材と、前記接合時におけ
    る前記第1および第2のプレート間の支持部材である、
    前記第1の温度より高い第2の温度で融点を持つ空隙保
    持部材とが合金化され、該合金化部により前記第1およ
    び第2のプレートの接合部の少なくとも一部が形成され
    ていることを特徴とする表示パネル。
  9. 【請求項9】 接合部材がInを主成分とする材料より
    なり、空隙保持部材がSnまたはAgを少なくとも含有
    する合金よりなることを特徴とする請求項7または8に
    記載の表示パネル。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれか1項に記載
    の表示パネルと、 前記表示パネルに駆動電圧を供給して画像表示を行わせ
    る駆動回路とを有することを特徴とする画像表示装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005064638A1 (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Kabushiki Kaisha Toshiba 平面型の画像表示装置
JP2008269939A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法

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