JP2000306496A - 電子放出素子、電子源、画像形成装置及びそれらの製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源、画像形成装置及びそれらの製造方法

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JP2000306496A JP2000035166A JP2000035166A JP2000306496A JP 2000306496 A JP2000306496 A JP 2000306496A JP 2000035166 A JP2000035166 A JP 2000035166A JP 2000035166 A JP2000035166 A JP 2000035166A JP 2000306496 A JP2000306496 A JP 2000306496A
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Tomoko Maruyama
朋子 丸山
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/316Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode having an electric field parallel to the surface, e.g. thin film cathodes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出素子におけるフォーミングパワーを
低減せしめ、かつ電子放出特性の耐熱安定性を向上せし
める。 【解決手段】 一対の素子電極間に、電子放出部を有す
る導電性膜を備える電子放出素子において、前記導電性
膜を、合金または全率固溶な少なくとも2種類の金属で
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子放出素子、該
素子を複数備えた電子源、及び該電子源を用いて構成し
た表示装置や露光装置等の画像形成装置とそれらの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子放出素子、例えば表面伝導型電子放
出素子は、絶縁性の基板上に形成された導電性薄膜に、
膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現
象を利用するものである。
【0003】表面伝導型電子放出素子の典型的な構成例
としては、絶縁性の基板上に設けた一対の素子電極間を
連絡する金属酸化物等の導電性薄膜に、予めフォーミン
グと称される通電処理により電子放出部を形成したもの
が挙げられる。フォーミングは、導電性薄膜の両端に、
電圧を印加通電することで通常行なわれ、導電性薄膜を
局所的に破壊、変形もしくは変質させて構造を変化さ
せ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部を形成する処理
である。電子放出は、上記電子放出部が形成された導電
性薄膜に電圧を印加して電流を流すことにより、電子放
出部に発生した亀裂付近から行なわれる。
【0004】上記表面伝導型電子放出素子は、構造が単
純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数配
列形成できる利点がある。そこで、この特徴を生かすた
めの種々の応用が研究されている。例えば、荷電ビーム
源、表示装置等の画像形成装置への利用が挙げられる。
【0005】特に表示装置においては、液晶を用いた表
示装置と同様の平板型表示装置とすることが可能で、し
かもバックライトが不要な自発光型の表示装置として、
表面伝導型電子放出素子を多数配置した電子源と、この
電子源からの電子線の照射により可視光を発光する螢光
体とを組み合わせた表示装置が提案されている(米国特
許第5066883号明細書)。
【0006】さらに、該素子を複数配置して電子源、及
び画像形成装置とする際のフォーミングに関しては、該
導電性薄膜を金属酸化膜とし通電しながら水素を導入す
ることで同一配線上の複数素子を同時均一にフォーミン
グならしめる、水素アシストフォーミング法が提案され
ている(特開平06−12997号公報)。
【0007】また、対向する素子電極を異なる電極材料
で形成し、これらの素子電極間に跨る導電性薄膜を、あ
る温度下で片方の電極際でのみ電極材料と反応性を有す
る材料を用いることにより、電極際に電子放出部が形成
される、局所的反応によるフォーミング法が提案されて
いる(特開平8−162002号公報)。この公報の実
施例では、導電性薄膜としてPd及びPdOを、この導
電性薄膜と反応する方の電極としてAuを、反応しない
方の電極としてPt及びNiを用いている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなフォーミ
ング処理によって導電性薄膜の一部に電子放出部が形成
される表面伝導型電子放出素子の場合、フォーミングに
必要なパワーや、電子放出部の性状等は、導電性薄膜の
膜質に大きく左右される。
【0009】フォーミングパワーに関しては、特に多数
の表面伝導型電子放出素子を配列形成した電子源の場
合、1素子当たりのフォーミングに要する電流が大きい
と、多数の表面伝導型電子放出素子に同時に通電してフ
ォーミングを行なうことが困難であるとともに、多大な
電力を必要とするため高価なフォーミング装置を必要と
し、同時に、配線の電流容量を増加させるために、電気
伝導率の高い高価な配線材料の使用が要求される。
【0010】さらに、前述のような多数の表面伝導型電
子放出素子を配列形成した電子源と、画像形成部材等と
を組み合わせて表示装置を作製する場合、特にガラスを
用いた表示装置の場合、複数の高温加熱工程を経ること
は必須となる。かかる高温加熱工程を経ることで、導電
性薄膜の電気的性質に変化を生じ電子放出部に所望の電
圧を印加することができなくなる場合があった。
【0011】より具体的には、上述の高温加熱工程での
モホロジー変化、及びフォーミングで形成された電子放
出部への電流集中による亀裂形状の変化は、融点の高い
導電性薄膜を用いることで抑制できるが、融点の高い金
属を用いると、先に述べた様に、フォーミング時に大電
力が必要となる。一方、融点を高くするため金属酸化膜
を用いると、先に述べた変化は抑制できるが、金属を用
いる場合に比べて電気抵抗率が数桁大きくなるため電子
放出部に実効的に流れる電流が小さくなるという課題が
あった。
【0012】なお、前記特開平8−162002号公報
に提案された局所的反応によるフォーミング法によれ
ば、電子放出部の形状制御による素子均一性向上とフォ
ーミング電流の低減は図ることができるが、フォーミン
グ後の耐熱安定性については未だ十分ではない。
【0013】本発明は、電子放出特性の安定した電子放
出素子、及び、電子源を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、とりわけ、熱に対し、電子放出特性の安
定した電子放出素子、及び電子源を提供することを目的
とする。また、本発明は、形成する画像の経時的変化の
低減した画像形成装置を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、その製造過程での通電処理における通電
パワーを極力低減した電子放出素子、電子源、画像形成
装置の製造方法を提供することを目的とする。また、本
発明は、特性の再現性に優れた、電子放出素子、電子
源、画像形成装置の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の局面に係
る電子放出素子は、一対の素子電極間に、電子放出部を
有する導電性膜を備える電子放出素子において、前記導
電性膜は、合金から成ることを特徴とする電子放出素子
である。この電子放出素子は、前記合金が、PdとPt
から成る合金であるもの、あるいは、前記導電性膜が、
炭素膜を有しているもの、をも含むものである。また、
本発明の第2の局面に係る電子放出素子は、一対の素子
電極間に、前記一対の素子電極の各々に接続され、第1
の間隔をおいて配置された一対の導電性膜を備える電子
放出素子において、前記一対の導電性膜は、合金から成
ることを特徴とする電子放出素子である。この電子放出
素子は、前記2種類の金属が、PdとPtであるもの、
あるいは、さらに、前記一対の導電性膜上及び前記第1
の間隔内に、前記第1の間隔よりも狭い第2の間隔を形
成するように配置された炭素膜を有するもの、をも含む
ものである。また、本発明の第3の局面に係る電子放出
素子は、一対の素子電極間に、電子放出部を有する導電
性膜を備える電子放出素子において、前記導電性膜は、
全率固溶な少なくとも2種類の金属を有することを特徴
とする電子放出素子である。この電子放出素子は、前記
合金が、PdとPtから成る合金であるもの、あるい
は、前記導電性膜が、炭素膜を有しているもの、をも含
むものである。また、本発明の第4の局面に係る電子放
出素子は、一対の素子電極間に、前記一対の素子電極の
各々に接続され、第1の間隔をおいて配置された一対の
導電性膜を備える電子放出素子において、前記一対の導
電性膜は、全率固溶な少なくとも2種類の金属を有する
ことを特徴とする電子放出素子である。この電子放出素
子は、前記2種類の金属が、PdとPtであるもの、あ
るいは、さらに、前記一対の導電性膜上及び前記第1の
間隔内に、前記第1の間隔よりも狭い第2の間隔を形成
するように配置された炭素膜を有するもの、をも含むも
のである。
【0015】また、本発明の第5の局面に係る電子源
は、基板上に、複数の電子放出素子を備える電子源であ
って、前記電子放出素子が、上記のいずれかの電子放出
素子であることを特徴とする電子源である。また、本発
明の第6の局面に係る電子源は、基板上に、マトリクス
配線された複数の電子放出素子を備える電子源であっ
て、前記電子放出素子が、上記いずれかの電子放出素子
であることを特徴とする電子源である。また、本発明の
第7の局面に係る画像形成装置は、電子源と、該電子源
からの電子線の照射により画像を形成する画像形成部材
とを具備する画像形成装置であって、前記電子源が、上
記いずれかの電子源であることを特徴とする画像形成装
置である。
【0016】また、本発明の第8の局面に係る電子放出
素子の製造方法は、一対の素子電極間に、電子放出部を
有する導電性膜を備える電子放出素子の製造方法におい
て、合金を形成し得る少なくとも2種類の金属元素を有
する導電性膜を形成する工程と、前記導電性膜に電圧を
印加する工程とを有することを特徴とする電子放出素子
の製造方法である。また、本発明の第9の局面に係る電
子放出素子の製造方法は、一対の素子電極間に、電子放
出部を有する導電性膜を備える電子放出素子の製造方法
において、全率固溶な少なくとも2種類の金属元素を有
する導電性膜を形成する工程と、前記導電性膜に電圧を
印加する工程とを有することを特徴とする電子放出素子
の製造方法である。また、以上の電子放出素子の製造方
法は、前記2種類の金属元素が、前記導電性膜中で、一
方が金属酸化物として、他方が金属として存在してお
り、さらに、前記導電性膜への電圧の印加は還元雰囲気
中にて行われるもの、あるいは、前記2種類の金属元素
が、PdとPtであるもの、あるいは、前記Ptの原子
数組成が、50atomic%以下であるもの、をも含むもの
である。
【0017】また、本発明の第10の局面に係る電子源
の製造方法は、基板上に、複数の電子放出素子を備える
電子源の製造方法であって、前記電子放出素子が、上記
いずれかの方法にて製造されることを特徴とする電子源
の製造方法である。また、本発明の第11の局面に係る
電子源の製造方法は、基板上に、マトリクス配線された
複数の電子放出素子を備える電子源の製造方法であっ
て、前記電子放出素子が、上記いずれかの方法にて製造
されることを特徴とする電子源の製造方法である。ま
た、本発明の第12の局面に係る画像形成装置の製造方
法は、電子源と、該電子源からの電子線の照射により画
像を形成する画像形成部材とを具備する画像形成装置の
製造方法であって、前記電子源が、上記いずれかの方法
にて製造されることを特徴とする画像形成装置の製造方
法である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について好ましい
実施形態を挙げて説明する。まず、本発明に係る電子放
出素子の第1の実施形態について以下に述べる。第1の
実施形態の電子放出素子の基本的な構成について、図1
を用いて説明する。図1の(a)は平面図、図1の
(b)は断面図であり、図1中、1は基板、3は導電性
膜、2は第1の間隔、4と5は素子電極である。本実施
形態の電子放出素子は、表面伝導型電子放出素子と呼ば
れるものであり、図1に示す通り、一対の素子電極4、
5と、該一対の素子電極4、5間に、該一対の素子電極
4、5の各々に接続され、第1の間隔2をおいて配置さ
れた一対の導電性膜3とを備える電子放出素子である。
【0019】ここで、基板1としては、例えば石英ガラ
ス、Na等の不純物含有量を減少させたガラス、青板ガ
ラス、青板ガラスにスパッタ法等によりSiO2 を積層
した積層体、アルミナ等のセラミックス等が好ましく用
いられる。
【0020】対向する素子電極4、5の材料としては、
一般的な導体材料が用いられ、例えば、Ni、Cr、A
u、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu等の金属あるい
は合金、Pd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag等の
金属あるいは金属酸化物とガラス等から構成される印刷
導体、In23 −SnO2 等の透明導電体、及びポリ
シリコン等の半導体導体材料等から適宜選択される。
【0021】素子電極間距離L、素子電極長さW1、導
電性膜3の形状等は、応用される形態等によって、適宜
設計される。素子電極間距離Lは、数百Å〜数百μmで
あることが好ましく、より好ましくは、素子電極4、5
間に印加する電圧等により数μm〜数百μmである。素
子電極長さW1は、電極の抵抗値や電子放出特性を考慮
すると、好ましくは数μm〜数百μmであり、また素子
電極厚dは、数百Å〜数μmである。
【0022】導電性膜3は、少なくとも2種類の金属か
らなる。導電性膜3を形成するための上記複数の金属材
料は、まず、(1).特定の化合物を形成せず、固体で
相溶傾向にある金属同士で、好ましくは、全率固溶(全
率相溶)な金属同士である。また、上記金属で構成され
る導電性膜3は、換言するならば、合金からなる導電性
膜である。また、導電性膜3は、(2).駆動電圧印加
時の局所的な電流集中によって容易に上記間隔2の形状
が変化しない、すなわち高温下にさらされても間隔2に
実効的に印加される電圧が低下しないことが好ましい。
また、間隔2近傍の膜のモホロジー変化が生じないこと
が好ましい。すなわち上記金属材料はさらに、高融点金
属材料であることが好ましい。また、(3).上記金属
材料のうち少なくとも1種類の金属は、後述する、フォ
ーミングパワーの低減のために行なわれる還元ガス雰囲
気中でのフォーミング(例えば、水素アシストフォーミ
ング)に適した金属、すなわち大気中で酸化し易く水素
中で還元し易い、易酸化易還元金属であることがさらに
好ましい。また、(4).上記金属材料は、後述するイ
ンクジェット法でフォトリソ工程を必要としない導電性
膜形成に好適なインク溶液を形成するための安定な錯体
イオンを形成するものであることがさらに好ましい。
【0023】上記導電性膜3は、任意の2種類の金属を
混合しただけでは、微視的に均一になるとは限らない。
特に、間隔2近傍は、駆動時に高温下にさらされ、まず
融点の低い金属粒子部分が溶融状態となって凝集による
形態変化を引き起こす。それによって、間隔2近傍の導
電性膜の形態が崩れ、間隔2に実効的にかかる電圧が局
所的に低下し輝度低下を引き起こす。また、間隔2ほど
の高温ではないものの、電子源基板作製時、画像形成装
置作製時の熱プロセス工程、とりわけ封着工程で、間隔
2から比較的離れた領域でも膜のモホロジー変化等の変
質が生じ、導電率が低下し、その結果、間隔2への実効
電圧の低下によって輝度低下を引き起こす。このような
膜の熱による微視的変化を防ぐためには、導電性膜3は
少なくとも上記(1)の条件を満たす金属材料から構成
されていることが好ましい。また、特に導電性膜3が粒
子状の膜である場合には上記膜の微視的変化はより顕著
であるから、導電性膜3が少なくとも上記(1)の条件
を満たす金属材料から構成されていることは導電性膜3
の安定性の上でより効果的である。
【0024】具体的に、好ましい上記2種の金属の組み
合わせとしては、Pd−Pt、Au−Pd、Ag−P
d、Cu−Rh、Cu−Pd、Cu−Pt、Cu−A
u、Ni−Rh、Ni−Au、Ni−Pt、Co−R
h、Co−Ir、Cu−Ni、Mo−Ta、W−Ta、
Ti−Ta、Nb−Ta、Mo−Ti、Cr−W、Cr
−Mo等が挙げられ、特に好ましいのは、Pd−Ptの
組み合わせである。
【0025】さらに(4)の条件を満たす材料として、
インクジェット法を用いた簡便な素子膜形成プロセスの
ために上述の金属材料を安定な錯体イオンとして溶液を
形成するために、白金族元素が特に好ましく挙げられ
る。すなわち白金族元素は多くの酸化数を持ち、単純な
陽イオンを作らず、数種のアクアイオンの他、ほとんど
錯体として存在することが有名である。
【0026】導電性膜3の膜厚は、素子電極4、5間の
電気抵抗値及び後述するフォーミング条件等によって、
適宜設定される。この導電性膜3の膜厚は、好ましくは
10Å〜1000Åで、特に好ましくは100〜300
Åである。間隔2は、例えば後述するフォーミング処理
によって導電性膜3に形成される亀裂であり、前記素子
電極4、5間に電圧を印加することにより、電子放出は
この亀裂付近から行なわれる。すなわち、本実施形態に
おいては、主に間隔2が、電子放出部として作用する。
【0027】次に、本発明に係る電子放出素子の第2の
実施形態について以下に述べる。第2の実施形態の電子
放出素子の基本的な構成について、図2を用いて説明す
る。図2の(a)は平面図、図2の(b)は断面図であ
り、図2中、1は基板、3は導電性膜、2は第1の間
隔、2aは第2の間隔、4と5は素子電極、6は炭素膜
である。本実施形態の電子放出素子もまた、表面伝導型
電子放出素子と呼ばれるものであり、図2に示す通り、
一対の素子電極4、5と、該一対の素子電極4、5間
に、該一対の素子電極4、5の各々に接続され、第1の
間隔2をおいて配置された一対の導電性膜3と、該一対
の導電性膜3上及び該第1の間隔2内に、該第1の間隔
2より狭い第2の間隔2aを形成するように配置された
炭素膜6とを備える電子放出素子である。本実施形態に
おいては、主に第2の間隔2aが、電子放出部として作
用する。ここで、上記図2に示される本実施形態の電子
放出素子の、基板1、素子電極4、5、導電性膜3は図
1を用いて前述された第1の実施形態の場合と同様であ
る。また、上記図2に示される本実施形態の電子放出素
子において、炭素膜6は、例えば後述する活性化処理に
より形成される膜であり、好ましくは、グラファイト
(単結晶及び多結晶の双方を指す)、非晶質カーボン
(非晶質カーボン及びこれと多結晶グラファイトとの混
合物を指す)からなる膜である。また、その膜厚は、好
ましくは500Å以下、より好ましくは、300Å以下
である。
【0028】次に、図1及び図2に示した構成の表面伝
導型電子放出素子を例に、図3の製造工程図に基づい
て、以上述べた本実施形態の表面伝導型電子放出素子の
製造方法の一例を説明する。 1)基板1を洗剤、純水及び有機溶剤により充分に洗浄
した後、真空蒸着法、スパッタ法等により素子電極材料
を堆積させた後、フォトリソグラフィー技術により、あ
るいは印刷法により基板1の面上に素子電極4、5を形
成する(図3(a))。 2)素子電極4、5を設けた基板1上に、スパッタリン
グ法、CVD法、電子ビーム加熱蒸着法、あるいは有機
金属化合物を塗布し加熱焼成する方法等を用いて導電性
膜3を成膜する。次に、リフトオフ、エッチング等によ
りパターニングして所望のパターンを有する導電性膜3
を形成する(図3(b))。ここでいう有機金属溶液と
は、前述の導電性膜3を構成する金属を金属錯体として
含有する有機化合物の溶液であり、所望の膜厚を得るた
め溶媒で粘性を調整したものが用いられる。なお、上述
の導電性膜3のパターニング工程をインクジェット法で
行なうことで、フォトリソグラフィー技術による工程を
極めて簡略化できる。インクジェット法で液滴吐出によ
って素子電極4、5間にドット膜を付与したのち加熱焼
成する方法等を用いて導電性膜3を形成する。ここでい
うインクとは、前述の金属錯体イオンを含有した有機金
属溶液のことであり、インクジェットによって所望の膜
厚及びドット径が得られるように溶媒で粘性を調整した
ものが用いられる。なお、ここで形成される導電性膜3
は、以下に述べる理由から、固体で互いに相溶傾向にあ
る2種以上の金属元素同士、好ましくは、互いに全率固
溶(全率相溶)な金属元素同士を含む導電性膜である。
また上記2種類の金属元素は、一方の金属元素が金属と
して前記導電性膜中に存在し、他方の金属元素が金属酸
化物として前記導電性膜中に存在し、後述の還元ガス
(例えば水素ガス)雰囲気中でのフォーミング処理によ
り、上記2種類の金属元素が合金化するものが好まし
い。すなわち、後述する水素アシストフォーミングは、
フォーミングパワーを低減する有効な手法であるが、導
電性膜3を水素アシストフォーミングしようとすると、
導電性膜3は酸化・ 還元するといった結合の変化を伴う
ことから、膜の結合の連続性が保持しにくく、上記酸化
・ 還元に伴い導電性膜の金属結合の不連続な個所、つま
り結合欠損部位が生じて上記導電性膜の導電性の低下を
引き起こしやすい。さらに、高温下で上記導電性膜の凝
集を伴うと、かかる導電性膜の導電性の低下をより一層
助長する。また、このような上記結合欠損や上記凝集に
よる導電性の低下は導電性膜が粒子状の膜であるときに
は顕著となる。
【0029】3)続いて、以上の導電性膜3に対してフ
ォーミングと呼ばれる通電処理を施す。素子電極4、5
間に不図示の電源により通電すると、導電性膜3の部位
に亀裂を生じ、間隔2が形成される。(図3(c))。
なお、電子放出素子を複数配置した電子源あるいは画像
表示装置を作成する場合、配線に電気的に接続された複
数の導電性膜3を同時にフォーミングする必要があり、
そういった場合、フォーミングパワーを低減する優れた
方法として、還元ガス雰囲気中で上記導電性膜3への通
電を行なう水素アシストフォーミングがより好ましく用
いられる。この水素アシストによるフォーミングパワー
の抑制効果は、導電性膜3が水素アシスト下で通電処理
をする場合と、水素アシストせずに通電処理する場合
で、電圧差が生じる際には原理的に有効である。
【0030】導電性膜3が、前述の様に2種類の金属元
素を含み、少なくともその一方の金属が通電処理時の水
素アシストによってフォーミングパワーを低減できる場
合、水素アシストフォーミングが好ましく用いられる。
導電性膜3を構成する2種類の金属元素を夫々A、Bと
した場合の、2種類の金属元素A、Bの混合組成とフォ
ーミング電圧の関係を図4に示す。ここで金属元素A
は、前記導電性膜3中で金属として存在する難酸化金属
元素であり、Bは、前記導電性膜3中で金属酸化物とし
て存在する易酸化易還元金属である。金属元素A、Bの
混合組成を変えて導電性膜3を各々形成した素子を用意
し、後述するような真空装置中に設置し、真空排気した
のち素子電極4、5間に電圧Vfを印加し、徐々にVf
を大きくし、導電性膜3を流れる素子電流Ifが降下す
る際のVf1を求める。金属元素A、Bの混合組成を変
えて導電性膜3を各々形成した別の素子を用意し、後述
するような真空装置中に設置し、真空排気した後、還元
ガス(例えば2%水素98%窒素)を導入し、充分時間
を置いて還元したのち再び還元ガスを排気し、素子電極
4、5間に電圧Vfを印加し、徐々にVfを大きくし、
導電性膜3を流れる素子電流Ifが降下する際のVf2
を求める(図4(a))。金属元素A、Bの混合組成に
おいてVf1とVf2に差が生じるAの組成x%以下の
範囲では、水素アシストによるフォーミングがより好ま
しく用いられる(図4(b))。
【0031】ここで、水素アシストフォーミング時のフ
ォーミングパワー抑制に有効な金属元素Aの組成xは、
2種類の金属が完全置換合金を形成する場合、原理的に
50atomic%以下であることが好ましい。すなわち、金
属同士が金属結合して酸素と結合することのない組成は
A:B=1:1と考えられる。また、ごく僅かであって
も、複数素子を直列配置して一度にフォーミングする場
合にはフォーミングパワーの抑制に効果的である。ま
た、50atomic%に近づくに従って、フォーミングパワ
ーの抑制効果は徐々に薄れることから、実用的な範囲と
しては、難酸化金属元素Aの組成は、3atomic%〜45
atomic%程度であることがより好ましい。なお、具体的
に、好ましい上記2種の金属元素の組み合わせとして
は、Pd−Pt、Au−Pd、Ag−Pd、Cu−R
h、Cu−Pd、Cu−Pt、Cu−Au、Ni−R
h、Ni−Au、Ni−Pt、Co−Rh、Co−I
r、Cu−Ni、Mo−Ta、W−Ta、Ti−Ta、
Nb−Ta、Mo−Ti、Cr−W、Cr−Mo等が挙
げられ、特に好ましいのは、Pd−Ptの組み合わせで
ある。
【0032】次に、上記フォーミングの電圧波形の例を
図5に示す。電圧波形は、特にパルス波形が好ましく、
パルス波高値を定電圧とした電圧パルスを連続的に印加
する場合(図5(a))と、パルス波高値を増加させな
がら電圧パルスを印加する場合(図5(b))がある。
まず、パルス波高値を定電圧とした場合について説明す
る。図5(a)におけるT1及びT2は電圧波形のパル
ス幅とパルス間隔であり、例えば、T1を1μs〜10
ms、T2を10μs〜100m秒とし、波高値(フォ
ーミング時のピーク電圧)を前述した表面伝導型電子放
出素子の形態に応じて適宜選択して、適当な真空度の真
空雰囲気下で、数秒から数十分印加する。なお、印加す
る電圧波形は、図示される三角波以外にも、矩形波を用
いることもできる。次に、パルス波高値を増加させなが
ら電圧パルスを印加する場合について説明する。図5
(b)におけるT1及びT2は図5(a)と同様であ
り、波高値(フォーミング時のピーク電圧)を、例えば
0.1Vステップ程度ずつ増加させ、図5(a)の説明
と同様の適当な真空雰囲気下で印加する。
【0033】さらに、フォーミング終了後に還元ガス
(水素)雰囲気中に暴露、あるいは基板加熱しながらの
熱還元処理を行なうなどしてフォーミング後の導電性膜
3の抵抗値を充分均一低下させておくことが、より好ま
しく行なわれる。以上の工程により、図1を用いて前述
した第1の実施形態の電子放出素子を作成することがで
きる。
【0034】4)また、以上述べた工程に加えさらに活
性化工程が施されることがを施すことが好ましい。活性
化工程とは、例えば、有機物質が存在する雰囲気中で、
上記フォーミング工程での説明と同様に、パルス波高値
を定電圧としたパルスの印加を繰り返す処理のことをい
い、上記雰囲気中に存在する有機物質から炭素を導電性
膜3上及び間隔2内に堆積させることで、素子電流及び
放出電流の状態を著しく向上させることができる工程で
ある。この活性化工程は、例えば素子電流や放出電流を
測定しながら行なって、例えば放出電流が飽和した時点
で終了するようにすれば効果的であるので好ましい。ま
た、活性化工程でのパルス波高値は、好ましくは素子を
駆動する際に印加する駆動電圧の波高値である。以上の
活性化工程により、炭素膜6が形成され(図3
(d))、図2を用いて前述した第2の実施形態の電子
放出素子が作成される。
【0035】なお、上記炭素とは、グラファイト(単結
晶及び多結晶の双方を指す)、非晶質カーボン(非晶質
カーボン及びこれと多結晶グラファイトとの混合物を指
す)である。また、その堆積膜厚は、好ましくは500
Å以下、より好ましくは300Å以下である。
【0036】このようにして得られる表面伝導型電子放
出素子の基本特性を以下に説明する。図6は、表面伝導
型電子放出素子の電子放出特性を測定するための測定評
価系の一例を示す概略構成図で、まずこの測定評価系を
説明する。図6において、図1と同じ符号は同じ部材を
示す。また、51は電子放出素子に素子電圧Vfを印加
するための電源、50は素子電極4、5間の導電性膜3
を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、54は
間隔2より放出される放出電流Ieを捕捉するためのア
ノード電極、53はアノード電極54に電圧を印加する
ための高圧電源、52は間隔2より放出される放出電流
Ieを測定するための電流計、55は真空装置、56は
排気ポンプである。
【0037】表面伝導型電子放出素子及びアノード電極
54等は真空装置55内に設置され、この真空装置55
には不図示の真空計等の必要な機器が具備されており、
所望の真空下で表面伝導型電子放出素子の測定評価がで
きるようになっている。
【0038】排気ポンプ56は、ターボポンプ、ロータ
リーポンプ等からなる通常の高真空装置系と、イオンポ
ンプ等からなる超高真空装置系とから構成されている。
また、真空装置55全体及び表面伝導型電子放出素子の
基板1は、ヒーターにより300℃程度まで加熱できる
ようになっている。なお、この測定評価系は、後述する
ような表示パネル(図9における201参照)の組み立
て段階において、表示パネル及びその内部を真空装置5
5及びその内部として構成することで、前述のフォーミ
ング工程及び活性化工程における測定評価及び処理に応
用することができるものである。
【0039】以下に述べる表面伝導型電子放出素子の基
本特性は、上記測定評価系のアノード電極54の電圧を
1kV〜10kVとし、アノード電極54と表面伝導型
電子放出素子の距離Hを2mm〜8mmとして、通常測
定を行なう。まず、放出電流Ie及び素子電流Ifと、
素子電圧Vfの関係の典型的な例を図7(図中の実線)
に示す。なお、図7において、放出電流Ieは素子電流
Ifに比べて著しく小さいので、任意単位で示されてい
る。
【0040】図7から明らかなように、表面伝導型電子
放出素子は、放出電流Ieに対する次の3つの特徴的特
性を有する。まず第1に、表面伝導型電子放出素子はあ
る電圧(図6中のVth、以下「しきい値電圧」と呼
ぶ)以上の素子電圧Vfを印加すると急激に放出電流I
eが増加し、一方、しきい値電圧Vth以下では放出電
流Ieがほとんど検出されない。すなわち、放出電流I
eに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線型素
子である。第2に、放出電流Ieが素子電圧Vfに対し
て単調増加する特性(MI特性と呼ぶ)を有するため、
放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。第3に、ア
ノード電極54(図6参照)に捕捉される放出電荷は、
素子電圧Vfを印加する時間に依存する。すなわち、ア
ノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電極Vfを
印加する時間により制御できる。
【0041】図7に実線で示した特性は、放出電流Ie
が素子電圧Vfに対してMI特性を有すると同時に、素
子電流Ifも素子電圧Vfに対してMI特性を有してい
るが、図7に破線で示すように、素子電流Ifは素子電
圧Vfに対して電圧制御型負性抵抗特性(以下「VCN
R特性」と呼ぶ)を示す場合もある。いずれの特性を示
すかは、素子の製法及び測定時の測定条件等に依存す
る。但し、素子電流Ifが素子電圧Vfに対してVCN
R特性を有する素子でも、放出電流Ieは素子電圧Vf
に対してMI特性を有する。
【0042】以上のような表面伝導型電子放出素子の特
徴的特性のため、複数の素子を配置した電子源や画像形
成装置等でも、入力信号に応じて、容易に放出電子量を
制御することが可能となり、多方面への応用ができる。
【0043】次に、本発明の電子源における表面伝導型
電子放出素子の配列について説明する。本発明の電子源
における表面伝導型電子放出素子の配列方式としては、
梯型配置の他、m本のX方向配線の上にn本のY方向配
線を層間絶縁層を介して設置し、表面伝導型電子放出素
子の一対の素子電極に各々X方向配線、Y方向配線を接
続した配列方式が挙げられる。これを以後単純マトリク
ス配置と呼ぶ。
【0044】前述した表面伝導型電子放出素子の基本的
特性によれば、印加される素子電圧Vfがしきい値電圧
Vthを越える場合には、印加するパルス状電圧の波高
値とパルス幅で電子放出量を制御できる。一方、しきい
値電圧Vth以下では、殆ど電子の放出はされない。従
って、多数の表面伝導型電子放出素子を配置した場合に
おいても、単純なマトリクス配線だけで入力信号に応じ
て制御したパルス状電圧を印加し、個々の素子を選択し
て独立に駆動可能となる。
【0045】単純マトリクス配置は上記原理に基づくも
のであり、本発明の電子源の一例である単純マトリクス
配置の電子源の構成について、図8に基づいてさらに説
明する。図8において、基板1はすでに説明したような
ガラス板等であり、この基板1上に配列された表面伝導
型電子放出素子104の個数及び形状は用途に応じて適
宜設定されるものである。m本のX方向配線(行方向配
線)102は、各々外部端子Dx1、Dx2、…Dxm
を有するもので、基板1上に、真空蒸着法、印刷法、ス
パッタ法等で形成した導電性金属膜である。また、多数
の表面伝導型電子放出素子104にほぼ均等に電圧が供
給されるように、材料、膜厚、配線幅が設定されてい
る。n本のY方向配線(列方向配線)103は、各々外
部端子Dy1、Dy2、…Dynを有するもので、X方
向配線102と同様に作成される。
【0046】これらm本のX方向配線102とn本のY
方向配線103間には、不図示の層間絶縁層が設置さ
れ、電気的に分離されて、マトリクス配線を構成してい
る。なお、このm、nは共に正の整数である。不図示の
層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形
成されたSiO2 等であり、X方向配線102を形成し
た基板1の全面あるいは一部に所望の形状で形成され、
特に、X方向配線102とY方向配線103の交差部の
電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定
される。
【0047】さらに、表面伝導型電子放出素子104の
対向する素子電極(不図示)が、m本のX方向配線10
2及びn本のY方向配線103と、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成された導電性金属等からなる結
線105によって電気的に接続されている。ここで、m
本のX方向配線102と、n本のY方向配線103と、
結線105と、対向する素子電極とは、その構成元素の
一部あるいは全部が同一であっても、またそれぞれ異な
っていてもよく、前述の素子電極の材料等より適宜選択
される。これら素子電極への配線は、素子電極と材料が
同一である場合には、素子電極と総称する場合もある。
また、表面伝導型電子放出素子104は、基板1あるい
は不図示の層間絶縁層上どちらに形成してもよい。
【0048】また、詳しくは後述するが、前記X方向配
線102には、X方向に配列された表面伝導型電子放出
素子104の行を入力信号に応じて走査するために、走
査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が電気的に
接続されている。一方、Y方向配線103には、Y方向
に配列された表面伝導型電子放出素子104の列の各列
を入力信号に応じて変調するために、変調信号を印加す
る不図示の変調信号印加手段が電気的に接続されてい
る。各表面伝導型電子放出素子104に印加される駆動
電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差
電圧として供給されるものである。
【0049】次に、以上のような単純マトリクス配置の
本発明の電子源を用いた本発明の画像形成装置の一例
を、図9〜図11を用いて説明する。なお、図9は表示
パネル201の基本構成であり、図10は螢光膜114
を示す図であり、図11は図9の表示パネル201でN
TSC方式のテレビ信号に応じてテレビジョン表示を行
なうための駆動回路の一例を示すブロック図である。
【0050】図9において、1は上述のようにして表面
伝導型電子放出素子104を配置した電子源の基板、1
11は基板1を固定したリアプレート、116はガラス
基板113の内面に画像形成部材であるところの螢光膜
114とメタルバック115等が形成されたフェースプ
レート、112は支持枠である。リアプレート111、
支持枠112及びフェースプレート116は、これらの
接合部分にフリットガラス等を塗布し、大気中あるいは
窒素、アルゴン雰囲気中で400℃〜500℃で10分
間以上焼成することで封着して、外囲器118を構成し
ている。
【0051】図9において、2は図1における間隔、あ
るいは図2における炭素膜6を有する間隔に相当する。
102、103は表面伝導型電子放出素子104の一対
の素子電極4、5(図1参照)に接続されたX方向配線
及びY方向配線で、各々外部端子Dx1ないしDxm、
Dy1ないしDynを有している。
【0052】外囲器118は、上述の如く、フェースプ
レート116、支持枠112、リアプレート111で構
成されている。しかし、リアプレート111は主に基板
1の強度を補強する目的で設けられたものであり、基板
1自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート1
11は不要であり、基板1に直接支持枠112を封着
し、フェースプレート116、支持枠112、基板1に
て外囲器118を構成しても良い。また、フェースプレ
ート111間に、スペーサーと呼ばれる不図示の支持体
をさらに設置することで、大気圧に対して十分な強度を
有する外囲器118とすることもできる。
【0053】螢光膜114は、モノクロームの場合は螢
光体112のみから成るが、カラーの場合は、螢光体1
22の配列により、ブラックストライプ(図10
(a))あるいはブラックマトリクス(図10(b))
等と呼ばれる黒色導電材121と、螢光体122とで構
成される。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを
設ける目的は、カラー表示の場合必要となる三原色各螢
光体122間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目
立たなくすることと、螢光膜114における外光反射に
よるコントラストの低下を抑制することである。黒色導
電材121の材料としては、通常良く用いられている黒
鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性があり、光の
透過及び反射が少ない材料であれば他の材料を用いるこ
ともできる。ガラス基板113に螢光体122を塗布す
る方法としては、モノクローム、カラーによらず沈殿法
や印刷法が用いられる。
【0054】また、図9に示されるように、螢光膜11
4の内面側には通常メタルバック115が設けられる。
メタルバック115の目的は、螢光体122(図10参
照)の発光のうち内面側への光をフェースプレート11
6へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、高圧
端子Hvから電子ビーム加速電圧を印加するための電極
として作用すること、外囲器118内で発生した負イオ
ンの衝突によるダメージからの螢光体122の保護等で
ある。メタルバック115は、螢光膜114の作製後、
螢光膜114の内面側表面の平滑化処理(通常、フィル
ミングと呼ばれる)を行ない、その後Alを真空蒸着等
で堆積することで作製できる。フェースプレート116
には、さらに螢光膜114の外面側に透明電極(不図
示)を設けてもよい。前述の封着を行なう際、カラーの
場合は各色螢光体122と表面伝導型電子放出素子とを
対応させなくてはいけないため、十分な位置合わせを行
なう必要がある。
【0055】外囲器118内は、不図示の排気管を通
じ、10-7Torr程度の真空度にされ、封止される。
また、外囲器118の封止を行なう直前あるいは封止後
に、ゲッター処理を行なう場合もある。これは、抵抗加
熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器118
内の所定の位置に配置したゲッター(不図示)を加熱
し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba
等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば
10-5〜10-9Torr程度の真空度を維持するための
ものである。
【0056】前述のフォーミング及び活性化等これ以降
の表面伝導型電子放出素子の製造工程は、外囲器118
の封止直前または封止後に行なわれるものである。外囲
器118へのガス導入及び排気(フォーミング時の水素
導入及び排気、活性化時の有機化合物ガスの導入及び排
気)を均一に行なうため、また配線の外囲器外部への取
り出し等に由来する仕損費抑制のためには、上述のフォ
ーミング及び活性化とこれ以降の製造工程を封止前に行
なうことが望ましい。本発明における導電性薄膜3は、
例えば封着工程に必要と思われる350℃〜450℃数
分〜数十分といった高温加熱工程を経ても膜の抵抗率が
顕著な変化を生じないため、フォーミング及び活性化工
程を行なってから外囲器118の封着を行なうことで仕
損費抑制が図られ好ましい。
【0057】上述の表示パネル201は、例えば図11
に示されるような駆動回路で駆動することができる。な
お、図11において、201は前記表示パネルであり、
202は走査回路、203は制御回路、204はシフト
レジスタ、205はラインメモリ、206は同期信号分
離回路、207は変調信号発生器、Vx及びVaは直流
電圧源である。
【0058】図11に示されるように、表示パネル20
1は、外部端子Dx1ないしDxm、外部端子Dy1な
いしDyn、及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路
と接続されている。このうち、外部端子Dx1ないしD
xmには、前記表示パネル201内に設けられている表
面伝導型電子放出素子、すなわちm行n列の行列状にマ
トリクス配置された素子群を1行(n素子)ずつ順次駆
動して行くための走査信号が印加される。
【0059】一方、外部端子Dy1ないしDynには、
前記走査信号により選択された1行の各素子の出力電子
ビームを制御するための変調信号が印加される。また、
高圧端子Hvには、直流電圧源Vaにより、例えば10
kVの直流電圧が供給される。これは表面伝導型電子放
出素子より出力される電子ビームに、螢光体を励起する
のに十分なエネルギーを付与するための加速電圧であ
る。
【0060】走査回路202は、内部にm個のスイッチ
ング素子(図11中、S1ないしSmで模式的に示す)
を備えるもので、各スイッチング素子S1〜Smは、直
流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V(グランドレベ
ル)のいずれか一方を選択して、表示パネル201の外
部端子Dx1ないしDxmと電気的に接続するものであ
る。各スイッチング素子S1〜Smは、制御回路203
が出力する制御信号Tscanに基づいて動作するもの
で、実際には、例えばFETのようなスイッチング機能
を有する素子を組み合わせることにより容易に構成する
ことが可能である。
【0061】本発明における前記直流電圧源Vxは、前
記図7に示すような表面伝導型電子放出素子の特性(し
きい値電圧)に基づき、走査されていない表面伝導型電
子放出素子に印加される駆動電圧がしきい値電圧Vth
以下となるような一定電圧を出力するよう設定されてい
る。
【0062】制御回路203は、外部より入力される画
像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように、各部
の動作を整合させる働きをもつものである。次に説明す
る同期信号分離回路206により送られる同期信号Ts
yncに基づいて、各部に対してTscan、Tsft
及びTmryの各制御信号を発生する。
【0063】同期信号分離回路206は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離するための回路で、良く知られて
いるように、周波数分離(フィルター)回路を用いれ
ば、容易に構成できるものである。同期信号分離回路2
06により分離された同期信号は、これも良く知られる
ように、垂直同期信号と水平同期信号より成る。ここで
は説明の便宜上、Tsyncとして図示する。一方、前
記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜
上DATA信号と図示する。このDATA信号はシフト
レジスタ204に入力される。
【0064】シフトレジスタ204は、時系列的にシリ
アル入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎
にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御
回路203より送られる制御信号Tsftに基づいて動
作する。この制御信号Tsftは、シフトレジスタ20
4のシフトクロックであると言い換えても良い。また、
シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(表面伝
導型電子放出素子のn素子分の駆動データに相当する)
のデータは、Id1ないしIdnのn個の並列信号とし
て前記シフトレジスタ204より出力される。ラインメ
モリ205は、画像1ライン分のデータを必要時間だけ
記憶するための記憶装置であり、制御回路203より送
られる制御信号Tmryに従って適宜Id1ないしId
nの内容を記憶する。記憶された内容は、Id’1ない
しId’nとして出力され、変調信号発生器207に入
力される。
【0065】変調信号発生器207は、前記画像データ
Id’1ないしId’nの各々に応じて、表面伝導型電
子放出素子の各々を適切に駆動変調するための信号線
で、その出力信号は、外部端子Dy1ないしDynを通
じて表示パネル201内の表面伝導型電子放出素子に印
加される。
【0066】前述したように、表面伝導型電子放出素子
は電子放出に明確なしきい値電圧を有しており、しきい
値電圧を越える電圧が印加された場合にのみ電子放出が
生じる。また、しきい値電圧を越える電圧に対しては、
表面伝導型電子放出素子への印加電圧の変化に応じて放
出電流も変化していく。表面伝導型電子放出素子の材料
や構成、製造方法を変えることにより、しきい値電圧の
値や印加電圧に対する放出電流の変化の度合いが変わる
場合もあるが、いずれにしても以下のようなことが言え
る。
【0067】すなわち、表面伝導型電子放出素子にパル
ス状の電圧を印加する場合、例えばしきい値電圧以下の
電圧を印加しても電子放出は生じないが、しきい値電圧
を越える電圧を印加する場合には電子放出を生じる。そ
の際、第1には電圧パルスの波高値を変化させることに
より、出力される電子ビームの強度を制御することが可
能である。第2には、電圧パルスの幅を変化させること
により、出力される電子ビームの電荷の総量を制御する
ことが可能である。
【0068】従って、入力信号に応じて表面伝導型電子
放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式とパル
ス変調方式とが挙げられる。電圧変調方式を行なう場
合、変調信号発生器207としては、一定の長さの電圧
パルスを発生するが、入力されるデータに応じて適宜パ
ルスの波高値を変調できる電圧変調方式の回路を用い
る。また、パルス幅変調方式を行なう場合、変調信号発
生器207としては、一定の波高値の電圧パルスを発生
するが、入力されるデータに応じて適宜パルス幅を変調
できるパルス幅変調方式の回路を用いる。
【0069】シフトレジスタ204やラインメモリ20
5は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式のもの
でもよく、画像信号のシリアル/パラレル変換や記憶が
所定の速度で行なえるものであればよい。デジタル信号
式を用いる場合には、同期信号分離回路206の出力信
号DATAをデジタル信号化する必要がある。これは同
期信号分離回路206の出力部にA/D変換器を設ける
ことで行なうことができる。また、これと関連して、ラ
インメモリ205の出力信号がデジタル信号かアナログ
信号かにより、変調信号発生器207に設けられる回路
が若干異なるものとなる。
【0070】すなわち、デジタル信号で電圧変調方式の
場合、変調信号発生器207には、例えば良く知られて
いるD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路等を
付け加えればよい。また、デジタル信号でパルス幅変調
方式の場合、変調信号発生器207は、例えば高速の発
振器及び発振器の出力する波数を計算する計数器(カウ
ンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較
する比較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用い
ることで容易に構成することができる。さらに、必要に
応じて、比較器の出力するパルス幅変調された変調信号
を表面伝導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅す
るための増幅器を付け加えてもよい。
【0071】一方、アナログ信号で電圧変調方式の場
合、変調信号発生器207には、例えば良く知られてい
るオペアンプ等を用いた増幅回路を用いればよく、必要
に応じてレベルシフト回路等を付け加えてもよい。ま
た、アナログ信号でパルス幅変調方式の場合、例えば良
く知られている電圧制御型発振回路(VCO)を用いれ
ばよく、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電
圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよ
い。
【0072】以上のような表示パネル201及び駆動回
路を有する本発明の画像形成装置は、外部端子Dx1〜
Dxm及びDy1〜Dynから電圧を印加することによ
り、任意の表面伝導型電子放出素子104から電子を放
出させることができ、高圧端子Hvを通じてメタルバッ
ク115あるいは透明電極(不図示)に高電圧を印加し
て電子ビームを加速し、加速した電子ビームを螢光膜1
14に衝突させることで生じる励起・発光によって、N
TSC方式のテレビ信号に応じてテレビジョン表示を行
なうことができるものである。
【0073】なお、以上説明した構成は、表示等に用い
られる本発明の画像形成装置を得る上で必要な概略構成
であり、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述の内
容に限られるものではなく、画像形成装置の用途に適す
るよう、適宜選択されるものである。また、入力信号と
してNTSC方式を挙げたが、本発明の画像形成装置は
これに限られるものではなく、PAL、SECAM方式
等他の方式でもよく、さらにはこれらよりも多数の走査
線からなるTV信号、例えばMUSE方式をはじめとす
る高品位TV方式でもよい。また、上述においては、最
も好ましい簡易な駆動方式及び駆動配線を用いた画像表
示装置として単純マトリクス方式を挙げて本発明を説明
したが、梯型配置を用いても同様にテレビジョン表示を
行なえ、上述のテレビジョン放送の表示装置のみなら
ず、テレビ会議システム、コンピューター等の表示装置
として好適な画像形成装置が得られる。さらには、感光
ドラム等とで構成した光プリンターの露光装置としても
用いることができるものである。
【0074】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を
さらに説明する。 [実施例1]本実施例では、図2に示した構成の表面伝
導型電子放出素子を作製する例を説明する。図2(a)
は表面伝導型電子放出素子の平面図を、図2(b)は断
面図を示している。なお、図中のLは素子電極4、5間
の間隔、W1は素子電極の幅、W2は導電性薄膜3の幅
を表わしている。
【0075】次に、図3を用いて、本実施例の表面伝導
型電子放出素子の製造方法を説明する。 1)基板1として石英基板を用い、これを有機溶剤によ
り充分に洗浄後、該基板1上に、一般的な真空形成技
術、フォトリソグラフィー技術により、Ptからなる素
子電極4、5を形成する(図3(a))。ここで、図2
(a)、(b)における素子電極の間隔Lは10μm、
長さW1は600μm、厚さdは1000Åとする。
【0076】2)次に、酢酸パラジウム(II)モノエタ
ノールアミン錯体を9.8m mol/l、酢酸白金
(II)モノエタノールアミン錯体を4.2m mol/
l、IPA(イソプロピルアルコール)を15wt%と
なるよう水溶液を調整し、液滴付与装置としてバブルジ
ェット方式のインクジェット噴射装置を用いて、該水溶
液を液滴の状態にして複数回素子電極4、5間に付与し
た。
【0077】3)350℃30分間の加熱処理を行な
い、酸化パラジウム(PdO)と白金からなる微粒子膜
を形成し、導電性薄膜3とした( 図3(b)) 。このと
き、酸化パラジウムと白金の微粒子は各々特に分離して
形成されてはおらず、ほぼ一様な微粒子膜として形成さ
れていた。
【0078】4)次に、素子電極4、5及び導電性薄膜
3等を形成した上記基板1を図6の測定評価系の真空装
置55内に設置し、排気ポンプ56にて排気して、真空
装置55内を約10-5Torrとした。この後、素子電
圧Vfを印加するための電源51により素子電極4、5
間に電圧を印加し、電圧印加直後に水素2%窒素98%
ガスを徐々に導入しながらフォーミングを行なう。フォ
ーミング時の電圧波形は1ms/10msの矩形波とし
た。
【0079】5)4)のフォーミング時の素子電圧Vf
は、前に説明したように、該素子を真空装置内で予め水
素暴露して充分還元したのちに徐々に印加電圧Vfを上
昇した場合にフォーミングが開始する電圧Vf2(素子
電流Ifが降下しはじめる電圧Vf)より高く、該素子
を真空装置内で還元せずに徐々に印加電圧Vfを上昇し
た場合にフォーミングが開始する電圧Vf1より低い値
を用いる。Vf2とVf1は、1)の水溶液中の酢酸パ
ラジウム(II)モノエタノールアミン錯体と酢酸白金
(II)モノエタノールアミン錯体の組成比で模式的には
図4(a)の様になり、白金(A)組成比x%が50%
以下の範囲で、水素導入によるフォーミングパワーの抑
制効果が得られる。従って、4)のフォーミング電圧は
この範囲で行なう。なお、本実施例の素子はフォーミン
グ時の電圧8Vで10分程度でフォーミングが完了し、
導電性膜3に亀裂(間隔)2が形成された(図3
(c))。
【0080】6)次に、フォーミング処理を施した素子
に活性化処理を行なう。フォーミング終了後、真空装置
55内を再び真空排気し、真空装置55内を10-7To
rrの真空度とした。活性化を行なう有機化合物として
ベンゾニトリルを用い、不図示のバリアブルリークバル
ブを徐々に空けて、該ベンゾニトリルを導入し、真空装
置55内を10-6Torrの真空度とした。ベンゾニト
リル導入後の真空度が充分一定になった後、素子電極
4、5間に電圧を印加した。活性化処理には、1ms/
10ms、15Vの両極矩形波を用いた。また活性化処
理を施す時間は1時間とし、活性化処理による素子電流
Ifの上昇が見られなくなり、Ifがほぼ一定値を示す
ようになるまで処理することとした。活性化処理により
導電性膜3上及び亀裂2内に炭素膜6が形成された(図
3(d))。
【0081】なお、本実施例の素子は、導電性薄膜3を
Pdのみで作成したものに比べて、フォーミング電力を
平均で約70%にすることができた。
【0082】本実施例の表面伝導型電子放出素子の電子
放出特性の測定を、上述した図6の測定評価系を用いて
行なった。測定条件は、アノード電極54と表面伝導型
電子放出素子の距離Hを4mm、アノード電極54の電
位を1kV、電子放出特性測定時の真空装置55内の真
空度を約1×10-8Torrとした。
【0083】その結果、本実施例における素子は、数回
の作製に対して、図7中の実線で示したような電流−電
圧特性が得られた。代表的な素子の特性は、素子電圧V
f=15Vにおいて、素子電流If=1.0mA、放出
電流Ie=1μAであり複数個の素子のばらつきも極め
て少なかった。
【0084】[比較例1]また、導電性薄膜3を酢酸P
d(II)モノエタノールアミン錯体14m mol/
l、酢酸白金(II)モノエタノールアミン錯体0m m
ol/lとし、Pdのみから構成されるようにした以外
は実施例1と全く同様にして作成した素子でも、数回の
作製に対して図7の実線で示したような電流−電圧特性
が得られたが、必ずしも本実施例と同様の素子の特性が
得られるものばかりでなく、素子電流Ifが小さくなる
場合があった。
【0085】[実施例2]本実施例では、図2に示した
ような表面伝導型電子放出素子の多数個を単純マトリク
ス配置した、図8に示したような電子源を用いて、図9
に示したような画像形成装置を作製した例を説明する。
電子源の作製は、実施例1で説明した素子電極4、5及
び導電性薄膜3の各パターンを拡張し、同時に多数の表
面伝導型電子放出素子を形成するとともに、同時にX方
向配線(下配線あるいは行方向配線とも呼ぶ)102及
びY方向配線(上配線あるいは列方向配線とも呼ぶ)1
03を形成して行なった。
【0086】以上のようにして作製した、複数の導電性
膜が、複数のX方向配線及び複数のY方向配線にてマト
リクス配線された未フォーミングの電子源基板を用いて
画像形成装置を構成した例を、図9及び図10を用いて
説明する。まず、上記未フォーミングの電子源の基板1
を図6で示したような真空装置55内に設置し、真空ポ
ンプ56にて排気し、真空装置内を10-5Torrとし
た。次に上記X方向配線及び上記Y方向配線にそれぞれ
接続した外部端子を通じ、各素子電極4、5間に、実施
例1と同様に、素子電圧Vfを印加するための電源51
により電圧を印加し、電圧印加直後に水素2%窒素98
%ガスを徐々に導入しながらフォーミングを行ない、上
記各導電性膜に亀裂2を作製した。
【0087】次に、ベンゾニトリルの雰囲気中にて、上
記X方向配線及び上記Y方向配線にそれぞれ接続した外
部端子を通じ、各素子電極4、5間に電圧を印加して、
活性化処理を施した。活性化工程は実施例1同様行なわ
れ素子電流Ifの上昇がほぼ留まったところで終了とし
た。
【0088】この後、フォーミング及び活性化処理をし
た電子源の基板1をリアプレート111に固定した後、
基板1の4mm上方に、フェースプレート116(ガラ
ス基板113の内面に画像形成部材であるところの螢光
膜114とメタルバック115が形成されて構成され
る)を支持枠112を介し配置し、フェースプレート1
16、支持枠112、リアプレート111の接合部にフ
リットガラスを塗布し、アルゴン中で420℃で10分
以上焼成することで封着した(図9参照)。また、リア
プレート111への基板1の固定もフリットガラスで行
なった。
【0089】画像形成部材であるところの螢光膜114
は、モノクロームの場合は螢光体のみから成るが、本実
施例では螢光体はストライプ形状(図10(a)参照)
を採用し、先に黒色導電材121でブラックストライプ
を形成し、その間隔部にスラリー法により各色螢光体1
22を塗布して螢光膜114を作製した。黒色導電材1
21としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分と
する材料を用いた。
【0090】また、螢光膜114の内面側にはメタルバ
ック115を設けた。メタルバック115は、螢光体1
14の作製後、螢光膜114の内面側表面の平滑化処理
(通常、フィルミングと呼ばれる)を行ない、その後、
Alを真空蒸着することで作製した。フェースプレート
116には、さらに螢光膜114の外面側に透明電極が
設けられる場合もあるが、本実施例では、メタルバック
115のみで十分な導電性が得られたので省略した。前
述の封着を行なう際、カラーの場合は各色螢光体122
と表面伝導型電子放出素子104とを対応させなくては
いけないため、十分な位置合わせを行なった。
【0091】この後、不図示の排気管を通じ、外囲器1
18内を10-7Torr程度の真空度とし、該排気管を
バーナーで熱することで溶着し、外囲器118の封止を
行なった。最後に、封止後の真空度を維持するために、
高周波加熱法でゲッター処理を行なった。ゲッターはB
aを主成分とした。
【0092】以上のようにして単純マトリクス配置の電
子源を用いて構成した表示パネル201(図9参照)に
おいて、外部端子Dx1ないしDxm、Dy1ないしD
ynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生
手段により、各表面伝導型電子放出素子104にそれぞ
れ印加することによって電子を放出させるとともに、高
圧端子Hvを通じてメタルバック115に数kV以上の
高圧を印加して、電子ビームを加速し、螢光体114に
衝突させ、励起・発光させることで画像表示を行なっ
た。その結果、本実施例で用いた表面伝導型電子放出素
子は、実施例1での真空装置内の素子とほぼ同様の電子
放出特性が得られた。また、素子のばらつきも少なく、
長時間に渡り、輝度低下もなく、高輝度・高精細な画像
を安定して表示することができた。
【0093】[比較例2]これに対し、導電性薄膜3を
本実施例における導電性薄膜3を、酢酸Pd(II)モノ
エタノールアミン錯体14m mol/l、酢酸白金
(II)モノエタノールアミン錯体0m mol/lと
し、Pdのみから構成されるようにした以外は実施例2
と全く同様にして作成した電子源基板を用いて、実施例
2と同様のフォーミング処理を行なった後、同様に封着
を行ない、その後、実施例2と同様に活性化工程を行な
ったところ、活性化不良の素子が複数生じ、また活性化
によって素子電流Ifの増加がなされる素子でも、必ず
しも実施例2の素子の電子放出特性と同等のものが得ら
れるとは限らなかった。
【0094】[実施例3]実施例2に示した作成方法で
作製した画像形成装置に、先に述べたようにNTSC信
号を入力たところ、良好なテレビ画像を得ることができ
た。
【0095】また、以上述べた各実施例によれば、各実
施例における電子放出素子は、非常に小さい電力で容易
にフォーミングが行なえると同時に、これにより形成さ
れる電子放出部形成のためのフォーミング処理及び/ま
たは活性化処理のあとで封着工程を行なってもその後の
電子放出部への電圧印加が実効的に充分行なえるように
なり、それによって仕損費の大幅な削減が可能となる。
また、封着工程を経て導電性薄膜3の電気的変化が少な
いことによって、複数素子の封着後の通電工程、及び実
際の駆動時の素子毎のばらつきも少なくなり、電子源基
板、画像表示装置の均一性も向上する。
【0096】
【発明の効果】本発明による効果は以下のとおりであ
る。すなわち、本発明は、電子放出特性の安定した電子
放出素子、及び、電子源を提供することができる。ま
た、本発明は、とりわけ、熱に対し、電子放出特性の安
定した電子放出素子、及び電子源を提供することができ
る。また、本発明は、形成する画像の経時的変化の低減
した画像形成装置を提供することができる。また、本発
明は、その製造過程での通電処理における通電パワーを
極力低減した電子放出素子、電子源、画像形成装置の製
造方法を提供することができる。また、本発明は、特性
の再現性に優れた、電子放出素子、電子源、画像形成装
置の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る表面伝導型電
子放出素子の構成図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る表面伝導型電
子放出素子の構成図である。
【図3】 図1及び図2の表面伝導型電子放出素子の製
造方法の一例を説明するための図である。
【図4】 本発明に係る表面伝導型電子放出素子のフォ
ーミング電圧の導電性膜組成依存性を示す模式図であ
る。
【図5】 フォーミング処理に用いる電圧波形の一例を
示す図である。
【図6】 表面伝導型電子放出素子の電子放出特性を測
定するための測定評価系の該略図である。
【図7】 本発明に係る表面伝導型電子放出素子の、放
出電流Ie及び素子電流Ifと、素子電圧Vfの関係の
典型的な例を示す図である。
【図8】 単純マトリクス配置の電子源の概略図であ
る。
【図9】 単純マトリクス配置の電子源を備えた表示パ
ネルの概略構成を示す部分切り欠き斜視図である。
【図10】 表示パネルに用いる螢光膜の構成例を示す
図である。
【図11】 NTSC方式のテレビ信号に応じて画像表
示を行なう画像形成装置の駆動回路の一例を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1:基板、2:第1の間隔(電子放出部)、2a:第2
の間隔(電子放出部)、3:導電性膜、4,5:素子電
極、6:炭素膜、50,52:電流計、51:電源、5
3:高圧電源、54:アノード電極、55:真空装置、
56:排気ポンプ、102:X方向配線、103:Y方
向配線、104:表面伝導型電子放出素子、105:結
線、111:リアプレート、112:支持枠、113:
ガラス基板、114:螢光膜、115:メタルバック、
116:フェースプレート、Hv:高圧端子、118:
外囲器、121:黒色導電材、122:螢光体、20
1:表示パネル、202:走査回路、203:制御回
路、204:シフトレジスタ、205:ラインメモリ、
206:同期信号分離回路、207:変調信号発生器、
Va:高圧直流電圧源、Vx:直流電圧源、301:表
示パネル、302:グリッド電極、303:開口、30
4:共通配線。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の素子電極間に、電子放出部を有す
    る導電性膜を備える電子放出素子において、前記導電性
    膜は、合金から成ることを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 前記導電性膜は、炭素膜を有している請
    求項1に記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 一対の素子電極間に、前記一対の素子電
    極の各々に接続され、第1の間隔をおいて配置された一
    対の導電性膜を備える電子放出素子において、前記一対
    の導電性膜は、合金から成ることを特徴とする電子放出
    素子。
  4. 【請求項4】 さらに、前記一対の導電性膜上及び前記
    第1の間隔内に、前記第1の間隔よりも狭い第2の間隔
    を形成するように配置された炭素膜を有する請求項3に
    記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】 前記合金は、PdとPtから成る合金で
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の電子放出素子。
  6. 【請求項6】 一対の素子電極間に、電子放出部を有す
    る導電性膜を備える電子放出素子において、前記導電性
    膜は、全率固溶な少なくとも2種類の金属を有すること
    を特徴とする電子放出素子。
  7. 【請求項7】 前記導電性膜は、炭素膜を有している請
    求項6に記載の電子放出素子。
  8. 【請求項8】 一対の素子電極間に、前記一対の素子電
    極の各々に接続され、第1の間隔をおいて配置された一
    対の導電性膜を備える電子放出素子において、前記一対
    の導電性膜は、全率固溶な少なくとも2種類の金属を有
    することを特徴とする電子放出素子。
  9. 【請求項9】 さらに、前記一対の導電性膜上及び前記
    第1の間隔内に、前記第1の間隔よりも狭い第2の間隔
    を形成するように配置された炭素膜を有する請求項8に
    記載の電子放出素子。
  10. 【請求項10】 前記2種類の金属は、PdとPtであ
    る請求項6〜9のいずれかに記載の電子放出素子。
  11. 【請求項11】 基板上に、複数の電子放出素子を備え
    る電子源において、前記電子放出素子が、請求項1〜1
    0のいずれかに記載の電子放出素子であることを特徴と
    する電子源。
  12. 【請求項12】 基板上に、マトリクス配線された複数
    の電子放出素子を備える電子源において、前記電子放出
    素子が、請求項1〜10のいずれかに記載の電子放出素
    子であることを特徴とする電子源。
  13. 【請求項13】 電子源と、該電子源からの電子線の照
    射により画像を形成する画像形成部材とを具備する画像
    形成装置において、前記電子源が請求項11または12
    に記載された電子源であることを特徴とする画像形成装
    置。
  14. 【請求項14】 一対の素子電極間に、電子放出部を有
    する導電性膜を備える電子放出素子の製造方法におい
    て、合金を形成し得る少なくとも2種類の金属元素を有
    する導電性膜を形成する工程と、前記導電性膜に電圧を
    印加する工程とを有することを特徴とする電子放出素子
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 一対の素子電極間に、電子放出部を有
    する導電性膜を備える電子放出素子の製造方法におい
    て、全率固溶な少なくとも2種類の金属元素を有する導
    電性膜を形成する工程と、前記導電性膜に電圧を印加す
    る工程とを有することを特徴とする電子放出素子の製造
    方法。
  16. 【請求項16】 前記2種類の金属元素は、前記導電性
    膜中で、一方が金属酸化物として、他方が金属として存
    在しており、さらに、前記導電性膜への電圧の印加は還
    元雰囲気中にて行なわれる請求項14または15に記載
    の電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記2種類の金属元素は、PdとPt
    である請求項14または15に記載の電子放出素子の製
    造方法。
  18. 【請求項18】 前記Ptの原子数組成が、50atomic
    %以下である請求項17に記載の電子放出素子の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 基板上に、複数の電子放出素子を備え
    る電子源の製造方法において、前記電子放出素子が、請
    求項14〜18のいずれかに記載の方法にて製造される
    ことを特徴とする電子源の製造方法。
  20. 【請求項20】 基板上に、マトリクス配線された複数
    の電子放出素子を備える電子源の製造方法において、前
    記電子放出素子が、請求項14〜18のいずれかに記載
    の方法にて製造されることを特徴とする電子源の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 電子源と、該電子源からの電子線の照
    射により画像を形成する画像形成部材とを具備する画像
    形成装置の製造方法において、前記電子源が請求項19
    または20に記載された方法にて製造されることを特徴
    とする画像形成装置の製造方法。
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