JP4544949B2 - 表面検査方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は検査対象物の表面に形成された薄膜の2次電子放出能を評価する表面検査方法および装置に関するものである。
マグネトロン発振器にコーティングされる薄膜など、2次電子の放出を機能として有する薄膜が多く実用化されている。薄膜の2次電子放出能は、特許文献1、2に示されるように、試料の表面に形成された薄膜にイオンを衝突させて、薄膜から放出された電子を周辺の電極で捉え、この電極に流れる電流と試料を流れる電流とから評価されている。
たとえば図5に示す2次電子放出能測定装置では、真空チャンバ41内に配置された金属(たとえばステンレス)製の陰極42に、薄膜が表面に形成された試料43が固定され、真空チャンバ41内がポンプ44によりおよそ10−6Pa程度に排気された後、試料43に、対向配置されたイオンガン45内で50V〜1000vの電圧で加速されたイオンビーム46が照射され、それにより試料43を流れる電流が電流計A1で測定されるとともに、試料43の薄膜から放出された2次電子47を捕捉したコレクタ48に流れる電流が電流計A2で測定される。このときコレクタ48は、2次電子47が十分捕捉されるように試料43をほぼ完全に覆って配置されるとともに、電源49によって十分な電位に保たれる。
そして測定された試料43の電流Itとコレクタ47の電流Icとを用いて、2次電子放出係数γが、γ=Ic/(It−Ic)から求められる。この2次電子放出係数γは、1つのイオンが物質に衝突した場合にその物質から2次電子がどれだけ出てくるかを示す量で、物質表面の電子状態と密接に結びついており、物質表面の状態を知るてがかりとなるものである。
特開平11−230923号公報 特開2000−182559号公報
しかしながら、上記した従来の技術では、イオンビーム46は電流量が限られるため感度が悪いだけでなく、イオンビーム46を照射するイオンガン45のイオン加速機構も複雑であるという問題がある。また試料43と陰極42とをコレクタ48でほぼ完全に囲う必要があるため、試料43を搬送しつつ成膜する成膜装置内で同時に(つまり並行して)測定を行うのは困難であり、測定結果を速やかに成膜条件にフィードバックすることはできないという問題がある。
本発明は上記問題を解決するもので、薄膜の2次電子放出能を複雑な機構を用いることなく、感度よく、さらには成膜装置内でも測定して評価できる表面検査方法および装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の構成の表面検査方法は、検査対象物の表面に高周波プラズマを接触させて、高周波プラズマ発生手段の回路に接続させたインピーダンス測定器で高周波プラズマのインピーダンスを測定し、前記インピーダンスの測定値より、インピーダンスと検査対象物からの2次電子の放出数との相関に基づいて、前記検査対象物の2次電子放出能を評価することを特徴とする。従来用いられていたイオンビームに代えてプラズマを使用するので、2次電子の放出量が多く、2次電子放出能を高感度に評価することができる。またイオンビームを用いる従来法に必要であった検査対象物(および陰極)を覆うコレコタは不要なので、測定装置をシンプルにできる。
高周波プラズマのインピーダンスの測定は、検査対象物の表面に薄膜を形成するチャンバ内で行うことができる。プラズマを用いることで測定装置の構成をシンプルにできるため可能になったものであり、測定結果を同一チャンバ内で成膜中の薄膜の成膜条件にフィードバックすることができ、2次電子の安定化、したがって膜質の安定化に有効である。
高周波プラズマのインピーダンスの測定は、薄膜の形成と並行して行うことができる。
また高周波プラズマのインピーダンスの測定は、薄膜の形成と交互に行うことができる。成膜にプラズマを用いる際にプラズマどうしの干渉を避けるためにはこの方式が好ましい。
高周波プラズマが検査対象物に接触するプラズマ接触部分に紫外線を照射しながらインピーダンスを測定するのが好ましい。紫外線によって2次電子の放出を促進できるため、より高感度に2次電子を測定し、評価できる。
紫外線の波長が100〜300nmであるのが好ましい。100〜300nmは2次電子の放出を促進するのに必要な最低限の波長なので、検査対象物、特に薄膜にダメージを与えるのを回避できる。
高周波プラズマ発生手段としてのアノードとカソードとが、検査対象物の検査面の近傍で開口するプラズマ発生空間を形成しており、前記プラズマ発生空間で高周波プラズマを発生させるのが好ましい。インピーダンスを測定する高周波プラズマがアノードとカソードと検査対象物とで囲まれるため、同一チェンバ内で成膜される際もそのプラズマの干渉を受けにくく、安定して2次電子を測定できる。
プラズマ発生空間に選択的にガスを導入するのが好ましい。インピーダンスを測定する高周波プラズマに安定してガスを供給できるため、同一チェンバ内で成膜される際もそのガスの干渉を受けにくく、安定して2次電子を測定できる。
高周波プラズマ発生手段として、検査対象物の検査面に背反する背面に接触する電極を用いて、前記検査対象物の検査面に接触する高周波プラズマを発生させ、その高周波プラズマのインピーダンスを前記電極に接続したインピーダンス測定器で測定するようにしてもよい。検査対象物に衝突する高周波プラズマのイオンのエネルギーが大きいため、より高感度に2次電子放出能を測定できる。
本発明の第1の構成の表面検査装置は、上記した第1の構成の表面検査方法を実施する表面検査装置であって、真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配置された検査対象物の表面に接触する高周波プラズマを発生させる高周波プラズマ発生手段と、前記高周波プラズマ発生手段の回路に接続して設けられ前記高周波プラズマのインピーダンスを測定するインピーダンス測定器とを備えたことを特徴とする。
真空チャンバは、検査対象物の表面に薄膜を形成する成膜手段を備えた真空チャンバであってよい。
高周波プラズマ発生手段は、高周波電源に接続したアノードとカソードとを薄膜の検査面側に配置して構成されたものであってよい。
高周波プラズマ発生手段が、高周波電源に接続したアノードとカソードの一方が他方を囲んで検査対象物の検査面の近傍で開口するプラズマ発生空間を形成し、インピーダンス測定器が前記カソードに接続しているのが好ましい。
プラズマ発生空間に選択的にガスを導入するガス導入系を有するのが好ましい。
高周波プラズマ発生手段として、検査対象物の検査面に背反する背面に接続する電極を有し、この電極にインピーダンス測定器が接続したものであってよい。
高周波プラズマが検査対象物に接触するプラズマ接触部分に紫外線を照射する紫外線照射手段を有するのが好ましい。
紫外線照射手段は、紫外光源と前記紫外光源の紫外線をプラズマ接触部分に導く光ファイバとを有するものであってよい。
本発明の表面検査方法および装置によれば、薄膜の2次電子放出能を、シンプルな構成で、感度よく、成膜装置内においても、測定可能であり、測定結果を成膜条件にフィードバックすることで、2次電子の安定化、膜質の安定化も可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における表面検査装置を成膜装置に併設した構成を示す。
図1において、成膜装置100の真空チャンバ1の一端部に、ポンプ2などの真空排気系と弁装置3aやマスフローコントローラ3bを備えたガス供給系3とが接続されている。
真空チャンバ1内の前記一端部寄りの位置に、スパッタ成膜のターゲットである蒸発源4(ここではCa化合物)が真空チャンバ1外の電源5に接続して設置され、蒸発源4にほぼ対向する位置にバイアス電極6が真空チャンバ1外のバイアス電源7に接続して設置されている。
成膜対象の基板8は、図示しない搬送機構によって、成膜対象面が蒸発源4に対向する向きに保持されて、真空チャンバ1内を一端部側から他端部側へと矢印で示す一定方向に搬送される。
真空チャンバ1内の他端部寄りの位置に表面検査装置200が設置されている。この表面検査装置200は、高周波プラズマ発生手段として、カソード9とアノード10とが真空チャンバ1内に配置され、高周波電源11とマッチングユニット12とが真空チャンバ1外に配置されており、この高周波プラズマ発生手段の回路に、カソード9,アノード10間に発生する高周波プラズマ13のインピーダンスを測定するインピーダンス測定器14が接続されている。
アノード10は凹状に形成され、その内底部にカソード9が絶縁体15(単に隙間であってもよい)が介在する状態で取り付けられていて、アノード10の開口端部が基板8の膜面との間に5mm以下の間隙を設けるように設置されている。インピーダンス測定器14はカソード9とマッチングユニット12とに接続されている。
上記構成における作用を説明する。
真空チャンバ1は、ポンプ2によって5E−4Pa程度に真空排気された後、ガス供給系3よりArガスが導入され、所定の圧力に維持される。Arガスはマスフローコントローラ3bにより一定の流量50sccmに保たれる。
この状態で電源5より蒸着源4に−1000v程度の電圧が印加されてエネルギーが投入されると、真空チャンバ1内にプラズマ(図示せず)が発生し、プラズマ中のArイオンが蒸発源4の負電位により加速されて蒸発源4に衝突し、それにより叩き出された蒸着材料であるスパッタリング粒子16が対向した基板8の成膜対象面に付着して、薄膜8aが形成される。
その間、バイアス電源7よりバイアス電極6に0〜3000wの電力が供給されて、基板8に形成される薄膜8aの2次電子放出能に関する2次電子が制御されるとともに、基板8は一定速度で表面検査装置200側へ搬送されている。
表面検査装置200では、カソード9とアノード10との間に高周波電源11により100w〜300wの電力が印加されて、高周波プラズマ13が生成される。このときマッチングユニット12は高周波電源11に反射波が入らないように内部のコンデンサ容量を調整する。
高周波プラズマ13は、上述したように凹状のアノード10が基板8の膜面に対して5mm以下の距離となるように設置されていることから、アノード10の内側のプラズマ発生空間で発生し、搬送されてきた基板8の薄膜8aに接触し、高周波プラズマ13中のArイオンの衝突によって薄膜8aから2次電子が放出される。
この際の高周波プラズマ13のインピーダンスがインピーダンス測定器14で測定され、その測定値から薄膜8aの2次電子放出能に関する膜質が評価される。これは、薄膜8aからの2次電子の放出数が多いほど、高周波プラズマ13中の電離が進み、インピーダンスが低くなるという現象に基づく。インピーダンスの測定値が低くなると、2次電子の放出数が多い薄膜8aが形成されていると評価することになる。
このように高周波プラズマ13を薄膜8aに接触させる本発明方法によれば、たとえば、高周波プラズマ13を発生させる電力が100〜300Wで、高周波プラズマ13が薄膜8aに接触している面積が約2500mm状態の場合、イオンビームを用いる従来の方法に比べて、高周波プラズマ13中のイオン(Arイオン)が約100倍の面積の薄膜8aに衝突することになり、2次電子放出能を感度よく測定できる。
また、イオンビームを用いる従来の方法では基板と陰極とをコレクタで覆う必要があったのに対し、本発明方法では、カソード9,アノード10をともに基板8の薄膜8a側に配置すればよく、これらを基板8とともに囲む必要もないため、上記したように表面検査装置200を、基板8を搬送して成膜するタイプの成膜装置100に併設することが可能となるのである。よって、測定結果を、表面検査した基板8の上流領域、あるいは後続する別の基板8の成膜条件にフィードバックすることが可能であり、膜質安定化に有効である。
さらにこの表面検査装置200では、インピーダンスを測定する高周波プラズマ13を凹状のアノード10(およびカソード9)と基板8の膜面とで囲むようにしたため、成膜のためのプラズマの干渉を受けず、安定して2次電子を測定できる。
具体例を挙げる。成膜装置100のメンテナンス直後に高周波プラズマ13のインピーダンスを測定したところ6.3Ωであった。この成膜装置100で150枚の基板8に対して成膜を行った後に、高周波プラズマ13のインピーダンスを測定したところ6.5Ωであり、薄膜8aの2次電子放出能が落ちていることがわかった。これは、真空チャンバ1内の部材に蒸着源4からのターゲット材料が堆積して真空チャンバ1内の雰囲気が変化したため、スパッタに使用されるプラズマの状態が変化し、膜質が変化したものと考えられる。そこでバイアス電源7の出力を400w上げたところ、高周波プラズマ13のインピーダンス値は6.3Ωに回復した。それに伴って薄膜8aの膜質も成膜装置100のメンテナンス直後と同等に回復した。このように、測定結果を同一種の基板8の成膜条件にフィードバックして膜質を安定化できる。
なお、蒸発源4に上記したようにCa化合物を用いた時に形成される薄膜8aはCaO膜であるが、Ba化合物を用いてBaO膜を形成する等も可能である。これらCaO,BaOともマグネトロン発振機の表面処理に利用されるもので、2次電子の放出が多いものほど、低消費電力、長寿命となる特性があるため、2次電子の放出をマグネトロン発振機の評価に用いることができる。
また、2次電子放出能の差を利用して構造検査を行うことができる。たとえば、表面の平滑性を2次電子放出能(本発明ではインピーダンス)によって検査することができる。表面が荒れていると、電界集中が起こり、2次電子が出やすいので、表面に平滑性を求める時には2次電子放出が少ないのが望ましいことになる。
異物検査を行うこともできる。たとえば、基板表面と基板上の異物(汚染物を含む)との2次電子放出能(本発明ではインピーダンス)の差を利用して、異物の状態を把握することができる。
ここに示した実施の形態1では、成膜装置100としてスパッタ成膜方式のものを挙げたが、電子ビーム加熱により蒸着する方式の成膜装置に上記した表面検査装置200を併設してもよい。
また実施の形態1では、成膜と表面検査とを同時に(並行して)行うようにしたが、ここに挙げたスパッタ成膜のようにプラズマを使用する成膜方式では、成膜に使用するプラズマと表面検査に使用するプラズマとが干渉することがあるので、上述したように高周波プラズマ13を基板8,カソード9,アノード10で囲むのでなければ、成膜と表面検査とを交互に行う方が望ましい。
高周波プラズマ13を基板8,カソード9,アノード10で囲む場合も、測定精度の向上のためには、スパッタ成膜のためのガス供給系3から分離して、表面検査用の高周波プラズマを生成するガスを導入するガス導入系(仮想線で示す3A)を設け、基板8,カソード9,アノード10で囲まれる高周波プラズマ発生領域に直接に導入する方が望ましい。
この表面検査装置201が実施の形態1のものと相違するのは、紫外光源21からの紫外光を導く光ファイバ22が、高周波プラズマ13が接触する基板8の薄膜8aの表面に光照射可能に、アノード10の近傍に設置された点である。
この構成において、高周波プラズマ13のインピーダンスの測定中に、基板8の薄膜8aに光ファイバ22を通じて波長100nm〜300nmの紫外光を照射すると、紫外光は2次電子の放出を促進することから、実施の形態1よりも感度の高い表面検査が可能となる。波長100nm〜300nmの紫外光としたのは、薄膜8aへのダメージを防止するためである。
実施の形態1と同じ成膜条件で形成された薄膜8aについて表面検査したところ、実施の形態1で測定されたインピーダンス6.3Ω(成膜装置100のメンテナンス直後)と6.5Ω(150枚の基板8への成膜後)に対応する時点で、インピーダンス4.9Ωと5.4Ωとして測定された。この場合も、実施の形態1と同様にしてバイアス電極6に印加する電力を変更することで膜質を回復することができた。
しかし膜質を制御するためには、このようにバイアス電極6への印加電力を変更する方法に限らず、真空チャンバ1内の圧力、導入するガスの流量や組成比を変更したり(たとえば成膜中に酸素を流してArとの流量比を調節する)、基板8の加熱や冷却、蒸発源4に与えるエネルギーなどを変更してもよい。
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における表面検査装置を成膜装置に併設した構成を示す。
この表面検査装置202が実施の形態1のものと相違するのは、高周波プラズマ発生手段としてのカソード9,アノード10に代えて、カソード23を基板8の背面側に配置し、真空チャンバ1自体をアノードとして用いて、高周波プラズマ13を生成する点である。
この構成によれば、実施の形態1(および実施の形態2)の構成に比べて、高周波プラズマ13のイオンが薄膜8aに衝突するエネルギーが高くなり、2次電子放出能に関する膜質の差をより高感度にインピーダンスの差として捉えることができる。
ただし、アノードとして用いた真空チャンバ1の壁面の状態は成膜を続ける間に変化してくるので、予め蓄積しておいたデータによりその変化分を補正する必要がある。
また、スパッタ成膜に使用するプラズマと表面検査に使用するプラズマとの干渉を回避するために、成膜と表面検査とを交互に行う必要がある。
(実施の形態4)
図4は本発明の実施の形態4における表面検査装置を成膜装置に併設した構成を示す。
この成膜装置100では、真空チャンバ1の一端部に成膜手段としてのEBガン31が設置され、EBガン31と蒸着源4との間に、EBガン31からの電子(線)32を蒸着源4側へ偏向させる偏向コイル33が設置されている。偏向コイル33の上方にはランプヒータ34が設置されている。
表面検査装置203としては、EBガン31からの電子(線)32を基板8側へ偏向させる偏向コイル35が蒸着源4よりも遠位に設置され、この偏向コイル35よりさらに遠位に、薄膜8の内部で起こる発光を捉えて分光光度計36に導く光ファイバ37が配置されている。
この構成によれば、EBガン31内で10〜20kvに加速された電子(線)32が偏向コイル33によって軌道を曲げられてCa化合物からなる蒸着源4に当たり、それにより加熱されて蒸発した蒸発粒子38が、ランプヒータ34によって背面側から加熱されている基板8の成膜対象面に付着して薄膜8aが形成される。
その後に、偏向コイル33がオフされた状態で、EBガン31内で1〜5kvに加速された電子(線)32が偏向コイル35によって軌道を曲げられて基板8の薄膜8aに衝突し、それにより薄膜8a内部で起こった発光が光ファイバ37により分光光度計36に導かれる。このように電子(線)32の衝突時に起こる発光の発光スペクトルは薄膜8aの電子エネルギー準位を反映しているので、分光光度計36で得られるデータから2次電子放出能を評価可能である。
実施の形態1と同じ成膜条件で形成された薄膜8aについて表面検査したところ、実施の形態1で測定されたインピーダンス6.3Ω(成膜装置100のメンテナンス直後)と6.5Ω(150枚の基板8への成膜後)に対応する時点で、波長500nmの光の強度100および98(相対強度)として測定された。この光の強度の低下、つまり薄膜8aの膜質の変化は、ランプヒータ34によって基板8の温度を30度上げることで回復することができた。
この実施の形態4の表面検査装置203は、上述したように成膜(蒸着)に使用されるEBガン31を利用したものであり、表面検査装置203自体は非常にシンプルな構成でありながら、膜質を感度よく測定できる。
本発明の表面検査方法および装置は、シンプルな構成でありながら、薄膜の2次電子放出能を感度よく測定することができ、膜質測定やその他2次電子放出能の差を利用した構造検査や異物検査などの用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における表面検査装置を併設した成膜装置の断面図 本発明の実施の形態2における表面検査装置を併設した成膜装置の断面図 本発明の実施の形態3における表面検査装置を併設した成膜装置の断面図 本発明の実施の形態4における表面検査装置を併設した成膜装置の断面図 従来の表面検査装置の断面図
符号の説明
1 真空チャンバ
3A ガス導入系
4 蒸着源
8 基板(検査対象物)
8a 薄膜
9 カソード
10 アノード
11 高周波電源
13 高周波プラズマ
14 インピーダンス測定器
21 紫外光源
23 カソード
31 EBガン
35 偏向コイル
36 分光光度計
100 成膜装置
200 表面検査装置
201 表面検査装置
202 表面検査装置
203 表面検査装置

Claims (17)

  1. 検査対象物の表面に高周波プラズマを接触させて、高周波プラズマ発生手段の回路に接続させたインピーダンス測定器で高周波プラズマのインピーダンスを測定し、前記インピーダンスの測定値より、インピーダンスと検査対象物からの2次電子の放出数との相関に基づいて、前記検査対象物の2次電子放出能を評価する表面検査方法。
  2. 高周波プラズマのインピーダンスの測定を、検査対象物の表面に薄膜を形成するチャンバ内で行う請求項1記載の表面検査方法。
  3. 高周波プラズマのインピーダンスの測定を、薄膜の形成と並行して行う請求項2記載の表面検査方法。
  4. 高周波プラズマのインピーダンスの測定を、薄膜の形成と交互に行う請求項2記載の表面検査方法。
  5. 高周波プラズマが検査対象物に接触するプラズマ接触部分に紫外線を照射しながらインピーダンスを測定する請求項1記載の表面検査方法。
  6. 紫外線の波長が100〜300nmである請求項5記載の表面検査方法。
  7. 高周波プラズマ発生手段としてのアノードとカソードとが検査対象物の検査面の近傍で開口するプラズマ発生空間を形成しており、前記プラズマ発生空間で高周波プラズマを発生させる請求項1記載の表面検査方法。
  8. プラズマ発生空間に選択的にガスを導入する請求項7記載の表面検査方法。
  9. 高周波プラズマ発生手段として、検査対象物の検査面に背反する背面に接触する電極を用いて、前記検査対象物の検査面に接触する高周波プラズマを発生させ、その高周波プラズマのインピーダンスを前記電極に接続したインピーダンス測定器で測定する請求項1記載の表面検査方法。
  10. 請求項1記載の表面検査方法を実施する表面検査装置であって、真空チャンバと、前記真空チャンバ内に配置された検査対象物の表面に接触する高周波プラズマを発生させる高周波プラズマ発生手段と、前記高周波プラズマ発生手段の回路に接続して設けられ前記高周波プラズマのインピーダンスを測定するインピーダンス測定器とを備えた表面検査装置
  11. 真空チャンバが、検査対象物の表面に薄膜を形成する成膜手段を備えた真空チャンバである請求項10記載の表面検査装置。
  12. 高周波プラズマ発生手段が、高周波電源に接続したアノードとカソードとを薄膜の検査面側に配置して構成された請求項10記載の表面検査装置。
  13. 高周波プラズマ発生手段、高周波電源に接続したアノードとカソードの一方が他方を囲んで検査対象物の検査面の近傍で開口するプラズマ発生空間を形成しており、インピーダンス測定器が前記カソードに接続した請求項10記載の表面検査装置。
  14. プラズマ発生空間に選択的にガスを導入するガス導入系を有した請求項13記載の表面検査装置。
  15. 高周波プラズマ発生手段として、検査対象物の検査面に背反する背面側に電極を備え、この電極にインピーダンス測定器が接続した請求項10記載の表面検査装置。
  16. 高周波プラズマが検査対象物に接触するプラズマ接触部分に紫外線を照射する紫外線照射手段を有した請求項10記載の表面検査装置。
  17. 紫外線照射手段が、紫外光源と前記紫外光源の紫外線をプラズマ接触部分に導く光ファイバとを有した請求項16記載の表面検査装置。
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