JP3542452B2 - 画像形成装置とその製造方法及び該装置を用いた画像表示装置 - Google Patents

画像形成装置とその製造方法及び該装置を用いた画像表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平板型画像形成装置に関し、とりわけ大気圧支持部材を設けた信頼性の高い平板型画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子線を利用して画像を表示する画像形成装置としては、CRTが従来から広く用いられてきた。
【0003】
一方、近年になって液晶を用いた平板型表示装置が、CRTに替わって、普及してきたが、自発光型でないため、バックライトを持たなければならない等の問題点があり、自発光型の表示装置の開発が、望まれてきた。自発光型表示装置としては、最近ではプラズマディスプレイが商品化され始めているが、従来のCRTとは発光の原理が異なり、画像のコントラストや、発色の特性などで、CRTに比べるとやや劣ると言わざるを得ないのが現状である。
【0004】
また、近年、電子放出素子を複数配列して電子源を形成し、これを平板型画像形成装置に用いれば、CRTと同じ品位の発光を得られることが期待され、多くの研究開発が行われてきた。例えば特開平4−163833号公報には、線状熱陰極と、複雑な電極構体を真空容器に内包した平板型電子線画像形成装置が開示されている。
【0005】
この真空容器の内外には大気圧がかかるため、これに耐えるためには容器の壁の厚みを厚くするか、容器内に大気圧支持部材を設けることが必要である。ここで、大気圧支持部材としたのは、単にフェースプレートの重みを支えるだけではなく大気圧の圧力にも抗する支持部材とするためである。従って、大型の画像形成装置の場合、容器の壁の厚さにより大気圧を支えるには、壁の厚さを非常に厚くする事が必要であり、装置の重量も重くなってしまう。従って、大型の平板型電子線画像形成装置を実現するためには、その真空容器内部に大気圧支持部材を設けて大気圧を支持することが不可欠である。
【0006】
また、電子線を用いた画像形成装置においては、電子源と画像表示部材との間に、電子を加速するために高電圧を印加する。上記大気圧支持部材は主に電子源と画像形成部材の間に設置されるもので、その両端には上記の高電圧が印加されることになる。大気圧支持部材が導電性を有すると、上記高電圧のために電流が流れ、これにより電力を消費することになる。この点からすると大気圧支持部材は絶縁性であることが望ましい。しかしながら絶縁性の大気圧支持部材には、次のような問題があった。すなわち、大気圧支持部材には、例えば電子源から放出された電子の一部が直接衝突したり、画像形成部材に照射された電子の一部が反射された後衝突する可能性があり、その結果大気圧支持部材からは2次電子が放出され、その部分が帯電して電位が上昇する場合がある。このようになるとその近傍の電界が歪んでしまい、電子源から放出された電子線の軌道が曲げられて、上記画像形成部材の本来の位置に到達しなくなり、色ズレなど画像の品位を低下させる現象が起こる。また、場合によっては大気圧支持構造の側面に沿って放電が発生する事があり、この電流が電子源に流れ込むと電子放出素子を損傷し、画像に欠陥が生じてしまうこともある。
【0007】
このような帯電やそれによる放電の発生を避ける方法としては、例えば特公平7−99679号公報に開示された、大気圧支持部材を微小電流が流れる高抵抗の導電材で形成する方法がある。ここで開示された装置は、画像形成部材と、電子源との間に電極群を具備するもので、この電極群の電極は、電子線のフォーカス、あるいは偏向を目的とする集束電極や偏向電極などで、それぞれの目的に応じて電位を付与されるものである。
【0008】
また、このような電極群を有しない画像形成装置での例としては、本出願人により出願した特開平5−266807号公報に開示されたものがある。この出願においては、導電性を有する大気圧支持部材を、電子放出素子の電極や、電圧制御手段に接続して、帯電を防止するものである。
【0009】
また、CRTにおいて、真空容器外の部材の電位の上昇に伴う放電を防止する手法として、当該の部材をサージアブソーバ素子を介して接地する方法が、特開平6−338269号公報に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯用情報端末機器などとして例えば液晶ディスプレイのように薄型軽量小型のうち、厚さの点で同程度又はさらに薄いしかも大画面の電子線画像形成装置の開発が求められている。
【0011】
本出願人は、表面伝導型電子放出素子とそれを用いた画像形成装置に関して、すでに多くの提案を行っている。例えば特開平7−235255号公報に記載されたものである。この電子放出素子は構成が単純で、大面積に多数集積して形成することができるため、電極構体などの複雑な構成要素なしに画像表示装置を形成できるため、非常に薄い電子線画像形成装置に用いることができる。
【0012】
ところで、電子源と画像形成部材の間には、上述のように電子を加速するための電圧が印加されており、画像形成部材として通常の蛍光体を用いる場合、好ましい色の発光を得るためには、この電圧はできるだけ高くすることが好ましく、少なくとも数kV程度であることが望ましい。
【0013】
その場合、画像表示部材と、電子源と間隔が従来に比べて狭く、従って大気圧支持部材の側面の短い距離をはさんで上記画像表示部材と電子源が対向するため、従来のように導電性の大気圧支持部材を用いたとしてもこれに沿った放電が生ずる危険が完全には回避できない場合もある。
【0014】
このような放電が生じた場合に電流が流れる経路を、図5の等価回路により考える。図5において、31は画像形成部材に対応する点で、電位Vaが与えられている。32は大気圧支持部材の電気抵抗を示し、通常は所定の高い抵抗値を有するが、放電を生じた場合は抵抗値が低下する。35は上記大気圧支持部材が電子源に接する点で、電子源の配線の一つに接続されている場合を想定した。この点は配線抵抗36を介して所定の素子駆動電圧Vf−を与える回路に接続され、またこの配線には複数の電子放出素子37が接続されている。図では煩雑にならないよう、素子を一つだけ示してある。また38と39は電子放出素子がそれぞれ配線に接続する電極に対応する点を示し、電極39は上記配線に対する別の配線の抵抗40を介して所定の素子駆動電圧Vf+を印加する回路に接続されている。かかる等価回路において、大気圧支持部材に沿って放電が生ずると、図5に示した電気抵抗32が通常より小さくなり、大きな電流が流れる。この電流は図の点35から配線に流れ込み、一部は抵抗36を通り、他の一部は電子放出素子37を介し別の配線に流れ込み、抵抗40を介して画像形成装置の外に流出する。このとき、電子放出素子37にある程度以上の電流が流れると、素子が破損したり、電子放出量が低下したりする。また、放電電流が大きく、抵抗36,40を介して画像形成装置の外部に流出する電流が大きくなる場合、これらの配線が真空容器の接合部においてフリットガラス中を通過している場合、電流の一部がフリットガラス中に漏れだして電界電流が流れ、これによりフリットガラスにクラックが生じ、真空を維持できなくなったり、ガラス容器の絶縁耐圧が低下するなどの悪影響をもたらす場合がある。
【0015】
従って、信頼性の高い、より薄い平板型電子線画像形成装置を実現するためには、大気圧支持部材に沿って放電が発生した場合にも、電子放出素子や、真空容器が損傷したり劣化したりしない様にする技術の開発が必要になっていた。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑みてなされた本発明は、以下のような構成を有するものである。
すなわち、複数の電子放出素子を有する電子源が形成されたリアプレートと、該電子源と対向して配置された上記電子源より放出された電子ビームの照射により画像を形成する画像形成部材を有するフェースプレートと、該リアプレートとフェースプレートとに狭持された支持枠からなる真空容器と、前記リアプレートとフェースプレートとの間に配置された導電性を有する大気圧支持部材とを有し、上記電子源と上記画像形成部材の間に電子を加速するための電圧を印加する画像形成装置において、該大気圧支持部材の側面に配置された低抵抗導体を有し、該低抵抗導体は低いインピーダンスを有する電流流路により真空容器外部に取り出され、所定の閾値電圧以上の電圧がかかった時にインピーダンスが低下して電流を流す素子(サージアブソーバ素子など)を介してグランドに接続されることを特徴とする、画像形成装置。
【0017】
上記低抵抗導体としては、上記大気圧支持部材の側面に形成された所定の形状の導電体薄膜、あるいは大気圧支持部材側面に配置された導線等を用いることができる。とりわけ、断面の丸い導線を用いると、導体の角における電界の集中が生じず、放電の発生を防ぐために好ましい。
【0018】
上記、所定の閾値電圧以上の電圧がかかった時にインピーダンスが低下して電流を流すサージアブソーバ素子としては、例えば放電管などを用いることができる。
【0019】
上記低インピーダンスの電流流路は、接合部のフリットガラス中を通過するのを避け、真空容器の電子源側あるいは画像形成部材側の平面に設けられた貫通孔を通過するのが望ましい。これは前述のようにフリットガラス中に電流が漏れ、クラックが生ずることを防止するためである。
【0020】
このような構成とすることにより、大気圧支持部材の側面に沿って放電が生じた場合、放電電流は低抵抗導体に流れ込み、次いで低インピーダンスの流路に沿って真空容器外に流出し、サージアブソーバ素子を通って、グランドに達する。この流路のインピーダンスZが、これ以外の流路による低抵抗導体とグランドの間のインピーダンスZ′に比べて、十分に低ければ、放電電流のほとんどはこの流路によりグランドに流れ、電子放出素子や真空容器がダメージを受ける恐れが少なくなる。両者の値の比(Z/Z′)は小さいほど好ましいのは当然であるが、効果が明らかになるためには、(Z/Z′)≦0.1が必要であり、さらに(Z/Z′)≦0.01とするのが好ましい。
【0021】
ここで、閾値電圧以上の電圧がかかった時にインピーダンスが低下して電流を流すサージアブソーバ素子をグランドと低インピーダンス流路の間に設けるのは、例えば、この流路が直接グランドに接続されていると、真空容器内の低抵抗導体の電位はほぼグランドレベルとなり、大気圧支持部材の近傍で、電界が歪んで電子ビームが所定の軌道からずれ、色ズレなどの問題を生ずる恐れがあるため、これを回避するのが目的である。これに対し、上記のような素子を付けると、導電性の大気圧支持部材を微小な電流が流れることにより定まる電位となり、電界を歪めることがなく、また放電電流が流れ込んで電位が上昇した場合には、インピーダンスが下がって電流をグランドに流す。したがって、サージアブソーバ素子の閾値は、上記の大気圧支持構造を流れる微小電流により定まる電位よりもやや高い値に設定する。なお、画像形成装置の電源を投入した直後などは、所定の電位になるまでに、時間がかかる場合もあるので、これを避けるために、上記低インピーダンス電流流路に所定の電位を与える定電圧回路に接続しても良い。
【0022】
なお、上記のように低抵抗導体の電位を設定することにより、画像形成部材と電子源の間の電位分布を歪ませることがなく、この点は前述の特公平7−99679号公報に開示された例における、集束電極ないし偏向電極のように、電子の軌道を曲げるように電位を与えられたものとは異なる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の画像形成装置の構成の一例を模式的に示す平面図であり、フェースプレートを取り除いて内部の構造を示したものである。図において、1は電子源を形成するための基板を兼ねるリアプレートで、青板ガラス、表面にSiO被膜を形成した青板ガラス、Naの含有量を少なくしたガラス、石英ガラス、あるいはセラミックなど、条件に応じて各種材料を用いる。なお、電子源形成用の基板を、リアプレートと別に設け、電子源を形成した後両者を接合しても良い。2は電子源形成領域で、電界放出素子、表面伝導型電子放出素子などの電子放出素子を複数配置し、目的に応じて駆動できるように素子に接続された配線を形成したものである。3−1,3−2は電子源駆動用の配線であり、画像形成装置の外部に取り出され、電子源の駆動回路(不図示)に接続される。4はリアプレート1とフェースプレート(不図示)に挟持される支持枠であり、フリットガラスにより、リアプレート1に接合される。電子源駆動用配線3−1,3−2は支持枠4とリアプレート1の接合部でフリットガラスに埋設されて外部に引き出される。5は大気圧支持部材で、セラミックス、ガラス、有機化合物などのいずれかにより構成される。なお、大気圧支持部材5は適当な導電性を有することが必要であるが、この導電性は、大気圧支持部材5自体の材質が導電性を有していても、あるいは絶縁体により形成された大気圧支持部材5の表面に、導電性を有する層が被覆されていてもいずれでも良い。大気圧支持部材5の側面には後述するように低抵抗導体13(図2(A))が設けられ、低インピーダンスラインの低抵抗導体6と接続線7により接続されている。低抵抗導体6としては例えばAuなど導電性が高い金属のワイヤーが使用でき、大気圧支持部材5としてセラミックス板を用いる場合には、セラミックス製造時にグリーンシートの段階で、金属ワイヤーを半分程度埋没させて取り付けておき、これを焼成することにより、所望の構成の大気圧支持部材5を得ることができる。この場合、接続線7としては、該金属ワイヤーそのものの延長部分を用いることができる。また、大気圧支持部材5の側面に、スパッタ法、蒸着法、メッキ法、印刷法などにより、所望の形状の金属膜を形成し、低抵抗導体としても良い。8は後述する低インピーダンスライン接続端子の当接する部分(当接部)である。低インピーダンスライン6および前述の低抵抗導体6の材料としては、金属以外にも、膜厚を十分に厚くすればグラファイト膜などを用いることもできる。真空容器内には、このほかゲッタ9、ゲッタ遮蔽板10などが必要に応じて配置される。
【0024】
図2(A)、図2(B)は、それぞれ図1の線A−AおよびB−Bに沿う断面の構成を模式的に示したものである。図2において、11はフェースプレート、12は蛍光体や透明電極等からなる画像形成部材、13は低抵抗導体、14は絶縁層である。17は低インピーダンスライン接続端子で、当接部8に接触する導電体ロッド15と、絶縁碍子16よりなり、フェースプレート11に設けられた通過孔を貫通している。導電体ロッド15は、低インピーダンスの配線19により、放電管等のサージアブソーバ素子20を介してグランドに接続される。また、前述したように通常駆動時に適切な高電位を与えるための電圧印加回路21が接続されている。
【0025】
図3は、本発明の構成の別の一例を模式的に示す平面図である。また、図の中の一点鎖線A−AおよびB−Bに沿った断面の構造を図4(A),4(B)に模式的に示した。この例の場合、大気圧支持部材5は、図4(A)に示すような、窓22を有しており、排気の際のコンダクタンスを増加させる効果がある。図では電子源駆動用配線の内、行方向の配線3−1,3−3を両側に取り出す場合を示した。
【0026】
なお、上記のように、窓22にブリッジ部を設けて全体を一体化するのではなく、小さな大気圧支持部材5にそれぞれ低抵抗導体13を設け、近接する大気圧支持部材5の低抵抗導体同士を導線で接続する構成をとっても同様な効果がある。
【0027】
また、低インピーダンスライン19も、低抵抗導体13の両側に接続する構造を示している。このようにすると、低インピーダンス流路全体のインピーダンスは一層低くなり、好ましい。低インピーダンスライン19の接続端子は、リアプレートに設けられた貫通孔を通って真空容器外に引き出される場合を示した。
【0028】
本発明の画像形成装置において、大気圧支持部材5に沿って放電が発生した場合の状況を、図6の等価回路図により考える。ポイント41は、低抵抗導体に相当し、42は低インピーダンス流路のインピーダンスを示す。43はサージアブソーバ素子である。なお、インピーダンスの主要な成分は抵抗成分であるので、図では抵抗のみを記載した。
【0029】
大気圧支持部材5の側面で放電が生じた場合、大きな電流Iが低抵抗導体点41に流入するが、このほとんどが低抵抗流路42からサージアブソーバ素子43を通ってグランドに流出する(電流i)。低抵抗導体42と電子源駆動用配線の間の帯電防止膜などを通って、電子源の配線36,40および電子放出素子37に、電流iおよびiが流れるが、抵抗成分32bが大きく、全体としてインピーダンスが十分に大きくなるため、この電流値は十分に小さく、電子放出素子37および真空容器に損傷を与える危険はなくなる。
【0030】
なお、図7(A)に示すように低抵抗導体7を、大気圧支持部材5の比較的上の方に設けることもできる。この構成は、図7(B)に示すように、電子放出素子23から放出された電子が軌道24を経て画像形成部材12に入射し、その一部が反射電子として放出されて軌道25をたどって、大気圧支持部材5の上の方に衝突する場合に、帯電を効果的に除去することができ放電を防止する効果が大きくなる。また、放電が生じた場合、電子放出素子23や真空容器に損傷がない場合でも、大気圧支持部材5の表面13で放電電流が流れて部分的に損傷が生ずる場合もあるが、このような構成にすると、放電電流が大気圧支持部5の表面13を流れる距離が短く、そのためこのような損傷を少なくできる効果もある。
【0031】
ただし低抵抗導体7より下から電子源23に向かって流れる放電電流に対しては効果がないので、図7(C)に模式的に示すように、これへの対応のため大気圧支持部材5の下の方に配置した低抵抗導体13と両方設ける構成も可能である。
【0032】
本発明に用いる電子源を構成する電子放出素子の種類は、電子放出特性や素子のサイズ等の性質が目的とする画像形成装置に適したものであれば、特に限定されるものではない。熱電子放出素子、あるいは電界放出素子、半導体電子放出素子、MIM型電子放出素子、表面伝導型電子放出素子などの冷陰極素子等が使用できる。
【0033】
後述する実施形態において示される表面伝導型電子放出素子は本発明に好ましく用いられるものであり、本出願人による出願、特開平7−235255号公報に記載されたものと同様のものであるが、以下に簡単に説明する。図8(A),(B)は、表面伝導型電子放出素子単体の構成の一例を示す模式図で、(A)はその平面図、(B)はその断面図である。
【0034】
図8において、51は電子放出素子を形成するための基体、52,53は一対の素子電極、54は上記素子電極に接続された導電性膜で、その一部に電子放出部55が形成されている。電子放出部55は後述するフォーミング処理により、導電性膜54の一部が破壊、変形、変質されて形成された高抵抗の部分で、導電性膜54の一部に亀裂が形成され、その近傍から電子が放出されるものである。
【0035】
上記のフォーミング工程は、上記一対の素子電極52,53間に電圧を印加することにより行う。印加する電圧は、パルス電圧が好ましく、図9(A)に示した同じ波高値の三角パルス電圧を印加する方法、図9(B)に示した、三角パルス電圧の波高値を漸増させながら印加する方法のいずれの方法を用いても良い。なお、三角パルス電圧は厳密な三角波形でなくてもよく、矩形波であってもフォーミングできる。
【0036】
フォーミング処理により電子放出部55を形成した後、「活性化」と呼ぶ処理を行う。これは、有機物質の存在する雰囲気中で、上記素子にパルス電圧を繰り返し印加することにより、炭素及び/又は炭素化合物を主成分とする物質を、上記電子放出部55の周辺に堆積させるもので、この処理により素子電極52,53間を流れる電流(素子電流If)及び、電子放出に伴う電流(放出電流Ie)ともに、増大する。
【0037】
このようなフォーミング及び活性化工程を経て得られた電子放出素子は、つづいて安定化工程を行うことが好ましい。この工程は、真空容器内の有機物質を排気する工程である。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げることができる。
【0038】
真空容器内の有機物質の分圧は、上記の炭素および/又は炭素化合物がほぼ新たに堆積しない分圧で1.3×10−6Pa以下が好ましく、さらには1.3×10−8Pa以下が特に好ましい。さらに真空容器内を排気するときには、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。このときの加熱条件は、80〜250℃、好ましくは150℃以上で、できるだけ長時間処理するのが好ましいが、特にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸条件により適宜選ばれる条件により行う。真空容器内の圧力は極力低くすることが必要で、1×10−5Pa以下が好ましく、さらに1.3×10−6Pa以下が特に好ましい。
【0039】
安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ましいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な特性を維持することができる。
【0040】
このような真空雰囲気を採用することにより、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積を抑制でき、また真空容器や基板などに吸着したHO,Oなども除去でき、結果として素子電流If、放出電流Ieが、安定し、経時変化についても安定化する。
【0041】
このようにして得られた表面伝導型電子放出素子の、素子に印加する素子電圧Vfと素子電流Ifおよび放出電流Ieの関係は、図10に模式的に示すようなものとなる。図10においては、放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいので、任意単位で示している。なお、縦・横軸ともリニアスケールである。
【0042】
図10が示すように、本電子放出素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図9中のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。つまり、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子である。これを利用すれば、2次元的に配置した電子放出素子にマトリクス配線を施し、単純マトリクス駆動により所望の素子から選択的に電子を放出させ、これを画像形成部材に照射して画像を形成させることが可能である。
【0043】
画像形成部材である蛍光膜の構成の例を説明する。図11(A),(B)は、蛍光膜を示す模式図である。蛍光膜56は、モノクロームの場合は蛍光体58のみから構成することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプ(図11(A))あるいはブラックマトリクス(図11(B))などと呼ばれる黒色導電材57と蛍光体58とから構成することができる。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体58間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜56における外光反射によるコントラストの低下を抑制することにある。ブラックストライプの材料としては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透過および反射が少ない材料を用いることができる。
【0044】
フェースプレート11に蛍光体を塗布する方法は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等が採用できる。蛍光膜56の内面側には、通常メタルバックが設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍光体58の発光のうち内面側への光をフェースプレート11側へ鏡面反射させることにより、輝度を向上させること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージから蛍光体58を保護すること等である。メタルバックは、蛍光膜56作製後、蛍光膜56の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製できる。
【0045】
フェースプレート11には、更に蛍光膜56の導電性を高めるため、蛍光膜56の外面側に透明電極を設けてもよい。
【0046】
カラーの場合は各色蛍光体58と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
【0047】
上述のような構成を有する本発明により、薄型の平板型電子線画像形成装置の信頼性を向上させることが可能となった。
【0048】
【実施例】
以下、本発明による実施例に基づいて、本発明をさらに説明する。
【0049】
[実施例1]
表面伝導型電子放出素子を、基板を兼ねるリアプレート上に複数形成し、マトリクス状に配線して電子源を形成し、これを用いて画像形成装置を作成した。装置の構成は図1および図2A〜Cに示したものと同様である。以下に図12A〜Eを参照して、作成手順を説明する。
【0050】
(工程−a)
洗浄した青板ガラスの表面に、0.5μmのSiO層をスパッタリングにより形成し、リアプレート1とした。
【0051】
該リアプレート1上にスパッタ成膜法とフォトリソグラフィー法を用いて表面伝導型電子放出素子の素子電極61と62を形成する。材質は5nmのTi、100nmのNiを積層したものである。素子電極間隔は2μmとした(図12(A))。
【0052】
(工程−b)
つづいて、Agペーストを所定の形状に印刷し、焼成することによりY方向配線63を形成した。該配線63は電子源形成領域の外部まで延長され、図1における電子源駆動用配線3−2となる。該配線の幅は100μm、厚さは約10μmである(図12(B))。
【0053】
(工程−c)
次に、PbOを主成分とし、ガラスバインダーを混合したペーストを用い、同じく印刷法により絶縁層64を形成する。これは上記Y方向配線63と後述のX方向配線を絶縁するもので、厚さ約20μmとなるように形成した。なお、素子電極22の部分には切り欠き65を設けて、X方向配線と素子電極の接続をとるようにしてある(図12(C))。
【0054】
(工程−d)
続いて、X方向配線66を上記絶縁層64上に形成する(図12(D))。方法はY方向配線の場合と同じで、配線の幅は300μm、厚さは約10μmである。つづいて、PdO微粒子よりなる導電性膜67を形成する。
【0055】
形成方法は、配線63,66を形成した基板上に、スパッタリング法によりCr膜を形成し、フォトリソグラフィー法により、導電性膜67の形状に対応する開口部をCr膜に形成する。
【0056】
つづいて、有機Pd溶液(ccp−4230:奥野製薬(株)製)を塗布して、大気中300℃、12分間の焼成を行って、PdO微粒子膜を形成した後、上記Cr膜をウェットエッチングにより除去して、リフトオフにより所定の形状の導電性膜26とする(図12(E))。
【0057】
(工程−e)
低インピーダンスライン6を形成すべき場所に、上記絶縁層形成に用いたのと同じペーストを印刷、焼成し、絶縁層を設け、この上にAuペーストを用いて低インピーダンスライン6を印刷法により形成する。
【0058】
(工程−f)
次に、支持枠4と上記リアプレート1をフリットガラスを用いて接続する。ゲッタ8とゲッタ遮蔽板9の固定もフリットガラスを用いて同時に行う。容器の内面となる部分に、カーボン微粒子分散液をスプレーコート、乾燥して帯電防止膜を形成する。形成条件は、帯電防止膜のシート抵抗値が10Ω/□程度となるようにする。
【0059】
(工程−g)
続いて、セラミックスの大気圧支持部材を作成する。ドクターブレード法によりセラミックスプレート作成用のグリーンシートを形成し、所望の形状となるようにシートを成形した後、直径50μmのAuワイヤーを半分程度埋没するようにグリーンシートの下から500μmの位置に押しつけ、つづいて該グリーンシートを焼成する。
【0060】
セラミックスの厚さは200μm程度となるように調整する。なお、Auワイヤーの端部は、接続用導体として使うので、セラミックスの端から数cm余分にのばしておく。
【0061】
つづいて、工程−fで用いたのと同様の方法でカーボン微粒子分散液をスプレーコート、乾燥して帯電防止膜を形成する。
【0062】
(工程−h)
大気圧支持部材を、上記リアプレートの所定の位置に固定する。この位置は、電子源の一部のX方向配線の上であり、固定は若干の導電性を有するフリットガラスを用いて行う。また、低抵抗導体の延長である接続線は、低インピーダンスラインにAuペーストで接続される。フリットガラス、Auペーストとも、熱処理により固化される。
【0063】
(工程−i)
つづいてフェースプレートを作成する。リアプレートと同様に、SiO層を設けた青板ガラスを基体として用いる。超音波加工により、排気管接続用の開口部と低インピーダンスライン接続端子導入口および画像形成部材に高電圧Vaを高圧電源に接続するための高圧導入端子導入孔を形成する。つづいて、印刷により高圧導入端子接続部をAuにて形成、さらに蛍光膜のブラックストライプ、つづいてストライプ状の蛍光体を形成、フィルミング処理を行った後、この上に厚さ約20μmのAl膜を真空蒸着法により堆積して、メタルバックとした。さらにフェースプレートの容器内部となる面に、前述と同様にカーボン微粒子分散液をスプレーして帯電防止膜を形成する。こうして形成された膜のうち、上記メタルバック上に形成された部分は、入射した電子ビームが反射されるのを低減する効果がある。
【0064】
前記リアプレートと接合した支持枠を上記のフェースプレートとフリットガラスを用いて接合する。低インピーダンスライン取り出し端子、高電圧導入端子および排気管の接合も同時に行う。グランド接続端子、高圧導入端子はAuを被覆したAgの棒を、アルミナを主成分とする碍子に貫入したものである。
【0065】
なお、電子源の各電子放出素子と、フェースプレートの蛍光膜の位置が正確に対応するように、注意深く位置合わせを行う。
【0066】
(工程−j)
上記画像形成装置を、不図示の排気管を介して真空排気装置に接続し、容器内を排気する。容器内の圧力が10−4Pa以下となったところで、フォーミング処理を行う。
【0067】
フォーミングは、X方向の各行毎に、X方向配線に図9(B)に模式的に示すような波高値の漸増するパルス電圧を印加して行った。パルス間隔Tは10sec.、パルス幅Tは1msec.とした。なお、図には示されていないが、フォーミング用のパルスの間に波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入して電流値を測定して、電子放出素子の抵抗値を同時に測定し、1素子あたりの抵抗値が1MΩを越えたところで、その行のフォーミング処理を終了し、次の行の処理に移る。これを繰り返して、すべての行についてフォーミング処理を完了する。
【0068】
(工程−k)
次に活性化処理を行う。この処理に先立ち、上記画像形成装置を200℃に保持しながらイオンポンプにより排気し、圧力を10−5Pa以下まで下げる。つづいてアセトンを真空容器内に導入する。圧力は、1.3×10−2Paとなるよう導入量を調整した。つづいて、X方向配線にパルス電圧を印加する。パルス波形は、波高値16Vの矩形波パルスとし、パルス幅は100μsec.とし1パルス毎に125μsec.間隔でパルスを加えるX方向配線を隣の行に切り替え、順次行方向の各配線にパルスを印加することを繰り返す。この結果各行には10msec.間隔でパルスが印加されることになる。この処理の結果、各電子放出素子の電子放出部近傍に炭素を主成分とする、堆積膜が形成され、素子電流Ifが大きくなる。
【0069】
(工程−l)
つづいて、真空容器内を再度排気する。排気は、画像形成装置を200℃に保持しながら、イオンポンプを用いて10時間継続した。この工程は真空容器内に残留した有機物質分子を除去し、上記炭素を主成分とする堆積膜のこれ以上の堆積を防いで、電子放出特性を安定させるためのものである。
【0070】
(工程−m)
画像形成装置を室温に戻した後、工程−kで行ったのと同様の方法で、X方向配線にパルス電圧を印加する。さらに上記の高電圧導入端子を通じて、画像形成部材に5kVの電圧を印加すると蛍光膜が発光する。なお、このときグランド接続端子をグランドに接続する。目視により、発光しない部分あるいは非常に暗い部分がないことを確認し、X方向配線および画像形成部材への電圧の印加をやめ、排気管を加熱溶着して封止する。つづいて、高周波加熱によりゲッタ処理を行い、画像形成装置を完成する。
【0071】
上述の工程を経た画像形成装置に電子放出素子に行及び列方向の配線を通して画像信号に応じて電子放出電位を印加し、高電圧導入端子に高電位を印加することにより、蛍光膜に画像を形成でき、大型で薄型の画像表示装置を得ることができる。
【0072】
[比較例]
大気圧支持部材に低抵抗導体を有せず、これに接続される低インピーダンスラインおよび取り出し端子を有しないこと以外は、実施例1と同様にして画像形成装置を作成した。
【0073】
上記実施例1および比較例の画像表示装置を、上記工程−kで行ったのと同様に電圧を印加して、画像形成部材を発光させる。
【0074】
測定は、図13(A)に模式的に示すように、高圧電源71と、高圧導入端子72の間に電流計73を置き、電流値を検出して放電の発生を検知した。74はレコーダ、75は電子源駆動回路、76は画像表示装置である。定電圧回路21の電圧は625Vを供給するようにし、放電管の動作電圧は700Vとした。電流計73に流れる電流は通常は小さなもので、これはほとんどが画像形成装置76の真空容器内面および大気圧支持部材の帯電防止膜を通して流れる電流であると思われるが、図13(B)に模式的に示すように、時折矢印で示した様なピークが現れる。これは真空容器内で放電が発生したことを示すものである。このように電流値を記録することにより、放電の発生回数を知ることができる。
【0075】
上記の画像形成装置について、10時間観測を続けたところ、実施例1および比較例の画像形成装置はともに4回放電を起こした。比較例の装置は、画面の所々に欠陥が生じ、放電電流が配線に流入して素子を破壊したと思われる結果となったが、実施例1の装置では、このような欠陥は発生しなかった。
【0076】
[実施例2]
図3および図4A,Bに模式的に示す構造により電子源を作成した。大気圧支持部材は、実施例1と同様にして作成した。窓22の部分は15mmの長さで、窓と窓の間隔は同じく15mmである。窓22の部分で両側をつなぐ部分は、500μmの幅を有する。
【0077】
X方向配線は3−1,3−3の両側に引き出すことにより、配線抵抗の影響を少なくするものである。また、低インピーダンスライン6も両側に設けられ、これにより、低インピーダンス電流流路のインピーダンスは一層低くなる。低インピーダンスライン6引き出し用端子17は、リアプレートを通って真空容器外に引き出される構造となっている。
【0078】
これらの点を除き、他は実施例1と同様の工程により作成した。
【0079】
本実施例についても上述の方法により評価したところ、実施例1とほぼ同様の効果が得られた。
【0080】
[実施例3]
低抵抗導体の位置を、上から1mmの位置にし、低インピーダンスライン6をフェースプレートに形成した以外は、実施例1と同様の構成とした。
【0081】
評価は上述の方法と同様に行った、ただし定電圧回路の電圧は3.75kV、放電管21の動作電圧は4kVとした。結果は放電の発生が2回と、実施例1に比べて減少した。これは、帯電による放電の発生が本実施例の構成により抑制されたためであろうと思われる。放電による欠陥の発生は生じなかった。
【0082】
なお、上記実施例では、電子源を構成する電子放出素子として、表面伝導型電子放出素子を用いた場合を示したが、本発明の構成がこれに限られるものでないことは当然で、電界放出型電子放出素子、半導体電子放出素子その他各種の電子放出素子を用いた電子源を使用した場合でも同様に適用できる。
【0083】
また、本実施例においては、画像形成装置のリアプレートが電子源の基板を兼ねているが、リアプレートと基板を別にして、電子源を作成した後に基板をリアプレートに固定しても良い。
【0084】
また、上記実施形態及び実施例で示した電子放出素子は2端子の電子放出素子について説明したが、2端子の電子放出素子上に絶縁膜を介して制御電極を有する3端子の電子放出素子を設けて、2端子の電子放出素子に走査信号により一定量の電子線を放出し、制御電極に画像信号を印加して、蛍光膜とメタルバックからなる画像形成部材に電子線を放出することで画像を表示する場合についても、本発明を適用することで、真空容器内の放電等があっても、安定した画像と信頼性の高い画像表示を得ることができる。
【0085】
その他、本発明の技術的思想の範囲内で、上記各実施例で示した各種部材を、適宜変更しても良い。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の構成をとることにより、画像形成装置の真空容器内で放電が発生しても、電子放出素子の劣化、破壊あるいは真空容器を構成するガラスのクラックなどを生じないようにできる。これにより、信頼性の高い、薄い平板型画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の構成の一例を模式的に示す平面図である。
【図2】(A),(B)は図1中のA−AおよびB−Bに沿った断面の構成を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置の構成の別の一例を模式的に示す平面図である。
【図4】(A),(B)はは図3中のA−AおよびB−Bに沿った断面の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】従来の画像形成装置における放電の状況を説明するための等価回路図である。
【図6】本発明の画像形成装置における放電の状況を説明するための等価回路図である。
【図7】(A)は、本発明の画像形成装置の構成のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。
(B)は、画像形成部材からの反射電子が大気圧支持部材の上部に衝突する状況を説明するための模式図である。
【図8】(A),(B)は、表面伝導型電子放出素子の構成を模式多岐に示す平面図および断面図である。
【図9】(A),(B)は、表面伝導型電子放出素子の製造の際フォーミングに用いるパルス電圧の波形を示す図である。
【図10】表面伝導型電子放出素子の電気的な特性を説明するための図である。
【図11】(A),(B)は、画像表示部材である蛍光膜の構造を説明する模式図である。
【図12】(A)〜(E)は、実施例1の製造工程の一部を説明するための図である。
【図13】(A)は、本発明の評価に用いた装置のブロック図である。
(B)は、(A)の装置により、放電が生じたことを検知する状況を模式的に示したものである。
【符号の説明】
1 リアプレート
2 電子源形成領域
3−1,3−3 X方向配線
3−2 Y方向配線
4 支持枠
5 大気圧支持部材
6 低インピーダンスライン
7 接続線
8 端子当接部
9 ゲッタ
10 ゲッタ遮蔽板
11 フェースプレート
12 画像形成部材
13 低抵抗導体
14 絶縁層
15 導電体ロッド
16 絶縁碍子
17 低インピーダンスライン接続端子
19 低インピーダンス配線
20 非線形抵抗素子
21 定電圧回路
22 (大気圧支持部材の)窓
23 電子放出素子
24,25 電子の軌道
31 画像形成部材に対応する点
32 大気圧支持部材の抵抗
35 大気圧支持部材が電子源に接する点
36 配線抵抗
37 電子放出素子
38,39 素子電極
40 配線抵抗
41 低抵抗導体に対応する点
42 低インピーダンス電流流路のインピーダンス
43 非線形抵抗素子
51 基板
52,53 素子電極
54 導電性膜
55 電子放出部
56 蛍光膜
57 黒色導電材
58 蛍光体
61,62 素子電極
63 Y方向配線
64 絶縁層
65 切り欠き
66 X方向配線
67 導電性膜
71 高圧電源
72 高圧導入端子
73 電流計
74 レコーダ
75 電子源駆動回路
76 画像形成装置

Claims (10)

  1. 複数の電子放出素子を有する電子源が形成されたリアプレートと、該電子源と対向して配置された上記電子源より放出された電子ビームの照射により画像を形成する画像形成部材を有するフェースプレートと、該リアプレートとフェースプレートとに狭持された支持枠からなる真空容器と、前記リアプレートとフェースプレートとの間に配置された導電性を有する大気圧支持部材とを有し、上記電子源と上記画像形成部材の間に電子を加速するための電圧を印加する画像形成装置において、
    前記大気圧支持部材の側面に低抵抗導体が形成され、該低抵抗導体が低インピーダンスの電流流路を有し、所定の閾値電圧以上の電圧が印加されたとき低インピーダンスとなる素子を介してグランドに接続されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記素子は、サージアブソーバ素子であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 上記サージアブソーバ素子にかかる電圧が、前記所定の閾値を越えたえたときの上記低インピーダンスの電流経路を介した上記低抵抗導体とグランドとの間のインピーダンスZと、該低インピーダンスの電流経路以外の電流経路を介したインピーダンスZ’が、
    Z/Z’≦0.1
    を満たすことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  4. 上記インピーダンスZ及びZ’が、
    Z/Z’≦0.01
    を満たすことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  5. 上記サージアブソーバ素子の前記所定の閾値電圧が、上記導電性を有する大気圧指示部材を流れる電流により定まる低抵抗導体の電圧より高い電圧であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 上記大気圧支持部材側面に形成された低抵抗導体と、上記サージアブソーバ素子の間を接続する低インピーダンスの電流流路が、上記フェースプレート、またはリアプレートを貫通して設けられた端子を介して、前記真空容器内外を接続するものであることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 上記低インピーダンスの電流経路に、上記導電性を有する大気圧支持部材を流れる電流により定まる低抵抗導体の電圧に等しい電圧を出力する定電圧回路を接続してなることを特徴とする、請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 上記サージアブソーバ素子が、放電管であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記大気圧支持部材はセラミック又は、ガラス、有機化合物のいずれかにより成ることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項に記載の画像形成装置において、前記大気圧支持部材がセラミックより成る画像形成装置の製造方法であって、前記大気圧支持部材用の前記セラミックの製造時に、グリーンシートの状態で金属ワイヤーを埋没させてから焼成することを特徴とする画像形成装置の製造方法。
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