JP4860336B2 - 真空処理装置 - Google Patents

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本発明は、処理用ガスが導入されて被処理体を処理し、かつ、レーザ光導入用、エッチングエンドポイント検出用、あるいは監視用等のために光学窓が形成された真空処理に関し、特に、処理中に亘って透過率を維持するための光学窓のクリーニング技術に関する。
この種の光学窓を備えた真空処理装置では、処理中に生じた生成物が光学窓に付着して透過率が低下するので、処理を中断して定期的なクリーニングが不可欠であった。このため、処理のスループットが低下していた。
そこで、処理と同時に光学窓をクリーニングする提案がなされている。特許文献1は、真空容器を用いるレーザ加工装置を開示している。レーザにより蒸発したターゲットの蒸気がレーザ導入窓に付着するのを防止するため、レーザ光導入部にガス導入差圧室を設け、差圧室周囲の大気側にプラズマ生成用のコイルを配置してガス導入差圧室内にてプラズマを生成している。そのプラズマ中のイオンのスパッタにより、レーザ導入窓のクリーニング周期(メインテナンス周期)を14倍に向上させている。
特許文献2では、ガス導入差圧室を設けずに、レーザ被照射物を保持する保持部とレーザ導入窓(光学窓)との間の真空チャンバー内にプラズマ生成用のコイルを配置している。この目的は、コイルによって生成されるプラズマにより、光学窓と被照射物との双方をイオンスパッタして、両方の各物質特性を劣化させないためである。
特開平4−66290号公報 特開平8−197277号公報
特許文献1及び2では共に、コイルによる誘導結合型のプラズマ発生装置を用いている。この場合、レーザ導入窓は電場的には浮いた状態であるので、イオンが積極的にレーザ導入窓に流入してスパッタする効果は比較的低い。特許文献1によれば、クリーニング効果によってメインテナンス周期が14倍程度とあり、その程度の効果に止まっている。
本発明の目的は、光学窓のクリーニング効果を従来よりもさらに高めて、メインテナンス周期を飛躍的に増大させることができる真空処理装置を提供することにある。
本発明に係る真空処理装置は、真空処理室と、前記真空処理室の壁部に配置され、透光性部材を有する光学窓と、前記真空処理室の内側にて前記透光性部材の周縁側に配置された、第1開口を有する接地電極と、前記真空処理室の外側にて前記透光性部材の周縁側に配置された、前記第1開口と対向する第2開口を有するRF電極とを有する。前記真空処理室内には処理用ガスが導入され、前記RF電極及び前記接地電極間の電界によってプラズマが生成される。透光性部材は負の自己バイアス電位に帯電されるので、プラズマ中のイオンがプラズマシースの電界方向に飛翔して透光性部材をスパッタして、透光性部材をクリーニングすることができる。これにより、光学窓のメインテナンス周期が飛躍的に長くなり、真空処理装置でのスループットが向上する。
本発明では、前記接地電極を、前記真空処理室の壁部で形成することができる。この場合、真空処理室の壁部自体が接地される。
本発明に係る真空処理装置は、前記接地電極との間で前記透光性部材の周縁部を挟んで固定する第1の固定部材と、前記透光性部材との間で前記RF電極を挟んで保持する絶縁性部材と、前記絶縁性部材を前記光学窓に固定する第2の固定部材とをさらに有し、前記第1の固定部材は、前記RF電極を内部に配置するための第3開口を有し、前記第2の固定部材及び前記絶縁性部材には、前記第2開口に連通する開口をそれぞれ形成することができる。
このような構造によれば、第1及び第2の固定部材と絶縁性部材とを全て大気側に配設することができ、光学窓を真空処理室に対して簡便に取り付けることができる。
本発明では、前記絶縁部材には前記RF電極と対向する位置に、前記第2の固定部材と対向する面から前記RF電極と対向する面に向かう厚さ方向で貫通する貫通穴が形成され、一端が前記貫通穴を介して前記RF電極に接続され、他端が前記絶縁性部材の外部に引き出されるRF配線部材と、前記絶縁性部材との間で、前記RF配線部材を挟持する絶縁性配線押さえ部材とがさらに設けられ、前記絶縁性配線押さえ部材を、前記絶縁性部材と前記第2の固定部材との間に挟持することができる。
このような構造では、RF電極に接続されたRF配線部材の外部への取り出しを、RF配線部材を絶縁しながら容易に行なうことができる。
本発明では、前記真空処理室内には、前記光学窓を介してレーザ光を導入することができる。この場合、レーザ光をプラズマの励起光として使用することができる。
本発明では、前記真空処理室内には、前記レーザ光によってアブレーションが生じて蒸発粒子が生成されるターゲットと、前記ターゲットからの前記蒸発粒子が堆積されて成膜される被処理体とを配置することができる。つまり、真空処理装置をレーザアブレーション成膜装置に適用でき、それ用いるレーザ光をプラズマ励起光として兼用できる。
このレーザアブレーション成膜装置では、前記真空処理室内には酸素が供給され、前記被処理体に形成される膜はターゲット材料の酸化物であり、前記光学窓を介して導入されるレーザ光は紫外線レーザであり、前記光学窓付近には前記紫外線レーザにより励起された酸素プラズマを生成することができる。あるいは、このレーザアブレーション成膜装置では、前記真空処理室内には窒素が供給され、前記被処理体に形成される膜はターゲット材料の窒化物であり、前記光学窓を介して導入されるレーザ光は紫外線レーザであり、前記光学窓付近には前記紫外線レーザにより励起された窒素プラズマを生成することができる。いずれの場合も、成膜される材料に合った処理ガスによるプラズマを、エキシマレーザなどの紫外線レーザによって励起することができる。
本発明では、前記真空処理室より突出するレーザ光導入ボックスが設けられ、前記光学窓は前記レーザ光導入ボックスに配置され、前記レーザ光導入ボックスは前記真空処理室内に向けて伸び、先端に前記第2開口と対向する第4開口を有する隔壁を設けることができる。この隔壁によって、真空処理室内の生成物が光学窓に飛散することを抑制でき、光学窓の汚染を低減できる。なお、隔壁内にて光学窓付近にプラズマ生成ガス(真空処理室内への導入ガスと同一ガスが好ましい)を導入すると、隔壁内を真空処理室内よりガス圧を高めた差圧室として利用できる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
図1は、真空処理室である真空チャンバー10の光学窓20の概略斜視図、図2は光学窓20の組立分解斜視図であり、図3は光学窓20の断面図である。
(光学窓の主要部及びクリーニング動作)
図1〜図3において、真空チャンバー10のチャンバー壁12に、透光性部材例えば石英ガラス22を有する光学窓20が配置されている。真空チャンバー10の内側(真空側)にて石英ガラス22の周縁側に配置された、第1開口14を有するチャンバー壁12は接地され、チャンバー壁12自体で接地電極を形成している。もちろん、接地電極を、チャンバー壁12とは別部材で形成しても良い。
真空チャンバー10の外側には、石英ガラス22の周縁側に配置された、第1開口14と対向する第2開口32を有するRF電極30が設けられている。このRF電極30は、RF配線部材34、プラズマインピーダンス整合回路36を介して、例えば13.56MHzの高周波電力を発生するRF電源38に接続されている。つまり、本実施形態では石英ガラス22を介して容量結合されたRF電極30及び接地電極12を用いている。
なお、本実施形態では、図3に示すように、RF電極30は、接地電極12よりも石英ガラス22の中心側にシフトして配置され、第2開口32が第1開口12よりも小さく形成されている。これは、既に第1開口12が形成されている既存の真空チャンバー10に本実施形態を適用したからであり、第1開口12の大きさを第2開口32と同じ大きさに形成しても良い。
ここで、真空チャンバー10は、真空引きされ、かつ、真空チャンバー10内に設置される被処理体を処理するための処理ガスが導入される。真空チャンバー10内では、真空処理装置の種類に応じて、被処理体に対する成膜、エッチング、アッシング等の処理が行なわれる。真空処理装置によっては、光学窓20からレーザ光を導入して、ターゲット上でレーザアブレーションを行ない、あるいは被処理体を処理するためのプラズマをレーザにより励起することができる。この他、光学窓20を介してプラズマ発光を検出して、エッチングエンドポイントを検出してもよい。あるいは、光学窓20は、オペレータによって内部を監視するための監視窓であってもよい。
本実施形態では、上述した被処理体に対する処理中に、接地電極12を接地し、RF電極30にRF電力を供給する。こうすると、容量結合された接地電極12とRF電極30との間に、供給されるRF電力の周期に従って、プラス及びマイナスの向きが交互に反転する電界が生ずる。この電界により光学窓20付近の真空側に、処理ガスによるプラズマが生成される。
この際、容量結合された接地電極12及びRF電極30の間にて誘電体として機能する石英ガラス22の真空側表面に、負の自己バイアス電位が生ずる。これは、プラズマ中の電子の移動度がイオンよりも大きく、例えばRF電極30にプラス電界が印加される半周期では多くの電子電流が流れ込むのに対して、次の半周期でマイナス電界が印加されたときには比較的少ないイオン電流が流れ込むからである。
結果として、図4に示すようなプラズマ電流が得られ、図3に示すように石英ガラス22の真空側は、定常的には、プラス、マイナスで中和したプラズマ電位Vpよりも低い負の自己バイアス電位Vfに帯電することになる(図3参照)。
図3に示すように、定常的に負の自己バイアス電位Vfに帯電した石英ガラス22には、プラズマ中のイオンがプラズマシース(放電暗部)の電界方向Eに沿って引き込まれるので、そのイオンにより石英ガラス22の真空側表面がスパッタされる。このため、真空チャンバー10内での反応生成等が石英ガラス22の真空側表面に付着したとしても、スパッタにより付着物を除去して、石英ガラス22をクリーニングすることができる。
石英ガラス22の中心位置の第2開口32にはRF電極30も接地電極12も配置できないが、図3の接地電極12及びRF電極30の配置によって、石英ガラス22の中心位置にも電気力線による電場を分布させることができるので、この第2開口32の領域も負の自己バイアス電位Vfにて石英ガラス22を帯電させることができ、イオンにより石英ガラス22の中心位置をもスパッタすることができる。
特に、光学窓20を介してレーザ光を真空チャンバー10内部に照射するタイプの真空処理装置にあっては、そのレーザ光は光学窓20付近でクリーニング用プラズマを励起するための励起光として兼用できる。その結果、特許文献1に示すように、光学窓付近に処理ガスを局所的に導入するガス導入口及び差圧室を設けて、光学窓付近のガス圧を高めなくても、クリーニング用プラズマを励起することが可能となる。つまり、高周波印加によるグロー放電は、真空チャンバー10内の圧力が1Pa程度で放電を開始するが、レーザ光導入によって10−2Pa台のより低圧雰囲気でも十分に放電開始が可能となる。
(光学窓の細部構造)
次に、RF電極30の保持及び給電等に関する細部構造について、図1〜図3を参照して説明する。石英ガラス22の最外周縁部は、チャンバー壁(接地電極)12と石英ガラス固定金具(広義には第1の固定部材)40との間に挟持されている。ここで、チャンバー壁(接地電極)12の第1開口14の周囲には溝16が形成され、Oリング18が装着されている。Oリング18により、チャンバー壁12と石英ガラス22との間が気密に維持される。また、石英ガラス固定金具40が石英ガラス22と対向する面には、例えば四フッ化エチレン(テフロン(登録商標))製の保護材44を配置して、石英ガラス面を保護しても良い。
RF電極30は、石英ガラス22と、絶縁性部材である例えば四フッ化エチレン製の電極押さえ板50との間に挟持される。さらに、この電極押さえ板50と共にRF電極30を光学窓20の位置で固定するRF電極固定板(広義には第2の固定部材)60が設けられている。
ここで、石英ガラス固定板40は、例えばチャンバー壁12の第1開口14と同等の面積の第3開口42を有し、この第3開口42内に位置してRF電極30が石英ガラス22と接して配置されている。このRF電極30を覆うRF電極押さえ板50には、RF電極30の第2開口32に連通するが開口52が設けられている。RF電極固定板60にも、第2開口32に連通する開口62が設けられている。
図3に示すように。RF電極30の例えば6つのねじ孔31には、電極押さえ板50の6つの孔51を介してボルト70が螺合されることで、RF電極30と電極押さえ板50とが固定される。また、石英ガラス固定板40の例えば8つのねじ孔41には、RF電極固定板60の孔61を介してボルト71が螺合することで、石英ガラス固定板40とRF電極固定板60とが固定される。さらに、チャンバー壁12に設けた例えば8つのねじ孔11には、RF電極固定板60の孔63介してボルト(図示せず)が螺合されることで、RF電極固定板60がチャンバー壁12に固定される。この構造により、RF電極30は他の金属部材12,40,60と絶縁されて、光学窓20に保持される。
次に、RF電極30に対するRF配線部材34の取付構造について説明する。RF電極30には、RF配線部材34の一端を固定するための例えば3つのねじ孔33を有する。一方、RF電極押さえ板50が3つのねじ孔33と対向する領域を含む領域は、切り欠かれた切欠部53とされている。この切欠部53内であって、RF電極30の3つのねじ孔33と対向する位置に、厚さ方向で貫通する貫通穴54が形成されている。
RF電極配線部材34の一端には3つの孔35が形成され、この孔35を介してボルト72がRF電極30のねじ孔33に螺合されることで、RF電極30に対してRF配線部材34が締結固定される。なお、符号80で示す部材は、切欠部53内に配置され、かつ、石英ガラス22とRF配線部材34との間に配置される絶縁性(例えば四フッ化エチレン製)スペーサである。符号81で示す部材は、RF電極固定板60の内表面に形成された切欠部63内に配置され、かつ、RF配線部材34とRF電極固定板60との間に配置される絶縁性(例えば四フッ化エチレン製)スペーサ(広義には絶縁性配線押さえ部材)である。符号82で示す部材は、RF電極固定板60の内表面に形成された切欠部(図示せず)内に配置され、かつ、ボルト70の頭部とRF電極固定板60との間に配置される絶縁性(例えば四フッ化エチレン製)スペーサである。
(レーザアブレーション装置)
次に、本実施形態に係る光学窓を備えたレーザアブレーション装置について、図5を参照して説明する。
図5に示す光学窓20は断面を模式的に示しているが、基本的構成は図1〜図3に示すものと同じである。ただし、図5では、接地電極102は真空チャンバー10のチャンバー壁12自体ではなく、チャンバー壁12より突出して配置されたレーザ光路ボックス(広義にはレーザ光導入ボックス)100の壁部である。
レーザ光路ボックス100は、真空側に、チャンバー壁12よりも内部に突出する隔壁104を有する。隔壁104が、RF電極30の第2開口32と対向する位置に第4開口106を有する。なお、隔壁104は、真空チャンバー10に対して、金属の弾性を利用して固定するか、あるいはねじ固定することができる。
レーザ光、例えばKrFエキシマレーザ光108は、例えばパルス状に発せられる。このレーザ光は、レーザ光路ボックス100の大気側に配置されたミラー110及びレンズ112を介して、さらに、RF電極30の第2開口32、石英ガラス22、接地電極102の第1開口103を経由して、レーザ光路ボックス100の真空側に導入される。このレーザ光は、隔壁104の第4開口106を介して真空チャンバー10内のターゲット120に照射される。
一方、真空チャンバー10内は図示しない排気手段によって所定の真空度まで真空引きされた後に、図示しないガス導入管を介して処理用ガスが導入されて所定の圧力に維持されている。この状態で、パルスレーザ光がある角度をもってターゲット120に照射されると、ターゲット120にアブレーションが生じて蒸気粒子122が生成され、この蒸気粒子122が基板124上に堆積することで、ターゲット120の材料により基板124を成膜処理する。
この成膜処理時に、高周波電源38からの高周波電力がマッチングボックス36、RF配線部材34を介して、RF電極30に供給される。これにより、上述した動作と同様にして、光学窓20の真空側にレーザ光108によって励起されたプラズマが生成される。そして、プラズマ中のイオンが、負の自己バイアス電位に帯電した石英ガラス22をスパッタする。これにより、蒸気粒子122等が飛散して石英ガラス22に付着しても、その付着物をスパッタにより除去して、石英ガラス22をクリーニングすることができる。
ここで、本実施形態では、図5に示すように光学窓20付近にプラズマ生成用ガスを導入するガス導入管130を設けることができる。このプラズマ生成用ガスとしては、真空チャンバー10内に導入される処理用ガスと同じガスであることが好ましい。パルスレーザ堆積法では、成膜時に使用する処理ガスを成膜したい材料に合わせて選択できるという利点がある。成膜したい材料が例えばZnO等の酸化物であれば、処理ガスは酸素ガスであり、ガス導入管130からも酸素ガスが導入されることが好ましい。成膜したい材料が窒化物であれば、処理ガスは窒素ガスであり、ガス導入管130からも窒素ガスが導入されることが好ましい。
このとき、光学窓20付近に生成される酸素プラズマまたは窒素プラズマのトリガーとして、KrFエキシマレーザを好適に用いることができる。なお、本発明ではレーザ波長はエキシマレーザに限定されるものではなく、他の波長であってもよく、好ましくは紫外線レーザであると良い。また、ガス導入管130を介して光学窓20付近に導入されるガスの種類についても、好ましくは酸素または窒素であるが、これらに限定されない。
なお、特許文献1では、Arプラズマを生成するために、発光波長が赤外線領域であるCOレーザを用いている。特許文献1では差圧室に金属ミラーを配置することが必須であるが、赤外線レーザに対してMo金属またはMo合金の金属ミラーが設けられる。この場合、誘電体多層膜ミラーを必要とする紫外線レーザは使用できず、適用範囲が狭いという欠点がある。また、特許文献1の装置にて、酸化物を成膜材料として、導入ガスを酸素ガスとすると、Mo金属またはMo合金の金属ミラーが酸化されてしまうので、この点でも適用範囲が狭いという問題がある。本実施形態では紫外線レーザを用い、かつ、金属ミラーは不要であるので、特許文献1のような適用障害がない。
ところで、隔壁104内にてガス導入管130を介してクリーニング用プラズマ生成ガスを導入すると、隔壁104が真空チャンバーと隔離される差圧室を形成することができ、隔壁104内のガス圧を高めてプラズマを生成しやすくなる。ただし、本実施形態では必ずしもガス導入管130を設けなくても良い。その理由は、上述した通り、石英ガラス22付近に比較的低圧でプラズマを生成できるからである。
なお、ガス導入管130を設けない場合でも、隔壁104は有効である。なぜなら、隔壁104により、真空チャンバー10内の蒸気粒子122が光学窓20側に侵入することを低減できるからである。
(他のレーザアブレーション装置)
図6は、他のレーザアブレーション装置を示している。図6が図5と相違する点は、例えば水平に配置されたターゲット120に対して、ある角度をもってレーザ光120が入射されるために、レーザ光路ボックス100を真空チャンバー10に対して傾けて取り付けた点である。その他の点は、図6と図5に相違はなく、図5に示す部材と同一機能を有する部材については、図6でも同一符号が付されている。なお、図6に示す隔壁140は、先端の第4開口142に向かうに従い先細りとなるテーパ状に形成されている。また、図6に示すRF電極30は、円形リング状に形成することができ、第2開口32が円形である。
本発明者等は、図1、図6または図7に示す実施形態装置と、それら各図のクリーニング機能付きの光学窓20を石英ガラスのみに変更した従来装置とを対比した。図7は、実施形態装置と従来装置とで複数回の成膜動作をそれぞれ行い、基板124に堆積された膜厚を測定した結果を示している。
ここで、図6または図7に示す蒸気粒子122の一部が石英ガラス22に付着すると、その付着物がレーザ光を吸収するので、ターゲット120上のレーザ強度が減少し、ターゲット120の蒸発量が一定とならなくなる。
この結果、クリーニング機能を有しない光学窓を有する従来装置では、図7に示すように、3回目の成膜動作から、基板124上に堆積される膜厚が減少し始めている。よって、毎日光学窓を取り外してクリーニングする必要がある。
一方、本実施形態装置では、図7に示すように、繰り返し成膜動作を行なっても、基板124上に堆積される膜厚が1400nm付近でほぼ一定であった。このように、本実施形態装置では、光学窓20の透過率が長期に亘って維持されるので、ターゲット120からの蒸発量が安定し、光学窓20のメインテナンス周期は従来装置のほぼ100〜200倍にも伸びた。
なお、本発明の実施形態について説明したが、本発明の発明特定事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形例が可能であることは当業者には容易に理解できる。従って、このような変形例は全て本発明の範囲内に含まれるものである。例えば、本明細書または図面において、少なくとも一度、より広義または同義な用語と共に記載された異なる用語は、本明細書又は図面のいかなる箇所においても、その広義または同義の用語に置き換えることができる。
例えば、本発明に係る真空処理装置は、従来装置の光学窓だけを本発明のクリーニング機能付きの光学窓に置き換えた、真空処理室本体は既存のものであってもよい。例えば図1〜図3に示す構造であれば、既存の真空処理室にねじ孔等を形成するだけで、本発明に係るクリーニング機能付き光学窓を取り付けることができるからである。
本発明に係る真空処理装置の光学窓部分の概略斜視図である。 図1に示す光学窓の組立分解斜視図である。 図1に示す光学窓の断面図であり、中心線の上下で異なる位置の断面を示している。 RF周期に依存したプラズマ電流の特性図である。 本発明の他の実施形態に係るレーザアブレーション装置の概略図である。 本発明の他の実施形態に係るレーザアブレーション装置の概略図である。 本発明に係る実施形態装置と従来装置とで成膜動作をそれぞれ複数回実施した時の、基板上の堆積膜厚を測定した特性図である。
符号の説明
10 真空チャンバー(真空処理室)、12 チャンバー壁(接地電極)、
14 第1開口、16 溝、18 Oリング、20 光学窓、
22 石英ガラス(透光性部材)、30 RF電極、32 第2開口、
34 RF配線部材、36 マッチングボックス、38 RF電源、
40 石英ガラス固定部材(第1の固定部材)、42 第3開口、
50 RF電極押さえ板(絶縁性部材)、52 開口、54 貫通穴、
60 RF電極固定板(第2の固定部材)、62 開口、
81 絶縁性配線押さえ部材、
100 レーザ光路ボックス(レーザ光導入ボックス)、102 接地電極、
104、140 隔壁、106、142 第4開口、120 ターゲット、
122 蒸気粒子、124 基板(被処理体)

Claims (9)

  1. 真空処理室と、
    前記真空処理室の壁部に配置され、透光性部材を有する光学窓と、
    前記真空処理室の内側にて前記透光性部材の周縁側に配置された、第1開口を有する接地電極と、
    前記真空処理室の外側にて前記透光性部材の周縁側に配置された、前記第1開口と対向する第2開口を有するRF電極と、
    を有し、
    前記真空処理室内に処理用ガスが導入され、前記RF電極及び前記接地電極間の電界によってプラズマを生成し、負のバイアス電位に帯電された前記透光性部材を、前記プラズマ中のイオンによりスパッタしてクリーニングすることを特徴とする真空処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記真空処理室の壁部は接地され、前記接地電極は前記真空処理室の壁部で形成されていることを特徴とする真空処理装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記接地電極との間で前記透光性部材の周縁部を挟んで固定する第1の固定部材と、
    前記透光性部材との間で前記RF電極を挟んで保持する絶縁性部材と、
    前記絶縁性部材を前記光学窓に固定する第2の固定部材と、
    をさらに有し、
    前記第1の固定部材は、前記RF電極を内部に配置するための第3開口を有し、
    前記第2の固定部材及び前記絶縁性部材には、前記第2開口に連通する開口がそれぞれ形成されていることを特徴とする真空処理装置。
  4. 請求項3において、
    前記絶縁部材には前記RF電極と対向する位置に、前記第2の固定部材と対向する面から前記RF電極と対向する面に向かう厚さ方向で貫通する貫通穴が形成され、
    一端が前記貫通穴を介して前記RF電極に接続され、他端が前記絶縁性部材の外部に引き出されるRF配線部材と、
    前記絶縁性部材との間で、前記RF配線部材を挟持する絶縁性配線押さえ部材と、
    がさらに設けられ、
    前記絶縁性配線押さえ部材は、前記絶縁性部材と前記第2の固定部材との間に挟持されることを特徴とする真空処理装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記真空処理室内には、前記光学窓を介してレーザ光が導入され、前記レーザ光が前記プラズマの励起光として使用されることを特徴とする真空処理装置。
  6. 請求項5において、
    前記真空処理室内には、前記レーザ光によってアブレーションが生じて蒸発粒子が生成されるターゲットと、前記ターゲットからの前記蒸発粒子が堆積されて成膜される被処理体とが配置されていることを特徴とする真空処理装置。
  7. 請求項6において、
    前記真空処理室内には酸素が供給され、前記被処理体に形成される膜はターゲット材料の酸化物であり、前記光学窓を介して導入されるレーザ光は紫外線レーザであり、前記光学窓付近には前記紫外線レーザにより励起された酸素プラズマが生成されることを特徴とする真空処理装置。
  8. 請求項6において、
    前記真空処理室内には窒素が供給され、前記被処理体に形成される膜はターゲット材料の窒化物であり、前記光学窓を介して導入されるレーザ光は紫外線レーザであり、前記光学窓付近には前記紫外線レーザにより励起された窒素プラズマが生成されることを特徴とする真空処理装置。
  9. 請求項5乃至8のいずれかにおいて、
    前記真空処理室より突出するレーザ光導入ボックスが設けられ、前記光学窓は前記レーザ光導入ボックスに配置され、前記レーザ光導入ボックスは前記真空処理室内に向けて伸び、先端に前記第2開口と対向する第4開口を有する隔壁を有することを特徴とする真空処理装置。
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