JP2019195320A - 新香味茶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、緑茶、半発酵茶、発酵茶のうち、少なくとも2種類以上の茶種の香味を調和して含有する香味バラエティに富んだ新香味の茶製品を製造する方法を提供することにある。【解決手段】緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程において、萎凋工程の有無に関わらず、内在性酵素を不活化した茶葉と、内在性酵素の活性が残存する茶葉を混合し、活性残存酵素の作用により、香味変化を促すことで、緑茶、半発酵茶のいずれか、又は両方の香味と、発酵茶の香味を調和して含有する茶葉を製造する方法、又は、内在性酵素を不活化した茶葉と、萎凋工程後に内在性酵素を不活化した茶葉を、前記粗揉又は揉捻工程で混合することで緑茶及び半発酵茶の香味を調和して含有する茶葉を製造する方法を提供する。

Description

本発明は、緑茶、半発酵茶、発酵茶のうち、少なくとも2種類以上の茶種の香味を調和して含有する新しい香味を持った茶製品を製造する方法に関する。
緑茶、半発酵茶、発酵茶は、外観や香味も異なる茶であるが、すべて同一の植物種、即ちCamellia sinensisから製造されている。
日本で最も多く製造されている緑茶は、一般的には摘採後すぐに蒸熱又は釜炒りにより、酵素を不活化して製造される。そのため、アミノ酸やカテキン類を豊富に含み、旨味や甘味、適度な渋味が調和した味わいになっており、香気バランスは、グリーン様の香りの比重が大きく、非常にフレッシュで繊細な香味になっている。
中国で生産される半発酵茶は、酵素を不活化する前に、茶生葉を萎凋させる。この工程中に、茶の細胞内に含まれる香気配糖体から、糖加水分解酵素の働きにより、ゲラニオール、リナロール、リナロールオキサイドI、リナロールオキサイドII、リナロールオキサイドIII、リナロールオキサイドIV、ベンジルアルコール、2−フェニルアルコール、サリチル酸メチルなどの香気成分が生成される。そのため、半発酵茶には花様の香りが感じられる。
また、発酵茶は、萎凋工程に加えて、発酵工程を経て製造される。発酵茶特有の水色や香味形成に寄与しているテアフラビン類やテアルビジン類は、発酵工程において、ポリフェノールオキシダーゼにより、カテキン類が酸化されて生成される。
以上のように、茶は製造工程の違いにより、様々な香味に変化する非常に香味バラエティに富んだ食品原料であり、多様化する消費者ニーズに応えるためには、一つの茶種に拘らず、横断的に複数の茶種の良さを組み合わせた商品開発を行うことが必要である。
特許文献1では、発酵した茶汁と未発酵の茶物質を組み合わせることで、発酵茶の特徴を有しながら、緑茶リーフティーのものに近いカテキン含量を有する煎出物の調製が可能なリーフティーの製造方法を開示している。特許文献2では、乾燥茶葉に、茶生葉の破砕物を含む水懸濁液を混合し、一定温度で発酵後、酵素失活処理し、乾燥することで、高い香気を有すると共に、緑茶の風味も維持された新しい香味の半発酵茶の製造方法を開示している。特許文献3では、酵素活性残存茶葉と水(その他酵母エキス、アスコルビン酸、塩化マグネシウムを含む場合あり)をミキサーで混合及び破砕し、そのろ液と緑茶葉を混合し、該混合物を容器または袋に密封して、一定温度で発酵させた後、酵素失活処理を施すことを特徴とする発酵茶ペーストの製造方法を開示している。
しかしながら、特許文献1は、発酵茶の香味特徴を維持しながら、緑茶並みのカテキン類を含むリーフ茶の製造方法、特許文献2及び3は、半発酵茶及び半発酵茶ペーストの製造方法であり、本発明のように、緑茶、半発酵茶、発酵茶のうち、少なくとも2種類以上の茶種の香味を調和して含有する新香味茶葉の製造方法とは異なる。
特開2011−200228
特願2012−201310
特開2014−187982
本発明の目的は、緑茶、半発酵茶、発酵茶のうち、少なくとも2種類以上の茶種の香味を調和して含有する香味バラエティに富んだ新香味の茶製品を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程において、萎凋工程の有無に関わらず、内在性酵素を不活化した茶葉と、内在性酵素の活性が残存する茶葉を混合し、活性残存酵素の作用により、香味変化を促すことで緑茶、半発酵茶のいずれか、又は両方の香味と、発酵茶の香味を調和して含有する茶葉を製造できること、また、内在性酵素を不活化した茶葉と、萎凋工程後に内在性酵素を不活化した茶葉を、前記粗揉又は揉捻工程で混合することで緑茶及び半発酵茶の香味を調和して含有する茶葉を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、より具体的には、本発明は、[1](A)内在性酵素を不活化した茶葉と、(B)茶生葉の水分含量を減少させる萎凋工程後に内在性酵素を不活化した茶葉と、(C)茶生葉又は萎凋工程を経た内在性酵素の活性が残存する茶葉を、緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程で混合し、(C)由来の活性残存酵素の働きにより、香味変化を促すことで、緑茶、半発酵茶、発酵茶の香味を調和して含有する新香味茶の製造方法や、[2]前記(A)、(B)、(C)の混合比率が、茶生葉重量比で、(A):(B):(C)=1〜8:1〜8:1〜8の範囲内である[1]の新香味茶の製造方法や、[3]前記(A)と前記(B)を、緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程で混合し、緑茶及び半発酵茶の香味を調和して含有する新香味茶の製造方法や、[4]前記(A)と前記(B)の混合比率が、茶生葉重量比で、(A):(B)=1〜9:1〜9の範囲内である[3]に記載の新香味茶の製造方法や、[5]前記(A)と前記(C)を、緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程で混合し、(C)由来の活性残存酵素の働きにより、香味変化を促すことで、緑茶及び発酵茶の香味を調和して含有する新香味茶の製造方法や、[6]前記(A)と前記(C)の混合比率が、茶生葉重量比で、(A):(C)1〜9:1〜9の範囲内である[5]の新香味茶の製造方法や、[7]前記(B)と前記(C)を、緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程で混合し、(C)由来の活性残存酵素の働きにより、香味変化を促すことで、半発酵茶及び発酵茶の香味を調和して含有する新香味茶の製造方法や、[8]前記(B)、(C)の混合比率が、茶生葉重量比で、(B):(C)=1〜9:1〜9の範囲内である[7]に記載の新香味茶の製造方法や、[9]前記萎凋工程が湿量基準水分含量を60%以下まで減少させる工程である[1]〜[8]のいずれかの新香味茶の製造方法や、[10]蒸製緑茶製造における蒸熱、炒製緑茶製造における釜炒り、マイクロ波を利用した加熱のうち、いずれかの方法で加熱処理を加えて、内在性酵素の活性度を弱めた前記(C)を用いた[1]〜[2]、[5]〜[8]のいずれかの新香味茶の製造方法や、[11]緑茶製造工程における揉捻工程後、15〜25℃の室温で、60〜120分の発酵工程を設けた[1]〜[2]、[5]〜[8]のいずれかの新香味茶の製造方法や、[12][1]〜[11]のいずれかの方法で製造した茶製品からなる。
[茶生葉]
本発明に用いられる茶は、発酵茶、半発酵茶、又は不発酵茶のいずれかの製造に使用される茶葉であればどれを用いても良く、特に限定されない。即ち、Camellia sinensis var. sinensis、Camellia sinensis var.assamica、及びそれらの近縁種から収穫された葉や茎であれば、いずれも利用できる。
[(A)内在性酵素を不活化した茶葉]
本発明における(A)内在性酵素を不活化した茶葉は、一般的な緑茶製造と同様に蒸熱又は釜炒りによって製造することができる。蒸熱は、茶生葉を飽和水蒸気で蒸して、酵素を不活化させる方法である。蒸熱は蒸し機を使用して行われるが、蒸し機には送帯式蒸し機と網胴回転撹拌式蒸し機の2種類があり、本発明では、種類の限定を受けず、どちらも利用することができる。また、蒸し時間は15秒以上が望ましい。釜炒りは、350〜400℃に熱した円筒釜内で茶生葉を炒り、釜からの伝導熱と茶生葉から気化した水蒸気で、茶生葉を加熱して、酵素を不活化させる。炒り葉機は、連続式、1円筒2固定釜式など、いくつかあるが、本発明では、いずれを利用することができる。また、上記以外に、茶生葉へマイクロ波を照射し、茶生葉中の水分を加熱することを利用して、酵素を不活化させて、製造することもできる。
[(B)茶生葉の水分含量を減少させる萎凋工程後に内在性酵素を不活化した茶葉]
本発明における(B)茶生葉の水分含量を減少させる萎凋工程後に内在性酵素を不活化した茶葉は、半発酵茶に感じられるような十分な萎凋香を発揚させるための萎凋工程後、茶内在性酵素を不活化して製造される。そのために、本萎凋工程では、茶生葉の湿量基準水分含量を60%以下、好ましくは60〜50%に減少させることが好ましい。萎凋中の環境温度は、10〜35℃、好ましくは15〜20℃が好ましい。本萎凋工程では、太陽光の熱で、茶生葉から水分の蒸発を加速させる日光萎凋、茶生葉を静置して萎凋させる室内萎凋、人工萎凋機を用いた萎凋、いずれか、又は複数の方法を合わせて利用することができる。また、萎凋香の発揚を強めるために、茶生葉を、攪拌、細断、圧迫、刺突等で、傷つけることで、萎凋工程における茶生葉の発酵度合を促進する工程を設けてもよい。内在性酵素を不活化する方法は前記(A)の製造に記載した方法と同様である。
[(C)茶生葉又は萎凋工程を経た内在性酵素の活性が残存する茶葉]
本発明における(C)茶生葉又は萎凋工程を経た内在性酵素の活性が残存する茶葉における茶生葉は、茶内在性酵素の不活化を目的とする操作でなければ、切断、粉砕など、いずれの処理を施した茶生葉を利用することできる。また、(C)における萎凋工程は、前記(B)の製造に記載した方法と同様に行うことができる。さらに、(C)茶生葉又は萎凋工程を経た内在性酵素の活性が残存する茶葉のいずれにおいても、茶内在性酵素を完全に不活しなければ、加熱処理を加えて、茶内在性酵素の活性度を適宜弱めることができる。加熱処理は、前記(A)の製造に記載した方法と同様の方法を用いるが、完全に茶内在性酵素を不活させることを避けるため、蒸熱、釜炒り、マイクロ波による加熱、いずれの工程においても、工程時間を15秒以内に抑えることが好ましい。
[混合工程]
緑茶は一般的に殺青、粗揉、中揉、精揉、乾燥工程を経て製造される。本発明は、前記粗揉又は揉捻工程において、(A)、(B)、(C)のうち、少なくとも2種類以上の茶葉を混合することができる。いずれの工程で混合する場合も、中揉、精揉工程の有無を選択することができる。(A)、(B)、(C)の3種類を混合する場合、(A)、(B)、(C)の混合比率が、茶生葉の重量比で、(A):(B):(C)=1〜8:1〜8:1〜8の範囲内であり、好ましくは、(A)、(B)、(C)の混合比率が等分になるように混合する。(A)、(B)の2種類を混合する場合は、(A)、(B)の混合比率が、茶生葉の重量比で、(A):(B)=1〜9:1〜9の範囲内で混合し、好ましくは、(A)、(B)の混合比率が等分になるように混合する。(A)、(C)の2種類を混合する場合は、(A)、(C)の混合比率が、茶生葉の重量比で、(A):(C)=1〜9:1〜9の範囲内で混合し、好ましくは、(A):(C)=1:1〜9:1の範囲内で混合する。(B)、(C)の2種類を混合する場合は、(B)、(C)の混合比率が、茶生葉の重量比で、(B):(C)=1〜9:1〜9の範囲内で混合し、好ましくは、(B):(C)=1:1〜9:1の範囲内で混合する。前記混合比率は範囲内であれば、目的の香味に沿って、自由に調節することができる。例えば、(A)、(B)、(C)の3種類を混合する場合、緑茶や半発酵茶の香味を中心にしたいのであれば、(A)又は(B)の比率を高めてもよく、発酵茶風の花香を目立たせたい場合は、(C)の比率を高めてもよい。揉捻時間は、目的の香味に合わせて適宜変更できるが、30分〜60分程度が好ましい。また、揉捻工程後に、15〜25℃で、60分〜120分、茶葉を静置して、発酵度合をさらに進めることで、発酵茶香味を強くすることもできる。
[乾燥工程]
本発明は、前記混合工程後、保存に適した水分含量になるまで乾燥する。本乾燥工程は、茶葉を熱風にさらすことで加熱し、茶葉に含まれる水分を、湿量基準含水率5%以下まで乾燥する工程である。本工程における熱風温度は40〜100℃、好ましくは70〜80℃に調整する。本工程は、茶葉中の水分を蒸発させることで乾燥することが出来れば、乾燥方法を限定しない。例えば、恒温通風乾燥機、棚式乾燥機、平型乾燥機、コンテナ式乾燥機、流動床乾燥機、ネット型乾燥機、凍結真空乾燥機などを用いることができる。
〈実施例1〜7、比較例1〜7〉
[(A)内在性酵素を不活化した茶葉]
福寿園CHA遊学パーク内で摘採した“うじみどり”の茶生葉を、摘採後速やかに蒸熱によって内在性酵素を不活化した。蒸熱は、送帯式蒸機2K(カワサキ機工株式会社製)を用いて、蒸気圧25kg/hで、30秒間行い、蒸熱後は速やかに冷却した。蒸熱後の茶葉を、粗揉機2K(カワサキ機工株式会社製)で乾燥し、(A)を得た。
[(B)茶生葉の水分含量を減少させる萎凋工程後に内在性酵素を不活化した茶葉]
前記(A)の製造に利用したものと同茶生葉を、約16mmに切断後、生葉コンテナ100K(カワサキ機工株式会社製)内で、室温、連続通風環境下で、湿量基準水分含量が60%以下になるまで萎凋させた。萎凋後の茶葉は、蒸気圧25kg/hで、30秒間蒸熱し、蒸熱後は速やかに冷却し、(B)を得た。
[(C)茶生葉又は萎凋工程を経た内在性酵素の活性が残存する茶葉]
前記(A)の製造に利用したものと同茶生葉を、生葉コンテナ100K(カワサキ機工株式会社製)内で、室温、連続通風環境下で、湿量基準水分含量が60%以下になるまで萎凋させ、(C)を得た。
[緑茶]
(A)を揉捻機2K(カワサキ機工株式会社製)で、30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥し、緑茶を得た。
[半発酵茶]
(B)を30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥し、半発酵茶を得た。
[萎凋青葉]
(C)を30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥し、萎凋青葉を得た。
[発酵茶]
(C)を30分間揉捻後、120分間静置し、80℃の熱風で乾燥し、発酵茶を得た。
前記(A)、(B)、(C)を、茶生葉重量比で等分になるように混合し、30分間揉捻した。揉捻後の茶葉を80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例1]
前記緑茶、半発酵茶、萎凋青葉を等量ずつ合組し、茶製品を得た。
前記(A)、(B)を、茶生葉重量比で等分になるように混合し、30分間揉捻した。揉捻後の茶葉を80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例2]
前記緑茶、半発酵茶を等量ずつ合組し、茶製品を得た。
前記(A)、(C)を、茶生葉重量比で等分になるように混合し、30分間揉捻した。揉捻後の茶葉を80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例3]
前記緑茶、萎凋青葉を等量ずつ合組し、茶製品を得た。
前記(B)、(C)を、茶生葉重量比で等分になるように混合し、30分間揉捻した。揉捻後の茶葉を80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例4]
前記半発酵茶、萎凋青葉を等量ずつ合組し、茶製品を得た。
前記(A)、(B)、(C)を、茶生葉重量比で等分になるように混合し、30分間揉捻後、120分間静置して、発酵を進めた。静置後の茶葉を80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例5]
前記緑茶、半発酵茶、発酵茶を等量ずつ合組し、茶製品を得た。
前記(A)、(C)を、茶生葉重量比で等分になるように混合し、30分間揉捻後、120分間静置して、発酵を進めた。静置後の茶葉を80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例6]
前記緑茶、発酵茶を等量ずつ合組し、茶製品を得た。
前記(B)、(C)を、茶生葉重量比で等分になるように混合し、30分間揉捻後、120分間静置して、発酵を進めた。静置後の茶葉を80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例7]
前記半発酵茶、発酵茶を等量ずつ合組し、茶製品を得た。
[官能評価1]
前記実施例1〜7、比較例1〜7から2.0gを取り、沸騰させた脱イオン水200mlで5分間抽出した抽出液を用いて、官能評価を行った。結果を表1に示す。実施例1では、緑茶、半発酵茶、発酵茶の香味が調和しており、一体感のある香味として感じられ、濃厚さとコクを感じることが出来た。比較例1では、各茶種の香味が調和しておらず、緑茶由来の渋味と発酵茶香味が目立ち、淡泊に感じられた。実施例2では、緑茶と半発酵茶の香味が調和しており、余韻が長く、温和で柔らかい花香が感じられた。比較例2では、各茶種の香味が調和しておらず、緑茶の苦渋味が強く、半発酵茶の花香が乏しく感じられ、余韻短くシャープな香味となっており、バランスが悪く感じられた。実施例3では、緑茶味に比べて、発酵茶味の方が強く感じられたが、両茶種の香味が調和して一体感があり、濃厚さや穏やかで広がりのある香味が感じられた。比較例3では、各茶種の香味が調和しておらず、発酵茶香味と緑茶由来の渋味が目立つが、その他の緑茶味が弱いため、淡泊に感じられた。実施例4では、半発酵茶と発酵茶の香味が調和して一体感があり、花香が引き立って感じられ、余韻が長く、濃厚さを感じることが出来た。比較例4では、各茶種の香味が調和しておらず、発酵茶香味が目立ち、半発酵茶の花香が乏しく、やや淡泊に感じられた。実施例5では、緑茶、半発酵茶、発酵茶の香味が調和しながら、軽やかで、スッキリとした香味を感じることが出来た。比較例5では、発酵茶香味が非常に強く、その他の香味はマスキングされ、ほとんど感じることが出来なかった。実施例6では、緑茶と発酵茶の香味が調和しており、スッキリとする爽やかさと余韻の長い花香を感じることが出来た。比較例6では、比較例5と同様に発酵茶香味が非常に強く、その他の香味はほとんど感じることが出来なかった。実施例7では、半発酵茶と発酵茶の香味が調和しており、青葉アルコール様の青香や、前半に半発酵茶の花香、後半に発酵茶の花香が連続して感じられ、軽やかな香味を感じることが出来た。比較例7は、比較例5と同様に発酵茶香味が非常に強く、その他の香味はほとんど感じることが出来なかった。以上のように、緑茶、半発酵茶、発酵茶は、乾燥品を合組した場合、各茶種の香味が調和しておらず、発酵茶香味や緑茶の渋味など、各茶種の力価の強い香味だけが残るため、バランスが悪く感じられた。また、力価の強い香味に、その他香味がマスキングされてしまい、複数の茶種の香味を感じることが出来なかった。したがって、乾燥品合組では、各茶種の特徴を含有するような新香味茶を製造できないことが示された。一方、本発明のとおり、揉捻工程で、各茶種を混合することで、各茶種の香味の調和がとれ、一体感のある香味となり、各茶種の特徴を含有する新香味の茶製品を製造できることが示された。また、揉捻工程後に120分間静置することで、発酵が進行し、各茶種の香味を含有しながら、スッキリとした軽やかな香味を持った新香味の茶製品を製造できることが示された。
Figure 2019195320
〈実施例8〜9、比較例8〜9〉
福寿園CHA遊学パーク内で摘採した“ごこう”の茶生葉を使用して、前記(A)と同様に製造した茶葉(A´)と、同茶生葉を、蒸気流量10kg/hで、10秒間蒸熱し、内在性酵素活性を弱めた酵素活性調節茶葉を、茶生葉重量比で7:3になるように混合し、30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例8]
(A´)を30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥した茶葉(緑茶´)と、実施例8に記載の酵素活性調節茶葉を30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥した茶葉を、7:3の比率で合組し、茶製品を得た。
実施例8に記載の茶生葉を使用して、前記(B)と同様に製造した茶葉(B´)と、同茶生葉を、約16mmに切断後、室温で、湿量基準水分含量が60%以下になるまで萎凋後、蒸気流量10kg/hで、10秒間蒸熱し、内在性酵素活性を弱めた酵素活性調節萎凋茶葉を、茶生葉重量比で7:3になるように混合し、30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥し、茶製品を得た。
[比較例9]
(B´)を30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥した茶葉(半発酵茶´)と、実施例9に記載の酵素活性調節萎凋茶葉を30分間揉捻後、80℃の熱風で乾燥した茶葉を、7:3の比率で合組し、茶製品を得た。
[官能評価2]
前記実施例8〜9、比較例8〜9から2.0gを取り、沸騰させた脱イオン水200mlで5分間抽出した抽出液を用いて、官能評価を行った。結果を表2に示す。実施例8では、緑茶と発酵茶の香味が調和しており、緑茶のスッキリさと、発酵茶の花香が感じられた。比較例8では、初めに緑茶味、間がなく、最後に発酵茶味が感じられ、まとまりなく、不調和に感じられた。実施例9では、半発酵茶と発酵茶の香味が調和しており、半発酵茶の花香が強く感じられ、余韻に発酵茶の花香が感じられた。比較例9では、発酵茶感が強く、半発酵茶の香味はほとんど感じられなかった。以上のように、加熱処理により酵素活性を弱めた(C)を用いても、各茶種の特徴を含有する新香味の茶製品を製造できることが示された。
Figure 2019195320

Claims (12)

  1. (A)内在性酵素を不活化した茶葉と、
    (B)茶生葉の水分含量を減少させる萎凋工程後に内在性酵素を不活化した茶葉と、
    (C)茶生葉又は萎凋工程を経た内在性酵素の活性が残存する茶葉を、
    緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程で混合し、(C)由来の活性残存酵素の働きにより、香味変化を促すことで、緑茶、半発酵茶、発酵茶の香味を調和して含有する新香味茶の製造方法。
  2. 前記(A)、(B)、(C)の混合比率が、茶生葉重量比で、
    (A):(B):(C)=1〜8:1〜8:1〜8の範囲内である請求項1に記載の新香味茶の製造方法。
  3. 前記(A)と前記(B)を、緑茶製造工程における粗揉工程又は揉捻工程で混合し、緑茶及び半発酵茶の香味を調和して含有する新香味茶の製造方法。
  4. 前記(A)と前記(B)の混合比率が、茶生葉重量比で、
    (A):(B)=1〜9:1〜9の範囲内である請求項3に記載の新香味茶の製造方法。
  5. 前記(A)と前記(C)を、緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程で混合し、(C)由来の活性残存酵素の働きにより、香味変化を促すことで、緑茶及び発酵茶の香味を調和して含有する新香味茶の製造方法。
  6. 前記(A)と前記(C)の混合比率が、茶生葉重量比で、
    (A):(C)=1〜9:1〜9の範囲内である請求項5に記載の新香味茶の製造方法。
  7. 前記(B)と前記(C)を、緑茶製造工程における粗揉又は揉捻工程で混合し、(C)由来の活性残存酵素の働きにより、香味変化を促すことで、半発酵茶及び発酵茶の香味を調和して含有する新香味茶の製造方法。
  8. 前記(B)、(C)の混合比率が、茶生葉重量比で、
    (B):(C)=1〜9:1〜9の範囲内である請求項7に記載の新香味茶の製造方法。
  9. 前記萎凋工程が湿量基準水分含量を60%以下まで減少させる工程である請求項1〜8のいずれかに記載の新香味茶の製造方法。
  10. 蒸製緑茶製造における蒸熱、炒製緑茶製造における釜炒り、マイクロ波を利用した加熱のうち、いずれかの方法で加熱処理を加えて、内在性酵素の活性度を弱めた前記(C)を用いた請求項1〜2、請求項5〜8のいずれかに記載の新香味茶の製造方法。
  11. 緑茶製造工程における揉捻工程後、15〜25℃の室温で、60〜120分の発酵工程を設けた請求項1〜2、請求項5〜8のいずれかに記載の新香味茶の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の方法で製造した茶製品。
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