JP2000243238A - 電子源及び画像形成装置 - Google Patents

電子源及び画像形成装置

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JP2000243238A
JP2000243238A JP3994999A JP3994999A JP2000243238A JP 2000243238 A JP2000243238 A JP 2000243238A JP 3994999 A JP3994999 A JP 3994999A JP 3994999 A JP3994999 A JP 3994999A JP 2000243238 A JP2000243238 A JP 2000243238A
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Japan
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electron
wiring
electron source
emitting device
airtight container
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JP3994999A
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English (en)
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Yoshitaka Arai
由高 荒井
Kazuya Shigeoka
和也 重岡
Mitsutoshi Hasegawa
光利 長谷川
Ihachirou Gofuku
伊八郎 五福
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Original Assignee
Canon Inc
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Common Detailed Techniques For Electron Tubes Or Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子源において、ゲッターを用いる際の好適
な構成を実現する。 【解決手段】 気密容器内に、電子放出素子と、該電子
放出素子を接続する配線とを設け、該配線上にゲッタを
配置する。その際に、ゲッタの上面が丸まった状態にす
る、もしくはゲッタの幅を配線の幅よりも狭くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源及び画像形
成装置に関する。表示装置等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平4−12436号公報では、電子
ビームを引き出すゲート電極を有する電子源において、
該ゲート電極をゲッタ材で形成する方法が開示されてお
り、円錐状突起を陰極とする電界放出型の陰極と、pn
接合を有する半導体電子源が例示されている。また、特
開昭63−181248号公報では、カソード(陰極)
群と真空容器のフェースプレートとの間に、電子ビーム
を制御するための電極(グリッド)等を配置する構造の
平板状ディスプレイにおいて、この制御用電極上にゲッ
タ材の膜を形成する方法が開示されている。
【0003】また、米国特許5453659号では、画
像表示部材(アノードプレート)上のストライプ状の蛍
光体同士の隙間にゲッタ部材を形成したものが開示され
ている。この例では、ゲッタ材は、蛍光体およびそれと
電気的に接続された導電体とは電気的に分離されてお
り、ゲッタに適当な電位を与えて電子源の放出した電子
を照射・加熱することで、ゲッターの活性化を行なう、
あるいはゲッタを通電加熱して活性化を行なうものであ
る。
【0004】また、特開平9-82245号公報では、画像表
示部材側のメタルバックがゲッター材を兼ねる構成が示
されている。この他、電子放出素子を駆動するために設
けられた配線上や、電子放出素子を配置する素子電極近
くに、ゲッタ部材が設けらる構成を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願においては、気密
容器内に電子放出素子を設けた構成において、該気密容
器内に、雰囲気中の物質を取り込む取り込み部材を設け
る際の好適な構成を実現することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願に関わる電子源の発
明の一つは以下のように構成される。
【0007】電子放出素子と、該電子放出素子が接続さ
れる配線とを気密容器内に設けた電子源であって、前記
配線上には気密容器内の雰囲気に存在する物質を取り込
む取り込み部材が設けられており、該取り込み部材の上
面の角が丸まっていることを特徴とする電子源。
【0008】また本願に関わる電子源の発明の一つは以
下のように構成される。
【0009】電子放出素子と、該電子放出素子が接続さ
れる配線とを気密容器内に設けた電子源であって、前記
配線上には気密容器内の雰囲気に存在する物質を取り込
む取り込み部材が設けられており、該取り込み部材の表
面上の、前記電子放出素子の電子放出部の1点と交差す
る接線を有する点、もしくは前記取り込み部材の表面上
の、前記電子放出素子から放出される電子の軌道に最近
接の点において、該取り込み部材の内角が90度よりも
大きいことを特徴とする電子源。より具体的には、前記
内角は以下のように求められる。即ち、前記接線を有す
る点もしくは電子軌道に最近接の点における前記取り込
み部材の断面において、前記接線を有する点もしくは電
子軌道に最近接の点を点Aとし、該点Aを中心に前記取
り込み部材の幅の1%の半径の円を描いた時の該円と前
記取り込み部材との交点をそれぞれ点B,点Cとして、
点B−点A−点Cがなす角を前記内角とする。また、前
記点Aを中心に前記取り込み部材の幅の5%の半径の円
を描いた時の、前記点B−点A−点Cがなす角を前記内
角とし、該内角が90度よりも大きいとより好ましい。
【0010】以上述べた各発明の構成によれば、取り込
み部材、例えばゲッタ、特には非蒸発型ゲッターによ
る、電子の軌道への影響を緩和することができる。ま
た、取り込み部材における放電の可能性を減少すること
ができる。
【0011】また、本願に関わる電子源の発明の一つは
以下のように構成される。
【0012】電子放出素子と、該電子放出素子が接続さ
れる配線とを気密容器内に設けた電子源であって、前記
配線上には気密容器内の雰囲気に存在する物質を取り込
む取り込み部材が設けられており、該取り込み部材の幅
は前記配線の幅よりも狭いことを特徴とする電子源。
【0013】この構成によっても、取り込み部材によ
る、電子の軌道への影響を緩和することができる。
【0014】また、上記各発明において、前記気密容器
は、内部に対向する面を有しており、該対向する面の一
方の側に前記電子放出素子と前記配線とが設けられてい
る物であったりする。特にその対向する面が概略平行で
あったり、該対向する面の間隔が狭い場合に、特には該
間隔が100mm以下である場合に特に有効である。
【0015】また上記各発明は、特に、前記電子放出素
子の電子を放出する部分の少なくとも一部が、前記取り
込み部材の上面よりも前記配線の側に位置する場合にお
いて、好適に用いることができる。
【0016】また、前記取り込み部材の断面形状がアー
チ状であるとよい。
【0017】また、前記電子放出素子を複数有するもの
であるときに特に有効である。
【0018】また、前記配線を複数有しており、該複数
の配線が互いに交差する方向に伸びるものであったり、
前記配線を複数有しており、該複数の配線は、間に絶縁
体を挟んで積層して交差するものである構成を好適に採
用しうる。その際、前記取り込み部材の上面は、前記絶
縁体よりも上に位置すると好適である。
【0019】また、前記電子放出素子は、一対の電極の
間に電圧を印加して電子を放出するものであったりす
る。例えば表面伝導型電子放出素子を好適に用いること
ができる。また、前記一対の電極と前記配線とが並設さ
れている場合に、上記各発明は特に有効である。
【0020】また本願は、画像形成装置の発明として、
上述の各発明の電子源における前記気密容器内に、前記
電子放出素子から放出される電子によって発光する発光
体を有することを特徴とする画像形成装置の発明を含
む。
【0021】特には、前記電子放出素子から放出される
電子を前記発光体側に加速する電位が与えられる電極を
有する構成を好適に採用しうる。
【0022】
【発明の実施の形態】多数の電子放出素子により構成さ
れた電子源から放出された電子ビームを、画像表示部材
である蛍光体に照射し、蛍光体を発光させて画像を表示
する装置においては、電子源と画像形成部材とを内包す
る真空容器の内部を高真空に保持しなくてはならない。
それは、真空容器内部にガスが発生し、圧力が上昇する
と、その影響はガスの種類により異なるが、電子源に悪
影響を及ぼして電子放出量を低下させ、明るい画像の表
示ができなくなるためである。また、発生したガスが、
電子ビームにより電離されてイオンとなり、これが電子
を加速するための電界により加速されて電子源に衝突す
ることで、電子源に損傷を与えることもある。さらに、
場合によっては、内部で放電を生じさせる場合も有り、
この場合は装置を破壊することもある。
【0023】通常、画像形成装置の真空容器はガラス部
材を組み合わせて、接合部をフリットガラス等により接
着して形成されており、いったん接合が完了した後の圧
力の維持は、真空容器内に設置されたゲッターによって
行われる。
【0024】このようなゲッターとして、通常のCRT
では、Baを主成分とする合金を、接合が完了した真空
容器内で通電あるいは高周波により加熱し、容器内壁に
蒸着膜を形成、これにより内部で発生したガスを吸着し
て高真空を維持している。このように、蒸着した金属面
を用いて残留ガスを吸着するゲッターを蒸発型ゲッター
と呼ぶ。
【0025】最近、多数の電子放出素子を平面基板上に
複数配置した電子源を利用した平板状ディスプレイの開
発が進められている。この場合、真空容器の容積はCR
Tに比べ小さくなるのに対し、ガスを放出する壁面の面
積は減少せず、このためCRTと同程度のガスの発生が
あった場合の容器内の圧力の上昇が大きくなり、これに
よる電子源への影響は深刻となる。
【0026】さらに、CRTでは、その特徴的な形状の
ために、真空容器内部に電子源や画像形成部材の配置さ
れていない壁面が十分にあって、この部分に上述のよう
な蒸発型ゲッタ材を蒸着することができるが、平板状デ
ィスプレイの場合には、真空容器内面の面積の多くを、
電子源と画像形成部材が占めている。この部分に上記の
ような蒸着型のゲッタ膜が付着すると、配線のショート
などの悪影響が生ずるため、一般的にはゲッタ膜を形成
できる場所は電子源や画像形成部材の配置されていない
ところに限定される。例えば、真空容器内部の端などを
ゲッタ膜の形成に用い、画像形成部材と電子源とで構成
される部分(以下「画像表示領域」とよぶ)にゲッタ材
が付着しないようにすることが考えられるが、平板状デ
ィスプレイの大きさがある程度大きくなると、ガス放出
量と比較して十分なゲッタ蒸着膜の面積を確保すること
が困難となる。
【0027】また、平板状画像表示装置における、真空
容器内でのガス発生の問題では、平板容器内での全圧が
上昇する、という問題のほかに、局所的に圧力が上昇す
るという問題が生じる場合がある。
【0028】電子源と画像形成部材とを有する画像表示
装置において、真空容器内で、ガスを発生する部分は、
おもに電子ビームにより照射される画像表示領域と、電
子源それ自体とである。
【0029】従来のCRTの場合、画像表示部材と電子
源は離れており、両者の間には真空容器内壁に形成され
たゲッター蒸着膜があるため、画像表示部材で発生した
ガスは、電子源に到達するまでに広く拡散し、一部はゲ
ッター膜に吸着されて、電子源のところではそれほど極
端に圧力が高くならない。また、電子源自身の周りにも
ゲッター膜があるため、電子源自体から放出されたガス
によっても極端な局所的な圧力上昇は生じない。
【0030】ところが、平板状画像表示装置において
は、画像表示部材と電子源が接近しているため、画像表
示部材から発生したガスは、十分拡散する前に電子源に
到達して局所的な圧力上昇をもたらす。特に、画像表示
領域の中央部では、ゲッター膜を形成した領域まで拡散
することができないため、周辺部に比べ局所的な圧力上
昇がより大きく現われるものと考えられる。発生したガ
スは、電子源から放出された電子によりイオン化され、
電子源と画像表示部材との間に形成された電界によって
加速され、電子源に損傷を与えたり、放電を生じせしめ
て電子源を破壊したりする場合がある。
【0031】このような事情を考慮して、特定の構造を
有する平板状画像形成装置では、画像表示領域内にゲッ
ター材を配置して、発生したガスを即座に吸着するよう
にした構成が開示されている。このような場合、ゲッタ
ーを蒸発させた際の配線ショートや、電子源への悪影響
を考慮して、蒸発型ゲッターではなく、蒸着する必要の
無い非蒸発型ゲッターを画像表示領域内に配置する。非
蒸発型ゲッターとは、主としてZr系合金から成り、表
面に存在する酸化物等を熱エネルギーを加えることで合
金内部へ拡散移動させ(ゲッターの活性化)、表面に清
浄な金属面を現わして残留ガスを吸着するものである。
【0032】以下、図面を参照しながら本発明の好まし
い態様を例に挙げて説明する。
【0033】上記課題を解決するためになされた本発明
の好ましい態様の第1例は、電子源基板の電子放出素子
を駆動するために電圧印加するための配線に、Zrを主
成分とする合金から成る非蒸発型ゲッターを配置し、そ
の断面形状をアーチ状にするものである。
【0034】以下図1を用いて説明する。図1(a)は本発
明の画像形成装置の構成の一例を模式的に示すものであ
る。1は電子源基板(リアプレートともいう)で、複数
の電子放出素子をガラス等の絶縁性基板上に配置し、後
述する配線を施したものである。2はX方向配線(下配
線)で、3はY方向配線(上配線)である。4は電子放出
素子で、素子電極5、6との間に形成されている。7は
上配線上に配置した非蒸発型ゲッターである。
【0035】16はフェースプレートで、ガラス基体13の
上に蛍光体14およびメタルバック15が形成されている。
フェースプレート16は枠12を介して電子源基板1に、フ
リットガラス等を用いて接着され、外囲器17を形成す
る。外囲器17の内部は真空状態に保つために、耐大気圧
構造を維持するため、補強板11が電子源基板1に付属さ
れる場合も有る。
【0036】電子源基板1について、図1(b)を用いて詳
述する。図1(b)は図1(a)の電子源基板1を模式的に記
したものである。図1と同じ符号のものは、同一であ
り、X方向配線2とY方向配線3の間に、両者を絶縁す
るための層間絶縁層8が配置されていることが示されて
いる。
【0037】ここで、非蒸発型ゲッターについて説明す
る。ポンプなどの排気装置で排気した後の真空中で、真
空を保つために配置する材料を一般にゲッターという。
ゲッターは、蒸発型と非蒸発型に大別でき、蒸発型ゲッ
ターは、高周波加熱、通電加熱などの手段により文字ど
おり対向面に材料を蒸発させて金属薄膜を形成し、真空
中の残留ガスとの化学反応(吸着)により、残留ガスの
運動を妨げ、真空度を維持するものである。これに対
し、非蒸発型ゲッターは、通電加熱などの手段によりゲ
ッターにエネルギーを与えることで、その表面を被覆し
ている金属酸化物、炭化物、窒化物などが、ゲッター内
部に拡散し、新たに金属面が表面に析出して、真空中の
残留ガスと反応できるようになり、真空度を維持するも
のである。一般に、金属表面を出す作業を活性化とい
い、この作業によりゲッターが真空維持の機能を発現す
るようになる。蒸発型でも、非蒸発型でも、真空中の残
留ガスと反応して真空を維持する能力に大差はないが、
蒸発型は、対向する面に金属を蒸発させて金属面の面積
を稼ぐために、蒸発型ゲッターと対向面との間隔は比較
的長いほうが望ましい一方で、非蒸発型に、そのような
制限はない。また、非蒸発型は、表面に残留ガスが吸着
して吸着能力が飽和した後に、再度活性化を施せば、表
面の金属酸化物、炭化物、窒化物などが再度内部に拡散
して新たに金属面を析出させることが可能であり、活性
化が可能な範囲において繰り返し使用することができ
る。なお、活性化が可能な範囲とは、ゲッターを使用す
る環境に支配され、より高真空下で活性化を行うほうが
望ましい。
【0038】さらに本発明を詳述するために図3を用い
て説明する。
【0039】図3(a)は図1(b)の、A-A'面の断面図を示
したものである。また、図3(b)は、電子放出素子の駆動
時にフェースプレート16に加速電圧を印加した場合の電
子ビームの軌道を、X方向配線2を相対的に陽極として
駆動した場合を想定して示した模式図である。電子放出
素子4の電子放出部9より放出した電子は、プラス信号
電圧を印加するX方向配線に引き寄せられ、図のような
曲線軌道を描くことが知られている。この時、非蒸発型
ゲッター7の断面形状が矩形であれば、ゲッターのエッ
ジで電子ビームの軌道が妨げられ、フェースプレート16
に到達して蛍光膜14を発光するのに適当でない。また、
非蒸発型ゲッター7の断面形状が矩形であれば、電子ビ
ームの軌道とプラス電位である非蒸発型ゲッター7の距
離がエッジ部分で接近し、電子ビームの軌道を電気的に
曲げ、フェースプレート16に到達して蛍光膜14を発光す
るのに適当でない。さらに、複数の電子放出素子が配置
された電子源基板1においては、すべての素子から放出
される電子ビームの軌道が非蒸発型ゲッター7により障
害を受けるのを避けなければならない。製造工程におい
て、同時に非蒸発型ゲッター7を作製する場合、1ヶ所
の非蒸発型ゲッター7の配置位置にずれが生じれば、す
べての非蒸発型ゲッター7の配置がずれることになり、
製造の精度を出すことが困難となる。従って、非蒸発型
ゲッター7の断面形状がアーチ状であれば、矩形である
場合に比べて、製造の歩留まりがあがることになる。
【0040】続いて本発明で使用する電子源基板1につ
いて図1を例に説明する。
【0041】電子放出素子の配列については、種々のも
のが採用できるが、ここでは単純マトリクス配置を例に
挙げている。単純マトリクス配置とは、電子放出素子を
X方向及びY方向に行列状に複数個配し、同じ行に配され
た複数の電子放出素子の電極の一方を、X方向の配線に
共通に接続し、同じ列に配された複数の電子放出素子の
電極の他方を、Y方向の配線に共通に接続するものであ
る。
【0042】図1(a)で m本のX方向配線は,Dx1, Dx2,
……, Dxmからなり,真空蒸着法,印刷法,スパッタ法
等を用いて形成された導電性金属等で構成することがで
きる。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計される。Y方
向配線は,Dy1, Dy2, ……, Dynのn本の配線よりなり,
X方向配線と同様に形成される。これらm本のX方向配線
とn本のY方向配線との間には、不図示の層間絶縁層が設
けられており、両者を電気的に分離している(m, nは、
共に正の整数)。
【0043】不図示の層間絶縁層は,真空蒸着法,印刷
法,スパッタ法等を用いて形成されたSiO2 等で構成さ
れる。例えば、X方向配線を形成した電子源基板1の全面
或は一部に所望の形状で形成され,特に,X方向配線とY
方向配線の交差部の電位差に耐え得るように,膜厚,材
料,製法が,適宜設定される。X方向配線とY方向配線
は,それぞれ外部端子として引き出されている。
【0044】電子放出素子4を構成する一対の電極(不
図示)は、m本のX方向配線とn本のY方向配線と導電性金
属等からなる結線によって電気的に接続されている。
【0045】配線2、3を構成する材料、結線を構成する
材料及び一対の素子電極を構成する材料は、その構成元
素の一部あるいは全部が同一であっても、またそれぞれ
異なってもよい。これら材料は、例えば前述の素子電極
の材料より適宜選択される。素子電極を構成する材料と
配線材料が同一である場合には、素子電極に接続した配
線は素子電極ということもできる。
【0046】X方向配線には、X方向に配列した電子放出
素子4の行を、選択するための走査信号を印加する不図
示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線
には、Y方向に配列した電子放出素子4の各列を入力信号
に応じて、変調するための不図示の変調信号発生手段が
接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、
当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧とし
て供給される。
【0047】電子放出素子として、例えば表面伝導型電
子放出素子を用いる場合では、その特性によりしきい値
電圧以上では、対向する素子電極間に印加するパルス状
電圧の波高値と幅で制御できる。一方、しきい値電圧以
下では、殆ど放出されない。この特性によれば、多数の
電子放出素子を配置した場合においても、個々の素子
に、パルス状電圧を適宜印加すれれば、入力信号に応じ
て、表面伝導型電子放出素子を選択して電子放出量を制
御できる。
【0048】X方向配線2およびY方向配線3上には、非
蒸発型ゲッターが配置される。その断面形状は図3に記
したようにエッジ部分が丸みを帯びたアーチ状である。
非蒸発型ゲッターとしては、市販のZr系合金(例え
ば、HS-405パウダー(日本ゲッターズ製)、St-707(SA
ES製)など)が適用でき、製造時に断面がアーチ状にな
るよう作製する。
【0049】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0050】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置のフェースプレート16につ
いて、図1 と図4 を用いて説明する。図4 は、図1
の画像形成装置に使用される蛍光膜の模式図である。
【0051】外囲器17は、上述の如く、フェースープレ
ート16、支持枠12、リアプレート1で構成される。フェ
ースープレート16、リアプレート1間に、スペーサー
とよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気
圧に対して十分な強度をもつ外囲器17を構成することも
できる。
【0052】図4 は、蛍光膜を示す模式図である。蛍光
膜14は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成する
ことができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列
によりブラックストライプあるいはブラックマトリクス
などと呼ばれる黒色導電材21と蛍光体22とから構成する
ことができる。ブラックストライプ、ブラックマトリク
スを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原
色蛍光体の各蛍光体92間の塗り分け部を黒くすることで
混色等を目立たなくすることと、蛍光膜14における外光
反射によるコントラストの低下を抑制することにある。
ブラックストライプの材料としては、通常用いられてい
る黒鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透
過及び反射が少ない材料を用いることができる。
【0053】フェースプレート16には、更に蛍光膜14の
導電性を高めるため、蛍光膜14の外面側に透明電極(不
図示)を設けてもよい。
【0054】前述の封着を行う際には、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
【0055】図1 に示した画像形成装置の製造方法の
一例を、電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を
使用した場合を例に以下に説明する。
【0056】図5はこの工程に用いる装置の概要を示す
模式図である。画像形成装置31は、排気管32を介して真
空チャンバー33に連結され、さらにゲートバルブ34を介
して排気装置35に接続されている。真空チャンバー33に
は、内部の圧力及び雰囲気中の各成分の分圧を測定する
ために、圧力計36、四重極質量分析器37等が取り付けら
れている。画像表示装置31の外囲器17内部の圧力などを
直接測定することは困難であるため、該真空チャンバー
33内の圧力などを測定し、処理条件を制御する。
【0057】真空チャンバー33には、さらに必要なガス
を真空チャンバー内に導入して雰囲気を制御するため、
ガス導入ラインが接続されている。該ガス導入ラインの
他端には導入物質源39が接続されており、導入物質がア
ンプルやボンベなどに入れて貯蔵されている。ガス導入
ラインの途中には、導入物質を導入するレートを制御す
るための導入制御手段38が設けられている。該導入量制
御手段としては具体的には、スローリークバルブなど逃
す流量を制御可能なバルブや、マスフローコントローラ
ーなどが、導入物質の種類に応じて、それぞれ使用が可
能である。
【0058】図5の装置により外囲器17の内部を排気
し、フォーミングを行い電子放出部9を形成する。電圧
印加することでフォーミングを行なう場合には、印加パ
ルスの形状や、処理の終了の判定などの条件は、個別素
子のフォーミングに準じて選択すればよい。また、複数
のX方向配線に、位相をずらせたパルスを順次印加(ス
クロール)することにより、複数のX方向配線に接続さ
れた素子をまとめてフォーミングする事も可能である。
【0059】フォーミング終了後、活性化工程を行う。
外囲器17内は、十分に排気した後有機物質がガス導入ラ
インから導入される。有機物質を含む雰囲気中で、各電
子放出素子に電圧を印加することにより、炭素あるいは
炭素化合物、ないし両者の混合物が電子放出部に堆積
し、電子放出量がドラスティックに上昇する。このとき
の電圧の印加方法は、上記フォーミングの場合と同様の
結線により、一つの方向配線につながった素子に、同時
の電圧パルスを印加すればよい。
【0060】活性化工程終了後は、個別素子の場合と同
様に、安定化工程を行うことが好ましい。
【0061】外囲器17を加熱して、250〜350℃に保持し
ながら、イオンポンプ、ソープションポンプなどのオイ
ルを使用しない排気装置35によりの排気管32を通じて排
気し、有機物質の十分少ない雰囲気にする。この際、画
像形成装置31に配置した非蒸発型ゲッターも加熱されて
活性化し、排気能力を発現するようになる。この後、排
気管をバーナーで熱して溶解させて封じきる。外囲器17
の封止後の圧力を維持するために、さらに蒸発型ゲッタ
ーの蒸着を行なうこともできる。これは、外囲器17の封
止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周
波加熱等を用いた加熱により、外囲器17内の所定の位置
に配置された蒸発型ゲッター(不図示)を加熱し、蒸着
膜を形成する処理である。ゲッターは通常ばBa等が主成
分であり、該蒸着膜の吸着作用により、外囲器17内の雰
囲気を維持する。この際、蒸発したゲッターが画像表示
エリア内に飛散しないように遮蔽板(不図示)を設ける
こともある。
【0062】次に、単純マトリクス配置の電子源を用い
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に基づ
いたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例につ
いて、図6を用いて説明する。図6において、61は画像表
示表示パネル、62は走査回路、63は制御回路、64はシフ
トレジスタである。65はラインメモリ、66は同期信号分
離回路、67は変調信号発生器、VxおよびVaは直流電圧源
である。
【0063】表示パネル61は、端子Dox1乃至Doxm、端子
Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路
と接続している。端子Dox1乃至Doxmには、表示パネル内
に設けられている電子源、即ち、M 行N 列の行列状にマ
トリクス配線された表面伝導型電子放出素子群を一行(N
素子) ずつ順次駆動する為の走査信号が印加される。
【0064】端子Dy1 乃至Dyn には、前記走査信号によ
り選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各素子の
出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加される。
高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば10kVの直流
電圧が供給されるが、これは表面伝導型電子放出素子か
ら放出される電子ビームに蛍光体を励起するのに十分な
エネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0065】走査回路62について説明する。同回路は、
内部にM 個のスイッチング素子を備えたもので(図中,
S1ないしSmで模式的に示している)ある。各スイッチン
グ素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V(グラン
ドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネル61の端
子Dx1 ないしDxm と電気的に接続される。S1 乃至Smの
各スイッチング素子は、制御回路63が出力する制御信号
Tscan に基づいて動作するものであり、例えばFET のよ
うなスイッチング素子を組み合わせることにより構成す
ることができる。
【0066】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝導
型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づ
き走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放
出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよ
う設定されている。
【0067】制御回路63は、外部より入力する画像信号
に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動作を
整合させる機能を有する。制御回路63は、同期信号分離
回路66より送られる同期信号Tsync に基づいて、各部に
対してTscan およびTsftおよびTmryの各制御信号を発生
する。
【0068】同期信号分離回路66は、外部から入力され
るNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度信号成
分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分離(フィ
ルター)回路等を用いて構成できる。同期信号分離回路
66により分離された同期信号は、垂直同期信号と水平同
期信号より成るが、ここでは説明の便宜上Tsync 信号と
して図示した。前記テレビ信号から分離された画像の輝
度信号成分は便宜上DATA信号と表した。該DATA信号はシ
フトレジスタ64に入力される。
【0069】シフトレジスタ64は、時系列的にシリアル
に入力される前記DATA信号を、画像の1 ライン毎にシリ
アル/パラレル変換するためのもので、前記制御回路63
より送られる制御信号Tsftに基づいて動作する(即ち、
制御信号Tsftは,シフトレジスタ64のシフトクロックで
あるということもできる。)。シリアル/パラレル変換
された画像1 ライン分(電子放出素子N 素子分の駆動デ
ータに相当)のデータは、Id1 乃至Idn のN 個の並列信
号として前記シフトレジスタ64より出力される。
【0070】ラインメモリ65は、画像1 ライン分のデー
タを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であり、制
御回路63より送られる制御信号Tmryに従って適宜Id1 乃
至Idn の内容を記憶する。記憶された内容は、I'd1乃至
I'dnとして出力され、変調信号発生器67に入力される。
【0071】変調信号発生器67は、画像データI'd1乃至
I'dnの各々に応じて表面伝導型電子放出素子の各々を適
切に駆動変調する為の信号源であり、その出力信号は、
端子Doy1乃至Doynを通じて表示パネル61内の表面伝導型
電子放出素子に印加される。
【0072】入力信号に応じて、電子放出素子を変調す
る方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方式等が
採用できる。電圧変調方式を実施するに際しては、変調
信号発生器67として、一定長さの電圧パルスを発生し、
入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変調す
るような電圧変調方式の回路を用いることができる。
【0073】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器67として、一定の波高値の電圧パルスを
発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅
を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いること
ができる。
【0074】シフトレジスタ64やラインメモリ65は、デ
ジタル信号式のものをもアナログ信号式のものをも採用
できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所
定の速度で行なわれれば良いからである。
【0075】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路66の出力信号DATAをデジタル信号化する必要
があるが、これには66の出力部にA/D 変換器を設ければ
良い。これに関連してラインメモリ65の出力信号がデジ
タル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器67に
用いられる回路が若干異なったものとなる。即ち、デジ
タル信号を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器
67には、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増
幅回路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調
信号発生器67には、例えば高速の発振器および発振器の
出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器
の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コン
パレータ)を組み合せた回路を用いる。必要に応じて、
比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝
導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための
増幅器を付加することもできる。
【0076】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器67には、例えばオペアンプなどを用
いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト回
路などを付加することもできる。パルス幅変調方式の場
合には、例えば、電圧制御型発振回路(VOC)を採用で
き、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧ま
で電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0077】このような構成をとり得る本発明を適用可
能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dox1乃至Doxm、Doy1乃至Doynを介して電圧を印加
することにより、電子放出が生ずる。高圧端子Hvを介し
てメタルバック15、あるいは透明電極(不図示)に高圧
を印加し、電子ビームを加速する。加速された電子は、
蛍光膜14に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
【0078】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限られ
るものではなく、PAL,SECAM方式など他、これよりも、
多数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじ
めとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0079】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
【0080】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要
素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0081】(実施例1)本発明に用いる画像形成装置
の概要は、基本的には図1に示したものと同様の構成で
ある。
【0082】また、本実施例の画像形成装置の電子源
は、表面伝導型電子放出素子がマトリクス状に複数個配
置されたものである。
【0083】本実施例の画像形成装置は、図1に模式的
に示された装置と同様の構成を有し、印刷法で形成した
X方向配線(下配線)2、Y方向配線(上配線)3上に非蒸
発型ゲッタ(NEG)が配置されている。
【0084】また、本実施例の画像形成装置は、基板上
に、複数(100行×300列)の表面伝導型電子放出素子が、
単純マトリクス配線された電子源を備えている。
【0085】以下図7を用いて説明する。
【0086】工程-a 基板1を洗剤、純水および有機溶剤を用いて十分に洗浄
した。この上に厚さ0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ
法で形成し、電子源基板1とした。
【0087】その後、電子源基板上に、素子電極5,6と
素子電極間ギャップGとなるべきパターンをホトレジス
ト(RD-2000N-41日立化成社製)で形成し、真空蒸着法に
より、厚さ5nmのTi、厚さ100nmのNiを順次堆積した。ホ
トレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜
をリフトオフし、素子電極間隔Gは3μm、素子電極の幅
は300μmとし、素子電極5,6を形成した。
【0088】工程-b その後スクリーン印刷法を用いて、素子電極の片側5に
コンタクトするように下配線2を形成し、400℃で焼成
して所望の形状の下配線2を形成した。
【0089】工程-c その後スクリーン印刷法を用いて、上下配線の交差部に
所望の層間絶縁層8を印刷、400℃で焼成して形成し
た。
【0090】工程-d 下配線とコンタクトしていない側の素子電極6とコンタ
クトするようにスクリーン印刷法で上配線3を印刷、40
0℃で焼成して形成した。
【0091】工程-e 膜厚100nmのCr膜を真空蒸着により堆積・パターニング
し、その上にPdアミン錯体の溶液(ccp4230奥野製薬(株)
社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で10分間の加
熱焼成処理をした。また、こうして形成された、主元素
としてPdよりなる微粒子からなる電子放出部形成用の導
電性膜108の膜厚は8.5nm、シート抵抗値は3.9×104Ω/
□であった。なおここで述べる微粒子膜とは、複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜をさ
し、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微
粒子についての径を言う。
【0092】Cr膜及び焼成後の電子放出部形成用の導電
性膜108を酸エッチャントによりエッチングして所望の
パターンを形成した。
【0093】以上の工程により電子源基板1上に複数(10
0行×300列)の電子放出部形成用の導電性膜108が、下配
線2と上配線3よりなる単純マトリクスに、接続されたも
のとした。
【0094】工程-f 次ぎに上配線および下配線の形状に開口を持つメタルマ
スクを準備し、十分な位置合わせをした後、スパッタリ
ング法によりZr-V-Fe合金を成膜した。準備したマ
スクの開口部は逆テーパー加工し、作製する非蒸発型ゲ
ッターの断面形状がアーチ状になるようにした。なお、
ゲッタ層7の厚さは50μmとなるように調整した。
【0095】本実施例では、幅280μmの配線上に幅
240μmの非蒸発型ゲッタを配置した。ここで、該ゲ
ッタと最近接の電子放出素子の電子放出部のうちの一点
と交差する接線を有するゲッタ表面の点Aにおいて、半
径を2.4μm(ゲッタ幅の1%)として前述の点B,
Cを求め前述の内角を測った所、174°であった。ま
た、半径を12μm(ゲッタ幅の5%)として前述の内
角を測った所、150°であった。本実施例では、前記
点B,Cはゲッタの断面と交差する点であったが、ゲッ
タ層が薄く、点B,Cがゲッタと交差しない時には、ゲ
ッタ端の接線と前記半径を有する円の交点とを点B,C
として内角を求めればよい。
【0096】以上により、非蒸発型ゲッタを備えた電子
源1を形成した。使用したスパッタリングターゲットの
組成は、Zr;70%、V;25%、Fe;5%(重量比)である。
【0097】工程-i 次に、図1に示すフェースプレート16を、以下のように
作成した。
【0098】ガラス基体13を洗剤、純水および有機溶剤
を用いて十分に洗浄した。この上に、印刷法により蛍光
膜14を塗布し、表面の平滑化処理(通常、「フィルミン
グ」と呼ばれる。)して、蛍光体部を形成した。なお、
蛍光膜14はストライプ状の蛍光体(R,G,B)22と、黒色導
電材(ブラックストライプ)21とが交互に配列された図4
の(a)に示される蛍光膜とした。更に、蛍光膜7の上に、
Al薄膜よりなるメタルバック15をスパッタリング法によ
り0.1μmの厚さに形成した。
【0099】工程-j 次に、図1に示す外囲器17を、以下のように作成した。
【0100】前述の工程により作成された電子源基板1
を補強板11に固定した後、支持枠12、上記フェースプレ
ート16を組み合わせ、電子源1の下配線2及び上配線3を
行選択用端子及び信号入力端子と各々接続し、電子源基
板1とフェースプレート16の位置を厳密に調整し、封着
して外囲器17を形成した。封着の方法は、接合部にフリ
ットガラスを塗布し、Arガス中450℃、30分の熱処理を
行い接合した。なお、電子源基板1と補強板11の固定も
同様の処理により行った。
【0101】続いて図5に示す真空装置を用い,図8の
ように必要な機器を接続して次の工程を行なった。
【0102】工程-k 外囲器17の内部を排気し、圧力を1×10-3Pa以下にし、
電子源基板1上に配列された前述の複数の電子放出部形
成用の導電性膜108(図(k))に、電子放出部を形成するた
めの以下の処理(フォーミングと呼ぶ)を行った。
【0103】図8に示すように、X方向配線2を共通結線
してグランドに接続する。
【0104】71は制御装置で、パルス発生器72とライン
選択装置74を制御する。
【0105】73は電流計である。ライン選択装置74によ
り、Y方向配線3から1ラインを選択し、これにパルス
電圧を印加する。フォーミング処理はY方向の素子行に
対し、1行(300素子)毎に行った。印加したパルスの波形
は三角波パルスで、波高値を徐々に上昇させた。パルス
幅T1=1msec、パルス間隔T2=10msecとした。また、三角
波パルスの間に、波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入し、
電流を測ることにより各行の抵抗値を測定した。抵抗値
が3.3kΩ(1素子当たり1MΩ)を越えたところで、その行
のフォーミングを終了し、次の行の処理に移った。これ
をすべての行について行い、すべての前記導電性膜(電
子放出部形成用の導電性膜108)のフォーミングを完了
し、各導電性膜に電子放出部9を形成して、複数の表面
伝導型電子放出素子が、単純マトリクスに配線された電
子源基板1を作成した。
【0106】工程-l 真空容器33内に、物質源39に予め入れたベンゾニトリル
を導入し、圧力が1.3×10-3Paとなるように調整し、素
子電流Ifを測定しながら上記電子源にパルスを印加し
て、各電子放出素子の活性化処理を行った。パルス発生
器72により生成したパルス波形は、矩形波で、波高値は
14V、パルス幅T1=100μsec、パルス間隔は167μsecであ
る。ライン選択装置74により、167μsec毎に選択ライン
をDx1からDx100まで順次切り替え、この結果、各素子行
にはT1=100μsec、T2=16.7msecの矩形波が行毎に位相を
少しずつシフトされて印加されることになる。
【0107】電流計73は、矩形波パルスのオン状態(電
圧が14Vになっている時)での電流値の平均を検知するモ
ードで使用し、この値が600mA(1素子当たり2mA)となっ
たところで、活性化処理を終了し、外囲器17内を排気し
た。
【0108】工程-m 排気を続けながら、不図示の加熱装置により、画像形成
装置31及び真空容器33の全体を300℃に、10時間保持し
た。この処理により、外囲器17及び真空容器33の内壁な
どに吸着されていたと思われるベンゾニトリル及びその
分解物が除去された。これはQ-mass37による観察で確認
された。
【0109】この工程においては、画像形成装置の加熱
/排気保持により、内部からのガスの除去が行われるだ
けでなく、非蒸発型ゲッタの活性化処理も兼ねて行われ
る。
【0110】このときの加熱は300℃10時間で行ったが
これに限るものでなく、より高温での効果はもちろん低
温でも加熱時間を長くすることにより、ベンゾニトリル
の除去、非蒸発ゲッタの活性化とも同様の効果が得られ
た。
【0111】工程-n 圧力が1.3×10-5Pa以下となったことを確認してから、
排気管をバーナーで加熱して封じ切る。
【0112】以上により本実施例の画像形成装置を作成
した。
【0113】なお、本実施例では非蒸発型ゲッタの形成
方法にメタルマスクを用いたプロセスで説明したが、こ
れに限るものでなく、フォトリソグラフィーを用いたパ
ターニング方法と斜方向から蒸着を組み合わせたもの
や、ディスペンサーや印刷で接着剤を描画し非蒸発型ゲ
ッタの粉末を接着したもの、メッキ法等を用いて、断面
形状をアーチ状に加工しても良い。
【0114】(実施例2)図3に本実施例の特徴を最も
良く表す図を示す。
【0115】実施例1との相違はY方向配線(上配線)
上にのみ非蒸発ゲッタを形成したことである。
【0116】工程-f-2として実施例1の工程-fの代わ
りに行った以外は実施例1と共通である。
【0117】工程-f-2 次ぎに上配線の形状に開口を持つメタルマスクを準備
し、十分な位置合わせをした後、スパッタリング法によ
りZr-V-Fe合金を成膜した。準備したマスクの開口
部は逆テーパー加工し、作製する非蒸発型ゲッターの断
面形状がアーチ状になるようにした。なお、ゲッタ層11
0の厚さは50μmとした。使用したスパッタリングターゲ
ットの組成は、Zr;70%、V;25%、Fe;5%(重量比)である。
【0118】工程-g以降、実施例1と共通。
【0119】以上により本実施例の画像形成装置を作成
した。
【0120】なお、実施例1及び2において素子電極、
導電性薄膜を全てフォトリソプロセスや真空成膜を用い
たが、これに限るものでなく、印刷法、メッキ法、ディ
スペンサーなどを用いた描画法でも形成でき、同様の効
果が得られる。
【0121】以上述べた実施例の構成においては、電子
源と、該電子源と対向する基板との間に制御電極を設け
なくても電子源、画像形成装置を実現することができ
る。また、ゲッタ材を活性化するための特別な配線を設
けなくても、ゲッタを有効に活用することができる。ま
た、気密容器内のスペースを有効に活用してゲッタを配
置することができる。
【0122】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば電子
源もしくは画像形成装置において、取り込み部材の電子
の軌道に与える影響を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)本発明の画像形成装置の構成
と、そのうちの電子源基板を示す図である。
【図2】(a),(b)本発明の画像形成装置の別の構
成と、そのうちの電子源基板を示す図である。
【図3】(a),(b)本発明の画像形成装置の電子源
の一部分を示す図である。
【図4】(a),(b);図1の画像形成装置に用いら
れる蛍光膜を示す図。
【図5】画像表示装置の製造に使用する真空処理装置の
概要を示す模式図である。
【図6】本発明に係る画像形成装置をNTSC方式のテ
レビ信号に応じて表示を行なう例の駆動回路のブロック
図。
【図7】本発明の電子源基板の製造工程を説明するため
の断面図。
【図8】本発明に係る画像形成装置を製造するための種
々の機器を接続した製造評価装置の模式図である。
【符号の説明】
1 電子源基板(リアプレート) 2 X方向配線(下配線) 3 Y方向配線(上配線) 4 電子放出素子 5 素子電極 6 素子電極 7 非蒸発型ゲッター 8 層間絶縁層 9 電子放出部 11 補強板 12 支持枠 13 ガラス基板 14 蛍光膜 15 メタルバック 16 フェースプレート 17 外囲器 21 黒色導電体 22 蛍光体 31 画像表示装置 32 排気管 33 真空容器 34 ゲートバルブ 35 排気装置 36 圧力計 37 四重極質量分析器 38 ガス導入量制御手段 39 物質源 61 画像表示パネル 62 走査回路 63 制御回路 64 シフトレジスタ 65 ラインメモリ 66 同期信号分離回路 67 変調信号発生器 71 制御装置 72 パルス発生器 73 電流計 74 ライン選択装置 108 導電性膜
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 光利 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 五福 伊八郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5C031 DD17 5C032 AA07 JJ08 5C035 AA20 JJ10 5C036 EE17 EE19 EF01 EF06 EF09 EG02 EG29 EH01 EH23

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子と、該電子放出素子が接続
    される配線とを気密容器内に設けた電子源であって、 前記配線上には気密容器内の雰囲気に存在する物質を取
    り込む取り込み部材が設けられており、該取り込み部材
    の上面の角が丸まっていることを特徴とする電子源。
  2. 【請求項2】 電子放出素子と、該電子放出素子が接続
    される配線とを気密容器内に設けた電子源であって、 前記配線上には気密容器内の雰囲気に存在する物質を取
    り込む取り込み部材が設けられており、該取り込み部材
    の表面上の、前記電子放出素子の電子放出部の1点と交
    差する接線を有する点において、該取り込み部材の内角
    が90度よりも大きいことを特徴とする電子源。
  3. 【請求項3】 前記取り込み部材の幅は、前記配線の幅
    よりも狭い請求項1もしくは2に記載の電子源。
  4. 【請求項4】 電子放出素子と、該電子放出素子が接続
    される配線とを気密容器内に設けた電子源であって、 前記配線上には気密容器内の雰囲気に存在する物質を取
    り込む取り込み部材が設けられており、該取り込み部材
    の幅は前記配線の幅よりも狭いことを特徴とする電子
    源。
  5. 【請求項5】 前記気密容器は、内部に対向する面を有
    しており、該対向する面の一方の側に前記電子放出素子
    と前記配線とが設けられている請求項1乃至4いずれか
    に記載の電子源。
  6. 【請求項6】 前記電子放出素子の電子を放出する部分
    の少なくとも一部が、前記取り込み部材の上面よりも前
    記配線の側に位置する請求項1乃至5いずれかに記載の
    電子源。
  7. 【請求項7】 前記取り込み部材の断面形状がアーチ状
    である請求項1乃至6いずれかに記載の電子源。
  8. 【請求項8】 前記取り込み部材が非蒸発型ゲッターで
    ある請求項1乃至7いずれかに記載の電子源。
  9. 【請求項9】 前記電子放出素子を複数有する請求項1
    乃至8いずれかに記載の電子源。
  10. 【請求項10】 前記配線を複数有しており、該複数の
    配線が互いに交差する方向に伸びる請求項1乃至9いず
    れかに記載の電子源。
  11. 【請求項11】 前記配線を複数有しており、該複数の
    配線は、間に絶縁体を挟んで積層して交差する請求項1
    乃至10いずれかに記載の電子源。
  12. 【請求項12】 前記取り込み部材の上面は、前記絶縁
    体よりも上に位置する請求項11に記載の電子源。
  13. 【請求項13】 前記電子放出素子は、一対の電極の間
    に電圧を印加して電子を放出するものである請求項1乃
    至12いずれかに記載の電子源。
  14. 【請求項14】 前記一対の電極と前記配線とが並設さ
    れている請求項13に記載の電子源。
  15. 【請求項15】 画像形成装置であって、請求項1乃至
    14いずれかに記載の電子源と、前記電子源の前記気密
    容器内に、前記電子放出素子から放出される電子によっ
    て発光する発光体を有することを特徴とする画像形成装
    置。
  16. 【請求項16】 前記電子放出素子から放出される電子
    を前記発光体側に加速する電位が与えられる電極を有す
    る請求項15に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008034227A (ja) * 2006-07-28 2008-02-14 Futaba Corp 自発光型表示器

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