JP3522712B2 - プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル及びその製造方法

Info

Publication number
JP3522712B2
JP3522712B2 JP2001148476A JP2001148476A JP3522712B2 JP 3522712 B2 JP3522712 B2 JP 3522712B2 JP 2001148476 A JP2001148476 A JP 2001148476A JP 2001148476 A JP2001148476 A JP 2001148476A JP 3522712 B2 JP3522712 B2 JP 3522712B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
space
plasma display
display panel
discharge
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001148476A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001332174A (ja
Inventor
博行 加道
正樹 青木
光弘 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2001148476A priority Critical patent/JP3522712B2/ja
Publication of JP2001332174A publication Critical patent/JP2001332174A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3522712B2 publication Critical patent/JP3522712B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータのモ
ニタおよびテレビ等の画像表示に用いるプラズマディス
プレパネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下では、従来のプラズマディスプレイ
パネルについて図面を参照しながら説明する。図22は
交流型(AC型)のプラズマディスプレイパネル(以
下、「PDP」と記載する。)の概略を示す断面図であ
る。図22において、210は前面ガラス基板であり、
この前面ガラス基板210上に放電電極211が形成さ
れている。さらに、放電電極211は、誘電体ガラス層
212及び酸化マグネシウム(MgO)からなる誘電体
保護層213により覆われている(例えば特開平5−3
42991号公報参照)。
【0003】また、220は背面ガラス基板であり、こ
の背面ガラス基板220上には、アドレス電極221、
これを覆う可視光反射層222及び隔壁223、蛍光体
層224が設けられており、230が放電ガスを封入す
る放電空間となっている。前記蛍光体層はカラー表示の
ために、赤、緑、青の3色の蛍光体層が順に配置されて
いる。上記の各蛍光体層224は、放電によって発生す
る波長の短い紫外線(例えば、波長147nm)により
励起発光する。
【0004】蛍光体層224を構成する蛍光体として
は、一般的に以下の材料が用いられている。 「青色蛍光体」 : BaMgAl1017:Eu 「緑色蛍光体」 : ZnSiO:MnまたはBa
Al1219:Mn 「赤色蛍光体」 : Y:Eu又は(YGd
1−x)BO:Eu 以下従来のPDPの製造方法について説明する。
【0005】まず、前面ガラス基板上に放電電極を形成
し、これを覆うように誘電体ガラスからなる誘電体層を
形成し、さらにこの誘電体層の上にMgOからなる保護
層を形成する。次に、背面ガラス基板上にアドレス電極
を形成し、その上に誘電体ガラスからなる可視光反射層
と、ガラス製の隔壁を所定のピッチで作成する。これら
の隔壁に挟まれた各空間内に、上述したようにして作製
した赤色蛍光体,緑色蛍光体,青色蛍光体を含む各色蛍
光体ペーストをそれぞれ配設することによって蛍光体層
を形成し、形成後500℃程度で蛍光体層を焼成し、ペ
ースト内の樹脂成分等を除去する(蛍光体焼成工程)。
【0006】蛍光体焼成後、背面ガラス基板の周囲に前
面ガラス基板との封着用ガラスフリットを塗布し、ガラ
スフリット内の樹脂成分等を除去するために350℃程
度で仮焼する(封着用ガラス仮焼工程)。その後、放電
電極、誘電体ガラス層および保護層を順次形成した前面
ガラス基板と、前記背面ガラス基板を隔壁を介して表示
電極とアドレス電極が直交するよう対向配置し、450
℃程度で焼成し、封着ガラスによって、周囲を密封する
(封着工程)。
【0007】その後、所定の温度(350℃程度)まで
に加熱しながらパネル内を排気し(排気工程)、終了後
に放電ガスを所定の圧力だけ導入する。このように各工
程を経て作製されたパネルでは、点灯の初期段階におい
て大きな発光特性または放電特性の経時変化が現れる。
従って、作製したパネルを所定の時間だけ放電させるこ
とによって、発光特性及び放電特性を安定化させる必要
がある。このような発光特性及び放電特性を安定化させ
るための処理はエージング処理と呼ばれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プラズマディスプレイパネルの製造方法においては、前
記のように発光特性及び放電特性を安定化させるエージ
ング工程において、特に発光特性が劣化するという課題
が存在する。この原因の1つとして、使用している蛍光
体が劣化するという問題があった。特に青色蛍光体とし
て使用しているBaMgAl1017:Euがその他
の色の蛍光体に比べてエージング工程で劣化しやすく、
発光強度低下ならびに発光色度の劣化を起こす原因とな
っていた。
【0009】そこで、本発明は、上記した問題に鑑みて
なされたものであって、パネルの製造工程に必要なエー
ジング工程を通しても、蛍光体の劣化がほとんど発生せ
ず、比較的高い発光効率で動作し、かつ色再現性の良好
なプラズマディスプレイパネルを提供することを目的と
するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、少なくとも一方に放電電極が配され、少なくとも一
方の内表面に蛍光体層が形成された前面板と背面板とを
内部に内部空間を有する状態で封着し、その後放電ガス
を内部空間に存在させた状態で前記放電電極に放電所要
電圧を印加してエージング処理を行って製造するプラズ
マディスプレイパネルの製造方法であって、前記エージ
ング処理後に、蛍光体層を形成する蛍光体を加熱する加
熱処理を行うことを特徴とする。
【0011】エージング処理後の加熱処理では、より高
い温度にまで蛍光体を加熱することが望ましく、具体的
には蛍光体を300℃以上まで加熱することが望まし
い。また、蛍光体を370℃以上まで加熱することがよ
り望ましく、更には蛍光体を400℃以上、また更には
500℃以上まで加熱することがより望ましい。蛍光体
を加熱する方法として、パネル全体を加熱炉を用いて所
定の温度に加熱する方法や、蛍光体が配されたパネル部
分にレーザ光を局所的に照射して加熱する方法、内部空
間内に加熱した熱媒体を流すことにより加熱する方法な
どが考えられる。パネル全体を加熱炉を用いて加熱する
場合には、加熱温度がパネルの前面板と背面板とを封着
するために使用する封着ガラスの軟化点を超えない温度
までしか加熱できないが、レーザ光を照射して局所的に
加熱する場合及び熱媒体を用いて局所的に加熱する場合
には、更に高い温度にまで加熱することができる。
【0012】エージング処理後の加熱処理(加熱炉内で
加熱する場合及びレーザ光で加熱する場合)は、内部空
間内のガスを排出しながら加熱することがより望まし
い。エージング処理後(加熱炉内で加熱する場合及びレ
ーザ光で加熱する場合)に、内部空間内のガスを排出
し、乾燥ガスを導入した後にパネルを加熱することもで
きる。ここで、エージング処理後の加熱処理(加熱炉内
で加熱する場合及びレーザ光で加熱する場合)におい
て、パネルに形成された少なくとも2カ所以上の通気口
を通して、前記内部空間に乾燥ガスを流しながら加熱す
ることもできる。
【0013】次に、乾燥ガスには不活性ガスを用いるこ
とができる。また、乾燥ガスには酸素を含むことが望ま
しい。ここで、エージング処理後の加熱処理(加熱炉内
で加熱する場合、レーザ光で加熱する場合及び熱媒体で
加熱する場合)で加熱した内部空間から、加熱状態のま
ま、導入した乾燥ガスを排気することもできる。
【0014】なお、放電空間にガスを流した状態で加熱
処理を行う場合(放電空間内にガスを流しながら加熱炉
内で加熱する場合、放電空間内にガスを流しながらレー
ザ光で加熱する場合及び熱媒体で加熱する場合)、加熱
処理に供するパネル構造は、上記したような放電空間に
積極的にガスを流す構造とすれば、放電空間内のガスの
交換性が高くなるのでより望ましい。
【0015】以上の製造方法によれば、特に青色蛍光体
の劣化が抑制されるため、発光特性に優れたプラズマデ
ィスプレイパネルが得られ、具体的には、すべてのセル
を同一条件で点灯させたときの発光色の色温度が、70
00K以上であるプラズマディスプレイパネルが得られ
る。また、青色及び緑色蛍光体層が配設されたセルを同
一電力条件で点灯させたときの発光スペクトルのピーク
強度比が、青色/緑色≧0.8であるプラズマディスプ
レイパネルが得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】[実施形態1]図1は、実施の形
態に係る交流面放電型PDPを示す要部斜視図であっ
て、本図ではPDPの中央部にある表示領域を部分的に
示している。このPDPは、前面ガラス基板11の対向
面上に放電電極12(走査電極12aと維持電極12b
との対)、誘電体層13、保護層14が配されてなる前
面パネル基板10と、背面ガラス基板21の対向面上に
アドレス電極22、可視光反射層23が配された背面パ
ネル基板20とが、放電電極12とアドレス電極22と
を対向させた状態で互いに平行に間隔をおいて配されて
構成されている。そして、前面パネル基板10と背面パ
ネル基板20との間隙は、ストライプ状の隔壁24で仕
切られることによって放電空間30が形成され、当該放
電空間30内には放電ガスが封入されている。
【0017】また、この放電空間30内において、背面
パネル基板20側には、蛍光体層25が配設されてい
る。なお、蛍光体層25は、赤,緑,青の順で繰返し並
べられている。放電電極12及びアドレス電極22は、
共にストライプ状であって、放電電極12は隔壁24と
直交する方向に、アドレス電極22は隔壁24と平行に
配されている。そして、放電電極12とアドレス電極2
2が交差するところに、赤,緑,青の各色を発光するセ
ルが形成されたパネル構成となっている。
【0018】アドレス電極22は、金属電極(例えば、
銀電極あるいはCr−Cu−Cr電極)である。放電電
極12は、ITO,SnO,ZnO等の導電性金属酸
化物からなる幅広の透明電極の上に、細い幅のバス電極
(銀電極,Cr−Cu−Cr電極)を積層させた電極構
成とするのが、表示電極の抵抗を低く且つセル内の放電
面積を広く確保する上で好ましいが、アドレス電極22
と同様に銀電極とすることもできる。
【0019】誘電体層13は、前面ガラス基板11の放
電電極12が配された表面全体を覆って配設された誘電
物質からなる層であって、一般的に、鉛系低融点ガラス
が用いられているが、ビスマス系低融点ガラス、或は鉛
系低融点ガラスとビスマス系低融点ガラスの積層物で形
成しても良い。保護層14は、酸化マグネシウム(Mg
O)からなる薄層であって、誘電体層13の表面全体を
覆っている。
【0020】可視光反射層23は、誘電体層13と同様
のものであるが、可視光反射層としての働きも兼ねるよ
うにTiO粒子が混合されている。隔壁24は、ガラ
ス材料からなり、背面パネル基板20の可視光反射層2
3の表面上に突設されている。蛍光体層25を構成する
蛍光体材料として、ここでは、 青色蛍光体: BaMgAl1017:Eu 緑色蛍光体: ZnSiO:Mn 赤色蛍光体: Y:Eu又は(YGd1−x
BO:Eu を用いることとする。
【0021】これらの蛍光体材料の組成は、従来からP
DPに用いられているものと同じではあるが、従来のP
DPにおける蛍光体層と比べて、製造工程で蛍光体が受
けた熱劣化の度合が少ないため、発光色がより良好であ
る。即ち、従来の一般的なPDPでは、青色セルのみを
点灯させたときの発光色の色度座標y(CIE表色系)
が0.085以上であって、色補正なしの白バランスで
色温度が6000K程度であるのに対し、本実施の形態
のPDPでは、青色セルのみを点灯させたときの発光色
の色度座標yは、0.08以下であって、更に0.06
以下とすることもでき、これにより、色補正なしの白バ
ランスで色温度を7000K〜11000K程度とする
ことが可能となる。また、青色セルの色度座標yを小さ
くするに従って、青色付近における色再現域の広いPD
Pを実現することができる。このように色温度6000
Kを超える色温度を実現できる青色蛍光体の発光スペク
トルは、発明者等が実験的に確認したところによれば、
ピーク波長が455nm以下のスペクトル特性を有する
ことが必要となる。つまり、455nmを超えるような
長波長にピーク波長がシフトすると、緑色に近くなり色
再現性が悪くなる。なお、この発光スペクトル特性は、
青色蛍光体だけを発光させた場合のスペクトル特性であ
る。
【0022】次に、本実施の形態では、40インチクラ
スのハイビジョンテレビに合わせて、誘電体層13の膜
厚は20μm程度、保護層14の膜厚は1.0μm程度
とする。また、隔壁24の高さは0.1〜0.15m
m、隔壁ピッチは0.15〜0.3mm、蛍光体層25
の膜厚は5〜50μmとする。また、封入する放電ガス
は、Ne−Xe系で、Xeの含有量は5体積%とし、封
入圧力は500〜800Torrの範囲に設定する。
【0023】PDPの駆動時には、図21に示すよう
に、PDPに各ドライバ及びパネル駆動回路300を接
続して、点灯させようとするセルの走査電極12aとア
ドレス電極22間に印加してアドレス放電を行った後
に、走査電極12a、維持電極12b間にパルス電圧を
印加して維持放電を行う。そして、当該セルで放電に伴
って紫外線を発光し、蛍光体層で可視光に変換する。こ
のようにしてセルが点灯することによって画像が表示さ
れる。
【0024】〔PDPの製造方法について〕以下、上記
構成のPDPを製造する方法について説明する。 (前面パネル基板の作製)前面パネル基板10は、前面
ガラス基板11上に、透明電極形成用のペーストをスク
リーン印刷により塗布したものに、銀電極用のペースト
をスクリーン印刷で透明電極上に塗布、焼成することに
より放電電極12を形成する。そして、その上を覆うよ
うに、鉛系のガラス材料(その組成は、例えば、酸化鉛
[PbO]70重量%,酸化硼素[B]15重量
%,酸化硅素[SiO]15重量%。)を含むペース
トをスクリーン印刷法で塗布し焼成することによって、
誘電体層13を形成し、更に誘電体層13の表面にCV
D法(化学蒸着法)で酸化マグネシウム(MgO)から
なる保護層14を形成することによって作製する。
【0025】(背面パネル基板の作製)背面パネル基板
は、背面ガラス基板21上に、銀電極用のペーストをス
クリーン印刷しその後焼成する方法によってアドレス電
極22を形成し、その上に、TiO粒子と誘電体ガラ
ス粒子とを含むペーストをスクリーン印刷法で塗布して
焼成することによって可視光反射層23を形成し、同じ
くガラス粒子を含むペーストをスクリーン印刷法を用い
て所定のピッチで繰返し塗布した後、焼成することによ
って隔壁24を形成する。なお、この隔壁24の形成と
同時に、封着用ガラスの流れを塞き止める隔壁を背面ガ
ラス基板上で隔壁24の形成領域周囲に形成することが
望ましい。このように流れ止め隔壁を形成することで、
封着時に封着用のガラスが基板の内周側に向けて流れる
ことが防止できるからである。
【0026】そして、赤色,緑色,青色の各色蛍光体ペ
ーストを作製し、これを隔壁24どうしの間隙にスクリ
ーン印刷法で塗布し、空気中で焼成することによって各
色蛍光体層25を形成する。ここで用いる各色蛍光体ペ
ーストは、以下のようにして作製することができる。
【0027】青色蛍光体(BaMgAl1017:E
u)は、原料として、炭酸バリウム(BaCO)、炭
酸マグネシウム(MgCO)、酸化アルミニウム(α
−Al)をBa,Mg,Alの原子比で1対1対
10になるように配合する。次に、この混合物に対して
所定量の酸化ユーロピウム(Eu)を添加する。
そして、適量のフラックス(AlF,BaCl)と
共に混合機(例えば、ボールミル)で混合し、還元雰囲
気(H,N中)下、所定時間(例えば、0.5時
間)、温度1400℃〜1650℃で焼成することによ
って得られる。
【0028】赤色蛍光体(Y:Eu)は、原料と
して、水酸化イットリウムY(OH)に対して所定
量の酸化ユーロピウム(Eu)を添加したものを
用いる。そして、適量のフラックスと共に混合機(例え
ば、ボールミル)で混合し、空気中で、所定時間(例え
ば1時間)、温度1200℃〜1450℃で焼成するこ
とによって得られる。
【0029】緑色蛍光体(ZnSiO:Mn)は、
原料として、酸化亜鉛(ZnO)、酸化珪素(Si
)をZn,Siの原子比2対1になるように配合す
る。次に、この混合物に所定量の酸化マンガン(Mn
)を添加する。そして、混合機(例えば、ボールミ
ル)で混合後、空気中で、所定時間(例えば0.5時
間)、温度1200℃〜1350℃で焼成することによ
って得られる。
【0030】このように作製された各色蛍光体を、粉砕
後ふるい分けすることによって、所定の粒径分布を有す
る各色蛍光体粒子が得られる。この各色蛍光体粒子をバ
インダ及び溶剤と混合することによって、各色蛍光体ペ
ーストが得られる。なお、蛍光体層25を形成する際に
は、上記のスクリーン印刷法による方法以外に、蛍光体
インキをノズルから吐出させながら走査する方法、ある
いは、各色の蛍光体材料を含有する感光性樹脂のシート
を作製し、これを背面ガラス基板21の隔壁24を配し
た側の面に貼り付け、フォトリソグラフィでパターニン
グし現像することにより不要な部分を除去する方法によ
っても形成することができる。
【0031】(前面パネル基板と背面パネル基板の封
着)このように作製した前面パネル基板10及び背面パ
ネル基板20のどちらか一方または両方に封着用ガラス
(ガラスフリット)を塗布し、仮焼成して封着用ガラス
層を形成し、前面パネル基板10の放電電極12と背面
パネル基板20のアドレス電極22とが直交して対向す
るように重ね合わせ、両基板20及び30を加熱して封
着ガラス層を軟化させることによって封着する。
【0032】そして、封着したパネル基板の内部空間か
ら排気しながらパネルを焼成することによって、一旦、
この内部空間からガスを抜く。そして、この内部空間に
放電ガスを封入する。この仮焼、封着工程について以下
に詳細に説明する。図2は、仮焼、封着工程に用いる封
着装置の構成を模式的に示す図である。
【0033】この封着装置40は、前面パネル基板10
及び背面パネル基板20を加熱する加熱炉41に、加熱
炉41内へ導入する雰囲気ガスの導入量を調整するガス
導入弁42、加熱炉41から排出するガスの排出量を調
整するガス排出弁43等が取り付けられて構成されてい
る。加熱炉41内は、ヒータ(不図示)によって高温に
加熱できるようになっている。また、加熱炉41内に
は、前面パネル基板及び背面パネル基板が加熱される雰
囲気を形成する雰囲気ガス(例えば水蒸気分圧が20T
orr程度の乾燥空気。なお、以下の「乾燥ガス」、
「乾燥空気」という用語は、水蒸気分圧(露点)が20
Torr(22℃)以下のガス、空気を意味する。)
を、ガス導入弁42から導入することができ、ガス排出
弁43から真空ポンプ(不図示)で排気して加熱炉41
内を高真空にできるようにもなっている。そして、この
ガス導入弁42及びガス排出弁43で加熱炉41内の真
空度を調整することができる。なお、雰囲気ガス供給源
から加熱炉41への間には、雰囲気ガスを低温(マイナ
ス数十度)に冷却して水分を凝結させることによって除
去するガス乾燥器(不図示)が設けられている。そし
て、雰囲気ガスがこのガス乾燥器を経由することによっ
て、雰囲気ガス中の水蒸気量(水蒸気分圧)がコントロ
ールされる。
【0034】加熱炉41の中には、前面パネル基板10
と背面パネル基板20を重ね合わせて載置する載置台4
4が設けられ、この載置台44の上部には、背面パネル
基板20を平行移動させる移動ピン45が設置されてい
る。また、載置台44の上方には、背面パネル基板20
を下方に押圧するための押圧機構46が設置されてい
る。
【0035】また、背面ガラス基板21の外周部には通
気口21aが設けられており、この通気口21aにはガ
ラス管26が取り付けられ、このガラス管26に、加熱
炉41の外部から挿設された配管48が接続されてい
る。図3は、加熱炉41の内部の構成を示す斜視図であ
る。なお、図2,3において、背面パネル基板20は、
隔壁の方向が図面横方向に沿うように配置されている。
【0036】図2,3に示すように、隔壁の方向(図面
横方向)において、背面パネル基板20は、前面パネル
基板10よりも若干長く設定されており、背面パネル基
板20の両端部が前面パネル基板10の両端部より外方
にはみ出している(なお、このはみ出し部分には、アド
レス電極22を駆動回路に接続するための引出し線が配
設されている。)。そして、移動ピン45及び押圧機構
46は、載置台44上に載置される背面パネル基板20
のはみ出し部分を、背面パネル基板20の4角付近にお
いて上下から挟みこむように配置されている。
【0037】4つの移動ピン45は、ピン上端が載置台
44の上面から上方に突き出ており、載置台44の内部
に設けられたピン昇降機構(不図示)によって同時に昇
降できるようになっている。4つの押圧機構46の各々
は、加熱炉41の上部に固着されている円筒状の支持部
46aと、支持部46aの内側を上下移動可能な状態で
支持されているスライド部46bと、支持部46aの内
部にあってスライド部46bを下方に付勢するバネ46
cとから構成され、バネ46cの付勢力によりスライド
部46bの下端が背面パネル基板20を押圧するように
なっている。
【0038】図4は、この封着装置を用いて予備加熱工
程及び封着工程を行う際の動作を示す図である。本図を
参照しながら、仮焼、予備加熱、封着工程について説明
する。 仮焼工程:予め、前面パネル基板10の対向面(背面パ
ネル基板20と対向する面)の外周部、あるいは背面パ
ネル基板20の対向面(前面パネル基板10と対向する
面)の外周部、あるいは前面パネル基板10及び背面パ
ネル基板20両方の対向面の外周部に、封着用ガラスペ
ーストを塗布することによって封着用ガラス層15を形
成しておく(なお、図では、封着ガラス層15は前面パ
ネル基板10の対向面に形成されている。)。
【0039】そして、前面パネル基板10及び背面パネ
ル基板20を位置合わせして重ね合わせた状態で、載置
台44上の定位置に載置し、押圧機構46をセットして
背面パネル基板20を押える(図4(a)参照)。次
に、加熱炉41内に雰囲気ガス(乾燥空気)を流通させ
ながら(もしくはガス排出弁43からの真空排気を併用
しながら)、以下の操作を行う。
【0040】移動ピン45を上昇させ、背面パネル基板
20を上方に押し上げて平行移動させる(図4(b)参
照)。これによって前面パネル基板10及び背面パネル
基板20の対向面の間隙が広がり、背面パネル基板20
の蛍光体層25が配された面は、加熱炉41内の広い空
間に開放されることになる。この状態で加熱炉41内を
仮焼温度(350℃程度)まで加熱昇温し、この仮焼温
度で10〜30分間程度保持することによって仮焼す
る。
【0041】予備加熱工程:パネル基板10,20を更
に加熱昇温して、パネル基板10,20に吸着されてい
るガスを放出させる。そして、所定の温度(例えば40
0℃)に達したら、予備加熱工程を終える。 封着工程:続いて、移動ピン45を降下させて、背面パ
ネル基板20を前面パネル基板10に再度重ね合わせ
る。このとき、背面パネル基板20は、もとのように位
置合わせした状態で重ね合わせられる(図4(c)参
照)。
【0042】そして、加熱炉41内の温度が、封着ガラ
ス層15の軟化点より高い封着温度(450℃前後)に
達したら、10〜20分間その封着温度に維持する。こ
のとき、軟化した封着用ガラスによって、前面パネル基
板10と背面パネル基板20の外周部が封着される。こ
の間、押圧機構46によって背面パネル基板20は前面
パネル基板10に押えつけられているので、安定した封
着が行える。
【0043】本実施形態の封着方法は、従来の封着方法
と比べて、以下のような効果を奏する。通常、前面パネ
ル基板や背面パネル基板には、水蒸気などのガスが吸着
されているが、これらの基板を加熱昇温すると、吸着さ
れているガスが放出される。従来の一般的な製造方法で
は、仮焼工程の後、封着工程では、前面パネル基板と背
面パネル基板とを室温で重ね合わせてから加熱昇温して
封着するので、この封着工程時に、前面パネル基板と背
面パネル基板に吸着されているガスが放出される。仮焼
工程において、基板に吸着されているガスがある程度抜
けても、その後、封着工程開始時まで大気中で室温にす
ることによって再びガスが吸着されるので、封着工程に
おいてガスの放出は生じる。そして、放出されたガスが
狭い内部空間内に閉じ込められる。このとき、内部空間
における水蒸気分圧は、通常20Torr以上になるこ
とが測定の結果わかっている。
【0044】そのため、内部空間に臨んでいる蛍光体層
25がガスの影響(特に保護層14から放出される水蒸
気の影響)で熱劣化しやすい。そして、蛍光体層(特に
青色蛍光体層)が熱劣化すると発光強度が低下する。こ
れに対して、本実施形態の製造方法によれば、封着工程
や予備加熱工程によって前面パネル基板10及び背面パ
ネル基板20に吸着されている水蒸気などのガスが放出
されるが、このとき両パネル基板10、20間に広い間
隙が形成されているため、発生するガスが内部空間に閉
じ込められることはない。そして、予備加熱後、両パネ
ル基板10、20が加熱された状態で封着されるため、
予備加熱の後で両パネル基板10、20に水分などが吸
着することもない。よって、封着時に両パネル基板1
0、20から発生するガスは少なくなり、蛍光体層25
の熱劣化が防止されることになる。
【0045】更に、本実施の形態では、予備加熱工程か
ら封着工程までを、乾燥空気が流通する雰囲気で行って
いるので、雰囲気ガス中の水蒸気によって蛍光体層25
の熱劣化が生じることもない。また、上記のように封着
装置40を用いることにより、最初に前面パネル基板1
0と背面パネル基板20を位置合わせしておけば、位置
合せされた状態で封着がなされる。
【0046】次に、冷却後、加熱炉41からパネルを取
り出し、エージング処理用の駆動回路等を放電電極に接
続してエージング処理を行って発光特性及び放電特性を
安定化させる。図5は本実施の形態におけるエージング
工程を行うためのエージング装置50の構成を模式的に
示す図である。エージング装置50は、パネル51の内
部空間51aに放電ガスを流すための配管52a,52
b、パネル51の内部空間51aの放電ガス圧を調整す
るバルブ53a,53b、および放電電圧をパルス状に
印加するための駆動回路54から構成される。
【0047】アドレス電極、可視光反射層、隔壁および
蛍光体層が形成された背面パネル基板55には表示領域
を避けてパネルの内部空間と連通する通気口56が2ヶ
所以上設けられており(この通気口は、前記通気口21
aに加えて新たに設けたものを含む。)、これらの通気
口56にはガラス管57が取り付けられ、図示しない載
置台の上に載置されている。そして、ガラス管57と放
電ガスを流すための配管52a,52bとを接続する。
接続後、パネル51の内部空間を配管52bを通して真
空にした後に、配管52aより放電ガス59を導入し、
その後所定の圧力を保ちながら所定の流量で放電ガスが
流れ続けるようにバルブ53a,53bを調整する。な
お、放電ガスの流量はできるだけ一定の流量になるよう
に流すことが望ましい。これは、流量が変動すると、放
電電圧が変動するからである。もっとも、予め変動量を
見越して大き目の放電電圧を印加すれば、放電ガスの流
量が変動しそれにより放電電圧が変動しても放電が生じ
ないということは回避できる。
【0048】前記通気口56は、図のように2ヶ所に設
ける場合には、背面パネル基板55の隔壁を介して対角
線上の面上に設けることが望ましい。このように設ける
ことによって、パネル内に送り込むガスの流れが良好な
ものとなるからである。本実施の形態では、内部空間を
流す放電ガスとして乾燥させたHe、Ne、Ar、Xe
またはこれらの混合不活性ガスを用い、放電ガス圧力を
100〜760Torr程度に設定する。
【0049】ガス圧力の調整後、パネル内にガスを流し
た状態で駆動回路54を用いて前面パネル基板58に形
成された放電電極に所定の電圧を印加し、パネル51内
部で放電を発生させ、所定の時間、エージングを行う。
前記のように放電ガスを流しながら放電を継続すること
により、内部で発生した水蒸気を含むガスを排出するこ
とができ、従来エージング中に発生した蛍光体の発光特
性劣化を抑えることができる。
【0050】また、パネル内に導入する放電ガスとして
乾燥したガスを用いているので、放電ガス中の水蒸気と
蛍光体とが接触することによって生じる熱的劣化をも抑
えることができる。このような効果を奏するためには前
記エージング工程において、パネル51の内部の隔壁に
より仕切られた非常に狭いライン状の空間内で発生する
ガスを効率良く排出することが重要である。そのために
は、導入した放電ガスが前記隔壁により仕切られたライ
ン状の空間を安定に流れる必要があり、図6〜図12に
示すようなパネル構成が有利となる。なお、ストライプ
状の隔壁はパネル全面に設けられているが、図6〜図1
2にはストライプ状の隔壁の両サイドの数本のみを示し
ている。
【0051】図6は、隔壁61と垂直方向の封着用ガラ
ス層62と隔壁端部63との最短間隔が、隔壁61と平
行方向の封着用ガラス層64と隣接する隔壁61との最
短間隔よりも広い構成のパネルであり、通気口65aか
ら導入された放電ガスが、隔壁端部の上(図面上)にで
きた空間66aに広がって、安定に隔壁間の空間67を
流れた後に、隔壁端部の下(図面上)にできた空間66
bを通って通気口65bから排出され、内部で発生した
ガスを効率良く排出でき、エージング工程での蛍光体劣
化を抑えることができる。
【0052】この構成では隔壁61と垂直方向の封着用
ガラス層62と隔壁端部63との最短間隔が、隔壁61
と平行方向の封着用ガラス層64と隣接する隔壁61と
の最短間隔よりも広くなればなるほど、導入ガスがより
安定に隔壁間の空間67を流れるようになる。これは、
このようにすることによって通気口65aから導入され
たガスが通気口65a近傍で隔壁端部の上側(図面上)
の空間66aに広がり、そこから空間67への分配及び
空間67からの排出が行われやすくなるからである。こ
こで、図7に示すように隔壁と平行方向の封着用ガラス
層64と隣接する隔壁61とが少なくとも一部分で接触
している構成が最も効果的である。これは、両端に位置
する隔壁の外側では放電が生じないので、この部分には
ガスを流す必要はないので、この部分のガスの流れを遮
るようにすれば、エージング時に放電を生じる放電空間
においてより効率良くガスの導出を行えるからである。
【0053】なお、空間66aにおいて、隔壁端部と封
着用ガラスとの距離が問題となるのはガスがパネル内に
入ってくる通気口65aに近い部分であって、通気口か
らもっとも遠く位置する隔壁の端部63は封着用ガラス
層と接触していても通気口65aから空間66aに流れ
込んだガスが空間67に分配されるので、なんらガスの
流通性を妨げるものではない。つまり、通気口65aに
近い部分の空間が狭いと、より流れやすい広い空間にガ
スが流れ込んで、空間67へうまくガスが分配されなく
なってしまうのである。以下、隔壁の上側の空間におい
て隔壁端部と封着用ガラス層(或いは流れ止め用隔壁)
との距離を論じる場合には、ガスが入ってくる通気口か
らもっとも遠く位置する隔壁以外の隔壁の端部との距離
をいう。
【0054】同様に、空間66bにおいて、隔壁端部と
封着用ガラスとの距離が問題となるのはガスがパネル内
から出て行く通気口65bに近い部分であって、通気口
からもっとも遠く位置する隔壁の端部63は封着用ガラ
ス層と接触していても空間66bのガスは通気口65b
から排出されるので、なんらガスの流通性を妨げるもの
ではない。つまり、通気口65bに近い部分の空間が狭
いと、より流れやすい広い空間にガスは流れるので、通
気口65bからのガスの排出効率は低くなってしまうの
である。以下、隔壁の下側の空間において隔壁端部と封
着用ガラス層(或いは流れ止め用隔壁)との距離を論じ
る場合には、ガスが出て行く通気口からもっとも遠く位
置する隔壁以外の隔壁の端部との距離をいう。
【0055】更に、ガスが排出される側の空間66bに
おいて、隔壁端部と封着用ガラスとの間隔が狭いと空間
67を流れるガスが空間66bを通って通気口65bか
ら排出されにくくなるが、空間66aにおいて隔壁端部
と封着用ガラスとの距離を上記のように規定した場合に
は、そのぶん空間67へのガスの分配効率は向上する効
果は得られる。もちろん、空間66bにおいて隔壁端部
と封着用ガラスとの距離を上記のように規定すると、空
間67から空間66bへの排出効率が向上することにな
るので、空間67におけるガスの流れをより効率良く行
わせるには、上記のように、空間66a、66b双方に
おいて上記のように隔壁端部と封着用ガラスとの距離を
規定することが望ましい。
【0056】図8は、封着用ガラス層62、64が封着
時にパネル内部へ流れ込むのを防止するための流れ止め
用隔壁81、82が、封着用ガラス層62,64とスト
ライプ状の隔壁61との間に形成されており、ストライ
プ状の隔壁61と垂直方向の流れ止め用隔壁81と、ス
トライプ状の隔壁端部63との最短間隔が、ストライプ
状の隔壁61と平行方向の流れ止め用隔壁82と、隣接
するストライプ状の隔壁61との最短間隔よりも広い構
成のパネルであり、通気口65aから導入された放電ガ
スが、隔壁端部の上(図面上)にできた空間66aに広
がって、安定に隔壁間の空間67を流れた後に、隔壁端
部の下(図面上)にできた空間66bを通って通気口6
5bから排出され、内部で発生したガスを効率良く排出
でき、エージング工程での蛍光体劣化を抑えることがで
きる。
【0057】この構成では隔壁61と垂直方向の流れ止
め用隔壁81と隔壁端部63との最短間隔が、隔壁61
と平行方向の流れ止め用隔壁82と隣接する隔壁61と
の最短間隔よりも広くなればなるほど、導入ガスが安定
に隔壁間の空間67を流れるようになる。ここで、図9
に示すように隔壁と平行方向の流れ止め用隔壁82と隣
接する隔壁61とが少なくとも一部分で接触している構
成が最も効果的である。これは上記したように、両端に
位置する隔壁の外側では放電が生じないので、この部分
にはガスを流す必要はないので、この部分のガスの流れ
を遮るようにすれば、エージング時に放電を生じる放電
空間においてより効率的にガスの導出を行えるからであ
る。
【0058】さらに、図10に示すようにストライプ状
の隔壁61と垂直方向の流れ止め用隔壁81のみが形成
され、隔壁61と平行方向の封着用ガラス層64が接触
した構成のパネルでも同様の効果が得られた。さらに、
通気口65a、65bの位置は隔壁端部の上下に限られ
るものではなく、例えば図11に示すように隔壁61の
中央部の横に設けることも可能である。ここで、両端に
位置する隔壁61と流れ止め用隔壁82とを接触させ、
一方向へのガスの流れを促進させることで、隔壁間への
ガスの導出をより効率良く行わせることが望ましい。
【0059】また、通気口は2カ所に限られるものでは
なく、ガスの導入、排出ができるように2カ所以上あれ
ば良い。ここで図12に示すように隔壁70でパネルを
分割して各部分でガスの導入、排出を調整することも可
能である。そして、エージングを行ったのち、再び加熱
炉41内にパネル投入し、封着用ガラスの軟化点より低
い排気温度に下げ、その排気温度に維持して加熱しなが
ら(例えば、350℃程度で1時間)、封着した両パネ
ル基板の内部空間から排気を行うことによって高真空
(8×10−7Torr)状態にして、内部空間からガ
ス抜きを行う。この排気工程は、配管48に真空ポンプ
(不図示)を連結して行うが、通気口のうち一つのみを
開放状態にして真空ポンプと連結し、残りの通気口はガ
スがパネル内に流入しないように封止しておく。
【0060】そして、この排気工程の後、内部空間を真
空に保ったままパネル基板を室温まで冷却し、開放され
た一つのガラス管から内部空間に放電ガスを封入し、開
設した全ての通気口を封着して全てのガラス管を切り取
ることによって、PDPが作製される。次に上述のよう
なエージング処理を行うことによって、従来のエージン
グ工程では避けられなかった、蛍光体の熱劣化を抑える
ことができる。以下にこの理由について考察する。
【0061】まず、図13に示すような装置を用いて、
使用した青色蛍光体(BaMgAl1017:Eu)
の放電に対する耐久性を評価した。、当該評価装置は、
放電管110の内面に評価対象の蛍光体が塗布され、一
定時間放電させる前と後とでの発光特性の評価を行うも
のである。放電管110内には放電ガス111が所定の
圧力に封入され、一対の電極112間に電圧が印加され
ることで放電が生じる。放電ガス111にはNe、Xe
ならびに水蒸気の混合気体を用い、気体圧力は100T
orrとした。NeとXeの分圧比をNe:Xe=9
5:5に固定して、水蒸気の分圧(または露点温度)を
変えて蛍光体の発光特性の評価を行った。なお、放電管
内には、放電管110内で発生する熱を除去するため、
放電管内には熱エミッター113が配されている。当該
熱エミッター113としてはBaOを用いた。
【0062】図14および図15に、使用した青色蛍光
体(BaMgAl1017:Eu)の放電による発光
強度変化率(放電後の発光強度/放電前の発光強度、発
光強度とは輝度/色度y値で算出される値)ならびに放
電後の色度y値の測定結果をそれぞれ示す。図14およ
び図15の横軸は放電ガス中の水蒸気分圧である。放電
試験前の青色蛍光体の色度y値は、0.052であっ
た。
【0063】放電後の発光強度は水蒸気分圧の増加とと
もに弱くなった。また、水蒸気分圧が0Torr付近で
は、放電による色度変化は全く見られず、水蒸気分圧の
増加とともに大きくなる。このように、青色蛍光体のy
値が大きくなるとパネルの色再現域が狭まるという問題
が発生する。放電後の発光強度の劣化はy値の変化から
推察すると、水蒸気中で加熱した場合よりも大きいと考
えられる。
【0064】この結果から、プラズマディスプレイパネ
ルのエージング工程時の青色蛍光体(BaMgAl10
17:Eu)の劣化原因は、エージング工程中に前面
板上の保護層(MgO)や背面板に形成された蛍光体層
または隔壁等から発生する水蒸気を含むガスによる劣化
と、エージング工程中の放電で発生するイオン衝撃また
は真空紫外線照射による劣化が複合されているものと考
えられる。したがって、エージング工程を経る関係から
紫外線照射による劣化は避けられないのでこの他の蛍光
体劣化の要因である放電ガス中の水蒸気分圧を減少させ
れば、青色蛍光体(BaMgAl1017:Eu)の
発光特性劣化を防止することが可能であることが判明し
た。
【0065】エージング工程を考慮した場合、放電が隔
壁等に仕切られた狭い空間で起こるために、放電中に前
面板上の保護層(MgO)や背面板に形成された蛍光体
層または隔壁等から発生した水蒸気を含むガスが閉じこ
められ、蛍光体に影響を与えるものと考えられる。つま
り、放電時には、発生したプラズマによって蛍光体層の
表面が高温に加熱された状態(1000℃程度)になっ
ており、このような高温の状態において、プラズマによ
って放電空間の内周面がスパッタされ発生した水蒸気が
蛍光体層の表面に接触すると、蛍光体が劣化する。
【0066】従って、放電時に発生する水蒸気を含むガ
スを放電空間内から排出することで、このガスと蛍光体
とが接触することにより生じる蛍光体の熱劣化を防止で
きることになる。なお、本実施の形態ではエージング中
は連続的に放電ガスを流していたが、断続的に放電ガス
の導入及び排出を繰り返すことで断続的に放電ガスが流
れる状態にしても同様の効果がある。これは、このよう
に放電ガスの導入及び排出を断続的に行うことでも、放
電空間内の水蒸気を含むガスを放電空間の外に排出でき
るからでる。更に、放電を複数回に分けて断続的に行
い、放電と放電との間に、放電空間内の放電ガスを置換
するようにすることもできる。この場合、通気口は、2
ヶ所以上設けなくても、ガス導入用とガス排出用を兼用
する通気口を1ヶ所設けるだけで、放電と放電との間に
ガスを置換するようにすることができる。
【0067】また、パネル内部空間を流す放電ガスに
も、水蒸気をできるだけ含まない乾燥ガスとすることが
望ましい。これは、パネル内に導入する放電ガスが水蒸
気をあまりに多く含んでいると、この水蒸気と蛍光体と
が接触し結局蛍光体が熱的に劣化するからである。従っ
て、図14及び図15の結果をも併せて考えると、パネ
ル内部空間を流す放電ガスの水蒸気分圧は、15Tor
r以下(露点温度が20℃以下)が望ましく、更に水蒸
気分圧(または露点温度)を低くするほど蛍光体の発光
特性劣化を抑えることができるので、より望ましくは1
0Torr以下(露点温度が10℃以下)、更には、5
Torr以下(露点温度が1℃以下)が望ましく、ま
た、1Torr以下(露点温度が−20℃以下)であれ
ばより望ましく、更には、0.1Torr以下(露点温
度が−40℃以下)であることがより望ましい。
【0068】(実施例)
【0069】
【表1】
【0070】表1に示したパネル番号1のPDPは、図
8の構成のパネルを前記実施の形態に基づいたエージン
グ方法で作製した実施例に係るPDPであって、エージ
ング中に流す放電ガスとしてNe、Xeの混合ガス(混
合比はNe:Xe=95:5)を用い、パネル内に導入
する放電ガスの水蒸気分圧は1Torr以下とした。ま
た、放電ガス圧力は500Torrとした。
【0071】表1に示したパネル番号2のPDPは、実
施例に係るPDPであり、図16に示すようにストライ
プ状の隔壁61と垂直方向の流れ止め用隔壁81と、ス
トライプ状の隔壁端部63との最短間隔が、ストライプ
状の隔壁61と平行方向の流れ止め用隔壁82と隣接す
るストライプ状の隔壁61との最短間隔よりも狭い構成
のパネルであり、前記実施例と同様のエージング方法で
作製したものである。
【0072】更に、表1に示したパネル番号3のPDP
は、比較例に係るPDPであり、図16の構成において
図17に示すように通気口65が1ヶ所であり、エージ
ング処理は、通気口を封止した状態で行った。前記各P
DPにおいて、エージングでの放電は12時間行い、エ
ージング工程以外の製造工程は同じ条件とした。また、
パネル構成も、通気口と流れ止め用隔壁以外は同じ構成
とし、蛍光体膜厚は30μm、放電ガスはNe(95
%)−Xe(5%)を500Torrで封入した。エー
ジングは、放電電極に交互に200V、20KHzの交
流をパルス状に印加することで行った。
【0073】エージング後、作製したパネルを白色点灯
(全セル点灯)させ発光特性を評価した(評価結果は表
1に示した。)ところ、パネル番号1のPDPが最も良
好な特性を示した。パネル番号1がパネル番号2のPD
Pよりも特性が良かった原因は、パネル番号1はエージ
ング工程で、隔壁間のストライプ状の空間を放電ガスが
安定に流れ、内部で発生した水蒸気を含むガスを効率良
く排出できたのに対し、パネル番号2のPDPは、通気
口65aから導入された放電ガスのほとんどが、最左端
(図面上)の隔壁と流れ止め隔壁82との間に形成され
た空間161から隔壁端部の下の空間66bを通って、
通気口65bから排出され、導入されたほとんどの放電
ガスが隔壁端部の上の空間66aから空間67へ分配さ
れることなく排出されたため、隔壁間のストライプ状の
空間で発生した水蒸気を含むガスを効率良く排出できな
かったためと考えられる。
【0074】また、パネル番号3のPDPも隔壁間のス
トライプ状の空間で発生した水蒸気を含むガスを排出で
きないために、発光特性はパネル番号1及び2のPDP
と比べて悪かった。このようにパネル番号1、2の何れ
のPDPも、従来の方法でエージングを行ったパネル番
号3のPDPと比べてパネル特性は優れていた。これ
は、エージング時に内部で発生したガスを排出すること
が、パネル特性を劣化させないために有効であることを
裏付けている。
【0075】なお、本実施例では図8、図16、図17
に示すパネル構成のパネルの発光特性を示したが、図9
〜図12に示すいずれの構成のパネルにおいても、隔壁
間のストライプ状の空間で発生したガスを効率良く排出
することができ、本実施例とほぼ同等に良好な発光特性
のパネルが得られた。 [実施形態2]本実施形態では、エージング工程及びそ
の後の工程とが上記実施形態1と異なる以外その他、P
DP構造及びPDPの製造方法は当該実施形態1と同様
であるので、相違点についてのみ説明する。
【0076】本実施形態では、まず、前面パネル基板及
び背面パネル基板とを封着した後、従来一般的な条件下
において、エージング処理を施す。この方法は、放電電
極間にパルスを印加して放電を発生させるというだけの
単純な方法である。しかし、従来一般的なこのエージン
グ処理では、上述のように蛍光体が熱的に劣化するた
め、エージング処理によって発光特性及び放電特性が著
しく劣化してしまう。そこで、本実施形態では、このよ
うにエージング工程で劣化した蛍光体を、効果的にその
発光特性を回復させる。
【0077】このための本実施の形態では、エージング
工程の後に以下のような工程が付加されている。図18
は本実施の形態におけるエージング工程およびその後に
続く加熱工程を行うためのパネル製造装置の構成を模式
的に示す図である。当該パネル製造装置は、パネル10
1の内部空間にガスを導入、排気するための配管102
a,102b、パネル101の内部空間のガス圧を調整
するバルブ103a,103b、および放電電圧を印加
するための駆動回路104、および加熱炉108から構
成される。
【0078】アドレス電極、可視光反射層、隔壁および
蛍光体層が形成された背面ガラス基板105には表示領
域を避けてパネルの内部空間と連通する通気口106が
2カ所以上設けられており(通気口21aをに加えて、
新たに開設された通気口を含む。)、これらの通気口に
はガラス管107が取り付けられている。そして、ガラ
ス管107と放電ガスを流すための配管102a,10
2bを接続する。接続後、パネル101の内部空間11
0を配管102bを通して真空に排気しながらパネルを
所定の温度まで加熱し(排気工程)、冷却後に、配管1
02aより放電ガスを所定の圧力で導入し、駆動回路1
04を用いて前面板109に形成された放電電極に所定
の電圧を印加し、パネル101内部で放電を発生させ、
所定の時間エージングを行う。
【0079】本実施の形態では放電ガスとして乾燥させ
たHe、Ne、Ar、Xeまたはこれらの混合不活性ガ
スを用い、放電ガス圧力を100〜760Torr程度
に設定する。前記エージング工程終了後に、パネル内部
の放電ガスを配管102bを通して排気し、その後、配
管102aより乾燥ガスを導入し、一定流量で乾燥ガス
をパネル101内に流し続けながら、パネル101を封
着用ガラスが軟化しない程度の所定の温度になるまで加
熱する。
【0080】パネルの冷却後、パネル101の内部空間
を配管102bを通して真空に排気し、配管102aよ
り所定の組成の放電ガスを所定の圧力で導入し、ガラス
管107を封着し、PDPを作製する。前述のように放
電させた後に加熱することにより、エージング中に発生
した蛍光体の発光特性劣化を回復させることができる。
この加熱工程においては、乾燥ガスをパネルの内部空間
に流しながら加熱を行えば回復の度合いはより高くな
る。更に、このように乾燥ガスを流す場合には、上記実
施形態1で述べたように通気口の開設位置を規定するこ
とで(図6〜図12参照)、放電空間内に効率良くガス
を流すことができるので、回復の度合いはよりいっそう
高くなる。
【0081】また、内部空間において乾燥ガスを積極的
に流すのではなく、加熱時にパネル内部に発生したガス
を排出するだけでも、蛍光体の特性を回復させることが
できる。これは、加熱中に内部で発生する水蒸気をパネ
ル外部へ排出することができるからである。更に、内部
空間において乾燥ガスを積極的に流すのではなく、乾燥
ガスを導入するだけでも、蛍光体の劣化はある程度回復
する。しかし、流す場合に比較して、加熱中に内部で発
生する水蒸気を効率的にパネル外部へ排出することがで
きないために、回復度は小さい。
【0082】また、放電させた後に放電ガスを排出する
ことなく、そのまま加熱しても、ある程度発光特性は回
復するが、上記のように放電させた後に一旦パネル内の
放電ガスを排出させた方が、回復度は高い。次に、上記
方法が効果的に発光特性を回復させられることについて
考察する。まず、エージング処理による発光特性の劣化
が顕著に認められる青色蛍光体(BaMgAl10
17:Eu)のみを塗布したプラズマディスプレイパネ
ルのエージング工程前後での発光特性の変化を表2に示
す。
【0083】
【表2】
【0084】発光強度は、エージング工程前を100と
した相対評価である。青色蛍光体は、エージング工程に
よって大きく発光強度劣化を起こすとともに、色度y値
も増加した。このようにエージング工程を経ることで、
蛍光体の特性が劣化する。図19および図20に、エー
ジング工程によって、y値及び発光強度が劣化した青色
蛍光体(BaMgAl1017:Eu)を、乾燥空気
中(水蒸気分圧2Torr)でピーク温度維持時間30
分で再焼成した場合の、相対発光強度ならびに色度y値
の焼成ピーク温度依存性の測定結果をそれぞれ示す。相
対発光強度は、エージング工程前の青色蛍光体の発光強
度を100とする。また、全く未焼成の青色蛍光体の色
度y値は、0.052であった。
【0085】エージング工程で劣化を起こした蛍光体
が、乾燥雰囲気中で再焼成することで、発光特性(発光
強度ならびに色度y値)が回復することがわかる。すな
わち青色蛍光体のエージング工程時の劣化は可逆反応で
あることがわかる。また、発光特性の回復は、加熱ピー
ク温度が300℃付近から認められ、再焼成温度が高い
ほどその度合いは高くなるが、500℃付近で飽和状態
に達していることがわかる。さらに図示していないが、
ピーク時間を変えた場合は、ピーク時間が長いほど発光
特性の回復度合が大きかった。
【0086】また、図示していないが、加熱をNe−X
e混合ガス中で行った場合は、色度y値の回復には雰囲
気の影響はほとんど見られず、乾燥空気中と同等の回復
を示したが、発光強度の回復には乾燥空気中での焼成の
方がNe−Xe混合ガス中での焼成よりも回復度が大き
かった。この原因としてはy値の変化は水蒸気により引
き起こされるために、再焼成でのy値の回復はガス種に
よらず、水蒸気分圧で決定されるが、発光強度の回復
は、イオン衝撃や真空紫外線照射で蛍光体に発生した欠
陥(酸素欠損が主と考えられる。)を修復する必要があ
り、酸素を含む雰囲気での再焼成の方が回復度が大きく
なるものと考えられる。
【0087】次に、乾燥ガスの水蒸気分圧と発光特性の
回復の度合いの関係について考察する。乾燥ガス中の水
蒸気分圧が低いほど、上述のように、蛍光体と水蒸気と
が接触することにより生じる熱劣化が生じ難くなるた
め、乾燥ガスの水蒸気分圧が低いほど、青色蛍光体の発
光特性の回復する度合いは大きくなり、15Torr
(露点温度が20℃以下)付近から顕著な効果が現れ
る。更に水蒸気分圧(露点温度)を低くするほど蛍光体
の発光特性劣化を抑えることができるので、より望まし
くは10Torr以下(露点温度が10℃以下)、更に
は、5Torr以下(露点温度が1℃以下)が望まし
く、また、1Torr以下(露点温度が−20℃以下)
であればより望ましく、更には、0.1Torr以下
(露点温度が−40℃以下)であることがより望まし
い。この乾燥ガス中の水蒸気分圧と回復の効果との関係
は、図14及び図15に示す特性図も裏付けている。な
お、図14及び図15の関係は、放電させた場合に得ら
れる特性図であり、一方、ここでは、一旦、劣化した蛍
光体特性の回復の度合いと加熱雰囲気の水蒸気分圧との
関係であるから、図14及び図15の特性図と必ずしも
同等に論じることはできないが、同じような傾向が認め
られる。
【0088】(実施例2)
【0089】
【表3】
【0090】表3に示したパネル番号1〜8のPDP
は、前記実施の形態に基づいて作製した実施例に係るP
DPであって、パネル番号1〜4は、エージング工程後
の加熱工程において、パネル内部に乾燥ガス(水蒸気分
圧2Torr)を流しながら所定の温度まで加熱し、次
いで冷却後排気、放電ガス封入を行ったパネルであり、
加熱温度及び乾燥ガスの種類を変更したものである。な
お、加熱時のピーク温度(最も高い温度)は30分間維
持した。
【0091】表3に示したパネル番号5のPDPは、エ
ージング工程後、パネル内部を排気しながら加熱し、次
いで冷却後排気、放電ガス封入を行ったパネルである。
パネル番号6のPDPは、乾燥空気(水蒸気分圧2To
rr)を流しながら所定の温度まで加熱しその後に、パ
ネルを冷却せずにそのままパネルを加熱しながら排気
し、冷却後放電ガス封入を行ったパネルである。
【0092】パネル番号7のPDPは、乾燥空気(水蒸
気分圧2Torr)を導入後、パネル内に乾燥ガスを流
さず密封した状態でパネルを加熱し、次いで冷却後排
気、放電ガス封入を行ったパネルである。パネル番号8
のPDPは、従来の製造方法で作製したパネルをエージ
ング工程後に、そのまま加熱したものである。パネル番
号9のPDPは、比較例に係わるPDPであり、従来の
製造方法で作製したパネルのエージング工程を通した後
の発光特性である。
【0093】前記各PDPにおいて、エージング工程で
の放電は24時間行い、エージング工程までの製造工程
は同じ条件とした。また、パネル構成も同じ構成とし、
蛍光体膜厚は30μm、放電ガスはNe(95%)−X
e(5%)を500Torrで封入した。発光特性とし
ては、青色点灯させたときの発光強度と色度y値を測定
した。更には、色補正なしで白バランスでのパネル色温
度(青色セル、緑色セル、赤色セルを同じ電力で発光さ
せ白表示したときのパネル色温度)、青色セル及び緑色
セルを同じ電力で発光させたときの発光スペクトルのピ
ーク強度(青色/緑色)を測定した。なお、発光強度は
比較例のパネル番号9の発光強度を100とした相対発
光強度で示している。
【0094】発光特性の評価結果をみると、本実施例の
パネル番号1〜8のPDPはいずれも従来のパネル番号
9のPDPに比較して発光特性が向上していた。パネル
番号1〜3のPDP間のデータを比較すると、エージン
グ工程後の加熱温度が高いほどパネルの発光特性が良好
となることがわかる。これは図19および図20に示す
ように、加熱温度が高いほどエージング工程で劣化した
青色蛍光体の回復度が高くなるためである。
【0095】また、パネル番号1,4,5のPDPのデ
ータを比較することにより、加熱時の雰囲気としては、
酸素を含む乾燥空気の場合が最も良好な発光特性を示
す。これは、エージング工程で形成された蛍光体の酸素
欠損による欠陥が酸素を含む雰囲気中で加熱することに
より回復するためと考えられる。さらにパネル番号1,
6のPDPのデータを比較することにより、加熱工程後
に冷却せずに加熱状態のまま排気したPDPの方が、発
光特性は良好であった。これは、冷却せずに加熱状態の
まま排気した方が、パネル内部の吸着ガスを効率よく排
出できるためである。
【0096】また、内部にガスを流さず密封した状態で
加熱した場合でも、パネル番号7のPDPのデータに示
すように、ある程度の発光特性向上が得られた。更に、
パネル番号4のPDPとパネル番号8のPDPとのデー
タを比較すると、エージング工程後のパネルをそのまま
加熱した場合でもパネル番号8のPDPのデータに示す
ように、多少の発光特性向上が認められたが、加熱前に
一度パネル内部を排気することにより、回復の度合いは
高くなることがわかる。なお、パネル番号8のPDPに
おけるように、従来の方法でエージングを行ったのち、
パネル内を一度排気せずそのままの状態、つまり、放電
空間内には水蒸気を含むガスが残った状態で加熱した場
合にもパネル特性が向上する効果が得られたのは、放電
空間内には水蒸気を含むガスが存在する状態で放電を行
うのと違い、加熱するだけであれば放電により生じる紫
外線による蛍光体への影響がないからである。
【0097】また、エージング工程後の加熱工程が、パ
ネルを370℃以上まで加熱することで発光強度がかな
り向上するとともに、ほぼ一定の色度値が得られる。ま
た、パネルを400℃以上まで加熱することで更に高い
発光強度が得られる。なお、色補正の影響を受けないよ
うな色温度の測定、青色と緑色蛍光体層の発光スペクト
ルのピーク強度比の測定は、作製したPDPを駆動して
測定する以外にも以下のようにして測定することができ
る。
【0098】まず、前面パネル基板と背面パネル基板と
を引き剥がし、紫外線ランプを用いて紫外線を背面パネ
ル基板の露出した蛍光体層に真空中で照射し、発生する
可視光を測定することによっても行うことができ、上記
パネルでこの方法により測定しても同じ値を示した。こ
の方法は、前面パネルに着色ガラスを使用しているよう
な場合で、蛍光体で発生する可視光を正確に補足するこ
とができない場合に特に有効である。
【0099】本発明は、上記実施形態に限定されないの
は言うまでもなく、以下のような変形例が考えられる。
すなわち、実施形態1において封着工程を従来一般的な
方法(前面パネル基板と背面パネル基板とを、炉内で単
純に加熱するだけの方法)で行った場合には、実施形態
2で行ったようにエージング工程後、所定の温度で加熱
すれば封着工程で発生する熱的劣化の状態から回復させ
られる。
【0100】また、実施形態2においては、エージング
処理後に蛍光体の特性を回復させるためにパネルを加熱
炉内に投入し、パネル全体を加熱したが、この他にも次
のようにして蛍光体を加熱して特性を回復させることが
できる。つまり、蛍光体層上の前面ガラス基板あるいは
背面ガラス基板の表面にレーザ光を照射しながら走査す
ることによって、蛍光体層を加熱させる方法である。こ
の方法によれば、パネル全体を加熱する場合と違い、封
着用ガラスを加熱することなく蛍光体を加熱できるの
で、封着用ガラスの軟化点よりも高い温度にまで蛍光体
を加熱することができる。具体的には、蛍光体の特性を
熱処理により回復させる場合に、効果が飽和した500
℃以上にまで加熱することができる。従って、加熱温度
の差による回復度合いの差をなくすることができる。こ
の方法を適用する場合、パネル内に乾燥ガスを流しなが
ら、或いはパネル内を排気しながら行うことが望まい。
或いは、パネル内に水蒸気分圧を低減させた乾燥ガスを
導入した状態で行うことが望ましい。なお、加熱炉で加
熱する場合にも500℃程度にまでは加熱することはで
きる場合はあるが、封着用ガラスの軟化点に制約され、
封着用ガラスの軟化点が500℃よりも低いと500℃
以上に加熱することはできない。これに対して、レーザ
光を照射する方法は、封着用ガラスの軟化点に制約され
ることはない。
【0101】更に、放電空間内に所定の温度に加熱した
不活性ガス等の熱媒体を流すことによって、蛍光体を加
熱して、蛍光体の特性を回復させることもできる。この
方法でもレーザ光を照射する方法と同様に、パネル全体
を加熱する場合と違い、封着用ガラスを加熱することな
く蛍光体を加熱できるので、封着用ガラスの軟化点より
も高い温度にまで蛍光体を加熱することができる。
【0102】また、実施の形態1に実施の形態2の方法
を組み合わせて実施することもできるがこの場合、加熱
時に酸素を含むガスをパネル内部に流しながら行えば、
蛍光体の酸素欠損の状態を修復することができるのでよ
り望ましい。更に、蛍光体の材料は前述した材料には限
定されず、以下組成からなるものを用いることもでき
る。
【0103】青色蛍光体: (Ba,Sr)MgAl
1017:Eu 緑色蛍光体: BaAl1219:Mn 最後に、以上の実施形態においては、面放電型のPDP
を例示したが、対向放電型のPDPにも適用することが
できる。さらに直流型(DC型)のPDPにおいても、
同様の効果が得られる。
【0104】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法によれば、エージン
グ処理後に、蛍光体層を形成する蛍光体を加熱する加熱
処理を行うので、パネルの製造工程に必要なエージング
工程を通しても、最終的には蛍光体の劣化がほとんど発
生せず、比較的高い発光効率で動作し、かつ色再現性の
良好なプラズマディスプレイパネルを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に共通するPDP
の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、第一の実施の形態に係る封着装置の構
成を示す平面図である。
【図3】図3は、前記封着装置の内部構造を示す斜視図
である。
【図4】図4(a)から(c)は、前記封着装置を用い
た予備加熱工程及び封着工程を行う際の動作を示す図で
ある。
【図5】図5は、第一の実施の形態に係るエージング装
置の構成を示す平面図である。
【図6】図6は、背面パネル基板における隔壁、封着用
ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図7】図7は、背面パネル基板における隔壁、封着用
ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図8】図8は、背面パネル基板における隔壁、封着用
ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図9】図9は、背面パネル基板における隔壁、封着用
ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図10】図10は、背面パネル基板における隔壁、封
着用ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図11】図11は、背面パネル基板における隔壁、封
着用ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図12】図12は、背面パネル基板における隔壁、封
着用ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図13】図13は、蛍光体の耐久性評価用放電管の構
成を示す平面図である。
【図14】図14は、蛍光体の発光強度と水蒸気分圧と
の関係を示す特性図である。
【図15】図15は、蛍光体の色度y値と水蒸気分圧と
の関係を示す特性図である。
【図16】図16は、背面パネル基板における隔壁、封
着用ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図17】図17は、背面パネル基板における隔壁、封
着用ガラス、通気口等の配置関係を示す平面図である。
【図18】図18は、第二の実施の形態に係るエージン
グ装置の構成を示す平面図である。
【図19】図19は、発光特性がエージング工程で劣化
した青色蛍光体を加熱した時の相対発光強度変化の加熱
温度依存性を示す図である
【図20】図20は、発光特性がエージング工程で劣化
した青色蛍光体を加熱した時の色度y値変化の加熱温度
依存性を示す図である。
【図21】図21は、PDPに各ドライバ及びパネル駆
動回路を接続した様子を示す図である。
【図22】図22は、従来のPDPの構成を示す斜視図
である。
【符号の説明】
10 前面パネル基板 11 前面ガラス基板 12 放電電極 12a 走査電極 12b 維持電極 13 誘電体層 14 保護層 20 背面パネル基板 21 背面ガラス基板 22 アドレス電極 23 可視光反射層 24 隔壁 25 蛍光体層 30 放電空間 50 エージング装置 51 パネル 51a 内部空間 52a、52b 配管 53a、53b バルブ 54 駆動回路 55 背面パネル基板 56 通気口 57 ガラス管 58 前面ガラス基板 59 放電ガス
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−234512(JP,A) 特開 平3−25826(JP,A) 特開 平3−257739(JP,A) 特開 平4−245138(JP,A) 特開 昭52−10067(JP,A) 特開 平7−296730(JP,A) 特開 平11−191371(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/24 - 9/50 H01J 11/00 - 11/04 H01J 17/00 - 17/49

Claims (35)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方に放電電極が配され、少
    なくとも一方の内表面に蛍光体層が形成された前面板と
    背面板とを内部に内部空間を有する状態で封着用ガラス
    を介して封着し、その後放電ガスを内部空間に存在させ
    た状態で前記放電電極に放電所要電圧を印加してエージ
    ング処理を行って製造するプラズマディスプレイパネル
    の製造方法であって、 前記エージング処理後に、蛍光体層を300℃以上であ
    って、封着ガラスの軟化点を超えない温度まで加熱する
    加熱処理を行うプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 エージング処理後の加熱処理では、パネ
    ル全体を炉内で加熱する請求項1記載のプラズマディス
    プレイパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 エージング処理後の加熱処理では、蛍光
    体が配されたパネル部分にレーザ光を照射する請求項1
    記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 エージング処理後の加熱処理では、内部
    空間に熱媒体を流す請求項1記載のプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法。
  5. 【請求項5】 エージング処理後の加熱処理では、蛍光
    体を370℃以上まで加熱する請求項1〜請求項2のい
    ずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 エージング処理後の加熱処理では、蛍光
    体を400℃以上まで加熱する請求項1〜請求項2のい
    ずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 エージング処理後の加熱処理では、蛍光
    体を500℃以上まで加熱する請求項1〜請求項2のい
    ずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 エージング処理後の加熱処理では、内部
    空間内のガスを排出しながら加熱する請求項1〜請求項
    3、請求項5〜請求項7のいずれかに記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  9. 【請求項9】 エージング処理後に、内部空間内のガス
    を排出し、乾燥ガスを導入した後に蛍光体を加熱する
    求項1〜請求項3、請求項5〜請求項8のいずれかに記
    載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 【請求項10】 エージング処理後の加熱処理では、パ
    ネルに形成された第一の通気口から乾燥ガスを導入する
    とともに、パネルに形成された第二の通気口から前記導
    入した乾燥ガスを排出しながら加熱する請求項1〜請求
    項9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも一方に放電電極が配され、
    少なくとも一方の内表面に蛍光体層が形成された前面板
    と背面板との内部に内部空間形成され、前記前面板と前
    記背面板との間に、前記内部空間を仕切る複数の隔壁が
    配設されることによって複数の放電空間が形成され、前
    記前面板と前記背面板とはその外周部で封着ガラス層が
    介して封着され、前記複数の隔壁の長手方向第一の端部
    と封着ガラス層との間には、前記隔壁間に形成された放
    電空間と連通した第一の空間が形成され、前記複数の隔
    壁の長手方向第二の端部と封着ガラス層との間には、前
    記放電空間と連通した第二の空間が形成され、前記第一
    の通気口は、前記第一の空間に連通して形成され、前記
    第二の通気口は、前記第二の空間に連通して形成された
    プラズマディスプレイパネルを形成し、その後の加熱処
    理において、前記第一の空間に第一の通気口を通して乾
    燥ガスを導入する処理を行い、第二の空間から第二の通
    気口を通して乾燥ガスを排出させる処理を行うことによ
    って、乾燥ガスを放電空間に流す請求項10記載のプラ
    ズマディスプレイパネルの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第一の空間から前記第二の空間に
    到るガス流路において、前記放電空間をそれ以外の部分
    よりも乾燥ガスが流れやすい構造で形成する請求項11
    記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記複数の隔壁のなかで少なくとも第
    一の通気口から最も遠く位置する隔壁を除く隔壁と第一
    の空間に臨む封着ガラス層と隔壁端部との最短間隔が、
    隔壁と平行方向の封着ガラス層とこれに隣接する隔壁と
    の最短間隔よりも広く形成する請求項11又は請求項1
    記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記複数の隔壁のなかで最も外側に位
    置した隔壁と、封着ガラス層との間には、乾燥ガスが流
    れないように、当該最も外側に位置する隔壁の一部と、
    封着ガラス層との一部とを接触させる請求項11〜請求
    項13のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第一の通気口は最も外側に位置す
    る隔壁付近に形成され、第二の通気口は前記第一の通気
    口とは反対側の最も外側に位置する隔壁付近に形成する
    請求項13又は請求項14記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  16. 【請求項16】 少なくとも一方に放電電極が配され、
    少なくとも一方の内表面に蛍光体層が形成された前面板
    と背面板との内部に内部空間形成され、前記前面板と前
    記背面板との間に、前記内部空間を仕切る複数の隔壁が
    配設されることによって複数の放電空間が形成され、前
    記前面板と前記背面板とはその外周部で封着ガラス層が
    介して封着され、前記封着ガラス層の内周側に流れ止め
    隔壁を形成され、前記複数の隔壁の長手方向第一の端部
    と流れ止め隔壁との間には、前記隔壁間に形成された放
    電空間と連通した第一の空間が形成され、前記複数の隔
    壁の長手方向第二の端部と流れ止め隔壁との間には、前
    記放電空間と連通した第二の空間が形成され、前記第一
    の通気口は、前記第一の空間に連通して形成され、前記
    第二の通気口は、前記第二の空間に連通して形成された
    プラズマディスプレイパネルを形成し、その後の加熱処
    理において、前記第一の空間に第一の通気口を通して乾
    燥ガスを導入する処理を行い、第二の空間から第二の通
    気口を通して乾燥ガスを排出させる処理を行うことによ
    って、乾燥ガスを放電空間に流すことを特徴とする請求
    項10記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第一の空間から第二の空間に到る
    ガス流路において、前記放電空間はそれ以外の部分より
    乾燥ガスが流れやすい構造で形成する請求項16記載
    のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記複数の隔壁のなかで少なくとも第
    一の通気口から最も遠く位置する隔壁を除く隔壁と第一
    の空間に臨む流れ止め隔壁と隔壁端部との最短間隔が、
    隔壁と平行方向の流れ止め隔壁とこれに隣接する隔壁と
    の最短間隔よりも広く形成する請求項16又は請求項1
    記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記複数の隔壁のなかで最も外側に位
    置した隔壁と、流れ止め隔壁との間には、乾燥ガスが流
    れないように、当該最も外側に位置する隔壁の一部と、
    流れ止め隔壁との一部とを接触させる請求項17又は請
    求項18記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記第一の通気口は最も外側に位置す
    る隔壁付近に形成され、第二の通気口は前記第一の通気
    口とは反対側の最も外側に位置する隔壁付近に形成する
    請求項16〜請求項19のいずれかに記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  21. 【請求項21】 乾燥ガスが不活性ガスからなる請求項
    9〜請求項20のいずれかに記載のプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法。
  22. 【請求項22】 乾燥ガスが、酸素を含む請求項9〜請
    求項21のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネ
    ルの製造方法。
  23. 【請求項23】 エージング処理後の加熱処理で加熱し
    たパネルの内部空間から、加熱状態のまま、導入した乾
    燥ガスを排出する処理を行う請求項9〜請求項22のい
    ずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  24. 【請求項24】 少なくとも一方に放電電極が配され、
    少なくとも一方の内表面に蛍光体層が形成された前面板
    と背面板とが内部に内部空間を有する状態で封着用ガラ
    スを介して封着されてなるプラズマディスプレイパネル
    のエージング処理方法であって、 放電ガスを内部空間に存在させた状態で前記放電電極に
    放電所要電圧を印加して内部空間で放電を行わせる放電
    処理と、前記放電処理後に、蛍光体層を形成する蛍光体
    を300℃以上であって、封着ガラスの軟化点を超えな
    い温度まで加熱する加熱処理を有するプラズマディスプ
    レイパネルのエージング処理方法。
  25. 【請求項25】 エージング処理後の加熱処理では、パ
    ネル全体を炉内で加熱する請求項24記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルのエージング処理方法。
  26. 【請求項26】 エージング処理後の加熱処理では、蛍
    光体が配されたパネル部分にレーザ光を照射する請求項
    24記載のプラズマディスプレイパネルのエージング処
    理方法。
  27. 【請求項27】 エージング処理後の加熱処理では、内
    部空間に熱媒体を流す請求項24記載のプラズマディス
    プレイパネルのエージング処理方法。
  28. 【請求項28】 エージング処理後の加熱処理では、蛍
    光体を370℃以上まで加熱する加熱する請求項24〜
    請求項26のいずれかに記載のプラズマディスプレイパ
    ネルのエージング処理方法。
  29. 【請求項29】 エージング処理後の加熱処理では、蛍
    光体を400℃以上まで加熱する請求項24〜請求項2
    のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルのエ
    ージング処理方法。
  30. 【請求項30】 エージング処理後の加熱処理では、蛍
    光体を500℃以上まで加熱する請求項24〜請求項2
    のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネルのエ
    ージング処理方法。
  31. 【請求項31】 エージング処理後の加熱処理では、内
    部空間内のガスを排出しながら加熱する請求項24〜請
    求項26、請求項28〜請求項30のいずれかに記載の
    プラズマディスプレイパネルのエージング処理方法。
  32. 【請求項32】 エージング処理後に、内部空間内のガ
    スを排出し、乾燥ガスを導入した後に蛍光体を加熱する
    請求項24〜請求項26、請求項28〜請求項31のい
    ずれかに記載のプラズマディスプレイパネルのエージン
    グ処理方法。
  33. 【請求項33】 エージング処理後の加熱処理では、パ
    ネルに形成された第一の通気口から乾燥ガスを導入する
    とともに、パネルに形成された第二の通気口から前記導
    入した乾燥ガスを排出しながら加熱する請求項24〜請
    求項32のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネ
    ルのエージング処理方法。
  34. 【請求項34】 乾燥ガスが不活性ガスからなる請求項
    32又は請求項33記載のプラズマディスプレイパネル
    のエージング処理方法。
  35. 【請求項35】 乾燥ガスが、酸素を含む請求項32〜
    請求項34のいずれかに記載のプラズマディスプレイパ
    ネルのエージング処理方法。
JP2001148476A 1998-06-25 2001-04-09 プラズマディスプレイパネル及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3522712B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001148476A JP3522712B2 (ja) 1998-06-25 2001-04-09 プラズマディスプレイパネル及びその製造方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-178550 1998-06-25
JP17855098 1998-06-25
JP26789798 1998-09-22
JP10-267897 1998-09-22
JP2001148476A JP3522712B2 (ja) 1998-06-25 2001-04-09 プラズマディスプレイパネル及びその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18092399A Division JP3410681B2 (ja) 1998-06-25 1999-06-25 プラズマディスプレイパネル及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001332174A JP2001332174A (ja) 2001-11-30
JP3522712B2 true JP3522712B2 (ja) 2004-04-26

Family

ID=27324598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001148476A Expired - Fee Related JP3522712B2 (ja) 1998-06-25 2001-04-09 プラズマディスプレイパネル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3522712B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001332174A (ja) 2001-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1182683B1 (en) Plasma display panel manufacturing method for achieving luminescence characteristics
KR100723752B1 (ko) 발광특성이 뛰어난 플라즈마 디스플레이 패널의 제조방법
JP3372028B2 (ja) プラズマディスプレイパネル、その製造方法及び製造装置
KR100723751B1 (ko) 가스방전 발광장치 및 그 제조방법
JP3366895B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3410681B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP3522712B2 (ja) プラズマディスプレイパネル及びその製造方法
JP3553903B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3420218B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP2001319583A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2003109503A (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法
JP3564418B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置
JP3219075B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP3553902B2 (ja) プラズマディスプレイパネルの製造方法及び製造装置
JP3540764B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3298551B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2001351532A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3183290B1 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP3219080B2 (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法
JP2004063188A (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2002075194A (ja) プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040204

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100220

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110220

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees