JP2000251656A - 気密容器及び電子源及び画像形成装置 - Google Patents

気密容器及び電子源及び画像形成装置

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JP2000251656A
JP2000251656A JP4647399A JP4647399A JP2000251656A JP 2000251656 A JP2000251656 A JP 2000251656A JP 4647399 A JP4647399 A JP 4647399A JP 4647399 A JP4647399 A JP 4647399A JP 2000251656 A JP2000251656 A JP 2000251656A
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electron
electron source
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Kazuya Shigeoka
和也 重岡
Mitsutoshi Hasegawa
光利 長谷川
Yoshitaka Arai
由高 荒井
Ihachirou Gofuku
伊八郎 五福
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線に接してゲッタを設ける構成において好
適な構成を実現する。 【解決手段】 所定の間隔におけるゲッタの電気抵抗を
該間隔における配線の電気抵抗よりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願に関わる発明は、気密容
器、もしくは電子源、もしくは画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平4−12436号公報では、電子
ビームを引き出すゲート電極を有する電子源において、
該ゲート電極をゲッタ材で形成する方法が開示されてお
り、円錐状突起を陰極とする電界放出型の陰極と、pn
接合を有する半導体電子源が例示されている。また、特
開昭63−181248号公報では、カソード(陰極)
群と真空容器のフェースプレートとの間に、電子ビーム
を制御するための電極(グリッド)等を配置する構造の
平板状ディスプレイにおいて、この制御用電極上にゲッ
タ材の膜を形成する方法が開示されている。
【0003】また、米国特許5453659号では、画
像表示部材(アノードプレート)上のストライプ状の蛍
光体同士の隙間にゲッタ部材を形成したものが開示され
ている。この例では、ゲッタ材は、蛍光体およびそれと
電気的に接続された導電体とは電気的に分離されてお
り、ゲッタに適当な電位を与えて電子源の放出した電子
を照射・加熱することで、ゲッターの活性化を行なう、
あるいはゲッタを通電加熱して活性化を行なうものであ
る。
【0004】また、特開平9-82245号公報では、画像表
示部材側のメタルバックがゲッター材を兼ねる構成が示
されている。この他、電子放出素子を駆動するために設
けられた配線上や、電子放出素子を配置する素子電極近
くに、ゲッタ部材が設けらる構成を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本願は、気密容器にお
いて雰囲気中の物質を取り込む取り込み部材を配線に接
して、特には他の素子を制御する配線に接して設ける際
の好適の構成を実現することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願に関わる気密容器の
発明は以下のように構成される。
【0007】気密容器であって、該気密容器の内部に、
配線と、該配線に接して設けられ雰囲気中の物質を取り
込む取り込み部材とを有しており、該取り込み部材は、
該取り込み部材における第1の点と該第1の点から所定
間隔離れた第2の点の間の電気抵抗が、前記配線におけ
る前記所定間隔離れた点の間の電気抵抗よりも高い物で
あることを特徴とする気密容器。
【0008】この電気抵抗は実測により検出することが
できる。より具体的には、配線と取り込み部材の体積抵
抗率を測定し、所定の間隔にわたって配線と取り込み部
材が接触している領域においてそれぞれの断面積を測定
する。この方法により前記所定の間隔における配線と取
り込み部材の電気抵抗をそれぞれ求めることができる。
【0009】この発明によれば、配線の導電性に与える
取り込み部材の影響を抑制することができる。特には、
取り込み部材を形成した配線部分と形成しなかった配線
部分において、配線部分毎の電圧降下ばらつきを小さく
抑えられ、その結果非蒸発ゲッタに代表される取り込み
部材を形成することによる輝度ばらつきを小さく抑えら
れる。また、取り込み部材を配置した後に、前記配線へ
の通電を伴う製造プロセスを経る場合にも、該通電時に
おける電圧降下のばらつきを抑制できる。
【0010】また、前記配線は気密容器内に設けられ電
圧の印加もしくは電流の供給を受ける素子に対して電圧
を印加もしくは電流を供給するためのものである場合に
本発明は特に有効である。更に、気密容器内には、マト
リックス状に配置される複数の前記素子それぞれの一端
が接続される走査配線と、前記複数の素子それぞれの他
端が接続され、前記走査配線と互いに交差する方向に伸
びる信号配線とが設けられており、前記取り込み部材は
前記走査配線と接して設けられる構成においては、特に
有効である。この構成において、走査側配線、信号側配
線の両方の配線上に形成しても片側の配線のみに形成し
ても構わないが、片側のみに形成する場合、走査側配線
上に形成することが好ましい。それは単純マトリクス駆
動の際、信号配線であるY方向配線より走査配線である
X方向配線の方が電流容量が大きいことが好ましく、必
然的にX方向配線の幅が広くなり、取り込み部材の形成
面積を大きくできるからである。
【0011】また、前記取り込み部材は非蒸発型ゲッタ
であると好適である。例えば、配線の上方にBaの蒸着
源をもち、封止後配線上にBaゲッタを形成する場合に
は、実際の駆動の際に該蒸着源であるワイヤが電子ビー
ム軌道に影響を与える場合があったり、ゲッタの蒸着な
どの製造上の工程も複雑となるのに比べて非蒸発型ゲッ
タを用いることにより構成が簡略化され、工程も簡略化
される。
【0012】また、前記配線は前記取り込み部材の活性
化配線の機能を有するものであると好適である。特に前
記素子の制御と取り込み部材の活性化配線の機能を兼ね
る物であれば、気密容器内の構成が簡略化され好適であ
る。
【0013】特に、前記取り込み部材は、前記配線によ
って通電されるものである場合に好適である。
【0014】また、前記取り込み部材の主成分が金属で
ある構成において特に有効である。
【0015】また特に、前記取り込み部材は、前記取り
込み部材は前記配線上に設けられる構成が特に有効であ
る。
【0016】また本願は電子源の発明として、前述の各
発明の気密容器と、該気密容器中に設けられた電子放出
素子とを有することを特徴とする電子源の発明を含む。
【0017】ここで、前記配線が前記電子放出素子に接
続される配線である構成が特に有効である。
【0018】また、前記電子放出素子が、1対の電極間
に電圧を印加して電子を放出する電子放出素子であると
よい。更には、前記1対の電極は並設されるものである
とよい。
【0019】また、前記電子放出素子と前記配線は同じ
基板上に設けられる構成が好適である。
【0020】また本願は、画像形成装置の発明として、
前述の各発明の電子源と、該電子源の電子放出素子が放
出する電子により画像を形成する画像形成部材とを有す
ることを特徴とする画像形成装置の発明を含んでいる。
【0021】
【発明の実施の形態】電子源より放出された電子ビーム
を画像表示部材である蛍光体に照射し、蛍光体を発光さ
せて画像を表示する装置においては、電子源と画像形成
部材を内包する真空容器の内部を高真空に保持しなけれ
ばならない。それは、真空容器内部にガスが発生し、圧
力が上昇すると、その影響の程度はガスの種類により異
なるが、電子源に悪影響を及ぼして電子放出量を低下さ
せ、明るい画像の表示ができなくなるためである。ま
た、発生したガスが、電子ビームにより電離されてイオ
ンとなり、これが電子を加速するための電界により加速
されて電子源に衝突することで、電子源の損傷を与える
こともある。さらに、場合によっては、内部で放電を生
じさせる場合もあり、この場合は装置を破壊することも
ある。
【0022】平板ディスプレイに使用する電子源を構成
する電子放出素子としては、構造と製造方法が簡単なも
のが、生産技術、製造コスト等の観点から見て望ましい
ことはいうまでもない。製造プロセスが、薄膜の積層と
簡単な加工で構成されているもの、あるいは、大型のも
のを製造する場合は、印刷法などの真空装置を必要とし
ない技術により製造できるものが求められている。
【0023】これに対し、製造工程が容易であると言う
上述の要求を満たしうる構造を持った電子放出素子とし
ては、横型の電界放出型電子放出素子や、表面伝導型電
子放出素子を挙げることができる。横型の電界放出型電
子放出素子は、平面基板上に尖った電子放出部を有する
陰極(ゲート)を対向させて形成したもので、蒸着、スパ
ッタ、メッキ法などの薄膜堆積法と、通常のフォトリソ
グラフィー技術により製造できる。また、表面伝導型電
子放出素子は、一部に高抵抗部を有する導電性薄膜に電
流を流すことにより、電子が放出されるものある。
【0024】以下の実施例で述べる画像表示装置におい
て、ガスの発生源として最も寄与の大きいものは高エネ
ルギーの電子によって衝撃を受ける蛍光膜などの画像表
示部材と電子源自身である。もちろん、高温で時間をか
けてベーキングするなど、十分に脱ガス処理が実行でき
れば、ガスの発生は避けられるが、実際の装置では、電
子放出素子その他の部材が熱的なダメージを受けるた
め、十分に脱ガス処理が行えない場合があり、この様な
場合には、ガスが発生する可能性が高い。
【0025】また、局所的・瞬間的にガスの圧力が高く
なった場合には、電界により加速されたイオンが、別の
ガス分子に衝突して、次々にイオンを生成し、放電を生
じせしめるおそれがある。この場合には電子源が部分的
に破壊され、電子放出特性の劣化を引き起こすおそれが
ある。画像表示部材からのガスの発生は、画像表示装置
形成後に、電子を放出させ、これにより蛍光体に含まれ
る水等のガスが急激に放出される。これにより駆動開始
初期に画像の輝度が目立って低下するなどの現象を引き
起こす場合がある。更にこの後、駆動を継続することに
より、電子源周辺などからもガスが放出され、徐々に特
性が劣化する。表示領域の外側にのみゲッタ領域を設け
た場合には、画像表示領域の中央付近で発生したガス
は、外側のゲッタ領域に到達するまでに時間がかかるだ
けでなく、ゲッタに吸着される前に電子源に再吸着し
て、電子放出特性を劣化させるのを防止するのに、十分
な効果を発揮できず、特に画像表示領域の中央で、画像
の輝度低下が目立つ場合がある。そこで以下の各実施例
では、画像表示領域内にゲッタを設けた構成において特
に有効な構成を示す。
【0026】以下本実施の形態における基本的構成につ
いて説明する。
【0027】図1は、本発明の画像形成装置の構成の一
例を模式的に示すものである。1は電子源基板で、複数
の電子放出素子を基板上に配置し、対向する電極と適当
な配線で結線したものである。2はリアプレート、3は支
持枠、4はフェースプレート、接合部において、フリッ
トガラスなどを用いて互いに接着され、外囲器5を形成
している。
【0028】フェースプレート4は、ガラス基体6の上に
蛍光膜7、メタルバック8が形成されてなり、この部分は
画像表示領域となる。蛍光膜7は白黒画像の場合には、
蛍光体のみからなるが、カラー画像を表示する場合に
は、赤、緑、青の3原色の蛍光体によりピクセルが形成
され、その間を黒色導電材で分離した構造とする。黒色
導電材はその形状により、ブラックストライプ、ブラッ
クマトリクスなどと呼ばれる。詳細は後述する。
【0029】メタルバック8はAlなどの導電性薄膜によ
り構成される。メタルバック8は、蛍光体から発生した
光のうち、電子源1の方に進む光をガラス基体6の方向に
反射して輝度を向上させるとともに、外囲器5内に残留
したガスが、電子線により電離され生成したイオンの衝
撃によって、蛍光体が損傷を受けるのを防止する働きも
ある。またフェースプレート4の画像表示領域に導電性
を与えて、電荷が蓄積されるのを防ぎ、電子源1に対し
てアノード電極の役割を果たすものである。
【0030】続いて蛍光膜7について説明する。図5(a)
は、蛍光体13がストライプ状に並べられた場合で、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体13が順に形成され、
その間が黒色導電材12によって分離されている。この場
合、黒色導電材12の部分はブラックストライプと呼ばれ
る。図5(b)は蛍光体13のドットが格子状に並び、その
間を黒色導電材12によって分離したものである。この場
合には、黒色導電材12はブラックマトリクスと呼ばれ
る。蛍光体13の各色の配置方法は数種あり、これに応じ
てドットの並び型は、図示した三角格子のほか、正方格
子などを採用する場合もある。
【0031】ガラス基体6上への黒色導電材12と蛍光体1
3のパターニング法としては、スラリー法や印刷法など
が使用できる。蛍光膜7を形成した後、さらにAlなどの
金属を形成し、メタルバック8とする。
【0032】図3、4は、2次元的に配置された電子源
を、マトリクス配線で接続された構成を模式的に示した
ものである。図3は平面図、図4はA-A'に沿った断面の
構成を示す。
【0033】102はX方向配線(走査側配線、上配線)、10
3はY方向配線(信号側配線、下配線)で、それぞれ素子電
極105,106を介して電子放出素子108に接続されている。
Y方向配線103とX方向配線102の交差部は、Y方向配線10
3の上に絶縁層104が形成され、その上にX方向配線102が
形成されている。
【0034】X方向配線102、Y方向配線103、素子電極
105,106、電子放出素子はフォトリソプロセスと真空蒸
着法を組み合わせたもの、メッキ法、印刷法、金属を溶
液に溶かし液滴で付与し焼成する方法等で形成される。
【0035】この電子源基板の配線上に非蒸発型ゲッタ
(NEG)109,110を形成する。
【0036】X方向(走査側配線、上配線)、Y方向
(信号側配線、下配線)両方向とも非蒸発型ゲッタを形
成してもよいし、片側のみ形成してもよい。
【0037】片側の場合、好ましくはX方向配線上に形
成することが望ましい。これは単純マトリクス駆動の際
信号配線であるY方向配線より走査配線であるX方向配
線の方が電流容量が大きいことが好ましく、必然的にX
方向配線の幅が広くなり、NEGの形成面積を大きくで
きるからである。
【0038】また、画像表示領域内全域に、まんべんな
く分散して配置されることが望ましい(この意味より、
本ゲッタは面内ゲッタと称す)。
【0039】配線上に形成する非蒸発型ゲッタ(NEG)
は、その材料としてTi,Zr,Cr,Al,V,Nb,Ta,W,Mo,Th,Ni,F
e,Mnのうちから選ばれる一種以上の金属、またはその合
金からなるものが使われ、フォトリソプロセスによるパ
ターニングと真空蒸着法やスパッタリング法によって製
造可能であり、また上記ゲッタ材のうちから選ばれる一
種以上の金属、またはその合金からなるものや、それら
に他の金属、非金属材料を混ぜ、スクリーン法やオフセ
ット法の印刷法、メッキ法等を用いても製造可能であ
る。
【0040】この時、非蒸発ゲッタの連続する任意の二
点間の電気抵抗は、非蒸発ゲッタの下部にある配線の同
二点間の電気抵抗より高くする。
【0041】これは非蒸発ゲッタを形成した配線部分と
形成しなかった配線部分がある画像形成装置において、
後述する素子形成工程のフォーミング工程や活性化工
程、さらには駆動時に配線に電流を流す際、その上部の
主成分が金属である非蒸発ゲッタにも電流が流れ、配線
よりも非蒸発ゲッタの抵抗が低い場合には、非蒸発ゲッ
タに配線より大きい電流が流れ、電圧降下が大きく変わ
り、画像形成装置の輝度ばらつきを生じさせてしまう場
合がある。非蒸発ゲッタの連続する任意の二点間の電気
抵抗が、非蒸発ゲッタの下部にある配線の同二点間の電
気抵抗より高い場合には、非蒸発ゲッタの形成された配
線部分と形成されていない配線部分の電圧降下のばらつ
きが小さく、輝度ばらつきを少なくすることが出来る。
【0042】フェースプレート4と、支持枠3、リアプレ
ート2と、電子源1やその他の構造体と組み合わせ、支持
枠3と、フェースプレート4、リアプレート2を接合す
る。接合は、接合部にフリットガラスをつけ、400〜450
℃に加熱して行う。電子源1などの内部構造体の固定も
同様に行う。実際の操作としては、フリットガラス中に
バインダーとして含まれる成分を除去するために、まず
酸素を含む雰囲気中で、低温での加熱焼成(この工程を
「仮焼成」と呼ぶ)を行う。この時の酸素濃度と温度は可
能な範囲で下げることが望ましい。具体的な条件はフリ
ットの種類によって異なるが、温度については250℃以
下が望まれる。この後、Arなどの不活性ガス(inert ga
s)中で、400〜450℃の加熱処理を行い、接合部を溶着す
る(封着工程)。
【0043】この後、外囲器5の内部を一度排気して
(真空形成工程)、電子源1の活性化処理など必要な処
理(電子源活性化工程)を行う。続いて排気と加熱脱ガ
ス(ベーキング工程)により、外囲器5の内部に十分な真
空を確保し、さらに真空度排気管(不図示)をバーナーで
加熱して封じ切る。さらに、ゲッタの活性化処理を行う
が、非蒸発型のゲッタ109、110を250℃以上450℃以下の
熱処理により活性化する。
【0044】上記の非蒸発型のゲッタ109、110の活性化
処理は封着工程後に少なくとも一度熱処理をすれば良
く、上記ベーキング工程で兼ねても良い。
【0045】次に、上記の画像形成装置により、NTSC方
式のテレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行う為の
駆動回路の構成例について、図6を用いて説明する。図
6において、81は画像表示装置、82は走査回路、83は制
御回路、84はシフトレジスタである。85はラインメモ
リ、86は同期信号分離回路、87は変調信号発生器、Vxお
よびVaは直流電圧源である。
【0046】画像形成装置81は、端子Dox1乃至Doxm、端
子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hvを介して外部の電気回
路と接続している。端子Dox1乃至Doxmには、画像形成装
置内に設けられている電子源、即ち、M 行N 列の行列状
にマトリクス配線された表面伝導型電子放出素子群を一
行(N素子) ずつ順次駆動する為の走査信号が印加され
る。
【0047】端子Doy1 乃至Doyn には、前記走査信号に
より選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各素子
の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加され
る。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば10kVの
直流電圧が供給されるが、これは表面伝導型電子放出素
子から放出される電子ビームに蛍光体を励起するのに十
分なエネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0048】走査回路82について説明する。同回路は、
内部にM 個のスイッチング素子を備えたもので(図中,
S1ないしSmで模式的に示している)ある。各スイッチン
グ素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V(グラン
ドレベル)のいずれか一方を選択し、画像形成装置81の
端子Dox1 ないしDoxm と電気的に接続される。S1 乃至S
mの各スイッチング素子は、制御回路83が出力する制御
信号Tscan に基づいて動作するものであり、例えばFET
のようなスイッチング素子を組み合わせることにより構
成することができる。
【0049】直流電圧源Vxは、本例の場合には表面伝導
型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づ
き走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放
出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよ
う設定されている。
【0050】制御回路83は、外部より入力する画像信号
に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動作を
整合させる機能を有する。制御回路83は、同期信号分離
回路86より送られる同期信号Tsync に基づいて、各部に
対してTscan およびTsftおよびTmryの各制御信号を発生
する。
【0051】同期信号分離回路86は、外部から入力され
るNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度信号成
分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分離(フィ
ルター)回路等を用いて構成できる。同期信号分離回路
86により分離された同期信号は、垂直同期信号と水平同
期信号より成るが、ここでは説明の便宜上Tsync 信号と
して図示した。前記テレビ信号から分離された画像の輝
度信号成分は便宜上DATA信号と表した。該DATA信号はシ
フトレジスタ84に入力される。
【0052】シフトレジスタ84は、時系列的にシリアル
に入力される前記DATA信号を、画像の1 ライン毎にシリ
アル/パラレル変換するためのもので、前記制御回路83
より送られる制御信号Tsftに基づいて動作する(即ち、
制御信号Tsftは,シフトレジスタ84のシフトクロックで
あるということもできる。)。
【0053】シリアル/パラレル変換された画像1 ライ
ン分(電子放出素子N 素子分の駆動データに相当)のデ
ータは、Id1 乃至Idn のN 個の並列信号として前記シフ
トレジスタ84より出力される。
【0054】ラインメモリ85は、画像1 ライン分のデー
タを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であり、制
御回路83より送られる制御信号Tmryに従って適宜Id1 乃
至Idn の内容を記憶する。記憶された内容は、I'd1乃至
I'dnとして出力され、変調信号発生器87に入力される。
【0055】変調信号発生器87は、画像データI'd1乃至
I'dnの各々に応じて表面伝導型電子放出素子の各々を適
切に駆動変調する為の信号源であり、その出力信号は、
端子Doy1乃至Doynを通じて表示パネル81内の表面伝導型
電子放出素子に印加される。
【0056】本発明を適用可能な電子放出素子は放出電
流Ieに対して以下の基本特性を有している。即ち、電子
放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧
を印加された時のみ電子放出が生じる。電子放出しきい
値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧の変化に応
じて放出電流も変化する。このことから、本素子にパル
ス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出閾値以下の
電圧を印加しても電子放出は生じないが、電子放出閾値
以上の電圧を印加する場合には電子ビームが出力され
る。その際、パルスの波高値Vmを変化させる事により出
力電子ビームの強度を制御することが可能である。ま
た、パルスの幅Pwを変化させることにより出力される電
子ビームの電荷の総量を制御する事が可能である。
【0057】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器87として、一定長さの電圧パルスを
発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値
を変調するような電圧変調方式の回路を用いることがで
きる。
【0058】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器87として、一定の波高値の電圧パルスを
発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅
を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いること
ができる。シフトレジスタ84やラインメモリ85は、デジ
タル信号式のものをもアナログ信号式のものをも採用で
きる。画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定
の速度で行なわれれば良いからである。
【0059】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路86の出力信号DATAをデジタル信号化する必要
があるが、これには86の出力部にA/D 変換器を設ければ
良い。これに関連してラインメモリ85の出力信号がデジ
タル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器87に
用いられる回路が若干異なったものとなる。即ち、デジ
タル信号を用いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器
87には、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増
幅回路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調
信号発生器87には、例えば高速の発振器および発振器の
出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器
の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コン
パレータ)を組み合せた回路を用いる。必要に応じて、
比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝
導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための
増幅器を付加することもできる。
【0060】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器87には、例えばオペアンプなどを用
いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト回
路などを付加することもできる。パルス幅変調方式の場
合には、例えば、電圧制御型発振回路(VOC)を採用で
き、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧ま
で電圧増幅するための増幅器を付加することもできる。
【0061】このような構成をとり得る本発明の画像形
成装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Dox1
乃至Doxm、Doy1乃至Doynを介して電圧を印加することに
より、電子放出が生ずる。高圧端子Hvを介してメタルバ
ックあるいは透明電極(不図示)に高圧を印加し、電子
ビームを加速する。加速された電子は、蛍光膜7に衝突
し、発光が生じて画像が形成さる。
【0062】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、発明の技術
思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号につ
いては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限られる
ものではなく、PAL,SECAM 方式など他、これよりも、多
数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじめ
とする高品位TV)方式をも採用できる。
【0063】本発明の画像形成装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像形成装置等としても用いること
ができる。
【0064】以下、好ましい実施例を挙げて、本発明を
更に詳述するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要
素の置換や設計変更がなされたものをも包含する。
【0065】(実施例1)本実施例の画像形成装置は、
図1に模式的に示された装置と同様の構成を有し、X方向
配線(上配線)102、Y方向配線(下配線)103上に一本お
きに非蒸発型ゲッタ(NEG)が配置されている。
【0066】また、本実施例の画像形成装置は、基板上
に、複数(100行×300列)の表面伝導型電子放出素子が、
単純マトリクス配線された電子源1を備えている。
【0067】電子源1の一部平面図を図3に示す。ま
た、図中A-A'の断面図を図4に示す。但し、図3、図4
で、同じ記号を付したものは同じ物を示す。ここで101
は電子源基板、102は図1のDoxmに対応するX方向配線(上
配線、走査側配線とも呼ぶ)、103は図1のDoynに対応す
るY方向配線(下配線、信号側配線とも呼ぶ)、108は電子
放出部を含む導電性膜、105,106は素子電極、104は層間
絶縁層である。
【0068】以下に、本実施例の画像形成装置の製造方
法について、図7を参照しつつ説明する。
【0069】工程-a 基板1を洗剤、純水および有機溶剤を用いて十分に洗浄
した。この上に厚さ0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ
法で形成し、電子源基板101とした。その後、電子源基
板上に、素子電極105,106と素子電極間ギャップGとなる
べきパターンをホトレジスト(RD-2000N-41日立化成社
製)で形成し、真空蒸着法により、厚さ5nmのTi、厚さ10
0nmのNiを順次堆積した。ホトレジストパターンを有機
溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極
間隔Gは3μm、素子電極の幅は300μmとし、素子電極10
5,106を形成した。
【0070】工程-b その後スクリーン印刷法を用いて、素子電極の片側105
にコンタクトするように下配線103を形成し、400℃で焼
成して所望の形状の下配線103を形成した。
【0071】工程-c その後スクリーン印刷法を用いて、上下配線の交差部に
所望の層間絶縁層104を印刷、400℃で焼成して形成し
た。
【0072】工程-d 下配線とコンタクトしていない側の素子電極106とコン
タクトするようにスクリーン印刷法で上配線102を印
刷、400℃で焼成して形成した。
【0073】工程-e 膜厚100nmのCr膜を真空蒸着により堆積・パターニング
し、その上にPdアミン錯体の溶液(ccp4230奥野製薬(株)
社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で10分間の加
熱焼成処理をした。また、こうして形成された、主元素
としてPdよりなる微粒子からなる電子放出部形成用の導
電性膜108の膜厚は8.5nm、シート抵抗値は3.9×104Ω/
□であった。なおここで述べる微粒子膜とは、複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜をさ
し、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微
粒子についての径を言う。
【0074】Cr膜及び焼成後の電子放出部形成用の導電
性膜108を酸エッチャントによりエッチングして所望の
パターンを形成した。(図6(f))。
【0075】以上の工程により電子源基板101上に複数
(100行×300列)の電子放出部形成用の導電性膜108が、
上配線102と下配線103よりなる単純マトリクスに、接続
されたものとした。
【0076】工程-f 次ぎにホトレジスト(AZ1370ヘキスト社製)をスピンナー
により回転塗布、ベークした後、ホトマスク像を露光、
現像して、上配線及び層間絶縁膜に覆われていない下配
線上に一本おきにパターンを形成し、スパッタリング法
によりZr-V-Fe合金を成膜した。ゲッタ層109,110
の厚さは2μmとなるように調整した。この膜厚によ
り、連続した非蒸発ゲッタの膜上の任意の二点間の非蒸
発ゲッタの抵抗値は、その下部の同二点間の配線の抵抗
より高く形成された。
【0077】ここで下配線、上配線ともに抵抗率(体積
抵抗率)は5×10-8Ωmであり一方ゲッタの体積抵抗
率は4.1×10-7Ωmである。ある点における下配線
の断面積は1000μm2、そこでのゲッタの断面積は
100μm2であり、1cmの間隔における抵抗値はそ
れぞれ0.5Ω,20.5Ωであり、下配線の抵抗値よ
りもゲッタの抵抗値を充分に大きくすることができた。
また、ある点での上配線の断面積は1500μm2、そ
こでのゲッタの断面積は100μm2であり、1cmの
間隔における抵抗値はそれぞれ0.33Ω,20.5Ω
であり、上配線の抵抗値よりもゲッタの抵抗値を充分に
大きくすることができた。
【0078】以上により、非蒸発型ゲッタを備えた電子
源1を形成した。使用したスパッタリングターゲットの
組成は、Zr;70%、V;25%、Fe;5%(重量比)である。
【0079】工程-i 次に、図1に示すフェースプレート4を、以下のように作
成した。
【0080】ガラス基体6を洗剤、純水および有機溶剤
を用いて十分に洗浄した。この上に、スパッタ法により
ITOを0.1μm堆積し、透明電極1011を形成した。続い
て、印刷法により蛍光膜7を塗布し、表面の平滑化処理
(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)して、蛍光体
部を形成した。なお、蛍光膜7はストライプ状の蛍光体
(R,G,B)13と、黒色導電材(ブラックストライプ)12とが
交互に配列された図4の(a)に示される蛍光膜とした。
更に、蛍光膜7の上に、Al薄膜よりなるメタルバック8を
スパッタリング法により0.1μmの厚さに形成した。
【0081】工程-j 次に、図1に示す外囲器5を、以下のように作成した。
【0082】前述の工程により作成された電子源1をリ
アプレート2に固定した後、支持枠3、上記フェースプレ
ート4を組み合わせ、電子源1の下配線103及び上配線102
を行選択用端子10及び信号入力端子11と各々接続し、電
子源1とフェースプレート4の位置を厳密に調整し、封着
して外囲器5を形成した。封着の方法は、接合部にフリ
ットガラスを塗布し、Arガス中450℃、30分の熱処理を
行い接合した。なお、電子源1とリアプレート2の固定も
同様の処理により行った。
【0083】次の工程を説明する前に、以後の工程にて
用いられた真空装置について、図8を用いて述べる。
【0084】画像形成装置121は、排気管122を介して真
空容器123に接続され、該真空容器123には、排気装置12
5が接続されており、その間にゲートバルブ124が設けら
れている。真空容器123には、圧力計126、四重極質量分
析器(Q-mass)127が取り付けられており、内部の圧力及
び、残留ガスの各分圧をモニタできるようになってい
る。外囲器5内の圧力や分圧を直接測定することは困難
なので、真空容器123の圧力と分圧を測定し、この値を
外囲器5内のものとみなす。排気装置125はソープション
ポンプとイオンポンプからなる超高真空用排気装置であ
る。真空容器123には、複数のガス導入装置が接続され
ており、物質源129に蓄えられた物質を導入することが
できる。
【0085】導入物質はその種類に応じて、ボンベまた
はアンプルに充填されており、ガス導入量制御手段128
によって導入量が制御できる。ガス導入量制御手段128
は、導入物質の種類、流量、必要な制御精度などに応じ
て、ニードルバルブ、マスフローコントローラーなどが
用いられる。本実施例では、ガラスアンプルに入れたベ
ンゾニトリルを物質源129として用い、ガス導入量制御
手段128として、スローリークバルブを使用した。
【0086】以上の真空処理装置を用いて以後の工程を
行った。
【0087】工程-k 外囲器5の内部を排気し、圧力を1×10-3Pa以下にし、電
子源基板101上に配列された前述の複数の電子放出部形
成用の導電性膜108に、電子放出部を形成するための以
下の処理(フォーミングと呼ぶ)を行った。図9に示すよ
うに、Y方向配線103を共通結線してグランドに接続す
る。131は制御装置で、パルス発生器132とライン選択装
置134を制御する。133は電流計である。ライン選択装置
134により、X方向配線102から1ラインを選択し、これに
パルス電圧を印加する。フォーミング処理はX方向の素
子行に対し、1行(300素子)毎に行った。印加したパルス
の波形は図10(a)に示すような三角波パルスで、波高
値を徐々に上昇させた。パルス幅T1=1msec、パルス間隔
T2=10msecとした。また、三角波パルスの間に、波高値
0.1Vの矩形波パルスを挿入し、電流を測ることにより各
行の抵抗値を測定した。抵抗値が3.3kΩ(1素子当たり1M
Ω)を越えたところで、その行のフォーミングを終了
し、次の行の処理に移った。これをすべての行について
行い、すべての前記導電性膜(電子放出部形成用の導電
性膜108)のフォーミングを完了し、各導電性膜に電子放
出部を形成して、複数の表面伝導型電子放出素子が、単
純マトリクスに配線された電子源1を作成した。
【0088】工程-l 真空容器123内に、ベンゾニトリルを導入し、圧力が1.3
×10-3Paとなるように調整し、素子電流Ifを測定しなが
ら上記電子源1にパルスを印加して、各電子放出素子の
活性化処理を行った。パルス発生器132により生成した
パルス波形は、図10(b)に示した矩形波で、波高値は1
4V、パルス幅T1=100μsec、パルス間隔は167μsecであ
る。ライン選択装置134により、167μsec毎に選択ライ
ンをDx1からDx100まで順次切り替え、この結果、各素子
行にはT1=100μsec、T2=16.7msecの矩形波が行毎に位相
を少しずつシフトされて印加されることになる。
【0089】電流計133は、矩形波パルスのオン状態(電
圧が14Vになっている時)での電流値の平均を検知するモ
ードで使用し、この値が600mA(1素子当たり2mA)となっ
たところで、活性化処理を終了し、外囲器5内を排気し
た。
【0090】工程-m 排気を続けながら、不図示の加熱装置により、画像形成
装置121及び真空容器123の全体を300℃に、10時間保持
した。この処理により、外囲器5及び真空容器123の内壁
などに吸着されていたと思われるベンゾニトリル及びそ
の分解物が除去された。これはQ-mass127による観察で
確認された。この工程においては、画像形成装置の加熱
/排気保持により、内部からのガスの除去が行われるだ
けでなく、非蒸発型ゲッタの活性化処理も兼ねて行われ
る。このときの加熱は300℃10時間で行ったがこれに限
るものでなく、より高温での効果はもちろん低温でも加
熱時間を長くすることにより、ベンゾニトリルの除去、
非蒸発ゲッタの活性化とも同様の効果が得られた。
【0091】工程-n 圧力が1.3×10-5Pa以下となったことを確認してから、
排気管をバーナーで加熱して封じ切る。
【0092】以上により本実施例の画像形成装置を作成
した。
【0093】なお、本実施例では非蒸発型ゲッタの形成
方法にフォトリソプロセス、スパッタ成膜法を用いた
が、これに限るものでなく、メタルマスクを用いたパタ
ーニング方法や、ディスペンサーや印刷で接着剤を描画
し非蒸発型ゲッタの粉末を接着したもの、メッキ法等を
用いても同様の効果が得られる。
【0094】また、本実施例のようにNEGを配線一本
おきに形成するのでなく、図11の様に任意のパターンに
形成する場合においても作成方法は同様であり、後述す
る同様の効果が期待できる。
【0095】(実施例2)図2に本実施例の特徴を最も
良く表す図を示す。
【0096】実施例1との相違はX方向配線(上配線)
上にのみ非蒸発ゲッタを一本おきに形成したことであ
る。
【0097】工程-f-2として実施例1の工程-fの代わ
りに行った以外は実施例1と共通である。
【0098】工程-f-2 ホトレジスト(AZ1370ヘキスト社製)をスピンナーにより
回転塗布、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像し
て、上配線上に一本おきにパターンを形成し、スパッタ
リング法によりZr-V-Fe合金を成膜した。その後リ
フトオフにより不要の部分を除去しゲッタ層110を形成
した。ゲッタ層110の厚さは2μmとした。使用したスパ
ッタリングターゲットの組成は、Zr;70%、V;25%、Fe;5%
(重量比)である。
【0099】工程-g以降、実施例1と共通。
【0100】以上により本実施例の画像形成装置を作成
した。
【0101】なお、実施例1及び2において素子電極、
導電性薄膜を全てフォトリソプロセスや真空成膜を用い
たが、これに限るものでなく、印刷法、メッキ法、ディ
スペンサーなどを用いた描画法でも形成でき、同様の効
果が得られる。
【0102】以上述べたように呪術の実施例では、複数
の電子放出素子が基板上にマトリクス状に配置され結線
された電子源基板と、前記基板に対向して設けられた蛍
光膜を有する画像形成装置において、前記画像形成装置
の電子源基板の配線上に非蒸発ゲッタを形成することに
より、広い面積で、しかも、最もガスを放出する部分の
近傍にゲッタ材が配置されることになる。この際配線上
方にゲッタ材の蒸発源を設ける必要がないので、駆動時
の電子軌道に影響を及ぼすことがなく、封着工程後に外
囲器内に発生したガスはゲッタ材に速やかに吸着され、
外囲器内の真空度が良好に維持されるので、電子放出素
子からの電子放出量が安定し、特性の劣化を抑制でき、
結果的に、長時間動作させた場合の輝度の低下、とりわ
け、画像表示領域の外側付近での輝度の低下、および輝
度むらを抑制することができる。
【0103】また、非蒸発ゲッタを形成する際、非蒸発
ゲッタの電気抵抗を配線の電気抵抗より高くする事によ
り、非蒸発ゲッタの形成された配線部分と形成されてい
ない配線部分がある場合でも、電圧降下のばらつきが小
さく抑えられ、その結果、画像形成装置の輝度ばらつき
が小さく抑えられる。
【0104】さらに、ゲッタの活性化工程が、蒸発型ゲ
ッタを組み込む工程およびゲッタフラッシュ工程を必要
とせず、熱工程でできるので歩留まり良く画像形成装置
を製造することができる。
【0105】なお、電子源と画像形成部材の間に、制御
電極などの電極構造体を有しない画像形成装置において
特に有効であるが、制御電極などを有する画像形成装置
に対して本発明を適用した場合にも、同様の効果が当然
期待される。
【0106】
【発明の効果】以上実施例を上げて説明してきたよう
に、本発明においては、配線に接してゲッタを設ける構
成において、特にゲッタによる望ましくない影響を低減
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の1例を示す模式図であ
る。
【図2】本発明の実施例2の画像形成装置を示す模式図
である。
【図3】本発明を適用して形成した、単純マトリクス配
置された電子源の一例を示す模式図のうち、平面図。
【図4】本発明を適用して形成した、単純マトリクス配
置された電子源の一例を示す模式図のうち、断面図。
【図5】本発明の実施形態に用いられる、蛍光体、及び
黒色導電材の配置パターンを示す。
【図6】本発明の実施形態において、画像形成装置に、
NTSC 方式のテレビ信号に応じて表示を行なうための駆
動回路の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明を適用して形成した、表面伝導型電子放
出素子を配列した基板を形成するプロセスを示す。
【図8】本発明の実施形態の画像形成装置フォーミン
グ、活性化工程を行うための真空排気装置の模式図。
【図9】本発明の実施形態の画像形成装置の、フォーミ
ング、活性化工程のための結線方法を示す模式図。
【図10】本発明の実施形態の画像形成装置の、フォー
ミング、活性化工程のための信号を示す模式図。
【符号の説明】
1 電子源基板 2 リアプレート 3 支持枠 4 フェースプレート 5 外囲器 6 ガラス基体 7 蛍光体 8 メタルバック 10 行選択用端子 11 信号入力端子 12 黒色導電材 13 蛍光体 81 画像形成装置 82 走査回路 83 制御回路 84 シフトレジスタ 85 ラインメモリ 86 同期信号分離回路 87 変調信号発生器 101 ガラス基体 102 上配線 103 下配線 104 層間絶縁層 105,106 素子電極 108 電子放出部、 109,110 非蒸発ゲッタ 121 画像形成装置 122 排気管 123 真空容器 124 ゲートバルブ 125 排気装置 126 圧力計 127 Q−mass 128 ガス導入量制御手段 129 物質源 131 制御装置 132 パルス発生器 133 電流計 134 ライン選択装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 由高 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 五福 伊八郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 Fターム(参考) 5C032 AA07 JJ05 JJ08 JJ11 5C035 JJ05 JJ10 JJ13 5C036 EF01 EF06 EF08 EG02 EG12 EG50 5C094 AA06 AA10 BA21 CA19 CA24 DA07 EA10 FB20 JA05

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密容器であって、該気密容器の内部
    に、配線と、該配線に接して設けられ雰囲気中の物質を
    取り込む取り込み部材とを有しており、該取り込み部材
    は、該取り込み部材における第1の点と該第1の点から
    所定間隔離れた第2の点の間の電気抵抗が、前記配線に
    おける前記所定間隔離れた点の間の電気抵抗よりも高い
    物であることを特徴とする気密容器。
  2. 【請求項2】 前記配線は気密容器内に設けられ電圧の
    印加もしくは電流の供給を受ける素子に対して電圧を印
    加もしくは電流を供給するためのものである請求項1に
    記載の気密容器。
  3. 【請求項3】 気密容器内には、マトリックス状に配置
    される複数の前記素子それぞれの一端が接続される走査
    配線と、前記複数の素子それぞれの他端が接続され、前
    記走査配線と互いに交差する方向に伸びる信号配線とが
    設けられており、前記取り込み部材は前記走査配線と接
    して設けられる請求項1もしくは2に記載の気密容器。
  4. 【請求項4】 前記取り込み部材は非蒸発型ゲッタであ
    る請求項1乃至3いずれかに記載の気密容器。
  5. 【請求項5】 前記配線は前記取り込み部材の活性化配
    線の機能を有する請求項1乃至4いずれかに記載の気密
    容器。
  6. 【請求項6】 前記取り込み部材は、前記配線によって
    通電されるものである請求項1乃至5いずれかに記載の
    気密容器。
  7. 【請求項7】 前記取り込み部材の主成分が金属である
    請求項1乃至6いずれかに記載の気密容器。
  8. 【請求項8】 前記取り込み部材は前記配線上に設けら
    れる請求項1乃至7いずれかに記載の気密容器。
  9. 【請求項9】 電子源であって、請求項1乃至8いずれ
    かに記載の気密容器と、該気密容器中に設けられた電子
    放出素子とを有することを特徴とする電子源。
  10. 【請求項10】 前記配線が前記電子放出素子に接続さ
    れる配線である請求項9に記載の電子源。
  11. 【請求項11】 前記電子放出素子が、1対の電極間に
    電圧を印加して電子を放出する電子放出素子である請求
    項9もしくは10に記載の電子源。
  12. 【請求項12】 前記1対の電極は並設されるものであ
    る請求項11に記載の電子源。
  13. 【請求項13】 前記電子放出素子と前記配線は同じ基
    板上に設けられる請求項9乃至12いずれかに記載の電
    子源。
  14. 【請求項14】 画像形成装置であって、請求項9乃至
    13いずれかに記載の電子源と、該電子源の電子放出素
    子が放出する電子により画像を形成する画像形成部材と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1286377A1 (en) * 2001-08-23 2003-02-26 Canon Kabushiki Kaisha Non-evaporating getter, fabrication method of the same, and display unit

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EP1286377A1 (en) * 2001-08-23 2003-02-26 Canon Kabushiki Kaisha Non-evaporating getter, fabrication method of the same, and display unit
US6784613B2 (en) 2001-08-23 2004-08-31 Canon Kabushiki Kaisha Non-evaporating getter, fabrication method of the same, and display unit

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