JP2003153651A - 茶類の製造方法、緑茶、抹茶、烏龍茶、紅茶の製造方法 - Google Patents
茶類の製造方法、緑茶、抹茶、烏龍茶、紅茶の製造方法Info
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Abstract
謂1番茶といわれるものが香味が良いと言うことで主と
して用いられるが、2番茶や秋冬番茶というのは渋味が
多く茶葉原料として使用されることは少なかった。 【解決手段】本発明は、渋味の多い茶葉原料や乾燥茶葉
を用い、この原料中の渋味を調整して甘み成分や旨味成
分を増加して、1番茶同様に市場価値を持たせることを
目的とし、茶葉原料中の渋味を調整する手段としてタン
ニン分解、多糖類分解、蛋白質分解を行う分解酵素を添
加して、最終的に渋味を少なくして、甘みや旨味を増加
せしめることのできる製造方法と、このようにして得ら
れた茶製品を用いた飲料水を提供するものである。
Description
る渋味を適度に調整し、旨味や甘味が一定の茶類及びそ
れらの飲料水を製造することを目的とし、更に詳しく
は、茶類の生葉原料にタンニン分解、多糖類分解、蛋白
質分解を行う少なくとも1種以上の分解酵素を添加して
原料成分を変え、最終製品である茶類や飲料水に旨味や
甘味を与えることの出来る製造法に関するものである。
を製造する場合の手段として、蒸熱法と釜炒り法と言わ
れる製造法に大別されるが、このうち蒸熱法は、先ず生
葉原料を蒸機に投入して100℃の蒸気で蒸気加熱処理
して、原料中に含有される酵素の酸化作用を防ぎ(失活
効果)、最終的に緑色の茶類が製造できるようにしてい
る。
度をだんだんと下げ、次工程の葉打ち機内に移動させて
原料を混合して乾燥した。さらに粗揉機−中揉機−精揉
機を通過させて乾燥し、これらの乾燥工程を経て目的の
茶類を得た後に、各種の茶類をブレンドして製品化して
いるのが、現在多くの緑茶の製造に用いられる製造方法
である。
と嬉野法と呼ばれる方法が知られるが、これらを改良す
る製造方法として、特開2001−86932号公報
「釜炒り茶又は碾茶の製造方法およびその製造装置」
は、気密釜で生茶葉の酸化酵素失活を行う生葉の投入、
生葉の加熱、生ぼけ排出、炒り蒸し、充満蒸気排出、葉
振り、取り出しの各工程を順次行う炒り葉工程を経る釜
炒り茶又は碾茶の製造方法において、前記各工程を25
0℃〜400℃に設定した釜温に応じてタイマーを用い
て制御するにあたって、生ぼけ排出をタイマーで行い、
茶葉から発生する水分が大気圧蒸気より高温の飽和蒸気
で炒り蒸しを90秒以上に制御し、その後、揉み乾燥、
又は揉まずに乾燥処理することを特徴とする釜炒り茶又
は碾茶の製造方法を開示し、勘を要することなく栄養
分、香気成分に富み、カテキンの溶出量と生理活性の高
い釜炒り茶又は碾茶を製造できることを述べている。
は香気も良く高級品として市場に出されるように生産原
料からすれば主力であるが、2番茶のように渋味の多い
ものや外国産のような紅茶葉のように渋味の多いものも
原料として利用するために、収穫後に茶葉の性質を後天
的に変えることができる手段の開発が望まれていた。
緑茶複合食品の製造方法」は、生又は乾燥した茶葉に、
植物組織分離酵素剤及び/又は植物組織分解酵素剤を利
用させて、茶葉の植物組織を分離分解して得られた微粉
緑茶を、他の優れた香味成分、栄養成分、機能成分等を
有する食品に添加混合することを特徴とする微粉緑茶複
合食品の製造方法を開示するが、これによって乾燥した
茶葉或いはこれまで商品価値が低くあまり利用されてい
なかった硬い茶葉から濃緑色で、栄養成分や機能成分に
富む微粉緑茶を得ることが出来るようになった。
汁の製造方法」も、葉の固くなったお茶葉を有効に利用
するとともに、薬効成分を多く含んだ成分的に生の状態
に近い飲料を製造するものとして、細かく切断するとと
もに蒸気によって加熱処理を施した生のお茶の葉を保存
槽に入れ、適量の水分と細胞壁破壊酵素を加えた後50
〜60℃の温度にて一昼夜保存し、次いで、細胞破壊酵
素を失活させるために加熱処理を施した後すりつぶして
液状にしてなることを特徴とするお茶葉液汁の製造方法
を開示している。
製造方法」は、硬葉化した原料を使用しても、硬葉臭の
発生なく、製品茶葉の形状や色沢を低下させず、しかも
酵素失活を充分に行いうる茶の製造法として、茶の生葉
を蒸熱させる工程において、最初の発熱処理を行った茶
葉を冷却せずに連続して追加蒸熱処理を1回若しくは繰
り返し行うことを特徴とする茶の製造方法を開示する。
やインスタント茶を製造する工夫もなされ、特開平9−
275903号「茶葉エキス粉末及びその製造方法」
は、茶葉の搾汁液から得たものであり、アミノ酸とカテ
キンとビタミンCを重量比率で3から9:9〜22:1
〜6:1〜4の割合で含む茶葉エキス粉末を開示し、茶
葉の成分をそのまま有効に含有する茶葉エキスを提供し
ている。
タント茶およびその製造方法」は、生茶葉を蒸気にて加
熱して得られた蒸し葉が圧搾されて分集された茶抽出液
が乾燥されたことを特徴とするインスタント茶が開示さ
れ、製造が容易で水戻りが良好なものとして記載され
る。
類にも種々あり、得られる茶類も日本茶、碾茶の他、外
国産のウーロン茶、紅茶等産地毎、季節毎にそれぞれ特
有の風味をもった茶類が刈り入れされて茶葉原料として
用いられている。
時期によっても異なるが、所謂2番茶のような固い葉を
原料として用いる場合には、渋味がだんだんと増加する
という傾向があるため、この渋味を少なくするために種
々の茶類をブレンドして甘みを出したりしているのが現
状であった。
決するために鋭意研究したところ、特定温度下でタンニ
ン分解、多糖類分解、蛋白質分解からなる群から選ばれ
る少なくとも1種以上の分解酵素を添加すると、茶葉原
料中の風味を変え、最終製品である茶類や飲料水に旨味
や甘味が生じることを見出し、本発明法を提供すること
が出来た。
において、茶類の生葉原料又は乾燥茶葉に、タンニン分
解、多糖類分解、蛋白質分解からなる群から選ばれる少
なくとも1種以上の分解酵素を添加して原料成分を変
え、後工程で茶葉原料を加熱処理することによって原料
中の酵素を失活させることを特徴とする茶類の製造法で
ある。
て、茶類の生葉原料を加熱処理して原料に含有される酵
素を失活させた後に、タンニン分解、多糖類分解、蛋白
質分解からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の分
解酵素を添加して原料成分を変え、後工程で茶葉原料を
再加熱処理することによって酵素を失活させることを特
徴とする茶類の製造法である。
類分解、蛋白質分解を行う少なくとも1種以上の分解酵
素を添加する場合は、品温を50℃以下に維持して、分
解酵素液を生葉原料や乾燥茶葉に吹き付けることを特徴
とする請求項1又は請求項2記載の茶類の製造法であ
る。
熱処理して酵素を失活させると共に、茶葉を湿潤して柔
らかくする第一工程と、次いで攪拌揉圧処理を行う第二
工程と、得られた原料にタンニン分解、多糖類分解、蛋
白質分解を行う少なくとも1種以上の分解酵素を添加し
て原料成分を変える第三工程と、得られた原料を葉打ち
処理および揉み処理を行って茶葉細胞を揉圧する第四工
程と、得られた原料を揉み機で揉みほごして乾燥させる
第五工程と、得られた原料を所望の茶類にブレンドする
第六工程とからなることを特徴とする緑茶の製造法であ
る。
熱処理する第一工程と、得られた蒸し葉原料にタンニン
分解、多糖類分解、蛋白質分解を行う少なくとも1種以
上の分解酵素を添加して原料成分を変える第二工程と、
得られた原料を乾燥処理して碾茶とする第三工程と、得
られた原料を切断して篩い分けをする第四工程と、得ら
れた原料を挽茶して抹茶とする第五工程とからなること
を特徴とする抹茶の製造法である。
理した後に、揺青処理する第一工程と、得られた原料に
タンニン分解、多糖類分解、蛋白質分解を行う少なくと
も1種以上の分解酵素を添加して原料成分を変える第二
工程と、釜炒り処理を行って酵素の失活処理を行う第三
工程と、得られた原料を揉捻処理を行った後に乾燥して
荒茶を得る第四工程と、次いでこれらの荒茶を生成して
烏龍茶とする第五工程と、からなることを特徴とする烏
龍茶の製造法である。
理第一工程と、次いで揉捻処理を行う第二工程と、得ら
れた原料を篩い分けし、更に大きい原料を再揉捻して大
きさを調整する第三工程と、得られた原料を発酵処理す
る第四工程と、発酵処理後の原料を上記処理して酵素を
失活させる第五工程と、得られた原料にタンニン分解、
多糖類分解、蛋白質分解を行う少なくとも1種以上の分
解酵素を添加して原料成分を変える第六工程と、得られ
た原料を乾燥処理して荒茶とする第七工程と、得られた
荒茶を再製して紅茶とする第八工程とからなることを特
徴とする紅茶の製造法である。
の一例を示すフローシートである。先ず茶類の生葉原料
を蒸機の中に投入して蒸気で加熱処理するが、この場
合、機内では90〜100℃前後の温度の蒸気で加熱
し、茶葉原料中に含有される酵素の働きを止める失活処
理を行う(第一工程)。
され緑色に優れた最終製品が得られるが、この処理は、
茶葉原料によっても異なるが瞬時に失活するものであ
り、得られた原料内部の水分は約80%前後である。
冷却処理を行うが、この場合、処理機内の温度を50℃
以下まで冷却するように調整する(第二工程)。
た状態で、タンニン分解、多糖類分解、蛋白質分解を行
う少なくとも1種以上の分解酵素を添加するが、この添
加は、分解酵素を液状化して噴霧添加を行った後に混合
攪拌を行い、添加分解酵素を破砕原料に充分に作用させ
ることが好ましい(第三工程)。
素は、Aspergillus oryzaeに由来するタンナーゼを用い
ることが出来る。このタンナーゼは、活性値は500U
/gあり、使用量は0.01〜1.0kg%の範囲が好
ましく、温度は40℃前後で20分〜10時間の条件下
で使用するとよい。
gerに由来するガマナーゼを用いることができる。この
ガマナーゼは、活性値は150万VHGU/gあり、使
用量は0.005〜0.5kg%の範囲が好ましく、温
度は40℃前後で20分〜10時間の条件下で使用する
とよい。
のコクラーゼSSを用いることができる。このコクラー
ゼSSは、活性値は5万U/gあり、使用量は0.00
5〜0.5kg%の範囲が好ましく、温度は40℃前後
で20分〜10時間の条件下で使用するとよい。
った原料を、葉打機から粗揉機に移動し、これらの工程
内を約40℃一定温度で60分維持させて葉打ち処理中
に酵素反応を行って成分を変化させるが、これは甘みや
旨味を増やしたり、渋味を減らしたりするためである。
言い換えれば、お茶の風味を望ましい物とするためであ
る(第四工程)。
て乾燥させる(第五工程)が、本発明においては、揉捻
機−第一中揉機−第二中揉機−精揉機−乾燥機を組み合
わせて、これらの機械の中を連続して通し所望の形状に
揃えている。しかしながらこれらの機械の組合せは、茶
葉原料の特徴に合わせて変えうることができるのは勿論
である。また、この乾燥機の中で、添加した酵素の失活
を行っている。
ておき、顧客の嗜好に合わせた茶類にブレンドする(第
六工程)が、このブレンド工程によって甘味のある茶、
旨味のある茶と分けて市販できるものである。
龍茶や紅茶である場合には、図2〜図4に示すように処
理工程は異なるが、処理工程に途中においてタンニン分
解、多糖類分解、蛋白質分解を行う少なくとも1種以上
の分解酵素を添加して原料成分を変える工程を加えるこ
とによって、最終製品の渋味を調整して、甘味と旨味成
分が増える製品を得ることができるものである。
合には、図5に示すように乾燥茶葉に分解酵素を添加処
理して成分変化を促し、次いで乾燥処理して火入れ機内
で酵素失活処理を行うことによって、上記同様最終製品
の渋味を調整して、甘味と旨味成分が増える製品を得る
ことができるものである。
るが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
る2番茶100kgを原料として選択し、蒸機(容量5
00リットル)の中に投入し100℃の蒸気を30秒間
吹き付け、茶葉に含まれる酵素の失活処理を行って、該
酵素による酸化を防止した(第一工程)。
冷却処理を行うが、この場合、処理機内の温度を約40
℃前後まで冷却するように調整した(第二工程)。これ
は、原料の品質保持を維持するために冷却し、更に次工
程で酵素の働きを良くするためのものである。
名、三共社製)0.1kg、ガマナーゼ(商品名、ノボ
ノルディスクバイオインダストリー社製)0.05k
g、コクラーゼSS0.05kgの分解酵素を噴霧吹き
つけした後、混合攪拌して、分解酵素を茶葉原料に浸透
させた(第三工程)。
粗揉機に移動し、40℃の温度下で30分間葉打ち処理
を行って分解酵素処理を行うと共に、乾燥処理をして水
分を除去した(第四工程)。
機−第二中揉機−精揉機−乾燥機の中を連続して通し所
望の形状に揃えて緑茶を得(第五工程)、その緑茶成分
中、甘味を示す直接還元糖、旨味を示すテアニン、渋味
を示すエピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレ
ートを分析し、その結果を表1に示した。なお、これら
の装置は、茶葉原料の種類の硬さによって変えることが
出来るのは勿論である。
しない以外は、上記手順で製造した緑茶を得て、実施例
1と同様にその成分を分析し、甘味、旨味、渋味で対比
したところ、実施例1の方が渋味成分が減少し、甘味と
旨味成分が増加していることが明白となった。
ある2番茶100kgを原料として選択し、蒸し器(容
量500リットル)の中に投入し100℃の蒸気を30
秒間吹き付け、茶葉に含まれる酵素の失活処理を行っ
て、該酵素による酸化を防止した(第一工程)。
名、三共社製)0.1kg、ガマナーゼ(商品名、ノボ
ノルディスクバイオインダストリー社製)0.05kg
の分解酵素を噴霧吹きつけした後、混合攪拌して、分解
酵素を茶葉原料に浸透させた(第二工程)。
れ40℃、40分間の条件下で、揉まずに乾燥処理を行
い碾茶を得た(第三工程)
得、大きさによって篩い分けを行って(第四工程)、原
料を均一なサイズに揃えた。
移動して切断茶葉を粉末状に処理し(第五工程)、表2
に示す成分の抹茶を得た。
しない以外は、上記手順で製造した緑茶を得て、実施例
2と同様にその成分を分析し、甘味、渋味で対比したと
ころ、実施例2の方が渋味成分が減少し、甘味成分が増
加していることが明白となった。
ある烏龍50kgを茶葉原料として、透気式萎凋機を用
いて人工萎凋処理した後に、揺青処理して(第一工
程)、赤褐色の茶葉を得た。この場合、萎凋処理は、萎
凋機内の透気風速を1m/秒で、機内温度37℃前後5
時間の条件で処理して原料重量を30%減少させ、萎凋
処理を行った。
名、三共社製)0.1kg、コクラーゼSS0.05k
gの分解酵素を噴霧吹きつけした後、混合攪拌して、分
解酵素を茶葉原料に浸透させ、前記分解酵素処理を行っ
た茶葉原料を40℃、1時間の条件下で発酵させた(第
二工程)。
で行って、酵素失活を行った(第三工程)。
破砕率30%位に調整したものを乾燥して、荒茶を7k
g得た(第四工程)。
品となし(第五工程)、その分析値を表3に示すが、得
られた製品は、渋味が押さえられ甘味や旨味も有り市場
品として十二分に通用するものであった。
しない以外は、上記手順で製造した緑茶を得て、実施例
3と同様にその成分を分析し、渋味で対比したところ、
旨味成分として遊離アミノ酸を分析したところ、実施例
3の方が渋味成分が減少し、旨味成分が増加しているこ
とが明白となった。
g原料とし、実施例3の第一工程同様に透気式萎凋機を
用いて人工萎凋処理した(第一工程)が、この条件は、
萎凋機内の透気風速を1m/秒で、機内温度37℃前後
5時間の条件で処理し、原料重量を40%減少させた。
0分揉捻処理を行って原料を小さくする(第二工程)
が、得られた原料のサイズは種々あるため玉解と称され
る処理を施して、次工程の篩い分けに備えた。
い上に残った原料を再度、前記の揉捻機に戻して30
分、揉捻処理を行って先に得た篩い下の原料と合わせた
(第三工程)。
に入れ、湿度95%以上、温度30℃、2時間の条件下
で発酵処理した(第四工程)。
実施例1〜実施例3に示すように、蒸し器(容量500
リットル)の中に投入し100℃の蒸気を30秒間吹き
付け、茶葉に含まれる酵素の失活処理を行って、該酵素
による酸化を防止した(第五工程)。
た後に、タンナーゼ(商品名、三共社製)0.1kgを
水に溶解した溶解液を噴霧吹きつけし、約40℃前後で
20分混合攪拌して、分解酵素を茶葉原料に浸透させた
(第六工程)。
ったが、この処理は110℃の熱風を15分吹きつけ、
原料中の酵素を失活させ、同時に含水量を15〜20%
内に含まれるように調整し、さらに85℃の熱風を15
分間吹き付けて本乾燥処理を行い、原料中の最終水分量
を4〜5%の範囲に調整して荒茶を得た(第七工程)。
工程で処理して所望の紅茶を得、その結果を表4に示す
が、渋味が押さえられ甘味や旨味があるため市販品に通
用する製品であった。
しない以外は、上記手順で製造した緑茶を得て、実施例
3と同様にその成分を分析し、渋味で対比したところ、
実施例4の方が渋味成分が減少していることが明白とな
った。
を表5に示す量の水に溶解し、乾燥茶葉である鹿児島県
産荒茶100kgに噴霧混合し、40℃で30分間放置
後、150℃熱風を当て茶葉品温50℃で10分乾燥
し、120℃で火入れ処理を行い、酸素を失活させた。
火入れを行ったものを比較例として対比したところ、比
較例5に示すものは渋みを示すエピガロカテキンガレー
トやエピカテキンガレートの値は共に高く、一方、実施
例のように渋み成分の分解は水分含有量が多いほど反応
は進み、特に茶葉に対する水分添加量が100%の場合
には、エピガロカテキンガレートやエピカテキンガレー
トはほぼ完全に消失することが判明した。
緑茶葉30gを70℃熱水1000mlで抽出し、急冷
して抽出液を得た。次にアルコルビン酸Naを1.8g
と重曹約0.3gを添加してpH6.0に調整し、清水
で3000mlにメスアップして緑茶液を調合した。
透明なPETボトルに窒素気流下で無菌充填し緑茶飲料
を試作し外観を目視して沈澱の有無を確認し、Bx、タ
ンニン、濁度の検査を行い、その結果を表6に示す。
は、実施例6と同一の手段で得た緑茶飲料水を分析した
結果を表6に併せて示すが、濁度は実施例に比較して高
く、更に7日目から澱状の沈澱が発生した。
烏龍茶25gを90℃熱水1000mlで抽出し、急冷
して抽出液930mlを得た。次に重曹約0.6gを添
加してpH6.0に調整し、清水で3000mlにメス
アップして烏龍茶液を調合した。
透明なPETボトルに窒素気流下で無菌充填し緑茶飲料
を試作し外観を目視して沈澱の有無を確認し、Bx、タ
ンニン、濁度の検査を行い、その結果を表7に示す。
は、実施例7と同一の手段で得た烏龍茶飲料水を分析し
た結果を表7に併せて示すが、濁度は実施例に比較して
高く、更に1日目から澱状の沈澱が発生した。
紅茶葉20gを50℃熱水1000mlで抽出し、急冷
してアイスティー2950mlを得た。透明なガラス容
器に注ぎ5℃で静置して外観を目視して沈澱の有無を確
認し、Bx、タンニン、濁度の検査を行い、その結果を
表8に示す。
は、実施例8と同一の手段で得た紅茶飲料水を分析した
結果を表8に併せて示すが、濁度は実施例に比較して高
く、更に3時間後には沈澱が発生した。
2番茶や秋冬茶といわれる固い茶葉を原料として使用で
き、分解酵素の働きで原料中の渋味を減少して旨味や甘
味を増やすことができるようになったので、今までは商
品価値の少なかったこれらの茶葉原料の有効利用が可能
となった。
って製造された茶製品を基に製造する飲料茶自体に、濁
りや沈澱の発生が押さえられることが確認されている
が、これも第二工程で添加する分解酵素の働きによるも
のであるが、この効果のため製造された飲料物は、長期
保存や冷却による濁りや沈澱生成を防止できることにな
り、外観変化のないクリアな飲料を得ることができた。
しかも、その沈殿生成防止と同時に、抽出効率も高める
効果もあり抽出歩留まりの向上が達成できた。
ーロン茶原料、紅茶原料であっても、分解酵素を添加す
る工程を加えることによって、原料中の渋味を押さえ、
旨味や甘味を増加することが出来るため、後天的に原料
成分を変えて品質を一定にコントロールすることが可能
となった。
Claims (7)
- 【請求項1】茶類の製造方法において、茶類の生葉原料
又は乾燥茶葉に、タンニン分解、多糖類分解、蛋白質分
解を行う少なくとも1種以上の分解酵素を添加して原料
成分を変え、後工程で茶葉原料を加熱処理することによ
って原料中の酵素を失活させることを特徴とする茶類の
製造法。 - 【請求項2】茶類の製造方法において、茶類の生葉原料
を加熱処理して原料に含有される酵素を失活させた後
に、タンニン分解、多糖類分解、蛋白質分解を行う少な
くとも1種以上の分解酵素を添加して原料成分を変え、
後工程で茶葉原料を再加熱処理することによって酵素を
失活させることを特徴とする茶類の製造法。 - 【請求項3】上記タンニン分解、多糖類分解、蛋白質分
解を行う少なくとも1種以上の分解酵素を添加する場合
は、品温を50℃以下に維持して、分解酵素液を生葉原
料や乾燥茶葉に吹き付けることを特徴とする請求項1又
は請求項2記載の茶類の製造法。 - 【請求項4】茶類の生葉原料を蒸気加熱処理して酵素を
失活させると共に、茶葉を湿潤して柔らかくする第一工
程と、次いで攪拌揉圧処理を行う第二工程と、得られた
原料にタンニン分解、多糖類分解、蛋白質分解を行う少
なくとも1種以上の分解酵素を添加して原料成分を変え
る第三工程と、得られた原料を葉打ち処理および揉み処
理を行って茶葉細胞を揉圧する第四工程と、得られた原
料を揉み機で揉みほごして乾燥させる第五工程と、得ら
れた原料を所望の茶類にブレンドする第六工程とからな
ることを特徴とする緑茶の製造法。 - 【請求項5】茶類の生葉原料を蒸気加熱処理する第一工
程と、得られた蒸し葉原料にタンニン分解、多糖類分
解、蛋白質分解を行う少なくとも1種以上の分解酵素を
添加して原料成分を変える第二工程と、得られた原料を
乾燥処理して碾茶とする第三工程と、得られた原料を切
断して篩い分けをする第四工程と、得られた原料を挽茶
して抹茶とする第五工程とからなることを特徴とする抹
茶の製造法。 - 【請求項6】茶類の生葉原料を萎凋処理した後に、揺青
処理する第一工程と、得られた原料にタンニン分解、多
糖類分解、蛋白質分解を行う少なくとも1種以上の分解
酵素を添加して原料成分を変える第二工程と、釜炒り処
理を行って酵素失活を行う第三工程と、得られた原料を
揉捻処理を行った後に乾燥して荒茶を得る第四工程と、
次いでこれらの荒茶を生成して烏龍茶とする第五工程
と、からなることを特徴とする烏龍茶の製造法。 - 【請求項7】茶類の生葉原料を萎凋処理第一工程と、次
いで揉捻処理を行う第二工程と、得られた原料を篩い分
けし、更に大きい原料を再揉捻して大きさを調整する第
三工程と、得られた原料を発酵処理する第四工程と、発
酵処理後の原料を上記処理して酵素を失活させる第五工
程と、得られた原料にタンニン分解、多糖類分解、蛋白
質分解を行う少なくとも1種以上の分解酵素を添加して
原料成分を変える第六工程と、得られた原料を乾燥処理
して荒茶とする第七工程と、得られた荒茶を再製して紅
茶とする第八工程とからなることを特徴とする紅茶の製
造法。
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