JP2008269939A - プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電電圧が低くなるPDPを低コストで製造することが可能なPDPの製造方法を提供する。
【解決手段】第1の電極と、該第1の電極を覆う誘電体膜と、該誘電体膜を覆う保護膜とが形成された第1の基板と、第2の電極と蛍光体膜が形成された第2の基板とが、封入ガスが封入された放電空間を挟んで対向するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記第1の基板と前記第2の基板の間に、前記放電空間を密閉するための封着材料が配置されるとともに該封着材料の外側に該封着材料よりも軟化点が高く、かつ、該封着材料よりも厚いスペーサが配置される工程と、前記封着材料および前記スペーサが該スペーサの軟化点以上の温度に加熱されて前記第1の基板と前記第2の基板が封着される工程と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【選択図】図3B
【解決手段】第1の電極と、該第1の電極を覆う誘電体膜と、該誘電体膜を覆う保護膜とが形成された第1の基板と、第2の電極と蛍光体膜が形成された第2の基板とが、封入ガスが封入された放電空間を挟んで対向するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記第1の基板と前記第2の基板の間に、前記放電空間を密閉するための封着材料が配置されるとともに該封着材料の外側に該封着材料よりも軟化点が高く、かつ、該封着材料よりも厚いスペーサが配置される工程と、前記封着材料および前記スペーサが該スペーサの軟化点以上の温度に加熱されて前記第1の基板と前記第2の基板が封着される工程と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【選択図】図3B
Description
本発明はプラズマディスプレイパネル(以下PDP(Plasma Display Panel)と表記する)に係り、特に保護膜に覆われた電極を有するプラズマディスプレイパネルとその製造方法に関する。
PDPは、大画面化が容易なこと、表示品質がよいこと、また、液晶ディスプレイと比べた場合に視野角が広いなどの特長があり、薄型化が可能なことから例えば壁掛け型ディスプレイなどの大型表示装置として用いられるようになってきている。
PDPの動作原理の概要は、表示セルと呼ばれる、例えば希ガスからなる封入ガスが封入された放電空間で放電を起こすことによって希ガスの粒子(原子・分子)を励起し、その光学的遷移によって生じる紫外線によって蛍光体を励起し、当該蛍光体からの可視光を表示発光に利用するものである。
従来のPDPの構造の概略は、互いに対向するように設置された2枚の基板上にそれぞれ電極を設け、これらの電極の間に放電空間が形成された構造を有している。このように放電空間をはさんで対向するようにして形成された電極は、例えば表示用電極とデータ電極と呼ばれ、表示用電極とデータ電極はそれぞれ誘電体膜に覆われた構造を有している。
例えば、データ電極を覆う誘電体膜上には蛍光体膜が形成され、PDPが発光する場合の画素の色を決定する要素となっている。一方、表示用電極を覆う誘電体膜上には保護膜が形成され、誘電体膜をイオンのスパッタリングによる損傷から保護する構造になっている。
この場合、放電空間の放電特性は、放電空間に面する保護膜に大きく影響され、特に保護膜の二次電子利得が高い場合に、すなわちより二次電子が放出されやすい場合に、前記放電空間の放電電圧が下がることがわかっており、このため、比較的二次電子利得の高いMgOが保護膜に用いられることが一般的であった。また、さらに放電電圧を下げるために、保護膜を構成する材料として、酸化ストロンチウムカルシウム(SrCaO)などの材料が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
上記の2枚の基板は、放電空間を密閉するために、低融点のフリットガラスなどの封着材料で封着される。また、放電空間には、例えば、ネオン(Ne)とキセノン(Xe)の混合ガスなどが封入された構造となっている。
上記の2枚の基板を封着する場合には、従来は、片方の基板の周囲に低融点のフリットガラスと有機バインダーの混合物よりなる封着材料を塗布した後、重ね合わせた2枚の基板を加熱するとともに加圧して、2枚の基板の間に密閉空間を形成していた。
"SrCaO protectivelayer for high-efficiency PDPs", Y. Motoyama and T. Kurauchi, 2006 SIDInt. Symp., Dig. Tech. Papers, pp1384-1397 (2006)
"SrCaO protectivelayer for high-efficiency PDPs", Y. Motoyama and T. Kurauchi, 2006 SIDInt. Symp., Dig. Tech. Papers, pp1384-1397 (2006)
しかし、上記の従来の封着方法では、封着中に封着材料などから発生するガスが放電空間内に残留する量が多くなってしまうため、当該ガスの保護膜への影響によって放電電圧が上昇する問題が生じていた。特に、ストロンチウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属の化合物よりなる保護膜の場合、上記の放電電圧の上昇が大きくなる問題が顕著であった。
例えば、2枚の基板を封着する場合に、2枚の基板の間の空間を効率よく排気する方法が提案されていた(特許第3554432号)。この方法は、真空槽内で、封着材量を配置した基板と他方の基板を機械的に離間させた状態で昇温し、封着材料が軟化してから両基板を機械的に密着させて封着を行うものである。しかし、上記の方法は、2枚の基板の位置合わせが難しくなる問題が生じ、また、このための特殊な設備を要して製造コストが増大するなどの問題があり、現実的な方法ではない。
このため、本発明は、上記の問題を解決した、新規で有用なPDPを提供することを統括的課題としている。
本発明の具体的な課題は、放電電圧が低くなるPDPを低コストで製造することが可能なPDPの製造方法と、当該製造方法によって製造されるPDPを提供することである。
本発明の第1の観点では、上記の課題を、第1の電極と、該第1の電極を覆う誘電体膜と、該誘電体膜を覆う保護膜とが形成された第1の基板と、第2の電極と蛍光体膜が形成された第2の基板とが、封入ガスが封入された放電空間を挟んで対向するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、前記第1の基板と前記第2の基板の間に、前記放電空間を密閉するための封着材料が該放電空間の周囲に配置されるとともに該封着材料の外側に該封着材料よりも軟化点温度が高い材料で形成され、かつ、該封着材料厚さよりも厚い複数の構造体のスペーサが配置される工程と、前記第1の基板と前記第2の基板が加圧された状態で、前記封着材料および前記スペーサが該スペーサの軟化点以上の温度に加熱されて前記第1の基板と前記第2の基板が封着される封着工程と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法により、解決する。
また、本発明の第2の観点では、上記の課題を、上記のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製造されるプラズマディスプレイパネルであって、前記封着材料の溶融後固着層の周囲に、前記スペーサの溶融後凝固物が残置していることを特徴とするプラズマディスプレイパネルにより、解決する。
本発明によれば、放電電圧が低くなるPDPを低コストで製造することが可能なPDPの製造方法と、当該製造方法によって製造されるPDPを提供することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態に関して図面に基づき、説明する。
図1は、本発明の実施例1による交流(AC)駆動型のPDPの一例である、PDP10の構造の一部を模式的に示した断面斜視図である。
図1を参照するに、PDP10では、放電空間16を挟んで、ガラス基板からなる前面基板17と背面基板11が対向する形で配置されている。また、前面基板17上の、背面基板11に対向する側には表示用電極18A,18Bが配置され、表示用電極18A,18Bは、誘電体膜19に覆われ、さらに誘電体膜19が保護膜20で覆われた構造となっている。このように、表示用電極は対をなす帯状の2つの電極で一組になるように構成され、例えば表示用電極18Aは走査電極、表示用電極18Bは維持電極と呼ばれる場合がある。
一方、背面基板11上の、前面基板17に対向する側には表示用電極18A,18Bに直交する方向に延伸する帯状の複数のアドレス電極(データ電極)12が設けられており、これら複数のアドレス電極12は互いに平行に配置され、またそれぞれのアドレス電極12は誘電体膜13によって覆われている。
さらに複数のアドレス電極12を分離し、かつ放電空間16を形成してセルを分離する隔壁14が誘電体膜13上に設けられている。また、アドレス電極12上の誘電体膜13の上から隔壁14の側面にわたって、蛍光体膜15が形成されている。図1に示すPDP10の場合、カラー表示を可能にするために、隔壁14を挟んで、例えば赤、緑、青の蛍光体膜15が順に配置された構造になっている。
また、放電空間16には、例えばHe,Ne,およびArのうち、少なくともひとつと、Xeの混合ガスからなる封入ガスが封入される。
このような構造のPDP10において、誘電体膜13、19は、放電によって生じた電荷を蓄積するために設けられている。
また、上記の構造においては、直交するアドレス電極12と表示用電極18A,18Bの交点に、表示にかかる発光が行われる1単位であるサブピクセルP1が形成され、このサブピクセル3個(赤、緑、青)で1画素(ピクセル)を形成する。上記の画素の個数は任意であり、実際には多数の画素を組み合わせて大型表示装置であるPDPが形成される。
上記のPDP10では、放電空間16で以下のように放電が行われることにより、表示が行われる。まず、表示電極18A,18Bのリセット放電を全ての放電空間16で行い、壁電荷(誘電体膜13,19に蓄えられる電荷)の状態を同じにする。
次に表示用電極18A(走査電極)の走査にあわせてアドレス電極16に選択的に電圧を印加して放電空間16においてアドレス放電を起こす。このアドレス放電により生じた電荷は、誘電体膜13,19に蓄えられることになる(壁電荷)。当該壁電荷により形成される電界は、放電空間16に印加される電界とは逆極性となるため、放電空間16内の電界が弱められて放電は直ちに停止することになる。
次に、2つの表示用電極18A,18B間に電圧を印加することにより、放電空間16で放電(維持放電)を生じさせ、また、当該維持放電の回数により、画像表示の階調を制御して、画像を表示することができる。
上記のPDP10において、放電空間16での放電電圧は、保護膜20の二次電子の出やすさ(二次電子利得γ)に大きく依存する。この場合、二次電子利得γとは、放電空間16に封入されたガスのイオンや励起粒子(原子や分子)が保護膜20に入射する際に、保護膜20の表面から放出される二次電子の出やすさを示す値であり、この値が大きいほど放電電圧が低くなる。
例えば、従来保護膜として用いられてきたMgOに比べて、アルカリ土類金属の化合物は二次電子利得が大きく、放電電圧を低くすることができる。上記のアルカリ土類金属は、例えば、Ca,Ba,Srなどがあり、保護膜を構成する材料として、アルカリ土類金属の酸化物(例えば、CaO,BaO,SrO,SrCaOなど)を用いることができる。本実施例の場合、保護膜20をSrCaOにより構成している。
しかし、上記の保護膜20は、背面基板11と前面基板17の封着時に発生するガスの影響によって変質し、このためにPDPの放電電圧が上昇する問題が生じていた。このような問題は、従来用いられてきたMgOでも発生していたが、MgOよりも二次電子利得が大きいアルカリ土類金属の化合物を保護膜材料として用いたときにより顕著になっていた。例えば、背面基板11と前面基板17を封着する場合には、低融点のフリットガラスと有機バインダーの混合物よりなる封着材料が用いられ、加熱によって封着材料を硬化させて封着することが一般的である。
上記の封着材料を硬化させる封着工程においては、封着材料が加熱されて高温となるために、封着材料などから放出されるガスによって保護膜20が変質し、実質的な二次電子利得が小さくなって放電電圧が上昇してしまう問題が発生してしまう。
上記の保護膜の変質のメカニズムは完全には明らかになっていないが、例えば加熱に伴って封着材料などから発生するH2Oなどのアウトガスによって、保護膜に水酸化物や炭酸塩が形成されてしまうためと考えられる。また、封着材料と同時に背面基板と前面基板も同時に加熱されるため、背面基板、前面基板や、さらにはこれらに形成された構造物からのアウトガスが放電電圧の上昇に関与している可能性も考えられる。
そこで、本実施例によるPDPの製造方法では、これらのアウトガスの影響を低減して保護膜の変質を抑制し、放電電圧の上昇を抑制することを可能としている。
まず、図2を用いて本実施例によるPDPの製造方法の概略を説明する。図2は、図1に示したPDP10を製造する場合において、前面基板17と背面基板11を貼り合わせる(封着する)直前の状態の背面基板11の平面図である。但し、図2には、図1先に示した隔壁14以外の構造体(蛍光体膜15,誘電体膜13,アドレス電極12など)は図示を省略している。
図2を参照するに、隔壁14の間に形成される複数の放電空間16の周囲を囲むように、放電空間16を密閉するための封着材料21が背面基板11上に配置されている。例えば、封着材料21としては、低融点のフリットガラスが用いられる。また、封着材料21によって囲まれる領域は、封入ガスが封入される領域であり、また、表示のための放電(発光)が行われる表示に係る領域である。
本実施例によるPDPの製造方法では、封着材料21の外側に、スペーサ22が複数配置されることが特徴である。スペーサ22は、例えば封着材料を囲むように配置される複数の柱状の構造体よりなり、封着材料よりも軟化点(材料が軟化する温度)が高い材料(例えばフリットガラス)により構成される。また、スペーサ22は、封着材料よりも厚さが厚くなる(配置される基板からの高さが高くなる)ように構成されている。
このため、背面基板11と前面基板17を封着する場合に、加熱前にはスペーサ22の厚さ(高さ)の分だけ、背面基板11と前面基板17の距離が離されることになる。この状態で封着材料21とスペーサ22がスペーサ22の軟化点以上に加熱されることにより、スペーサ22が軟化して背面基板11と前面基板17が封着される。次に、これらのPDPの製造方法について、側面図を用いて説明する。
図3A〜図3Cは、本実施例によるPDPの製造方法を手順を追って示す図である。ただし、以下の図中では先に説明した部分には同一の符号を用いて、説明を省略する。
まず、公知の方法によって、先に図1に示した背面基板11上に、アドレス電極12,誘電体膜13,隔壁14,および蛍光体膜15等を形成する。また、公知の方法によって、前面基板17上に、表示用電極18A,18B,誘電体膜19,保護膜20を形成する。なお、以下の図中では、背面基板11上に形成されたアドレス電極12,誘電体膜13,隔壁14,蛍光体膜15や、前面基板17上に形成された、表示用電極18A,18B,誘電体膜19,保護膜20は図示を省略している。
次に、図3Aに示す工程において、先に図2に示したように、背面基板11上に、封着材料21を配置し、さらに、封着材料21の外側(周囲)に、複数の柱状の構造体よりなるスペーサ22を配置する。封着材料21とスペーサ22は、例えばディスペンサーによって背面基板11上に形成する。
上記の封着材料21は、軟化点が340℃であり、PbO、B2O3、SiO2を主体する材料に膨張率の調節のためにZnO等のフィラーなどが混合され、さらに有機バインダーが添加されて構成される。また、スペーサ22は、軟化点が400℃であり、Bi2O3、B2O3、SiO2を主体とする材料に膨張率の調節のためにZnO等のフィラーが混合され、さらに有機バインダーが添加されて構成される。
例えば、封着材料21の軟化点は、PbOの含有量により、また、スペーサ22の軟化点は、Bi2O3の含有量を変更することで制御することができる。
また、封着材料21の厚さ(配置される基板からの高さ)は、250μm、スペーサ22の厚さは1mmとして形成される。
また、図3Aの状態で、背面基板11と前面基板17を貼り合わせる前に、封着材料21(スペーサ22)の仮焼成を行ってもよい。仮焼成は、例えば酸素を含む一般の大気雰囲気中で、封着材料21(スペーサ22)を350℃により加熱することで実施する。上記の仮焼成を行うことで、有機バインダーが分解される過程で生じる不純ガスを除去することが可能となる。
次に、図3Bに示す工程において、背面基板11と前面基板17を重ね合わせ、さらに、背面基板11と前面基板17とが互いに押し付けられるように、背面基板11と前面基板17の周囲をクリップ23で加圧する。
次に、図3Cに示す工程において、図3Bに示した加圧状態のまま、窒素雰囲気の炉内で、背面基板11と前面基板17(封着材料21とスペーサ22)が、少なくともスペーサ22の軟化点以上の温度(例えば450℃)となるように加熱する。この結果、封着材料21に加えて、さらにスペーサ22が軟化して、背面基板11と前面基板17が封着されて、図1に示すように密閉された放電空間が形成される。
図4は、図3Cに示した封着工程時の温度を示す図である。炉の温度が封着材料21の軟化点(A点、例えば340℃)を越えた後も、スペーサ22の軟化点(B点、例えば400℃)に到達するまで、スペーサ22によって背面基板11と前面基板17の間隔が保持される。このため、封着材料21が、封着材料21の軟化点以上の高温状態に曝され、かつ、背面基板11と前面基板17の間が密閉されない状態が一定の期間(A点からB点までの到達期間)、保持されることになる。当該一定期間の間に、おもに封着着材料21から発生するアウトガスは、背面基板11と前面基板17の間に形成されている隙間から外部に流出し、保護層20へのアウトガスの影響が最小限に抑えられる。この結果、PDPの放電電圧の上昇を抑えることが可能となる。
なお、特開2002−260357号公報には、PDPの製造において、排気のための隙間を確保するために、隔壁上にスペーサを形成して2枚の基板を加熱し、当該スペーサを軟化させて2枚の基板を封着する方法が開示されている(図6等参照)。しかし、上記の方法では、スペーサが放電空間側に配置されるため、保護膜はスペーサ自身から放出されるアウトガスの影響を受けてしまう問題が排除できない。
一方で本実施例による方法では、放電空間16を封着する封着材料21の外側にスペーサ22が配置されるため、スペーサ22自身から放出されるアウトガスの保護膜20への影響が抑制される。
また、背面基板11と前面基板17の大きさが大きい場合や、または背面基板11と前面基板17が薄い場合には、図5に示すように、重ね合わせた2枚の基板を立てた状態で封着してもよい。例えば、図5に示すように、所定の保持台24上に重ね合わせた2枚の基板を立てた状態で封着することで、2枚の基板を封着するために重ね合わせた時に、基板の中央部分で2枚の基板が密着することや、封着時に雰囲気ガスの流れが阻害される影響が抑制され、アウトガスの流れが良好となる効果を奏する。
前記封着工程後、背面基板11もしくは前面基板17に設けられた排気穴を通して放電空間内部を真空排気した後に、NeとXeの混合ガスなどの放電ガスを封入し、その後排気穴を封止してPDPが形成される。
なお、封着工程により、封着材料は溶融後、前面基板17と背面基板11を接着する固着層となり、スペーサ22は溶融後凝固物として残置する。
次に、上記の実施例1によるPDPの製造方法によって製造されたPDPの放電電圧を調べた結果について説明する。
上記の表を参照するに、本実施例による封着方法によれば、従来の封着方法に比べて放電電圧を低くすることが可能となっていることがわかる。これは、先に説明したように、封着材料などからのアウトガスの保護膜への影響が抑制されているためと考えられる。また、従来のMgO保護膜を用いた場合の放電電圧に対して、本実施例の封着方法によるSrCaO保護膜を用いた場合の放電電圧は、約70%に低減されており、低電圧化が図られていることが確認された。
なお、本発明は保護膜を構成する材料がアルカリ土類金属の化合物の場合に限定されず、MgOよりなる保護膜を用いる場合に適用してもよい。また、保護膜を構成するアルカリ土類金属の化合物は、SrCaOのみならず、SrO、CaO、BaOなどのアルカリ土類金属の酸化物に本発明を適用してもよい。
本発明によれば、放電電圧が低くなるPDPを低コストで製造することが可能なPDPの製造方法と、当該製造方法によって製造されるPDPを提供することが可能となる。
10 プラズマディスプレイパネル
11,17 基板
12 アドレス電極
13 誘電体膜
14 隔壁
15 蛍光体膜
16 放電空間
18A,18B 表示用電極
19 誘電体膜
20 保護膜
21 封着材料
22 スペーサ
23 クリップ
24 保持台
11,17 基板
12 アドレス電極
13 誘電体膜
14 隔壁
15 蛍光体膜
16 放電空間
18A,18B 表示用電極
19 誘電体膜
20 保護膜
21 封着材料
22 スペーサ
23 クリップ
24 保持台
Claims (4)
- 第1の電極と、該第1の電極を覆う誘電体膜と、該誘電体膜を覆う保護膜とが形成された第1の基板と、第2の電極と蛍光体膜が形成された第2の基板とが、封入ガスが封入された放電空間を挟んで対向するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記第1の基板と前記第2の基板の間に、前記放電空間を密閉するための封着材料が該放電空間の周囲に配置されるとともに該封着材料の外側に該封着材料よりも軟化点温度が高い材料で形成され、かつ、該封着材料厚さよりも厚い複数の構造体のスペーサが配置される工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板が加圧された状態で、前記封着材料および前記スペーサが該スペーサの軟化点以上の温度に加熱されて前記第1の基板と前記第2の基板が封着される封着工程と、を有することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。 - 前記封着工程の前に、前記封着材料および前記スペーサを大気雰囲気中で、該封着材料の軟化点温度より高く該スペーサ材料の軟化点温度より低い温度であらかじめ仮焼成を行う工程を有する請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 前記封着工程は、所定の保持台上に前記第1の基板と前記第2の基板を立てた状態で封着される請求項1または2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法によって製造されるプラズマディスプレイパネルであって、
前記封着材料の溶融後固着層の周囲に、前記スペーサの溶融後凝固物が残置していることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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