JP3647342B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子源を用いた画像形成装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子放出素子として熱陰極素子と冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極素子では、例えば表面伝導型放出素子や、電界放出型素子(以下、FE型と記す。)や、金属/絶縁層/金属型放出素子(以下、MIM型と記す。)などが公知である。
【0003】
表面伝導型放出素子としては、例えば、[M.I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,1290(1965)]や、後述する他の例が知られている。この表面伝導型放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型放出素子としては、M.I.Elinson 等によるSnO2 薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:"Thin Solid Films",9,317(1972)]や、In2 3 /SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:"IEEE Trans.ED Conf.",519(1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が報告されている。
【0004】
これらの表面伝導型放出素子の素子構成の典型的な例として、図13に前述のM. Hartwellらによる素子の平面図を示す。
同図において、3001は基板で、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のようにH字形の平面形状に形成されている。この導電性薄膜3004に、後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成される。図中の間隔Lは、0.5〜1mm程度、幅Wは0.1mm程度に設定されている。なお、図示の便宜から、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
【0005】
M. Hartwellらによる素子をはじめとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミングとは、導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成することである。なお、局所的に破壊、変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には亀裂が発生する。この通電フォーミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧を印加した場合には、亀裂付近において電子放出が行われる。
【0006】
FE型の例としては、例えば、W. P. Dyke & W. W. Dolan,"Field emission", Advance in Electron Physics, 8, 89 (1956)や、或は、C. A. Spindt, "Physical properties of thin-film field emission cathodes with molybdenum cones", J. Appl. Phys., 47, 5248 (1976)などが知られている。
【0007】
このFE型の素子構成の典型的な例として、図14に前述のC. A. Spindtらによる素子の断面図を示す。
同図において、3010は基板で、3011は導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコーン、3013は絶縁層、3014はゲート電極である。本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極3014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコーン3012の先端部より電界放出を起こさせるものである。
【0008】
また、FE型の他の素子構成として、図14のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0009】
また、MIM型の例としては、例えば、C. A. Mead, "Operation of tunnel-emission Devices", J. Appl. Phys., 32,646 (1961)などが知られている。MIM型の素子構成の典型的な例を図15に示す。同図は断面図であり、3020は基板、3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ10nm程度の薄い絶縁層、3023は厚さ8〜30nm程度の金属よりなる上電極である。MIM型においては、上電極3023と下電極3021の間に適宜の電圧を印加することにより、上電極3023の表面より電子放出を起こさせるものである。
【0010】
上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較して低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒータを必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融などの問題が発生し難い。また、熱陰極素子がヒータの加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点もある。
【0011】
このため、冷陰極素子を応用するための研究が盛んに行われてきている。
例えば、表面伝導型放出素子は、冷陰極素子の中でも特に構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点がある。そこで、例えば本願出願人による特開昭64−31332号公報において開示されるように、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究されている。
【0012】
また、表面伝導型放出素子の応用については、例えば画像表示装置、画像記録装置などの画像形成装置や、荷電ビーム源等が研究されている。
特に、画像表示装置への応用としては、例えば本願出願人による米国特許5,066,883号や特開平2−257551号公報や特開平4−28137号公報において開示されているように、表面伝導型放出素子と電子との衝突により発光する蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されている。例えば、近年普及してきた液晶表示装置と比較しても自発光型であるためバックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優れていると言える。
【0013】
また、FE型を多数個並べて駆動する方法は、例えば本願出願人による米国特許4,904,895号に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用した例として、例えば、R. Mayerらにより報告された平板型の表示装置が知られている[R.Meyer:"Recent Development on Microtips Display at LETI",Tech. Digest of 4th Int. Vacuum Microelectronics Conf.,Nagahama,pp.6〜9(1991)]。
【0014】
また、MIM型を多数個並べて画像表示装置に応用した例は、例えば本願出願人による特開平3−55738号公報に開示されている。
【0015】
上記のような電子放出素子を用いた画像形成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に置き換わるものとして注目されている。
【0016】
このような電子放出素子をマトリクス状に配設した電子源基板を気密容器内に収容した平面型の表示パネルが提案されており、この気密容器の内部は1.3×10-4Pa(パスカル)程度の真空に保持されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上説明した画像形成装置(特に表示パネル)においては、以下のような問題点があった。
【0018】
図16は、上述の表示パネルを、画像表示面の水平方向から見た模式図である。
表示パネルの真空容器の内部は1.3×10-4(Pa)程度の真空に保持されなければならないため、真空度保持用の手段が必要となる。そこで従来は、図16に示すようにBa蒸発型のゲッター部材8を支持体9と共に画像領域外に配置し、真空容器を封じ切った後に高周波加熱等でBaを飛散させ、ゲッター膜を形成することで真空度を保持していた。
【0019】
図中、1は電子源基板を兼ねるリアプレート、2は電子源領域、4は支持枠、11はフェースプレート、12が蛍光膜とメタルバックと呼ばれる金属膜(例えばAl)からなる画像形成部材である。
【0020】
一方、電子源から放出された電子を加速するために、電子源領域2と画像形成部材12との間には数百Vから数KV以程度の高電圧(Va)が印加される。画像形成装置の輝度は、このVa電圧に大きく依存し、更なる高輝度化を目的として、Va電圧を高くしてゆく必要があった。
【0021】
ところが、このVa電圧を大きくするに従い、画像領域外である前述のゲッター部材8や支持体9の周辺への漏れ電界も上昇し、ゲッター部材8や支持体9のエッジ部、あるいは支持体9とリアプレート1との界面など、形状的に電界集中しやすい部位の放電が問題となってきた。前記漏れ電界は、各部材の電気的特性により決まるが、詳しくは後述する。
【0022】
また、大気圧支持を目的として、図17のように比較的薄いガラス板からなる構造支持体(スペーサ101)を、画像領域外に配設された支持体102とともに、前述のリアプレート1とフェースプレート11との間に設ける場合がある。このスペーサ表面は高電界中にさらされるため、従来、この沿面での放電が問題となっていた。
【0023】
この問題点を解決するために、スペーサに微小電流が流れるようにして帯電を除去する提案がなされている(特開昭57−118355号公報、特開昭61−124031号公報など)。そこでは絶縁性のスペーサの表面に高抵抗薄膜を形成することによりスペーサ表面に微小電流が流れるようにして、表面での帯電を減らし、沿面耐圧の向上を図っている。しかしながらこの方法をスペーサ支持体にまで拡大しても、スペーサの支持体での放電は完全に無くならないことがあった。
【0024】
これは、板状のスペーサに対して、支持体の形状の複雑さに起因する▲1▼電位分布の乱れ、▲2▼形状効果(エッジ、突起)、▲3▼スペーサと支持体接続部、などによる電界集中が原因と考えられる。
【0025】
更には、画像領域の4辺の外側のうち、前述のようなゲッタ支持体、スペーサ支持体などの構造体が画像領域外に存在しない辺であっても、小型化を目的として、支持枠4と画像領域との距離を小さくしていくと、支持枠4の内面部分の沿面放電が問題となる場合もあった。
【0026】
以上のような放電は、画像表示中に突発的に起こり、画像を乱すだけでなく、放電個所近傍の電子源を著しく劣化させ、その後の表示が正常にできなくなるという問題があった。
【0027】
本発明は前記課題を克服するものであり、画像表示時の画像領域外に起因する放電を防止し、良好な表示画像を得るための画像表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成を備える。
【0029】
本発明の画像形成装置は、電子ビーム源が配置されたリアプレートと、一方の面の一部に画像形成部材を有し、前記画像形成部材と前記電子ビーム源とが対向するように配置されたフェースプレートと、前記画像形成部材の形成領域外であって、前記画像形成部材と離間して位置し、前記リアプレート及び前記フェースプレートを支持する支持枠とを有する気密容器と、前記気密容器内の前記画像形成部材の形成領域外であって、前記画像形成部材と前記支持枠とに離間する部位に端部が位置するように配置されたスペーサと、前記スペーサの前記端部に位置し、前記スペーサを支持するスペーサ支持体とを有する画像形成装置において、前記フェースプレートの前記画像形成部材が配置された面と対向する他方の面であって、前記画像形成部材が配置された領域を除く部分の少なくとも一部に導電性部材を有し、前記導電性部材の前記画像形成部材側の端部は、前記フェースプレートに垂直な方向より前記フェースプレート面から見た正射影において、前記スペーサの前記端部及び前記スペーサ支持体よりも、前記画像形成部材側に位置している。
【0030】
本発明の画像形成装置の一態様において、前記導電性部材は、前記画像形成部材が配置された領域の全周囲にわたって配されている。
【0038】
本発明の画像形成装置の一態様において、前記導電性部材は、接地電位に規定されている。
【0039】
本発明の画像形成装置の一態様において、前記導電性部材は、前記フェースプレート上に成膜された導電性薄膜である。
【0040】
本発明の画像形成装置の一態様において、前記導電性部材は、前記フェースプレート上に貼付された導電性テープである。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明の参考形態例について述べる。
【0062】
(第1の参考形態例)
先ず、第1の参考形態例について説明する。
図1は、本参考形態例の画像形成装置の構成を模式的に示す平面図であり、フェースプレート11上方から見た場合の構成を示す。図1は便宜上、フェースプレート11の右約3/5に相当する部位を取り除いた図となっている。
【0063】
図1において、1は電子源を形成するための基板を兼ねる平板状のリアプレートで、青板ガラスや、表面にSiO2 被膜を形成した青板ガラス、Naの含有量を少なくしたガラス、石英ガラス、あるいはセラミックスなど、条件に応じて各種材料を用いる。なお、電子源形成用の基板をリアプレート1と別に設け、電子源を形成した後、両者を接合してもよい。リアプレート1は、対向する第1の主面と第2の主面を有し、真空に接する第2の主面上に電子源2が配置される。
【0064】
2は電子源であり、電界放出素子、表面伝導型電子放出素子などの電子放出素子を複数配置し、目的に応じて駆動できるように素子に接続された配線を形成したものである。
【0065】
また、3−1,3−2,3−3は電子源駆動用の配線であり、画像形成装置の外部に取り出され、電子源2の駆動回路(不図示)に接続される。4はリアプレート1とフェースプレート11に挟持される支持枠であり、フリットガラスにより、リアプレート1に接合される。電子源駆動用配線3−1,3−2,3−3は支持枠4とリアプレート1の接合部でフリットガラスに埋設されて外部に引き出される。電子源駆動用の配線3−1,3−2,3−3との間には絶縁層(不図示)が形成されている。この他、ゲッタ8が支持部材9と共にリアプレート1上に配置される。
【0066】
11は蛍光体を形成するための基板を兼ねるフェースプレートで、青板ガラスや、表面にSiO2 被膜を形成した青板ガラス、Naの含有量を少なくしたガラス、石英ガラス、あるいはセラミックスなど、条件に応じて各種材料を用いる。7は、高圧導入端子(不図示)との高圧当接部位である。なお、画像表示領域12について詳しくは後述する。フェースプレート11は対向する第1の主面と第2の主面を有し、真空に接する第2の主面上に蛍光体が配置される。
【0067】
5は本発明の特徴部分である導電性部材(低抵抗導体)であり、フェースプレート11の第1の主面上に蛍光体の形成領域12を除く部分の少なくとも一部を覆うように配される。本参考形態例では、低抵抗導体5は、フェースプレート11の真空容器外面(第1の主面)に画像表示領域12及び高圧当接部位7の周りを取り囲むように導電性薄膜として形成されている。
【0068】
図2(a),(b)は、図1のA−A’,C−C’の線に沿った断面の構成を示す模式図である。フェースプレート11、支持枠4、リアプレート1により気密容器(真空容器)が構成される。
本発明の特徴である低抵抗導体5が無い場合、Vaを大きくしていくと、ゲッタ8の先端(図中a点)で放電が起こる場合があった。以下、図2(a)を用いてその理由を説明する。
【0069】
先ず、低抵抗導体5が配されない場合について考察する。このとき、ゲッタ8の存在を無視すると、その先端に相当するa点の平均電界は、以下のように概算される。
電子源の電位を0V、画像表示領域12の電位をVa、それぞれの距離を図2(a)のようにL1〜L5とする。またフェースプレート11、リアプレート1、支持枠4は同厚で同材料(青板ガラス)とする。
【0070】
この場合、各点の電位は沿面距離の比で決まり、図中b点の電位をVb、図中c点の電位をVcとすると、
Vb=Va×(L2+L3+L4+L5)/(L1+L2+L3+L4+L5)Vc=Va×(L5)/(L1+L2+L3+L4+L5)
従って、a点の平均電界Eaは、
Figure 0003647342
となる。
【0071】
Va/L3は、画像領域内の平均電界であるから、a点においても、画像領域内の電界の
(L2+L3+L4)/(L1+L2+L3+L4+L5)倍
の電界がかかるという結果になる。
ここで、L1〜L5が全て等しいと仮定すると、a点の電界は、画像領域内の約6割の電界が印加されることになる。
【0072】
以上の考察は、フェースプレート11、リアプレート1、支持枠4を同質の青板ガラスということで計算した結果であるが、他の材料や、電気的に性質の異なる材料(導電率、誘電率)を組み合わせても、a点には何らかの電界が印加されることに変わりはない。
【0073】
例えば、フェースプレート11、リアプレート1の材料を青板ガラス、支持枠4の材料を無アルカリガラスで構成した場合、その電気伝導率の違いにより、前述のa点の電界は、ほぼ画像領域内電界に等しくなると考えられる。
【0074】
Eaは飽くまでゲッタ8の存在を無視した場合の空間部の平均の電界であり、この場所にゲッタ8を持ってきた場合のa点の電界は、以下の2つの理由で更に強くなる。
【0075】
1つは、ゲッタ部材の電気的特性によるマクロ的な電界増大(a点の電位が変わる)
もう一つは、ゲッタ8の形状的な電界倍増効果によるミクロ的な電界増大である。
前者については、例えば、ゲッタ8及び支持体9が金属で、パネル厚方向においてフェースプレートとリアプレートの中間に位置するとすると、約2倍程度電界は増大する。
後者については、現実的な形状の仮定が難しいため具体的な見積りは避けるが、いわゆる微小突起の存在を考慮すると、一般的に100倍程度の値をとることは珍しくない。
この形状効果による電界増倍係数は、表面処理によって軽減することは可能であるが、コスト的に不利になる。
【0076】
以上の説明より、ゲッタ8での放電は、a点での電界集中により引き起こされたと考えられる。
【0077】
他方、本発明の特徴である低抵抗導体5を配し、その電位を電子源電位と同じ0Vとした場合の等電位線の模式図を図3(a)に、比較として低抵抗導体5を配置しない場合の等電位線の模式図を図3(b)に示す。
【0078】
図中、フェースプレート11、リアプレート1及び支持枠4は青板ガラスで構成されている。本参考形態例では、低抵抗導体5として、導電性の薄膜を、フェースプレート11の第1の主面に対して垂直な方向より見た正射影においてゲッタ8が全て隠れるように形成する。低抵抗導体5の形成方法について、詳しくは後述する。
上述したように、低抵抗導体5が配されない場合、a点にはある程度の強い電界が印加されることが、図3(b)においても示される。
【0079】
一方、0電位の低抵抗導体5は、a点の電界を弱める方向に働き、図2(a)の構成では、a点の電界はほとんど0となる。
この点が本発明の最大の特徴であり、低抵抗導体5により画像領域外の構造物に印加される電界を弱め、大幅な耐圧向上が実現する。
【0080】
また、本参考形態例によれば、ゲッタ8の配置された辺に限らず、他の3辺の画像領域外の実質的な耐圧も向上させることができる。
即ち、画像形成領域(画像形成部材12,電子源2)と支持枠4との距離を短くでき、小型軽量化に効果があると共に、支持枠4近辺の構成を比較的粗くすることができる。具体的には、支持枠4とリアプレート1との接着剤である、後述するフリットガラスのはみ出しなど、従来では放電源の可能性があった物に対しても、気を使う必要が無い。
【0081】
図2(b)において、高圧導入端子18が画像表示領域12の高圧当接部位7に接続されている。18は画像形成部材12に高電圧(アノード電圧Va)を供給するための高電圧導入端子である。この導入端子18は、Ag,Cu等の金属よりなるロッドである。また、高電圧配線をリアプレート1側に取り出すような構成であってもよい。
【0082】
本参考形態例に用いる電子源2を構成する電子放出素子の種類は、電子放出特性や素子のサイズ等の性質が目的とする画像形成装置に適したものであれば、特に限定されるものではない。熱電子放出素子、あるいは電界放出素子、半導体電子放出素子、MIM型電子放出素子、表面伝導型電子放出素子などの冷陰極素子等が使用できる。
【0083】
後述する参考形態例において示される表面伝導型電子放出素子は、本実施形態に好ましく用いられるものであるが、上述の本出願人による出願、特開平7−235255号公報に記載されたものと同様のものであるが、以下に簡単に説明する。
図4は、表面伝導型電子放出素子単体の構成の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【0084】
図4において、41は電子放出素子を形成するための基体、42,43は一対の素子電極、44は上記素子電極に接続された導電性膜で、その一部に電子放出部45が形成されている。電子放出部45は後述するフォーミング処理により、導電性膜44の一部が破壊、変形、変質されて形成されて高抵抗の部分で、導電性膜44の一部に亀裂が形成され、その近傍から電子が放出されるものである。
【0085】
上記のフォーミング工程は、上記一対の素子電極42,43間に電圧を印加することにより行う。印加する電圧は、パルス電圧が好ましく、図5(a)に示すような同じ波高値のパルス電圧を印加する方法、図5(b)に示すような波高値を漸増させながらパルス電圧を印加する方法のいずれの方法を用いてもよい。なお、パルス波形は図示した三角波に限定されるものではなく矩形波等の他の形状であってもよい。
【0086】
フォーミング処理により電子放出部を形成した後、「活性化工程」と呼ぶ処理を行う。これは、有機物質の存在する雰囲気中で、上記素子にパルス電圧を繰り返し印加することにより、炭素又は炭素化合物を主成分とする物質を、上記電子放出部及び/又はその周辺に堆積させるもので、この処理により素子電極間を流れる電流(素子電流If)、電子放出に伴う電流(放出電流Ie)ともに、増大する。
【0087】
このようなフォーミング工程及び活性化工程を経て得られた電子放出素子は、つづいて安定化工程を行うことが好ましい。この安定化工程は、真空容器内の特に電子放出部近傍の有機物質を排気する工程である。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープションポンプとイオンポンプからなる真空排気装置等を挙げることが出来る。
【0088】
真空容器内の有機物質の分圧は、上記の炭素又は炭素化合物がほぼ新たに堆積しない分圧で1.3×10-6Pa以下が好ましく、さらには1.3×10-8Pa以下が特に好ましい。更に、真空容器内を排気するときには、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。このときの加熱条件は、80〜250℃、好ましくは150℃以上で、できるだけ長時間処理するのが望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸条件により適宜選ばれる条件により行う。真空容器内の圧力は極力低くすることが必要であり、1×10-5Pa以下が好ましく、更には、1.3×10-6Pa以下が特に好ましい。
【0089】
安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ましいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な特性を維持することができる。
【0090】
このような真空雰囲気を採用することにより、新たな炭素又は炭素化合物の堆積を抑制でき、また真空容器や基板などに吸着したH2 O,O2 なども除去でき、結果として素子電流If,放出電流Ieが安定する。
【0091】
このようにして得られた表面伝導型電子放出素子の、素子に印加する電圧Vfと素子電流If及び放出電流Ieの関係は、図6に模式的に示すようなものとなる。図6においては、放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいので、任意単位で示している。なお、縦・横軸ともリニアスケールである。
【0092】
図6に示すように、表面伝導型電子放出素子は、ある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図中のVth)以上の素子電圧Vfを印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方、しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。つまり、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子である。これを利用すれば、2次元的に配置した電子放出素子にマトリクス配線を施し、単純マトリクス駆動により所望の素子から選択的に電子を放出させ、これを画像形成部材に照射して画像を形成させることが可能である。
【0093】
画像形成部材である蛍光膜の構成の例を説明する。図7は、蛍光膜を示す模式図である。蛍光膜51は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材52とRGB3色等の蛍光体53とから構成することができる。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体53間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜51における外光反射によるコントラストの低下を抑制することにある。ブラックストライプの材料としては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料を用いることができる。
【0094】
フェースプレート11に蛍光体を塗布する方法は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等が採用できる。蛍光膜51の内面側には、不図示のメタルバックが設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍光体53の発光のうち内面側への光をフェースプレート11側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージから蛍光体53を保護すること等である。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製できる。
【0095】
フェースプレート11には、更に蛍光膜51の導電性を高めるため、蛍光膜51の外面側に透明電極を設けてもよい。
【0096】
カラー表示の場合は、各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
【0097】
上述のような構成を有する本参考形態例により、薄型の平板型電子線画像形成装置の信頼性を向上させることが可能となる。このように形成された画像形成装置を用いて、行列配線座標上に形成した電子放出素子に走査信号と画像信号とを印加し、画像形成部材のメタルバックに高電圧を印加することにより、大型で薄型の画像を表示する画像表示装置を提供することができる。
【0098】
以下、図面を参照しつつ本参考形態例の画像形成装置の製造方法について更に説明する。
表面伝導型電子放出素子を、基板を兼ねるリアプレート上に複数形成し、マトリクス状に配線して電子源を形成し、これを用いて画像形成装置を作成した。以下に図8(a)〜(e)を参照して、作成手順を説明する。
【0099】
(工程−a):洗浄した青板ガラスの表面に、0.5μmのSiO2 層をスパッタリングにより形成し、リアプレート1とした。つづいて超音波加工機により接地接続端子の導入のための直径4mmの円形の通過孔を形成する。リアプレート1上にスパッタ成膜法とフォトリソグラフィー法を用いて表面伝導型電子放出素子の素子電極21と22を形成する。材質は5nmのTi、100nmのNiを積層したものである。素子電極間隔は2μmとする(図8(a))。
【0100】
(工程−b):Agペーストを所定の形状に印刷し、焼成することによりY方向配線23を形成する。該配線は電子源形成領域の外部まで延長され、図1における電子源駆動用配線3−2となる。この配線23の幅は100μm、厚さは約10μmである(図8(b))。
【0101】
(工程−c):PbOを主成分とし、ガラスバインダーを混合したペーストを用い、同じく印刷法により絶縁層24を形成する。これは、Y方向配線23と後述のX方向配線を絶縁するもので、厚さ約20μmとなるように形成した。なお、素子電極22の部分には切り欠きを設けて、X方向配線と素子電極の接続をとるようにしてある(図8(c))。
【0102】
(工程−d):X方向配線25を上記絶縁層24上に形成する(図3(d))。方法はY方向配線23の場合と同じで、X方向配線25の幅は300μm、厚さは約10μmである。続いて、PbO微粒子よりなる導電性膜26を形成する。
【0103】
導電性膜26の形成方法は、配線23,25を形成した基板1上に、スパッタリング法によりCr膜を形成し、フォトリソグラフィー法により、導電性膜26の形状に対応する開口部をCr膜に形成する。
【0104】
続いて、有機Pd化合物の溶液(ccp−4230:奥野製薬(株)製)を塗布して、大気中300℃、12分間の焼成を行って、PdO微粒子膜を形成した後、上記Cr膜をウェットエッチングにより除去して、リフトオフにより所定の形状の導電性膜26とする(図8(e))。
【0105】
(工程−e):リアプレート1上に更に、PbOを主成分とし、ガラスバインダーを混合したペーストを塗布する。なお、その塗布領域は、素子電極21,22,X方向25及びY方向配線23、導電性膜26が形成された領域(図1の電子源領域2)以外であって、図1の支持枠4の内側に相当する領域である。
【0106】
(工程−g):図1、図2に示すように、リアプレート1とフェースプレート11との間の隙間を形成する支持枠4とリアプレート1とをフリットガラスを用いて接続する。ゲッタ8の固定もフリットガラスを用いて同時に行う。
【0107】
(工程−h):フェースプレート11を作成する。リアプレート1と同様に、SiO2 層を設けた青板ガラスを基体として用いる。超音波加工により、排気管接続用の開口部と高圧接続端子導入口を形成する。続いて、印刷により高圧導入端子当接部と、これを後述のメタルバックを接続する配線をAuにて形成、更に蛍光膜のブラックストライプ、続いてストライプ状の蛍光体を形成し、フィルミング処理を行った後、この上に厚さ約20μmのAl膜を真空蒸着法により堆積して、メタルバックとした。こうして形成された膜のうち、前記メタルバック上に形成された部分は、入射した電子ビームが反射されるのを制御する効果がある。これにより反射された電子が真空容器の内壁などに衝突しチャージアップを起こすことを防ぐなど、好ましい効果がある。
【0108】
更に、真空容器の外表面(蛍光体の反対面)に、蛍光体の形成領域を除く外表面の全周囲にわたって、即ち前記メタルバックを取り囲むようにして、Auペーストを印刷し、焼成してAuの低抵抗導体5を形成する。低抵抗導体5の厚さは約100μmとする。
【0109】
(工程−i):前記リアプレートと接合した支持枠4を上記のフェースプレートとフリットガラスを用いて接合する。高電圧導入端子及び排気管の接合も同時に行う。高圧導入端子はAgの棒である。
なお、電子源の各電子放出素子と、フェースプレートの蛍光膜の位置が正確に対応するように、注意深く位置合わせを行う。
【0110】
(工程−j):画像形成装置を、不図示の排気管を介して真空排気装置に接続し、容器内を排気する。容器内の圧力が10-4Pa以下となったところで、フォーミング処理を行う。
【0111】
フォーミング工程は、X方向の各行毎に、X方向配線に図5(b)に模式的に示すような波高値の漸増するパルス電圧を印加して行う。パルス間隔T1 は10sec.、パルス幅T2 は1msec.とする。なお、図には示されていないが、フォーミング用のパルスの間に波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入して電流値を測定して、電子放出素子の抵抗値を同時に測定し、1素子あたりの抵抗値が1MΩを越えたところで、その行のフォーミング処理を終了し、次の行の処理に移る。これを繰り返して、全ての行についてフォーミング処理を完了する。
【0112】
(工程−k):活性化工程処理を行う。この処理に先立ち、上記画像形成装置を200℃に保持しながらイオンポンプにより排気し、圧力を10-5Pa以下まで下げる。続いて、アセトンを真空容器内に導入する。圧力は、1.3×10-2Paとなるように導入量を調整する。続いて、X方向配線にパルス電圧を印加する。パルス波形は、波高値16Vの矩形波パルスとし、パルス幅は100μsec.とし、1パルス毎に125μsec間隔でパルスを加えるX方向配線を隣の行に切り替え、順次行方向の各配線にパルスを印加することを繰り返す。この結果各行には10msec.間隔でパルスが印加されることになる。この処理の結果、各電子放出素子の電子放出部近傍に炭素を主成分とする堆積膜が形成され、素子電流Ifが大きくなる。
【0113】
(工程−l):安定化工程として、真空容器内を再度排気する。排気は、画像形成装置を200℃に保持しながら、イオンポンプを用いて10時間継続した。この工程は真空容器内に残留した有機物質分子を除去し、前記炭素を主成分とする堆積膜のこれ以上の堆積を防いで、電子放出特性を安定させるためのものである。
【0114】
(工程−m):画像形成装置を室温に戻した後、(工程−k)と同様の方法で、X方向配線にパルス電圧を印加する。更に、上記の高電圧導入端子を通じて、画像形成部材に5kVの電圧を印加すると蛍光膜が発光する。なお、このとき低抵抗導体5は接地接続されている。目視により、発光しない部分あるいは非常に暗い部分がないことを確認し、X方向配線及び画像形成部材への電圧の印加をやめ、排気管を加熱溶着して封止する。続いて、高周波加熱によりゲッタ処理を行い、画像形成装置を完成する。
【0115】
以上のようにして製造された画像形成装置は、輝度の高く、かつ放電の無い良好な画像を表示することができた。
【0116】
(第2の参考形態)
第2の参考形態例について、図9を参照して説明する。
図9は、第1の参考形態例の図1に相当し、本参考形態例の画像形成装置の構成を模式的に示す平面図で、フェースプレート上方から見た場合の構成を示す。以下、第1の参考形態と異なる部分のみ説明する。
【0117】
図9において、5は本参考形態例の特徴部分である低抵抗導体であり、フェースプレート11の外面に蛍光体領域12の周りのうち、ゲッタ8がある1辺のみに形成されている。
【0118】
このように、構造物が配置された部分の外側にのみ低抵抗導体を形成することで、コスト的に有利になる。
以上のようにして製造された画像形成装置は、輝度の高く、かつ放電の無い良好な画像を表示することができた。
【0119】
(第3の参考形態例)
第3の参考形態例について、図10を参照して説明する。
図10は、第1の参考形態例の図1に相当し、本参考形態例の画像形成装置の構成を模式的に示す平面図で、フェースプレート上方から見た場合の構成を示す。
本参考形態例は、低抵抗導体5の配置が異なる点で第1の参考形態と相違する。
【0120】
第1の参考形態例では、フェースプレート11に垂直な方向より見た正射影において、ゲッタ8が低抵抗導体5に含まれる構成だったのに対し、本参考形態例では図10より分かるように、前記正射影において、ゲッタ8が、低抵抗導体5よりも、蛍光体領域に対してより外側に位置することを特徴としている。
【0121】
このような構成にすることで、実質的な低抵抗導体5の面積を小さくすることができ、コスト的に有利になる。
【0122】
また、第2の参考形態例のように、低抵抗導体5を、ゲッタ8の存する1辺のみに形成する構成としてもよい。
【0123】
本参考形態例における等電位線は図3(a)とほぼ等しくなり、以上のようにして製造された画像形成装置は、輝度の高く、かつ放電の無い良好な画像を表示することができた。
【0124】
(第4の参考形態例)
第4の参考形態例について、第1の参考形態と異なる部分のみ説明する。
本参考形態例のパネル構成は、第1の参考形態例と同様であり、異なるのは低抵抗導体5の形成方法である。
【0125】
本参考形態例においては、真空容器形成後に導電性の接着テープ(導電性シート)を貼り付けることで、低抵抗導体5とする。
具体的には、第1の参考形態の(工程−l)に相当する安定化工程の後、銅製の接着テープを貼付け、低抵抗導体5とする。
本参考形態例では、加熱工程を全て通った後で低抵抗導体5を形成するため、耐熱性の無い部材を使うことが可能となる。
【0126】
このように、成膜プロセスによらず低抵抗導体5を形成できるためコスト的に有利になる。
また第2の参考形態例のように、低抵抗導体5を、ゲッタ8の存する1辺のみに形成する構成でも、第3の参考形態例のように、ゲッタ8が、低抵抗導体5よりも、蛍光体領域に対してより外側に位置する構成にしてもよい。
【0127】
以上のようにして製造された画像形成装置は、輝度の高く、かつ放電の無い良好な画像を表示することができた。
【0128】
(実施形態)
本発明の実施形態について、第1の参考形態例と異なる部分のみ説明する。
図11は、本実施形態の画像形成装置の構成の一例を模式的に示す平面図で、フェースプレート上方から見た場合の構成を示す。図11は、便宜上フェースプレート11の上半面を取り除いた図となっている。
【0129】
第1の参考形態例の図1と異なる点は、スペーサ101とスペーサ支持体102である。
スペーサ101は、画像形成装置の大型化、あるいはフェースプレート11及びリアプレート1の薄型化に伴い必要となる場合がある。
【0130】
このスペーサ101は、上述したように、高電界が印加される画像表示部内に配置されるため、放電防止用にさまざまな手法が用いられる(例えば前述の特開昭57−118355号公報、特開昭61−124031号公報)。
【0131】
スペーサ101は薄板ガラスを材料としており、予め表面に帯電防止膜を成膜し、アルミナ製のスペーサ支持体102と無機接着剤で接着された後、第1の参考形態の(工程−i)の工程で、フリットガラスを用い、リアプレート1、フェースプレート11などと共に接合される。
【0132】
5は本発明の特徴部分である低抵抗導体であり、第1の参考形態例と同様に、フェースプレート11の外面に蛍光体領域12の周りを取り囲んで形成されている。また、図11に示すとおり、スペーサ支持体102は、フェースプレート11に垂直な方向の正射影において、低抵抗導体5に含まれるように配置される。
【0133】
図12は図11のD−D'の線に沿った断面の構成を示す模式図である。
図中、11はフェースプレート、12は蛍光膜とメタルバックと呼ばれる金属膜(例えばAl)からなる画像形成部材、101はスペーサ、102はスペーサ支持体、103はフリットガラス、3―1は取り出し配線である。低抵抗導体5は、第1の参考形態例と同様、電子源電位である0Vにする。
【0134】
この構成において製造された画像形成装置は、スペーサ支持体102の形状に関わらず、輝度の高く、かつ放電の無い良好な画像を表示することができた。
この理由については、第1の参考形態例のゲッタ8部分の耐圧向上と全く同様に説明できる。即ち、スペーサ支持体102には殆ど電界が印加されないためである。
【0135】
また、第1の参考形態例に対する第2〜第4の参考形態例のような構成も、本実施形態に対しても全く同様に適応できるのは言うまでもない。
具体的には、(1)画像領域外に構造物が無い辺に対しては低抵抗導体5を形成しない、(2)スペーサ支持体102が低抵抗導体5よりも蛍光体領域に対してより外側に位置する構成にする、(3)導電性の接着テープを貼り付けることで低抵抗導体5とするなどの構成である。
【0136】
【発明の効果】
本発明によれば、画像領域外の放電を抑制し、高輝度で良好な画像の表示が可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の参考形態例に係る画像形成装置の主要構成を示す概略平面図である。
【図2】 図1の実線A−A',C−C'に沿った概略断面図である。
【図3】 等電位線を模式的に示す図1の実線A−A',C−C'に沿った概略断面図である。
【図4】 本発明に使用した表面伝導型放出素子の模式図である。
【図5】 本発明に使用した表面伝導型放出素子の電子放出部形成の際に用いるパルス電圧の波形を示す特性図である。
【図6】 本発明に使用した表面伝導型放出素子の典型的な電気特性を示す特性図である。
【図7】 本発明の画像表示装置の画像形成部材の構成を示す模式図である。
【図8】 第1の参考形態例に係る画像表示装置の製造工程の一部を示す概略平面図である。
【図9】 第2の参考形態例に係る画像形成装置の主要構成を示す概略平面図である。
【図10】 第3の参考形態例に係る画像形成装置の主要構成を示す概略平面図である。
【図11】 本発明の実施形態に係る画像形成装置の主要構成を示す概略平面図である。
【図12】 図11の実線D−D'に沿った概略断面図である。
【図13】 従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示す概略平面図である。
【図14】 従来知られたFE型素子の一例を示す概略断面図である。
【図15】 従来知られたMIM型素子の一例を示す概略断面図である。
【図16】 従来の画像形成装置の一例におけるゲッタ部分を示す概略断面図である。
【図17】 従来の画像形成装置の他の例におけるゲッタ部分を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1:電子源基板を兼ねるリアプレート
2:電子源領域
3:電子源駆動用配線
4:支持枠
5:シールド導体
7:高圧端子当接領域
8:ゲッタ
9:ゲッタ支持体
11:フェースプレート
12:画像形成部材
101:スペーサ
102:スペーサ支持部材
103:フリット

Claims (5)

  1. 電子ビーム源が配置されたリアプレートと、一方の面の一部に画像形成部材を有し、前記画像形成部材と前記電子ビーム源とが対向するように配置されたフェースプレートと、前記画像形成部材の形成領域外であって、前記画像形成部材と離間して位置し、前記リアプレート及び前記フェースプレートを支持する支持枠とを有する気密容器と、前記気密容器内の前記画像形成部材の形成領域外であって、前記画像形成部材と前記支持枠とに離間する部位に端部が位置するように配置されたスペーサと、前記スペーサの前記端部に位置し、前記スペーサを支持するスペーサ支持体とを有する画像形成装置において、
    前記フェースプレートの前記画像形成部材が配置された面と対向する他方の面であって、前記画像形成部材が配置された領域を除く部分の少なくとも一部に導電性部材を有し、前記導電性部材の前記画像形成部材側の端部は、前記フェースプレートに垂直な方向より前記フェースプレート面から見た正射影において、前記スペーサの前記端部及び前記スペーサ支持体よりも、前記画像形成部材側に位置していることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記導電性部材は、前記画像形成部材の形成領域の全周囲にわたって配されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記導電性部材は、接地電位に規定されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記導電性部材は、前記フェースプレート上に成膜された導電性薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記導電性部材は、前記フェースプレート上に貼付された導電性テープであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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