JP2001222952A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法

Info

Publication number
JP2001222952A
JP2001222952A JP2000153737A JP2000153737A JP2001222952A JP 2001222952 A JP2001222952 A JP 2001222952A JP 2000153737 A JP2000153737 A JP 2000153737A JP 2000153737 A JP2000153737 A JP 2000153737A JP 2001222952 A JP2001222952 A JP 2001222952A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealing material
material layer
sealing
display panel
plasma display
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000153737A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3366895B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Kado
博行 加道
Kanako Miyashita
加奈子 宮下
Naotaka Kosugi
直貴 小杉
Yasuhisa Ishikura
靖久 石倉
Utaro Miyagawa
宇太郎 宮川
Shigero Haruki
繁郎 春木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2000153737A priority Critical patent/JP3366895B2/ja
Publication of JP2001222952A publication Critical patent/JP2001222952A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3366895B2 publication Critical patent/JP3366895B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高い発光効率で動作し色再現性の良好なPDP
を提供する。 【解決手段】 背面パネル板20の表面外周部に封着ガ
ラス層15が設けられており、当該封着ガラス層15に
は、ほぼ一定の間隔をおいて凸部16が形成されてい
る。パネル板10・20は、加熱炉において乾燥空気中
で加熱し、低融点ガラスの軟化点温度以上まで昇温させ
ることにより封着を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーテレビジョ
ン受像機のディスプレイ等に使用するプラズマディスプ
レイパネル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータやテレビ等に用いら
れているディスプレイ装置において、プラズマディスプ
レイパネル(Plasma Display Panel,以下PDPと記載
する)は、大型で薄型軽量を実現することのできるもの
として注目されており、高精細なPDPに対する要望も
高まっている。
【0003】図16は、一般的な交流型(AC型)PD
Pの一例を示す概略断面図である。本図において、前面
ガラス基板101上に表示電極102が形成され、この
表示電極102は誘電体ガラス層103及び酸化マグネ
シウム(MgO)からなる保護層104で覆われている
(例えば特開平5−342991号公報参照)。また、
背面ガラス基板105上には、アドレス電極106およ
び隔壁107が設けられ、隔壁107どうしの間隙に各
色(赤、緑、青)の蛍光体層110〜112が設けられ
ている。
【0004】そして前面ガラス基板101は、背面ガラ
ス基板105の隔壁107上に重ねられ、両基板101
・105間に放電ガスが封入されて放電空間109が形
成されている。このPDPにおいて、放電空間109で
は、放電に伴って真空紫外線(主に波長147nm)が
発生し、各色蛍光体層110〜112が励起発光される
ことによってカラー表示がなされる。
【0005】上記PDPは、次のように製造することが
できる。前面ガラス基板101に、銀ペーストを塗布・
焼成して表示電極102を形成し、誘電体ガラスペース
トを塗布し焼成して誘電体ガラス層103を形成し、そ
の上に保護層104を形成する。背面ガラス基板105
上に、銀ペーストを塗布・焼成してアドレス電極106
を形成し、ガラスペーストを所定のピッチで塗布し焼成
して隔壁107を形成する。そして隔壁107の間に、
各色蛍光体ペーストを塗布し、500℃程度で焼成して
ペースト内の樹脂成分等を除去することにより蛍光体層
110〜112を形成する。
【0006】蛍光体焼成後、前面ガラス基板101また
は背面ガラス基板105の外周部に封着用ガラスフリッ
トを塗布し、樹脂成分等を除去するために350℃程度
で仮焼して封着ガラス層を形成する(フリット仮焼工
程)。その後、上記の前面ガラス基板101と背面ガラ
ス基板105とを、表示電極102とアドレス電極10
6とが直交して対向するよう積み重ねる。そして、これ
を封着用ガラスの軟化温度よりも高い温度(450℃程
度)に加熱することによって封着する(封着工程)。
【0007】その後、封着したパネルを350℃程度ま
で加熱しながら、両基板間に形成される内部空間(封着
ガラス層に囲まれ前面ガラス基板と背面ガラス基板との
間に形成される空間であって蛍光体層が臨んでいる。)
から排気し(排気工程)、排気終了後に放電ガスを所定
圧力(通常4〜7×104Pa)となるように導入す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにして製造さ
れるPDPにおいて、輝度向上や色再現性の優れたもの
とすることが課題となっている。そのために例えば蛍光
体層を形成するのに用いる蛍光体材料自体の改良もなさ
れているが、製造工程の面からも課題を解決する方法が
望まれる。
【0009】本発明は、このような課題に鑑み、高い発
光効率で動作し色再現性の良好なPDPを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、PDPを
製造する際に、前面基板及び背面基板の対向面の少なく
とも一方の外周部に封着材層を形成する工程において、
両パネルを重ね合わせたときに外周部における一箇所以
上において内部空間と外部空間とを連通する隙間が形成
されるように封着材層の形状を設定することによって達
成することができる。
【0011】このように、両パネルを重ね合わせたとき
に外周部における一箇所以上において内部空間と外部と
を連通する隙間が形成されるようにするための具体的な
手段としては、封着材層を形成する際に、外周部におけ
る一箇所以上において、封着材層に凸部または凹部を形
成すればよい。或は、前面板及び背面板のいずれか一方
の対向面の外周部には、全周にわたって封着材層を形成
し、他方の対向面の外周部には、1箇所以上に部分的に
封着材層を形成するようにしてもよい。
【0012】本発明の作用効果について以下に説明す
る。本発明者は、PDPを製造する際に、蛍光体層を形
成した後における封着工程において当該蛍光体層が加熱
されるのに伴って青色蛍光体が熱劣化してその発光強度
や発光色度が低下するが、この蛍光体の熱劣化は、蛍光
体が水分が多く含まれる雰囲気下で加熱されたときに生
じやすく、水分が少ない雰囲気下で加熱されたときには
生じにくいことを見出した。
【0013】ここで、従来の一般的なPDP製造方法の
場合は、両基板を重ね合わせて封着材を加熱する際に、
加熱に伴って基板に吸着されている水分(特にMgO保
護膜に吸着されている水分)が内部空間内に蒸発する
が、この水分が内部空間内に閉じ込められるため、蛍光
体は高温で水分の多い雰囲気に晒されることになるの
で、蛍光体層が熱劣化しやすいことになる。
【0014】これに対して、上記本発明のPDP製造方
法によれば、封着材がその軟化温度に至るまでは外周部
にガスが流通する隙間が確保されるので、内部空間内に
蒸発する水分が内部空間内に閉じ込められることなく外
部に放出される。そのため、蛍光体が高温で水分の多い
雰囲気に晒されるのが避けられる。従って、本発明のP
DP製造方法によれば、封着工程における蛍光体の熱劣
化(特に青色蛍光体の熱劣化)を防止することができ
る。
【0015】ここで、封着材層を加熱する工程を、乾燥
ガス雰囲気中もしくは減圧雰囲気中で行えば、蛍光体の
熱劣化を防止する効果をより高めることができる。「乾
燥ガス」というのは、通常より水蒸気分圧の小さいガス
のことであって、中でも乾燥処理された空気(乾燥空
気)を用いるのが好ましい。乾燥ガスの雰囲気中での水
蒸気分圧は、10Torr(1300Pa)以下,5T
orr(650Pa)以下,1Torr(130Pa)
以下とより小さくする方が好ましい。乾燥ガスの露点温
度としては、12℃以下,0℃以下,−20℃以下とよ
り低くすることが好ましいということも言える。
【0016】また、封着工程だけでなく、蛍光体焼成工
程、封着材仮焼工程、排気工程などにも、乾燥ガス雰囲
気下で行えば、これらの工程における蛍光体の熱劣化も
防止できるので、PDPの青色蛍光体の発光特性を更に
向上させることができる。このような本発明の製造方法
を用いることによって、青色セルのみを点灯させたとき
の発光色の色度座標y(CIE表色系)または青色蛍光
体層を真空紫外線で励起したときに放出される光の色度
座標yを、0.08以下とすることができる。また、青
色セルのみを点灯させたときの発光スペクトルにおける
ピーク波長が455nm以下とすることができる。
【0017】そして、青色蛍光体層の発光色度を向上さ
せることによって、PDPの色再現性も向上され、白バ
ランスにおける色温度、即ち、すべてのセルを同一電力
条件で点灯させたときの発光色の色温度を9000K以
上とすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、実施の
形態に係る交流面放電型PDPを示す要部斜視図であっ
て、本図ではPDPの中央部にある表示領域を部分的に
示している。このPDPは、前面ガラス基板11上に表
示電極12(走査電極12a,維持電極12b)、誘電
体層13、保護層14が配されてなる前面パネル板10
と、背面ガラス基板21上にアドレス電極22、誘電体
層23が配された背面パネル板20とが、表示電極12
とアドレス電極22とを対向させた状態で互いに平行に
間隔をおいて配されて構成されている。そして、前面パ
ネル板10と背面パネル板20との間隙は、ストライプ
状の隔壁24で仕切られることによって放電空間30が
形成され、当該放電空間30内には放電ガスが封入され
ている。
【0019】また、この放電空間30内において、背面
パネル板20側には、蛍光体層25が配設されている。
なお、蛍光体層25は、赤,緑,青の順で繰返し並べら
れている。表示電極12及びアドレス電極22は、共に
ストライプ状であって、表示電極12は隔壁24と直交
する方向に、アドレス電極22は隔壁24と平行に配さ
れている。そして、表示電極12とアドレス電極22が
交差するところに、赤,緑,青の各色を発光するセルが
形成されたパネル構成となっている。
【0020】なお、ここでは表示電極12の形状をスト
ライプ状とするが、例えば島状電極、あるいは孔が形成
された電極でも実施できる。また、隔壁24も、ストラ
イプ状でなくてもよく例えば井桁状でも実施できる。そ
して、このPDPを駆動する時には、駆動回路(不図
示)によって、走査電極12aとアドレス電極22とに
アドレス放電パルスを印加することによって、発光させ
ようとするセルに壁電荷を蓄積し、その後、表示電極対
12間に維持放電パルスを印加することによって壁電荷
が蓄積されたセルで維持放電を行うという動作を繰り返
すことによって発光表示を行う。
【0021】アドレス電極22は、金属電極(例えば、
銀電極あるいはCr−Cu−Cr電極)である。表示電
極12は、ITO,SnO2,ZnO等の導電性金属酸
化物からなる幅広の透明電極の上に、細い幅のバス電極
(銀電極,Cr−Cu−Cr電極)を積層させた電極構
成とするのが放電面積を広く確保する上で好ましいが、
アドレス電極22と同様に金属電極とすることもでき
る。
【0022】誘電体層13は、前面ガラス基板11の表
示電極12が配された表面全体を覆って配設された誘電
物質からなる層であって、一般的に、鉛系低融点ガラス
が用いられているが、ビスマス系低融点ガラス、或は鉛
系低融点ガラスとビスマス系低融点ガラスの積層物で形
成しても良い。保護層14は、酸化マグネシウム(Mg
O)からなる薄層であって、誘電体層13の表面全体を
覆っている。
【0023】誘電体層23は、誘電体層13と同様のも
のであるが、可視光反射層としての働きも兼ねるように
TiO2粒子が混合されている。隔壁24は、ガラス材
料からなり、背面パネル板20の誘電体層23の表面上
に一定のピッチで突設されている。蛍光体層25を構成
する蛍光体材料として、ここでは、 青色蛍光体: BaMgAl1017:Eu 緑色蛍光体: Zn2SiO4:Mn 赤色蛍光体: (YxGd1-x)BO3:Eu を用いることとする。
【0024】これらの蛍光体材料の組成は、従来からP
DPに用いられているものと基本的には同じであるが、
本実施形態では、製造工程上、青色蛍光体層の熱劣化の
度合が従来と比べて少ないため、発光色が良好である。
具体的には、青色セルが発光する光の色度座標y値が小
さく(青色発光のピーク波長が短い)、青色付近におけ
る色再現域が従来よりも広くなっている。
【0025】この点について更に具体的に述べると、従
来の一般的なPDPでは、青色セルのみを点灯させたと
きの発光色の色度座標y(CIE表色系)が0.085
以上(発光スペクトルのピーク波長が456nm以上)
であって、色補正なしの白バランスで色温度が6000
K程度である。白バランスでの色温度を向上させる技術
として、例えば、青色セルの幅(隔壁ピッチ)だけを大
きく設定し、青色セルの面積を緑色セルや赤色セルの面
積よりも大きくする技術も知られているが、この方法で
色温度7000K以上とするには、青色セルの面積を緑
色セルや赤色セルの面積と比べて1.3倍程度以上に設
定しなければならない。
【0026】これに対し、本実施の形態のPDPでは、
後述するように、製造工程における青色蛍光体の熱劣化
が抑制されているため、青色青色セルのみを点灯させた
ときの発光色の色度座標yが0.08以下、発光スペク
トルのピーク波長が455nm以下となっており、これ
により、特に青色セルの面積を大きく設定しなくても、
色補正なしの白バランスで色温度を9000K以上にす
ることが可能となっている。また、製造時の条件によっ
ては、色度座標yをもっと低くするができ、色補正なし
の白バランスで色温度も10000K程度とすることが
可能である。
【0027】なお、青色セルの色度座標yの値が小さい
ことと、青色発光のピーク波長が短いこととが同等の意
味を持つこと、また、青色セルの色度座標yの値が小さ
いほど色再現域が広くなることや、青色セルが発光する
光の色度座標y値と、色補正なしの白バランスでの色温
度との関係については、後の実施例のところで詳述す
る。
【0028】本実施の形態では、40インチクラスのハ
イビジョンテレビに合わせて、誘電体層13の膜厚は2
0μm程度、保護層14の膜厚は0.5μm程度とす
る。また、隔壁24の高さは0.1〜0.15mm、隔
壁ピッチは0.15〜0.3mm、蛍光体層25の膜厚
は5〜50μmとする。また、封入する放電ガスは、N
e−Xe系で、Xeの含有量は5体積%とし、封入圧力
は500〜800Torr(6.5〜10.4×104
Pa)の範囲に設定する。
【0029】PDPの駆動時には、図2に示すように、
PDPに各ドライバ及びパネル駆動回路100を接続し
て、点灯させようとするセルの走査電極12aとアドレ
ス電極22間に印加してアドレス放電を行った後に、表
示電極対12間にパルス電圧を印加して維持放電を行
う。そして、当該セルで放電に伴って紫外線を発光し、
蛍光体層25で可視光に変換する。このようにしてセル
が点灯することによって、画像が表示される。
【0030】〔PDPの製造方法について〕上記構成の
PDPを製造する方法について説明する。 前面パネル板の作製 前面ガラス基板11上に、銀電極用のペーストをスクリ
ーン印刷で塗布した後に焼成することにより表示電極1
2を形成し、その上を覆うように、鉛系のガラス材料
(その組成は、例えば、酸化鉛[PbO]70重量%,
酸化硼素[B23]15重量%,酸化硅素[SiO2]1
5重量%。)を含むペーストをスクリーン印刷法で塗布
し焼成することによって、誘電体層13を形成する。更
に誘電体層13の表面に真空蒸着法などで酸化マグネシ
ウム(MgO)からなる保護層14を形成することによ
って前面パネル板10を作製する。
【0031】背面パネル板の作製:背面ガラス基板21
上に、銀電極用のペーストをスクリーン印刷しその後焼
成する方法によってアドレス電極22を形成し、その上
に、TiO2粒子と誘電体ガラス粒子とを含むペーストを
スクリーン印刷法で塗布して焼成することによって誘電
体層23を形成し、同じくガラス粒子を含むペーストを
スクリーン印刷法を用いて所定のピッチで繰返し塗布し
た後、焼成することによって隔壁24を形成する。
【0032】そして、赤色,緑色,青色の各色蛍光体ペ
ーストを作製し、これを隔壁24どうしの間隙にスクリ
ーン印刷法で塗布し、空気中で焼成することによって各
色蛍光体層25を形成することによって背面パネル板2
0を作製する。ここで用いる各色蛍光体ペーストは、以
下のようにして作製することができる。
【0033】青色蛍光体(BaMgAl1017:Eu)
は、原料として、炭酸バリウム(BaCO3)、炭酸マ
グネシウム(MgCO3)、酸化アルミニウム(α−A
23)をBa,Mg,Alの原子比で1対1対10に
なるように配合する。次に、この混合物に対して所定量
の酸化ユーロピウム(Eu23)を添加する。そして、
適量のフラックス(AlF2,BaCl2)と共にボール
ミルで混合し、還元雰囲気(H2,N2中)下、所定時間
(例えば、0.5時間)、温度1400℃〜1650℃
で焼成することによって得られる。
【0034】赤色蛍光体(Y23:Eu)は、原料とし
ての水酸化イットリウムY2(OH)3に、所定量の酸化ユ
ーロピウム(Eu23)を添加する。そして、適量のフ
ラックスと共にボールミルで混合し、空気中で、所定時
間(例えば1時間)、温度1200℃〜1450℃で焼
成することによって得られる。緑色蛍光体(Zn2Si
4:Mn)は、原料として、酸化亜鉛(ZnO)、酸
化珪素(SiO2)をZn,Siの原子比2対1になるよ
うに配合する。次に、この混合物に所定量の酸化マンガ
ン(Mn23)を添加する。そして、ボールミルで混合
後、空気中で、所定時間(例えば0.5時間)、温度1
200℃〜1350℃で焼成することによって得られ
る。
【0035】このように作製された各色蛍光体を、粉砕
後ふるい分けすることによって、所定の粒径分布を有す
る各色蛍光体粒子が得られる。この各色蛍光体粒子をバ
インダ及び溶剤と混合することによって、各色蛍光体ペ
ーストが得られる。なお、蛍光体層25を形成する際に
は、上記のスクリーン印刷法による方法以外に、蛍光体
インキをノズルから吐出させながら走査する方法、ある
いは、各色の蛍光体材料を含有する感光性樹脂のシート
を作製し、これを背面ガラス基板21の隔壁24を配し
た側の面に貼り付け、フォトリソグラフィでパターニン
グし現像することにより不要な部分を除去する方法によ
っても形成することができる。
【0036】前面パネル板と背面パネル板の封着、真空
排気及び放電ガス封入:このように作製した前面パネル
板10及び背面パネル板20のどちらか一方または両方
の外周部に封着用ガラスフリットのペーストを塗布し、
ペーストに含まれる樹脂成分等を除去するためにこれを
仮焼することによって封着ガラス層を形成し、前面パネ
ル板10の表示電極12と背面パネル板20のアドレス
電極22とが直交して対向するように重ね合わせ、重ね
合わせた両パネル板10・20を加熱して封着ガラス層
を軟化させることによって封着する。これによって、内
部空間(封着ガラス層に囲まれた両パネル板10・20
間の空間)は、外部空間と遮断され密封される。
【0037】この封着工程の詳細については後述する
が、前面パネル板10及び背面パネル板20を重ね合わ
せた際に、両パネル板10・20間の内部空間と外部空
間とを連通する隙間が外周部に形成されるように、封着
ガラス層の形状が設定されており、また、加熱封着時に
は、乾燥空気雰囲気下で行うようにしているので、両パ
ネル板10・20の表面から内部空間に放出される水蒸
気が蛍光体層に接触する度合が低く抑えられ、その結
果、青色蛍光体層の熱劣化が抑えられる。
【0038】このように封着した後、封着したパネル板
の内部空間を真空排気しながらパネル板を焼成する(3
50℃で3時間)。その後、上記組成の放電ガスを所定
の圧力で封入することによってPDPが作製される。
(封着工程についての詳細説明)前面パネル板10及び
背面パネル板20の一方又は両方の外周部に形成する封
着ガラス層は、全周にわたって高さが均一ではなく、前
面パネル板10及び背面パネル板20を重ね合わせた際
に、内部空間と外部空間とを連通する隙間が外周部に形
成されるようになっている。
【0039】封着ガラス層15の具体例としては、図3
〜図5に示すようなものが考えられる。図3〜図5にお
いて、(a)は上面図、(b)は側面図である。図3に
示す例では、一方のパネル板(本図では背面パネル板2
0)の表面外周部に封着ガラス層15が設けられてお
り、当該封着ガラス層15には、ほぼ一定の間隔をおい
て凸部16が形成されている。
【0040】図4に示す例では、一方のパネル板(本図
では背面パネル板20)の表面外周部に封着ガラス層1
5が設けられており、当該封着ガラス層15には、ほぼ
一定の間隔をおいて凹部17が形成されている。図5に
示す例では、(a)に示すように、一方の基板(本図で
は背面パネル板20)の表面外周部に、均一な厚さで封
着ガラス層15aが形成され、(b)に示すように、も
う一方の基板(本図では前面パネル板10)の表面外周
部に、ほぼ一定の間隔をおいて島状に点在する封着ガラ
ス層15bが形成されている。
【0041】図6は、前面パネル板10および背面パネ
ル板20を重ね合わせた状態における、外周部の概略断
面図であって、(a)は上記図3に示す例、(b)は上
記図4に示す例に相当するものである。図6(a),
(b)からわかるように、いずれの場合においても、前
面パネル板10及び背面パネル板20の間の外周部に
は、封着ガラス層を貫通する隙間18が形成されてお
り、この隙間18によって、内部空間と外部空間とが連
通した状態となっている。
【0042】なお、上記図4に示す例のように、封着ガ
ラス層15に凹部17が形成されている場合は、凹部1
7がこの隙間に相当し、凹部17によって両パネル板1
0・20間の内部空間と外部空間とが連通した状態とな
っている。本実施形態では、封着用ガラスフリットは、
従来から一般的に用いられている軟化点が380〜39
0℃程度のものを用いることとする。
【0043】基板上に封着用ガラスフリットのペースト
を塗布する方法としては、一般的に接着剤を塗布するの
に用いられているディスペンサを用い、ペーストを吐出
しながらディスペンサを走査することによって塗布する
方法が一般的であるが、スクリーン印刷法によって塗布
することも可能である。ディスペンサを用いて塗布する
場合、ディスペンサの走査速度とペーストの吐出量を調
整することによって基板上に塗布されるペーストの厚み
を調整することができるので、封着ガラス層15の凹凸
を形成することも容易にできる。
【0044】また、ペーストを重ね塗りすることによっ
ても凹部や凸部を有する封着ガラス層15を形成するこ
とができる。例えば、図3に示すような封着ガラス層1
5を形成するには、背面パネル板20上に均一的な厚さ
でペーストを塗布し乾燥させた後、凸部16を形成しよ
うとする位置だけにペーストを重ねて塗布すればよい。
【0045】次に、上記のように封着ガラス層15を介
して重ね合わせた両パネル板10・20を加熱封着する
工程について説明する。ここでは、加熱炉において乾燥
空気中で加熱し、低融点ガラスの軟化点温度以上まで昇
温させることにより封着を行う。図7は、本加熱封着工
程に使用するベルト式加熱装置の構成を模式的に示す図
である。
【0046】この加熱装置40は、パネル板を加熱する
加熱炉41、加熱炉41内を通過するようパネル板を搬
送する搬送ベルト42、加熱炉41内に雰囲気ガスを導
入するガス導入パイプ43などから構成されており、加
熱炉41内には、搬送方向に沿って複数のヒータ(不図
示)が設置されている。そして、各ヒータで加熱炉41
の入口44から出口45に至るまでの各箇所の温度を設
定することによって、任意の温度プロファイルで基板を
加熱することができ、また、ガス導入パイプ43から雰
囲気ガス(乾燥空気)を導入することによって、加熱炉
41内を雰囲気ガスで満たすことができるようになって
いる。
【0047】雰囲気ガスとしての乾燥空気は、空気を低
温(マイナス数十度)に冷却して水分を凝結させるガス
乾燥器(不図示)を経由させ、空気中の水蒸気量(水蒸
気分圧)を低減することによって生成することができ
る。そして、上記前面パネル板10と背面パネル板20
とを重ね合わせたものを搬送ベルト42上にセットす
る。ここで位置合わせされた前面パネル板10と背面パ
ネル板20とが位置ずれしないようにクランプ等によっ
て締め付けておくのが好ましい。
【0048】セットされたパネル板10・20は、加熱
炉41を通過することによって乾燥空気の雰囲気下で封
着ガラス層15の軟化温度以上に加熱される。これによ
って、封着ガラス層15が軟化して両パネル板10・2
0の外周部が封着される。(本実施の形態の封着方法に
よる効果について)本実施形態の封着方法によれば、従
来の封着方法と比べて、次のような効果を奏する。
【0049】通常、前面パネル板10や背面パネル板2
0には、水蒸気などのガスが吸着されているが、これら
の基板を加熱昇温すると、吸着されているガスが放出さ
れる。特に200〜250℃においては、MgO保護層
から水分が放出される(図14参照)。従来の一般的な
製造方法では、封着ガラスを仮焼する工程において、基
板に吸着されているガスがある程度抜けても、その後、
封着工程開始時まで大気中で室温にすることによって再
びガスが吸着されるので、封着工程時に、前面パネル板
と背面パネル板に吸着されているガスが放出される。そ
して、封着ガラス層に囲まれている内部空間は密閉状態
となっているので、この内部空間内に放出されるガスは
その中に閉じ込められてしまう。通常、内部空間におけ
る水蒸気分圧は20Torr以上になることが測定の結
果わかっている。
【0050】そのため、内部空間に臨んでいる蛍光体層
がガスの影響(特に保護層から放出される水蒸気の影
響)で熱劣化しやすい。そして、蛍光体層(特に青色蛍
光体層)が熱劣化すると発光強度が低下する。これに対
して、本実施の形態の封着工程においては、昇温時に封
着ガラス層15の軟化点未満の温度までは、封着ガラス
層15が変形しないので、前面パネル板10及び背面パ
ネル板20の外周部において内部空間と外部空間を連通
する隙間が保たれる。従って、内部空間内に放出される
ガス(水蒸気)は、この隙間を通して外部空間に放出さ
れる。
【0051】この結果、封着工程中において青色蛍光体
が劣化するのを抑えることが可能となる。更に、本実施
形態では、加熱炉41の内部は乾燥空気の雰囲気となっ
ているため、隙間を通して内部空間に乾燥空気が流れ込
む。従って、封着工程における青色蛍光体の劣化防止効
果がより大きなものとなる。
【0052】蛍光体の熱劣化を抑える効果を充分に得る
ために、加熱炉41内の乾燥空気の水蒸気分圧を10T
orr(1300Pa)以下とするのが好ましく、更
に、5Torr(650Pa)以下、1Torr(13
0Pa)以下と低く設定するほど効果は大きい。なお、
水蒸気分圧と露点温度とは一定の関係があるので、乾燥
空気中の水分について「露点温度」を用いて言い換える
と、露点温度を低く設定するほど、蛍光体焼成時の熱劣
化を抑えるのに好ましく、乾燥ガスの露点温度は12℃
以下、0℃以下、−20℃以下とするのが好ましいと言
える。
【0053】なお、封着工程において、封着ガラス層1
5は、軟化点以上の温度まで昇温されるので、最終的に
は隙間はなくなり、前面パネル板10及び背面パネル板
20の外周部は、封着ガラス層15によって密封され
る。また、本実施形態の製法で作成されたPDPは、蛍
光体層に含有されている水分も少ないため、PDP駆動
時における異常放電が少ないという効果も得られる。
【0054】また、封着工程において、外周部に隙間を
形成しなくても、パネル板10・20の隅に孔を設けて
おけば、同様に内部空間から水分が抜ける効果はある
が、本実施形態の方法では、内部空間と外部空間とのガ
ス流通性をより確保できると考えられる。また、両パネ
ル板10・20間の内部空間に、チップ管から乾燥空気
を強制的に送り込みながら封着するようにしても同様の
効果を奏するが、本実施形態の方法によれば、乾燥空気
を送り込む機構も不要で、より簡単に効果を得ることが
できる。
【0055】ここで、優れた効果を得るために、外周部
に形成される隙間の好ましい形態について考察する。内
部空間に発生する水分を外部空間に排出する効果を得る
ために、隙間の間隙(凸部16の段差や凹部17の段
差)は、少なくとも50μmもしくは100μm必要で
あって、十分な効果を得るために、間隙を300μm以
上とすることが必要であり、500μm以上とすること
が好ましい。
【0056】外周部の中で隙間を形成する部分の割合
(全周に対する隙間の長さの割合)が小さくても、内部
空間から水分を排出する効果は得られるが、外部空間か
ら内部空間に外部からガスが流れ込むようにするには、
この割合を50%以上とするのが望ましい。外周部の中
で隙間を形成する位置については、一箇所だけに隙間を
形成してもガスを外部に排出できるので効果を奏する
が、複数箇所に隙間を設ける方が内部空間と外部空間と
のガス流通がよくなるので、より大きな効果が期待でき
る。
【0057】また上記のように、封着時には通常、前面
パネル板10及び背面パネル板20はクランプなどで挟
まれ、外周部に圧力が加えられるが、この圧力は封着ガ
ラス層15の隙間以外のところに集中して加わることに
なる。従って、外周部の全周にわたって均一的に圧力が
加えられるようにするため、外周部の中の1箇所に集中
して隙間を設けるよりも、外周部全体にわたって複数箇
所に分散させて隙間を設ける方が好ましい。
【0058】(雰囲気ガス中の水蒸気分圧についての考
察)加熱封着時において内部空間の水蒸気分圧を減少さ
せることによって、青色蛍光体の加熱による熱劣化を防
止することが可能であることに関して、以下のように実
験に基づいて考察した。図8,9は、水蒸気分圧をいろ
いろと変えた空気中で、青色蛍光体(BaMgAl10
17:Eu)を焼成したときの相対発光強度及び色度座標
yの測定結果である。焼成条件として、ピーク温度は4
50℃とし、ピーク温度で維持する時間は20分とし
た。
【0059】図8に示す相対発光強度は、発光強度測定
値を、焼成前の青色蛍光体の発光強度測定値を基準値1
00としたときの相対値で表わしたものである。発光強
度は、分光光度計を用いて蛍光体層からの発光スペクト
ルを測定し、この測定値から色度座標y値を算出し、こ
の色度座標y値と、輝度計で予め測定した輝度値とか
ら、式(発光強度=輝度/色度座標y値)で算出した値
である。
【0060】なお、焼成前の青色蛍光体の色度座標y
は、0.052であった。図8,9の結果より、水蒸気
分圧が1Torr(130Pa)以下では、加熱に伴う
発光強度の低下並びに色度変化は全く見られず、10T
orr(1300Pa)以下では発光強度の低下並びに
色度変化が小さいが、水蒸気分圧が増加するに従って、
青色の相対発光強度は低下し、青色の色度座標yは大き
くなっていることがわかる。
【0061】ところで、青色蛍光体(BaMgAl10
17:Eu)を加熱するときに発光強度が劣化したり色度
座標y値が大きくなったりするのは、付活剤Eu2+イオ
ンが加熱により酸化されEu3+イオンになることが原因
であると従来から考えられているが(J.Electr
ochem. Soc.Vol.145,No.11,
November 1998 参照)、上記の青色蛍光
体の色度座標y値が雰囲気中の水蒸気分圧に依存すると
いう結果とを組み合わせて考察すると、Eu2+イオンが
ガス雰囲気(例えば空気)中の酸素と直接反応するので
はなく、ガス雰囲気中の水蒸気によって劣化に係る反応
が促進されるものと考えられる。
【0062】ちなみに、加熱温度をいろいろと変化させ
て、上記と同様にして青色蛍光体(BaMgAl
1017:Eu)の熱による発光強度の低下度合や色度座
標yの変化を調べてみたところ、加熱温度が300℃か
ら600℃の範囲では、加熱温度が高いほど熱による発
光強度の低下は大きくなり、いずれの加熱温度でも水蒸
気分圧が高いほど発光強度の低下が大きくなるという傾
向が見られた。一方、水蒸気分圧が高いほど熱による色
度座標yの変化が大きくなるという傾向は見られたが、
色度座標yの変化度合が加熱温度に依存するという傾向
は見られなかった。
【0063】また、前面ガラス基板11、表示電極1
2、誘電体層13、保護層14、背面ガラス基板21、
アドレス電極22、誘電体層23、隔壁24、蛍光体層
25を形成する各部材を加熱したとき水蒸気放出量を測
定したところ、保護層14の材料であるMgOからの水
蒸気放出量が最も多かった。これより、封着時に蛍光体
層25の熱劣化を引き起こす主要な原因は、保護層14
(MgO)から水蒸気が放出されることにあると推測さ
れる。
【0064】なお、本実施の形態では、封着工程につい
て基本的な説明を行ったが、以下の実施の形態2〜6で
説明するように、更に工夫を加えることができる。 [実施の形態2]本実施の形態では、封着ガラス層15
を介して両パネル板10・20を重ね合わせたものを加
熱して封着する際に、パネルのサイドから乾燥ガスが封
着ガラス層15に当たるように工夫が施されている。
【0065】図10は、本実施形態の製法において、加
熱装置の中で両パネル板10・20を封着する様子を示
す図である。この加熱装置は、上記加熱装置40と同様
であって、両パネル板10・20を重ね合わせたものが
搬送ベルト42上に置かれ、搬送ベルト42に沿ってガ
ス導入パイプ43が設けられている。
【0066】ガス導入パイプ43には、搬送ベルト42
の上面に沿った方向にガスを噴出させるノズル43aが
複数個列設されている。搬送ベルト42に載せられ両パ
ネル板10・20には、加熱炉41内を搬送されなが
ら、ノズル43aから噴出される乾燥空気が、両パネル
板10・20のサイドから当てられることになる。
【0067】この場合、外周部における封着ガラス層1
5の隙間から内部空間に乾燥ガスが押し込まれ、それに
伴って内部空間から水分が効率よく排出されるので、青
色蛍光体の熱劣化を抑制する効果が、実施の形態1と比
べて向上する。なお、図10に示されるように、両パネ
ル板10・20の外周部は、位置ずれが生じないように
クランプ50で締め付けられている。
【0068】[実施の形態3]本実施の形態では、封着
後における封着ガラス層15の幅が均一になるよう工夫
が施されている。先ず、封着ガラス層15に沿って隔壁
を形成する方法について説明する。図11に示す例で
は、背面ガラス基板21上に、封着ガラス層15の内周
及び外周に沿って隔壁19a及び隔壁19bが設けてあ
る。
【0069】封着ガラス層15に隙間が形成されるよう
にすると、外周部の部分毎に封着ガラスの塗布量が異な
るので、封着後における封着ガラス層の幅にばらつきが
生じやすい。即ち、封着ガラス層15の幅を一定とし且
つ外周部に間隙が形成されるようにした場合、間隙が形
成される部分は、間隙が形成されない部分と比べて、層
の厚みが小さいため、封着ガラスの塗布量も小さくな
り、そのため、封着後における封着ガラス層の幅が小さ
くなる傾向にある。なお、このような封着ガラス層の幅
ばらつき度は、封着前の隙間の間隙(封着ガラス層15
における凸部及び凹部の段差)に依存するが、例えばこ
の間隙が500μm程度の場合には、層幅のばらつきは
3mm程度生じる。
【0070】これに対して、上記のように隔壁19a及
び隔壁19bを設けておけば、封着ガラス層が軟化した
ときに、層の幅方向に流れて広がるのが防止されるの
で、その結果、封着後における封着ガラス層15の幅の
ばらつきも防ぐことができる。なお、図11では、背面
ガラス基板21上に封着ガラス層15及び隔壁19a・
19bを形成する例を示したが、封着ガラス層15及び
隔壁19a・19bのいずれか或はすべてを前面ガラス
基板11上に形成しても同様の効果を奏する。
【0071】次に、封着ガラス層15が軟化する前にお
ける層の幅を、隙間が形成される部分において隙間が形
成されない部分よりも大きく設定する方法について説明
する。図12に示す例では、上記図3に示した例と同様
に、封着ガラス層15に、ほぼ一定の間隔をおいて凸部
16が形成されているが、凸部16が形成されている部
分では、凸部16が形成されていない部分と比べて、層
の幅が小さく設定されている。
【0072】このように封着ガラス層15の層の幅を調
整することによって、層の厚さが大きいところでは幅が
小さくなるので、外周に沿って封着ガラス塗布量が均一
化されることになる。従って、封着後における封着ガラ
ス層15の幅を均一化することができる。そして、封着
ガラス層15の幅を均一化することによって、封着ガラ
ス層が表示領域にまで侵入して表示品質が損なわれのを
防止することができる。 [実施の形態4]本実施の形態では、内部空間内に閉じ
こめられる水分量をより低減するために、封着ガラス層
15を形成するのに軟化点の高いシール材を用いてい
る。
【0073】即ち、実施の形態1では、シール材として
軟化点が380〜390℃の低融点ガラスを用いたのに
対して、本実施形態では軟化点が410℃以上の低融点
ガラスを選択して用いる。このように軟化点が高いシー
ル材料を用いて封着ガラス層15を形成することによっ
て、高い温度に昇温されるまで、外周部に隙間が維持さ
れ、内部空間から外部に水分が排出されることになる。
従って、昇温時においてより多くの水分が内部空間から
外部空間に排出されることになる。
【0074】このように軟化点が410℃以上のシール
材を用いることによって、内部空間から外部へのガス排
出をより効率よく行い、蛍光体の劣化防止効果を高める
ことが可能となる。 [実施の形態5]本実施の形態では、内部空間内に閉じ
こめられる水分量をより低減するために、封着工程にお
けるピーク温度を下げて、封着ガラス層の軟化点と当該
ピーク温度との温度差を小さくしている。
【0075】従来一般的には、封着工程におけるピーク
温度は450℃程度であった。上記のように封着用ガラ
スの軟化点が380〜390℃とすると、封着工程にお
けるピーク温度は、封着ガラスの軟化点より50℃以上
高いことになる。この場合、両パネル板10・20の隙
間がなくなって内部空間が遮蔽された後に温度上昇に伴
って放出される水分は、内部空間内に閉じこめられてし
まうので、その分は蛍光体を熱劣化させることになる。
【0076】これに対して、軟化点が380〜390℃
と従来と同等である封着ガラスを用いたとしても、封着
工程におけるピーク温度を従来より低め(例えば410
〜420℃)にして、軟化点とピーク温度との差を小さ
く(20〜30℃に)設定すれば、両パネル板10・2
0の隙間がなくなった後に内部空間内に放出される水分
量はそれだけ少なくなるので、蛍光体の熱劣化を防止す
る効果が高められる。
【0077】[実施の形態6]本実施の形態では、加熱
封着時に内部空間内に閉じこめられる水分量をより低減
させるために、封着工程において両パネル板を昇温する
際に、封着ガラス層15の軟化点未満で且つ250℃以
上の温度で維持する期間を設け、その後軟化点温度以上
まで加熱するようにしている。
【0078】ここでは、250℃以上且つ封着ガラス層
15の軟化点以下の温度範囲内で10分間以上保つこと
とする。図13は、本実施の形態に係る封着工程におけ
る温度プロファイルの一例を示す図である。(a)で
は、250℃以上且つ封着ガラス層15の軟化点以下の
温度範囲(図中両矢印Wで示す)内で一定温度で維持す
る期間が設けられており、(b)では、250℃以上且
つ封着ガラス層15の軟化点の温度範囲内で徐々に昇温
しているが、いずれの場合も250℃以上且つ封着ガラ
ス層15の軟化点以下の温度範囲で10分間以上維持さ
れている。
【0079】250℃〜封着ガラス層15の軟化温度の
温度範囲は、パネル板10・20に吸着している水分
(特に保護層14に吸着している水分)を内部空間に放
出し、更に隙間を経て外部空間に放出するという水分排
出作用が活発な温度範囲である。従って、この温度範囲
で維持することよって、封着ガラス層15が軟化する時
点においてパネル板10・20に吸着されている水分量
をより少なく抑え、内部空間が密閉される後に内部空間
に放出される水分をより少なくすることが可能となる。
よって、蛍光体の熱劣化を防止する効果を高めることが
できることになる。
【0080】パネル板10・20を250℃以上の温度
で加熱することによって吸着している水分(特に保護層
14に吸着している水分)が放出されることは、以下の
実験によって確認できる。前面パネル板10に用いられ
ているのと同様のMgO膜を加熱昇温した時に、排出さ
れる水蒸気量をTDS分析法(昇温脱離ガス質量分析
法)で分析した。
【0081】図14は、その結果を示すものである。本
図より、PDPに用いられているMgO膜を昇温した場
合に、200〜250℃の温度範囲内で水蒸気が多量に
排出されることがわかる。なお、この温度範囲に維持す
る時間を30分以上に設定すれば、更に高い水分排出効
果が期待ができる。
【0082】[実施の形態についての変形例など]*上
記実施の形態では、封着工程で雰囲気を形成する乾燥ガ
スとして乾燥空気を用いたが、蛍光体層と反応を起こさ
ない窒素等の不活性ガスであって水蒸気分圧の低いもの
を用いても同様の効果が得られる。但し、BaMgAl
1017:Eu、Zn2SiO4:Mnや(Y、Gd)BO
3:Eu等の酸化物系の蛍光体は、無酸素の雰囲気中で
加熱すると多少酸素欠陥が形成され発光効率が低下する
場合があるので、封着工程で用いる乾燥ガスには酸素が
含まれていることが望ましい。
【0083】*上記実施の形態では、封着ガラス層15
を形成するシール材料として低融点ガラスを用いたが、
隔壁24と同様のガラス材料を用いても実施することは
可能である。即ち、パネル板10・20の一方または両
方に、隔壁用ガラスを用いて上記時3〜5で示したよう
な形状で封着ガラス層15を形成し、パネル板10・2
0を重ね合わせて、封着ガラス層15を加熱して軟化さ
せることによって封着しても同様の効果を奏する。但
し、低融点ガラスと比べると隔壁用ガラスの軟化点はか
なり高いので、この場合、加熱炉で加熱封着することは
難しいが、封着ガラス層15の上に前面パネル板10側
からレーザ光を照射して封着ガラス層15を集中的に加
熱して軟化させることによって封着することができる。
【0084】なお、レーザ光を外周部に照射して封着す
る場合には、蛍光体層が高温にさらされにくいが、外周
部近傍の蛍光体層は加熱されるので、封着時に内部空間
に発生する水分が隙間を通して外部に排出され蛍光体の
熱劣化が抑えられる効果は同様に得られる。 *上記実施の形態では、封着工程に関して乾燥空気雰囲
気中で行うことを説明したが、封着工程以外にも、蛍光
体が熱に晒される蛍光体焼成工程やフリット仮焼工程に
おいては乾燥空気中で行うことが好ましい。
【0085】例えば、蛍光体焼成時には、上記加熱装置
40を用いて、蛍光体層25を形成した背面ガラス基板
21を、乾燥空気中で焼成(ピーク温度520℃、10
分間)し、フリット仮焼時には、上記加熱装置40を用
いて、封着用ガラスフリットを塗布した前面パネル板1
0あるいは背面パネル板20を、乾燥空気中で焼成する
(ピーク温度350℃、30分間)。
【0086】このように、蛍光体焼成時やフリット仮焼
時にも、乾燥ガスを流しながら焼成することによって、
蛍光体焼成時やフリット仮焼時における雰囲気中の水蒸
気による熱劣化を抑えることができる。このとき乾燥空
気中における水蒸気分圧の値については、封着工程で説
明した内容と同様である。 *上記実施の形態においては、面放電型のPDPを例に
とって説明したが、本発明は、封着材層を加熱すること
によって封着する工程を通して製造されるPDPである
ならば、面放電型PDPに限られず、対向放電型PDP
などにも適用することができる。
【0087】
【実施例】
【0088】
【表1】
【0089】表1に示すパネルNo.1〜14のPDP
を作製した。パネルNo.1〜14のPDPのサイズ
は、いずれも42”とした。また、パネル構成も共通で
あって、蛍光体層の膜厚は30μm、放電ガスにはNe
(95%)−Xe(5%)を用い、その封入圧力は50
0Torr(6.5×104Pa)とした。パネルN
o.1〜13のPDPは、上記実施の形態に基づいて作
製した実施例である。実施例では、封着工程において両
パネル板10・20間の外周部に隙間が形成されるよう
に封着ガラス層を形成する点は共通しているが、細部は
それぞれ異なっている。
【0090】パネルNo.1〜7及びパネルNo.9〜
13では、上記図3に示すように、背面ガラス基板上の
外周部に、凸部を有する封着ガラス層を形成した。パネ
ルNo.1では、凸部をパネル隅の1箇所だけ設け、パ
ネルNo.2では凸部を4隅の4箇所だけに設けた。パ
ネルNo.3〜7及びパネル9〜13では、凸部を10
cm程度の間隔をあけて外周全周にわたって設けた。
【0091】凸部の長さはすべて6mm程度とし、凸部
の高さや焼成雰囲気は表1に示すようにいろいろな値に
設定した。パネルNo.8では、上記図4に示すよう
に、背面ガラス基板上の外周部に、長さ5mm程度の凹
部を10cm程度の間隔をおいて設けた封着ガラス層を
形成して封着したものである。
【0092】パネルNo.14のPDPは、比較例に係
わるものであって、封着前に前面板と背面板間に隙間が
できないように、封着ガラス層を背面ガラス基板上の外
周部に設けて封着したものである。各パネルに用いたシ
ール材及び温度プロファイルは次の通りである。シール
材はいずれも主成分として酸化鉛(65〜80wt
%)、酸化硼素(10wt%)、酸化チタン(5〜10
wt%)を含む低融点ガラスを用いたが、軟化点は41
0℃と385℃の2種類に分かれ、温度プロファイルの
ピーク温度も各軟化点に合わせて設定した。
【0093】即ち、パネルNo.1〜8及びパネルN
o.10〜14では、軟化点385℃の低融点ガラスを
用い、パネルNo.9では、軟化点415℃の低融点ガ
ラスを用いた。パネルNo.1〜9及びパネルNo.1
1〜14では、封着時における温度プロファイルのピー
ク温度は450℃とした。但し、パネルNo.11〜1
3においては、封着時における昇温途中において、表1
に示す各待機温度(200℃、300℃、400℃)で
30分間維持するようにした。一方、パネルNo.10
では、封着時における温度プロファイルのピーク温度を
410℃とした。
【0094】なお、シール材の軟化点は、主に組成物で
ある酸化鉛の組成比やその他の微小含有物質の組成比を
変えることによって調整した。また、各ピーク温度にお
いては20分間保持するようにした。封着時の雰囲気に
ついては、パネルNo.1〜3及びパネルNo.5〜1
3では乾燥空気雰囲気とし、パネルNo.4では真空雰
囲気とし、パネルNo.14では水蒸気分圧15Tor
r(1950Pa)の空気雰囲気とした。
【0095】(比較実験) 発光特性の比較 このように作製したパネルNo.1〜14のPDPにつ
いて、発光特性として、青色セルのみを点灯させたとき
の発光強度、色度座標y、発光スペクトルのピーク波長
及び青色セル、赤色セル、緑色セルのすべてを同一電力
条件で点灯した時の白色表示の色温度(色温度補正な
し)、青色セル及び緑色セルを同じ電力で発光させたと
きの発光スペクトルのピーク強度比を測定した。
【0096】発光強度については、分光光度計を用いて
発光スペクトルを測定し、この測定値から色度座標y値
を算出し、この色度座標y値と、輝度計で予め測定した
輝度値とから、式(発光強度=輝度/色度座標y値)で
算出した。これらの測定結果は、表1に示す通りであ
る。なお、表1に示す青色セルの発光強度は、比較例の
パネルNo.14の発光強度を100とした相対発光強
度で示している。
【0097】図15は、パネルNo.7,9,14につ
いて、青色セルのみを点灯させたときの発光スペクトル
である。 発光特性についての考察:表1の測定結果において、実
施例(パネルNo.1〜13)と、比較例(パネルN
o.14)とについて、発光特性を比較すると、実施例
は比較例より発光特性が優れている(パネル輝度が高
く、色温度が高い)。
【0098】さらに、実施例では外周部に間隙が形成さ
れており、実施例では比較例よりも装置内に流れる空気
の水蒸気分圧が小さいため、封着用シール剤の軟化後に
内部空間に閉じ込められる水分が少なく、その結果、青
色蛍光体の熱劣化が抑えられるためと考えられる。ま
た、パネルNo.1,2,3の発光特性を比較すると、
パネルNo.1,2,3の順で発光特性が向上してい
る。これは、封着ガラス層に形成する凸部の数が増える
に従って相対発光強度が高く、色度座標yが小さく、発
光スペクトルのピーク波長が短波長になっており、発光
特性が向上することがわかる。
【0099】これは凸部の数が少ない時は、ガラス基板
が自重でたわみを生じ、外周部における隙間が小さくな
る結果、内部空間で発生した水蒸気を有効に排除しにく
くなるためと考えられる。パネルNo.3とパネルN
o.8の発光特性を比較すると、パネルNo.3の方が
パネルNo.8よりも発光特性が優れている。これは、
パネルNo.3のように封着ガラス層に凸部を形成する
方が、No.8のように封着ガラス層に凹部を形成する
場合よりも、外周部に形成される隙間の長さが大きくな
り、その結果、内部空間に発生する水蒸気が外部に排除
される作用が大きくなるからと考えられる。
【0100】パネルNo.3,5,6,7の発光特性を
比較すると、パネルNo.5,No.3,No.6,N
o.7の順で発光特性が向上している。これは、封着ガ
ラス層に設ける凸部の高さが高い(隙間が大きい)ほ
ど、内部空間で発生した水蒸気を有効に排除できるため
と考えられる。なお、パネルNo.5は、比較例である
パネルNo.14と比べて発光特性にあまり差がない。
これより、十分な効果を得るためには、封着ガラス層に
設ける凸部の高さ(隙間の大きさ)を100μm以上に
設定する必要があることがわかる。
【0101】パネルNo.3とNo.9の発光特性を比
較すると、パネルNo.9の方が発光特性が優れてい
る。これは、封着用シール剤の軟化点が高いほど、高温
まで隙間を維持できるために、内部空間に放出される水
蒸気を十分に排気することができ、その結果、青色蛍光
体の熱劣化が抑えられるためと考えられる。パネルN
o.3とNo.10の発光特性を比較すると、パネルN
o.10の方が発光特性が優れている。これは、軟化点
の等しい封着用シール剤を用いた場合には、封着時のピ
ーク温度が低いほど発光特性が向上することを示してい
る。
【0102】これも、封着時のピーク温度を低くするこ
とによって、シール剤の軟化点より高い温度において内
部空間に放出される水蒸気量が低減され、その結果、青
色蛍光体の熱劣化が抑えられるためと考えられる。パネ
ルNo.3とパネルNo.4の発光特性を比較すると、
パネルNo.4の方が発光特性が劣っている。
【0103】これは、パネルNo.4では、真空雰囲気
中で加熱しているが、酸化物蛍光体である青色蛍光体
が、無酸素雰囲気中で加熱されることによって、母体の
酸素の一部が抜けて酸素欠陥が形成されるためと考えら
れる。パネルNo.3,No11,No.12の発光特
性を比較すると、No.3,No11,No.12の順
に発光特性が向上している。これは、待機温度が封着用
シール剤の軟化点(380℃)以下の範囲では、待機温
度が高いほど、待機期間中において、基板(特にMgO
膜)に吸着されている水蒸気が外部にたくさん排出され
るためと考えられる。
【0104】なお、パネルNo.13は、パネルNo.
3,No11,No.12と比べて発光特性が劣ってい
る。これは、軟化点(380℃)以上の待機温度で待機
させると、基板(特にMgO膜)に吸着されている水蒸
気が、密閉された内部空間内にたくさん排出され、その
結果、青色蛍光体の熱劣化がより生じるためと考えられ
る。
【0105】また、表1に示した各パネルNo.におけ
る青色発光の色度座標yと青色発光のピーク波長(図1
5参照)との関係を見ると、青色発光の色度座標yの値
が小さいほど、青色発光のピーク波長は短いことがわか
る。これは、青色発光の色度座標y値が小さいことと青
色発光のピーク波長が短いこととが同等の意味を持つこ
とを示している。
【0106】青色蛍光体の分析:パネルNo.1〜14
のPDPについて、パネルから青色蛍光体を取り出し、
TDS分析法(昇温脱離ガス質量分析法)で、青色蛍光
体1g当りから脱離するH2Oガス分子数を測定した。
また、X線回折によって青色蛍光体結晶のa軸長及びc
軸長も測定した。
【0107】TDS分析では、日本真空技術(株)製の
赤外線加熱型昇温脱離ガス質量分析装置を用いて次のよ
うに測定した。Ta製皿に詰めた蛍光体資料を予備排気
室で10-4Paオーダまで排気した後、測定室へ挿入
し、10-7Paオーダまで排気した。その後、赤外線ヒ
ータを用いて、室温から1100℃まで、昇温速度10
℃/minで昇温しながら、蛍光体から脱離するH2
分子(質量数18)の分子数を、測定間隔15秒のスキ
ャンモードで測定した。
【0108】これらの測定結果は、表1に示す通りであ
る。青色蛍光体の分析結果についての考察:実施例にか
かるパネルNo.1〜13のPDPの青色蛍光体では、
昇温脱離ガス質量分析における200℃以上の領域で現
れる脱離H2Oの分子数のピーク値が1×1016個/g
以下であり、a軸長に対するc軸長の比が4.0218
以下であるのに対して、比較例にかかるパネルNo.1
4のPDPの青色蛍光体では、上記各値より大きい値を
示していることがわかる。
【0109】
【発明の効果】以上のように、本発明のPDPの製造方
法によれば、PDPを製造する際に、前面基板及び背面
基板の対向面の少なくとも一方の外周部に封着材層を形
成する工程において、両パネルを重ね合わせたときに外
周部における一箇所以上において内部空間と外部空間と
を連通する隙間が形成されるように封着材層の形状を設
定することによって、封着工程における蛍光体の熱劣化
(特に青色蛍光体の熱劣化)を防止することができる。
【0110】ここで、封着材層を加熱する工程を、乾燥
ガス雰囲気中もしくは減圧雰囲気中で行えば、蛍光体の
熱劣化を防止する効果をより高めることができる。この
ような本発明の製造方法を用いることによって、青色セ
ルのみを点灯させたときの発光色の色度座標y(CIE
表色系)または青色蛍光体層を真空紫外線で励起したと
きに放出される光の色度座標yを、0.08以下とする
ことができる。また、青色セルのみを点灯させたときの
発光スペクトルにおけるピーク波長が455nm以下と
することができる。
【0111】そして、青色蛍光体層の発光色度を向上さ
せることによって、PDPの色再現性も向上され、白バ
ランスにおける色温度、即ち、すべてのセルを同一電力
条件で点灯させたときの発光色の色温度を9000K以
上とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る交流面放電型PDPを示す要
部斜視図である。
【図2】上記PDPに駆動回路を接続したPDP表示装
置を示す図である。
【図3】実施の形態において封着ガラス層の形状の具体
例を示す図である。
【図4】実施の形態において封着ガラス層の形状の具体
例を示す図である。
【図5】実施の形態において封着ガラス層の形状の具体
例を示す図である。
【図6】前面パネル板10および背面パネル板20を重
ね合わせた状態における、外周部の概略断面図である。
【図7】実施の形態で用いるベルト式加熱装置の構成を
示す図である。
【図8】水蒸気分圧を変えた空気中で青色蛍光体を焼成
したときの相対発光強度測定結果である。
【図9】水蒸気分圧を変えた空気中で青色蛍光体を焼成
したときの色度座標yの測定結果である。
【図10】実施の形態2にかかる封着方法において、加
熱装置の中で両基板を封着する様子を示す図である。
【図11】実施の形態3にかかる封着方法を説明する図
である。
【図12】実施の形態3にかかる封着方法を説明する図
である。
【図13】実施の形態6に係る封着工程における温度プ
ロファイルの一例を示す図である。
【図14】MgO膜を加熱昇温した時に排出される水蒸
気量を分析した結果を示すグラフである。
【図15】実施例及び比較例のPDPについて、青色セ
ルのみを点灯させたときの発光スペクトルである。
【図16】一般的な交流型PDPの一例を示す概略断面
図である。
【符号の説明】
10 前面パネル板 11 前面ガラス基板 12 表示電極 13 誘電体層 14 保護層 15 封着ガラス層 16 凸部 17 凹部 18 隙間 19a・19b 隔壁 20 背面パネル板 21 背面ガラス基板 22 アドレス電極 23 誘電体層 24 隔壁 25 蛍光体層 30 放電空間 40 加熱装置 41 加熱炉 42 搬送ベルト 43 ガス導入パイプ 43a ノズル 100 パネル駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小杉 直貴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 石倉 靖久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 宮川 宇太郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 春木 繁郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C012 AA09 BC03 5C040 GG07 GG08 HA01 HA02

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面基板及び背面基板の対向面の少なく
    とも一方に蛍光体層を形成する蛍光体層形成ステップ
    と、 前面基板及び背面基板の対向面の少なくとも一方の外周
    部に封着材層を形成する封着材層形成ステップと、 前記蛍光体層形成ステップ及び封着材層形成ステップの
    後に、前記前面基板及び背面基板を、封着材層の内側に
    内部空間が形成されるように重ね合わせた状態で、前記
    封着材層をその軟化温度以上に加熱することにより封着
    する封着ステップとを備えるプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法であって、 前記封着材層形成ステップで形成する前記封着材層は、 両パネルを重ね合わせたときに、外周部における一箇所
    以上において、封着材層の内側に形成される内部空間と
    外部とを連通する隙間が形成されるように形状が設定さ
    れていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記封着材層形成ステップで形成する前
    記封着材層には、 外周部における一箇所以上において、凸部または凹部が
    形成されていることを特徴とする請求項1記載のプラズ
    マディスプレイパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記封着材層形成ステップで封着材層に
    形成する凸部の高さまたは凹部の深さが300μm以上
    であることを特徴とする請求項2記載のプラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記封着材層形成ステップで形成する封
    着材層は、凸部が設けられた箇所では、それ以外の箇所
    と比べて幅が狭く設定されていることを特徴とする請求
    項2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記封着材層形成ステップで形成する封
    着材層は、凹部が設けられた箇所では、それ以外の箇所
    と比べて幅が広く設定されていることを特徴とする請求
    項2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記封着材層形成ステップでは、 前記前面板及び前記背面板の対向面のいずれか一方の外
    周部には全周にわたって封着材層を形成し、 他方の対向面の外周部には1箇所以上に部分的に封着材
    層を形成することを特徴とする請求項1記載のプラズマ
    ディスプレイパネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記他方の対向面に設けられた封着材層
    は、厚みが300μm以上であることを特徴とする請求
    項6記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記封着材層形成ステップで形成する封
    着材層は、 隙間が形成される部分においては、隙間が形成されない
    部分と比べて幅が広く設定されていることを特徴とする
    請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記前面板及び前記背面板の対向面のい
    ずれか一方の外周部における前記封着材層が形成される
    領域の内側と外側とに、隔壁を形成する隔壁形成ステッ
    プを備えることを特徴とする請求項1記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記封着材層形成ステップで形成する
    封着材層は軟化点が410℃以上であることを特徴とす
    る請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記封着ステップにおける加熱最高温
    度と前記封着材層の軟化点との温度差が40℃以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記封着ステップで封着材層を加熱す
    る際に、 250℃以上且つ前記封着材層の軟化点未満の温度で1
    0分以上維持した後、当該軟化点以上の温度に昇温する
    ことを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記封着材層形成ステップで形成する
    封着材層には低融点ガラスが含まれることを特徴とする
    請求項1記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  14. 【請求項14】 前記封着ステップは乾燥ガス雰囲気中
    で行われることを特徴とする請求項1記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記乾燥ガスには酸素が含まれている
    ことを特徴とする請求項14記載のプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記乾燥ガスは乾燥空気であることを
    特徴とする請求項15記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記乾燥ガス雰囲気における水蒸気分
    圧は130Pa以下であることを特徴とする請求項14
    記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記蛍光体層形成ステップで形成する
    蛍光体層には、 BaMgAl1017:Euを用いた青色蛍光体層が含ま
    れることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプ
    レイパネルの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかの製造方法
    で製造されたことを特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネル。
  20. 【請求項20】 請求項1〜18のいずれかの製造方法
    で製造され、青色蛍光体層が配設されたセルを含む複数
    のセルが配設されたプラズマディスプレイパネルであっ
    て、 前記青色蛍光体層が配設されたセルのみを点灯させたと
    きの発光色は、CIE表色系の色度座標yが0.08以
    下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル。
  21. 【請求項21】 請求項1〜18のいずれかの製造方法
    で製造され、青色蛍光体層が配設されたセルを含む複数
    のセルが配設されたプラズマディスプレイパネルであっ
    て、 前記青色蛍光体層が配設されたセルのみを点灯させたと
    きの発光スペクトルは、ピーク波長が455nm以下で
    あることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  22. 【請求項22】 請求項1〜18のいずれかの製造方法
    で製造され、複数のセルが配設されたプラズマディスプ
    レイパネルであって、 すべてのセルを同一電力条件で点灯させたときの発光色
    の色温度が9000K以上であることを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネル。
  23. 【請求項23】 請求項1〜18のいずれかの製造方法
    で製造され、青色蛍光体層及び緑色蛍光体層を含む蛍光
    体層が配設されたセルが複数配設されたプラズマディス
    プレイパネルであって、 前記青色蛍光体層が配設されたセルを点灯させた時の発
    光スペクトルのピーク強度が、前記緑色蛍光体層が配設
    されたセルを同一条件で点灯させた時の発光スペクトル
    のピーク強度に対して0.8以上であることを特徴とす
    るプラズマディスプレイパネル。
  24. 【請求項24】 請求項18の製造方法で製造され、青
    色蛍光体層が配設されたセルを含む複数のセルが配設さ
    れたプラズマディスプレイパネルであって、 前記BaMgAl1017:Euのa軸長に対するc軸長
    の比が4.0218以下であることを特徴とするプラズ
    マディスプレイパネル。
  25. 【請求項25】 請求項18の製造方法で製造され、青
    色蛍光体層が配設されたセルを含む複数のセルが配設さ
    れたプラズマディスプレイパネルであって、前記BaM
    gAl1017:Euは、 昇温脱離ガス質量分析するときに、200℃以上の領域
    で現れる脱離H2Oの分子数のピーク値が1×1016
    /g以下であることを特徴とするプラズマディスプレイ
    パネル。
  26. 【請求項26】 請求項1〜18のいずれか記載の製造
    方法で製造されたプラズマディスプレイパネルと、駆動
    回路とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
  27. 【請求項27】 対向面の外周部に封着材層を介挿させ
    た状態で前面板及び背面板を重ね合わせてなるパネルを
    加熱することによって封着するプラズマディスプレイパ
    ネル用封着装置であって、 前記パネルの外周部から内部空間に向かう方向に加熱ガ
    スを流通させるガス流通機構を備えることを特徴とする
    プラズマディスプレイパネル用封着装置。
JP2000153737A 1999-05-28 2000-05-24 プラズマディスプレイパネルの製造方法 Expired - Fee Related JP3366895B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000153737A JP3366895B2 (ja) 1999-05-28 2000-05-24 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14989699 1999-05-28
JP23381899 1999-08-20
JP11-339199 1999-11-30
JP11-149896 1999-11-30
JP33919999 1999-11-30
JP11-233818 1999-11-30
JP2000153737A JP3366895B2 (ja) 1999-05-28 2000-05-24 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002267118A Division JP2003109503A (ja) 1999-05-28 2002-09-12 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001222952A true JP2001222952A (ja) 2001-08-17
JP3366895B2 JP3366895B2 (ja) 2003-01-14

Family

ID=27472981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000153737A Expired - Fee Related JP3366895B2 (ja) 1999-05-28 2000-05-24 プラズマディスプレイパネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3366895B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003068198A (ja) * 2001-08-28 2003-03-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 表示装置
JP2003068207A (ja) * 2001-08-23 2003-03-07 Nec Corp プラズマディスプレイパネル
WO2003102995A1 (fr) * 2002-06-03 2003-12-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de production d'un ecran d'affichage a plasma et dispositif de cuisson associe
US7230376B2 (en) 2002-11-26 2007-06-12 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel having sealing structure for reducing noise
JP2008269939A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2010027389A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2010129302A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Ulvac Japan Ltd プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
US20100291829A1 (en) * 2009-05-13 2010-11-18 Yoshimasa Takii Method for producing plasma display panel

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003068207A (ja) * 2001-08-23 2003-03-07 Nec Corp プラズマディスプレイパネル
JP2003068198A (ja) * 2001-08-28 2003-03-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd 表示装置
WO2003102995A1 (fr) * 2002-06-03 2003-12-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de production d'un ecran d'affichage a plasma et dispositif de cuisson associe
US7125304B2 (en) 2002-06-03 2006-10-24 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd Method of manufacturing plasma display panel and firing apparatus
US7230376B2 (en) 2002-11-26 2007-06-12 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel having sealing structure for reducing noise
US7629746B2 (en) 2002-11-26 2009-12-08 Samsung Sdi Co., Ltd. Plasma display panel having sealing structure for reducing noise
JP2008269939A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Nippon Hoso Kyokai <Nhk> プラズマディスプレイパネルおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2010027389A (ja) * 2008-07-18 2010-02-04 Panasonic Corp プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP4579318B2 (ja) * 2008-07-18 2010-11-10 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネルの製造方法
US8113899B2 (en) 2008-07-18 2012-02-14 Panasonic Corporation Method for producing plasma display panel
JP2010129302A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Ulvac Japan Ltd プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
US20100291829A1 (en) * 2009-05-13 2010-11-18 Yoshimasa Takii Method for producing plasma display panel

Also Published As

Publication number Publication date
JP3366895B2 (ja) 2003-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100742854B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널의 제조방법
JP2002008533A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
KR100723752B1 (ko) 발광특성이 뛰어난 플라즈마 디스플레이 패널의 제조방법
JP3366895B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
KR100723751B1 (ko) 가스방전 발광장치 및 그 제조방법
JP3372028B2 (ja) プラズマディスプレイパネル、その製造方法及び製造装置
JP2003109503A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3553903B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3420218B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3410681B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP3564418B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置
JP3219075B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP3540764B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3553902B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置
JP2001351532A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3876689B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2001319583A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP4759882B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3219080B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP3522712B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP3298551B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2004063188A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2004063187A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2002075194A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081101

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091101

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091101

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101101

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111101

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121101

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131101

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees