JP2001052634A - 画像形成装置及びその製造方法 - Google Patents

画像形成装置及びその製造方法

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JP2001052634A
JP2001052634A JP2000199012A JP2000199012A JP2001052634A JP 2001052634 A JP2001052634 A JP 2001052634A JP 2000199012 A JP2000199012 A JP 2000199012A JP 2000199012 A JP2000199012 A JP 2000199012A JP 2001052634 A JP2001052634 A JP 2001052634A
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由高 荒井
Mitsutoshi Hasegawa
光利 長谷川
Ihachirou Gofuku
伊八郎 五福
Hirotsugu Takagi
博嗣 高木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置において、真空に封着された外
囲器内で、効率よく残留ガス分子を吸着できる新たなゲ
ッター、特には、非蒸発型ゲッターの配置を提唱する。 【解決手段】 少なくとも複数の電子放出素子を有する
電子源基板及びこれに対応して配置された画像形成部材
で外囲器を構成すると共に、該外囲器内を真空に保持
し、封着してなる画像形成装置において、前記外囲器内
での放出ガスを吸着するゲッターは、非蒸発型ゲッター
であって、接着剤を介して前記外囲器内に固定されてい
ることを要件とする種々の発明。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願に係わる発明は、真空を
有する画像形成装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子源より放出された電子ビームを、画
像表示部材にある蛍光体に照射し、蛍光体を発光させて
画像を表示する、所謂、画像形成装置においては、電子
源と画像形成部材とを構成要素とする外囲器の内部を高
真空に保持しなければならない。それは、外囲器内部に
ガスが発生し、圧力が上昇すると、ガスの種類によっ
て、程度は異なるが、電子源に悪影響を及ぼし、電子放
出量を低下させ、明るい画像の表示ができなくなるため
である。
【0003】また、発生したガスが、電子ビームにより
電離されてイオンとなり、これが、電子を加速するため
の電界により、加速され、電子源に衝突する結果、電子
源の損傷を与えることもある。更に、場合によっては、
外囲器内部で放電を生じさせる場合もあり、この場合は
装置を破壊することもある。
【0004】通常、画像形成装置の外囲器は、複数のガ
ラス部材を組み合わせて構成され、その際、それら接合
部をフリットガラスなどにより、接着されており、一
旦、接合が完了した後の圧力の維持は、外囲器内に設置
されたゲッターによって行われる。このようなゲッター
として、通常のCRTでは、Baを主成分とする合金
を、接合が完了した、真空状態の外囲器内で、通電加熱
により、あるいは、高周波照射により加熱し、外囲器内
壁に蒸着膜を形成し、これにより、内部で発生したガス
を吸着して、高真空状態を維持している。ここでは、B
aのように、真空中で加熱することにより蒸発されたガ
スを吸着する、清浄な金属面を持った蒸発型ゲッターが
採用される。
【0005】しかし、近時、開発が進められている、多
数の電子放出素子を平面基板上に配置した電子源を用い
た薄型ディスプレイとしての、画像形成装置では、ガス
を放出する外囲器の内壁面の面積に比べて、その外囲器
の内容積が、先述のCRTの場合に比べて、かなり小さ
くなるので、同程度のガスの発生があった場合、前記外
囲器内の圧力上昇が大きくなり、これによる悪影響は、
かなり深刻なものとなる。
【0006】また、CRTでは、外囲器内部に、電子源
や画像表示部材のない壁面が十分にあって、この部分
に、上述のようなゲッターを、蒸着などの手段で装備す
ることができるが、電子放出素子を用いた薄型偏平の画
像形成装置の場合には、外囲器内の表面積の多くを、電
子源と画像形成部材とが占めている。従って、この部分
に、先述のような蒸着膜のゲッターが付着すると、配線
のショートなどの不都合が生じるため、ゲッターの設置
個所が大幅に限定される。
【0007】通常、外囲器のコーナーなどをゲッター膜
の形成個所に用いていて、画像形成部材と電子源とが占
める領域(以下「画像表示領域」と呼ぶ)に、ゲッター
材が付着しないように工夫されているが、表示面積があ
る程度以上、大きくなると、外囲器の内部でのガス放出
量と比較して、十分なゲッター蒸着膜の面積を確保する
ことができない。
【0008】これを解決して、十分なゲッター膜の面積
を確保するために、図2の(a)に示すように、外囲器
1005内で対向して配置された蛍光体1006と電界
放出素子1007との間の画像表示領域の外側、例え
ば、外囲器1005の外周部に、ワイヤゲッター100
8を張設し、これを用いて、前記外周部の内壁面にゲッ
ター膜1009を蒸着形成する方法が提案されている
(特開平5−151916号公報を参照)。また、同じ
目的で、図2(b)に示すように、外囲器を構成するフ
ェースプレート1014(画像表示部材)とリアプレー
ト1012(電子源基板)との間の空間より側方におい
て、前記外囲器にゲッター膜を形成するためのゲッター
材1018を有するゲッタ室1015を付随させる方法
(特開平4−289640号公報などを参照)、あるい
は、電子源基板と外囲器のリアプレートの間に所要空間
を設けて、ここにゲッター膜を形成する方法(特開平1
−235152号公報などを参照)が提案されている。
【0009】薄型(平板状)画像形成装置における、上
述のような、真空外囲器内でのガスの発生の処理には、
その他に、局所的に圧力が上昇し易いという問題があ
る。電子源基板と画像表示部材とを有する画像表示装置
において、真空外囲器内で、ガスを発生させる部分は、
主に、電子ビームにより照射される画像表示領域および
電子源自体である。
【0010】従来のCRTについては、画像表示部材と
電子源とが離れており、両者の間で、外囲器には、十分
なゲッター膜が支障なく形成できる空間があるために、
画像表示部材で発生したガスは、電子源に到達するまで
の間に、広く拡散し、一部はゲッター膜に吸着されて、
電子源の所では、それほど極端に圧力が高くならない。
また、電子源の周りにも、ゲッター膜があるため、電子
源自体から放出されたガスによっても、極端に局所的な
圧力上昇は生じない。
【0011】ところが、この薄型画像形成装置において
は、画像表示部材と電子源基板とが接近しているため
に、画像表示部材から発生したガスは、十分拡散する前
に電子源に到達して、局所的な圧力上昇をもたらす。特
に、画像表示領域の中央部では、画像表示部材と電子源
基板との間の距離に比較して、ゲッター膜までの距離が
長く、そのゲッター膜を形成した領域まで、ガスを拡散
することができないため、周辺部に比べて、局所的な圧
力上昇が大きく現れるものと考えられる。このため、発
生したガスは、電子源から放出された電子によりイオン
化され、電子源と画像表示部材との間に形成された電界
によって加速され、電子源を破壊、損傷する畏れがあ
る。
【0012】このような事情を考慮して、特定の構造を
有する薄型画像形成装置、即ち、画像表示領域内にゲッ
ター材を配置して、発生したガスを即座に吸着するよう
にした構成の画像形成装置も提案されている。例えば、
特開平4−12436号公報に所載のものでは、電子ビ
ームを引き出すためのゲート電極を有する電子源におい
て、そのゲート電極をゲッター材で形成しており、円錐
状突起を陰極とする電界放出型の電子源と、pn接合を
有する半導体電子源とが例示されている。また、特開昭
63−181248号公報に所載の方法では、カソード
(陰極)群と真空外囲器のフェースプレートとの間に、
電子ビームを制御するための電極(グリッドなど)を配
置する構造の平板状ディスプレイにおいて、この制御用
電極上にゲッター材の膜を形成している。
【0013】また、米国特許5,453,659号の明
細書には、画像表示部材(アノードプレート)上の、ス
トライプ状の蛍光体同士の隙間に、ゲッターを形成した
ものが開示されている。この事例では、ゲッターは、蛍
光体及びそれと電気的に接続された導電体に対して、電
気的に分離されており、そのゲッターに適当な電位を与
えて、電子源の放出した電子を照射・加熱することで、
あるいは、ゲッターを通電加熱することで、ゲッターの
活性化を行っている。
【0014】一方、薄型画像形成装置では、その構造お
よび製造方法を簡素化することが、生産技術、製造コス
トなどの観点から望ましいことは言うまでもない。従っ
て、電子源を構成する電子放出素子の製造プロセスが、
薄膜の積層と簡単な加工で実現できることが、また、大
型のものを製造する場合は、印刷法など、真空装置を必
要としない技術により製造できることが求められる。
【0015】また、本願の背景となる技術として、特開
昭56−162447号がある。そこでは、電子管内
に、ゲッター粉末と耐熱性無機接着剤の混合体を用いる
技術が開示されている。
【0016】また、特開平10−12164号には平板
型表示装置でバルクゲッターを銀ペーストを用いて固定
する技術が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本願に係わる発明は、
好適にゲッターを配置した画像形成装置を実現するこ
と、およびその好適な製造方法を実現することを課題と
する。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願に関わる画像形成装
置は、以下のように構成される。
【0019】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーは無機高分子化合物、もしくは無機高分子化合物に由
来する物質により固定されていることを特徴とする画像
形成装置。
【0020】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーはシリケート系接着剤、もしくはシリケート系接着剤
に由来する物質により固定されていることを特徴とする
画像形成装置。
【0021】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーはホスフェート系接着剤、もしくはホスフェート系接
着剤に由来する物質により固定されていることを特徴と
する画像形成装置。
【0022】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーはコロイダルシリカ系接着剤、もしくはコロイダルシ
リカ系接着剤に由来する物質により固定されていること
を特徴とする画像形成装置。
【0023】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーはラダー型シリコーン系接着剤、もしくはラダー型シ
リコーン系接着剤に由来する物質により固定されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【0024】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーはラダー型シリコーン系オリゴマー、もしくはラダー
型シリコーン系オリゴマーに由来する物質により固定さ
れていることを特徴とする画像形成装置。
【0025】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーは結合したSi原子と酸素原子を含む接着剤により固
定されていることを特徴とする画像形成装置。
【0026】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーは半田合金、もしくは半田合金に由来する物質により
固定されていることを特徴とする画像形成装置。
【0027】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーはガラスフリット、もしくはガラスフリットに由来す
る物質により固定されていることを特徴とする画像形成
装置。
【0028】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられた第1の部材と、該第1の部材に接
して固定されたゲッターとを有しており、該ゲッターの
固定部は、前記第1の部材の構成物質と固溶体を形成し
ていることを特徴とする画像形成装置。
【0029】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーは、非蒸発型ゲッターを含む有形のゲッター部材を構
成しており、該ゲッター部材の切りかけ部もしくは穴部
において接着剤で固定されていることを特徴とする画像
形成装置。
【0030】ここで、切りかけ部は、ゲッター部材を形
成後切り欠くものもしくはゲッター部材を形成後穴をあ
けるものに限らない。ゲッター部材を形成するときに、
切り欠け形状もしくは穴形状を同時に形成するものであ
ってもよい。また、切りかけ部もしくは穴部以外にも接
着剤が存在してもかまわない。
【0031】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーは有形のゲッター部材を構成しており、該ゲッター部
材の切りかけ部もしくは穴部において、無機接着剤もし
くは無機接着剤に由来する物質によって固定されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【0032】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーは、前記気密容器内の画像形成領域内に少なくともそ
の一部が存在するものであり、該ゲッターは接着剤で固
定されていることを特徴とする画像形成装置。
【0033】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーは、前記気密容器内の画像形成領域内と画像形成領域
外の双方にまたがって設けられており、該ゲッターの固
定部は、少なくとも一箇所が前記画像形成領域外に設け
られていることを特徴とする画像形成装置。
【0034】画像形成装置であって、気密容器と、該気
密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッタ
ーは、微細なゲッター材料と接着剤とを10:1から2
0:1の重量比率で含む混合物を所定位置に配置後、加
熱して得られたものであることを特徴とする画像形成装
置。
【0035】上記各発明は、前記気密容器内に電子放出
素子を有するものであるとき、特に好適である。また、
該電子放出素子が放出する電子を加速する電位が与えら
れる電極とを有する場合に特に好適である。また、前記
電子放出素子と前記電極の間には5kV以上の電位差が
動作時に与えられる場合に特に好適である。
【0036】また、前記気密容器の内部空間は、薄型偏
平の構造である場合に特に好適である。また、前記気密
容器の内部空間において、画像が形成される面と平行な
方向の対角線の長さが、画像が形成される面の法線方向
に測った長さの4.5倍以上である場合に特に好適であ
る。
【0037】また、前記ゲッターは、前記気密容器内に
設けられた配線に接して設けられている場合、さらに該
配線と電気的に接続されている場合に特に好適である。
【0038】また、前記ゲッターは、前記蛍光体の近傍
に設けられる場合、特には、前記ゲッターは、複数の前
記蛍光体の相互間隙に設けられる場合に好適である。
【0039】また、前記ゲッターは、粒径1〜300μ
mの粉末形状であるゲッター材料を含んでいる構成を好
適に採用しうる。
【0040】また、本願に関わる画像形成装置の製造方
法は以下のように構成される。
【0041】画像形成装置の製造方法であって、気密容
器内に非蒸発型ゲッターを接着する工程と、該接着する
工程で用いた接着剤の脱ガスを行う工程とを有すること
を特徴とする画像形成装置の製造方法。
【0042】ここで、前記脱ガスを行う工程は、250
℃以上の温度に加熱する加熱工程であると好適であり、
さらに、前記脱ガスを行う工程は、350℃以上の温度
に加熱する加熱工程であると好適である。また、前記脱
ガスを行う工程は、450℃以下の温度に加熱する加熱
工程であると好適であり、さらに、前記脱ガスを行う工
程は、400℃以下の温度に加熱する加熱工程であると
好適である。
【0043】また、前記脱ガスを行う工程は、1時間以
上の加熱を行う加熱工程であるとよい。
【0044】また前記脱ガスを行う工程の温度が低いと
きには、3時間以上行うとよく、温度が高い場合は、3
時間以下でよい。また、30時間を越えないのが望まし
い。
【0045】また、前記脱ガスを行う工程は、前記接着
剤の硬化工程開始後に開始するとよい。
【0046】また、上述の製造方法において用いる前記
接着剤が、無機系の接着剤であると好適である。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の幾つかの実施の形
態を、図面を参照しながら、具体的に説明する。
【0048】(第1の実施の形態)図1は、本発明の、
表面伝導型電子放出素子を備えた画像形成装置の外囲器
の構成を示す模式図である。1は電子源基板であって、
その上に複数の電子放出素子を配置し、適当な配線(上
側配線102,下側配線103)を施したものである。
2は電子源基板1を支えるリアプレート、3は支持枠、
4はフェースプレートであり、リアプレート2とフェー
スプレート4の各周縁部で、フリットガラスを用いて、
支持枠3の上下の接合部において、互いに接着され、外
囲器5を形成している。
【0049】フェースプレート4は、そのガラス基体6
の上に蛍光膜7、メタルバック8を形成したもので、こ
の部分は画像表示領域となる。蛍光膜7は白黒画像の場
合には、蛍光体のみからなるが、カラー画像を表示する
場合には、赤、緑、青の3原色の蛍光体によりピクセル
を形成し、その間を黒色導電材で分離した構造とする。
なお、黒色導電材は、その形状により、ブラックストラ
イプ、ブラックマトリクスなどと呼ばれる。詳細は後述
する。
【0050】メタルバック8は、Alなどの導電性薄膜
により構成される。メタルバック8は、蛍光体から発生
した光の内、電子源基板1の方に進む光を、ガラス基体
6側に反射して、その輝度を向上させるとともに、電子
線により外囲器5内に残留したガスから電離、生成した
イオンの衝撃によって、蛍光体が損傷を受けるのを防止
する働きもある。また、フェースプレート4の画像表示
領域に導電性を与えて、電荷が蓄積されるのを防ぎ、電
子源基板1に対してアノード電極の役割を果たすもので
ある。
【0051】ここで、符号9は非蒸発型ゲッター(以
下、NEGと称す)のチップ、15はNEGチップを配
線102に固定するための無機接着剤である。この実施
の形態で示す外囲器5では、電子源基板1上の上側配線
102のピッチは0.5〜1mm程度、配線自身の幅は
数百μmであり、NEGチップの配置に際しては、かな
り細かいパターン形成で実施される。
【0052】なお、前記配線102以外の場所にNEG
チップの配置を考える場合、更に、細かいパターンを対
象とすることになる。このため、粘性の低い液体を利用
する配置/固定(低粘度の接着剤、はんだなど)や、機
械的な固定は困難である。また、NEGは主に高融点金
属の合金からなるので、通常、合金化を基本にする金属
接合の諸形態(溶接、はんだ、ボンディングなど)によ
り配置/固定を行うことも容易ではない。更に、配置/
固定のための部材は、NEGチップと直接接するため
に、ガス放出の大きいもの(有機接着剤など)では、折
角、配置したNEGの特性を損失させることにもなる。
【0053】そこで、本発明の、この実施の形態では、
NEGチップの配置/固定には、無機接着剤を用いる。
これは、合金化の利用ではなく、また、粘性が高い液体
であるため、比較的微細パターンへの適用が容易であ
る。また、ディスペンサーや印刷での塗布も可能である
から、低コストで、画像形成装置の製造工程に組み込む
ことができる。
【0054】この無機接着剤は、画像形成装置の構成の
際、封着に用いられるガラスフリットよりも放出ガスが
少ないので、NEG特性の劣化を小さく抑えることがで
き、NEG導入の目的である真空改善、素子の長寿命化
が実現できる。
【0055】また、NEGの劣化を抑制する脱ガス工程
の効果については、典型的な無機接着剤のTDSデータ
(図3及び図4を参照)から、以下に説明する。図3は
本発明に用いられる無機接着剤のガス放出特性を示して
おり、無機接着剤の試料を真空チャンバー内に入れ、3
00℃に保ったときの、圧力の時間変化を示している。
図3より、時間と共に圧力が下がることから、脱ガスを
行うことにより、放出ガスを減らすことがわかる。
【0056】また、図4は本発明に用いられる無機接着
剤のガス放出特性を示しており、圧力と試料の温度の関
係を示しており、300℃〜450℃の間で、50℃毎
の相違で、およそ3倍の圧力変化が読み取れる。換言す
れば、脱ガス効果としては、温度を50℃上げると、脱
ガス速度を3倍に上げられ、3倍の効果が得られると言
える。
【0057】最終的には、脱ガス工程の条件設定は、ベ
ーキング工程の内容(温度と時間)に依存するが、例え
ば、ベーキングを300℃で10時間と決めると、スル
ープットの面から、その時間の上限が決められる。即
ち、生産ライン上で、脱ガス効果が有効に得られる時間
の上限を、ベーキング時間と同程度までと考えると、ほ
ぼ3倍の、30時間が限度である。然るに、30時間で
効果を得るには、脱ガス速度が300℃での値の1/3
を越えなければならない。その結果、脱ガス温度の下限
として、250℃の温度が選択設定できる。この温度
は、接着剤の種類にも多少依存するが、凡そは、この程
度の値である。
【0058】脱ガス工程について追求すると、時間と温
度がもう少し限定される。即ち、凡そ、50℃の相違
で、3倍と予測していた、温度に対する圧力変化は、更
に細かく見ると、350〜400℃付近にピークが認め
られる。図5は本発明に用いられる無機接着剤のガス放
出特性の特性を示すもので、図4に示す圧力を、主要な
ガスについて、分圧として見たものである。図4では、
ほぼ直線的な変化と見られていたが、図5では、多くの
ガスが、その放出ピ−クを350℃付近に持っているこ
とがわかる。このピークは、接着剤の材料によって多
少、異なりはするが、350℃〜400℃くらいに位置
する。即ち、脱ガス工程において、加える温度として
は、350℃〜400℃が適当であると言える。
【0059】温度については、別な観点からも上限が設
定される。その要因は、画像形成装置を貼り合わせてい
るフリットで、一般に用いられるフリットの溶融温度
が、400℃〜450℃であることより、脱ガス工程の
上限温度が400℃程度に制限されることになる。一
方、生産ライン上での脱ガス効果が有効に得られる時間
は、温度設定をベーキングより50〜100℃程度、高
くしたことにより、1〜3時間(ベーキングの1/10
〜1/3の時間)が適切となる。また、ベーキング時
の、外囲器内全体の放出ガスレートを考慮すると、35
0〜400℃の加熱温度で、3時間以上の脱ガス工程は
無意味となり、その有効性を考慮すると、脱ガス工程の
時間の上限として3時間が適当である。
【0060】以上説明したように、最低限250℃以上
の加熱で、望ましくは、350〜400℃の加熱を1〜
3時間、行うことで、よりよく真空改善、素子の長寿命
化が図れる。
【0061】続いて蛍光膜7について説明する。図6に
は、本発明に用いられる蛍光体、及び、黒色導電材の配
置パターンが示されている。即ち、図6の(a)は、蛍
光体13がストライプ状に並べられた場合で、赤
(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体13が順
に形成され、その間が黒色導電材12によって分離され
ている。この場合、黒色導電材12の部分は、ブラック
ストライプと呼ばれる。図6の(b)は蛍光体13のド
ットが格子状に並び、その間を、黒色導電材12によっ
て分離したものである。この場合には、黒色導電材12
はブラックマトリクスと呼ばれる。蛍光体13の各色の
配置方法は数種あり、これに応じて、ドットの並び型
は、図示した三角格子のほか、正方格子などを採用する
場合もある。
【0062】ガラス基体6上への黒色導電材12と蛍光
体13のパターニング法としては、スラリー法や印刷法
などが使用できる。蛍光膜7を形成した後、更に、Al
などの金属を形成し、メタルバック8とする。
【0063】図7は、2次元的に配置された表面伝導型
電子放出素子を、マトリクス配線で接続された構成を模
式的に示したものである。図7(a)は平面図、図7
(b)はA−A′に沿った断面の構成を示す。符号72
はX方向配線(上配線)、73はY方向配線(下配線)
であり、電子放出素子78に、それぞれ接続されてい
る。Y方向配線73は絶縁性基体71上に設置され、そ
の上に絶縁層74が形成され、その上に、X方向配線7
2、電子放出素子78が形成される。なお、Y方向配線
73と電子放出素子78はコンタクトホール77を介し
て接続される。上記各種配線は、スパッタ法、真空蒸着
法、メッキ法等の各種薄膜堆積法と、フォトリソグラフ
ィー技術の組み合わせ、あるいは、印刷法などにより形
成される。
【0064】このようにして形成されたフェースプレー
トと電子源基板とに対し、非蒸発型ゲッター(NEG)
を設置するのであるが、その位置としては、フェースプ
レート側では、黒色導電材上、電子源基板側では、X方
向配線上が挙げられる。NEGは、いずれか一方に対し
て設置してもよいが、双方に対して設置してもよい。ま
た、その設置領域は、画像表示領域内全域に、まんべん
なく分散して配置されることが望ましい(このような意
味では、本発明のNEGは、面内ゲッターと称すること
ができる)。
【0065】上記のブラックストライプまたは配線上に
設置されるNEGは、その材料として、Ti、Zr、C
r、Al、V、Nb、Ta、W、Mo、Th、Ni、F
e、Mnの内から選ばれる一種以上の金属、または、こ
れらの内少なくとも1種類を主成分とする合金からなる
ものが使われる。
【0066】また、その形状としては、Fe、Cr、N
i、Cuなどの金属またはその合金、もしくは、炭素繊
維を含む複合炭素材料などの板材または線材の基体上
に、焼結などの手段で上述のNEG材を固定し、チップ
化したものが用いられる。更に、NEG材には、粒径1
〜300μmの微粒子に粉砕したものを、直接使うこと
もできる。
【0067】一方、上記NEG材を電子源基板の配線上
またはブラックストライプ上に固定する無機接着剤に
は、結合剤、硬化剤及び骨材よりなる化学反応型接着剤
が使われる。化学反応型接着剤は、シリケート系接着
剤、ホスフェート系接着剤、コロイダルシリカ系接着剤
に大別される。
【0068】シリケート系接着剤では、結合剤に、一般
式:M2O・XSiO2・YH2Oで表されるアルカリ金
属シリケートが用いられる。ここで、Mはアルカリ金属
を表し、それにはLi、K、Naなどが用いられる。硬
化剤には、ZnO、MgOなどの金属酸化物、水酸化
物、リン酸塩、ホウ酸塩またはケイ弗化物が用いられ
る。骨材には、通常アルミナ、シリカ、ジルコニアまた
はスピネルなどの耐火性の良好な酸化物、窒化物または
炭化物が用いられる。
【0069】ホスフェート系接着剤では、結合剤にリン
酸アルミニウム、リン酸マグネシウムなどのリン酸金属
塩が用いられ、その一般式はMO・XP23・YH2
で表される。Mの金属には、Al、Mg、Ca、Cu、
Znなどが用いられる。硬化剤には金属酸化物のほか
に、ケイ酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなど
が、また、骨材にはシリケート系接着剤と同系のものが
用いられる。
【0070】コロイダルシリカ系接着剤では、結合剤に
コロイダルシリカ(粒径10〜100μm)が用いられ
る。これに、金属酸化物等が用いられる硬化剤と、シリ
ケート系と同系のものが用いられる骨材が配合され、水
またはアルコールに分散されている。
【0071】NEGチップは、上記の無機接着剤を用い
て、仮止めした後、NEGチップを取り付けた側の基板
(フェースプレートまたは電子源基板)ごとに加熱焼成
して、本格的に固定する。加熱温度は100〜200℃
程度、時間は30分〜90分程度が一般的であるが、多
少、この条件からはずれてもかまわない。また、この場
合の雰囲気は、ArやN2などの不活性ガスだけでな
く、ドライエアーでもかまわない。
【0072】以上のようにして形成されたフェースプレ
ート4と、支持枠3と、リアプレート2と、電子源基板
1と、その他の構造体とを組み合わせ、支持枠3に対し
て、フェースプレート4、リアプレート2をフリットガ
ラスにて接合する。この接合は、支持枠の上下での接合
部にフリットガラスをつけ、400〜450℃に加熱し
て行う。電子源基板1の内部構造体の固定も同様に行
う。実際の操作としては、フリットガラス中に、バイン
ダーとして含まれる成分を除去するために、まず、酸素
を含む雰囲気中で、低温での加熱焼成(この工程を「仮
焼成」と呼ぶ)を行う。この時の酸素濃度と温度は、可
能な範囲で下げることが望ましい。具体的な条件はフリ
ットの種類によって異なるが、温度については250℃
以下が望まれる。この後、Arなどの不活性ガス(in
ert gas)中にて、400〜450℃の加熱処理
を行い、接合部を溶着する(これを封着工程と呼ぶ)。
【0073】この後、外囲器5の内部を一度、排気し
て、電子源1の活性化処理などの必要な処理を行う。続
いて、排気と加熱脱ガス(ベーキング)により、外囲器
5の内部に十分な真空を確保し、排気管(図示せず)を
バーナーで加熱して封じ切る。最後に、ゲッター処理を
行うが、これは、外囲器5内に設けた蒸発型ゲッター1
4(図1では、模式的にリング状ゲッタを表示)を加熱
して、外囲器5の内壁に蒸着して、ゲッタ材の膜を形成
する処理である(ゲッタの「フラッシュ」と言う)。こ
れによって形成されるゲッタ膜は、外囲器5内の画像表
示領域の外に位置する。
【0074】上記の封着工程からベーキング工程までの
間で、外囲器5の内部が、最後に大気に曝された後のタ
イミングにおいて、上記無機接着剤の脱ガス工程を設け
る。例えば、電子源活性化処理の後に、一度、真空を破
る工程が入り、その後、ベーキングを行う場合は、ベー
キングの直前に、接着剤の脱ガス工程を設ける。これに
対し、電子源活性化、ベーキングが一連の真空状態で行
われる場合は、電子源活性化の前、ベーキングの前の、
いずれかの時点でも、接着剤の脱ガス工程が設けられ
る。更に、フェースプレート、電子源基板が、それぞれ
完成した後、封着工程以前から真空雰囲気内で、プロセ
スが進められる場合に、封着工程の前に、接着剤の脱ガ
ス工程を設けてもよい。
【0075】次に、接着剤の脱ガス工程の条件について
記述する。温度は、250℃以上、望ましくは350〜
400℃である。また、加熱時間は、温度に応じて決ま
り、250℃程度に対しては、3時間以上30時間以内
に設定されるが、350〜400℃に対しては、1〜3
時間程度でよい。
【0076】次に、上記のようにして構成した画像形成
装置により、NTSC方式のテレビ信号に基づいたテレ
ビジョン表示を行うための駆動回路の構成例について、
説明する。ここで、図8は本発明に係わる画像形成装置
に、NTSC方式のテレビ信号に応じて、表示を行うた
めの駆動回路の一例を示すブロック図である。図8にお
いて、81は画像表示装置、82は走査回路、83は制
御回路、84はシフトレジスタである。85はラインメ
モリ、86は同期信号分離回路、87は変調信号発生
器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0077】画像形成装置81は、端子Dox1乃至D
oxm、端子Doy1乃至Doyn、及び高圧端子Hv
を介して外部の電気回路と接続している。端子Dox1
乃至Doxmには、画像形成装置内に設けられている電
子源、即ち、M行、N列の行列状に、マトリクス配線さ
れた表面伝導型電子放出素子群を、一行(N素子)ずつ
順次駆動するためのもので、これら端子には、走査信号
が印加される。
【0078】端子Doy1乃至Doynには、前記走査
信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子
の、各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号
が印加される。高圧端子Hvには、直流電圧源Vaよ
り、例えば、10kVの直流電圧が供給されるが、これ
は、表面伝導型電子放出素子から放出される電子ビーム
が蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与するた
めの加速電圧である。
【0079】次に、走査回路82について説明する。同
回路は、内部にM個のスイッチング素子を備えたもので
ある(図中、S1ないしSmで模式的に示している)。
各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もし
くは0V(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
画像形成装置81の端子Dox1乃至Doxmと電気的
に接続される。S1ないしSmの各スイッチング素子
は、制御回路83が出力する制御信号Tscanに基づ
いて動作するものであり、例えば、FETのようなスイ
ッチング素子を組み合わせることにより構成することが
できる。
【0080】直流電圧源Vxは、本例の場合には、表面
伝導型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に
基づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧
が、電子放出しきい値電圧以下となるような、一定電圧
を出力するように設定されている。
【0081】制御回路83は、外部より入力する画像信
号に基づいて適切な表示が行われるように、各部の動作
を整合させる機能を有する。制御回路83は、同期信号
分離回路86より送られる同期信号Tsyncに基づい
て、各部に対して、Tscan、Tsft及びTmry
の各制御信号を発生する。
【0082】同期信号分離回路86は、外部から入力さ
れるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度
信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路などを用いて、構成できる。同期
信号分離回路86により分離された同期信号は、垂直同
期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜
上、Tsync信号として、図示した。また、前記テレ
ビ信号から分離された画像の輝度信号成分は、便宜上、
DATA信号と表しており、このDATA信号はシフト
レジスタ84に入力される。
【0083】シフトレジスタ84は、時系列的にシリア
ルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路83より送られる制御信号Tsftに基づいて動作
する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ84
のシフトクロックであるということもできる)。シリア
ル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子
N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1ない
しIdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ8
4より出力される。
【0084】ラインメモリ85は、画像1ライン分のデ
ータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路83より送られる制御信号Tmryに従っ
て、適宜、Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶
された内容は、Id’1ないしId’nとして出力さ
れ、変調信号発生器87に入力される。
【0085】変調信号発生器87は、画像データId’
1ないしId’nの各々に応じて、表面伝導型電子放出
素子の各々を、適切に駆動変調するための信号源であ
り、その出力信号は、端子Doy1ないしDoynを通
じて、表示パネル81内の表面伝導型電子放出素子に印
加される。
【0086】本発明を適用可能な電子放出素子は、放出
電流Ieに対して、以下の基本特性を有している。即
ち、電子放出には、明確な閾値電圧Vthがあり、Vt
h以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。電
子放出閾値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧の
変化に応じて放出電流も変化する。このことから、本素
子にパルス状の電圧を印加する場合に、例えば、電子放
出閾値以下の電圧を印加しても、電子放出は生じない
が、電子放出閾値以上の電圧を印加する場合には、電子
ビームが出力される。その際、パルスの波高値Vmを変
化させることにより、出力電子ビームの強度を制御する
ことが可能である。また、パルスの幅Pwを変化させる
ことにより、出力される電子ビームの電荷の総量を制御
することが可能である。
【0087】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式などが採用できる。電圧変調方式を実施するに際し
ては、変調信号発生器87として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて、適宜パルスの
波高値を変調するような、電圧変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0088】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器87として、一定の波高値の電圧パルス
を発生し、入力されるデータに応じて、適宜電圧パルス
の幅を変調するような、パルス幅変調方式の回路を用い
ることができる。
【0089】シフトレジスタ84やラインメモリ85に
は、デジタル信号式のものも、アナログ信号式のもの
も、何れも採用できる。これは、画像信号のシリアル/
パラレル変換や記憶が、所定の速度で行われれば良いか
らである。
【0090】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路86の出力信号DATAをデジタル信号化す
る必要があるが、これには86の出力部にA/D変換器
を設ければ良い。これに関連して、ラインメモリ85の
出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、変調
信号発生器87に用いられる回路が、若干異なったもの
となる。即ち、デジタル信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器87には、例えばD/A変換回路を
用い、必要に応じて増幅回路等を付加する。パルス幅変
調方式の場合、変調信号発生器87には、例えば、高速
の発振器及び発振器の出力する波数を計数する計数器
(カウンタ)、及び、計数器の出力値と前記メモリの出
力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた回
路を用いる。必要に応じて、比較器が出力するパルス幅
変調された変調信号を、表面伝導型電子放出素子の駆動
電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付加することも
できる。
【0091】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器87には、例えば、オペアンプなど
を用いた増幅回路を採用でき、必要に応じて、レベルシ
フト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方
式の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VOC)
を採用でき、必要に応じて、表面伝導型電子放出素子の
駆動電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加すること
もできる。
【0092】このような構成とすることができる本発明
の画像形成装置においては、各電子放出素子に、容器外
端子Dox1ないしDoxm、Doy1ないしDoyn
を介して、電圧を印加することにより、電子放出が生ず
る。高圧端子Hvを介して、メタルバック8あるいは透
明電極(図示せず)に高圧を印加し、電子ビームを加速
する。加速された電子が蛍光膜7に衝突すると、発光し
て、画像が形成される。
【0093】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、発明の技術
思想に基づいて、種々の変形が可能である。即ち、画像
形成装置の形態としては、電子放出素子を用いた画像形
成装置に限定されるものではなく、通常、よく言われる
ガス放電を利用したプラズマディスプレイにおいても、
その適用が可能である。
【0094】入力信号については、NTSC方式を挙げ
たが、入力信号は、これに限られるものではなく、PA
L、SECAN方式などの他、これよりも、多数の走査
線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじめと
する高品位TV)方式でも採用できる。本発明の画像形
成装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議シ
ステムやコンピューターなどの表示装置の他、感光性ド
ラムなどを用いて構成された光プリンターとしての画像
形成装置としても用いることができる。
【0095】
【実施例】以下、好ましい幾つかの実施例を挙げて、上
述の本発明の実施の形態を更に詳述する。なお、本発明
は、これら実施例に限定されるものではなく、本発明の
目的が達成される範囲内での、各要素の置換や設計変更
がなされたものをも包含する。
【0096】( 実施例1 )本実施例の画像形成装置
は、図1に模式的に示された装置と同様の構成を有し、
NEGチップ9は、画像表示領域内の、X方向配線(上
側配線)上のほぼ全面に配置されている。また、本実施
例の画像形成装置は、基板上に、複数(100行×30
0列)の表面伝導型電子放出素子が、単純マトリクスで
配線された電子源基板1を備えている。図9は電子源基
板1の一部を示す平面図である。なお、図9は本発明を
適用して形成した、単純マトリクス配置された電子源の
一例を模式的に示すもので、図中のB−B′断面を図1
0に示す。但し、図9及び図10では、同じ構成要素に
は、同じ記号を付している。ここで、101は電子源基
板、102は図1のDoxmに対応するX方向配線(下
側配線とも呼ぶ)、また、103は図1のDoynに対
応するY方向配線(上側配線とも呼ぶ)である。また、
108は電子放出部を含む導電性膜、105,106は
素子電極、104は層間絶縁層、107は素子電極10
5と下配線103と電気的接続のためのコンタクトホー
ルである。
【0097】以下に、本実施例の画像形成装置の製造方
法について、本発明を適用して形成した表面伝導型電子
放出素子を配列した電子源基板を形成するプロセスを、
図11を参照しつつ説明する。
【0098】(工程−a) まず、基板を洗剤、純水及
び有機溶剤を用いて十分に洗浄した。この上に厚さ0.
5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成し、電子源
基板101とした。この上にホトレジスト(商品名:A
Z1370 ヘキスト社製)を、スピンナーにより回転
塗布し、ベークした後、ホトマスク像を露光、現像し
て、下側配線103のレジストパターンを形成した。更
に、真空蒸着により、厚さ:5nmのCr、厚さ:60
0nmのAuを、順次、積層した後、Au/Cr堆積膜
の不要な部分を、リフトオフにより除去して、所望の形
状の下側配線103を形成した(図11の(a)を参
照)。
【0099】(工程−b) 次に、厚さ1.0μmのシ
リコン酸化膜からなる層間絶縁層104を、RFスパッ
タ法により、堆積する(図11の(b)を参照)。
【0100】(工程−c) 前記工程−bで堆積したシ
リコン酸化膜に、コンタクトホール107を形成するた
めのホトレジストパターンを作り、これをマスクとし
て、層間絶縁層104をエッチングしてコンタクトホー
ル107を形成する。このエッチングは、CF4とH2
スを用いたRIE(Reactive Ion Etc
hing)法によった(図11の(c)を参照)。
【0101】(工程−d) コンタクトホール107部
分以外に、レジストを塗布するようなパターンを形成
し、真空蒸着により、厚さ5nmのTi、厚さ500n
mのAuを順次、堆積した。リフトオフにより不要の部
分を除去することにより、コンタクトホール107を埋
め込んだ(図11の(d)を参照)。
【0102】(工程−e) その後、素子電極105お
よび素子電極間ギャップGとなるべきパターンを、ホト
レジスト(商品名:RD−2000N−41 日立化成
社製)で形成し、真空蒸着法により、厚さ:5nmのT
i、厚さ:100nmのNiを順次、堆積した。ホトレ
ジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜
をリフトオフし、素子電極間隔Gを3μm、素子電極の
幅を300μmとし、素子電極105、106を形成し
た(図11の(e)を参照)。
【0103】(工程−f) 素子電極105、106の
上に、上側配線102のホトレジストパターンを形成し
た後、厚さ:5nmのTi、厚さ:500nmのAuを
順次、真空蒸着により堆積し、リフトオフにより、不要
の部分を除去して、所望の形状の上側配線102を形成
した(図11の(f)を参照)。
【0104】(工程−g) 膜厚:100nmのCr膜
を、真空蒸着により、堆積・パターニングし、その上に
Pdアミン錯体の溶液(商品名:ccp4230 奥野
製薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布し、30
0℃で10分間の加熱焼成処理をした。また、こうして
形成された、主元素としてのPdの微粒子からなる電子
放出部形成用の導電性膜108の膜厚は、8.5nm、
シート抵抗値は3.9×104Ω/□であった。なお、
ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜
であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置
した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは、
重なり合った状態(島状も含む)の膜を指し、その粒径
とは、前記状態で、粒子形状が認識可能な微粒子につい
ての径を言う(図11の(g)を参照)。
【0105】(工程−h) Cr膜及び焼成後の電子放
出部形成用の導電性膜108を、酸エッチャントによ
り、エッチングして、所望のパターンを形成した(図1
1の(h)を参照)。
【0106】以上の工程により、電子源基板101上に
複数(100行×300列)の電子放出部形成用の導電
性膜108が、上側配線102と下側配線103とより
なる単純マトリクスに接続されたものとなった。
【0107】(工程−x) 上側配線102上に、長さ
3cmに切ったワイヤ状のNEG(φ0.4mm)チッ
プ109(商品名:ST122 サエス(株)社製)
を、無機接着剤(商品名:アロンセラミクス−W 東亜
合成(株)社製)により、順次、配線102上に配置す
る(図11の(x)を参照)。この時の接着剤の塗布
は、図1に示すように、NEGチップの両端部のみとし
た。
【0108】(工程−y) 大気中で、150℃にて、
60分の加熱処理を行い、無機接着剤の焼成を行う。焼
成は、電子源基板ごと行う。
【0109】以上により、画像表示領域内、即ち、面内
ゲッターを備えた電子源基板1を形成した。
【0110】(工程−i) 次に、図1に示すフェース
プレート4を、以下のように作成した。ガラス基体6を
洗剤、純水及び有機溶剤を用いて十分に洗浄した上に、
スパッタ法により、ITOを0.1μm堆積し、透明電
極(図示せず)を形成した。続いて、印刷法により蛍光
膜7を塗布し、表面の平滑化処理(通常、「フィルミン
グ」と呼ばれる)して、蛍光体部を形成した。なお、蛍
光膜7はストライプ状の蛍光体(R、G、B)13と、
黒色導電材(ブラックストライプ)12とが交互に配列
された図6の(a)に示される蛍光膜とした。更に、蛍
光膜7の上に、Al薄膜よりなるメタルバック8を、ス
パッタリング法により、0.1μmの厚さに形成した。
【0111】(工程−j) 次に、図1に示す外囲器5
を、以下のように作成した。前述の工程により作成され
た電子源1をリアプレート2に固定した後、支持枠3、
上記フェースプレート4を組み合わせ、電子源1の下側
配線103及び上側配線102を、行選択用の端子10
及び信号入力端子11と各々接続し、電子源1とフェー
スプレート4の位置を厳密に調整し、封着して、外囲器
5を形成した。この際の封着の方法は、接合部にフリッ
トガラスを塗布し、Arガス中450℃にて、30分の
熱処理を行う接合である。なお、電子源1とリアプレー
ト2の固定も、同様の処理により行った。また、リアプ
レート、フェースプレート配置の際には、同時に、所定
の位置にBaのリングゲッターを配置している。
【0112】次の工程を説明する前に、以後の工程にて
用いられた真空装置について、図12の本発明の、画像
表示装置フォーミング、活性化工程を行うための真空排
気装置の模式図を用いて、説明する。
【0113】図12において、画像形成装置121は、
排気管122を介して、真空容器123に接続されてお
り、該真空容器123には、排気装置125が接続され
ており、その間にゲートバルブ124が設けられてい
る。真空容器123には、圧力計126、四重極質量分
析器(Q−mass)127が取り付けられており、内
部の圧力及び、残留ガスの各分圧をモニタできるように
なっている。外囲器5内の圧力や分圧を直接、測定する
ことは困難なので、真空容器123の圧力と分圧とを間
接的に測定し、この値を外囲器5内のものとみなすこと
にした。
【0114】排気装置125は、ソープションポンプと
イオンポンプとからなる超高真空用排気装置である。真
空容器123には、複数のガス導入装置が接続されてお
り、物質源129に蓄えられた物質を導入することがで
きる。導入物質は、その種類に応じて、ボンベまたはア
ンプルに充填されており、ガス導入量制御手段128に
よって導入量が制御できる。ガス導入量制御手段128
には、導入物質の種類、流量、必要な制御精度などに応
じて、ニードルバルブ、マスフローコントローラーなど
が用いられる。本実施例では、ガラスアンプルに入れた
ベンゾニトリルを物質源129として用い、ガス導入量
制御手段128として、スローリークバルブを使用し
た。
【0115】以上の真空処理装置を用いて、以後の工程
を行った。
【0116】(工程−k) 外囲器5の内部を排気し、
圧力を1×10-3Pa以下にすると共に、電子源基板1
01上に配列された、前述の複数の電子放出部形成用導
電性膜108(図11(k)を参照)に、電子放出部を
形成するための以下の処理(フォーミングと呼ぶ)を行
った。図13での本発明の、画像形成装置のフォーミン
グ、活性化工程のための結線方法を示す模式図のよう
に、Y方向配線103を共通結線して、グランドに接続
する。131は制御装置で、パルス発生器132とライ
ン選択装置134を制御する。なお、133は電流計で
ある。ライン選択装置134により、X方向配線102
から1ラインを選択し、これにパルス電圧を印加する。
フォーミング処理は、X方向の素子行に対し、1行(3
00素子)毎に行った。
【0117】印加したパルスの波形は、図14の(a)
に示すような三角波パルスで、その波高値を、徐々に上
昇させた。なお、図14は、本発明の画像形成装置のフ
ォーミングの際に用いられる電圧波形を示す模式図であ
る。ここでは、パルス幅:T1=1msec、パルス間
隔:T2=10msecとした。また、三角波パルスの
間に、波高値:0.1Vの矩形波パルスを挿入し、電流
を測ることにより、各行の抵抗値を測定した。抵抗値が
3.3kΩ(1素子当たり1MΩ)を越えたところで、
その行のフォーミングを終了し、次の行の処理に移っ
た。これを全ての行について行い、全ての前記導電性膜
(電子放出部形成用のための導電性膜108)のフォー
ミングを完了し、各導電性膜に電子放出部を形成して、
複数の表面伝導型電子放出素子が、単純マトリクス配線
された電子源1を作成した。
【0118】(工程−l) 真空容器123内にベンゾ
ニトリルを導入し、圧力が1.3×10-3Paとなるよ
うに調整し、素子電流Ifを測定しながら、上記電子源
基板1の各電子放電素子にパルスを印加して、その活性
化処理を行った。パルス発生器132により生成したパ
ルス波形は、図14(b)に示した矩形波で、波高値は
14V、パルス幅はT1=100μsec、パルス間隔
は167μsecである。ライン選択装置134によ
り、167μsec毎に選択ラインをDx1からDx1
00まで、順次に切り替え、この結果、各素子行にはT
1=100μsec、T2=16.7msecの矩形波
が、行毎に位相を少しずつシフトして、印加されること
になる。
【0119】電流計133は、矩形波パルスのオン状態
(電圧が14Vになっている時)での電流値の平均を検
知するモードで使用し、この値が600mA(1素子当
たり2mA)となったところで、活性化処理を終了し、
外囲器5内を排気した。
【0120】(工程−m) 排気処理を続けながら、加
熱装置(図示せず)により、画像形成装置121及び真
空容器123の全体を300℃に、10時間保持した。
この処理により、外囲器5及び真空容器123の内壁な
どに吸着されていたと思われるベンゾニトリル及びその
分解物が除去された。これは、Q−mass127によ
る観察で確認された。この工程においては、画像形成装
置の加熱/排気保持により、内部からのガスの除去が行
われるだけでなく、面内ゲッターの活性化処理も兼ねて
行われる。
【0121】(工程−n) 圧力が1.3×10-3Pa
以下となったことを確認してから、排気管をバーナーで
加熱して封じ切る。続いて、画像表示領域の外に予め設
置された蒸発型ゲッターを、高周波加熱によりフラッシ
ュさせる。
【0122】以上により、実施例1の画像形成装置を作
成した。
【0123】( 実施例2 ) (工程−a〜h) 実施例1と同様に行った。
【0124】(工程−x) まず、長さ:10.5c
m、直径:φ0.4mmのワイヤ状のNEG(商品名:
ST122 サエス(株)社製)を、スポット溶接によ
り、6本連結し、長さを63cmの長尺チップ109と
した。続いて、上側配線102上に、上記長尺NEGチ
ップ109を、無機接着剤(商品名:アロンセラミクス
−W 東亜合成(株)社製)により、順次、上側配線1
02上に配置する(図11(x)を参照)。この時の接
着剤の塗布は、長尺NEGチップの両端部のみとした。
更に、両端の接着剤がついた部分が、画像形成領域内に
入らないように、電子源基板上に設置した。
【0125】(工程−y) 大気中で、150℃にて6
0分の加熱処理を行い、無機接着剤の焼成を行う。焼成
は、電子源基板ごと行う。
【0126】(工程−i〜n) 実施例1と同様に行っ
た。
【0127】以上により、実施例2の画像形成装置を作
成した。
【0128】( 実施例3 )(工程−a〜h、x、
y、i〜l) 実施例2と同様に行った。
【0129】(工程−z) ベーキングまで引き続き保
たれる真空中で(ベーキングを行うのと同じチャンバー
中で)、250℃にて10時間の加熱処理を行い、無機
接着剤の脱ガスを行う。
【0130】(工程−m〜n) 実施例2と同様に行っ
た。
【0131】以上により、実施例3の画像形成装置を作
成した。
【0132】( 実施例4 )(工程−a〜h、x、
y、i〜l) 実施例2と同様に行った。
【0133】(工程−z) ベーキングまで引き続き保
たれる真空中で(ベーキングを行うのと同じチャンバー
中で)、375℃にて90分間の加熱処理を行い、無機
接着剤の脱ガスを行う。
【0134】(工程−m〜n) 実施例2と同様に行っ
た。
【0135】以上により、実施例4の画像形成装置を作
成した。
【0136】( 実施例5 ) (工程−a〜h、x、y、i) 実施例2と同様に行っ
た。
【0137】次の工程を説明する前に、以後の工程にて
用いられた真空装置について、図15の画像表示装置フ
ォーミング、活性化工程を行うための真空排気装置の模
式図を用いて述べる。
【0138】電子源基板1は、まず電子源処理室151
内に導入され、実施例1〜4の工程−k、lに記され
た、電子源のフォーミング、活性化処理が行われる。電
子源処理室151には排気装置125が接続されてお
り、その間にゲートバルブ124が設けられている。ま
た、圧力計126、四重極質量分析器(Q−mass)
127が取り付けられており、内部の圧力及び残留ガス
の各分圧を、モニタできるようになっている。
【0139】排気装置125は、ソープションポンプと
イオンポンプからなる超高真空用排気装置である。電子
源処理室151には、複数のガス導入装置が接続されて
おり、物質源129に蓄えられた物質を導入することが
できる。導入物質は、その種類に応じて、ボンベまたは
アンプルに充填されており、ガス導入量制御手段128
によって導入量が制御できる。ガス導入量制御手段12
8は、導入物質の種類、流量、必要な制御精度などに応
じて、ニードルバルブ、マスフローコントローラーなど
が用いられる。本例では、ガラスアンプルに入れたベン
ゾニトリルを物質源129として用い、ガス導入量制御
手段128として、スローリークバルブを使用した。
【0140】電子源活性化が終了した基板の電子源1
は、ゲートバルブ1242を通って封着室に送られる。
封着室152には、封着に必要な温度がかけられるよう
に、加熱装置154が付加されている。ここでは、封着
室152全体が炉になるような構成となっている。封着
室152にも、排気装置1252、圧力計1262が備
えられており、所定の圧力で封着が行えるようになって
いる。また、封着室152には、室内の雰囲気を置換で
きるようなガス源1292が、ガス導入手段1282を
介して、接続される。更に、圧力が大気圧以上になると
導入したガスを放出するための排気弁153も、備えら
れている。
【0141】以上の真空処理装置を用いて、以後の工程
を行った。
【0142】(工程−J) 上記電子源基板処理室15
1において、実施例1の工程−kに相当するフォーミン
グを行った。
【0143】(工程−K) 上記電子源基板処理室15
1において、実施例1の工程−mに相当する電子源活性
化工程を行った。
【0144】(工程−M) 上記封着室152におい
て、予め導入してあったフェースプレート、支持枠、排
気管、Baリングゲッタなどを位置合わせして、封着
し、外囲器5を形成した。
【0145】(工程−n) 実施例2と同様に行った。
【0146】以上により、実施例5における画像形成装
置を作成した。
【0147】( 実施例6 ) (工程−a〜h、x、y、i、J、K) 実施例5と同
様に行った。
【0148】(工程−z) 上記真空装置の封着室15
2内で、250℃にて10時間の加熱処理を行い、無機
接着剤の脱ガスを行った。
【0149】(工程−M、n) 実施例5と同様に行っ
た。
【0150】以上により、実施例6の画像形成装置を作
成した。
【0151】( 実施例7 ) (工程−a〜h、x、y、i、J、K) 実施例5と同
様に行った。
【0152】(工程−z) 上記真空装置の封着室15
2内で、375℃にて90分間の加熱処理を行い、無機
接着剤の脱ガスを行った。
【0153】(工程−M、n) 実施例5と同様に行っ
た。
【0154】以上により、実施例7の画像形成装置を作
成した。
【0155】次に、本発明の特徴を明確にするために、
あえて、比較例を幾つか挙げることにする。
【0156】( 比較例1 ) (工程−a〜h、工程−i〜n) 実施例1と同様に行
った。
【0157】以上により、比較例1となる画像形成装置
を形成した。
【0158】( 比較例2 ) (工程−a〜e) 実施例1と同様に行った。
【0159】(工程−f) 素子電極105、106の
上に上側配線102のホトレジストパターンを形成した
後、厚さ:5nmのTi、厚さ:500nmのAuを順
次、真空蒸着により堆積し、リフトオフにより不要の部
分を除去して、所望の形状の上配線102、及びゲッタ
活性化用配線1022を形成した(図16を参照)。な
お、図16は本比較例のNEG膜及びゲッタ活性化用配
線を示す模式図である。
【0160】(工程−g〜h) 実施例1と同様に行っ
た。
【0161】(工程−w) 電子源基板101上に、X
方向配線(上側配線)の形状に対応した開口を有するメ
タルマスクを被せ、位置合わせを行って固定し、スパッ
タリング装置内に設置する。ターゲットにZr−V−F
e=70wt%:25wt%:5wt%の合金を用い、
スパッタリング法により、厚さ:300nmの合金層を
形成し、NEG膜とした。
【0162】(工程−i〜l) 実施例1と同様に行っ
た。
【0163】(工程−m) 排気を続けながら、加熱装
置(図示せず)により、画像形成装置121及び真空容
器123の全体を、300℃にて10時間保持した。
【0164】(工程−v) ゲッタ層の活性化を行う。
電子源の活性化処理(実施例1の工程−lに記載)の時
と同様なパルスを印加し、電子放出素子108から電子
ビームを放出させる。高圧端子Hvには−1kVを印
加、ゲッタ活性化用配線1022には+50Vを印加し
た。これにより、電子放出素子108から放出された電
子は、近くに置かれたゲッタ層109に引き寄せられ衝
突し、エネルギーを与える。これにより、ゲッターの活
性化が行われる。
【0165】(工程−n) 実施例1と同様に行った。
【0166】以上により、比較例2となる画像形成装置
を形成した。
【0167】( 評価 )この様にして、作製された実
施例と比較例の画像形成装置を、それぞれ、作動させ
て、輝度の経時変化を見ることにした。その結果を図1
7に示す。ここでは、実施例と比較例の画像形成装置の
輝度の経時変化が示されており、破線で示される比較例
1、2の経時変化に比べると、実線で示される本発明に
係わる実施例は、いずれも、輝度の低下が同等以下に抑
えられた。更に、無機接着剤を250℃以上の熱工程
で、脱ガス処理を施した実施例3、4、6及び7におい
ては、その輝度の低下の程度が低いことがわかる。
【0168】平板状ディスプレイに使用する電子源を構
成する電子放出素子としては、構造と製造方法が簡単な
ものが、生産技術、製造コストなどの観点から見て望ま
しいことは言うまでもない。特に、製造プロセスが、薄
膜の積層と簡単な加工で構成されているもの、あるいは
大型のものを製造する場合は、印刷法などの、真空装置
を必要としない技術により製造できるものが求められ
る。
【0169】この点で、本発明によれば、先述の特開平
4−12436号公報に開示されたように、ゲート電極
をゲッター材により構成した電子源の場合に、円錐状の
陰極チップの製造、あるいは、半導体の接合の製造など
が、真空装置中での煩雑な工程を要し、また、大型化す
るには、その製造装置による限界があるという問題が、
解消される。
【0170】また、本発明によれば、特開昭63−18
1248号公報のように、電子源とフェースプレートの
間に、制御電極などを設けた装置では、構造が複雑にな
り、製造工程ではこれらの部材の位置合わせなどの煩雑
な工程が伴うという問題をも解消することができる。
【0171】また、本発明によれば、米国特許第5,4
53,659号に開示された、ゲッター材をアノードプ
レート上に形成する方法のように、ゲッター材と蛍光体
の間の電気的な絶縁を取ることが必要で、精密な微細加
工のためにフォトリソグラフィに用いる装置の大きさな
どから、製造できる画像表示装置の大きさが制限される
という問題も解消される。
【0172】このように、製造工程が容易であると言う
上述の要求を満たし得る構造を持った電子放出素子とし
ては、横型の電界放出型電子放出素子や、表面伝導型電
子放出素子を挙げることができる。横型の電界放出型電
子放出素子は、平面基板上に尖った電子放出部を有する
陰極(ゲート)を対向させて形成したもので、蒸着、ス
パッタ、メッキ法等の薄膜堆積法と、通常のフォトリソ
グラフィ技術により、電子が放出されるもので、特開平
7−235255号公報に、その一例が示されている。
【0173】これらの素子を用いた電子源では、特開平
4−12436号公報に開示されたような形状のゲート
電極や、特開昭63−181248号公報に開示された
ような制御電極を備えないために、これらと同様な手法
で、画像表示領域内にゲッターを配置することができ
ず、画像表示領域の外側にゲッタを配置することにな
る。
【0174】先にも述べたように、画像表示装置におい
て、ガスの発生源として最も寄与の大きいものは、高エ
ネルギーの電子によって衝撃を受ける蛍光膜などの画像
表示部材である。勿論、高温で時間をかけてベーキング
するなど、十分に脱ガス処理が実行できれば、ガスの発
生は避けられるが、実際の装置では、電子放出素子、そ
の他の部材が熱的なダメージを受けるため、十分に脱ガ
ス処理が行えない場合があり、このような場合には、ガ
スが発生する可能性が高い。
【0175】発生したガスの圧力が比較的低い場合に
は、このガスが電子源の電子放出部に吸着して特性に影
響を及ぼすほか、電子源から放出される電位によって、
イオン化されたガス分子が、画像表示部材と電子源の
間、または、電子源の正極と負極の間に印加された電圧
によって形成された電界により加速され、電子源の正極
または負極に衝突して、ダメージを与える畏れがある。
【0176】また、局所的・瞬間的にガスの圧力が高く
なった場合には、電界により加速されたイオンが、別の
ガス分子に衝突して、次々にイオンを生成し、放電を生
じる畏れがある。この場合には、電子源が部分的に破壊
され、電子放出特性の劣化を引き起こす。画像表示部材
からのガスの発生は、画像表示装置形成後に電子を放出
させ、これにより、蛍光体を発光させる際、蛍光体に含
まれているH2O、H2、CH4、CO、CO2、O2など
のガスが急激に放出される。これにより、駆動開始初期
に画像の輝度が目立って低下するなどの現象を引き起こ
す場合があった。
【0177】この他、従来の、表示領域の外側にゲッタ
ー領域を設けた場合には、画像表示領域の中央付近で発
生したガスは、外側のゲッタ領域に到達するまでに時間
がかかるだけでなく、ゲッターに吸着される前に、電子
源に再吸着して、電子放出特性を劣化させるが、これを
防止するのに、十分な効果を発揮できず、特に、画像表
示領域の中央で、画像の輝度低下が目立つ場合があっ
た。従って、上記のようなゲート電極あるいは制御電極
を有しない構造の平板状画像表示装置において、発生し
たガスが速やかに除去されるよう、画像表示領域内にゲ
ッター部材を配置しうる新規な構造の装置を創出するこ
とが求められていた。
【0178】このように、局所的なガス放出による圧力
上昇を抑制するには、画像表示領域全面にゲッタ材を分
布させる必要があり、その具体的な手法として、例え
ば、特開平9−82245号公報に示される構造が考案
されている。しかしながら、この例に示されるように、
ゲッタ部材をスパッタなどの蒸着法にて固着させる場合
には、ゲッター部材の厚みや膜構造などに制約があり、
更に、ゲッター特性を向上させる必要がある。
【0179】これらを考慮すると、先述の実施例からも
明らかなように、本発明では、以上に述べた従来の不都
合を解消し得る画像形成装置を提供することができ、特
に、輝度の経時変化(経時的低下)が少なく、また、画
像形成領域内での経時的な輝度ばらつきの発生の少ない
画像形成装置、及び、この画像形成装置の製造方法を提
供することができるのである。
【0180】(第2の実施の形態)次に、非蒸発型ゲッ
ターとして、金属粉末を用いた実施の形態について説明
する。ここでの基本的な態様は、複数の表面伝導型電子
放出素子を配置した電子源基板上の、各電子放出素子を
結ぶ配線上に、非蒸発型ゲッターを設けたものである。
【0181】既に述べたように、本実施の形態でも、電
子放出素子の配列については、単純マトリックス配列と
している。図18、図19において、51は電子源基板
(ガラス基板)、52はX方向配線、53はY方向配線
である。54は電子放出素子である(特に、この場合、
表面伝導型電子放出素子を例にしている)。
【0182】m本のX方向配線52は、Dx1,Dx
2,……,Dxmからなり、スクリーン、オフセットな
どの印刷法を用いて形成された導電性金属である。配線
の材料、膜厚、巾は、適宜に設計される。Y方向配線5
3は、Dy1,Dy2,……,Dynのn本の配線より
なり、X方向配線52と同様に導電性金属で形成され
る。これらm本のX方向配線52とn本のY方向配線5
3との間には、層間絶縁層(図示せず)が設けられてお
り、両者を電気的に分離している(m,nは、共に正の
整数)。なお、X方向配線52とY方向配線53とは、
それぞれ、外囲器217の外部端子に引き出されてい
る。
【0183】電子放出素子54を構成する一対の電極
は、m本のX方向配線52とn本のY方向配線53と導
電性金属などからなる結線によって電気的に接続されて
いる。X方向配線52には、X方向に配列した電子放出
素子54の行を選択するための走査信号が印加されるよ
うに、走査信号印加手段(図示せず)が接続される。一
方、Y方向配線53には、Y方向に配列した電子放出素
子54の各列を選択するための走査信号が印加されるよ
うに、同じく、走査信号印加手段(図示せず)が接続さ
れる。そして、各電子放出素子に印加される駆動電圧
は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧
として供給される。
【0184】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。なお、上述の電子源基板51は、通
常、リアプレートと称し、また、電子源基板51で強度
が不足する場合には、それに補強板211を付加する構
成にすることもある。この場合には、電子源基板51と
補強板211とで、リアプレートが構成されている。
【0185】特に、この実施の形態では、Y方向配線5
3上には、非蒸発型ゲッター56が配置される。このゲ
ッターは、ZrまたはZrを主成分とする金属粉末を、
シリコン原子と酸素原子の結合による硬化接着剤を用い
て、混合し、これを、ディスペンサーなどの手段を用い
て、Y方向配線上に帯状に塗布する。
【0186】このとき、非蒸発型ゲッターの粉末には、
ゲッター活性化時に、金属表面の酸化物、炭化物、窒化
物の内部拡散により、表面が十分清浄されるように、平
均粒径が数μm以上のものを用いるのが好ましい。
【0187】非蒸発型ゲッターは、電子源の駆動時に放
出されるガスを吸収する能力が必要とされるので、駆動
前の工程で、非蒸発型ゲッターが活性化する高温時に、
ガスを吸収して吸着能力が劣化してしまうのでは、好ま
しくない。
【0188】そのために、接着剤との混合物には、ゲッ
ターが活性化する高温時のガス放出が少ないものがよ
い。また、形成プロセスも検討した結果として、非蒸発
型ゲッターの粉末間あるいは非蒸発型ゲッターと配線間
の接着性を高めるために、接着剤と非蒸発型ゲッターと
を別々に塗布、接着するよりも、混ぜ合わせたペースト
状のものを塗布、接着した方が良好であった。
【0189】しかし、この場合には、非蒸発型ゲッター
である金属粉末表面を接着剤が覆ってしまい易く、非蒸
発型ゲッターの吸着能力を発揮できない畏れがある。こ
れら問題点を検討した結果、本発明の実施の形態では、
低温で硬化し、高温でもガス放出が少なく、少ない量で
接着性が得られる材料として、シリコン原子と酸素原子
の結合による接着剤(無機接着剤)と混合した混合物を
採用することにした。
【0190】なお、ここで使用する接着剤には、例え
ば、ラダー(梯子)型シリコーン系オリゴマーを有機溶
媒に溶解した接着剤を用いる。非蒸発型ゲッター(粉
末)とラダー(梯子)型シリコーン系オリゴマーとの混
合割合は、上記の理由により、ラダー(梯子)型シリコ
ーン系オリゴマーの割合を可及的に少くすることが好ま
しく、それでいて、十分な接着力が得られるには、1
0:1〜20:1が好ましいが、接着するゲッター材の
表面状態により、適宜決定するのがよい。
【0191】なお、216はガラス基板213の内面に
蛍光膜214とメタルバック215が形成されたフェー
スプレートである。また、212は支持枠であり、支持
枠212の上下周縁には、リアプレート51、フェース
プレート216が、低融点のフリットガラスなどを用い
て、接合される。
【0192】フリットガラスによる接合は、その種類に
より異なるが、通常、400〜500度の範囲で行われ
る。接合は、フリットガラス中に含まれるバインダー成
分を除去するため、酸素の存在する雰囲気(大気中)で
行なうことが多いが、これに限るものではなく、例え
ば、300℃程度で、予めバインダー成分を焼き出して
から(この操作を仮焼成と称する)後で、不活性ガス雰
囲気で、400〜500℃で接合することもある。この
際、電子源基板上に配置された非蒸発型ゲッターも、必
然的に400〜500度の温度を経験し、活性化され
て、ガスを吸着する機能を発現する。
【0193】外囲器217は、上述のように、フェース
プレート216、支持枠212、リアプレート211で
構成される。フェースプレート216、リアプレート2
11間に、スペーサーとよばれる支持体(図示せず)を
設置することにより、大気圧に対して、十分な耐性強度
を持つ真空外囲器217を構成することもできる。
【0194】なお、フェースプレート216には、先述
の、第1の実施の形態で説明したのと同様な蛍光膜21
4を有する。蛍光膜214は、モノクロームの場合は、
蛍光体のみから構成することができる。カラーの蛍光膜
の場合は、蛍光体の配列により、ブラックストライプあ
るいはブラックマトリクスなど、第1の実施の形態で示
したような、黒色導電材(12)と蛍光体(13)とか
ら構成することができる。ブラックストライプ、ブラッ
クマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要
となる三原色蛍光体の各蛍光体間の塗り分け部を黒くす
ることで、混色を目立たなくすること、および、蛍光膜
における外光反射によるコントラストの低下を抑制する
ことにある。ブラックストライプの材料として、通常、
用いられているのは、黒鉛を主成分とする材料である
が、その他に、導電性があって、光の透過及び反射が少
ない材料を用いることができる。
【0195】フェースプレート216には、更に蛍光膜
214の導電性を高めるため、蛍光膜214の外面側に
透明電極(メタルバック)215を設けてもよい。な
お、前述の封着を行う際には、カラーの場合、各色の蛍
光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な
位置合わせが不可欠となる。
【0196】次に、上述の、図18に示した画像形成装
置の製造方法の一例を以下に説明する。先ず、ガラス基
板上に、印刷法、フォトリソグラフィ法など、種々の方
法を組み合わせて、電極、配線パターンを形成し、電子
放出材料を配置して、複数の電子放出素子を有する電子
源基板(リアプレート)51を作製する。この電子源基
板には、マトリクス配線上に位置して、非蒸発型ゲッタ
ー56を帯状に形成する。この際の非蒸発型ゲッター5
6は、ZrまたはZrを主成分とする金属粉末であっ
て、その粉末を、有機溶媒に溶かして、液状あるいはゲ
ル状にしたラダー(梯子)型シリコーン系オリゴマーな
どの無機接着剤に混ぜ合わせ、ペースト状とし、これを
ディスペンサーを用いて、あるいは、印刷法にて、塗布
するのである。
【0197】この無機接着剤は、シリコン原子と酸素原
子の重合反応で接着され、高温なほど重合反応速度が速
くなる。また、接着剤の溶媒である有機溶媒を蒸発させ
るために、塗布後に焼成することが好ましいが、この
際、ゲッターも活性化され、焼成時の部材などからの放
出ガスを吸収する。このために、ゲッター能力の劣化を
生じる可能性があるので、この実施の形態では、1×1
-6Torr以下の真空中あるいは不活性ガス中で焼成し、
また、焼成温度を考慮して、前述のペーストを焼成する
温度の範囲を決定する。
【0198】また、前述の非蒸発型ゲッターの粉末と接
着剤のパターニングは、ディスペンサーや印刷に限るも
のでなく、メタルマスクや感光性材料などを用いて、マ
スキングを施した後、配線部や全面に塗布し、マスキン
グを剥離して、形成することでも、実現できる。
【0199】なお、Y方向配線上以外にも、X方向配線
52上や画像表示領域周辺部などにも、Y方向配線上と
同時に非蒸発型ゲッターを設置することが有り、その場
合には、所望のパターンに、ディスペンサーや印刷法で
描画したり、所望の開口を設けて、他をマスキングを施
し、非蒸発型ゲッターを塗布、形成してもよい。
【0200】一方で、別のガラス基板上に、蛍光体を始
めとした画像形成部材を配置して、フェースプレート2
16を作製する。そして、リアプレート51、支持枠2
12およびフェースプレート216によって、偏平箱形
の外囲器217を形成するのである。これら構造部材の
接着には、フリットガラスが用いられ、真空中あるいは
不活性ガス中で、概ね、400〜500℃の温度範囲で
接着される。
【0201】なお、この実施の形態では、画像表示領域
内の配線上に非蒸発型ゲッターを形成したが、画像表示
領域外の画像表示領域周辺や支持枠近傍、フェースプレ
ート上に形成する場合にも、上述の方法、工程を用いる
ことができる。
【0202】この後、外囲器217の内部を一度、排気
して(真空形成工程)、複数の電子放出素子より成る電
子源に必要な処理を施し、電子を放出できるようにす
る。電子放出素子が表面伝導型電子放出素子である場
合、例えば、特開平7−235255号公報に所載のよ
うな処理(電子源活性化工程)を行うと、必要な電圧を
印加することで、電子源より電子が放出されるようにな
る。続いて、排気と加熱脱ガス(ベーキング工程)によ
り、外囲器の内部に十分な真空を確保する。この場合、
加熱脱ガス工程により、電子源基板に配置されている非
蒸発型ゲッター56が活性化され、ガス吸着機能を発現
するようになる。その後、さらに、真空排気管(図示せ
ず)をバーナーで加熱して、封じ切る。この後、改めて
ゲッターの活性化処理を行ってもよく、その場合には、
非蒸発型ゲッター56を250℃以上に熱処理すること
になる。
【0203】このような、単純マトリクス配置の電子源
を用いて構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ
信号に基づいたテレビジョン表示を行うための回路構成
は、先述の、第1の実施の形態(図8を参照)において
説明しているので、ここでは省略する。
【0204】このような構成をとり得る本発明を適用可
能な画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器
外端子Dox1ないしDoxm,Doy1ないしDoy
nを介して電圧を印加することにより、電子放出が生ず
る。高圧端子Hvを介して、メタルバック215(ある
いは、透明電極)に高圧を印加し、電子ビームを加速す
ると、該加速電子は蛍光膜214に衝突し、発光して、
画像が形成される。
【0205】なお、この実施の形態で述べた、非蒸発型
ゲッターを有する画像形成装置の構成及び非蒸発型ゲッ
ターの形成方法には、本発明を適用することができる、
他の種々の画像形成装置に対して、設計上の種々の変形
が可能である。特に、電子源を構成する電子放出素子と
して、表面伝導型電子放出素子を例示したが、電子源を
構成する素子としては、これに限るものでなく、電界放
出型電子放出素子や、金属/絶縁層/金属型(MIM
型)など、多数の電子放出素子を並べて使用する画像形
成装置にも適用できる。また、電子放出素子の配置方法
として、単純マトリクス配置をあげて説明したが、配置
方法としては、これに限るものでなく、はしご状配置な
どにも適用できる。さらに、入力信号については、NT
SC方式を挙げたが、入力信号はこれに限られるもので
はなく、PAL,SECAM方式などの他に、これより
も、多数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE
方式をはじめとする高品位TV)方式にも採用できる。
【0206】また、本発明の画像形成装置は、ここに挙
げたテレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システム
やコンピューターなどの表示装置の他、感光性ドラムな
どを用いて構成された光プリンターとしての画像形成装
置にも用いることができる。
【0207】以下、上述の本発明の、第2の実施の形態
を、具体的な実施例を挙げて、詳しく説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではなく、本発明の
目的が達成される範囲内での各要素の置換や設計変更が
なされたものをも包含するとする。
【0208】( 実施例1 )本実施例の画像形成装置
は、図18に模式的に示された装置と同様の構成を有
し、印刷法で形成したY方向配線(上配線)53上に、
非蒸発型ゲッター56が配置されている。また、本実施
例の画像形成装置は、基板上に、複数(100行×30
0列)の表面伝導型電子放出素子が単純マトリクス配線
された電子源を備えている。この実施例での電子源の一
部が、図20の、平面図で示されている。また、図中A
−A′の断面図が、図21として示されている。但し、
図20および図21で、同じ記号を付したものは、同一
物を示す。ここで、符号51は電子源基板、52は図1
8のDoxmに対応するX方向配線(下側配線、信号側
配線とも呼ぶ)、53は図18のDoynに対応するY
方向配線(上側配線、走査側配線とも呼ぶ)、108は
表面伝導型電子放出素子の電子放出部を含む導電性膜、
58,59は素子電極、60は層間絶縁層、57はそれ
ぞれX方向配線52上の非蒸発型ゲッターである。
【0209】以下に、本実施例の画像形成装置の製造方
法について、図22〜図28を参照して説明する。図2
2〜図27は電子源基板の製造工程の説明図、図28は
非蒸発型ゲッターの粉末と接着剤を混合したペーストを
用いて、上側配線53上に非蒸発型ゲッター56を形成
するプロセス図を示している。
【0210】また、図29は画像表示装置の製造工程に
おけるフォーミング処理および活性化処理に用いる回路
の構成を示す模式図、図30はフォーミング処理、およ
び活性化処理に用いられる電圧波形の例を示す図を示
す。
【0211】(工程−a) 洗剤、純水および有機溶剤
を用いて、基板を十分に洗浄し、この基板上に厚さ:
0.5μmのシリコン酸化膜を、スパッタ法にて形成
し、電子源基板51とした。
【0212】その後、電子源基板51上に、素子電極5
8,59と、素子電極間のギャップGとなるパターン
を、ホトレジスト(RD−2000N−41 日立化成
社製)で形成し、真空蒸着法により、厚さ:5nmのT
i、厚さ:100nmのNiを、順次堆積した。次い
で、ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/
Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔Gを3μm、
素子電極の幅を300μmとし、素子電極58,59を
形成した(図22を参照)。
【0213】(工程−b) その後、スクリーン印刷法
を用いて、素子電極の片側58にコンタクトするよう
に、下側配線52を形成し、400℃で焼成して、所望
の形状にした(図23を参照)。
【0214】(工程−c) その後、スクリーン印刷法
を用いて、上下配線の交差する部位に、所望の層間絶縁
層60を印刷、400℃で焼成して形成した(図24を
参照)。
【0215】(工程−d) 下側配線52とコンタクト
していない側の素子電極59とコンタクトするように、
スクリーン印刷法で、上側配線53を形成し、400℃
で焼成した(図25を参照)。
【0216】(工程−e) 真空蒸着により、膜厚:1
00nmのCr膜を堆積・パターニングし、その上に、
Pdアミン錯体の溶液(ccp4230奥野製薬(株)
社製)を、スピンナーにより、回転塗布し、300℃で
10分間の加熱焼成処理を行った。また、こうして形成
された、主元素としてPdよりなる微粒子からなる、電
子放出部形成用の導電性膜108は、その膜厚が8.5
nm、シート抵抗値が3.9×104 Ω/□であった。
【0217】なお、ここで述べる微粒子膜とは、複数の
微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒
子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互い
に隣接あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
指しており、その粒径とは、前記状態で、粒子形状が認
識可能な微粒子についての直径をいう。
【0218】次いで、Cr膜及び焼成後の電子放出部形
成用の導電性膜108を、酸エッチャントによりエッチ
ングして、所望のパターンを形成した(図26を参
照)。以上の工程により、電子源基板51上に複数(1
00行×300列)の電子放出部形成用の導電性膜10
8が、下側配線52と上側配線53よりなる単純マトリ
クスに、接続されたものとなった。
【0219】(工程−f) 工程−dで作製した上側配
線パターン上に、ディスペンサー61を用いて非蒸発型
ゲッターの粉末と接着剤を含むペースト80を塗布した
(図28の(a)を参照)。非蒸発型ゲッターには、5
0μmメッシュの篩いを通した、平均粒径:20μmの
Zrを主成分とする非蒸発型ゲッター:HS405粉末
(日本ゲッターズ(株)製)を用い、接着剤として、ラ
ダー(梯子)型シリコン系オリゴマー:GR650(米
国01−NEG TV Products,Inc.製)を、有機
溶媒:シクロヘキサノールに溶かし、液状にしたものを
用いた。この非蒸発型ゲッター粉末と接着剤を混ぜ合わ
せてペースト状にした。なお、その重量比は、非蒸発型
ゲッター:GR650:シクロヘキサノール=10:
1:10とした。
【0220】その後、1×10-6Torr以下の雰囲気で2
80℃で焼成し、シクロヘキサノールを蒸発させ、接着
剤のシリコン原子と酸素原子の結合反応を促進して、上
側配線53上に非蒸発型ゲッター56を接着した(図1
8、図27、図28の(b)を参照)。このシリコン系
接着剤は、ガス流出がほとんどなく、非蒸発型ゲッター
56の能力をほとんど劣化させなかった。
【0221】この比率で形成したものは、非蒸発型ゲッ
ター56と配線53との密着性が十分で、脱落が無く、
また、非蒸発型ゲッター56の金属表面をシリコンが覆
うことが無かった。なお、上述の非蒸発型ゲッターと接
着剤を含むペーストの塗布方法は、ディスペンサーに限
らず、スクリーン法やオフセット法などの印刷法で形成
できるだけでなく、配線部分に開口を持つメタルマスク
をアライメントして電子源基板に密着させ、その上から
前記ペーストを塗布するという方法でも形成できる。ま
た、ラダー(梯子)型シリコン系オリゴマーを溶かす有
機溶媒は、シクロヘキサノールに限らないが、パターン
形成の容易さの点で、粘度が高く、非蒸発型ゲッターが
活性化する温度より低い温度で蒸発するものが、ここで
の溶媒として好ましい。
【0222】なお、この実施の形態では、図20,図2
1及び図27に示すように、下側配線52にもペースト
による非蒸発型ゲッター57が形成される。
【0223】(工程−g) 次に、図18に示すところ
のフェースプレート216を、第1の実施の形態と同様
に、作製した。即ち、ガラス基板213の表面に、蛍光
膜214を印刷法により形成した。なお、蛍光膜214
はストライプ状の蛍光体(R、G、B)13と黒色導電
材(ブラックストライプ)12とが交互に配列された、
図6の(a)に示される傾向膜と同じにした。更に、蛍
光膜214の上に、Al薄膜よりなるメタルバック21
5をスパッタリング法により、50nmの厚さで形成し
た。
【0224】(工程−h) 次に、図18に示す外囲器
17を、以下の様に作製した。前述の工程により作製さ
れた電子源基板51と、支持枠212、フェースプレー
ト216を組み合わせ、電子源の下側配線52及び上側
配線53を、各々、行選択用端子10及び信号入力端子
11に対して接続し、電子源基板51とフェースプレー
ト16の位置を厳密に調整し、その上で、フリットガラ
スを介して、封着し、外囲器17を形成した。この封着
の方法は、支持枠212の上下縁の接合部に、フリット
ガラスを塗布して、大気中300℃で、仮焼成した後、
各部材を組み合わせ、Arガス中で、400℃、10分
間の熱処理を行う方法である。
【0225】なお、以後の工程にて用いられた真空処理
装置は、図13に示すものと同等の構成を持っており、
同じように使用される。従って、その説明は省略する。
【0226】(工程−i) 先ず、圧力が1×10-3
a以下になるように、外囲器17の内部を排気し、電子
源基板51上に配列された、前述の複数の電子放出部形
成用の導電性膜に、電子放出部を形成するため、以下の
フォーミング処理を行った。
【0227】即ち、図29に示すように、Y方向配線を
共通結線して、グランドに接続すると共に、制御装置9
1で、パルス発生器92とライン選択装置94を制御す
る。なお、93は電流計である。ライン選択装置94に
より、X方向配線から1ラインを選択し、これにパルス
電圧を印加する。
【0228】フォーミング処理は、X方向の素子行に対
して、1行(300素子)毎に行った。印加したパルス
の波形は、図30の(a)に示すような三角波パルス
で、波高値を、徐々に上昇させた。この際、パルス幅:
T1=1msec.、パルス間隔:T2=10mse
c.とした。また、三角波パルスの間に、波高値:0.
1Vの矩形波パルスを挿入し、電流を測ることにより、
各行の抵抗値を測定した。抵抗値が3.3kΩ(1素子
あたり1MΩ)を越えたところで、その行のフォーミン
グを終了し、次の行の処理に移った。これをすべての行
について行い、すべての前記導電性膜のフォーミングを
完了し、各導電性膜について、電子放出部(電子放出素
子108)を形成した。こうして、複数の表面伝導型電
子放出素子が、単純マトリクス配線で、電子源基板51
上に作成された。
【0229】(工程−j) 真空容器123(図13を
参照)内にベンゾニトリルC6 5CNを導入し、分圧
が1.3×10-3Paとなるように調整し、素子電流I
fを測定しながら、上記電子源にパルスを印加して、各
電子放出素子の活性化処理を行った。ここでのパルス発
生器92により生成したパルス波形は、図30の(b)
に示した矩形波であって、波高値は14V、パルス間隔
はT1=100μsec.、パルス間隔は167μse
c.である。
【0230】図29に示すように、ライン選択装置94
により、167μsec.毎に、選択ラインをDx1か
らDx100まで、順次切り替え、この結果として、各
素子行には、T1=100μsec.、T2=16.7
msec.の矩形波が、行毎に位相を少しずつシフトさ
れた状態で、印加されることになる。
【0231】電流計93は、矩形波パルスのオン状態
(電圧が14Vになっている時)での電流値の平均を検
知するモードで使用し、この値が600mA(1素子あ
たり2mA)となったところで、活性化処理を終了し、
真空容器123内を排気した。
【0232】(工程−k) 排気を続けながら、加熱装
置(図示せず)により、画像表示装置としての構成全体
(真空外囲器217を含む)を、300℃で、24時間
保持した。この処理により、外囲器217、真空容器1
23の内壁などに吸着されていたと思われるベンゾニト
リルC6 5 CN及びその分解物が、除去されたこと
が、Q−mass127による観察で確認できた。ま
た、同時に、外囲器217内の主要な無機ガスの分圧
も、工程−k実施前に比較して減少した。本工程−kの
加熱処理が、ゲッター活性化処理を兼ね、これにより電
子源基板51の上配線53上に設けた非蒸発型ゲッター
56が、外囲器217内のガスを吸着するようになった
ことがわかった。
【0233】(工程−l) 続いて、この実施例1の画
像形成装置で、画像を表示させるための工程を行なっ
た。即ち、電子源の駆動は、ライン順次で、60Hzの
電子放出を、各行の素子に起こさせる。メタルバック1
5に接続された高圧端子Hvには、先ず、Va=4kV
を印加する。この後、さらに、Va=6kVまで上昇さ
せ、蛍光体からガスを放出させた。
【0234】なお、本実施例の装置は、Va=5kVで
使用することを想定しており、予め、これより、高い電
圧で照射しておくので、実際の使用の際のガス放出を減
少させるものである。
【0235】(工程−m) 圧力が1.3×10-5Pa
以下となったことを確認してから、バーナーによって排
気管を加熱して、封じ切った。このようにして、本実施
例の画像表示装置を作成した。
【0236】( 比較例1 )本比較例は、非蒸発型ゲ
ッターを備えた画像形成装置と、ゲッターを備えない画
像形成装置の比較を行なうためのものである。本比較例
では、工程−eまでを、第2の実施の形態における実施
例1と同様の工程で行ない、続いて、工程−g以降の工
程を行なって、非蒸発型ゲッターを配置しない画像形成
装置を作製した。
【0237】こうして作製した、非蒸発型ゲッターを備
えない画像形成装置の外囲器の分圧をQ−MASS12
7で測定して、前記実施例1の非蒸発型ゲッターを備え
た画像形成装置の場合と比較した。その結果、外囲器内
の主要な無機ガス(マスナンバー:2、18、28、3
2、44)の分圧は、実施例1の積層型非蒸発型ゲッタ
ーを配置した画像形成装置の方が、比較例1の、ゲッタ
ーを配置しない画像形成装置に比べて、それぞれ1桁以
上低い値を示した。
【0238】その後、圧力が1.3×10-5Pa以下と
なったことを確認してから、排気管をバーナーで加熱し
て封じ切り、比較例1の画像表示装置を作成した。
【0239】( 評価 )これら実施例1、比較例1の
画像表示装置の比較評価を行なった。評価は単純マトリ
クス駆動を行ない、画像表示装置を連続全面点灯し、輝
度の経時変化を観察した。駆動初期の輝度は、それぞれ
異なっていたが、連続点灯を長時間続けると、比較例1
の画像表示装置の輝度低下が明らかに目立つようになっ
たが、実施例1の画像表示装置は、輝度低下が見られる
ものの、その割合は比較例1の画像表示装置に比べて少
なく、さらに、長時間駆動することが可能であった。以
上より、接着剤を用いて非蒸発型ゲッターを外囲器内に
形成し、外囲器内の真空度を低く維持でき、それにより
輝度の低下を抑制する効果が確認された。
【0240】( 実施例2 )本実施例は、画像表示領
域の周囲に非蒸発型ゲッターを配置するものであり、そ
の配置図を図31の(a)に示す。本実施例において
は、前述の工程−a〜工程−eまでは、第2の実施の形
態の実施例1と同様の工程で実施した。
【0241】(工程−f′) スクリーン印刷法を用い
て、図31の(a)に示すように、周辺の配線上に絶縁
膜130を印刷し、400℃で焼成して形成した。そし
て、実施例1の工程−fと同様の、非蒸発型ゲッターと
接着剤とのペーストを、ディスペンサーを用いて上記絶
縁層130上に塗布し、1×10-6Torr以下の雰囲気
で、280℃で焼成し、非蒸発型ゲッターを絶縁膜13
0上に接着した。
【0242】なお、工程−g以降は、実施例1を同様の
工程で実施し、画像表示装置を完成した。
【0243】( 評価 )以上作成した画像表示装置に
ついて、実施例1と同様の輝度評価を行ったところ、比
較例1に比べ、輝度低下の割合が小さく、外囲器内の真
空度を低く維持でき、それにより輝度の低下を抑制する
効果が確認された。
【0244】( 実施例3 )本実施例は、画像表示領
域の周囲と、画像表示領域内部の双方に非蒸発型ゲッタ
ーを配置するものであり、図31の(b)に、その配置
図を示す。本実施例は、画像表示領域が大型化した場合
に適用するものである。本実施例においては、前述の工
程−a〜工程−eまでは、第2の実施の形態の実施例1
と同様の工程で実施した。
【0245】(工程−f″) 実施例2の工程−f′と
同様に、スクリーン印刷法を用いて、図31の(a)に
示すように、周辺の配線上に絶縁膜130を印刷し、4
00℃で焼成し、非蒸発型ゲッターを絶縁膜130上に
形成した。続いて、実施例1の工程−fと同様の非蒸発
型ゲッターと接着剤とのペーストをディスペンサーを用
いて、上側配線上、下側配線上及び絶縁膜130上に塗
布し、1×10-6Torr以下の雰囲気で、280℃で焼成
し、非蒸発型ゲッターを絶縁膜130上に接着した(図
31の(b)を参照)。
【0246】なお、工程−g以降は、実施例1と同様の
工程で実施し、画像表示装置を完成した。
【0247】( 評価 )以上作成した、実施例3の画
像表示装置について、実施例1、2と同様の輝度評価を
行った。比較例1、実施例1、2に比べて、輝度低下の
割合は著しく小さく、さらに、長時間駆動することがで
きた。
【0248】このように、第2の実施の形態における実
施例1〜3では、非蒸発型ゲッターが配置されているた
め、長時間、外囲器内の真空を保つことができ、放出ガ
スの影響が小さくなって、輝度低下を防いでいるものと
考えられる。また、接着剤を用いることにより真空成膜
やフォトリソプロセスを用いずに、非蒸発型ゲッターを
外囲器内に形成することができ、さらに、実施例1〜3
のように、非蒸発型ゲッターを配置する場所、面積を変
化させても、長時間駆動後の輝度低下に対して、十分に
ゲッターの機能を満足できることが認められ、画像表示
装置の大きさに応じて、非蒸発型ゲッターを設置する場
所を選べることもわかった。
【0249】(第3の実施の形態)以下、本発明の実施
の形態を、図32および図33を参照しながら、具体的
に説明する。ここでは、絶縁性基板(電子源基板)31
0の表面に複数の電子放出素子309が設けられてお
り、これらを駆動するために、これらに隣接して、絶縁
性基板の表面に配線(X方向配線)304が成されてお
り、そして、この配線304上には、リボン状の非蒸発
型ゲッター301が固定されている。
【0250】この場合、非蒸発型ゲッター301には、
図33の(a)に示すような穴302、あるいは、図3
3の(b)に示すような切り欠き302’が設けられて
いて、この穴302あるいは切り欠き部302’に導電
性接着剤303を挿入して、これにより、配線304に
ゲッター301を固定している。
【0251】なお、図中、符号305は変調信号配線
(Y方向配線)、306は絶縁層、307は素子電極、
308は電子放出素子309の電子放出部である。ま
た、この実施の形態においては、電子放出素子309
は、針状あるいはピラミッド状先端より電子を放出する
電界放出型電子放出素子、または、表面伝導型電子放出
素子のような、冷陰極型電子放出素子である。また、非
蒸発型ゲッター301は、ZrやNb、Tiなどの気体
吸着能の高い金属の合金粉末を、金属ベースに付着させ
たものである。中でも、Zr−Al−Ti合金、V−F
e−Zr−Ti合金(サエスゲッターズ製など)は、真
空容器の形成のためのフリット工程後も、ゲッターが劣
化せずに、活性化が可能であり、封着工程を経ても、な
お、気体吸着能力を保持する。
【0252】非蒸発型ゲッター1に形成された穴30
2、あるいは、切り欠き302′の形状は、図33のよ
うな円形に限られるものではなく、長円形などの他の形
状でもよい。そして、これらの穴302あるいは切り欠
き302’は、あらかじめ、ゲッター301のベースに
明けて置くのがよい。勿論、ゲッター301を作製した
後、穴開けなどを行ってもよいが、ゲッター301の金
属は、活性であるため、穴加工により、穴の周辺のゲッ
ター材の吸着能力を低下するおそれがあるから、前者の
方法がベターである。
【0253】この穴302あるいは切り欠き302’
は、導電性接着剤303のはみ出しを防止するためだけ
でなく、レーザにより、導電性接着剤303を溶融ある
いは硬化させる際の窓として有効に機能できる。因み
に、穴302あるいは切り欠き302′がない場合を想
定すると、非蒸発型ゲッター301を配線に圧接した際
に、接着剤の一部がゲッター301より外側にはみ出
し、これが電子放出素子の短絡などの原因となる。
【0254】非蒸発型ゲッター301のベースは、一般
的に、Ni−Cr合金などの抵抗材料が使用される。こ
れは、ベースに通電した電流による発熱で、非蒸発型ゲ
ッター301を活性化(気体吸着能力の付与)させるた
めである。なお、本発明においては、非蒸発型ゲッター
301の活性化に、通電加熱を行わないため、ベース材
料に前記合金を使用しなければならないとは限らない。
即ち、本発明では、真空容器を形成するディスプレイ外
囲器(図34に示す基板311、312および支持枠3
13に対応)の熱膨張係数に近い熱膨張係数の金属ある
いは導電性化合物を使用することが望ましい。その具体
例として、外囲器がソーダガラスである場合、Tiある
いはNb、または、それらを主とする合金や、Niが6
0〜70wt.%のNi−Fe合金などが好ましく、ま
た、ホウケイ酸ガラスの外囲器に対して40〜50%N
i−Fe合金などが好ましい。
【0255】配線304と非蒸発型ゲッター301の電
気的接続がなされていない場合、ゲッター301の電位
が不定となり、配線304とゲッター301、あるい
は、基板(フェースプレート)に形成された加速電極と
の間で、放電を引き起こす原因となる。そのため、本発
明では、非蒸発型ゲッター301と配線304が同電位
となるように、ゲッター301の固定に導電性接着剤3
03を使用するのである。
【0256】導電性接着剤303は、導電性フィラーを
含有する樹脂接着剤、ガラスフリット、半田合金などを
用いることができるが、真空容器の形成工程での加熱に
耐える必要がある。通常、電子線ディスプレイの封着に
は、ガラスフリットが用いられるので、導電性ガラスフ
リットもしくは高融点の半田合金が好ましい。
【0257】また、半田合金としては、配線と固溶する
材料であることが好ましい。例えば、10wt.%Ag
以下のAg−Snは、共晶合金であり、その融点が30
0℃以下であるから低温で接着できる。殊に、Ag3.
5%−Sn半田の融点は221℃である。また、配線4
は、一般にAgの印刷で形成される。焼成後の配線は、
概ね、90%がAgからなっている。このように、Ag
を主成分とする配線の場合、Sn−Ag半田と配線4と
が固溶し、共晶合金を形成するために、フリットによる
真空容器の封着工程で高温になっても、半田が流れるこ
となく、配線304との接合を保つことができ、しか
も、はみ出しを起こさない。なお、Sn−Ag合金に、
添加元素として、Bi、Cu、In、Sbを含む半田
も、同様に使用することができる。
【0258】導電性接着剤303は、配線304上の非
蒸発型ゲッター301の穴302あるいは切り欠き30
2′に対応する位置にディスペンサーにより点状に塗布
される。なお、これは、非蒸発型ゲッターの穴あるいは
切り欠きに対応するパターンのマスクを用いて、印刷手
段により形成してもよい。このようにして、配線304
上に予め塗布した導電性接着剤303は、非蒸発型ゲッ
ター301を配線304上で位置合わせした後、加熱し
て溶融される。この際、基板全体を接着剤の溶融温度以
上に加熱してもよいが、レーザにより導電性接着剤のみ
を加熱した方が、非蒸発型ゲッター301へのダメージ
がないばかりでなく、接着工程で消費されるエネルギー
が格段に少くなるので有利である。
【0259】以下、具体的な実施例により本発明の第3
の実施の形態を更に説明する。
【0260】( 実施例1 ):リアプレートの作製 この実施例における電子線ディスプレイの電子源は、2
40×960個の表面伝導型電子放出素子をガラス基板
に形成したものである。ここでは、図32に示すような
構成が採用されており、素子電極307はスパッタ法で
蒸着したPt薄膜であり、走査信号配線(X方向配線)
304、変調信号配線(Y方向配線)305は、Agペ
ーストのスクリーン印刷法により形成した。素子電極3
07は20ミクロンの間隔で一対の形状をしており、そ
の一方は絶縁層306のビアホール(図示せず)を介し
て走査信号配線304に、他は変調信号配線305と接
続されている。素子電極307の間隙には、有機Pd錯
体をインクジェットにより塗布し、それを焼成して、P
dおよび酸化Pdの超微粒子膜を形成し、電子放出部3
08とする。当然、電子の放出をさせるためには、後述
するフォーミング処理と炭素膜の形成が行われる。
【0261】次に、4%Ag−Snのハンダペーストを
非蒸発型ゲッター301に設けられている穴に対応する
走査信号配線304上の位置にディスペンサーにより塗
布した。そして、非蒸発型ゲッター301を位置合わせ
し、YAGレーザを半田ペースト303に照射し、半田
を溶融して、非蒸発型ゲッター301を固定した。1本
の非蒸発型ゲッター301は、巾:0.3mm、長さ:
50mmであり、100ミクロン厚みの65%Ni−F
e合金にV−Fe−Zr−Ti合金のゲッタ微粒子を、
約50ミクロンの厚さで形成したものである。
【0262】フェースプレートの作製 画像形成部材である蛍光膜は、各色蛍光体がY方向に延
びるストライプ形状であり、各色蛍光体を分割する黒色
導電材を先に形成し、その間隙部に各色蛍光体を塗布し
て作成した。この黒色導電材(ブラックストライプ)の
材料として、通常よく用いられている黒鉛を主成分とす
る材料を用いた。また、蛍光体をガラス基板に塗布する
方法にはスラリー法を用いた。そして、蛍光膜の内面側
には蛍光膜の作製後に、表面の平滑化処理(通常、フィ
ルミングと呼ばれる)を行い、その後、メタルバックで
あるAl膜を真空蒸着した。
【0263】電子線ディスプレイパネルの作製 電子源の1mm上方において、フェースプレート11を
支持枠13を介して配置し、リアプレート12、フェー
スプレート11、支持枠13を固定した。リアプレート
と支持枠の接合部、および、支持枠とフェースプレート
11の接合部にはフリットガラスを塗布し、430℃
で、10分以上かけて焼成した。これにより、各接合部
が封着された。
【0264】以上のようにして、完成した外囲器内の雰
囲気を、排気管(図示せず)を通じて、真空ポンプによ
り、排気し、十分な真空度に達した後、容器外端子(図
示せず)を通じて、配線304、305を経由させて、
電子放出素子の素子電極307に電圧を印加する。これ
により、超微粒子膜からなる電子放出部308を通電処
理(フォーミング処理)した。フォーミング処理は、波
高値:10V、パルス巾:1msec、繰り返し周波
数:100Hzの三角波パルスにより行った。
【0265】次に、排気管を通して、アセトンを、1m
Torrとなるように、真空容器に導入し、容器外端子
に、電圧パルスを定期的に印加することにより、炭素あ
るいは炭素化合物を、電子放出部308に堆積させる電
子源の通電活性化処理を行った。なお、この電子源の通
電活性化には、パルス巾:1msec、100Hzの方
形波電圧を印加する方法が採用された。この際の波高値
は10Vから15Vまでで、毎分1V間隔で上昇させ
た。
【0266】次に、容器全体を300℃に加熱しつつ、
10時間かけて真空排気した。非蒸発型ゲッターの活性
化は、通常、500℃以上であるが、300℃でも、長
時間の真空を維持することにより活性化が行える。その
後、10-6Torrの真空度を維持しつつ、排気管をガ
スバーナーで熱することで溶着し、外囲器の封止を行っ
た。最後に、ゲッター室14のBaゲッターを高周波加
熱により蒸発させた。
【0267】以上の作製工程において、非蒸発型ゲッタ
ーの脱落の発生はなかった。そして、この電子線ディス
プレイにおいて、配線304および305に、信号発生
手段(図示せず)より走査信号及び変調信号を印加し、
電子放出部308から電子を放出させる。放出電子は、
メタルバックに高圧を印加することにより加速され、蛍
光膜に衝突し、蛍光体を励起・発光させる。このように
して、画像を表示した。この時の高圧電圧は2kV〜5
kV、配線304、305間の印加電圧は14Vとし
た。この駆動条件により、長期間、画像を表示させた
が、通常、電子放出素子の劣化の違いから発生する画面
での輝度の場所ムラが認められなかった。また、異常放
電による電子源の劣化も認められなかった。
【0268】( 実施例2 )この実施例では、実施例
1の非蒸発型ゲッタに代えて、100ミクロン厚のTi
に、Zr−Al−Ti膜を50ミクロン厚さで形成した
ゲッタを使用した。1本の非蒸発型ゲッタは、巾:0.
35mm、長さ:30mmであり、図33の(b)のよ
うに、両端に円形の切り欠き302’を有している。こ
の切り欠き302’に、Au導電性フィラーを添加した
フリットガラスを塗布し、380℃で仮焼成した。
【0269】以上の非蒸発型ゲッター301を、第3の
実施の形態における実施例1と同様に作製した走査信号
配線304上に位置合わせするとともに、YAGレーザ
をフリットガラスに照射し、これを溶融させることによ
り、非蒸発型ゲッター301を走査信号配線304に固
定した。
【0270】その後のフェースプレートおよび外囲器の
形成、電子源の活性化などの作製工程は、実施例1と同
様に行われ、これにより、電子線ディスプレイを作製し
た。この実施例のディスプレイも、輝度の場所ムラの発
生がなく、放電による電子源のダメージがないことが認
められた。
【0271】なお、以上の実施例では、電子源に表面伝
導型電子放出素子を用いたが、これ以外にも、例えば、
冷陰極型電子放出素子である電界放出型電子放出素子な
どを用いた電子線ディスプレイの場合においても、本発
明の構成が適応可能である。
【0272】以上詳述したように、上述の各実施例によ
れば、外囲器内に非蒸発型ゲッターを装備することで、
外囲器内に発生したガスが、速やかにゲッター材に吸着
されるので、電子放出素子の特性の劣化を抑制でき、結
果的に、長時間動作させた場合でも、高輝度で動作安定
性に優れた画像を形成できる画像形成装置が提供でき、
また、従来の蒸発型ゲッターのように、蒸着用の配線や
コンテナを必要としないから、構造的にも、外囲器を薄
型偏平とすることができる。また、非蒸発型ゲッターを
活性化することで、封着後の外囲器内のガスの吸着を確
実に行える。従って、優れた生産性のある、画像形成装
置の製造方法が得られる。
【0273】また、真空蒸着やフォトリソプロセスを用
いずに、画像表示領域内、あるいは、画像表示領域の周
囲、あるいは、画像表示領域内およびその周囲の双方に
配置することも可能である。特に、非蒸発型ゲッター
を、無機接着剤を用いて、装着するので、吸着能力をほ
とんど損なわずに、外囲器内への取付ができ、吸着能の
再帰性を発揮できる。
【0274】なお、電子源と画像形成部材の間に、制御
電極などの電極構体を有しない画像表示装置において特
に有効であるが、制御電極などを有する画像表示装置に
対して本発明を適用した場合にも、同様の効果が当然、
期待される。
【0275】また、上述の第3の実施の形態は、基板上
に複数個の電子放出素子を形成し、この基板と対向する
蛍光体に前記電子放出素子から真空中に放出した電子を
衝突させることにより画像を表示する電子線ディスプレ
イにおいて、穴あるいは切り欠き加工を施したリボン状
非蒸発型ゲッターを、該穴あるいは切り欠き部におい
て、導電性接着剤により、基板上の配線に固定したこと
を特徴とする。
【0276】従って、穴あるいは切り欠きを有するリボ
ン状非蒸発型ゲッターを導電性接着剤で基板上の配線に
固定することにより、画面の電子放出部近傍でゲッタリ
ングの機能を果たすことができ、放出ガスによる電子放
出特性の劣化を回避し、これに起因する輝度分布のバラ
付きが抑えられ、また、異常放電が発生しない、優れた
電子線ディスプレイが作製できる。
【0277】また、上述の各実施例またはその各要件
は、組み合わせて用いることができる。上述の特開平4
−12436号公報に開示された、ゲート電極を、ゲッ
ター材により構成した電子源を採用するものでは、円錐
状の陰極チップの製造、あるいは、半導体の接合など
に、真空装置中での煩雑な工程が必要であり、また、大
型化するには製造装置による限界がある。それに対し
て、上述の各実施例によれば、簡易な工程で済み、かつ
大型化も容易である。
【0278】また、特開昭63−181248号公報の
ように、電子源とフェースプレートの間に制御電極など
を設けた装置では、構造が複雑になり、また、その製造
工程で、これら部材の位置合わせなどの煩雑な工程が伴
うことになる。それに対して、上述の各実施例によれ
ば、簡易な工程で済む。
【0279】また、米国特許第5,453,659号に
開示されたような、ゲッター材をアノードプレート上に
形成する方法では、ゲッター材と蛍光体との間の電気的
な絶縁を取ることが必要であり、精密な微細加工のため
に、フォトリソグラフィー技術によるパターニングを繰
り返し行うので、その工程が煩雑となり、また、フォト
リソグラフィーに用いる装置の大きさなどから、製造で
きる画像形成装置の大きさに制限がある。それに対し
て、上述の各実施例によれば、簡易な工程で済み、かつ
大型化も容易である。
【0280】特に、表面伝導型電子放出素子は、一部に
高抵抗部を有する導電性薄膜に、所要の電流を流すこと
により、電子が放出されるものである(特開平7−23
5255号公報には、その一例が示されている)。
【0281】これらの素子を用いた電子源では、特開平
4−12436号公報に開示されたような形状のゲート
電極や、特開昭63−181248号公報に開示された
ような制御電極を持たないので、これらと同様の手段
で、画像表示領域内にゲッターを配置することができな
いから、これまでは、画像表示領域の外側にゲッターを
配置していた。しかし、先述したように、薄型画像形成
装置においては、画像表示領域内で発生するガスを、効
率良く吸着できない。
【0282】こうした問題に対しては、表面伝導型電子
放出素子を用いた画像形成装置の画像表示領域内にゲッ
ターを配置することが解決方法として挙げられる(特開
平9−82245号公報を参照)。しかし、ゲッター活
性化のための新たな配線が必要となるため、電子源基板
の製造工程が煩雑になったり、電子放出素子近傍にゲッ
ターを設けるために、配線や、電極との電気的導通が懸
念される。加えて、配線上のゲッターとして使用する、
所謂、蒸発型ゲッターとしてのBaゲッターは、コンテ
ナ中に格納されたものを加熱して蒸発させることから、
蒸発後に、外囲器内にコンテナが残存してしまう上、B
aゲッターの位置合わせも必要となるという問題があ
る。このような問題に対しても、上述の各実施例により
改善できる。
【0283】また、上述の各実施例の構成では、前述の
ようにコンテナが不要であり、その位置合わせの必要で
ない。
【0284】特に、非蒸発型ゲッターは、Baゲッター
などの蒸発型ゲッターと異なり、画像形成装置の外囲器
を封止した後、その内部真空中で蒸発させて、使用する
必要がない。また、この非蒸発型ゲッターは、通電加熱
などの手段により、エネルギーを与えられる(活性化)
と、その表面を被覆している金属酸化物、炭化物、窒化
物などが、ゲッター内部に拡散して、新たな金属が表面
に析出し、真空中の残留ガスと反応できる再帰性を有す
るので、より好適に真空度を向上させることができる。
【0285】因みに、蒸発型ゲッターでは、外囲器内
で、ゲッターに対向する位置に、金属を蒸発させる対向
面を確保すること、また、その間の間隔を長く確保する
ことなどの条件があり、薄型の画像形成装置には不向き
である。この点で、上述の各実施例で採用する非蒸発型
ゲッターでは、そのような制限がなく、しかも、仮に、
表面に残留ガスが吸着して、吸着能力が飽和しても、そ
の後に、再度、活性化を施せば、表面の金属酸化物、炭
化物、窒化物などが、再度、ゲッター内部に拡散して、
新しい金属を表面に析出させることが可能なのである。
【0286】このように、非蒸発型ゲッターの活性化の
再帰性を維持する範囲は、ゲッターを使用する環境に支
配され、より高真空下で有利である。従って、実際上、
ある真空度以上の雰囲気で、ある温度以上に加熱すれば
(この点は、以下の記述の中で明らかにされる)、非蒸
発型ゲッターは、活性化されて、吸着能を保持するよう
になり、それが偏平な外囲器の場合でも、その画像表示
領域内で、十分に放出ガスを吸着することができる。
【0287】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
外囲器内にゲッターを好適に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面伝導型電子放出素子の1例を示す
模式図である。
【図2】従来の平板状画像形成表示装置のゲッター処理
に関わる部分の断面図である。
【図3】本発明に用いられる無機接着剤の、300℃に
おけるガス放出特性の圧力を示すものである。
【図4】本発明に用いられる無機接着剤の、温度を変化
させた時のガス放出特性の圧力を示すものである。
【図5】本発明に用いられる無機接着剤の、主なガスの
放出特性の分圧を示す。
【図6】本発明に用いられる、蛍光体、及び黒色導電材
の配置パターンを示す。
【図7】本発明が適用される、表面伝導型電子放出素子
を、単純マトリクス配置した一例を示す模式図である。
【図8】本発明の画像形成装置に、NTSC方式のテレ
ビ信号に応じて表示を行うための駆動回路の一例を示す
ブロック図である。
【図9】本発明を適用して形成した、単純マトリクス配
置された電子源の一例を示す模式図の平面図である。
【図10】本発明を適用して形成した、単純マトリクス
配置された電子源の一例を示す模式図の断面図である。
【図11】本発明を適用して形成した、表面伝導型電子
放出素子を配列した基板を形成するプロセスを示す。
【図12】本発明の画像表示装置のフォーミング、活性
化工程を行うための真空排気装置の模式図である。
【図13】本発明の画像形成装置のフォーミング、活性
化工程のための結線方法を示す模式図である。
【図14】本発明の画像形成装置のフォーミングの際に
用いられる電圧波形を示す模式図である。
【図15】本発明の画像表示装置のフォーミング、活性
化工程を行うための真空排気装置の模式図である。
【図16】比較例2のNEG膜、及びゲッタ活性化用配
線を示す模式図である。
【図17】実施例及び比較例の画像形成装置の輝度の経
時変化を示す図である。
【図18】本発明の画像形成装置の第2の実施形態の外
囲器の構造を示す、一部を破断した斜視図である。
【図19】同じく、この第2の実施の形態における電子
源を示す模式図である。
【図20】同じく、平面図である。
【図21】図20に示した電子源のA−A′線断面図で
ある。
【図22】本発明の第2の実施の形態での、電子源の製
造工程を説明するための図である。
【図23】同じく、電子源の製造工程を説明するための
図である。
【図24】同じく、電子源の製造工程を説明するための
図である。
【図25】同じく、電子源の製造工程を説明するための
図である。
【図26】同じく、電子源の製造工程を説明するための
図である。
【図27】同じく、電子源の製造工程を説明するための
図である。
【図28】ディスペンサーを用いて非蒸発型ゲッターと
接着剤を含むペーストを上配線上に塗布、形成する模式
図である。
【図29】画像表示装置の製造工程におけるフォーミン
グ処理および活性化処理に用いる回路の構成を示す模式
図である。
【図30】(a)(b)フォーミング処理、および活性
化処理に用いられる電圧波形の例を示す図である。
【図31】第2の実施の形態における変形例を示す非蒸
発型ゲッターの配置図である。
【図32】本発明の第3の実施の形態に係わる電子線デ
ィスプレイの非蒸発型ゲッター取り付け部を、(a)の
模式的平面および(b)の模式的断面A−A′で示す図
である。
【図33】同じく、ここで用いた非蒸発型ゲッターの外
形模式図である。
【図34】電子線ディスプレイの概略模式図である。
【符号の説明】
1 電子源基板 2 リアプレート 3 支持枠 4 フェースプレート 5 外囲器 6 ガラス基体 7 蛍光体 8 メタルバック 9 NEGチップ 10 行選択用端子 11 信号入力端子 12 黒色導電材 13 蛍光体 14 蒸発型ゲッタ 15 無機接着剤 51 電子源基板(リアプレート) 52 X方向配線 53 Y方向配線 54 電子放出素子 55 結線 56 非蒸発型ゲッター 57 非蒸発型ゲッター 58 素子電極 59 素子電極 60 層間絶縁層 61 ディスペンサー 71 ガラス基体 72 上配線(X方向配線) 73 下配線(Y方向配線) 74 層間絶縁膜 75,76 素子電極 77 コンタクトホール 78 電子放出部 81 画像形成装置 82 走査回路 83 制御回路 84 シフトレジスタ 85 ラインメモリ 86 同期信号分離回路 87 変調信号発生器 91 制御装置 92 パルス発生器 93 電流計 94 ライン選択装置 101 ガラス基体 102 上配線(X方向配線) 103 下配線(Y方向配線) 104 層間絶縁層 105,106 素子電極 107 コンタクトホール 108 電子放出部 109 NEGチップ 121 画像形成装置 122 排気管 123 真空容器 124,1242 ゲートバルブ 125,1252 排気装置 126,1262 圧力計 127 Q−mass 128,1282 ガス導入量制御手段 129,1292 物質源 130 絶縁層 131 制御装置 132 パルス発生器 133 電流計 134 ライン選択装置 151 電子源処理室 152 封着室 153 排気弁 154 加熱装置 211 補強板 212 支持枠 213 ガラス基板 214 蛍光膜 215 メタルバック 216 フェースプレート 217 外囲器 301 非蒸発性ゲッター 302 穴 302’ 切り欠き 303 導電性接着剤 304 配線 305 配線 306 絶縁層 307 素子電極 308 電子放出部 309 電子放出素子 310 絶縁性基板 1005 外囲器 1006 蛍光体 1007 電界放出素子 1008 ワイヤーゲッタ 1009 ゲッタ膜 1012 リアプレート 1014 フェイスプレート 1015 ゲッタ室 1018 ゲッタ材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 光利 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 五福 伊八郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高木 博嗣 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターは無機高分子化合物、もしくは無機高分子化合物に
    由来する物質により固定されていることを特徴とする画
    像形成装置。
  2. 【請求項2】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターはシリケート系接着剤、もしくはシリケート系接着
    剤に由来する物質により固定されていることを特徴とす
    る画像形成装置。
  3. 【請求項3】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターはホスフェート系接着剤、もしくはホスフェート系
    接着剤に由来する物質により固定されていることを特徴
    とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターはコロイダルシリカ系接着剤、もしくはコロイダル
    シリカ系接着剤に由来する物質により固定されているこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターはラダー型シリコーン系接着剤、もしくはラダー型
    シリコーン系接着剤に由来する物質により固定されてい
    ることを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターはラダー型シリコーン系オリゴマー、もしくはラダ
    ー型シリコーン系オリゴマーに由来する物質により固定
    されていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターは結合したSi原子と酸素原子を含む接着剤により
    固定されていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターは半田合金、もしくは半田合金に由来する物質によ
    り固定されていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 画像形成装置であって、気密容器と、該
    気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲッ
    ターはガラスフリット、もしくはガラスフリットに由来
    する物質により固定されていることを特徴とする画像形
    成装置。
  10. 【請求項10】 画像形成装置であって、気密容器と、
    該気密容器内に設けられた第1の部材と、該第1の部材
    に接して固定されたゲッターとを有しており、該ゲッタ
    ーの固定部は、前記第1の部材の構成物質と固溶体を形
    成していることを特徴とする画像形成装置。
  11. 【請求項11】 画像形成装置であって、気密容器と、
    該気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲ
    ッターは、非蒸発型ゲッターを含む有形のゲッター部材
    を構成しており、該ゲッター部材の切りかけ部もしくは
    穴部において接着剤で固定されていることを特徴とする
    画像形成装置。
  12. 【請求項12】 画像形成装置であって、気密容器と、
    該気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲ
    ッターは有形のゲッター部材を構成しており、該ゲッタ
    ー部材の切りかけ部もしくは穴部において、無機接着剤
    もしくは無機接着剤に由来する物質によって固定されて
    いることを特徴とする画像形成装置。
  13. 【請求項13】 画像形成装置であって、気密容器と、
    該気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲ
    ッターは、前記気密容器内の画像形成領域内に少なくと
    もその一部が存在するものであり、該ゲッターは接着剤
    で固定されていることを特徴とする画像形成装置。
  14. 【請求項14】 画像形成装置であって、気密容器と、
    該気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲ
    ッターは、前記気密容器内の画像形成領域内と画像形成
    領域外の双方にまたがって設けられており、該ゲッター
    の固定部は、少なくとも一箇所が前記画像形成領域外に
    設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  15. 【請求項15】 画像形成装置であって、気密容器と、
    該気密容器内に設けられたゲッターを有しており、該ゲ
    ッターは、微細なゲッター材料と接着剤とを10:1か
    ら20:1の重量比率で含む混合物を所定位置に配置
    後、加熱して得られたものであることを特徴とする画像
    形成装置。
  16. 【請求項16】 前記ゲッターは、有形のゲッター部材
    を前記無機高分子化合物もしくは無機高分子化合物に由
    来する物質により固定したものである請求項1に記載の
    画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記ゲッターは、微細なゲッター材料
    と前記無機高分子化合物との混合物を硬化させて固定し
    たものである請求項1に記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記ゲッターは、非蒸発型ゲッターを
    含む有形のゲッター部材を構成しており、該ゲッター部
    材の切りかけ部もしくは穴部において前記無機高分子化
    合物もしくは無機高分子化合物に由来する物質により固
    定されている請求項1に記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記ゲッターは、前記気密容器内の画
    像形成領域内に少なくともその一部が存在するものであ
    る請求項1に記載の画像形成装置。
  20. 【請求項20】 前記ゲッターは、前記気密容器内の画
    像形成領域内と画像形成領域外の双方にまたがって設け
    られており、該ゲッターの固定部は、少なくとも一箇所
    が前記画像形成領域外に設けられている請求項1に記載
    の画像形成装置。
  21. 【請求項21】 前記ゲッターは、微細なゲッター材料
    と前記無機高分子化合物を10:1から20:1の重量
    比率で含む混合物を加熱して得られたものである請求項
    1に記載の画像形成装置。
  22. 【請求項22】 前記ゲッターは、有形のゲッター部材
    を前記シリケート系接着剤もしくはシリケート系接着剤
    に由来する物質により固定したものである請求項1に記
    載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記ゲッターは、前記気密容器内の画
    像形成領域内に少なくともその一部が存在するものであ
    る請求項2に記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 前記ゲッターは、前記気密容器内の画
    像形成領域内と画像形成領域外の双方にまたがって設け
    られており、該ゲッターの固定部は、少なくとも一箇所
    が前記画像形成領域外に設けられている請求項2に記載
    の画像形成装置。
  25. 【請求項25】 前記ゲッターは、有形のゲッター部材
    を前記ホスフェート系接着剤もしくはホスフェート系接
    着剤に由来する物質により固定したものである請求項3
    に記載の画像形成装置。
  26. 【請求項26】 前記ゲッターは、前記気密容器内の画
    像形成領域内に少なくともその一部が存在するものであ
    る請求項3に記載の画像形成装置。
  27. 【請求項27】 前記ゲッターは、前記気密容器内の画
    像形成領域内と画像形成領域外の双方にまたがって設け
    られており、該ゲッターの固定部は、少なくとも一箇所
    が前記画像形成領域外に設けられている請求項3に記載
    の画像形成装置。
  28. 【請求項28】 前記ゲッターは、有形のゲッター部材
    を前記コロイダルシリカ系接着剤もしくはコロイダルシ
    リカ系接着剤に由来する物質により固定したものである
    請求項4に記載の画像形成装置。
  29. 【請求項29】 前記ゲッターは、前記気密容器内の画
    像形成領域内に少なくともその一部が存在するものであ
    る請求項4に記載の画像形成装置。
  30. 【請求項30】 前記ゲッターは、前記気密容器内の画
    像形成領域内と画像形成領域外の双方にまたがって設け
    られており、該ゲッターの固定部は、少なくとも一箇所
    が前記画像形成領域外に設けられている請求項4に記載
    の画像形成装置。
  31. 【請求項31】 前記ゲッターは、微細なゲッター材料
    と前記ラダー型シリコーン系接着剤の混合物を硬化させ
    て固定したものである請求項5に記載の画像形成装置。
  32. 【請求項32】 前記ゲッターは、微細なゲッター材料
    と前記ラダー型シリコーン系接着剤を10:1から2
    0:1の重量比率で含む混合物を硬化させて固定したも
    のである請求項5に記載の画像形成装置。
  33. 【請求項33】 前記ゲッターは、微細なゲッター材料
    と前記ラダー型シリコーン系オリゴマーの混合物を硬化
    させて固定したものである請求項6に記載の画像形成装
    置。
  34. 【請求項34】 前記ゲッターは、微細なゲッター材料
    と前記ラダー型シリコーン系オリゴマーを10:1から
    20:1の重量比率で含む混合物を硬化させて固定した
    ものである請求項6に記載の画像形成装置。
  35. 【請求項35】 有形のゲッター部材を前記固溶体によ
    り固定した請求項10に記載の画像形成装置。
  36. 【請求項36】 前記第1の部材が配線である請求項1
    0に記載の画像形成装置。
  37. 【請求項37】 前記気密容器内に電子放出素子を有す
    る請求項1乃至36いずれかに記載の画像形成装置。
  38. 【請求項38】 前記気密容器内に電子放出素子と該電
    子放出素子が放出する電子を加速する電位が与えられる
    電極とを有する請求項1乃至36いずれかに記載の画像
    形成装置。
  39. 【請求項39】 前記電子放出素子と前記電極の間には
    5kV以上の電位差が動作時に与えられる請求項38に
    記載の画像形成装置。
  40. 【請求項40】 前記気密容器の内部空間は、薄型偏平
    の構造である請求項1乃至39いずれかに記載の画像形
    成装置。
  41. 【請求項41】 前記気密容器の内部空間において、画
    像が形成される面と平行な方向の対角線の長さが、画像
    が形成される面の法線方向に測った長さの4.5倍以上
    である請求項1乃至39に記載の画像形成装置。
  42. 【請求項42】 前記ゲッターは、前記気密容器内に設
    けられた配線に接して設けられている請求項1乃至41
    いずれかに記載の画像形成装置。
  43. 【請求項43】 前記ゲッターは、前記気密容器内に設
    けられた配線に接して設けられており、該配線と電気的
    に接続されている請求項1乃至41いずれかに記載の画
    像形成装置。
  44. 【請求項44】 前記気密容器内に、電子放出素子と、
    該電子放出素子が放出する電子が照射される蛍光体を有
    する請求項1乃至43いずれかに記載の画像形成装置。
  45. 【請求項45】 前記気密容器は、電子源と該電子源か
    らの電子の照射により画像を形成する画像形成部材とを
    有しており、前記ゲッターは、前記電子源側に設けられ
    る請求項1乃至44に記載の画像形成装置。
  46. 【請求項46】 前記気密容器は、電子源と該電子源か
    らの電子の照射により画像を形成する画像形成部材とを
    有しており、前記ゲッターは、前記画像形成部材側に設
    けられる請求項1乃至44に記載の画像形成装置。
  47. 【請求項47】 前記ゲッターは、前記蛍光体の近傍に
    設けられる請求項44に記載の画像形成装置。
  48. 【請求項48】 前記ゲッターは、複数の前記蛍光体の
    相互間隙に設けられる請求項44に記載の画像形成装
    置。
  49. 【請求項49】 前記ゲッターは、粒径1〜300μm
    の粉末形状であるゲッター材料を含んでいる請求項1乃
    至48いずれかに記載の画像形成装置。
  50. 【請求項50】 画像形成装置の製造方法であって、気
    密容器内の非蒸発型ゲッターを接着する工程と、該接着
    する工程で用いた接着剤の脱ガスを行う工程とを有する
    ことを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  51. 【請求項51】 前記脱ガスを行う工程は、250℃以
    上の温度に加熱する加熱工程である請求項50に記載の
    画像形成装置の製造方法。
  52. 【請求項52】 前記脱ガスを行う工程は、350℃以
    上の温度に加熱する加熱工程である請求項50に記載の
    画像形成装置の製造方法。
  53. 【請求項53】 前記脱ガスを行う工程は、450℃以
    下の温度に加熱する加熱工程である請求項50乃至52
    いずれかに記載の画像形成装置の製造方法。
  54. 【請求項54】 前記脱ガスを行う工程は、400℃以
    下の温度に加熱する加熱工程である請求項50乃至52
    いずれかに記載の画像形成装置の製造方法。
  55. 【請求項55】 前記脱ガスを行う工程は、1時間以上
    の加熱を行う加熱工程である請求項50乃至54いずれ
    かに記載の画像形成装置の製造方法。
  56. 【請求項56】 前記脱ガスを行う工程は、3時間以上
    の加熱を行う加熱工程である請求項51に記載の画像形
    成装置の製造方法。
  57. 【請求項57】 前記脱ガスを行う工程は、3時間以下
    の加熱を行う加熱工程である請求項52に記載の画像形
    成装置の製造方法。
  58. 【請求項58】 前記脱ガスを行う工程は、30時間以
    下の加熱を行う加熱工程である請求項50乃至57いず
    れかに記載の画像形成装置の製造方法。
  59. 【請求項59】 前記脱ガスを行う工程は、前記接着剤
    の硬化工程開始後に開始する請求項50乃至58いずれ
    かに記載の画像形成装置の製造方法。
  60. 【請求項60】 前記接着剤が、無機系の接着剤である
    請求項50乃至59いずれかに記載の画像形成装置の製
    造方法。
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