JP2002170494A - 気体放電表示装置及び放電灯 - Google Patents

気体放電表示装置及び放電灯

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JP2002170494A
JP2002170494A JP2000367555A JP2000367555A JP2002170494A JP 2002170494 A JP2002170494 A JP 2002170494A JP 2000367555 A JP2000367555 A JP 2000367555A JP 2000367555 A JP2000367555 A JP 2000367555A JP 2002170494 A JP2002170494 A JP 2002170494A
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Masahiro Deguchi
正洋 出口
Takeshi Uenoyama
雄 上野山
Masayoshi Hiramoto
雅祥 平本
Hidetaka Tono
秀隆 東野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電開始電圧の低い低電圧駆動が可能であっ
て、かつ放電安定性の高い、高効率な気体放電表示装置
を提供する。 【解決手段】 PDP101は、放電空間2を挟んで2
枚のガラス基板(前面板3、背面板4)が対向して配置
されることにより構成されている。前面板3上には、表
示用電極5上に誘電体層6及び保護層7が設けられお
り、保護層7としては、二次電子放出効率の高い窒化ア
ルミニウムを含む層が適用されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ・ディス
プレイ・パネル(以下、PDP(Plasma DisplayPane
l)と記す)等の気体放電表示装置及び放電灯に関する
ものであり、さらに詳しくは、効率的なプラズマ放電が
可能なPDP及び放電灯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PDPの基本原理は、表示セルと呼ばれ
る空間内で不活性ガスのプラズマ放電を起こし、そのプ
ラズマから放射される紫外線光で蛍光体を励起して、こ
の蛍光体からの可視光を表示発光に利用するものであ
る。
【0003】従来の交流(AC)駆動型のPDPの構造
を模式的に示す一表示セル当たりの断面図を図5(a)
に、そのC−C矢視断面図を図5(b)に示す。さら
に、図6には、前記構造の表示セルを複数個並べたAC
駆動型のカラーのPDPが示されている。
【0004】図に示すように、従来のAC駆動型のPD
P101においては、放電空間2を挟んで2枚のガラス
基板(前面板3、背面板4)が対向して配置されてい
る。
【0005】前面板3上(背面板4と対向する面上)に
は、酸化鉛系ガラス等からなる誘電体層6及び保護層1
02で覆われた表示用電極5が配置されている。表示用
電極5は、対をなす帯状の走査電極5a及び維持電極5
bが互いに平行配置されることにより構成されている電
極である。
【0006】一方、背面板4上(前面板3と対向する面
上)には、走査電極5a及び維持電極5bと直交する帯
状のデータ電極9が複数設けられている。複数のデータ
電極9は互いに平行に配置される。さらに、各データ電
極9を隔離し、かつ放電空間2を形成するための帯状の
隔壁8が、各データ電極9間に設けられている。さら
に、データ電極9上から隔壁8の側面にわたって、蛍光
体層10が形成されている。
【0007】前記セル構造の放電空間2には、ヘリウム
(He)、ネオン(Ne)及びアルゴン(Ar)のうち
少なくとも一種と、キセノン(Xe)との混合ガスが封
入されている。
【0008】このような構成のPDP101において、
誘電体層6は、各電極層5,9へ電圧を印加することで
生じた電荷を蓄積するために設けられている。また、保
護層102は、プラズマ放電により生じたイオンなどの
衝突により、誘電体層6が破壊することを防ぐために設
けられている。保護層102として一般的に用いられて
いるのは、酸化マグネシウム(MgO)膜である。
【0009】また、図6に示すAC駆動型のカラーのP
DP101の場合、カラー表示を可能とするために、隔
壁8を挟んで、3色(赤、緑、青)の蛍光体層10a、
10b、10cが順に配置される。
【0010】図5及び図6に示したAC駆動型のPDP
101の動作原理は、以下の通りである。まず、走査電
極5a及び維持電極5b間に放電維持電圧に相当するA
C電圧を印加して誘電体層6に電荷を蓄積するととも
に、データ電極9に放電開始電圧に達するAC電圧を印
加する。この時に放電空間2に生じる電界により、放電
空間2内の不活性ガスが電子とイオンとに分離してプラ
ズマ化する。そのプラズマから放射される紫外線を受け
ることにより、蛍光体層10が発光する。以降は、誘電
体層6に蓄積された電荷により放電維持電圧に相当する
AC電圧を表示用電極5間(走査電極5a、維持電極5
b間)に印加するだけで不活性ガスが放電し、蛍光体層
10からの発光が持続される。
【0011】なお、発光色は、背面板4上に塗布された
蛍光体層10の材質で決まる。そこで、蛍光体層10
を、赤(R)、緑(G)、青(B)に対応する材質にて
形成することにより、カラーパネル化が実現できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
AC駆動型のPDPにおいて更なる高輝度化/高精細化
を実現するためには、印加電圧を高める必要があり、そ
の結果、消費電力が増加するという問題があった。この
問題を解決するためには、低電圧印加においてPDPの
発光効率を向上させることが必要とされる。
【0013】さらに、パネル生産時の歩留まりを向上さ
せるためにパネルの必要耐圧を低減させることや、パネ
ルに電圧を印加する駆動回路のコストを低減すること等
を実現できるという点からも、放電の低電圧駆動が可能
なパネルの開発が急務とされている。
【0014】一般的なAC駆動型のPDPは、図5に示
したように表示用電極を誘電体層で覆った構造をしてい
るが、実際の放電特性にはその誘電体層を被覆し放電空
間に面するように配置された保護層の二次電子放出特性
で、放電特性、放電開始電圧が大きく左右される。従来
のPDPでは、放電時における耐スパッタ性、及び二次
電子放出特性を考慮して、酸化マグネシウム(MgO)
膜が保護層として広く用いられている。しかしながら、
低電圧印加での高効率発光という前記の課題を十分に解
決するに至っていない。
【0015】本発明は、これらの問題を解決するため
に、放電開始電圧の低い低電圧駆動が可能であって、か
つ放電安定性の高い、高効率な気体放電表示装置を提供
し、さらに、同効果を有する放電灯も提供することを目
的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明の気体放電表示装置は、第1の電極層及び
該第1の電極層を被覆する保護層が設けられた第1の基
材と、第2の電極層及び該第2の電極層を被覆する蛍光
体層が設けられた第2の基材とが、放電空間を設けて対
向配置されたセル構造を有しており、前記保護層が、少
なくとも窒素(N)とアルミニウム(Al)とを構成元
素として含む材料からなることを特徴としている。
【0017】一般的に、気体放電表示装置の特性を左右
するプラズマの放電開始電圧は、保護層などからの二次
電子放出量により大きな影響を受ける。なぜならば、表
示セル内で発生した二次電子は、プラズマの電離をさら
に促進するように作用するからである。従来は、不活性
ガスのプラズマ放電によって生じたイオンや紫外線など
が保護層として設けられた酸化マグネシウム(MgO)
膜に照射され、その際に与えられるエネルギーによっ
て、前記MgO膜から二次電子を発生させていた。
【0018】これに対し、本発明の気体放電表示装置に
おける保護層は、より二次電子を放出しやすい、少なく
とも窒素(N)とアルミニウム(Al)を構成元素とし
て有する化合物、例えば窒化アルミニウム(AlN)を
材料として用いているので、表示セル内での二次電子放
出量を適度に増加させることが可能となる。その結果、
プラズマの放電開始電圧を下げることが可能となり、低
電圧駆動が実現できる。また二次電子放出量が大きくな
ることによってプラズマの放電維持最小電圧も低減する
ため、安定性の高いプラズマを形成することも可能とな
る。
【0019】このように、本発明の気体放電表示装置
は、従来の気体放電表示装置よりも効率的に二次電子放
出がなされる構成であるため、省電力化、高輝度化、及
び高精細化が可能となる。
【0020】また、前記少なくともAlとNとを構成元
素として含む材料としてAlN系化合物を用い、このA
lN系化合物にて前記保護層を形成することもできる。
ここでは、例えばマグネシウム(Mg)、ガリウム(G
a)、酸素(O)などを微量に含んだAlN系化合物が
考えられる。
【0021】本発明の気体放電表示装置は、前記第1の
電極層と前記保護層との間に、さらに誘電体層が設けら
れ、該誘電体層が窒素(N)とアルミニウム(Al)と
を構成元素として含まない材料からなることが好まし
い。この構成により、良好な絶縁性を示す層を低コスト
で設けることができる。
【0022】また、本発明の気体放電表示装置は、前記
保護層を粒子にて構成することも可能である。このよう
に、少なくとも窒素(N)とアルミニウム(Al)とを
構成元素とする粒子にて保護層を形成し、この粒子から
なる保護層を、例えば従来構造の保護層上に配置するこ
とで、前記したような顕著な効果を容易に得ることがで
きる。
【0023】また、本発明の放電灯は、放電空間を有す
るセル構造からなり、このセル構造内に、少なくとも窒
素(N)とアルミニウム(Al)とを構成元素として含
む化合物が配置された領域を有することを特徴としてい
る。さらに、前記化合物は、陰極の保護膜として配置す
ることが好ましい。
【0024】この構成により、非常に優れた二次電子放
出が得られるので、低電圧駆動が可能で、且つ高輝度及
び高発光効率が達成できる放電灯が実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]以下、本発明の
第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明す
る。
【0026】本実施の形態に係るPDPの構成を模式的
に示す断面図を図1(a)に、そのA−A矢視断面図を
図1(b)に示す。本構成のPDP1は、図5に示した
従来のPDP101の保護層102を、窒化アルミニウ
ム(AlN)を含んだ層からなる保護層7に変更したも
のであり、この点以外は図5に示した従来のPDP10
1と同じ構成である。なお、AlNは、窒素(N)とア
ルミニウム(Al)とを少なくとも構成元素として含む
化合物の代表例である。また、図2には、本構成の表示
セルを複数個並べたAC駆動型のカラーのPDP1が示
されている。以下に、本実施の形態におけるPDP1の
製造工程について説明する。
【0027】まず、前面板3であるガラス基板上に、ク
ロム(Cr)/銅(Cu)/クロム(Cr)からなる積層
膜、あるいは透明導電膜を、スパッタリング法によって
成膜する。その後、前記積層膜または透明導電膜を、フ
ォトリソグラフィの手法を用いて帯状パターンに形成
し、表示用電極5(走査電極5a及び維持電極5b)と
する。
【0028】次に、表示用電極5が形成された前面板3
上に低融点鉛ガラス系ペーストを印刷して乾燥させた
後、焼成することによって、膜厚約20μmの誘電体層
6を形成する。さらに、誘電体層6を被覆するようにr
fスパッタ法によりAlN層を約0.5μmの膜厚で形
成し、保護層7とする。なお、誘電体層6の上にAlN
層を形成する方法はrfスパッタ法に限られるものでは
なく、CVD法、MBE法、あるいはレーザアブレーシ
ョン法を用いることも可能である。この工程において、
表示用電極5を被覆する層として低融点鉛ガラスからな
る誘電体層6を用いずに、絶縁性のAlN層7のみを適
用した構成も可能である。しかしながら、本実施の形態
では、低コストにて良好な絶縁性を示す層を設けるため
に、従来のPDP101にも使用されている低融点ガラ
スペーストを用いた誘電体層6を形成した。
【0029】次に、背面板4であるガラス基板上の所望
の位置に、帯状のCr/Cu/Crからなるデータ電極9
と、隔壁8とを設ける。さらに、蛍光体層10を塗布す
る。なお、蛍光体層10として用いる材料は特に限定さ
れないが、例えば、赤色発光の蛍光体材料としてはY
0.65Gd0.35BO3:En3+等、緑色発光の蛍光体材料
としてはBaAl1219:Mn等、青色発光の蛍光体材
料としてはBaMgAl 1423:En2+等が、一般的に
よく用いられる。
【0030】次に、表示用電極5、誘電体層6、及び保
護層7が形成された前面板3(第1の基材)と、データ
電極9、隔壁8、及び蛍光体層10が形成された背面板
4(第2の基材)とを、30μmの間隔を設け、且つ表
示用電極5とデータ電極9とが直交するように張り合わ
せ、ガラスフリットを用いて封着する。その後、放電空
間2内を真空排気し、Xeを5%含むNe−Xe混合ガ
スを放電ガスとして封入する。ここでの封入圧力は、
0.7〜1気圧程度とする。
【0031】以上のように作製された試験用のPDP1
の動作特性を評価したところ、以下のような結果が得ら
れた。比較対象には、誘電体層6の上に保護層としてM
gO膜を0.5μm厚で蒸着した従来構造のPDP10
1を用いた。なお、MgO膜はCVD法にて形成され
た。ここでは、輝度及び発光効率は従来構造のPDP1
01の値を1とした時の比率で評価し、維持電圧は従来
構造のPDP101との電圧差で評価した。
【0032】評価の結果、本実施の形態におけるPDP
1は、従来構造のPDP101と比較すると、輝度比:
1.7倍、発光効率比:2.0倍、維持電圧:−10V
となった。すなわち、保護層7としてAlN層を用いる
ことにより、高効率で高精細なPDPを作製できること
が確認された。これは、MgO膜よりも二次電子放出効
率が高いAlN層を保護層7として用いることで、保護
層7の領域からの二次電子放出量が格段に増え、封入さ
れた不活性ガスの電離が促進されたためである。
【0033】また、本実施の形態においては、AC駆動
型のPDP1の保護膜7としてAlN膜を用いたが、特
にAC駆動型に限られるものではなく、DC駆動型、ま
たはAC/DCハイブリット駆動型においても、陰極、
または陰極を被覆する保護膜として用いることにより、
低電圧駆動が可能で、高輝度、高発光効率のPDPを実
現できる。
【0034】また、本実施の形態においては、PDP1
の保護膜7として、窒素とアルミニウムのみを構成元素
として有するAlN膜を用いたが、これに限らず、マグ
ネシウム(Mg)やガリウム(Ga)、あるいは酸素
(O)などを微量に含んだAlN系化合物であっても同
様の効果が得られる。
【0035】また、AlN膜等のAlN系化合物からな
る膜を、放電灯内の空間(プラズマ領域)、例えば壁面
などに配置することにより、耐スパッタ性に優れ長寿
命、高輝度、及び高発光効率を達成できる放電灯が実現
できる。さらに、AlN膜等のAlN系化合物からなる
膜を陰極の保護膜として配置すれば、陰極部保護として
の機能も併せ持たせることができるため、より好まし
い。
【0036】[実施の形態2]以下、本発明の第2の実
施の形態について、図面を参照しながら説明する。な
お、説明の便宜上、実施の形態1で説明した部材と同様
の機能を有する部材については、同じ参照番号を付記
し、その説明を省略する。
【0037】本実施の形態に係るPDPの構成を模式的
に示す断面図を図3(a)に、そのB−B矢視断面図を
図3(b)に示す。本実施の形態におけるPDP11
は、膜状のAlNからなる層ではなく、粒子状のAlN
(AlN粒子)12とMgO膜13とを保護層として用
いた構成である。また、図4には、本構成の表示セルを
複数個並べたAC駆動型のカラーのPDP11が示され
ている。以下に、本実施の形態におけるPDP1の製造
工程について説明する。
【0038】実施の形態1で説明したPDP1の製造工
程と同様に、まず、前面板3であるガラス基板上にCr
/Cu/Crの積層電極、あるいは透明導電膜からなる
帯状パターンの表示用電極5を形成した後、低融点鉛ガ
ラス系ペーストを印刷/乾燥/焼成することによって誘
電体層6を形成する。その後、平均粒径0.5μm程度
の微小窒化アルミニウム粒子(AlN粒子)を分散させ
た純水(分散液)に、前面板3の誘電体層6を形成した
面のみを浸す。前記分散液に超音波振動を与える処理
(超音波振動処理)を行い、誘電体層6の表面にAlN
粒子12を固定させる。本実施の形態では、前記分散液
として、1リットルの純水に約1gのAlN粒子を分散
させた溶液(1リットルあたり約1×1014個のAlN
粒子が含まれている)を用い、300Wの超音波振動処
理を10〜30分間行う。この条件で処理を施された前
面板3の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、A
lN粒子12が1×109個/cm2程度の密度で均一に
分布していた。
【0039】さらに、AlN粒子12上に、CVD法を
用いてMgO膜13を0.1〜0.5μmの膜厚で形成
する。なお、このMgO膜13は、通常の保護膜として
の役割を果たすと共に、誘電体層6との密着力が弱いA
lN粒子12を誘電体層6表面にしっかりと固定する効
果も奏する。
【0040】また、本実施の形態で用いるAlN粒子1
2の平均粒径は、表面の平滑性及び誘電体層6上の分布
具合から、1μm程度以下が好ましい。特に、平均粒径
0.1μm程度とすると、平滑性及び放電特性上良好な
結果が得られた。
【0041】また、AlN粒子12を誘電体層6上に形
成する手段は、前記の超音波処理に限られるものではな
く、ガラス基板(前面板3)を回転させながら同様のA
lN粒子分散液を滴下するスピンコート法や、誘電体層
6形成時の低融点鉛ガラス系ペーストにAlN粒子を混
合する方法を用いてもよい。
【0042】次に、背面板4であるガラス基板の所定位
置に帯状のデータ電極9と隔壁8とを設け、さらに蛍光
体層10を塗布する。このように、データ電極9、隔壁
8、及び蛍光体層10が形成された背面板4(第2の基
材)と、表示用電極5、誘電体層6、AlN粒子12、
及びMgO膜13が形成された前面板3(第1の基材)
とを、30μmの間隔を設け、且つ表示用電極5とデー
タ電極9とが直交するように張り合わせて、ガラスフリ
ットを用いて封着する。その後、放電空間2内を真空排
気し、Xeを5%含むNe−Xe混合ガスを放電ガスと
して封入する。ここでの封入圧力は、0.7〜1気圧程
度とする。
【0043】以上のように作製された試験用のPDP1
1の動作特性を評価したところ、以下のような結果が得
られた。比較対象には、誘電体層6の上に保護層として
MgO膜のみを0.5μm厚で蒸着した従来構造のPD
P101を用いた。なお、MgO膜はCVD法にて形成
した。本実施の形態おいては、輝度及び発光効率は従来
構造のPDP101の値を1とした時の比率で評価し、
維持電圧は従来構造のPDP101との電圧差で評価し
た。
【0044】この評価により、本実施の形態のPDP1
1は、従来構造のPDPに比較して、輝度比:1.3
倍、発光効率比:1.5倍、維持電圧:−5Vとなっ
た。すなわち、PDP11は、従来構造のPDP101
よりも、高効率で高精細であることが確認された。これ
は、従来構造で用いていた材料(MgO)よりも二次電
子放出効率が高いAlN粒子を保護層として多数配置す
ることにより、保護層領域からの二次電子放出量が格段
に増え、封入された不活性ガスの電離が促進されたため
である。
【0045】なお、本実施の形態においては、AC駆動
型のPDP11の保護膜としてAlN粒子12とMgO
膜13との複合保護膜を用いたが、AC駆動型に限られ
るものではなく、DC駆動型、またはAC/DCハイブ
リッド駆動型においても陰極、または陰極を被覆する保
護膜として用いることができる。従って、低電圧駆動、
高輝度、及び高発光効率の、DC駆動型PDP及びAC
/DCハイブリッド駆動型PDPを実現できる。
【0046】また、本実施の形態においては、PDP1
1の保護膜として、窒素とアルミニウムのみを構成元素
として有するAlN粒子12を用いたが、これに限ら
ず、マグネシウム(Mg)やガリウム(Ga)、あるい
は酸素(O)などを微量に含んだAlN系化合物からな
る粒子を用いても同様の効果が得られる。
【0047】また、本実施の形態におけるAlN粒子1
2とMgO膜13とからなる複合保護膜を、放電灯内の
空間(プラズマ領域)、例えば壁面などに配置すること
により、耐スパッタ性に優れ長寿命、高輝度、及び高発
光効率を達成できる放電灯が実現できる。さらに、前記
複合保護膜を陰極の保護膜として配置すれば、陰極部保
護としての機能も併せ持たせることができるため、より
好ましい。
【0048】また、本実施の形態においては、AlN粒
子12を誘電体層6の上に配置した後、保護膜の一部と
してさらにMgO膜13を形成したが、MgO膜13を
先に形成した後にAlN粒子12を配置したパネルで
も、同様に、低電圧駆動、高輝度、高発光効率を実現で
きる。
【0049】また、本実施の形態においては、AlN粒
子12を誘電体層6上に形成した後に、保護膜の一部と
してさらにMgO膜13を形成したが、AlN粒子12
だけで密な層を形成して誘電体層6を被覆するパネルで
も、同様に、低電駆動、高輝度、高発光効率を実現でき
る。
【0050】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の気体放
電表示装置によれば、低電圧駆動、高輝度、及び高発光
効率が達成され、さらに安定に動作させることが可能と
なるという効果を奏する。また、同時に、放電電圧を低
減できるため、回路のコストを低減し、パネル作製時の
歩留まりを改善することもできるという効果も有する。
【0051】また、本発明の放電灯によれば、高輝度及
び高発光効率が達成され、さらに安定に動作させること
が可能な長寿命の放電灯を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係るP
DPの構造を模式的に示す一表示セル当たりの断面図で
あり、(b)は(a)のA−A矢視断面図である。
【図2】前記表示セルを複数個並べたAC駆動型のカラ
ーPDPの斜視断面図である。
【図3】(a)は、本発明の第2の実施の形態に係るP
DPの構造を模式的に示す一表示セル当たりの断面図で
あり、(b)は(a)のB−B矢視断面図である。
【図4】前記表示セルを複数個並べたAC駆動型のカラ
ーPDPの斜視断面図である。
【図5】(a)は、従来のPDPの構造を模式的に示す
一表示セル当たりの断面図であり、(b)は(a)のC
−C矢視断面図である。
【図6】前記従来の表示セルを複数個並べたAC駆動型
のカラーPDPの斜視断面図である。
【符号の説明】
1 気体放電表示装置(PDP) 2 放電空間 5 表示用電極(第1の電極) 6 誘電体層 7 保護層 9 データ電極(第2の電極) 10 蛍光体層 11 気体放電表示装置(PDP) 12 AlN粒子(保護層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平本 雅祥 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 東野 秀隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C040 FA01 FA04 GD07 GE08 MA12 MA16 MA30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電極層及び該第1の電極層を被覆
    する保護層が設けられた第1の基材と、第2の電極層及
    び該第2の電極層を被覆する蛍光体層が設けられた第2
    の基材とが、放電空間を設けて対向配置されたセル構造
    を有する気体放電表示装置において、 前記保護層が、少なくとも窒素(N)とアルミニウム
    (Al)とを構成元素として含む材料からなることを特
    徴とする気体放電表示装置。
  2. 【請求項2】 前記保護層は、AlN系化合物からなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の気体放電表示装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極層と前記保護層との間
    に、さらに誘電体層が設けられており、該誘電体層は、
    窒素(N)とアルミニウム(Al)とを構成元素として
    含まない材料からなることを特徴とする請求項1または
    2に記載の気体放電表示装置。
  4. 【請求項4】 前記保護層が粒子からなることを特徴と
    する請求項1ないし3の何れか一つに記載の気体放電表
    示装置。
  5. 【請求項5】 放電空間を有するセル構造からなる放電
    灯において、 前記セル構造内に、少なくとも窒素(N)とアルミニウ
    ム(Al)とを構成元素として含む化合物が配置された
    領域を有することを特徴とする放電灯。
  6. 【請求項6】 少なくとも窒素(N)とアルミニウム
    (Al)とを構成元素として含む化合物が、陰極の保護
    膜として配置されていることを特徴とする請求項5に記
    載の放電灯。
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