JP3689608B2 - 画像形成装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線装置及びその応用である表示装置等の画像形成装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電子放出素子として熱陰極素子と冷陰極素子の2種類が知られており、電子放出時にさほどの高温を要しない冷陰極素子の画像形成装置への適用が盛んに行なわれている。
【0003】
冷陰極素子としては、たとえば表面伝導型電子放出素子や、電界放出型電子放出素子(以下、FE型と記す。)や、金属/絶縁層/金属型電子放出素子(以下、MIM型と記す。)などが知られている。
【0004】
表面伝導型電子放出素子としては、たとえば、M.I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,1290(1965)や、後述する他の例が知られている。表面伝導型放出素子は、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:"Thin Solid Films",9,317(1972)]や、In2 O3 /SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonsted:"IEEE Trans.ED Conf.",519(1983)]や、カ−ボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が報告されている。
【0005】
これらの表面伝導型放出素子の素子構成の典型的な例として、図14に前述のM.Hartwellらによる素子の平面図を示す。
同図において、3001は基板であり、3004はスパッタで形成された金属酸化物よりなる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のようにH字形の平面形状に形成されている。該導電性薄膜3004に後述の通電フォ−ミングと呼ばれる通電処理を施すことにより、電子放出部3005が形成される。図中の間隔Lは、0.5〜1(mm),Wは、0.1(mm)で設定されている。なお、図示の便宜から、電子放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではない。
【0006】
M.Hartwellらによる素子をはじめとして上述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前に導電性薄膜3004に通電フォ−ミングと呼ばれる通電処理を施すことにより電子放出部3005を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォ−ミングとは、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、もしくは、例えば1V/分程度の非常にゆっくりとしたレ−トで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性薄膜3004を局所的に破壊、変形又は変質せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を形成することである。なお、局所的に破壊もしくは変形もしくは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が発生する。前記通電フォ−ミング後に導電性薄膜3004に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近において電子放出が行われる。
【0007】
また、FE型の例としては、W.P.Dyke & W.W.Dolan,"Field emission",Advance in Electron Physics,8,89(1956)や、C.A.Spindt,"Physical properties of thin-film field emission cathodes with molybdenum cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)などが知られている。
【0008】
FE型の素子構成の典型的な例として、図15に前述のC.A.Spindtによる素子の断面図を示す。
同図において、3010は基板で、3011は導電材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコ−ン、3013は絶縁層、3014はゲ−ト電極である。本素子は、エミッタコ−ン3012とゲ−ト電極3014の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコ−ン3012の先端部より電界放出を起こさせるものである。
【0009】
また、FE型の他の素子構成として、図15のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ平行にエミッタとゲ−ト電極を配置した例もある。
【0010】
また、MIM型の例としては、たとえば、C.A.Mead,"Operation of tunnel-emission Devices,J.Appl.Phys.,32,646(1961)などが知られている。MIM型の素子構成の典型的な例を図16に示す。
同図は断面図であり、3020は基板、3021は金属よりなる下電極、3022は厚さ10(nm)程度の薄い絶縁層、3023は厚さ8〜30(nm)程度の金属よりなる上電極である。
【0011】
MIM型においては、上電極3023と下電極3021との間に適宜の電圧を印加することにより、上電極3023の表面より電子放出を起こさせるものである。
【0012】
上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較して低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒ−タ−を必要としない。従って、熱陰極素子よりも構造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒ−タ−の加熱により動作するため応答速度が遅いのとは異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利点もある。
このため、冷陰極素子を応用するための研究が盛んに行われてきている。
【0013】
たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であることから、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点がある。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31332号公報において開示されるように、多数の素子を配列して駆動するための方法が研究されている。
【0014】
また、表面伝導型放出素子の応用については、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像形成装置や、荷電ビ−ム源等が研究されている。
特に、画像表示装置への応用としては、たとえば本出願人によるUSP5,066,883や特開平2−257551号公報、特開平4−28137号公報において開示されているように、表面伝導型放出素子と電子ビ−ムの照射により発光する蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導型放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が期待されている。たとえば、近年普及してきた液晶表示装置と比較しても、自発光型であるためバックライトを必要としない点や、視野角が広い点が優れていると言える。
【0015】
また、FE型を多数個並べて駆動する方法は、たとえば本出願人によるUSP4,904,895に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応用した例として、たとえば、R.Meyer らにより報告された平板型表示装置が知られている[R.Meyer:"Recent Development on Micro-tips Display at LETI",Tech.Digest of 4th Int.Vacuum Micro-electronics Conf.,Nagahama,pp.6-9(1991)]。
【0016】
また、MIM型を多数個並べて画像表示装置に応用した例は、たとえば本出願人による特開平3−55738号公報に開示されている。
【0017】
上記のような電子放出素子を用いた画像形成装置のうちで、奥行きの薄い平面型表示装置は省スペースかつ軽量であることから、ブラウン管型の表示装置に置き換わるものとして注目されている。
【0018】
図17は平面型の画像表示装置をなす表示パネル部の一例を示す斜視図であり、内部構造を示すためにパネルの一部を切り欠いて示している。
図中、3115はリアプレート、3116は側壁、3117はフェースプレートであり、これらリアプレート3115、側壁3116及びフェースプレート3117により、表示パネルの内部を真空に維持するための外囲器(気密容器)を形成している。
【0019】
リアプレート3115には基板3111が固定されているが、この基板3111上には冷陰極素子3112が、(N×M)個形成されている(N,Mは2以上の正の整数であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定される。)。また、前記(N×M)個の冷陰極素子3112は、図17に示すように、M本の行方向配線3113とN本の列方向配線3114により配線されている。これら基板3111、冷陰極素子3112、行方向配線3113及び列方向配線3114によって構成される部分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。また、行方向配線3113と列方向配線3114の少なくとも交差する部分には、両配線間に絶縁層(不図示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0020】
フェースプレート3117の下面には、蛍光体からなる蛍光膜3118が形成されており、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の蛍光体(不図示)が塗り分けられている。また、蛍光膜3118をなす上記各色蛍光体の間には黒色体(不図示)が設けてあり、さらに蛍光膜3118のリアプレート3115側の面には、Al等からなるメタルバック3119が形成されている。
【0021】
Dx1〜Dxm及びDy1〜Dyn及びHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路とを電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行方向配線3113と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビーム源の列方向配線3114と、Hvはメタルバック3119と各々電気的に接続している。
【0022】
また、上記気密容器の内部は1.3×10-4Pa程度の真空に保持されている。
【0023】
以上説明した表示パネルを用いた画像表示装置は、容器外端子Dx1〜Dxm、Dy1〜Dynを通じて各冷陰極素子3112に電圧を印加すると、各冷陰極素子3112から電子が放出される。それと同時にメタルバック3119に容器外端子Hvを通じて数百(V)〜数(kV)の高圧を印加して、上記放出された電子を加速し、フェースプレート3117の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜3118をなす各色の蛍光体が励起されて発光し、画像が表示される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来の画像表示装置の表示パネルにおいては、以下のような問題点があった。
【0025】
前述のように、冷陰極素子3112からの放出電子を加速するためにマルチビーム電子源とフェースプレート3117との間には数百(V)以上の高電圧(即ち、1(kV/mm)以上の高電界)が印加される。
【0026】
そのため、冷陰極素子3112、行方向配線3113、列方向配線3114等を含む、基板3111上とフェースプレート3117の間での真空放電が懸念される。
【0027】
真空放電は、画像表示中に突発的に起こり、画像を乱すだけでなく、放電個所近傍の冷陰極素子3112を著しく劣化させ、その後の表示が正常にできなくなるという問題があった。
【0028】
この放電の原因としては、基板3111及びフェースプレート3117上の突起、異物(ゴミ)の付着、ガスの吸着等が考えられる。特に、真空パネル内に異物が混入すると、それらが導電性又は絶縁性に関わらず、放電に直結する場合があることを本発明者らは確認している。
【0029】
これらの異物は、各パネル部材に付着していたものがパネル内に混入したり、パネルの組立工程における部材のこすれ等で発生すると考えられ、これらの安価で簡単な除去方法、構造が望まれていた。
【0030】
本発明は前記問題を克服するものであり、画像表示時の放電を防止し、良好な表示画像を得るための画像表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような各構成を備える。
【0032】
本発明の画像形成装置は、電子ビーム源が形成されたリアプレートと、前記電子ビーム源からの電子ビームの照射により発光する蛍光体が形成されたフェースプレートとを対向させて真空容器を構成してなり、前記リアプレートと前記フェースプレートとの間に、高電界が印加される領域を有する画像形成装置の製造方法において、電子ビーム源を形成したリアプレートと、電子ビームの照射により発光する蛍光体を形成したフェースプレートとを対向させて接続する工程と、前記リアプレートと前記フェースプレートとの間を、真空排気する工程と、前記真空排気された、前記リアプレートと前記フェースプレートとの間の、前記高電界が印加される領域から異物を取り除き、前記高電界が印加される領域の外に配置された別室に、前記異物を集積させる工程とを有する。
【0033】
本発明の画像形成装置の一態様において、前記異物を取り除く工程は、前記別室が、重力に対して前記真空容器の最下部に位置する状態で行われる。
【0034】
本発明の画像形成装置の一態様において、前記別室と前記高電界が印加される領域との間には、異物逆流防止機構が備えられている。
【0035】
本発明の画像形成装置の一態様において、前記電子源は、配線に接続された複数の電子放出素子を有するものである。
【0036】
本発明の画像形成装置の一態様において、前記複数の電子放出素子は、複数の行方向配線と複数の列方向配線とによりマトリクス状に結線されている。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な諸実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0061】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について具体的に説明する。図1は、本実施例の画像形成装置の構成を模式的に示す平面図で、フェースプレート11の上方から見た場合の構成を示しており、便宜上フェースプレート11の上半分を取り除いた図となっている。
【0062】
図1において、1は電子源を形成するための基板を兼ねるリアプレートで、青板ガラスや、表面にSiO2 被膜を形成した青板ガラス、Naの含有量を少なくしたガラス、石英ガラス、あるいはセラミックスなど、条件に応じて各種材料を用いる。なお、電子源形成用の基板をリアプレートと別に設け、電子源を形成した後に両者を接合してもよい。
【0063】
2は電子源領域であり、電界放出素子、表面伝導型電子放出素子などの電子放出素子を複数配置し、更に目的に応じて駆動できるように素子に接続された配線を形成したものである。
【0064】
また、3−1,3−2,3−3は前記電子源と外部の駆動回路とを接続するために、真空パネル内から真空パネル外部に導出された駆動用の配線である。4はリアプレート1とフェースプレート11に挟持される支持枠であり、フリットガラス等の接合部材により、リアプレート1に接合される。電子源駆動用配線3−1,3−2,3−3は支持枠4とリアプレート1の接合部でフリットガラスに埋設されて外部に引き出される。真空容器内には、このほか真空雰囲気保持用のゲッタ(不図示)が配置される。
【0065】
また場合によっては、耐大気圧支持用のスペーサ(不図示)が配置されることもある。11は蛍光体を形成するための基板を兼ねるフェースプレートで、青板ガラスや、表面にSiO2 被膜を形成した青板ガラス、Naの含有量を少なくしたガラス、石英ガラス、あるいはセラミックスなど、条件に応じて各種材料を用いる。7は、高圧導入端子(不図示)との高圧当接部位である。なお、画像表示領域12について詳しくは後述する。
【0066】
5は本実施形態の特徴部分である排気管であり、リアプレート1の支持枠4の近傍に接続されている。この排気管5は、リアプレート1とフェースプレート11とを対向して形成される真空パネル内に混入した異物を、高電界が印加される部分から真空パネル外に排出するための異物除去手段(外部排出部材)である。排気管5の位置関係について、以下で更に説明する。
【0067】
図2(a)は、図1の実線A−A’に沿った断面の構成を示す模式図である。図示の如く、排気管5と真空パネルは、リアプレート1にあけられた穴6を通して空間的に接続されており、穴6は、一部支持枠4の角部位にかかるように形成されている。ここで、排気管5と真空パネルとの接続部分に、異物排出用のガイドを備えてもよい。
【0068】
この排気管5の配置により、適当な角度で真空パネルを傾けることで、重力に対して真空にすべき部分の最下部に穴6を位置させることが可能であることは、容易に理解できよう。このように適当な角度で真空パネルを傾けた状態で、重力により異物を落下させる。
【0069】
本実施形態では、排気管5をリアプレート1側に接続する構成としたが、フェースプレート11側に接続してもよい。
【0070】
図2(b)は、図1の実線C−C’に沿った断面の構成を示す模式図である。図中、高圧導入端子18が画像表示領域12の高圧当接部位7に接続されている。18は画像形成部材12に高電圧(アノード電圧Va)を供給するための高電圧導入端子である。該導入端子18は、Ag,Cu等の金属よりなるロッドである。
また、高電圧配線をリアプレート1側に取り出すような構成であってもよい。
【0071】
本実施形態に用いる電子源2を構成する電子放出素子の種類は、電子放出特性や素子のサイズ等の性質が目的とする画像形成装置に適したものであれば、特に限定されるものではない。熱電子放出素子、あるいは電界放出素子、半導体電子放出素子、MIM型電子放出素子、表面伝導型電子放出素子などの冷陰極素子等が使用できる。
【0072】
後述する実施形態において示される表面伝導型電子放出素子は本実施形態に好ましく用いられるものであり、上述の本出願人による出願、特開平7−235255号公報に記載されたものと同様のものである。以下、この表面伝導型電子放出素子の構成を説明する。図3は、表面伝導型電子放出素子単体の構成の一例を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【0073】
図3において、41は電子放出素子を形成するための基体であり、42,43は一対の素子電極、44は上記素子電極に接続された導電性膜で、その一部に電子放出部45が形成されている。電子放出部45は後述するフォーミング処理により、導電性膜44の一部が破壊、変形、変質されて形成されて高抵抗の部分で、導電性膜44の一部に亀裂が形成され、その近傍から電子が放出されるものである。
【0074】
上記のフォーミング工程は、上記一対の素子電極42,43間に電圧を印加することにより行う。印加する電圧は、パルス電圧が好ましく、図4(a)に示した同じ波高値のパルス電圧を印加する方法、図4(b)に示した波高値を漸増させながらパルス電圧を印加する方法のいずれの方法を用いてもよい。なお、パルス波形は図示した三角波に限定されるものではなく矩形波等の他の形状であってもよい。
【0075】
フォーミング処理により電子放出部を形成した後、「活性化工程」と呼ぶ処理を行う。これは、有機物質の存在する雰囲気中で、上記素子にパルス電圧を繰り返し印加することにより、炭素又は炭素化合物を主成分とする物質を、上記電子放出部及び/又はその周辺に堆積させるもので、この処理により素子電極間を流れる電流(素子電流If)、電子放出に伴う電流(放出電流Ie)ともに、増大する。
【0076】
このようなフォーミング工程及び活性化工程を経て得られた電子放出素子は、つづいて安定化工程を行うことが好ましい。この安定化工程は、真空容器内の特に電子放出部近傍の有機物質を排気する工程である。真空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオイルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソープションポンプとイオンポンプからなる真空排気装置等を挙げることができる。
【0077】
真空容器内の有機物質の分圧は、上記の炭素又は炭素化合物がほぼ新たに堆積しない分圧で1.3×10-6Pa(パスカル)以下が好ましく、さらには1.3×10-8Pa以下が特に好ましい。さらに真空容器内を排気するときには、真空容器全体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着した有機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。このときの加熱条件は、80〜250℃、好ましくは150℃以上で、できるだけ長時間処理するのが望ましいが、特にこの条件に限るものではなく、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸条件により適宜選ばれる条件により行う。真空容器内の圧力は極力低くすることが必要で、1×10-5Pa以下が好ましく、さらに1.3×10-6Pa以下が特に好ましい。
【0078】
安定化工程を行った後の、駆動時の雰囲気は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ましいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去されていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な特性を維持することが出来る。
【0079】
このような真空雰囲気を採用することにより、新たな炭素又は炭素化合物の堆積を抑制でき、また真空容器や基板などに吸着したH2 O,O2 なども除去でき、結果として素子電流If,放出電流Ieが安定する。
【0080】
このようにして得られた表面伝導型電子放出素子の、素子に印加する電圧Vfと素子電流If及び放出電流Ieの関係は、図5に模式的に示すようなものとなる。図5においては、放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さいので、任意単位で示している。なお、縦・横軸ともリニアスケールである。
【0081】
図5に示すように、本表面伝導型電子放出素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図5中のVth)以上の素子電圧Vfを印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。つまり、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子である。これを利用すれば、2次元的に配置した電子放出素子にマトリクス配線を施し、単純マトリクス駆動により所望の素子から選択的に電子を放出させ、これを画像形成部材に照射して画像を形成させることが可能である。
【0082】
画像形成部材である蛍光膜の構成の例を説明する。図6は、蛍光膜を示す模式図である。
図中、蛍光膜51は、モノクロームの場合は蛍光体のみから構成することができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材52とRGBの3色等の蛍光体53とから構成することができる。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の各蛍光体53間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜51における外光反射によるコントラストの低下を抑制することにある。ブラックストライプの材料としては、通常用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料を用いることができる。
【0083】
フェースプレート11に蛍光体を塗布する方法は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法、印刷法等が採用できる。蛍光膜51の内面側には、不図示のメタルバックが設けられる。メタルバックを設ける目的は、蛍光体53の発光のうち内面側への光をフェースプレート11側へ鏡面反射させることにより輝度を向上させること、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用させること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージから蛍光体53を保護すること等である。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製できる。
【0084】
フェースプレート11には、更に蛍光膜51の導電性を高めるため、蛍光膜51の外面側に透明電極を設けてもよい。
【0085】
カラー表示の場合は、各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
【0086】
上述のような構成を有する本実施形態により、薄型の平板型電子線画像形成装置の信頼性を向上させることが可能となる。このように形成された画像形成装置を用いて、行列配線座標上に形成した電子放出素子に走査信号と画像信号とを印加し、画像形成部材のメタルバックに高電圧を印加することにより、大型で薄型の画像を表示する画像表示装置を提供することができる。
【0087】
以下、図面を参照しつつ本発明の画像形成装置の製造方法についてさらに説明する。
表面伝導型電子放出素子を、基板を兼ねるリアプレート上に複数形成し、マトリクス状に配線して電子源を形成し、これを用いて画像形成装置を作成した。以下に図7(a)〜(e)を参照して、作成手順を説明する。
【0088】
(工程−a):洗浄した青板ガラスの表面に、0.5(μm)のSiO2 層をスパッタリングにより形成し、リアプレート1とする。続いて、超音波加工機によりグランド接続端子の導入のための直径4(mm)の円形の通過孔を形成する。
【0089】
リアプレート1上にスパッタ成膜法とフォトリソグラフィー法を用いて表面伝導型電子放出素子の素子電極21と22を形成する。材質は5(nm)のTi、100(nm)のNiを積層したものである。素子電極間隔は2(μm)とする(図7(a))。
【0090】
(工程−b):Agペーストを所定の形状に印刷し、焼成することによりY方向配線23を形成する。該配線は電子源形成領域の外部まで延長され、図1における電子源駆動用配線3−2となる。この配線23の幅は約100(μm)、厚さは約10(μm)である(図7(b))。
【0091】
(工程−c):PbOを主成分とし、ガラスバインダーを混合したペーストを用い、同じく印刷法により絶縁層24を形成する。これは上記Y方向配線23と後述のX方向配線を絶縁するもので、厚さ約20(μm)となるように形成する。なお、素子電極22の部分には切り欠きを設けて、X方向配線と素子電極の接続をとるようにしてある(図7(c))。
【0092】
(工程−d):X方向配線25を上記絶縁層24上に形成する(図7(d))。方法はY方向配線23の場合と同じで、X方向配線25の幅は約300(μm)、厚さは約10(μm)である。次に、PbO微粒子よりなる導電性膜26を形成する。
【0093】
導電性膜26の形成方法は、配線23,25を形成したリアプレート1上に、スパッタリング法によりCr膜を形成し、フォトリソグラフィー法により、導電性膜26の形状に対応する開口部をCr膜に形成する。
【0094】
続いて、有機Pd化合物の溶液(ccp−4230:奥野製薬(株)製)を塗布して、大気中300℃、12分間の焼成を行って、PdO微粒子膜を形成した後、上記Cr膜をウェットエッチングにより除去して、リフトオフにより所定の形状の導電性膜26とする(図7(e))。
【0095】
(工程−e):リアプレート1上に更に、PbOを主成分とし、ガラスバインダーを混合したペーストを塗布する。なお、その塗布領域は、上記素子電極21,22,X方向25及びY方向配線23、導電性膜26が形成された領域(図1の電子源領域2)以外であって、図1の支持枠4の内側に相当する領域である。
【0096】
(工程−g):図1、図2に示すように、リアプレート1とフェースプレート11との間の隙間を形成する支持枠4とリアプレート1とをフリットガラスを用いて接続する。ゲッタ、排気管5の固定もフリットガラスを用いて同時に行う。
【0097】
(工程−h):フェースプレート11を作成する。リアプレート1と同様に、SiO2 層を設けた青板ガラスを基体として用いる。超音波加工により、排気管接続用の開口部と高圧接続端子導入口を形成する。次に、印刷により高圧導入端子当接部と、これを後述のメタルバックを接続する配線をAuにて形成、さらに蛍光膜のブラックストライプ、次にストライプ状の蛍光体を形成、フィルミング処理を行った後、この上に厚さ約20(μm)のAl膜を真空蒸着法により堆積して、メタルバックとする。こうして形成された膜のうち、上記メタルバック上に形成された部分は、入射した電子ビームが反射されるのを制御する効果がある。これにより反射された電子が真空容器の内壁などに衝突しチャージアップを起こすことを防ぐなど、好ましい効果がある。
【0098】
(工程−i):リアプレート1と接合した支持枠4をフェースプレート11とフリットガラスを用いて接合し、真空パネルを形成する。高電圧導入端子及び排気管の接合も同時に行う。高圧導入端子はAgの棒である。
【0099】
なお、電子源2の各電子放出素子と、フェースプレート11の蛍光膜の位置が正確に対応するように、注意深く位置合わせを行う。
【0100】
(工程−j):次に、以下に示す手法により、排気管5より異物除去の工程を行う。
【0101】
本実施形態では、その際、異物を真空パネルから浮かせ、効果的に取り除くため、真空パネル全体に当該真空パネルが割れない程度の衝撃を与える。具体的にはプラスチックハンマーで、予め求めておいた条件により、パネル全体で、最高170G、最低100Gの加速度がかかるようにする。
【0102】
この時排出された異物は、ガラスフリットの剥離したものが主であり、大きさは数十(μm)から数百(μm)であった。
【0103】
前記除去方法は、本実施形態に特に好適な方法であり、パネルの設計や異物の種類により適宜変更される。
【0104】
具体的に適応されうる方法としては、上記のような物理的衝撃で異物を浮かせる方法の他に、異物に電荷を与えたり、排気管5からのエアーブロー、磁力の利用などが効果的な場合がある。
【0105】
また、本実施形態においては、大気中で行ったが、真空パネルを真空雰囲気にして行ってもよい。
【0106】
(工程−k):前記画像形成装置を、排気管5を介して真空排気装置に接続し、容器内を排気する。容器内の圧力が10-4Pa以下となったところで、フォーミング処理を行う。
【0107】
フォーミング工程は、X方向の各行毎に、X方向配線に図5(B)に模式的に示すような波高値の漸増するパルス電圧を印加して行った。パルス間隔T1 は10sec.、パルス幅T2 は1msec.とした。なお、図には示されていないが、フォーミング用のパルスの間に波高値0.1Vの矩形波パルスを挿入して電流値を測定して、電子放出素子の抵抗値を同時に測定し、1素子あたりの抵抗値が1MΩを越えたところで、その行のフォーミング処理を終了し、次の行の処理に移る。これを繰り返して、全ての行についてフォーミング処理を完了する。
【0108】
(工程−l):次に活性化工程処理を行う。この処理に先立ち、上記画像形成装置を200℃に保持しながらイオンポンプにより排気し、圧力を10-5Pa以下まで下げる。続いて、アセトンを真空容器内に導入する。圧力は、1.3×10-2Paとなるよう導入量を調整した。つづいて、X方向配線にパルス電圧を印加する。パルス波形は、波高値16Vの矩形波パルスとし、パルス幅は100μsec.とし、1パルス毎に125μsec間隔でパルスを加えるX方向配線を隣の行に切り替え、順次行方向の各配線にパルスを印加することを繰り返す。この結果各行には10msec.間隔でパルスが印加されることになる。この処理の結果、各電子放出素子の電子放出部近傍に炭素を主成分とする堆積膜が形成され、素子電流Ifが大きくなる。
【0109】
(工程−m):安定化工程として、真空容器内を再度排気する。排気は、画像形成装置を200℃に保持しながら、イオンポンプを用いて10時間継続した。この工程は真空容器内に残留した有機物質分子を除去し、上記炭素を主成分とする堆積膜のこれ以上の堆積を防いで、電子放出特性を安定させるためのものである。
【0110】
(工程−n):画像形成装置を室温に戻した後、(工程−l)と同様の方法でX方向配線にパルス電圧を印加する。更に、上記の高電圧導入端子を通じて画像形成部材に5kVの電圧を印加すると蛍光膜が発光する。なお、このとき低抵抗導体5はグランド接続されている。目視により、発光しない部分あるいは非常に暗い部分がないことを確認し、X方向配線及び画像形成部材への電圧の印加を止め、排気管を加熱溶着して封止する。しかる後、高周波加熱によりゲッタ処理を行い、画像形成装置を完成する。
【0111】
以上のようにして製造された画像形成装置は、輝度の高く、かつ放電の無い良好な画像を表示することができた。
また本実施形態は、真空排気のための排気管を用いて異物を除去するため、安価で簡便な構成で済み、コスト的に有利である。
【0112】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図8を参照して説明する。
図8は、第1の実施形態の図1に相当し、本実施例の画像形成装置の構成を模式的に示す平面図で、フェースプレート11の上方から見た場合の構成を示す。
なお、本実施形態では、第1の実施形態と異なる部分のみ説明する
【0113】
5は本実施形態の特徴部分である排気管、4は支持枠であり、図より分かるとおり、排気管5はフェースプレート11及びリアプレート1と同一平面、即ち支持枠4の側面に接続されている。
【0114】
また、支持枠4は排気管との接続部分に切り欠きがあり、接続部分に向かって傾斜している。
【0115】
この接続部分が下になるようにパネルを垂直に保持し、実施例1と同様に異物を除去した。
【0116】
このように排気管を支持枠側面に接続する構成にすると、リアプレート1或いはフェースプレート11への穴あけ加工をしないで済み、また、保持方法も安定状態である垂直でよいので、製造方法が更に簡便になり、コスト的により有利になる。
【0117】
以上のようにして製造された画像形成装置は、輝度の高く、かつ放電の無い良好な画像を表示することができた。
【0118】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について、図9を参照して説明する。
本実施形態の画像形成装置の平面模式図は、第1の実施形態の図1と同様であり、リアプレート1に穴6があいている。
【0119】
図9は、第1の実施形態の図2に相当し、図1の実線A−A’に沿った断面の構成を示す模式図である。
【0120】
第1の実施形態と異なるのは、漏斗型の逆流防止弁21と、別室22である。別室22は、穴6と逆流防止弁21を介して接続されており、逆流防止弁21は、別室の方が断面積が小さくなるように取り付けられている。
逆流防止弁21及び別室22は、共に青板ガラスでできており、第1の実施形態の(工程−g)に相当する工程で、ガラスフリットにより組み立てられる。
【0121】
本実施形態では、排気管は別の場所(不図示)に設ける。
また、第1,第2の実施形態では、異物除去をリアプレート1とフェースプレート11とを対向させてパネルを組み立てた後に行ったのに対し、本実施形態では、前記パネル内を真空排気し、排気管を封じ切った後に行う。
【0122】
この構成の場合、画像形成装置完成後に異物除去を行うことができ、パネル組み立てまでに混入した異物に加え、その後のパネル作製工程で混入した異物に対しても除去効果がある。
【0123】
具体的には、前述した活性化工程によるガス導入に伴う混入、ベーキング工程による部材からの剥離などで、パネル組み立て後にも異物が発生することがある。
【0124】
逆流防止弁21の大きさは、穴6に当接する側の直径を6mm、別室22に露出する側の直径を1mm、高さを5mm、また、別室22の高さ及び幅を10mmとした。
【0125】
この逆流防止弁21の逆流防止効果について、100μm程度の異物を用い筆者らが実験したところ、逆流させることは極めて困難であり、通常の画像形成装置の使用状態においては、一度別室に移動した異物が逆流することは起こり得ないと考えてよい。
【0126】
実際に、以上のようにして製造された画像形成装置は、輝度の高く且つ放電の無い良好な画像を表示することができた。
【0127】
また、上記の逆流防止弁21及び別室22の大きさは、本実施例に好適な値であり、パネルの設計や、異物の種類により、適宜変更される。
【0128】
また、別室は必ずしも上記の構成でなくても良く、以下の要件を満たすように種々の構成をとり得る。
【0129】
即ち、▲1▼表示画像に影響を与えない領域にあり、▲2▼重力に対し真空パネルの最下部に位置することが可能で、▲3▼異物閉じ込め機構(逆流防止)を持つ、という各要件を満たせば良い。
【0130】
例えば、図10は、第2の実施形態のように、切り欠きのある傾斜付きの支持枠を用い、別室22を側面に設けた例である。
【0131】
また、図11は、支持枠4の角部と、別室部材26により、別室をパネル内に構成した例である。別室部材26は支持枠4と同じ高さであり、画像表示面に垂直なスリット状の開口部が逆流防止機構をもつ。
【0132】
また、図12は、支持枠4の1辺と、別室部材26により別室を構成した例である。
別室部材26は、真空容器の1辺と同等な長さの平板状の2つの部材からなり、それぞれフェースプレート11及びリアプレート1に取り付けられる。この場合、画像表示面に水平なスリット状の開口部が逆流防止機構をもつ。
【0133】
これらの構成では、パネルの厚み方向に余計な「出っ張り」が無いので、画像表示装置をより薄くできる。
【0134】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態について、図13を参照して説明する。
本実施形態の画像形成装置の平面模式図は、第1の実施形態の図1と同様であり、リアプレートに穴6があいている。
【0135】
図13は、第1の実施形態の図2に相当し、図1の実線A−A’に沿った断面の構成を示す模式図である。
【0136】
以下、第3の実施形態と異なる部分のみ説明する。
第3の実施形態と異なるのは、逆流防止弁に相当する位置にガラス管23が配置され、その周囲にコイル24が巻かれ、不図示の外部電源と接続可能なジュメット線25を設けている点である。
【0137】
ジュメット線25は、別室22の側面より取り出され、周囲をガラスフリットにより気密されている。
【0138】
別室22、ガラス管23、ジュメット線25、コイル24は、第1の実施形態の(工程−g)に相当する工程で、組み立てられる。
【0139】
この構成により、異物除去を行った後、外部電源よりコイルを加熱してガラス管を溶断し、完全に異物を閉じ込めることができる。また、逆流防止弁に比べ、ガラス管23の径を大きくできるため、より大きい異物も効果的に除去することが可能である。
【0140】
【発明の効果】
本発明によれば、各パネル部材より持ち込まれる異物だけでなく、パネル組み立て工程、或いはその後の製造工程で発生する異物までも、安価で簡単に除去することができる。
その結果、真空放電を抑制し、高輝度で良好な画像の表示が可能な画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の主要構成を示す概略平面図である。
【図2】図1の実線A−A’、C−C’に沿った概略断面図である。
【図3】本発明に使用した表面伝導型放出素子を示す模式図である。
【図4】本発明に使用した表面伝導型放出素子の電子放出部形成の際に用いるパルス電圧の波形を示す特性図である。
【図5】本発明に使用した表面伝導型放出素子の典型的な電気特性を示す特性図である。
【図6】本発明の画像表示装置の画像形成部材の構成を示す模式図である。
【図7】第1の実施形態の画像表示装置の製造工程の一部を示す概略平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の画像形成装置の主要構成を示す概略平面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の画像形成装置の主要構成を示す概略断面図である。
【図10】第3の実施形態の一例を示す概略平面図である。
【図11】第3の実施形態の他の例を示す概略平面図である。
【図12】第3の実施形態の他の例を示す概略断面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の画像形成装置の主要構成を示す概略断面図である。
【図14】従来知られた表面伝導型放出素子の一例を示す概略平面図である。
【図15】従来知られたFE型素子の一例を示す概略断面図である。
【図16】従来知られたMIM型素子の一例を示す概略断面図である。
【図17】表示パネル部の一例を示す概略斜視図である
【符号の説明】
1:電子源基板を兼ねるリアプレート
2:電子源領域
3:電子源駆動用配線
4:支持枠
5:排気管
7:高圧端子当接領域
11:フェースプレート
12:画像形成部材
18:高圧導入端子
21:逆流防止弁
22:フリット
23:ガラス管
24:コイル
25:ジュメット線
26:別室部材
Claims (5)
- 電子ビーム源が形成されたリアプレートと、前記電子ビーム源からの電子ビームの照射により発光する蛍光体が形成されたフェースプレートとを対向させて真空容器を構成してなり、前記リアプレートと前記フェースプレートとの間に、高電界が印加される領域を有する画像形成装置の製造方法において、
電子ビーム源を形成したリアプレートと、電子ビームの照射により発光する蛍光体を形成したフェースプレートとを対向させて接続する工程と、
前記リアプレートと前記フェースプレートとの間を、真空排気する工程と、
前記真空排気された、前記リアプレートと前記フェースプレートとの間の、前記高電界が印加される領域から異物を取り除き、前記高電界が印加される領域の外に配置された別室に、前記異物を集積させる工程とを有することを特徴とする画像形成装置の製造方法。 - 前記異物を取り除く工程は、前記別室が、重力に対して前記真空容器の最下部に位置する状態で行われることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置の製造方法。
- 前記別室と前記高電界が印加される領域との間には、異物逆流防止機構が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置の製造方法。
- 前記電子源は、配線に接続された複数の電子放出素子を有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置の製造方法。
- 前記複数の電子放出素子は、複数の行方向配線と複数の列方向配線とによりマトリクス状に結線されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置の製造方法。
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