JP4011863B2 - 電子放出素子、電子源、及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子放出素子、特に表面伝導型電子放出素子と、該素子を複数備えた電子源、及び該電子源を用いて構成した表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
表面伝導型電子放出素子は、絶縁性の基板上に形成された導電性薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものである。
【0003】
表面伝導型電子放出素子の典型的な構成例としては、図15に示すように、絶縁性の基板1上に設けた一対の素子電極4,5間を連絡する金属酸化物等の導電性薄膜3に、予めフォーミングと称される通電処理により電子放出部8を形成したものが挙げられる。フォーミングは、導電性薄膜3の両端に、電圧を印加通電することで通常行われ、導電性薄膜3を局所的に破壊、変形もしくは変質させて構造を変化させ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部8を形成する処理である。電子放出は、上記電子放出部8が形成された導電性薄膜3に電圧を印加して電流を流すことにより、電子放出部8に発生した亀裂付近から行われる。
【0004】
上記表面伝導型電子放出素子は、構造が単純で製造も比較的容易であることから、大面積にわたり多数配列形成できる利点がある。そこで、この特徴を活かすための種々の応用が研究されている。例えば、荷電ビーム源、表示装置等の画像形成装置への利用が挙げられる。
【0005】
従来、多数の表面伝導型電子放出素子を配列形成した例としては、並列に表面伝導型電子放出素子を配列し、個々の表面伝導型電子放出素子の両端(両素子電極)を配線(共通配線とも呼ぶ)にて各々結線した行を多数行配列(梯型配置とも呼ぶ)した電子源が挙げられる(特開昭64−31332号公報、特開平1−283749号公報、特開平1−257552号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような構成を有する表面伝導型電子放出素子を駆動する際、素子電極4、5間に駆動電圧を印加するが、外部からのノイズ等により駆動電圧が揺らぐことで過電圧が印加されてしまう場合がある。
【0007】
この過電圧により、電子放出部8に過剰な電子放出を生じ、さらには、図16に示すように導電性薄膜3に放電を発生させ素子を破壊する場合があった。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決する、すなわち過電圧により電子放出素子の電子放出部に生じる放電破壊を防止し、電子放出特性の信頼性を向上するとともに、さらに大きな過電圧により、素子の放電が発生した場合においても、分割された導電性薄膜部のみで放電を終了させ、他の分割領域の素子の破壊を防止して、電子放出特性の耐久性を向上することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、多数の電子放出素子を配列形成した電子源において、各電子放出素子に過電圧が印加された場合でも、素子の破壊を防止し、電子放出素子を安定維持し信頼性を向上することにある。
【0010】
さらに、本発明の目的は、多数の電子放出素子を配列形成した電子源を用いた表示装置において、各電子放出素子にさらに大きな過電圧が印加され、素子に放電が発生した場合でも、分割された導電性薄膜部のみで放電を終了させ、表示欠陥を最小に抑えることにより輝度ムラや画像ムラの無い高品質な画像が得られるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために成された本発明の構成は以下の通りである。
【0012】
本発明の電子放出素子は、基体上に一対の素子電極を有し、該素子電極間に一対の第二の導電性膜を有する電子放出素子において、前記第二の導電性膜の各々は、該各々の第二の導電性膜と対向する前記素子電極と複数の第一の導電性薄膜で接続されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の電子放出素子は、基体上に一対の素子電極を有し、該素子電極間に一対の第二の導電性膜を有し、前記第二の導電性膜の各々と該各々の第二の導電性膜と対向する前記素子電極との間を接続する第一の導電性薄膜を有する電子放出素子において、該第一の導電性薄膜が分岐することにより前記第二の導電性膜と複数箇所で接続していることを特徴とする。
【0014】
上記本発明の電子放出素子は、さらにその特徴として、「前記第二の導電性膜は、炭素からなること」をも含む。
また、本発明の電子放出素子は、基体上に一対の素子電極を有し、該素子電極間に一対の炭素からなる導電性膜を有する電子放出素子において、前記導電性膜の各々は、該各々の導電性膜と対向する前記素子電極と複数の電流路で接続され、該電流路の各々は、少なくとも前記導電性膜との接続箇所で離間していることを特徴とする。
上記本発明の電子放出素子は、さらにその特徴として、「前記電子放出素子は、表面伝導型電子放出素子であること」をも含む。
【0015】
また、本発明の電子源は、上記本発明の電子放出素子を、基板上に複数備えたことを特徴とする。
【0016】
上記本発明の電子源は、さらにその特徴として、「複数の電子放出素子を配列した素子列を少なくとも1列以上有し、各電子放出素子を駆動するための配線がマトリクス配置されていること」、「複数の電子放出素子を配列した素子列を少なくとも1列以上有し、各電子放出素子を駆動するための配線が梯状配置されていること」をも含む。
【0017】
さらに、本発明の画像形成装置は、上記本発明の電子源と、該電子源から放出される電子線の照射により画像を形成する画像形成部材とを有することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
上記のように、本発明は電子放出素子、特に表面伝導型電子放出素子、該電子放出素子を複数配列形成した電子源、該電子源を用いた画像形成装置に係るもので、各発明の構成及び作用を以下に更に説明する。
【0019】
図1は本発明の好ましい態様である表面伝導型電子放出素子の一例を示す平面図であり、図2は図1のA−A’面での模式的断面図である。
【0020】
図1に示す様に、本発明の表面伝導型電子放出素子は、基板1上に対向する一対の素子電極4、5と、該素子電極に接続されその一部に電子放出部8を有する第一の導電性薄膜3とを有しており、第一の導電性薄膜3は、3a、3b、3cに三分割されている。
【0021】
図2に示すように、電子放出部8は、第一の導電性薄膜3の一部が、破壊・変形ないし変質され、間隙が形成された部分を含み、間隙内部及びその近傍の第一の導電性薄膜3上には、第二の導電性膜2が形成されている。なお、第二の導電性膜2は第一の導電性薄膜3に形成された間隙よりもさらに狭い間隙部をもって対峙した形状となっている。電子放出はこの間隙付近から行われる。この間隙を含む電子放出部8及び間隙自体は、第一の導電性薄膜3の膜厚、膜質、材料及び後述するフォーミング条件等の製法および、後述する活性化工程における第二の導電性膜2を構成する炭素あるいは炭素化合物に依存して形成される。従って、電子放出部8の位置及び形状は図1及び図2に示されるような位置及び形状に特定されるものではない。
【0022】
本発明は、素子電極4,5間の第一の導電性薄膜3が少なくとも複数に分割され、少なくとも該複数の第一の導電性薄膜3a〜3c間が、電子放出部8を構成する第二の導電性膜2で連結されてなる点に大きな特徴を有する。
【0023】
第一の導電性薄膜を3a、3b、3cのごとくに分割することで、電子放出部8に駆動電圧を印加する電流路を形成する第一の導電性薄膜3の抵抗を高くし、放電が発生する際の異常な大電流を制限することで、素子の破壊を防止することができる。
【0024】
さらに分割された第一の導電性薄膜3を電子放出部8を構成する第二の導電性膜2で連結することで、万一放電により、第一の導電性薄膜3が破壊されて電流路が遮断されても隣接する第一の導電性薄膜3から駆動電圧が供給され、素子の駆動を持続することができる。
【0025】
第一の導電性薄膜3の形状および分割数等は、応用される形態等によって、適宜設計され、分割された第一の導電性薄膜3a、3b、3cの隣接間の距離は、第一の導電性薄膜幅Wより小さければよく、特に好ましくは、数百nm〜数十μmの間隔である。
【0026】
第一の導電性薄膜3の分割形状は、フォトリソグラフィー技術を用いて形成しても良いし、一体化された導電性薄膜を形成した後、レーザー等により分割しても良く、所望の導電性薄膜の分割形状を得られれば、その手法は、問わない。
【0027】
図3は本発明の好ましい態様である表面伝導型電子放出素子の他の例を示す平面図である。図3に示すごとく素子電極4、5間において、第一の導電性薄膜3が少なくとも電子放出部が形成される位置で分断されており、電子放出部を構成する第二の導電性膜2が、第一の導電性薄膜3の分断された部分を跨いで形成されてなる場合にも、同様の効果が得られる。
【0028】
基板1としては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等によりSiO2を積層した積層体、アルミナ等のセラミックスおよびSi基板等が挙げられるが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
【0029】
対向する素子電極4,5の材料としては、一般的導体材料が用いられ、例えばNi,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属或は合金、及びPd,Ag,Au,RuO2,Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In2O3−SnO2等の透明導電体、及びポリシリコン等の半導体導体材料等から適宜選択される。
【0030】
素子電極間隔L、第一の導電性薄膜幅Wは、応用される形態等によって、適宜設計される。
【0031】
素子電極間隔Lは、数十nm〜数百μmであることが好ましく、より好ましくは、数μm〜数十μmである。第一の導電性薄膜幅Wは、電極の抵抗値や電子放出特性を考慮すると、好ましくは数μm〜数百μmである。また、素子電極4、5の厚みは、用いる電極材料の導電率により異なるが、数十nm〜数μmである。
【0032】
第一の導電性薄膜3を構成する材料としては、例えばPd,Pt,Ag,Au,Ti,In,Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属、PdO,SnO2,In2O3,PbO,Sb2O3等の酸化物、HfB2,ZrB2,La,B6,CeB6,YB4,GdB4等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC等の炭化物、TiN,ZrN,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボン等が挙げられる。
【0033】
第一の導電性薄膜3の膜厚は、好ましくは0.数nm〜数百nmで、特に好ましくは1nm〜50nmであり、その抵抗値は、102〜107Ω/□のシート抵抗値である。
【0034】
第二の導電性膜2を構成する材料としては、炭素及び炭素化合物が好ましい。ここで、炭素とは、グラファイト(単結晶及び多結晶の双方を指す)、非晶質カーボン(非晶質カーボン及びこれと多結晶グラファイトとの混合物を指す)である。
【0035】
第二の導電性膜2の堆積膜厚は、好ましくは50nm以下、より好ましくは30nm以下である。
【0036】
次に、図1、図2及び図3に示した本発明の表面伝導型電子放出素子の製造方法の一例を、図4の製造工程図に基づいて説明する。尚、以下に示す工程a〜dは図4の(a)〜(d)に対応する。
【0037】
工程a:基板1を洗剤、純水および有機溶剤により十分に洗浄した後、真空蒸着法,スパッタ法等により素子電極材料を堆積させた後、フォトリソグラフィー技術により基板1の面上に素子電極4,5を形成する。
【0038】
工程b:素子電極4,5を設けた基板1上に、有機金属溶液をインクジェット法により塗布して、有機金属膜を形成する。有機金属溶液には、前述の第一の導電性薄膜の材料の金属を主元素とする有機化合物の溶液を用いることができる。この有機金属膜を加熱焼成処理し、第一の導電性薄膜3を形成する。
【0039】
工程c:第一の導電性薄膜3にレーザー6を照射し所望のパターンに第一の導電性薄膜3をカットし分割する。
【0040】
工程d:続いて、フォーミングと呼ばれる通電処理を施す。素子電極4,5間に不図示の電源より通電すると、第一の導電性薄膜3の部位に構造の変化した電子放出部8が形成される。この通電処理により第一の導電性薄膜3を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、構造の変化した部位が電子放出部8である。
【0041】
フォーミングの電圧波形の例を図5に示す。
【0042】
電圧波形は、特にパルス波形が好ましく、パルス波高値を定電圧とした電圧パルスを連続的に印加する場合(図5(a))と、パルス波高値を増加させながら電圧パルスを印加する場合(図5(b))がある。
【0043】
まず、パルス波高値を定電圧とした場合について説明する。図5(a)におけるT1及びT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔であり、例えば、T1を1μ秒〜10m秒、T2を10μ秒〜100m秒とし、波高値(フォーミング時のピーク電圧)を前述した表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選択して、適当な真空度、例えば1×10-4〜1×10-6Pa程度の真空雰囲気下で、数秒から数十分印加する。尚、印加する電圧波形は、図示される三角波に限定されるものではなく、矩形波等の所望の波形を用いることができる。また、図示される片極電圧に限定されるものではなく、両極の交流波形を用いることもできる。
【0044】
次に、パルス波高値を増加させながら電圧パルスを印加する場合について説明する。図5(b)におけるT1及びT2は図4(a)と同様であり、波高値(フォーミング時のピーク電圧)を、例えば0.1Vステップ程度づつ増加させ、図5(a)の説明と同様の適当な真空雰囲気下で印加する。
【0045】
尚、パルス間隔T2中で、第一の導電性薄膜3(図1、図2及び図3参照)を局所的に破壊、変形もしくは変質させない程度の電圧、例えば0.1V程度の電圧で素子電流を測定して抵抗値を求め、例えば1Mオーム以上の抵抗を示した時にフォーミングを終了する。
【0046】
更に活性化工程を施す。
【0047】
活性化工程とは、フォーミング工程での説明と同様に、パルス波高値を定電圧としたパルスの印加を繰り返す処理のことをいい、真空雰囲気中に有機ガスを導入し、例えば1×10-4〜1×10-6Pa程度に維持して、有機物質から炭素及び炭素化合物をフォーミング部に堆積させ、第二の導電性膜を形成することで、素子電流、放出電流の状態を著しく向上させることができる工程である。
【0048】
図6に、分割された第一の導電性薄膜3a,3bの隣接部に第二の導電性膜が進展した形状を拡大して模式的に示す。まず図6(a)のようにフォーミング亀裂部に第二の導電性膜2が堆積し、さらに活性化工程の進行とともにフォーミング部の両端部からさらに第二の導電性膜2の堆積が進展していき隣接部が連結して、間隙7を有する第二の導電性膜2を含む電子放出部が、形成される。
【0049】
この活性化工程は、例えば素子電流や放出電流を測定しながら行って、例えば放出電流が飽和した時点で終了するようにすれば効果的であるので好ましい。また、活性化工程でのパルス波高値は、好ましくは素子を駆動する際に印加する駆動電圧の波高値である。
【0050】
このようにして得られる本発明の表面伝導型電子放出素子の基本特性を以下に説明する。
【0051】
図7は、表面伝導型電子放出素子の電子放出特性を測定するための測定評価系の一例を示す概略構成図で、まずこの測定評価系を説明する。
【0052】
図7において、図1と同じ符号は同じ部材を示す。また、71は素子に素子電圧Vfを印加するための電源、70は素子電極4,5間の第一の導電性薄膜3を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、74は電子放出部8より放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極、73はアノード電極74に電圧を印加するための高圧電源、72は電子放出部8より放出される放出電流Ieを測定するための電流計、75は真空装置、76は排気ポンプである。
【0053】
表面伝導型電子放出素子及びアノード電極74等は真空装置75内に設置され、この真空装置75には不図示の真空計等の必要な機器が具備されており、所望の真空下で表面伝導型電子放出素子の測定評価ができるようになっている。
【0054】
排気ポンプ76は、ターボポンプ、ロータリーポンプ等からなる通常の高真空装置系と、イオンポンプ等からなる超高真空装置系とから構成されている。また、真空装置75全体及び表面伝導型電子放出素子の基板1は、ヒーターにより200〜300℃程度まで加熱できるようになっている。尚、この測定評価系は、後述するような表示パネル(図10における201参照)の組み立て段階において、表示パネル及びその内部を真空装置75及びその内部として構成することで、前述のフォーミング工程及び活性化工程における測定評価及び処理に応用することができるものである。
【0055】
以下に述べる表面伝導型電子放出素子の基本特性は、上記測定評価系のアノード電極74の電圧を1kV〜10kVとし、アノード電極74と表面伝導型電子放出素子の距離Hを2mm〜8mmとして通常測定を行う。
【0056】
まず、放出電流Ie及び素子電流Ifと、素子電圧Vfの関係の典型的な例を図8(図中の実線)に示す。尚、図8において、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著しく小さいので、任意単位で示されている。
【0057】
図8から明らかなように、表面伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに対する次の3つの特徴的特性を有する。
【0058】
まず第1に、表面伝導型電子放出素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ:図8中のVth)以上の素子電圧Vfを印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方、しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieが殆ど検出されない。即ち、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0059】
第2に、放出電流Ieが素子電圧Vfに対して単調増加する特性(MI特性と呼ぶ)を有するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
【0060】
第3に、アノード電極74(図7参照)に捕捉される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。即ち、アノード電極74に捕捉される電荷量は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
【0061】
以上のような本発明の表面伝導型電子放出素子の特徴的特性のため、複数の素子を配置した電子源や画像形成装置等でも、入力信号に応じて、容易に放出電子量を制御することができることとなり、多方面への応用ができる。
【0062】
次に、本発明の電子源における表面伝導型電子放出素子の配列について説明する。
【0063】
本発明の電子源における表面伝導型電子放出素子の配列方式としては、従来の技術の項で述べたような梯型配置の他、m本のX方向配線の上にn本のY方向配線を層間絶縁層を介して設置し、表面伝導型電子放出素子の一対の素子電極に各々X方向配線、Y方向配線を接続した配列方式が挙げられる。これを以後単純マトリクス配置と呼ぶ。まず、この単純マトリクス配置について詳述する。
【0064】
前述した表面伝導型電子放出素子の基本的特性によれば、印加される素子電圧Vfがしきい値電圧Vthを超える場合には、印加するパルス状電圧の波高値とパルス幅で電子放出量を制御できる。一方、しきい値電圧Vth以下では、殆ど電子の放出はされない。従って、多数の表面伝導型電子放出素子を配置した場合においても、単純なマトリクス配線だけで入力信号に応じて制御したパルス状電圧を印加し、個々の素子を選択して独立に駆動可能となる。
【0065】
単純マトリクス配置は上記原理に基づくものであり、本発明の電子源の一例である単純マトリクス配置の電子源の構成について、図9に基づいて更に説明する。
【0066】
図9において、基板1は既に説明したようなガラス板等であり、この基板1上に配列された表面伝導型電子放出素子104の個数及び形状は用途に応じて適宜設定されるものである。
【0067】
m本のX方向配線102は、各々外部端子DX1,DX2,・・・DXmを有するもので、基板1上に、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等で形成した導電性金属等である。また、多数の表面伝導型電子放出素子104にほぼ均等に電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線幅が設定されている。
【0068】
n本のY方向配線103は、各々外部端子DY1,DY2,・・・DYnを有するもので、X方向配線102と同様に作成される。
【0069】
これらm本のX方向配線102とn本のY方向配線103間には、不図示の層間絶縁層が設置され、電気的に分離されて、マトリクス配線を構成している。尚、このm,nは共に正の整数である。
【0070】
不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等で形成されたSiO2等であり、X方向配線102を形成した基板1の全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配線102とY方向配線103の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定される。また、X方向配線102とY方向配線103は各々外部端子として引き出されている。
【0071】
更に、表面伝導型電子放出素子104の対向する素子電極(不図示)が、m本のX方向配線102と、n本のY方向配線103と、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等で形成された導電性金属等からなる結線105によって電気的に接続されているものである。
【0072】
ここで、m本のX方向配線102と、n本のY方向配線103と、結線105と、対向する素子電極とは、その構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、またそれぞれ異なっていてもよく、前述の素子電極の材料等より適宜選択される。これら素子電極への配線は、素子電極と材料が同一である場合には、素子電極と総称する場合もある。また、表面伝導型電子放出素子104は、基板1あるいは不図示の層間絶縁層上どちらに形成してもよい。
【0073】
また、詳しくは後述するが、前記X方向配線102には、X方向に配列された表面伝導型電子放出素子104の行を入力信号に応じて走査するために、走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が電気的に接続されている。
【0074】
一方、Y方向配線103には、Y方向に配列された表面伝導型電子放出素子104の列の各列を入力信号に応じて変調するために、変調信号を印加する不図示の変調信号印加手段が電気的に接続されている。各表面伝導型電子放出素子104に印加される駆動電圧は、当該表面伝導型電子放出素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給されるものである。
【0075】
次に、以上のような単純マトリクス配置の本発明の電子源を用いた本発明の画像形成装置の一例を、図10〜図12を用いて説明する。尚、図10は表示パネル201の基本構成図であり、図11は蛍光膜114を示す図であり、図12は図11の表示パネル201で、NTSC方式等のテレビ信号に応じてテレビジョン表示を行うための駆動回路の一例を示すブロック図である。
【0076】
図10において、1は上述のようにして本発明の表面伝導型電子放出素子を配置した電子源の基板、111は基板1を固定したリアプレート、116はガラス基板113の内面に画像形成部材であるところの蛍光膜114とメタルバック115等が形成されたフェースプレート、112は支持枠である。リアプレート111,支持枠112及びフェースプレート116は、これらの接合部分にフリットガラス等を塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で400℃〜500℃で10分間以上焼成することで封着して、外囲器118を構成している。
【0077】
図10において、102,103は表面伝導型電子放出素子104の一対の素子電極4,5(図1及び図2参照)に接続されたX方向配線及びY方向配線で、各々外部端子Dx1ないしDxm、Dy1ないしDynを有している。
【0078】
外囲器118は、上述の如く、フェースプレート116、支持枠112、リアプレート111で構成されている。しかし、リアプレート111は主に基板1の強度を補強する目的で設けられるものであり、基板1自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート111は不要であり、基板1に直接支持枠112を封着し、フェースプレート116、支持枠112、基板1にて外囲器118を構成しても良い。また、フェースプレート116とリアプレート111の間に、スペーサーと呼ばれる不図示の支持体を更に設置することで、大気圧に対して十分な強度を有する外囲器118とすることもできる。
【0079】
蛍光膜114は、モノクロームの場合は蛍光体122のみから成るが、カラーの場合は、蛍光体122の配列により、ブラックストライプ(図11(a))あるいはブラックマトリクス(図11(b))等と呼ばれる黒色導電材121と、蛍光体122とで構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合必要となる三原色の各蛍光体122間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜114における外光反射によるコントラストの低下を抑制することである。黒色導電材121の材料としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料であれば他の材料を用いることもできる。
【0080】
ガラス基板113に蛍光体122を塗布する方法としては、モノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷法が用いられる。
【0081】
また、図10に示されるように、蛍光膜114の内面側には通常メタルバック115が設けられる。メタルバック115の目的は、蛍光体122(図10参照)の発光のうち内面側への光をフェースプレート116側へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、高圧端子Hvから電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用すること、外囲器118内で発生した負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体122の保護等である。メタルバック115は、蛍光膜114の作製後、蛍光膜114の内面側表面の平滑化処理(通常、フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積することで作製できる。
【0082】
フェースプレート116には、更に蛍光膜114の導電性を高めるため、蛍光膜114の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0083】
前述の封着を行う際、カラーの場合は各色蛍光体122と表面伝導型電子放出素子104とを対応させなくてはいけないため、十分な位置合わせを行う必要がある。
【0084】
外囲器118内は、不図示の排気管を通じ、1×10-5Pa程度の真空度にされ、封止される。また、外囲器118の封止を行う直前あるいは封止後に、ゲッター処理を行う場合もある。これは、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器118内の所定の位置に配置したゲッター(不図示)を加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10-3〜1×10-5Paの真空度を維持するためのものである。
【0085】
尚、前述したフォーミング及びこれ以降の表面伝導型電子放出素子の製造工程は、通常、外囲器118の封止直前又は封止後に行われるもので、その内容は前述の通りである。
【0086】
上述の表示パネル201は、例えば図12に示されるような駆動回路で駆動することができる。尚、図12において、201は前記表示パネルであり、202は走査回路、203は制御回路、204はシフトレジスタ、205はラインメモリ、206は同期信号分離回路、207は変調信号発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0087】
図12に示されるように、表示パネル201は、外部端子Dx1ないしDxm、外部端子Dy1ないしDyn、及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路と接続されている。このうち、外部端子Dx1ないしDxmには、前記表示パネル201内に設けられている表面伝導型電子放出素子、すなわちm行n列の行列状にマトリクス配置された表面伝導型電子放出素子群を1行(n素子)づつ順次駆動して行くための走査信号が印加される。
【0088】
一方、外部端子Dy1ないしDynには、前記走査信号により選択された1行の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印加される。また、高圧端子Hvには、直流電圧源Vaより、例えば10kVの直流電圧が供給される。これは表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビームに、蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する為の加速電圧である。
【0089】
走査回路202は、内部にm個のスイッチング素子(図12中、S1ないしSmで模式的に示す)を備えるもので、各スイッチング素子S1〜Smは、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V(グランドレベル)のいずれか一方を選択して、表示パネル201の外部端子Dx1ないしDxmと電気的に接続するものである。各スイッチング素子S1〜Smは、制御回路203が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するもので、実際には、例えばFETのようなスイッチング機能を有する素子を組み合わせることにより容易に構成することが可能である。
【0090】
本例における前記直流電圧源Vxは、前記表面伝導型電子放出素子の特性(しきい値電圧)に基づき、走査されていない表面伝導型電子放出素子に印加される駆動電圧がしきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定されている。
【0091】
制御回路203は、外部より入力される画像信号に基づいて適切な表示が行われるように、各部の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明する同期信号分離回路206より送られる同期信号Tsyncに基づいて、各部に対してTscan、Tsft及びTmryの各制御信号を発生する。
【0092】
同期信号分離回路206は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と輝度信号成分とを分離する為の回路で、良く知られているように、周波数分離(フィルター)回路を用いれば、容易に構成できるものである。同期信号分離回路206により分離された同期信号は、これも良く知られるように、垂直同期信号と水平同期信号より成る。ここでは説明の便宜上、Tsyncとして図示する。一方、前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜上DATA信号と図示する。このDATA信号はシフトレジスタ204に入力される。
【0093】
シフトレジスタ204は、時系列的にシリアル入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御回路203より送られる制御信号Tsftに基づいて動作する。この制御信号Tsftは、シフトレジスタ204のシフトクロックであると言い換えても良い。また、シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(表面伝導型電子放出素子のn素子分の駆動データに相当する)のデータは、Id1ないしIdnのn個の並列信号として前記シフトレジスタ204より出力される。
【0094】
ラインメモリ205は、画像1ライン分のデータを必要時間だけ記憶する為の記憶装置であり、制御回路203より送られる制御信号Tmryに従って適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶された内容は、I’d1ないしI’dnとして出力され、変調信号発生器207に入力される。
【0095】
変調信号発生器207は、前記画像データI’d1ないしI’dnの各々に応じて、表面伝導型電子放出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号線で、その出力信号は、外部端子Dy1ないしDynを通じて表示パネル201内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0096】
前述したように、表面伝導型電子放出素子は電子放出に明確なしきい値電圧を有しており、しきい値電圧を超える電圧が印加された場合にのみ電子放出が生じる。また、しきい値電圧を超える電圧に対しては、表面伝導型電子放出素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化して行く。表面伝導型電子放出素子の材料や構成、製造方法を変える事により、しきい値電圧の値や、印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わる場合もあるが、いずれにしても以下のような事が言える。
【0097】
即ち、表面伝導型電子放出素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えばしきい値電圧以下の電圧を印加しても電子放出は生じないが、しきい値電圧を超える電圧を印加する場合には電子放出を生じる。その際、第1には電圧パルスの波高値を変化させることにより、出力される電子ビームの強度を制御することが可能である。第2には、電圧パルスの幅を変化させることにより、出力される電子ビームの電荷の総量を制御することが可能である。
【0098】
従って、入力信号に応じて表面伝導型電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式とパルス幅変調方式とが挙げられる。電圧変調方式を行う場合、変調信号発生器207としては、一定の長さの電圧パルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変調できる電圧変調方式の回路を用いる。また、パルス幅変調方式を行う場合、変調信号発生器207としては、一定の波高値の電圧パルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜パルス幅を変調できるパルス幅変調方式の回路を用いる。
【0099】
シフトレジスタ204やラインメモリ205は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式のものでもよく、画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が所定の速度で行えるものであればよい。
【0100】
デジタル信号式を用いる場合には、同期信号分離回路206の出力信号DATAをデジタル信号化する必要がある。これは同期信号分離回路206の出力部にA/D変換器を設けることで行える。
【0101】
また、これと関連して、ラインメモリ205の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かにより、変調信号発生器207に設けられる回路が若干異なるものとなる。
【0102】
即ち、デジタル信号で電圧変調方式の場合、変調信号発生器207には、例えば良く知られているD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路等を付け加えればよい。また、デジタル信号でパルス幅変調方式の場合、変調信号発生器207は、例えば高速の発振器及び発振器の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用いることで容易に構成することができる。更に、必要に応じて、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0103】
一方、アナログ信号で電圧変調方式の場合、変調信号発生器207には、例えばよく知られているオペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、必要に応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。また、アナログ信号でパルス幅変調方式の場合、例えばよく知られている電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよく、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0104】
以上のような表示パネル201及び駆動回路を有する本発明の画像形成装置は、外部端子Dx1〜Dxm及びDy1〜Dynから電圧を印加することにより、任意の電子放出素子104から電子を放出させることができ、高圧端子Hvを通じてメタルバック115あるいは透明電極(不図示)に高電圧を印加して電子ビームを加速し、加速した電子ビームを蛍光膜114に衝突させることで生じる励起・発光によって、NTSC方式のテレビ信号に応じてテレビジョン表示を行うことができるものである。
【0105】
尚、以上説明した構成は、表示等に用いられる本発明の画像形成装置を得る上で必要な概略構成であり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述の内容に限られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう、適宜選択されるものである。また、入力信号例としてNTSC方式を挙げたが、本発明の画像形成装置はこれに限られるものではなく、PAL,SECAM方式等の他の方式でもよく、更にはこれらよりも多数の走査線からなるTV信号、例えばMUSE方式をはじめとする高品位TV方式でもよい。
【0106】
次に、梯型配置の電子源及びこれを用いた本発明の画像形成装置の一例について、図13及び図14を用いて説明する。
【0107】
図13において、1は基板、104は表面伝導型電子放出素子、304は表面伝導型電子放出素子104を接続する共通配線で10本設けられており、各々外部端子D1〜D10を有している。
【0108】
表面伝導型電子放出素子104は、基板1上に並列に複数個配置される。これを素子行と呼ぶ。そしてこの素子行が複数行配置されて電子源を構成している。
【0109】
各素子行の共通配線304(例えば外部端子D1とD2の共通配線304)間に適宜の駆動電圧を印加することで、各素子行を独立に駆動することが可能である。即ち、電子ビームを放出させたい素子行にはしきい値電圧を超える電圧を印加し、電子ビームを放出させたくない素子行にはしきい値電圧以下の電圧を印加するようにすればよい。このような駆動電圧の印加は、各素子行間に位置する共通配線D2〜D9について、各々相隣接する共通配線304、即ち相隣接する外部端子D2とD3,D4とD5,D6とD7,D8とD9の共通配線304を一体の同一配線としても行うことができる。
【0110】
図14は、上記梯型配置の電子源を備えた表示パネル301の構造を示す図である。
【0111】
図14において、302はグリッド電極、303は電子が通過するための開口、D1〜Dmは各表面伝導型電子放出素子に電圧を印加するための外部端子、G1〜Gnはグリッド電極302に接続された端子である。また、各素子行間の共通配線304は一体の同一配線として基板1上に形成されている。
【0112】
尚、図14において図10と同じ符号は同じ部材を示すものであり、図10に示される単純マトリクス配置の電子源を用いた表示パネル201との大きな違いは、基板1とフェースプレート116の間にグリッド電極302を備えている点である。
【0113】
基板1とフェースプレート116の間には、上記のようにグリッド電極302が設けられている。このグリッド電極302は、表面伝導型電子放出素子104から放出された電子ビームを変調することができるもので、梯型配置の素子行と直交して設けられたストライプ状の電極に、電子ビームを通過させるために、各表面伝導型電子放出素子104に対応して1個づつ円形の開口303を設けたものとなっている。
【0114】
グリッド電極302の形状や配置位置は、必ずしも図14に示すようなものでなくともよく、開口303をメッシュ状に多数設けることもあり、またグリッド電極302を、例えば表面伝導型電子放出素子104の周囲や近傍に設けてもよい。
【0115】
外部端子D1〜Dm及びG1〜Gnは不図示の駆動回路に接続されている。そして、素子行を1列づつ順次駆動(走査)していくのと同期して、グリッド電極302の列に画像1ライン分の変調信号を印加することにより、各電子ビームの蛍光膜114への照射を制御し、画像を1ラインづつ表示することができる。
【0116】
以上のように、本発明の画像形成装置は、単純マトリクス配置及び梯型配置のいずれの本発明の電子源を用いても得ることができ、上述したテレビジョン放送の表示装置のみならず、テレビ会議システム、コンピューター等の表示装置として好適な画像形成装置が得られる。更には、感光ドラム等とで構成した光プリンターの露光装置としても用いることができるものである。
【0117】
【実施例】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に説明する。
【0118】
[実施例1]
本実施例の表面伝導型電子放出素子として、図1、及び図2に示した表面伝導型電子放出素子を作製した。
【0119】
図4を用いて、本実施例の製造方法を述べる。尚、以下の工程a〜dは図4の(a)〜(d)に対応する。
【0120】
工程a:基板1として青板基板を用い、これを有機溶剤により充分に洗浄後、Ptからなる素子電極4,5を形成した。この時、素子電極間隔Lが10μm、幅が300μmの素子電極4,5とした。
【0121】
工程b:素子電極4、5を設けた基板1に、有機金属化合物を有する溶液の液滴をインクジェット法により、導電性薄膜領域に塗付して、有機金属薄膜を形成した後、クリーンオーブンで300℃,10分間の大気焼成を行い酸化パラジウム(PdO)微粒子(平均粒径:60Å)からなる微粒子膜(第一の導電性薄膜3)を形成した。この微粒子膜の膜厚は0.02μm、シート抵抗は2×104Ω/□となった。
【0122】
工程c:第一の導電性薄膜3にレーザー光6(レーザートリミング装置本体は不図示)を照射し所望のパターンに第一の導電性薄膜3をカットし分割する。
【0123】
工程d:素子電極4,5及び第一の導電性薄膜3等を形成した上記基板1を図7の測定評価系の真空装置75内に設置し、排気ポンプ76にて排気して、真空装置75内を約10-4Paの真空度とした。この後、素子電圧Vfを印加するための電源71により素子電極4,5間に電圧を印加し、フォーミング処理することにより、電子放出部8を形成した。フォーミング処理には、図5(a)に示した電圧波形を用いた。
【0124】
本実施例では、図5(a)中のT1を1msec、T2を10msecとし、三角波の波高値(フォーミング時のピーク電圧)は、10Vとし、約60secの間フォーミング処理をおこなった。
【0125】
続いて、真空雰囲気中にベンゾニトリルを導入し、真空度を1×10-4Pa程度に維持して、15Vの波高電圧で活性化処理を行った。このとき約30minで素子電流Ifが飽和したところで活性化処理を終了した。
【0126】
以上のようにして作製した本実施例の複数の素子の電子放出特性の測定を、上述の測定評価系を用いて行った。尚、測定条件は、アノード電極74と素子との距離Hを5mm、アノード電極74の電位を1kV、素子電圧Vfを14V、電子放出特性測定時の真空装置75内の真空度を1×10-4Paとした。
【0127】
その結果、本実施例の素子は、素子電圧14Vを数V超える瞬間的な過電圧を素子に与えても、素子の放電破壊を生じることが無かった。
【0128】
[実施例2]
本実施例では、図1,図2に示したような表面伝導型電子放出素子を多数、単純マトリクス配置した図9に示したような電子源を用いて、図10に示したような画像形成装置を作製した例を説明する。
【0129】
電子源の作製は、実施例1で説明した素子電極4,5、分割された第一の導電性薄薄膜3の各パターンを拡張して、同時に多数の表面伝導型電子放出素子を形成するとともに、素子電極4及び素子電極5にそれぞれ接続するX方向配線(下配線とも呼ぶ)102及びY方向配線(上配線とも呼ぶ)103を、絶縁層を介して形成して行った。
【0130】
以上のようにして作製した未フォーミングの電子源基板を用いて画像形成装置を構成した例を、図10及び図11を用いて説明する。
【0131】
まず、未フォーミングの電子源の基板1をリアプレート111に固定した後、基板1の5mm上方に、フェースプレート116(ガラス基板113の内面に画像形成部材であるところの蛍光膜114とメタルバック115が形成されて構成される。)を支持枠112を介し配置し、フェースプレート116、支持枠112、リアプレート111の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した(図10参照)。また、リアプレート111への基板1の固定もフリットガラスで行った。
【0132】
画像形成部材であるところの蛍光膜114は、モノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、本実施例では蛍光体はストライプ形状(図11(a)参照)を採用し、先に黒色導電材121でブラックストライプを形成し、その間隙部にスラリー法により各色蛍光体122を塗布して蛍光膜114を作製した。黒色導電材121としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料を用いた。
【0133】
また、蛍光膜114の内面側にはメタルバック115を設けた。メタルバック115は、蛍光膜114の作製後、蛍光膜114の内面側表面の平滑化処理(通常、フィルミングと呼ばれる)を行い、その後、Alを真空蒸着することで作製した。
【0134】
フェースプレート116には、更に蛍光膜114の導電性を高めるため、蛍光膜114の外面側に透明電極が設けられる場合もあるが、本実施例では、メタルバック115のみで十分な導電性が得られたので省略した。
【0135】
前述の封着を行う際、カラーの場合は各色蛍光体122と電子放出素子104とを対応させなくてはいけないため、十分な位置合わせを行った。
【0136】
以上のようにして完成した外囲器118内の雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、外部端子Dx1〜Dxm及びDy1〜Dynを通じ、各表面伝導型電子放出素子104の素子電極4,5間に電圧を印加し、実施例1と同様にしてフォーミング処理を行い、電子放出部8を作製した。
【0137】
続いて、真空雰囲気中にベンゾニトリルを導入し、真空度を1×10-4Pa程度に維持して、15Vの波高電圧で活性化処理を行った。このとき約30minで素子電流Ifが飽和したところで活性化処理を終了した。
【0138】
この後、不図示の排気管を通じ、外囲器118内を1.3×10-4.5Pa(10-6.5Torr)程度の真空度とし、該排気管をガスバーナで熱することで溶着し、外囲器118の封止を行った。最後に、封止後の真空度を維持するために、高周波加熱法でゲッター処理を行った。ゲッターはBaを主成分とした。
【0139】
以上のようにして単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した表示パネル201(図10参照)において、外部端子Dx1ないしDxm,Dy1ないしDynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段により、各表面伝導型電子放出素子104にそれぞれ印加することにより電子放出させると共に、高圧端子Hvを通じてメタルバック115に数kV以上の高圧を印加して、電子ビームを加速し、蛍光膜114に衝突させ、励起・発光させることで画像表示を行った。
【0140】
その結果、本実施例で作製した電子源は、駆動回路の外部からサージノイズなどを与えて、素子に駆動電圧以上の過電圧を印加しても放電破壊することなく、欠陥画素が生じず、高品位な画像表示を維持することが出来た。
【0141】
本画像形成装置においては、とりわけ本発明によるディスプレイパネル201の薄型化が容易なため、表示装置の奥行きを小さくすることができる。それに加えて、大画面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性良く表示することが可能であり、且つ画素欠陥となる素子の放電破壊が生じにくく、高信頼の画像形成装置を実現することができる。
【0142】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を奏する。
【0143】
1)過電圧により電子放出素子の電子放出部に生じる放電破壊を防止することができ、電子放出特性の信頼性を向上できる。
【0144】
2)さらに大きな過電圧により電子放出素子の電子放出部に放電が発生しても、分割された一部の導電性薄膜のみが放電破壊され、他の導電性薄膜からの駆動電圧供給が行われるため、電子放出特性の耐久性を向上できる。
【0145】
3)多数の電子放出素子を配列形成した電子源及び該電子源を用いた画像形成装置において、過電圧が印加された場合でも表示画像中の画素欠陥の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基本的な電子放出素子の構成部分を示す模式図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】本発明に係る基本的な電子放出素子の構成部分を示す他の模式図である。
【図4】本発明に係る基本的な電子放出素子の構成部分の製造方法の一例を示す図である。
【図5】本発明に係るフォーミング及び活性化に用いられる電圧波形の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る第二の導電薄膜が形成される様子を示す模式図である。
【図7】本発明に係る電子放出素子の電子放出特性を測定する評価系を示す図である。
【図8】本発明に係る放出電流Ie及び素子電流Ifの電圧Vf特性を示す図である。
【図9】本発明に係る単純マトリクス配置の電子源の構成について示す図である。
【図10】本発明に係る画像形成装置の基本構成図である。
【図11】本発明に係る画像形成装置の蛍光膜の一例を示す図である。
【図12】本発明に係る画像形成装置の駆動回路の一例を示すブロック図である。
【図13】本発明に係る梯型配置の電子源の構成について示す図である。
【図14】本発明に係る梯型配置の電子源を用いた画像形成装置の基本構成図である。
【図15】従来の電子放出素子の構成部分を示す模式図である。
【図16】従来の電子放出素子に生じた放電破壊を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 電子放出部を構成する第二の導電性膜
3 第一の導電性薄膜
4,5 素子電極
6 レーザー光
7 間隙
8 電子放出部
Claims (9)
- 基体上に一対の素子電極を有し、該素子電極間に一対の第二の導電性膜を有する電子放出素子において、前記第二の導電性膜の各々は、該各々の第二の導電性膜と対向する前記素子電極と複数の第一の導電性薄膜で接続されていることを特徴とする電子放出素子。
- 基体上に一対の素子電極を有し、該素子電極間に一対の第二の導電性膜を有し、前記第二の導電性膜の各々と該各々の第二の導電性膜と対向する前記素子電極との間を接続する第一の導電性薄膜を有する電子放出素子において、該第一の導電性薄膜が分岐することにより前記第二の導電性膜と複数箇所で接続していることを特徴とする電子放出素子。
- 前記第二の導電性膜は、炭素からなることを特徴とする請求項1または2に記載の電子放出素子。
- 基体上に一対の素子電極を有し、該素子電極間に一対の炭素からなる導電性膜を有する電子放出素子において、前記導電性膜の各々は、該各々の導電性膜と対向する前記素子電極と複数の電流路で接続され、該電流路の各々は、少なくとも前記導電性膜との接続箇所で離間していることを特徴とする電子放出素子。
- 前記電子放出素子は、表面伝導型電子放出素子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子放出素子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の電子放出素子を、基板上に複数備えたことを特徴とする電子源。
- 複数の電子放出素子を配列した素子列を少なくとも1列以上有し、各電子放出素子を駆動するための配線がマトリクス配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電子源。
- 複数の電子放出素子を配列した素子列を少なくとも1列以上有し、各電子放出素子を駆動するための配線が梯状配置されていることを特徴とする請求項6に記載の電子源。
- 請求項6〜8のいずれかに記載の電子源と、該電子源から放出される電子線の照射により画像を形成する画像形成部材とを有することを特徴とする画像形成装置。
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