JP5079693B2 - 緑茶葉酵素処理法 - Google Patents

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Description

本発明は、原料緑茶茶葉を、抽出に先立ち、酵素溶液と反応させることにより含有成分を変換し、緑茶茶葉の品質を改質し、該茶葉を抽出処理することにより、香味の優れた高香味緑茶抽出液を製造する方法に関する。
緑茶抽出液の製造において、緑茶の抽出の際に各種酵素を作用させて、抽出を促進し、その抽出液の香味若しくは品質を向上させようとする試みは以前より数多く提案されている。しかし、このような酵素処理を用いた抽出方法においては、通常、茶抽出工程で酵素処理が行われるので、酵素処理の効果を上げるためには、比較的長い処理時間が必要となる。その一方で、処理の長時間化は、抽出工程での品質劣化や、生産効率の低下につながる。したがって、その酵素処理は、通常、短時間でしか設定できず、従来の酵素処理は、抽出の促進等、特定範囲のものに限られ、その効果にも限界があった。
例えば、特開2003−210110号公報には、低温かつ短時間で効率的に茶葉から有用成分を抽出し、苦渋味が少なく、澱が生成しないコクと旨みを有する茶抽出液の製造方法が開示されている。具体的には、抽出に際して、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ぺクチナーゼ等の酵素を用いて酵素分解抽出処理を行ない、可溶性固形分の抽出効率を高める方法が示されている。該公報に開示される茶抽出液の製造方法では、比較的長時間の酵素分解抽出処理時間が採用されている。すなわち、該方法における酵素分解抽出処理では、0.5〜5時間、実施例では2時間攪拌しながら酵素分解抽出処理が実施されている。これは通常緑茶飲料を製造する場合の抽出工程よりはるかに長い時間をかけており、抽出時の香味劣化等、茶抽出液の品質への影響が懸念される。また、長時間の酵素分解抽出処理は、飲料製造工場での生産効率を下げることになることから、該方法は、実用的とは考えにくい。
このような茶抽出液の製造における、酵素分解抽出処理の問題を解消する方法として、次のような2つの方法が提案されている。まず、その一つの方法としては、酵素処理を、飲料製造工程上の抽出段階で使用するのではなく、製造法の自由度が比較的高く、抽出時間も長く設定できる「緑茶エキス」の製造の際に使用する方法である。たとえば、特開2003−144049号公報には、緑茶に対してプロテアーゼとタンナーゼを併用処理して旨みやコク味が強く、渋味の少ない緑茶エキスを製造する方法が開示されている。この方法では、酵素反応を行いながら、同時に抽出を行なっている。具体的な実施例としては、上記酵素を添加して、16時間酵素処理を行い、抽出を行なうことが示されている。この方法は、プロテアーゼとタンナーゼを併用処理して、茶葉中のタンパク質とタンニンの結合の分解とタンパク質の分解を行なって、旨みやコク味の強い抽出エキスを製造するものである。該方法は、抽出時間を長く設定できる「緑茶エキス」の製造の際に適用できる方法である。
もう一つは、予め製茶の段階で酵素処理を行なっておいた茶葉を用いて、抽出を行なう方法である。特開昭51−115999号公報には、採取した生茶葉に対してタンナーゼ処理し、これを焙じることによって、冷水でも抽出可能な乾燥茶葉或いは該乾燥茶葉から抽出、乾燥されたインスタント茶粉末の製造方法が開示されている。また、特開平5−308901号公報には、茶生葉に対して、蒸熱や釜入り工程の後に、ペクチナーゼやセルラーゼなどの細胞壁消化酵素で処理を行ない、該酵素処理茶葉を、通常の加熱乾燥処理工程に付して、水でも抽出可能な茶葉の製造を行なう方法が開示されている。これらはいずれも抽出を促進し、冷水抽出が可能な、抽出効率の向上を主眼においた発明である。その酵素処理の効果にも限界があって、茶含有成分を変換し、香味の改良を行なっているものではない。
一方で、近年、茶類の製造方法において、茶葉を分解酵素等を用いて茶葉の原料成分を変え、味覚や風味を改良した茶類の製造方法が開示されている。例えば、特開2003−153651号公報には、茶類の渋みの多い生葉原料又は乾燥茶葉に、タンニン分解、多糖類分解、蛋白質分解をおこなう少なくとも一種以上の分解酵素を添加して、酵素処理し、茶葉原料中の成分を変換する方法を提案している。具体的には、緑茶等の生茶葉を蒸煮し、冷却したもの、或いは、烏龍茶原料茶葉を萎凋処理を施したものに、タンニン分解酵素であるタンナーゼ、多糖類分解酵素であるガマナーゼ、蛋白質分解酵素であるコクラーゼを添加して酵素処理を行なっている。これを通常の製茶工程に付して、茶葉の原料成分を変え、茶の渋味を調整して、甘味と旨味のある茶製品を製造することが開示されている。しかしながら、この製茶工程における酵素処理も、分解酵素を茶葉に噴霧、混合攪拌して、原料成分中のタンニンや、多糖類、及び蛋白質を分解処理するにとどまるものであり、茶葉中の香味成分を変換して、高香味の茶抽出液を製造し得るような酵素処理を行なっているものではない。
特開昭51−115999号公報。 特開平5−308901号公報。 特開2003−144049号公報。 特開2003−153651号公報。
本発明の課題は、原料緑茶茶葉を酵素溶液と反応させて含有成分を変換し、緑茶茶葉の品質を改質し、該茶葉を抽出処理することにより、香味の優れた高香味緑茶抽出液を製造する方法を提供することにある。また、本発明の課題は、原料緑茶茶葉の含有香味成分を効果的に変換し得る酵素処理方法を提供し、原料緑茶茶葉に高香味を付与して、該茶葉から香味に特徴付けられた緑茶抽出液を製造する方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討する中で、乾燥緑茶葉を粉砕した或いは緑茶葉製造工程で粉砕された粉砕緑茶葉の状態で、該粉砕緑茶葉に対して、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比という水分含量が非常に制限された状態で混合して、反応を行なうことにより、反応が、飛躍的に進行することを見い出した。この特定条件での粉砕緑茶葉の酵素処理により、従来の方法では得られなかった、乾燥緑茶葉中の香味成分の効果的な変換が可能となった。更に、該方法を用いて、緑茶茶葉の品質を改質し、該茶葉を抽出処理することにより、香味の優れた高香味緑茶抽出液を製造することが可能となった。
すなわち、本発明の緑茶抽出液の製造方法は、乾燥緑茶葉を粉砕した或いは緑茶葉製造工程で粉砕された、粉砕緑茶葉と、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比で混合して反応を行なったのち、水もしくは温水で抽出することにより、香味の優れた緑茶抽出液を製造する方法からなる。本発明において、乾燥緑茶葉の粉砕度は、20メッシュパス成分が50重量%以上の粉砕度であることが好ましい。また、本発明においては、粉砕緑茶葉と、酵素溶液との反応終了後、一旦乾燥するか、若しくは湿潤状態のまま密封容器に充填した後殺菌することにより、処理後の加工茶葉を流通、保存の便に供することができる。本発明において、緑茶抽出液の香味成分の変換のために、粉砕緑茶葉と、酵素溶液との反応に使用する特に優れた酵素として、ポリフェノールオキシダーゼ、β−グリコシダーゼ、リパーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼ、インベルターゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ及びデアミナーゼを挙げることができる。
すなわち具体的には本発明は、(1)荒茶段階にまで加工された乾燥緑茶葉を粉砕した或いは緑茶葉製造工程で粉砕され、該乾燥緑茶葉の粉砕度が、20メッシュパス成分が50重量%以上の粉砕度である粉砕緑茶葉と、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比で混合して反応を行なったのち、水若しくは温水で抽出することを特徴とする香味の優れた緑茶抽出液の製造法や、(2)粉砕緑茶葉と、酵素溶液の重量比が、1:0.2〜1:3の重量比であることを特徴とする上記(1)記載の香味の優れた緑茶抽出液の製造法や、(3)酵素溶液の量が、茶葉と混合した際に、当該混合物から水分が分離してこない範囲であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の香味の優れた緑茶抽出液の製造法や、(4)粉砕緑茶葉と、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比で混合して反応を行なったのち、加熱処理を行うことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか記載の香味の優れた緑茶抽出液の製造法からなる。
また本発明は、(5)粉砕緑茶葉と、酵素溶液との反応に使用する酵素が、ポリフェノールオキシダーゼ、β−グリコシダーゼ、リパーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼ、インベルターゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ及びデアミナーゼから選択される1又は2以上の酵素であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか記載の香味の優れた緑茶抽出液の製造法や、(荒茶段階にまで加工された乾燥緑茶葉を粉砕した或いは緑茶葉製造工程で粉砕され、該乾燥緑茶葉の粉砕度が、20メッシュパス成分が50重量%以上の粉砕度である粉砕緑茶葉と、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比で混合して反応を行なったのち、一旦乾燥するか、若しくは湿潤状態のまま密封容器に充填した後殺菌することによって調製した、高香味緑茶抽出液調製用の緑茶茶葉の製造法や、(7)上記(6)記載の緑茶抽出液調製用の緑茶茶葉を、水若しくは温水で抽出することを特徴とする香味の優れた緑茶抽出液の製造法からなる。
本発明の緑茶抽出液の製造方法は、原料緑茶茶葉の含有香味成分を酵素溶液との反応を促進して、効果的に変換することを可能とする。そして、従来の方法では難しかった、荒茶段階以降の原料緑茶茶葉の含有香味成分の変換を可能として、原料緑茶茶葉に高香味を付与して、該茶葉から香味に特徴付けられた緑茶抽出液を製造する方法を提供する。本発明により、新しい香味を有する抽出液を創出できる。
本発明は、乾燥緑茶葉を粉砕した或いは緑茶葉製造工程で粉砕された、粉砕緑茶葉と、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比で混合して反応を行なったのち、水もしくは温水で抽出することを特徴とする香味の優れた緑茶抽出液の製造法からなる。
本発明の緑茶抽出液の製造法に用いられる乾燥緑茶葉は、通常、緑茶葉とよばれるものであっていわゆる荒茶段階にまで加工されていればよい。このとき水分量は、概ね6重量%以下である。本発明においては、該乾燥緑茶葉を、粉砕して粉砕緑茶葉の状態で、酵素溶液と反応させる。粉砕緑茶葉を調製するには、乾燥緑茶葉を通常の粉砕機を用いて粉砕すればよい。また、粉砕緑茶葉は、緑茶葉の製造工程で粉砕された、粉茶とよばれる製茶工程の副産物を用いてもよい。粉砕緑茶葉の粉砕の細かさ(粉砕度)は、20メッシュパス成分が50重量%以上(50〜100重量%)の粉砕度であることが好ましく、70重量%以上が最も好ましい。
本発明の緑茶抽出液の製造法に用いられる酵素溶液としては、基本的には、茶葉に対して反応して抽出液の香味変化が確認できるものであって、食品衛生法上使用が認められている酵素であれば、何れの酵素でも用いることができる。具体的には、アミラーゼ、グルコアミラーゼ、CGTase、デキストラナーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、グルコースイソメラーゼ、キシラナーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ、インベルターゼなどの糖質に作用する酵素、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、デアミナーゼ、トランスグルタミナーゼなどのタンパク質・ペプチドに作用する酵素、リパーゼ、エステラーゼなどの脂質に作用する酵素、そのほかのカタラーゼ、オキシダーゼ、ヌクレアーゼ、グルタミナーゼなどを、挙げることができる。その中でも特徴ある香味の付与という観点ではβ−グリコシダーゼ(WO2003/056930号公報)、ポリフェノールオキシダーゼ、リパーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼ、インベルターゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ及びデアミナーゼが好ましい。これらは必ずしも単一で使用する必要はなく、効果を見て、2種以上を組み合わせて使用することができる。また、数種の酵素が混ざった複合酵素の形で使用しても良い。酵素の使用量は、反応による効果が生じれば特に限定はない。その具体的範囲は、その活性の強さや製剤中の賦形剤の含量で大きく変わってくるので一概には決めかねるが、一般には茶葉に対して0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%程度である。
本発明の緑茶抽出液の製造方法において酵素溶液との反応は、水分含量を制限した状態でおこなわれる。これは従来の緑茶葉に対する酵素処理が、同時に成分を抽出することを目的としていたために、比較的大量の水分量下でおこなわれていたことと大きく異なる。すなわち、本発明の緑茶抽出液の製造法における酵素溶液との反応に際しての水分量は、茶葉中に酵素が分散して反応が十分に進行するのに必要な量であり、かつ反応中に茶成分が水分に移行しない量、具体的には茶葉重量の0.2倍から5倍程度(粉砕緑茶葉に対して酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比)である。なお、本発明でいう「酵素溶液」は予め水に酵素を溶解したもののみならず、茶葉と水とを混合したのちに酵素を添加、混合すること、或いは、逆に茶葉と酵素を混合したのちに水を添加、混合することもできる。つまり、結果として茶葉の0.2〜5倍量の酵素溶液を添加することになればよい。
好ましい酵素溶液量の上限は、使用する茶葉の性質によって変化するが、茶葉と混合した際に「当該混合物から水分が分離してこない範囲」であることが望ましい。本発明における「当該混合物から水分が分離してこない範囲」とは、以下の方法で定義することができる。すなわち、該「水分が分離してこない範囲」とは、原料茶葉10gに対し所定量の酵素溶液を混合したものを50℃で2時間放置した後、200メッシュステンレス円形金網(目開き75μm、直径75mm)に載せて均一に広げて5分間放置した際に、分離した水分が5ml以下であることを指す。この方法を本発明において「分離水分判定法」と呼ぶこととする。また、乾燥茶葉と酵素溶液の重量比が1:3以下であれば水分の分離がより少ないので好ましい。更には、本発明の一形態である、反応後に一旦乾燥させた後に抽出するような場合には、乾燥効率の面から、より少ない水分含量、すなわち茶葉と酵素溶液の重量比が1:2以下、最も好ましくは1:1以下がよい。一方、好ましい酵素量の下限は、茶葉に対する重量が0.5倍のときであって、それ以上であると酵素溶液との反応がより効果的に進む。
このとき特に低水分量の場合には酵素処理の原料となる乾燥茶葉自体が有する水分量が影響する。本発明でいう茶葉重量の0.2倍量とは、水分量6%以下の乾燥茶葉を使用した場合の比率を指す。したがって、それ以上の水分量を有する乾燥茶葉を使用する場合には、超過相当分の水分量を勘案して更に酵素溶液量を減らしてもよいことになる。酵素反応において、該水分量を保持するために、反応中変化がないように密封した環境で行なうことが好ましい。また、反応速度の制御の目的で、適宜攪拌等の物理操作を組み入れることができる。
本発明の緑茶抽出液の製造法における酵素処理に際しては、用いる酵素により、酵素液のpHの調節を行なうことが好ましい。例えば、特定のポリフェノールオキシダーゼ、β−グリコシダーゼ、プロテアーゼ、インベルターゼなどの場合には、酸性条件下で、酵素反応を行なうのが好ましく、アスコルビン酸やクエン酸、乳酸などの酸性物質との共存下で反応させると反応中の品質劣化を抑制できることから望ましい。酵素処理に際しての、反応温度、反応時間、用いる酵素量等のその他の酵素処理条件については、用いる酵素に応じて、適宜、最適の条件を定めることができる。ただし、反応温度は、微生物管理上45℃以上、更には50℃以上が望ましい。なお、酵素処理終了後は、加熱、マイクロ波照射など、公知の方法により酵素を失活させた方が、香味の安定化という点で望ましい。加熱処理の好適例としては100℃で10分から60分間相当があげられる。好ましくは100℃で20分から40分間相当である。
本発明の緑茶抽出液の製造法において、抽出は、通常の緑茶抽出液の製造における抽出操作に従って行われる。すなわち、茶葉の10倍〜50倍程度の抽出水を用いる。その温度は常温から沸騰水まで適宜使用できる。時間も数分から数時間まで選択できる。短時間の場合には、ろ過、遠心分離などの固液分離工程を経て、緑茶飲料の調合液に使用できるし、比較的長時間かけて抽出する場合にはいわゆる緑茶エキスとして飲料原料として使用するのが普通である。抽出液からそのまま緑茶飲料を製造する場合には、通常の方法に則り、必要な原材料を混合して、調合液を製造した後、殺菌を行い、PET、缶等の容器に充填し、製品化する。一方、緑茶エキスにする場合には、通常の後処理工程を経た後に、そのまま、或いは、濃縮した後に、殺菌し、缶などの容器に充填し、製品化する。場合によっては、スプレードライ、フリーズドライなどの公知の乾燥手段を用いて、乾燥、粉末化することも可能である。
酵素溶液と反応した茶葉は通常の方法、すなわち、加熱乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥などの方法により、水分を5重量%以下程度まで減らすことにより通常の製茶した茶葉と同様の取り扱いが可能になる。また、湿潤状態のままレトルトパウチや金属缶のような密封容器に充填したのちに殺菌することでも同様に扱えるようになる。これらの場合には、それぞれ酵素処理した複数の酵素処理茶葉を混合したものを抽出に供することもできるし、また、酵素処理した茶葉を、通常の緑茶葉に適量混合して使用しても良い。このように、酵素処理茶葉を組み合わせることにより、抽出液の香味を自由に設計できるのも本発明の優れた点である。
本発明においては、酵素溶液との反応が、飛躍的に進行するため、香味成分の変換に充分な反応が達成でき、しかも、該反応が、抽出操作とは異なる工程で行なわれるため、緑茶抽出液の抽出は、酵素溶液との反応条件に左右されずに実施でき、その結果、香味の豊かな緑茶抽出液を得ることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[実施例1、比較例1]
(実施例1):20メッシュパス成分が80重量%以上になるまでに粉砕した荒茶葉10gに対し、ポリフェノールオキシダーゼ(ラッカーゼダイワY120;大和化成)100mgとビタミンC300mgを添加したイオン交換水20gをよく混合した。その後、水分蒸発防止のためにラップしたうえで、35℃で12時間放置した。
(比較例1):酵素を添加しない以外は全く同様に調製したものを35℃で12時間放置した。
なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。
これらの処理茶葉を100℃のオーブンで、30分間置いて酵素を失活させると同時に殺菌をおこなって加工茶葉を得た。加工茶葉を70℃の熱水300mlに入れて時々攪拌しながら6分間抽出した。これを固液分離した後、得られた抽出液をビタミンCと重曹を用いて調整をおこないpH6.5の緑茶飲料1000gを調製した。調製した緑茶飲料を、パネリスト7名による官能評価をおこなったところ、実施例1の飲料は、比較例1の飲料に比べてはるかに香りの質が高く、華やかな甘い匂いが非常に強く感じられた。
[比較例2〜6]
(比較例2):実施例1で使用した荒茶葉10gを粉砕せずに重量比30倍の70℃の熱水で6分間抽出した後、濾過して茶葉を取り除き、緑茶抽出液を得た。この抽出液を、300mlに調整したのち、ポリフェノールオキシダーゼを100mg、ビタミンCを300mgになるように添加した上で、35℃、12時間放置した。
(比較例3):比較例2と全く同じように調製したものを55℃で、30分間放置した。
(比較例4):比較例2と全く同じように調製したものを55℃で、2時間放置した。
(比較例5):酵素を加えない以外は、上記比較例と全く同様に調製したものを35℃12時間放置した。
(比較例6):茶葉を粉砕しない以外は、実施例1と全く同様にして、酵素溶液と反応させた後、緑茶飲料を得た。
(評価)
比較例2−5の各抽出液については、ビタミンC,重曹を用いて茶葉使用率1%、pH6.5になるような緑茶飲料を調製した後、比較例6の緑茶飲料と合わせて官能評価をおこなった。酵素無添加の比較例5に対して、比較例2は香味の変化は認められたが、実施例1に比べると香りの質ははるかに悪く、実施例1で感じられた甘さもほとんど感じられなかった。反応時間を短くした、比較例3及び4でも同様な傾向であった。これらのことから明らかなように、抽出液に酵素処理しても実施例1で得られた優れた香気の抽出液は得られない。また、比較例6も、香味の変化が少なく、香りの質も悪かった。香味成分を変換して高香味を得るには、茶葉の粉砕が必須であることが示された。
[実施例2、比較例7]
原料となる茶葉を、20メッシュパス成分が80重量%以上になるまでに粉砕した煎茶に変えた以外は、実施例1及び比較例1と全く同様にして、実施例2と比較例7の緑茶飲料を得た。なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、いずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。
(評価)
評価の結果、実施例1及び比較例1と同様な傾向の結果が得られたが、その効果は実施例1の方が、実施例2よりも感じる甘さがより上品であり高評価であった。
[実施例3、4、5、比較例8]
(実施例3、比較例8):煎茶の粉茶(20メッシュパス成分が90重量%以上)、酵素をβ―グリコシダーゼ(天野エンザイム)に変えた以外は実施例1、比較例1と全く同様にして実施例3、比較例8の緑茶飲料を得た。なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、いずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。
(実施例4、実施例5):更に、アスコルビン酸を添加しない、もしくは等量のクエン酸に変えて、実施例4、実施例5の緑茶飲料を得た。
(評価)
これらの官能評価をおこなった。比較例8に比べて、実施例3は清涼感のあるグリーン感のある花様の香りを非常に強く感じた。実施例4はその傾向が少し抑えられ、一方、実施例5は香りの強さゆえに感じた合成的、薬品的な匂いが消えてさわやかな香りになり非常に好ましかった。
[実施例6、7、比較例9]
(実施例6、7、及び比較例9):反応を55℃4時間で行うこと以外は、実施例3、4および比較例8と同様にして実施例6、7および比較例9を得た。
(評価)
実施例3、4、比較例8と同様の香味傾向が確認できた。ただし、香気の質は実施例3,4および比較例8よりもさわやかで上品なものであった。
[実施例8〜13、比較例10]
粉砕した煎茶10g(20メッシュパス成分が60重量%以上)に対し、表1に示す各酵素150mgを添加した、若しくは添加しないイオン交換水20gをよく混合したあと、水分蒸発防止のためにラップしたうえで、35℃で12時間放置した。なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、いずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。これらの処理茶葉を100℃のオーブンで20分間置いて酵素を失活させると同時に殺菌をおこなって加工茶葉を得た。加工茶葉を75℃の熱水300mlに入れて時々攪拌しながら4分間抽出した。これを固液分離した後、得られた抽出液をビタミンCと重曹を用いて調整をおこないpH6.5の緑茶飲料1000gを調製した。7名のパネリストにより官能評価をおこなった。
[実施例14〜16、比較例11]
(実施例14、15、16):20メッシュパス成分が70重量%以上になるまでに粉砕した煎茶葉10gに対し、β―グリコシダーゼ(天野エンザイム)50mg、100mg、200mgをそれぞれ添加したイオン交換水20gをよく混合した。その後、水分蒸発防止のためにラップしたうえで、40℃で8時間放置した。なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、いずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。これらの処理茶葉を100℃のオーブンで10分間置いて酵素を失活させると同時に殺菌をおこなって加工茶葉を得た。これを真空乾燥機中で乾燥して乾燥加工茶葉(水分含量3%以下)を得た。この乾燥加工茶葉を60℃の熱水300mlに入れて時々攪拌しながら10分間抽出した。これを固液分離した後、得られた抽出液をビタミンCと重曹を用いて調整をおこないpH6.5の緑茶飲料1000gを調製した。更に、これを通常の方法に従い容器(ビン)につめてからレトルト殺菌をおこない、容器詰め飲料である実施例14〜16を調製した。
(比較例11):酵素を添加しない以外は全く同様にして比較例11を調製した。
(評価)
上記、実施例14〜16、比較例11の容器詰め飲料について、官能評価をおこなった。比較例11は、香りが平坦で弱かったのに対し、実施例ではフローラルグリーンの華やかな香気が感じられた。その強さは酵素の量が増えるにしたがって強くなった。酵素量が一番少ない実施例14でも比較例との香味差は十分に感じられた。加工茶葉を一旦乾燥させた後に抽出作業をおこない、更に、抽出液を容器詰めにして殺菌しても本発明の効果が十分に発揮できた。
[実施例17、比較例12]
(実施例17):20メッシュパス成分が90重量%以上の荒茶葉10gに対して、ラクターゼ(ラクターゼ F「アマノ」)500mgとビタミンC300mgを溶かした酵素溶液20gを混ぜた後に、60℃で18時間放置した。なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、いずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。
反応終了後、100℃で20分間加熱して反応茶葉を得た。この処理茶葉を80℃の熱水300mlに入れて時々攪拌しながら10分間抽出した。茶葉を分離したのちに、得られた抽出液に対して、ビタミンCと重曹を用いて、pH6.5の実施例17の緑茶飲料1000gを調製した。
(比較例12):酵素を添加しない以外は全く同様にして比較例12を調製した。
(評価)
実施例17は、比較例12に比べて、甘い香りが目立ち、華やかでフルーティな香気を感じて高評価だった。
[実施例18、比較例13]
(実施例18):酵素をインベルターゼ(スミチームINV)250mgに変えて、反応温度を50℃に変えた以外は全く同様にして、実施例18の緑茶抽出液を得た。
(比較例13):酵素を添加しない以外は全く同様にして比較例13を調製した。
(評価例)
実施例18は、比較例13と比べて、シャープで切れのある花様の香りが目立った。マスカットのような青く、かつナチュラルな香気が感じられて好評価だった。
[実施例19−22、比較例14−19]
(実施例19、20、21、22):20メッシュパス成分が80重量%以上の煎茶10gに対して、各種プロテアーゼを加えた酵素溶液20gを加えてよく混合し、50℃15時間反応させた。なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、いずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。プロテアーゼとしてプロテアーゼ M「アマノ」G150mg(実施例19)を使用する場合にはビタミンC300mgを同時に溶解した。プロテアーゼ N「アマノ」G150mg(実施例20)、サモアーゼ Y320(大和化成)150mg(実施例21)及びパンチダーゼNP−2(ヤクルト薬品工業)300mg(実施例22)使用の際にはビタミンCは添加しなかった。反応終了後、ビタミンCを使用していない酵素溶液を使用したものについては、ビタミンCをそれぞれ粉末の形態で300mg添加して混合した。そして、100℃、20分間加熱処理を行なった。
(比較例14、15、16、17):粉砕していない茶葉を使用する以外は、実施例19−22と全く同様にして、比較例14−17を調製した。
(比較例18):酵素を添加しない以外は、全く同様にして比較例18を調製した。
これら処理茶葉を80℃の熱水300mlに入れて時々攪拌しながら10分間抽出した。茶葉を分離したのちに、得られた抽出液に対して、ビタミンCと重曹を用いて、pH6.5の実施例19−22及び比較例14−18の緑茶飲料1000gを調製した。
(比較例19):実施例19−22で使用した煎茶10gを未粉砕のまま、80℃の熱水300mlに入れて、時々攪拌しながら10分間抽出した。茶葉を取り除いて、再度300mlに調整した後、プロテアーゼM「アマノ」G150mg、ビタミンC300mgを添加して、50℃15時間放置した。反応終了後、ビタミンCと重曹を用いてpH6.5の緑茶飲料1000gを調製した。
(評価例)
粉砕した茶葉を用いた実施例19−22は、未粉砕煎茶を用いた比較例14−17に比べて、はるかに旨味とコク味が強かった。比較例14−17は、実施例19−22に比べて劣化香味が目立ち、また、茶葉の褐色化も進んで飲料にした場合の液色の点でも問題があった。酵素を加えていない比較例18は、旨味、コク味が感じられなかった。抽出液に酵素を加えた比較例19は、旨味、コク味がほとんど感じられず、また、反応中に風味劣化を起こすという問題があった。
[実施例23−32、比較例20−24]
プロテアーゼ(プロテアーゼ M「アマノ」G100mgもしくはインベルターゼ(スミチームINV200mg)とビタミンC300mgを含み、液量を変化させた酵素溶液を調製した。これらを20メッシュパス成分が90重量%以上の荒茶葉(水分量5重量%)10gに対してそれぞれよく混合して50℃15時間反応させた。なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、いずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。反応終了後、100℃20分間加熱処理した。これら処理茶葉を80℃の熱水300mlに入れて時々攪拌しながら10分間抽出した。茶葉を分離したのちに、得られた抽出液に対して、ビタミンCと重曹を用いて、pH6.5の緑茶飲料1000gを調製した。また酵素を添加しないで溶液量を15gにした以外は、全く同様にして比較例を調製した。
(評価)
プロテアーゼについての評価結果を表2に、インベルターゼについての評価結果を表3に示した。プロテアーゼはコク味の強度を指標にして、それぞれの反応の進み具合を評価した。表2中、コク味評価は、次の指標で示す:−;感じない、±殆ど感じない、+感じる、++強く感じる、+++非常に強く感じる。また、インベルターゼは花様の香気の強さを指標にして、それぞれの反応の進み具合を評価した。表3中、花様の香気の強さは、次の指標で示す:花様香気評価 −;感じない、±殆ど感じない、+感じる、++強く感じる、+++非常に強く感じる。
[実施例33、34、比較例25]
20メッシュ成分70重量%以上の粉砕煎茶20gに対して、プロテアーゼM「アマノ」G200mg、ビタミンC600mgを水に溶かした酵素溶液40gを加えてよく混合して、50℃で15時間反応させた。なお、同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物は、いずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。反応後の茶葉をカウパックレトルトパウチNACF−101に充填して空気を抜いて密封し、121℃20分間のレトルト殺菌をおこなった。殺菌後の茶葉を全量用いて、80℃の熱水600gで5分間抽出したのち、茶葉を除去してから冷却し、茶葉使用率1%となるように希釈し、ビタミンCと重曹でpH6.5に調整した。更に、ビン容器に充填して、レトルト殺菌をおこない実施例33の緑茶飲料を調製した。酵素をβ−グリコシダーゼ300mgに変えた以外は全く同様にして、また酵素を全く使用しない以外は全く同様にして、それぞれ実施例34、比較例25の飲料を調製した。
(評価)
プロテアーゼ処理した実施例33は比較例25にはない強い旨みとコク味を感じ、βーグリコシダーゼ処理した実施例34は華やかな香りを感じた。処理茶葉を湿潤状態のままレトルト殺菌しても効果は保持されていた。
[実施例35−48、比較例26、27]
各種酵素を用いて、茶葉に対する酵素溶液量(倍率)と「分離水分判定法」及び香気との関係について試験した。分離水分判定試験として、煎茶粉砕茶葉(20メッシュパス80重量%以上:以降A)と荒茶粉砕茶葉(20メッシュパス90重量%以上:以降B)10gに対して、水分量、酵素種類を変えて50℃15時間反応を行なった。同様に調製した茶葉―酵素溶液混合物の分離水分判定結果を表4に示す。表中、分離水分判定結果、○のものは本発明の実施例を、×のものは比較例を示す。
反応終了後、100℃で20分間加熱処理した。これら処理茶葉を80℃の熱水300mlに入れて時々攪拌しながら10分間抽出した。茶葉を分離したのちに、得られた抽出液に対して、ビタミンCと重曹を用いて、pH6.5の緑茶飲料1000gを調製した。官能評価により、それぞれの酵素反応の大きさを評価した。結果を、表4に示す。
[実施例49、比較例28]
粉砕した茎茶10g(20メッシュパス成分が60重量%以上)に対して、プロテアーゼ(プロテアーゼM「アマノ」G)20mgとインベルターゼ(スミチームINV)100mg、ビタミンC300mgを溶かした酵素溶液20gを混ぜた後に50℃で4時間反応させた。なお、同様に反応させた茶葉−酵素溶液混合物はいずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。反応終了後、100℃で10分間加熱して反応茶葉を得た。この反応茶葉を65℃の温水400mlに入れて時々攪拌しながら6分間抽出した。茶葉を分離した後に、得られた抽出液に対してビタミンCと重曹を用いて、pH6.5の実施例49の緑茶飲料1000gを調製した。酵素を添加しない以外は全く同様にして比較例28を調製した。
(結果)
実施例49は、比較例28よりもグリーン感、フルーツ感が強くふくらみのある香味で好ましかった。
[実施例50、比較例29]
粉砕したほうじ茶10g(20メッシュパス成分が60重量%以上)に対して,プロテアーゼ(プロテアーゼM「アマノ」G)100mgとビタミンC300mgを溶かした酵素溶液20gを混ぜた後に、50℃で6時間反応させた。なお、同様に反応させた茶葉−酵素溶液混合物はいずれも分離水分判定法により好ましい水分範囲と判定された。反応終了後、100℃で20分間加熱して反応茶葉を得た。この反応茶葉を75℃の温水400mlに入れて時々攪拌しながら6分間抽出した。茶葉を分離した後に、得られた抽出液に対してビタミンCと重曹を用いて、pH6.5の実施例50の緑茶飲料1000gを調製した。
酵素を添加しない以外は全く同様にして比較例29を調製した。
(結果)
実施例50は、比較例29よりも味の厚みに幅がでて、旨みの強いほうじ茶になり好ましかった。

Claims (7)

  1. 荒茶段階にまで加工された乾燥緑茶葉を粉砕した或いは緑茶葉製造工程で粉砕され、該乾燥緑茶葉の粉砕度が、20メッシュパス成分が50重量%以上の粉砕度である粉砕緑茶葉と、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比で混合して反応を行なったのち、水若しくは温水で抽出することを特徴とする香味の優れた緑茶抽出液の製造法。
  2. 粉砕緑茶葉と、酵素溶液の重量比が、1:0.2〜1:3の重量比であることを特徴とする請求項1記載の香味の優れた緑茶抽出液の製造法。
  3. 酵素溶液の量が、茶葉と混合した際に、当該混合物から水分が分離してこない範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の香味の優れた緑茶抽出液の製造法。
  4. 粉砕緑茶葉と、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比で混合して反応を行なったのち、加熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の香味の優れた緑茶抽出液の製造法。
  5. 粉砕緑茶葉と、酵素溶液との反応に使用する酵素が、ポリフェノールオキシダーゼ、β−グリコシダーゼ、リパーゼ、クロロゲン酸エステラーゼ、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼ、インベルターゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ及びデアミナーゼから選択される1又は2以上の酵素であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の香味の優れた緑茶抽出液の製造法。
  6. 荒茶段階にまで加工された乾燥緑茶葉を粉砕した或いは緑茶葉製造工程で粉砕され、該乾燥緑茶葉の粉砕度が、20メッシュパス成分が50重量%以上の粉砕度である粉砕緑茶葉と、酵素溶液を1:0.2〜1:5の重量比で混合して反応を行なったのち、一旦乾燥するか、若しくは湿潤状態のまま密封容器に充填した後殺菌することによって調製した、高香味緑茶抽出液調製用の緑茶茶葉の製造法。
  7. 請求項6記載の緑茶抽出液調製用の緑茶茶葉を、水若しくは温水で抽出することを特徴とする香味の優れた緑茶抽出液の製造法。
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