JP2000251787A - 画像形成装置及びゲッター材の活性化方法 - Google Patents

画像形成装置及びゲッター材の活性化方法

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JP2000251787A
JP2000251787A JP4711199A JP4711199A JP2000251787A JP 2000251787 A JP2000251787 A JP 2000251787A JP 4711199 A JP4711199 A JP 4711199A JP 4711199 A JP4711199 A JP 4711199A JP 2000251787 A JP2000251787 A JP 2000251787A
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electron
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Toshihiko Takeda
俊彦 武田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度の経時変化少ない画像形成装置を提供す
ること、また外囲器内のゲッタ材の吸着特性が低下した
場合に再度活性化させるゲッタ材の活性方法を提供する
ことである。 【解決手段】 少なくとも外囲器5と外囲器内に配置さ
れた電子源1と、画像を表示するための複数の領域に分
割された蛍光体7が塗り分けられ、且つ前記蛍光体を被
覆するメタルバック8とからなる画像形成部材4とを有
する画像形成装置において、前記画像形成部材4上の前
記複数の領域に分割された蛍光体膜7の境界領域に直径
10〜50μmの範囲内にある粒状性を有する非蒸発型
のゲッターを配置した画像形成装置、及びこの画像形成
装置の電子源1より放出される電子線をゲッタ材に照射
する、又は画像形成装置全体を加熱するゲッター材の活
性方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空容器内に、電
子源と前記電子源から放出された電子線の照射により画
像を形成する画像形成部材とゲッター材とを備えた画像
形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子源より放出された電子ビームを画像
表示部材である蛍光体に照射し、蛍光体を発光させて画
像を表示する装置においては、電子源と画像形成部材を
内包する真空容器の内部を高真空に保持しなければなら
ない。それは、真空容器内部にガスが発生し、圧力が上
昇すると、その影響の程度はガスの種類により異なる
が、電子源に悪影響を及ぼして電子放出量を低下させ、
明るい画像の表示ができなくなるためである。また、発
生したガスが、電子ビームにより電離されてイオンとな
り、これが電子を加速するための電界により加速されて
電子源に衝突することで、電子源の損傷を与えることも
ある。更に、場合によっては、内部で放電を生じさせる
場合もあり、この場合は装置を破壊することもある。
【0003】通常、画像表示装置の真空容器は、ガラス
部材を組み合わせて接合部をフリットガラス等により接
着して形成されており、一旦接合が完了した後の圧力の
維持は、真空容器内に設置されたゲッターによって行わ
れる。
【0004】通常のCRTでは、Baを主成分とする合
金を、真空容器内で通電あるいは高周波により加熱し、
容器内壁に蒸着膜を形成し、これにより内部で発生した
ガスを吸着して高真空を維持している。
【0005】一方、多数の電子放出素子を平面基板上に
配置した電子源を用いた平面状ディスプレイの開発が進
められているが、この場合、真空容器の容積はCRTに
比べ小さくなるのに対し、ガスを放出する壁面の面積は
減少せず、このため同程度のガスの発生があった場合の
容器内の圧力の上昇が大きくなり、これによる悪影響は
深刻であった。
【0006】また、CRTでは真空容器内部に、電子源
や画像表示部材のない壁面が十分にあって、この部分に
上述のようなゲッター材を蒸着することができるが、平
板状ディスプレイの場合は、真空容器内面の面積の多く
を、電子源と画像形成部材が占めている。この部分に前
記のような蒸着型のゲッター膜が付着すると、配線のシ
ョート等の悪影響が生ずるため、ゲッター膜を形成でき
る場所は限定されていた。
【0007】そのため、真空容器のコーナー等をゲッタ
ー膜の形成に用い、画像形成部材と電子源とで構成され
る部分(以下「画像表示領域」と呼ぶ)にゲッター材が
付着しないようにすることが考えられるが、平板状ディ
スプレイの大きさがある程度大きくなると、ガス放出量
と比較して十分なゲッター蒸着膜の面積を確保すること
ができなかった。
【0008】これを解決し、十分なゲッター膜の面積を
確保するため、図13(a)の従来の平板状画像表示装
置のゲッター処理に関わる部分の断面図のように、外囲
器1005内に対向配置された蛍光体1006と電界放
出素子1007との間の画像表示領域の外側、たとえば
外周部にワイヤーゲッター1008を張設し、これによ
り外周部の壁面にゲッター膜1009を蒸着して形成す
る方法(特開平5−151916号公報)、図13
(b)の従来の平板状画像表示装置のゲッター処理に関
わる部分の断面図のように、フェースプレート1014
とリアプレート1012との空間の側方に、ゲッター膜
を形成するためのゲッター材1018を有するゲッター
室1015を付随させる方法(特開平4−289640
号公報等)、電子源基板と真空容器のリアプレートの間
に空間を設けて、ここにゲッター膜を形成する方法(特
開平1−235152号公報等)等が提案されていた。
【0009】平板状画像表示装置における、真空容器内
でのガスの発生の問題には、前記のような問題のほか、
局所的に圧力が上昇し易いという問題があった。電子源
と画像表示部材を有する画像表示装置において、真空容
器内でガスを発生させる部分は、主に電子ビームにより
照射される画像表示領域であった。
【0010】従来のCRTの場合、画像表示部材と電子
源は離れており、両者の間には真空容器内壁に形成され
たゲッター膜があるため、画像表示部材で発生したガス
は、電子源に到達するまで広く拡散し、一部はゲッター
膜に吸着されて、電子源のところではそれほど極端に圧
力が高くならない。また、電子源の周りにもゲッター膜
があるため、電子源自体から放出されたガスによっても
極端な局所的な圧力上昇は生じない。
【0011】ところが、平板状画像表示装置において
は、画像表示部材と電子源が接近しているため、画像表
示部材から発生したガスは、十分拡散する前に電子源に
到達して、局所的な圧力上昇をもたらす。特に、画像表
示領域の中央部では、ゲッター膜を形成した領域まで拡
散することができないため、周辺部に比べ局所的な圧力
上昇が大きく現れるものと考えられる。発生したガス
は、電子源から放出されて電子によりイオン化され、電
子源と画像表示部材の間に損傷を及ぼしたり、放電を発
生せしめて電子源を破壊したりする場合があった。
【0012】このような事情を考慮して、特定の構造を
有する平板状画像表示装置では、画像表示領域内にゲッ
ター材を配置して、発生したガスを即座に吸着するよう
にした構成が開示されている。例えば、特開平4−12
436号公報では、電子ビームを引き出すゲート電極を
有する電子源において、ゲート電極をゲッター材で形成
する方法が開示されており、円錐状突起を陰極とする電
界放出型の電源と、pn接合を有する半導体電子源が例
示されている。また、特開昭63−181248号公報
では、カソード(陰極)群と真空容器のフェースプレー
トとの間に、電子ビームを制御するための電極(グリッ
ド等)を配置する構造の平板状ディスプレイにおいて、
この制御用電極上にゲッター材の膜を形成する方法が開
示されている。
【0013】また、米国特許5,453,659号”A
node Plate for Flat Panel
Display having Integrate
dGetter”,issured 26 Sept.
1995 to Wallace et al.では、
画像表示部材(アノードプレート)上の、ストライプ状
の蛍光体同士の隙間に、ゲッター部材を形成したものが
開示されている。この例では、ゲッター材は、蛍光体及
びそれと電気的に接続された導電体とは電気的に分離さ
れており、ゲッターに適当な電位を与えて電子源の放出
した電子を照射・加熱することで、ゲッターの活性化を
行うものである。
【0014】すでに述べたように、電子源より放出され
た電子ビームを画像表示部材である蛍光体に照射し、蛍
光体を発光させて画像を表示する装置においては、電子
源と画像形成部材を内包する真空容器の内部を高真空に
保持しなければならない。それは、真空容器内部にガス
が発生し、圧力が上昇すると、その影響の程度はガスの
種類により異なるが、電子源に悪影響を及ぼして電子放
出量を低下させ、明るい画像の表示ができなくなるため
である。また、発生したガスが、電子ビームにより電離
されてイオンとなり、これが電子を加速するための電界
により加速されて電子源に衝突することで、電子源の損
傷を与えることもある。更に、場合によっては、内部で
放電を生じさせる場合もあり、この場合は装置を破壊す
ることもあった。
【0015】上述のような画像表示装置において、ガス
の発生源として最も寄与の大きいものは、高エネルギー
の電子によって衝撃を受ける蛍光膜の画像表示部材であ
る。もちろん、高温で時間をかけてベーキングする等、
十分に脱ガス処理が実行できれば、ガスの発生は軽減で
きるが、実際の装置では、電子放出素子その他の部材が
熱的なダメージを受けるため、十分に脱ガス処理が行え
ない場合があり、このような場合には、ガスが発生する
可能性が高い。このガスが、電子源の電子放出部に吸着
して特性に影響を及ぼすほか、電子源から放出される電
子によってイオン化されたガス分子が、画像表示部材と
電子源の間、又は電子源の正極と負極の間に印加された
電圧によって形成された電界により加速され、電子源の
正極又は負極に衝突してダメージを与える恐れがあっ
た。
【0016】また、局所的・瞬間的にガスの圧力が高く
なった場合には、電界により加速されたイオンが、別の
ガス分子に衝突して次々にイオンを生成し、放電を生せ
しめる恐れがある。この場合には、電子源が部分的に破
壊され、電子放出特性の劣化を引き起こす恐れがある。
画像表示部材からのガスの発生は、画像表示装置形成後
に電子を放出させ、これにより蛍光体を発光させる際、
蛍光体に含まれているH2O、H2、CH2、CO、C
2、O2等のガスが急激に放出される。これにより、駆
動開始初期に画像の輝度が目立って低下する等の現象を
引き起こす場合がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の如く、表示領域
の外側にゲッター領域を設けた場合には、画像表示領域
の中央付近で発生したガスは、外側のゲッター領域に到
達するまでに時間がかかるだけでなく、ゲッターに吸着
される前に電子源に再吸着して、電子放出特性を劣化さ
せるのを防止するのに、十分な効果を発揮できず、特に
画像表示領域の中央で、画像の輝度低下が目立つ場合が
あった。従って、前記のようなゲート電極、あるいは制
御電極を有しない構造の平板状画像表示装置において、
発生したガスが速やかに除去されるよう、画像表示領域
内にゲッター部材を配置しうる新規な構造の装置を創出
することが求められていた。
【0018】前記課題を解決するために、ゲッター材を
アノードプレート上に形成する方法が米国特許第5,4
53,659号に開示されているが、そのゲッター材
は、電子ビーム蒸着、あるいはイオンビームスパッタリ
ング等の真空蒸着技術を用いて形成されており、形成さ
れたゲッター層は微小粒子の集合体としての薄膜であ
り、表面積が小さくなってしまう。表面吸着によってガ
スを吸収するという非蒸発型ゲッター性質上、表面積が
小さいということは、ゲッターとしての特性(吸着速度
及び総吸着量)が悪くなることを意味している。
【0019】また、真空蒸着によって形成したゲッター
は、形成直後から極めて活性な状態となっており、真空
装置から取り出すと瞬時にガス吸着が生じ、著しく劣化
する。前述のごとく、薄膜で形成されたゲッター層は、
表面積が小さいため形成直後の劣化は多大なダメージと
なり、その後の工程で再度ゲッターの活性化を行っても
所望の吸着特性を得ることは困難であると共に、従来行
われている、非蒸発型ゲッターの保護を目的とした窒素
ガス置換による表面の安定化という手法を用いても、ゲ
ッター粒子の表面積が小さいために、窒素ガスを吸着さ
せた時点で粒子内部まで吸着ガスが浸透してしまい、ゲ
ッターとしての能力を失うことになる。
【0020】そこで、同報によって開示されているアノ
ードプレートでは、ゲッター形成後は真空雰囲気中でそ
の後の工程である封着、ベーキング等を行うことで上述
した欠点を補っている。そのため、装置、工程共に複雑
化することが避けられない。
【0021】また、ゲッター材の活性化方法として、ゲ
ッター材自体に通電を行う、あるいは電子源から放出さ
れた電子線を直接照射して行うため、ゲッターと蛍光体
の間の電気的な絶縁を取るための部材、工程が必要とな
るため、精密な微細加工技術を用いなければならないと
いう問題も生じる。
【0022】一方、平板状ディスプレイに使用する電子
源を構成する電子放出素子としては、構造と製造方法が
簡単なものが、生産技術、製造コスト等の観点から見て
望ましいことは言うまでもない。製造プロセスが、薄膜
の積層と簡単な加工で構成されているもの、あるいは大
型のものを製造する場合は、印刷法等の真空装置を必要
としない技術により製造できるものが求められていた。
【0023】この点で、上述の特開平4−12436号
公報に開示された、ゲート電極をゲッター材により構成
した電子源は、円錐状の陰極チップの製造、あるいは半
導体の接合の製造等が真空装置中での煩雑な工程を要
し、また大型化するには製造装置による限界があった。
【0024】また、特開昭63−181248号公報の
ように、電子源とフェースプレートの間に、制御電極等
を設けた装置では、構造が複雑になり、製造工程ではこ
れら部材の位置合わせ等の煩雑な工程が伴うことにな
る。
【0025】次に、製造工程が容易であると言う上述の
要求を満たしうる構造を持った電子放出素子としては、
横型の電界放出型電子放出素子や、表面伝導型電子放出
素子を挙げることができる。横型の電界放出型電子放出
素子は、平面基板上に尖った電子放出部を有する陰極
(ゲート)を対向させて形成したもので、蒸着、スパッ
タ、メッキ法等の薄膜堆積法と、通常のフォトリソグラ
フィー技術により、電子が放出されるもので、特開平7
−235255号公報にその一例が示されている。
【0026】これらの素子を用いた電子源では、特開平
4−12436号公報に開示されたような形状のゲート
電極や、特開昭63−181248号公報に開示された
ような制御電極を有しないため、これらと同様な手法
で、画像表示領域内にゲッターを配置することはでき
ず、画像表示領域の外側にゲッターを配置することにな
り、前記真空度の低下による劣化、破壊等を回避するこ
とは困難であった。
【0027】[発明の目的]本発明の目的は、以上述べた
不都合を解消しうる画像形成装置の提供を目的とし、特
に、輝度の経時変化(経時的低下)が少なく、また画像
形成領域内での経時的な輝度ばらつきの発生の少ない画
像形成装置の提供を目的とする。
【0028】更に本発明の目的は、外囲器内に発生した
ガスを速やかに吸着すると共に、活性化のための特別の
仕組みを必要とせず、ゲッタ材の吸着特性が低下した場
合に再度活性化させるゲッタ材の活性方法を提供するこ
とである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明により、外囲器内
に、少なくとも電子源と、複数の分割された蛍光体膜と
該蛍光体膜を被覆するメタルバックから成る画像形成部
材とを有する画像形成装置において、前記画像形成部材
上の前記複数の領域に分割された蛍光体膜の境界領域に
直径10〜50μmの範囲内にある粒状性を有する非蒸
発型のゲッターを配置したことを特徴とする画像形成装
置が提供される。
【0030】本発明により、外囲器内に、少なくとも電
子源と、前記電子源から放出される電子を加速するアノ
ード電極と、前記電子により画像を形成する画像表示部
材とを有する画像形成装置において、前記画像表示部材
は、複数の分割された領域に形成され、前記分割された
領域間に、非蒸発型のゲッター材が配置されており、前
記ゲッター材は、前記アノード電極に電気的に接続して
形成されていることを特徴とする画像形成装置が提供さ
れる。
【0031】本発明により、前記非蒸発型のゲッター材
が、真空中あるいは不活性ガス中でのプラズマ溶射技術
で作製された膜であることを特徴とする画像形成装置が
提供される。
【0032】また本発明により、前記画像形成装置の電
子源より放出される電子線を、前記ゲッター材に照射す
ることを特徴とするゲッター材の活性化方法が提供され
る。
【0033】更に本発明により、記画像形成装置内部を
真空排気したのち、画像形成装置全体を加熱することを
特徴とするゲッター材の活性化方法が提供される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0035】本発明において、画像表示部材としては、
蛍光体等を用いるが、潜像の画像を形成する部材を用い
ることもできる。前記蛍光体表面は前記メタルバックで
被覆されるが、前記非蒸発ゲッターはメタルバックで被
覆されないものとする。
【0036】前記蛍光体境界に配置されるゲッターの材
料は、Ti、Zr、又はこれらのうちの少なくとも一種
類を主成分とする合金からなるものや、Al、V、F
e、Mnのいずれか一種類以上の元素を副成分として含
有する合金であってもよい。
【0037】更に、前記ゲッターは前記成分からなる合
金であり、且つ、直径が10μm〜50μmの範囲内に
ある球状粒子、あるいは10μm〜50μmの範囲内の
長半径断面を有する粒状性を持つ物質とする。
【0038】ゲッターの形成膜厚は10μm〜200μ
m程度の範囲で適宜選択でき、その場合のゲッター層
は、粒子層としては2層から数十層で形成されればよ
い。また、ゲッター層は、前記画像形成部材を構成する
基体と接触し、且つ基体に固定されているものである。
【0039】また、前記メタルバックは、通常のCRT
等に用いられるアルミニウム等からなる薄膜でよく、そ
の膜厚は50μm〜200μm程度の範囲で適宜選択で
きる。
【0040】前記のように、10μm〜50μmの粒状
性を有するゲッター材を用いることで、画像形成部材上
にゲッター層形成後、窒素ガス等の不活性ガスでゲッタ
ー表面を被覆し、表面を安定な状態に保存することを可
能とする。また、安定化したゲッター材表面は、実際に
使用する際にはゲッターの活性化を行うことでゲッター
特性を発現させることができる。
【0041】ゲッター層を形成する材料の平均粒径が1
0μmより小さいと、ゲッター層の表面積が減少するた
めに、ゲッターの吸着できるガス総量が減少してしま
い、封着工程等のガスが発生し易い工程を経た後にはゲ
ッター材料自身がすでに飽和状態までガス吸着してしま
い、本来の目的であるパネル化後のガスを吸着/排気す
る能力を失ってしまうことになる。
【0042】一方、平均粒径が50μmより大きくなる
と十分なゲッター層の表面積を確保するためには膜厚を
厚く形成する必要があり、画像形成部上にゲッター層を
設ける場合には、電子軌道に影響を与えてしまい、電子
線が所望の位置に到達できなくなり好ましくない。
【0043】次に、前記各発明の画像形成装置におい
て、前記電子源は、マトリクス配線された複数の電子放
出素子が基板上に配置された電子源であって、前記電子
放出素子は、表面伝導型放出素子や横型の電界放出型電
子放出素子を用いたものである。
【0044】前記の通り構成された本発明における画像
形成装置では、画像形成部材の蛍光体の境界領域にゲッ
ター層を配置することによって、広い面積で、しかも最
もガスを放出する部分の近傍にガス吸着層が置かれるこ
とになり、その結果、外囲器内に発生したガスは、ゲッ
ター層に速やかに吸着され、外囲器内の真空度を良好な
状態に維持できるので、電子源からの電子放出量を安定
化することができる。
【0045】一方、本発明のゲッター層の活性化方法
は、前記画像形成装置のゲッターの活性化方法であっ
て、前記画像形成装置の電子源から放出される電子線を
前記ゲッター材に照射することを特徴とするものであ
り、前記画像形成部材に印加する電圧を制御して電子線
を照射することによる。また、本発明による画像形成装
置内部を真空排気したのち、画像形成部材のみ、あるい
は画像形成装置全体を加熱することでゲッターの活性化
を行うことも可能である。
【0046】以上のように、本発明の画像形成装置では
ゲッター材の活性化のために特別な仕組みを必要とせ
ず、ゲッター材の吸着性能が低下した場合にも電子線照
射により再度ゲッターを活性化することができる。
【0047】以下に、本発明を適用し得る基本的構成に
ついて説明する。
【0048】図1は、本発明の画像形成装置の構成の一
例を模式的に示すものである。
【0049】1は電子源で、複数の電子放出素子を基板
上に配置し、DoxnのX方向配線とDoynのY方向
配線により適宜電気的に接続されたものである。2はリ
アプレート、3は支持枠、4はフェースプレートで、接
合部においてフリットガラス等を用いて互いに接着さ
れ、外囲器5を形成している。
【0050】フェースプレート4は、ガラス基体6の上
に発光部材である蛍光膜7、メタルバック8、透明導電
膜(不図示)が形成されてなり、この部分は画像表示領
域となる。蛍光膜7は白黒画像の場合には、蛍光体のみ
からなるが、カラー画像を表示する場合には、赤、緑、
青の3原色の蛍光体によりピクセルが形成されている。
【0051】メタルバック8は、Al等の導電性薄膜に
より構成される。メタルバック8は、蛍光体から発生し
た光のうち、電子源1の方に進む光をガラス基体6の方
向に反射して輝度を向上させるとともに、外囲器5内に
残留したガスが、電子源により電離され生成したイオン
の衝撃によって、蛍光体が損傷を受けるのを防止する働
きもある。また、フェースプレート4の画像表示領域に
導電性を与えて、電荷が蓄積されるのを防ぎ、電子源1
に対してアノード電極の役割を果たすものである。
【0052】続いて蛍光膜7について、図2の蛍光膜の
構造図の用いて説明する。図2(a)は、蛍光体7がス
トライプ状に並べられた場合で、赤(R)、緑(G)、
青(B)の3原色の蛍光体7が順に形成されている。図
2(b)は、蛍光体7のドットが格子状に並べられた場
合で、各色の配置方法は数種あり、これに応じてドット
の並び型は、図示した三角格子のほか、正方格子等を採
用する場合もある。また、各蛍光体の境界には、本発明
の特徴であるゲッター材が配置されている。
【0053】ガラス基体6上への蛍光体7のパターニン
グ法としては、スラリー法や印刷法等が使用できる。蛍
光膜7を形成した後、更にAl等の金属を形成し、メタ
ルバック8とする。
【0054】次に、本発明の特徴である画像形成部材上
に配置したゲッター層について、図3の本発明における
画像形成装置の実施形態である画像形成部材の構造を示
す断面図を用いて説明する。
【0055】図3において、6はガラス基板、7は単
色、あるいは赤、青、緑の三原色の蛍光体、8はメタル
バック、9は透明導電膜、10はゲッター材料である。
ゲッターは、ピクセルとして形成された蛍光体の境界
に、各蛍光体を分離するように配置されており、かつ透
明導電膜9に接触し、導電膜に印加する電圧とゲッター
層は、ほぼ同電位とすることができる。
【0056】前記構成の画像形成部材は、ゲッター材と
蛍光体が電気的に接続された構造であるため、前述の米
国特許第5,453,659号の「アノードプレート」
に比べ製造が容易であり大型化に適していると共に、1
0〜50μmの粒子直径を有するゲッター粒子を積層し
た構造とすることで、ゲッターの長寿命化と高い放出ガ
ス除去効果が得られ、更に劣化時のゲッター活性化によ
る再利用性をもはかることができる。
【0057】次に、ゲッター層10の作製方法について
述べる。
【0058】本発明におけるゲッター層10は、10〜
50μmの粒状性を持ち、更にゲッター活性化後には、
ガス吸着特性を発現できうる活性な表面を出しうるよう
な形態としなければならない。
【0059】そのため、前述の「アノードプレート」で
示されているような電子ビームを用いた真空蒸着法やス
パッタ法は応用できない。その理由としては、前記のい
わゆる真空蒸着では、均一な薄膜は形成できるものの必
要とするマイクロメートルオーダの粒状性を得ることの
困難さが挙げられる。
【0060】また、所望の粒状性を有する材料を導電性
の接着剤等で所望の位置に接着する方法も考えられる
が、接着剤が粒子表面を被覆し、清浄な表面が得られな
いため実現は困難である。
【0061】ここで、本発明で必要なゲッターの粒状性
について言及する。本発明で用いる非蒸発型ゲッター
は、活性表面へのガス吸着と内部への拡散という工程を
経ているため粒状性は表面積の増大に寄与し、その膜厚
は吸着できるガスの総量に寄与する。
【0062】従って、充分な表面積を確保できれば、前
記真空蒸着法でもゲッター特性は期待できるものの、蒸
着で得られるような膜は微少な粒子の集合であり、かつ
ゲッター形成直後に極めて活性な状態であるため、真空
装置から取り出すことでガス吸着し、ゲッターとしての
能力を失うことになる。これは、蒸発型ゲッターと同様
の扱い難くさを意味する。また、前述の米国特許第5,
453,659号記載の真空蒸着で作製した場合は、膜
厚をサブミクロン以上にすることが密着性及びスループ
ットの観点から難しく、膜厚数μm以下の場合には、封
着工程でその特性が著しく劣化する。
【0063】一方、表面吸着を利用するため、構成材料
の清浄表面が不可欠であり、通常は活性化という工程を
経ることでこれを得ている。しかし、ゲッター材料を接
着剤等で固定した場合表面を被覆してしまい、その後の
活性化工程では活性表面を得ることができなくなり、充
分な特性が得られないことになる。
【0064】以上の理由により、本発明のゲッター膜の
作製方法としては、真空中あるいは不活性ガス中で行う
溶射技術を用いることが望ましい。特に、減圧下で行う
プラズマ溶射技術を用いることで、所望の粒状性を維持
した状態で所望の膜厚のゲッター層を形成することがで
きる。
【0065】プラズマ溶射は、プラズマの炎の中に所望
の材料の粉体を供給し、半溶融状態の材料を形成したい
基板、部材等にあてることにより膜形成するものであ
る。形成される膜の粒状性は、供給する粉体そのものの
粒径とプラズマのパワーにより、またその組成は、粉体
の組成制御により、それぞれ制御可能である。
【0066】また、パターニング手法は、通常のフォト
リソグラフィー技術を用いたエッチングやリフトオフ、
あるいはパターニングされた金属マスクを用いる等の方
法でよい。
【0067】次に、図3に示した画像形成部材の製造工
程について説明する。
【0068】ガラス基板6上に、スパッタ法を用いて透
明導電膜9を形成する。透明導電膜には、透明な材料の
として広く用いられているITOが使用でき、その膜厚
は0.1〜0.3μmでよい。次に、三原色の蛍光体7
をスラリー法、あるいは印刷法により、膜厚10〜15
μm程度で形成する。次に、フィルミングを行い蛍光体
表面に平坦なフィルムを形成した後、Al等の金属を蒸
着してメタルバック8を形成する。メタルバックの膜厚
は0.05〜0.2μm程度の範囲で適宜選択すればよ
い。こうして得られた基板を、ベーキングによりフィル
ムを除去した後、図12のゲッター層の形成方法の一例
を示す図のように、ゲッター10を形成するための開口
部12を有するレジストパターン、メタルマスク、ある
いは蒸着マスクを設けて前記減圧プラズマ溶射装置中
で、Ti、Zr、Al、V、Hf、Mn等の粉体からな
るゲッター材料を溶射してゲッター層10を形成する。
【0069】また、前記以外の画像形成部材の作製方法
としては、透明導電膜9を形成したガラス基板上に予め
ゲッター層10を形成した後、蛍光体及びメタルバック
を形成する方法も適用できる。
【0070】また、複数に分割された蛍光体の境界領域
に配置するゲッター材の配置場所としては、図3(a)
に示したように、ゲッター材が蛍光体膜と接触しないよ
うに設けてもよいし、あるいは図3(b)に示したよう
に蛍光体膜に接触し一部蛍光体膜を被覆するように設け
てもよい。
【0071】その形成方法としては、蛍光体の境界領域
にある間隔よりも広い開口を有する蒸着マスクを用いて
ゲッター材料をマスク溶射するという手法を用いること
ができる。
【0072】以上のようにして形成されたフェースプレ
ート4と、支持枠3、リアプレート2と、電子源1やそ
の他の構造体を組み合わせ、支持枠3と、フェースプレ
ート4、リアプレート2を接合する。接合は、接合部に
フリットガラスを付け、400℃程度に加熱して行う。
電子源1等の内部構造体の固定も同様に行う。実際の操
作としては、大気中で300℃程度の加熱処理を行い、
フリットガラス中にバインダーとして含まれる成分を除
去(この工程を「仮焼成」と呼ぶ)した後、Ar等の不
活性ガス(inert gas)中で、400℃の加熱
処理を行い、接合部を溶着する。
【0073】この後、電子源1の活性化処理等必要な処
理を行って、外囲器5の内部を十分排気した後、排気管
(不図示)をバーナーで加熱して封じ切る。次いで、フ
ェースプレート4に形成された前記ゲッター層10の活
性化を行う。
【0074】なお、本明細書の以下の説明では、2種類
の異なった処理を指す「活性化」という言葉が現れる。
第1は、電子放出素子の活性化である。電子放出素子
は、その巨視的な形状が形成されただけでは全く、電子
を放出しなかったり、ごく僅かしか電子を放出しない場
合がある。これに表面を改質する等の処理を行い、所望
の強さの電子放出が起こるようにすることを指すもので
ある。
【0075】第2は、ゲッター材の活性化である。Z
r、Ti等を主成分とする、画像形成部材上に形成され
た非蒸着型のゲッターを、電子源より放出される電子線
を照射させたり、真空中で加熱する等の方法により、表
面吸着原子をゲッター材の内部に拡散させて、清浄な表
面を形成し、ゲッター作用が発現するようにすることを
指す。以下では、混乱を避けるため必要な場合には、ゲ
ッター材の活性化に対して「ゲッター活性化」という言
葉を用いる。
【0076】本例の画像表示装置において、初期のゲッ
ター活性化は外部からの加熱によって行っても良いし、
電子放出素子から放出される電子ビームの軌道を、画像
表示の場合より少し変化させ、ゲッター層10を電子ビ
ームで照射することによって行っても良い。なお、加熱
によるゲッター材活性化は、150℃以上で高ければ高
いほど好ましいが、画像形成装置全体を加熱した場合に
は封着に用いられるフリット材料の軟化する温度で上限
が規定されるため、150〜450℃の範囲が好まし
く、保持時間は1〜10時間である。また、画像形成装
置のみ加熱する場合は、150〜750℃の範囲が好ま
しい。
【0077】電子ビームの軌道を変化させる方法として
は、電子放出素子として、横型の電界放出型電子放出素
子や表面伝導型電子放出素子を用いた場合には、素子に
印加する電圧と、素子とメタルバック8、あるいは透明
導電膜9の間に印加する電圧を適当に変化させることに
よって行うことができる。
【0078】前記のように、画像表示用の電子放出素子
から放出される電子ビームによりゲッター活性化を行え
ば、そのための特別な仕組みを形成する必要はない。従
って、画像表示装置が、使用を開始した後、ゲッター材
の吸着性能が低下した場合に、これを再生させるために
は、電子ビーム照射によって同様の処理を行う方法を採
用する。
【0079】ところで、本発明の画像表示装置の電子源
1を構成する電子放出素子、横型の電界放射型電子放出
素子あるいは表面伝導型電子放出素子から放出された電
子は、素子の構造のために、電子源基板と平行な特定の
方向(「横方向」)の運動量成分を有する(電子ビーム
の拡散のために、個々の電子がランダムに持つ成分では
なく、ビームに含まれる電子が平均として持つ成分)。
このため、電子ビームが画像表示部材に到達する位置
は、電子放出素子の直上からはずれる。電子源1と画像
表示部材の位置合わせは、このズレを考慮して行うが、
このズレ量は、素子に印加する電圧Vfと、素子と画像
表示部材(アノード)との間に印加する電圧Vaを変化
させることで調整することができる。この原理を用いる
ことで、通常は蛍光体の位置に到達する電子ビームを蛍
光体境界領域に配置されたゲッター材の位置にずらすこ
とができる。これにより、ゲッター材にも電子ビームを
照射することができるので、米国特許第5,453,6
59号のような複雑な構成を採用しなくても良い。
【0080】以上説明したように、ゲッター層をフェー
スプレートの画像表示領域中の蛍光体境界領域に形成す
ることにより、より広いゲッター面積を確保できる。し
かも、動作に伴って最も激しくガスを放出する部位のご
く近傍にゲッターを配置することが可能となり、画像形
成装置の外囲器内部の圧力を低く保つことができるだけ
ではなく、発生したガスを速やかにゲッターに吸着さ
せ、電子放出素子の特性の劣化や放出電流量の揺らぎを
引き起こすことを抑制することができるようになる。
【0081】次に、前記の画像形成装置により、NTS
C方式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行う
ための駆動回路の構成例について、図4を用いて説明す
る。なお、図4はマトリクス配置を電子源を用いて構成
した画像表示装置によりNTSC方式のテレビ信号に基
づいたテレビジョン表示を行うための駆動回路の構成例
を示すブロック図である。図4において、41は画像表
示装置、42は走査回路、43は制御回路、44はシフ
トレジスタ、45はラインメモリ、46は同期信号分離
回路、47は変調信号発生器、Vx及びVaは直流電圧
源である。
【0082】画像形成装置41は、端子Dox1乃至D
oxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hv
を介して外部の電気回路と接続している。端子Dox1
乃至Doxmには、画像形成装置内に設けられている電
子源、即ち、M行N列の行列状にマトリクス配線された
表面伝導型電子放出素子群を一行(N素子)ずつ順次駆
動するための走査信号が印加される。
【0083】端子Doy1乃至Doynには、前記走査
信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の
各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が印
加される。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例
えば10kVの直流電圧が供給されるが、これは表面伝
導型電子放出素子から放出される電子ビームに蛍光体を
励起するのに十分なエネルギーを付与するための加速電
圧である。
【0084】走査回路42について説明する。同回路
は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0V(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、画像
形成装置41の端子Dox1乃至Doxmと電気的に接
続される。S1乃至Smの各スイッチング素子は、制御
回路43が出力する制御信号Tscanに基づいて動作
するものであり、例えばFETのようなスイッチング素
子を組み合わせることにより構成することができる。
【0085】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝
導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が、電
子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力す
るよう設定されている。
【0086】制御回路43は、外部より入力する画像信
号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動作を
整合させる機能を有する。制御回路43は、同期信号分
離回路46より送られる同期信号Tsyncに基づい
て、各部に対してTscan及びTsft及びTmry
の各制御信号を発生する。
【0087】同期信号分離回路46は、外部から入力さ
れるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度
信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号
分離回路46により分離された同期信号は、垂直同期信
号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上T
sync信号として図示した。前記テレビ信号から分離
された画像の輝度信号成分は、便宜上DATA信号と表
した。前記DATA信号は、シフトレジスタ44に入力
される。
【0088】シフトレジスタ44は、時系列的にシリア
ルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路43より送られる制御信号Tsftに基づいて動作
する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ44
のシフトクロックであるということもできる)。シリア
ル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子
N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1乃至
IdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ44
より出力される。
【0089】ラインメモリ45は、画像1ライン分のデ
ータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路43より送られる制御信号Tmryに従っ
て適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶された
内容は、Id’1乃至Id’nとして出力され、変調信
号発生器47に入力される。
【0090】変調信号発生器47は、画像データId’
1乃至Id’nの各々に応じて表面伝導型電子放出素子
の各々を適切に駆動変調するための信号源であり、その
出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通じて表示パ
ネル41内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0091】本発明を適用可能な電子放出素子は、放出
電流Ieに対して以下の基本特性を有している。即ち、
電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth
以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。電子
放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧
の変化に応じて放出電流も変化する。このことから、本
素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出
閾値以下の電圧を印加しても電子放出は生じないが、電
子放出閾値以上の電圧を印加する場合には電子ビームが
出力される。その際、パルスの波高値Vmを変化させる
ことにより、出力電子ビームの強度を制御することが可
能である。また、パルスの幅Pwを変化させることによ
り、出力される電子ビームの電荷の総量を制御すること
が可能である。
【0092】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式として、電圧変調方式、パルス幅変調方
式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器47として、一定長さの電圧パルス
を発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高
値を変調するような電圧変調方式の回路を用いることが
できる。
【0093】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器47として、一定の波高値の電圧パルス
を発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの
幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いるこ
とができる。
【0094】シフトレジスタ44やラインメモリ45
は、デジタル信号式のものをもアナログ信号式のものを
も採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や所
定の速度で行われれば良いからである。
【0095】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路46の出力信号DATAをデジタル信号化す
る必要があるが、これには同期信号分離回路46の出力
部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連して、ラ
インメモリ45の出力信号がデジタル信号かアナログ信
号かにより、変調信号発生器47に用いられる回路が若
干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電
圧変調方式の場合、変調信号発生器47には、例えばD
/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路等を付加す
る。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器47に
は、例えば高速の発振器及び発振器の出力する波数を計
数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メ
モリの出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み
合わせた回路を用いる。必要に応じて、比較器の出力す
るパルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素
子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加す
ることもできる。
【0096】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器47には、例えばオペアンプ等を用
いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト回
路等を付加することもできる。パルス幅変調方式の場合
には、例えば、電圧制御型発振回路(VOC)を採用で
き、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧ま
で電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0097】このような構成をとり得る本発明の画像形
成装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Do
x1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを介して電圧
を印加することにより、電子放出が生ずる。高圧端子H
vを介してメタルバック8、あるいは透明電極(不図
示)に高圧を印加し、電子ビームを加速する。加速され
た電子は、蛍光膜7に衝突し、発光が生じて画像が形成
される。
【0098】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、発明の技術
思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号につ
いては、NTSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL、SECAM方式等他、こ
れよりも多数の走査線からなるTV信号(例えば、MU
SE方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用でき
る。
【0099】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
【0100】
【実施例】以下に好ましい実施例を挙げて、本発明を更
に詳述する。
【0101】(実施例1)本実施例の画像形成装置は、
図1に模式的に示された装置と同様の構成を有し、ゲッ
ター層は、画像形成部材4の蛍光体の境界領域に配置さ
れている。また、本実施例の画像形成装置は、基板上に
複数(100行×300列)の表面伝導型電子放出素子
が、単純マトリクス配線された電子源1を備えている。
【0102】電子源1の一部の平面図を図5に示す。な
お、図5は複数の表面伝導型電子放出素子がマトリクス
配線された電子源を模式的に示す平面図である。また、
図5中のA−A′断面図を図6に示す。但し、図5及び
図6で、同じ記号を示したものは、同じものを示す。こ
こで、111は電子源基板、82は図1のDoxmに対
応するX方向配線(下配線とも呼ぶ)、83は図1のD
oynに対応するY方向配線(上配線とも呼ぶ)、10
2は電子放出部を含む導電性膜、105、106は素子
電極、141は層間絶縁層、142は素子電極105と
下配線82と電気的接続のためのコンタクトホールであ
る。
【0103】以下に、本実施例の画像形成装置の製造方
法について、図7及び図8の図5に示した電子源の製造
工程を説明するための図を参照しつつ説明する。
【0104】{工程−a}清浄化した青板ガラス上に厚
さ0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した
電子源基板111上に、真空蒸着により厚さ5nmのC
r、厚さ600nmのAuを順次積層した後、ホトレジ
スト(商品名:AZ1370 ヘキスト社製)をスピン
ナーにより回転塗布、ベークした後、ホトマスク像を露
光、現像して、下配線82のレジストパターンを形成
し、Au/Cr堆積膜をウェットエッチングして、所望
の形状の下配線82を形成する(図7の(a))。
【0105】{工程−b}次に、厚さ1.0μmのシリ
コン酸化膜からなる層間絶縁層141をRFスパッタ法
により堆積する(図7の(b))。
【0106】{工程−c}前記工程−bで堆積したシリ
コン酸化膜に、コンタクトホール142を形成するため
のホトレジストパターンを作り、これをマスクとして層
間絶縁層141をエッチングしてコンタクトホール14
2を形成する。エッチングは、CF4とH2ガスを用いた
RIE(Reactive Ion Etching)
法によった(図7の(c))。
【0107】{工程−d}その後、素子電極105と素
子電極間ギャップGとなるべきパターンをホトレジスト
(商品名:RD−2000N−41 日立化成社製)で
形成し、真空蒸着法により、厚さ5nmのTi、厚さ1
00nmのNiを順次堆積した。ホトレジストパターン
を有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフ
し、素子電極間隔Gは3μm、素子電極の幅は300μ
mとし、素子電極105、106を形成した(図7の
(d))。
【0108】{工程−e}素子電極105、106の上
に上配線83のホトレジストパターンを形成した後、厚
さ5nmのTi、厚さ500nmのAuを順次、真空蒸
着により堆積し、リフトオフにより不要の部分を除去し
て、所望の形状の上配線83を形成した(図8の
(e))。
【0109】{工程−f}膜厚100nmのCr膜15
1を真空蒸着により堆積・パターニングし、その上にP
dアミン錯体の溶液(商品名:ccp4230 奥野製
薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃
で10分間の加熱焼成処理をした。また、こうして形成
された、主元素としてPdよりなる微粒子からなる電子
放出部形成用の導電性膜102の膜厚は8.5nm、シ
ート抵抗値は3.9×104Ω/□であった。なお、こ
こで述べる微粒子膜とは、上述したように、複数の微粒
子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が
個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣
接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を指
し、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微
粒子についての径をいう(図8の(f))。
【0110】{工程−g}Cr膜151及び焼成後の電
子放出部形成用の導電性膜102を、酸エッチャントに
よりエッチングして所望のパターンを形成した(図8の
(g))。
【0111】{工程−h}コンタクトホール142部分
以外にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真
空蒸着により厚さ5nmのTi、厚さ500nmのAu
を順次堆積した。リフトオフにより不要の部分を除去す
ることにより、コンタクトホール142を埋め込んだ
(図8の(h))。
【0112】以上の工程により電子源基板111上に複
数(100行×300列)の電子放出部形成用の導電性
膜102が、上配線83と下配線82とにより単純マト
リクス配線された電子源1を形成した。
【0113】{工程−i}次に、図1に示すフェースプ
レート(画像形成部材)4を、以下の様に作製した。
【0114】ガラス基体6の表面に、蛍光膜7を印刷法
により形成した。尚、蛍光膜7はストライプ状の三原色
の蛍光体(R、G、B)が順次配列された図2の(a)
に示される蛍光膜とした。更に、蛍光膜7の上にAl薄
膜よりなるメタルバック8をスパッタリング法により5
0nmの厚さに形成した。
【0115】次に、工程−iで得られたフェースプレー
ト上に、塗り分けられた三原色蛍光体の各色の境界に対
応した開口を持つメタルマスクを、位置合わせして配置
し減圧プラズマ溶射装置中で、Zr、V、Mnからなる
ゲッター材料を溶射させてゲッター層を形成した。溶射
終了後、充分冷却した後に窒素ガスを装置中に導入して
ゲッター表面を安定化させて画像形成部材の作製を終了
した。本工程によって得られたゲッター層の粒子径は2
0〜40μm、平均的な膜厚は、ほぼ80μmであっ
た。
【0116】{工程−j}次に、図1に示す外囲器5
を、以下の様に作製した。
【0117】前述の工程により作製された電子源1をリ
アプレート2に固定した後、支持枠3、前記フェースプ
レート4を組み合わせ、電子源1の下配線82及び上配
線83を行選択用端子及び信号入力端子と各々接続し、
電子源1とフェースプレート4の位置を厳密に調整し、
封着して外囲器5を形成した。封着の方法は、接合部に
フリットガラスを塗布して大気中300℃で仮焼成した
後、各部材を組み合わせ、Arガス中400℃にて10
分間の熱処理を行い接合した。なお、電子源1とリアプ
レート2の固定も同様の処理により行った。
【0118】次の工程を説明する前に、以後の工程にて
用いられた真空処理装置について、図9の画像表示装置
の製造に使用する真空処理装置の概要を示す模式図を用
いて説明する。
【0119】図9において、画像表示装置91は、排気
管92を介して真空容器93に接続され、前記真空容器
93には、排気装置95が接続されており、その間にゲ
ートバルブ94が設けられている。真空容器93には、
圧力計96、四重極質量分析器(Q−mass)97が
取り付けられており、内部の圧力及び残留ガスの各分圧
をモニタできるようになっている。外囲器5内の圧力や
分圧を直接測定することは困難なので、真空容器93の
圧力と分圧を測定し、この値を外囲器5内のものとみな
す。
【0120】排気装置95は、ソープションポンプとイ
オンポンプからなる超高真空用排気装置である。真空容
器93には、複数のガス導入装置が接続されており、物
質源99に蓄えられた物質を導入することができる。導
入物質は、その種類に応じてボンベ又はアンプルに充填
されており、ガス導入量制御手段98によって導入量が
制御できる。ガス導入量制御手段98は、導入物質の種
類、流量、必要な制御精度等に応じて、ニードルバル
ブ、マスフローコントローラー等が用いられる。本実施
例では、ガラスアンプルに入れたアセトン(CH32
Oを物質源99として用い、ガス導入量制御手段98と
して、スローリークバルブを使用した。
【0121】以上の真空処理装置を用いて以後の工程を
行った。
【0122】{工程−k}外囲器5の内部を排気し、圧
力を1×10-3Pa以下にし、電子源基板111上に配
列された前述の複数の電子放出部形成用の導電性膜10
2(図8(h))に、電子放出部を形成するための以下
のフォーミング処理を行った。
【0123】図10に示す画像表示装置の製造工程、フ
ォーミング処理及び活性化処理に用いる回路の構成を示
す模式図のように、Y方向配線22を共通結線してグラ
ンドに接続する。図10において、51は制御装置で、
パルス発生器52とライン選択装置54を制御する。5
3は電流計である。ライン選択装置54により、X方向
配線23から1ラインを選択し、これにパルス電圧を印
加する。フォーミング処理は、X方向の素子行に対し、
1行(300素子)毎に行った。
【0124】印加したパルスの波形は、図11(a)に
示すような三角波パルスで、波高値を徐々に上昇させ
た。なお、図11はフォーミング処理時に与えられる電
圧波形の例を示す図である。パルス幅T1=1mse
c.、パルス間隔T2=10msec.とした。また、
三角波パルスの間に、波高値0.1Vの矩形波パルスを
挿入し、電流を測ることにより各行の抵抗値を測定し
た。抵抗値が3.3kΩ(1素子あたり1MΩ)を越え
たところで、その行のフォーミングを終了し、次の行の
処理に移った。これを全ての行について行い、全ての前
記導電性膜(電子放出部形成用の導電性膜102)のフ
ォーミングを完了し各導電性膜に電子放出部を形成し
て、複数の表面伝導型電子放出素子が単純マトリクス配
線された電子源1を作成した。
【0125】{工程−l}真空容器93内にアセトン
(CH32COと水素H2を導入し、それぞれの分圧が
(CH32CO;1.3×10-3Pa、H2;1.3×
10-2Paとなるように調整し、素子電流Ifを測定し
ながら前記電子源1にパルスを印加して各電子放出素子
の活性化処理を行った。パルス発生器52により生成し
たパルス波形は、図11(b)に示した矩形波で、波高
値は14V、パルス間隔はT1=100μsec.、パ
ルス間隔は167μsec.である。ライン選択装置5
4により、167μsec.毎に選択ラインをDx1か
らDx100まで順次切り替え、この結果、各素子行に
はT1=100μsec.、T2=16.7msec.
の矩形波が行毎に位相を少しずつシフトされて印加され
ることになる。
【0126】電流計53は、矩形波パルスのオン状態
(電圧が14Vになっている時)での電流値の平均を検
知するモードで使用し、この値が600mA(1素子あ
たり2mA)となったところで、活性化処理を終了し、
外囲器5内を排気した。
【0127】{工程−m}排気を続けながら、不図示の
加熱装置により、画像表示装置91及び真空容器93の
全体を250℃にて24時間保持した。この処理によ
り、外囲器5及び真空容器93の内壁等に吸着されてい
たと思われる(CH32CO及びその分解物が除去され
た。これは、Q−mass97による観察で確認され
た。
【0128】{工程−n}続いて、ゲッター活性化処理
を行った。これは、上述のように蛍光体間にストライプ
状に形成されたゲッター層10に、画像表示用の電子源
1により生成された電子ビームを照射することにより行
う。
【0129】電子源1の駆動は、工程−lと同様に行
う。すなわち、ライン順次で60Hzの電子放出を各行
の素子に起こさせる。メタルバック8に接続された高圧
端子Hvには、先ずVa=4kVを印加する。本実施例
では、Va=5kV、素子電圧Vf=15Vを印加した
時に、電子ビームが本来の画素の部分に到達するように
位置合わせが行われている。本実施例で電子源1に用い
た表面伝導型電子放出素子から放出された電子は、表示
装置の電子源1の基板面に沿った方向の運動量成分を有
するため、この状態では、本来の位置からずれて蛍光体
のない部分に到達する。この処理を3時間継続した後、
前記電圧を4kVと5kVの間で繰り返しゆっくりと変
化させる。変化のレートは、50V/min.とした
が、急激な電圧変化による不都合がなければ良く、特に
この値に限るものではない。
【0130】この処理を5時間行って、ゲッター活性化
処理を終了した。
【0131】なお、本実施例で用いた、表面伝導型電子
放出素子は、放出された電子が、素子の負極から正極に
向かう方向(便宜的に「横方向」と呼ぶ)の運動量成分
を持つため、フェースプレート4上でのビームの到達点
は、電子放出素子の位置から横方向にずれる。このズレ
の大きさをΔXとすると、近似的に ΔX∝√(Vf/Va) の関係が成立することが確かめられている。従って前記
の、Vaを6kVに上昇させる処理は、Vf/Vaを一
定に保って、行った。すなわち、Va=6kVのとき、
Vf=18Vに設定した。
【0132】{工程−o}圧力が1.3×10-3Pa以
下となったことを確認してから、排気管をバーナーで加
熱して、封じ切る。
【0133】以上により本実施例の画像表示装置を作成
した。
【0134】(実施例2)本実施例は、ゲッター材Ti
−Alを用いて作製した例を示すものである。まず、実
施例1と同様に工程−jまでを行った。ゲッター材の薄
膜は、粒径10〜50μmの分布を持ったゲッター材を
プラズマ溶射により平均膜厚50μmに形成したもの
で、粉体の組成はTi85%、Al15%の合金を用い
た。
【0135】次に、真空処理装置の排気装置として、ロ
ータリーポンプとターボポンプにより構成された、高真
空用排気装置を用い、フォーミング処理での真空装置内
の圧力を1.3×10-4Pa以下として、実施例1の工
程−kと同様に行い、活性化処理を、実施例1の工程−
lと同様のパルスを印加して行った。
【0136】真空容器内には特にガスを導入することは
せず、前記排気装置からの拡散により真空容器内に僅か
に残留する有機物質を利用して炭素を堆積させることに
よって行った。このとき真空容器内の圧力は、2.7×
10-3Pa程度であった。
【0137】活性化終了後、16Vを印加して素子電流
Ifと、放出電流Ieの測定を行ったところ、1素子あ
たりの平均値は、If=2.2mA、Ie=2.2μA
であった。
【0138】次いで、外囲器の外部のフェースプレート
の近傍にヒーターを近付け、これにより、フェースプレ
ートを約300℃に加熱して、ゲッター活性化を行っ
た。
【0139】次いで、実施例1の工程−oと同様に排気
管をバーナーで加熱して封じ切り、本実施例の画像表示
装置を作成した。
【0140】
【発明の効果】以上、述べたように本発明は、画像形成
部材の蛍光体の境界にゲッター材を配設することによ
り、外囲器内に発生したガスが速やかにゲッター材に吸
着されるので、電子放出素子の特性の劣化を抑制でき、
結果的に、長時間動作させた場合の輝度の低下、とりわ
け画像表示領域の中央付近での輝度の低下を抑制するこ
とができる。
【0141】また、ゲッター材を前記のように配置した
ことにより、ゲッター材の活性化を、他の特別な仕組み
を必要とせずに、電子源からの電子線照射により行うこ
とができる。
【0142】また、直径10〜50μmの範囲の粒状性
を有するゲッター材を用いることにより、ゲッター材の
表面積が広いため吸着できるガスの総量は多くなり、そ
の結果、高い放出ガス除去効果が得られた。
【0143】また、真空中あるいは不活性ガス中で行う
プラズマ溶射技術を用いて、前記ゲッターを作製するこ
とにより、所望の粒径状を維持した状態で所望の膜厚の
ゲッター膜を容易に設置することができる。
【0144】なお、本発明は、電子源と画像形成部材の
間に、制御電極等の電極構造体を有しない画像表示装置
において特に有効であるが、制御電極等を有する画像表
示装置に対して本発明を適用した場合にも、同様の効果
が当然期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における画像形成装置の実施形態である
外囲器の構造を示す、一部破断した斜視図である。
【図2】蛍光膜の構造を説明する図である。
【図3】本発明における画像形成装置の実施形態である
画像形成部材の構造を示す断面図である。
【図4】マトリクス配置を電子源を用いて構成した画像
表示装置によりNTSC方式のテレビ信号に基づいたテ
レビジョン表示を行うための駆動回路の構成例を示すブ
ロック図である。
【図5】複数の表面伝導型電子放出素子がマトリクス配
線された電子源を模式的に示す平面図である。
【図6】図5に示した電子源のA−A′線断面図であ
る。
【図7】図5に示した電子源の製造工程を説明するため
の図である。
【図8】図5に示した電子源の製造工程を説明するため
の図である。
【図9】画像表示装置の製造に使用する真空処理装置の
概要を示す模式図である。
【図10】画像表示装置の製造工程、フォーミング処理
及び活性化処理に用いる回路の構成を示す模式図であ
る。
【図11】フォーミング処理時に与えられる電圧波形の
例を示す図である。
【図12】ゲッター層の形成方法の一例を示す図であ
る。
【図13】従来の平板状画像表示装置のゲッター処理に
関わる部分の断面図である。
【符号の説明】
1 電子源 2 リアプレート 3 支持枠 4 画像形成部材 5 外囲器 6 ガラス基板 7 蛍光膜(画像表示部材) 8 メタルバック 9 透明導電膜 10 ゲッター材 11 メタルマスク 12 開口部 13 溶射粒子 22 Y方向配線 23 X方向配線 41 画像表示装置 42 走査回路 43 制御回路 44 シフトレジスタ 45 ラインメモリ 46 同期信号分離回路 47 変調信号発生器 51 制御装置 52 パルス発生器 53 電流計 54 ライン選択装置 82 下配線 83 上配線 91 画像表示装置 92 排気管 93 真空容器 94 ゲートバルブ 95 排気装置 96 圧力計 97 Q−mass 98 ガス導入量制御手段 99 物質源 102 導電性膜 105、106 素子電極 111 電子源基板 141 層間絶縁層 142 コンタクトホール 151 Cr膜 1005 外囲器 1006 蛍光体 1007 電界放出素子 1008 ワイヤーゲッター 1009 ゲッタ膜 1012 フェイスプレート 1014 リアプレート 1015 ゲッタ室 1018 ゲッタ材 G 素子電極間隔

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外囲器内に、少なくとも電子源と、複数
    の分割された蛍光体膜と該蛍光体膜を被覆するメタルバ
    ックから成る画像形成部材とを有する画像形成装置にお
    いて、 前記画像形成部材上の前記複数の領域に分割された蛍光
    体膜の境界領域に直径10〜50μmの範囲内にある粒
    状性を有する非蒸発型のゲッターを配置したことを特徴
    とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 外囲器内に、少なくとも電子源と、該電
    子源から放出される電子を加速するアノード電極と、該
    電子により画像を形成する画像表示部材とを有する画像
    表示装置において、 前記画像形成部材は、複数の分割された領域に形成さ
    れ、該分割された領域間に、非蒸発型のゲッター材が配
    置されており、該ゲッター材は、前記アノード電極に電
    気的に接続して形成されている請求項1に記載の画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 前記非蒸発型のゲッター材は、真空中あ
    るいは不活性ガス中で行う溶射技術で作製された膜であ
    る請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記溶射技術は、減圧下で行うプラズマ
    溶射技術を用いる請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記ゲッター材が、Ti、Zr、あるい
    はこれらのうちの少なくとも一種類を主成分とする合金
    からなる請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】 前記合金は更に、Al、V、Fe、Mn
    のいずれか一種類以上の元素を含有する合金である請求
    項5に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記画像表示部材上に配置されたゲッタ
    ー材が、直径10〜50μmのゲッター粒子で形成され
    た請求項2〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記ゲッター材が、10〜200μmの
    厚みで形成された請求項1〜7のいずれかに記載の画像
    形成装置。
  9. 【請求項9】 前記ゲッター材及び複数の分割された領
    域に形成された蛍光体膜が、導電性材料からなる膜と電
    気的に接触して配置されている画像形成部材を有す請求
    項1〜8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記導電性材料が透明な材料である請
    求項9に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記電子源は、基板上に複数の電子放
    出素子が配設された電子源である請求項1〜10のいず
    れかに記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記電子源は、マトリクス配線された
    複数の電子放出素子が基板上に配設された電子源である
    請求項1〜11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記電子源は、表面伝導型電子放出素
    子を有する請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかに記載の画
    像形成装置の、ゲッター材の活性化方法であって、前記
    画像形成装置の電子源より放出される電子線を前記ゲッ
    ター材に照射することを特徴とするゲッター材の活性化
    方法。
  15. 【請求項15】 前記画像形成装置の電子源に印加され
    る電圧、又は前記電子源と画像形成部材との間に印加さ
    れる電圧を制御することにより、前記電子源より放出さ
    れる電子線を前記ゲッター材に照射する請求項14に記
    載のゲッター材の活性化方法。
  16. 【請求項16】 請求項1〜13のいずれかに記載の画
    像形成装置の、ゲッター材の活性化方法であって、前記
    画像形成装置内部を真空排気したのち、該画像形成装置
    全体を150〜450℃に加熱することを特徴とするゲ
    ッター材の活性化方法。
  17. 【請求項17】 前記画像形成装置内部を真空排気した
    のち、前記画像形成部材のみを150〜750℃に加熱
    する請求項16に記載のゲッター材の活性化方法。
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