JP2003102492A - シロ−イノソースの製造法及びシロ−イノシトールの製造法 - Google Patents
シロ−イノソースの製造法及びシロ−イノシトールの製造法Info
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Abstract
ルから医薬品その他の原料として利用価値の高いシロ−
イノソースを製造する方法と、シロ−イノソースを化学
的に還元してシロ−イノシトールを効率よく製造する方
法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明では、ミオ−イノシトールにシュ
ードモナス・エスピーAB10064株(FERM P−18330)ある
いはアセトバクター・エスピーAB10253株(FERMP−1886
8)を作用させて、ミオ−イノシトールをシロ−イノソ
ースへ変換させることを特徴とする、シロ−イノソース
の製造方法と、上記の方法でシロ−イノソースを生成さ
せた後に、生成したシロ−イノソースを単離することな
しに、シロ−イノソースを含有する反応液に還元剤を作
用させてシロ−イノシトールをおよびミオ−イノシトー
ル生成させることを特徴とするシロ−イノシトールの製
造方法とが開発された。本発明の方法によれば、医農薬
合成原料として有用な、純度の高いシロ−イノソース
と、医薬及び医農薬合成原料として有用なシロ−イノシ
トールを、工業的生産レベルで安価に製造することがで
きる。
Description
本発明者らが分離したシュードモナス属細菌AB10064株
あるいはアセトバクター属細菌AB10253株を新規な微生
物として利用し、安価なミオ−イノシトール(myo−Ino
sitol)から、医薬品その他の原料として利用価値の高
いシロ−イノソース(scyllo−Inosose)を製造する方
法に関する。また、本発明はミオ−イノシトールから得
たシロ−イノソースを化学的に還元して、アルツハイマ
ー病の治療薬(The Journal of Biological Chemistr
y、第275巻No.24、第18495〜18502頁、2000年)や、生
理活性物質の合成原料(米国特許第5,412,080号明細
書)、液晶化合物の合成原料(ドイツ連邦共和国公開特
許第3,642,999号公報)としての用途が期待されている
シロ−イノシトール(scyllo−Inositol)を効率よく製
造する方法にも関する。
(B) または次の立体構造式(B') で表される既知の化合物である。さらに、シロ−イノシ
トールは次の平面式(C) または次の立体構造式(C') で表される既知の化合物である。
の立体異性体の一つで、動物・植物中に広く見出される
物質である。また、シロ−イノソースはミオ−イノシト
ールの2位のアキシャルな水酸基が酸化された構造を有
する化合物でこれも天然物として普遍的に存在する。
ソースへ変換する酵素(ミオ−イノシトールデヒドロゲ
ナーゼ)は自然界に広く存在する酵素であり、動物、藻
類、酵母、細菌等、多くの生物種からのものについて報
告がある。上記酵素を有する代表的な微生物種として
は、グルコノバクター属細菌(Helvetica Chimica Act
a、第24巻、第1045〜1058頁、1941年及びJournal of Or
ganic Chemistry、第26巻、第912〜918頁、1961年
等)、バチルス属細菌(特開平4−126075号公報)、シ
ュードモナス属細等(Monatshefle fur Chemie、第100
巻、第1327〜1337頁、1969年及びJournal of Bacteriol
ogy、第131巻、第872〜875頁、1977年)がある。なお、
グルコノバクター属細菌を記載する前記のHelvetica Ch
imica Acta、第24巻、第1045〜1058頁(1941年)及びJo
urnal of Organic Chemistry、第26巻、第912〜918頁
(1961年)等の論文中にはAcetobacter oxydansあるい
はAcetobactersuboxydansと記載されているが、これら
の菌株はその後Gluconobacter属として再分類され、Bar
gcy’s Manual of Deteminative Bacteriology第8版(1
974年)から以降はGluconobacter属に移されている。
トールへ変換できる微生物としてはアグロバクテリウム
属細菌が知られている(特開平9−140388号公報)。
またはシロ−イノシトールを製造する方法としては、
ヘキサヒドロキシベンゼンをラネイニッケルで還元し、
シロ−イノシトールを得る方法(Journal of the Ameri
can Chemical Society, 70巻、293頁、1948年);グ
ルコフラノース誘導体から5段階の反応でシロ−イノソ
ースを得た後、還元して、シロ−イノシトールを得る方
法(Journal of the American Chemical Society、第90
巻、第3289〜3290頁、1968年);シス−トリオキサ−
トリス−ホモベンゼンを原料に4段階以上の反応でシロ
−イノシトールを得る方法(Angwandte Chemie、第85
巻、第1110〜1111頁、1973年);ミオ−イノシトール
を白金触媒で酸化してシロ−イノソースを得、続いてエ
ステル化した後、還元と加水分解を行って、シロ−イノ
シトールを得る方法(ドイツ連邦共和国公開特許第3,40
5,663号公報)等がある。
物により酸化してシロ−イノソースを生成する方法、及
び、シロ−イノソースを適当な還元剤で還元してシロ−
イノシトールを生成する方法は公知の技術である。
ース及びシロ−イノシトールの製造方法は、いずれも工
業的規模で実施する方法としては、使用される微生物の
変換活性が弱く、また操作の煩雑さ、環境汚染あるいは
経済性の面で問題があるので、これらの従来法は全て必
ずしも満足し得るものではない。従って、工業規模で簡
便に且つ効率よくシロ−イノソースを製造する方法、及
びシロ−イノシトールを製造する方法が要望されてい
る。
度のシロ−イノソースを効率よく製造できる新しい方法
及びシロ−イノシトールを効率よく製造できる新しい方
法を提供することにある。
を達成するために鋭意検討を重ねてきた。その結果、本
発明者らが自然界より新たに分離した、シュードモナス
属細菌と同定されてAB10064の菌株番号を付与された新
菌株の細菌を、ミオ−イノシトールに作用させると、ミ
オ−イノシトールからシロ−イノソースを選択的に高収
率で生成させ得る選択的な酸化の活性をもつことを見出
した。また、同様な活性が別個に分離されたアセトバク
ター属細菌と同定されてAB10253の菌株番号を付与され
た菌株にも見出された。
トールと通常の炭素源及び窒素源とを含有する液体培
地、あるいは通常の炭素源を特に含有しないでミオ−イ
ノシトールと窒素源とを含有する液体培地で上記のシュ
ードモナス・エスピーAB10064株あるいはアセトバクタ
ー・エスピーAB10253株を好気的に培養して、これによ
り得られた培養液中で、ミオ−イノシトールからシロ−
イノソースを生成させ且つシロ−イノソースを高い含有
量で蓄積させるようにしてシロ−イノソースの新しい製
造法を本発明で実施できる。また、本発明のシロ−イノ
ソースの新しい製造方法では、培養液中にまたは水性媒
質中に高い含有量で蓄積したシロ−イノソースは、これ
に何ら化学的処理を施さずに、陽イオン交換樹脂、陰イ
オン交換樹脂等を使用するイオン交換樹脂処理あるいは
活性炭処理あるいは晶析操作にかけることにより、ある
いはこれらの処理の組合せにかけることにより、高純度
なシロ−イノソースとして、効率よく回収するようにし
て実施できる。
結果、上記の培養液中に蓄積されたシロ−イノソース
は、培養液から菌体を除去した後、得られた培養上清液
に直接、適当な量の水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤
を添加して、培養上清液中で上記シロ−イノソースに該
還元剤を反応させた場合には、シロ−イノソースはシロ
−イノシトールに効率よく還元されること、およびミオ
−イノシトールが副生されることが知見された。すなわ
ち、培養上清液中のシロ−イノソースは、該上清液から
単離されなくとも、上記還元剤との反応により培養上清
液内でシロ−イノシトールに効率よく還元され得ること
が見出された。また、このとき、シロ−イノシトールの
生成と同時にミオ−イノシトールも副成することが見出
された。こうして得られた還元反応液に対して、還元反
応前に培養液から除去したAB10064株の菌体あるいはAB1
0253株を再度添加し、酵母エキス等の適当な栄養源と共
に反復回分培養を実施すると、還元反応液中のシロ−イ
ノシトールには全く影響を与えずに、副成したミオ−イ
ノシトールのみをシロ−イノソースへ変換する酸化反応
が進行することが判明した。更に、この酸化の反応液
(培養液)から除菌し、さらにその培養上清液に再度、
還元剤を添加し、シロ−イノソースを還元すると、ここ
で得られた還元反応液中のシロ−イノシトールの含量が
増大し、従って、このように行われた方法は効率的なシ
ロ−イノシトールの製造方法として非常に有効な手段で
あることを知見した。この微生物的酸化反応と化学的還
元反応は、繰り返し実施することで更に反応液または培
養液(または培養上清液)中のシロ−イノシトールの含
有量を増大させることが可能であることも知見した。
イノシトールに、細菌であるシュードモナス・エスピー
AB10064株(FERM P−18330として寄託)あるいはアセト
バクター・エスピーAB10253株(FERM P−18868として寄
託)を作用させて、ミオ−イノシトールをシロ−イノソ
ースへ変換させることを特徴とする、シロ−イノソース
の製造方法が提供される。
理、あるいは晶析等あるいはこれらの組合せにかけるこ
とにより、上記の方法で得られた反応液または培養上清
液から効率よくシロ−イノソースを回収することができ
る。
示す(A)及び(B)の2つの実施方法で行うことができ
る。
並びに炭素源及び窒素源を含有する液体培地に、AB1006
4株あるいはAB10253株を接種して好気的に培養し、得ら
れた培養液中で該細菌をミオ−イノシトールに作用させ
て、ミオ−イノシトールをシロ−イノソースへ変換さ
せ、これにより培養液中でシロ−イノソースを生成させ
かつ蓄積させ、そして培養液から菌体を除き、得られた
培養上清液で例えばイオン交換樹脂処理又は晶析操作又
はこれらの組合せを行うことにより、培養上清液からシ
ロ−イノソースを回収する。
AB10253株をミオ−イノシトールを含有する液体培地で
培養し、その培養液から菌体を除き、ここで得られた菌
体或いはその破砕物を、ミオ−イノシトールを含む水溶
液または緩衝液中でミオ−イノシトールに作用させて前
記の水溶液または緩衝液中でシロ−イノソースを生成せ
しめ、そして、生成したシロ−イノソースを例えばイオ
ン交換樹脂処理又は晶析操作又はこれらの組合せにより
回収する。
施方法(A)及び(B)をより詳しく説明する。実施方法
(A)では、ミオ−イノシトールならびに炭素源及び窒
素源を含む液体栄養培地に、AB10064株あるいはAB10253
株を接種して好気的に培養することにより、ミオ−イノ
シトールからシロ−イノソースを生成させ、蓄積させ
る。
る限り何ら特別の制限はなく、シロ−イノソースへの変
換原料であるミオ−イノシトールを含有しかつ更に炭素
源、窒素源、有機栄養源、無機塩類等を含有する培地で
あればよい。合成培地、天然培地のいずれも使用でき
る。液体培地はミオ−イノシトールを0.1%〜40%、よ
り好ましくは10%〜30%含有し、炭素源として、グリセ
ロール、シュークロース、マルトースあるいは澱粉を0
%〜20%、より好ましくは0%〜5%含有し、窒素源とし
て、酵母エキス、ペプトン、カザミノ酸、硫酸アンモニ
ウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムあるいは尿
素等を0.01%〜5.0%、好ましくは0.5%〜2.0%含有す
ることが望ましい。その他必要に応じ、ナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、マンガ
ン、亜鉛、鉄、銅、モリブデン、リン酸、硫酸などのイ
オンを生成することができる無機塩類を培地中に添加す
ることが有効である。培地または培養液の水素イオン濃
度をpH4〜10、好ましくはpH5〜9に調整して微生物を培
養すると、ミオ−イノシトールを効率よくシロ−イノソ
ースに変換することができる。
異なる。培養温度は12〜35℃、好ましくは20〜27℃であ
る。また、培養は液体培地を振盪したり、液体培地中に
空気あるいは酸素ガスを吹き込むなどして好気的に行う
のがよい。培養時間は、培養液中のミオ−イノシトール
が完全に消失し、且つ、シロ−イノソースが最大の蓄積
量を示すまで行えばよく、通常1〜10日、好ましくは3〜
8日である。
その培養上清液から目的物を採取する方法としては、通
常の水溶性中性物質を単離精製する一般的な方法を応用
することができる。すなわち、培養液から菌体を除去し
た後、培養上清液を活性炭やイオン交換樹脂等で処理す
ることにより、シロ−イノソース以外の不純物をほとん
ど除くことができる。しかし、強塩基性陰イオン交換樹
脂のOH−型はシロ−イノソースを化学変化させるので、
使用することはできない。かくして、シロ−イノソース
を含有する上澄液が得られる。その後、再結晶等の方法
を用いることにより、目的物質を単離することができ
る。
した培養上清液を、不望成分の除去の目的で強酸性陽イ
オン交換樹脂、例えばデュオライト(登録商標)C−20
(H+型)の充填カラムを通過させて通過液を集め、そ
の後このカラムに脱イオン水を通過させ、洗浄して洗浄
液を集め、得られた通過液及び洗浄液を合併する。こう
して合併された水溶液を弱塩基性陰イオン交換樹脂、例
えばデュオライト(登録商標)A368S(遊離塩基型)を
充填したカラムを通過させ、通過液を集め、その後この
カラムに脱イオン水を通過させ、洗浄して洗浄液を集
め、ここで得られた通過液及び洗浄液を合併して、シロ
−イノソースを含みかつそれ以外の不純物をほとんど含
まない水溶液を取得するのが好ましい。この水溶液を濃
縮して得られたシロ−イノソースの濃厚溶液に、エタノ
ールの適当量を加え、室温または低温で一晩放置する
と、純粋なシロ−イノソースの結晶を晶出させることが
できる。
10253株を培養して得られた菌体を、あるいはその菌体
の破砕物をミオ−イノシトールと緩衝液または液体培地
中で反応させ、シロ−イノソースを生成させる。
れた培養液から分離して集めた菌体を用いてもよく、ま
た、前記微生物を別途、適当な培養条件で培養して得た
ものを用いてもよい。集菌すなわち、菌体の分離は、培
養液から遠心分離、濾過等公知の方法により行えばよ
い。
ノシトールと反応させる反応媒質としては、液体培地ま
たは緩衝液が用いられる。液体培地としては、実施方法
(A)で用いたものと同様のものを用いてもよく、ある
いは、別途、上記微生物を培養した液体培地をそのまま
用いてもよい。緩衝液としては、リン酸緩衝液、トリス
緩衝液、グッド(Good’s)のCHES緩衝液等を10〜500m
M、好ましくは20〜100mMの濃度で用いればよい。溶液中
のミオ−イノシトールの濃度は0.1〜40%程度とするの
が好ましい。
種類によって異なる。反応温度は5〜60℃、好ましくは1
0〜45℃であり、反応時間は1〜50時間、好ましくは12〜
36時間であり、液体培地または緩衝液のpHは2〜10、好
ましくは3〜9である。反応終了後の反応液からの目的物
質を単離する方法は実施方法(A)と同様に行えばよ
い。
法により培養液または水性媒質中でシロ−イノソースを
生成させかつ蓄積させ、その生成されたシロ−イノソー
スを含む反応液または該水性媒質から、生成したシロ−
イノソースを単離することなしに、該シロ−イノソース
を含有する該反応液または水性媒質に適当な還元剤を添
加して作用させ、シロ−イノソースを還元してシロ−イ
ノシトールおよびミオ−イノシトールを生成させ、つい
で、得られた還元反応液からシロ−イノシトールを回収
することを特徴とする、シロ−イノシトールの製造方法
が提供される。
す(C)、(D)の2つの実施方法で行うことができる。
AB10253株の細菌を、ミオ−イノシトールを含有する液
体培地で培養し、培養液中でミオ−イノシトールに当該
細菌を作用させて、ミオ−イノシトールをシロ−イノソ
ースに変換することにより培養液中でシロ−イノソース
を生成させかつ蓄積させ、ついで、得られた培養液から
菌体を除去するがシロ−イノソースを単離することなし
に、シロ−イノソースを含有する反応液(培養上清液)
に還元剤を直接に添加して、該還元剤をシロ−イノソー
スに作用させてシロ−イノシトールおよびミオ−イノシ
トールを生成させ、そして、還元後の培養上清液(反応
液)からシロ−イノシトールを回収する方法である。す
なわち、実施方法(C)は、第1の本発明の実施方法
(A)により培養液中に生成させ、蓄積させたシロ−イ
ノソースを、培養上清液から単離せずに、例えば水素化
ホウ素アルカリ金属等の適当な還元剤で還元し、生成し
たシロ−イノシトール及びミオ−イノシトールの混合溶
液から例えば活性炭処理、イオン交換樹脂処理又は晶析
操作又はこれらの組合せを行うことにより、シロ−イノ
シトールを回収する方法である。
AB10253株の細菌を、ミオ−イノシトールを含有する液
体培地で培養し、得られた培養液から菌体を除去し、こ
こで得られた菌体或いはその破砕物を、ミオ−イノシト
ールを含む水溶液または緩衝液中でミオ−イノシトール
と反応させ、前記の水溶液または緩衝液中でシロ−イノ
ソースを生成せしめ、ここで得た反応液中に生成したシ
ロ−イノソースを単離すること無しに、シロ−イノソー
スを含有する該反応液に還元剤を直接に添加し、該還元
剤をシロ−イノソースに作用させてシロ−イノシトール
およびミオ−イノシトールを生成させ、そして生成した
シロ−イノシトールを回収する方法である。すなわち、
実施方法(D)は、AB10064株あるいはAB10253株を使用
して、第1の本発明の実施方法(B)により得られたシロ
−イノソースを、単離せずに、例えば水素化ホウ素アル
カリ金属等の適当な還元剤で還元し、シロ−イノソース
から生成したシロ−イノシトール及びミオ−イノシトー
ルの混合溶液から例えばイオン交換樹脂処理又は晶析操
作又はこれらの組合せを行うことにより、シロ−イノシ
トールを回収する方法である。
方法(C)及び(D)をより詳しく説明する。
施方法(A)の方法で培養液中にシロ−イノソースを生
成させかつ蓄積させた後、培養液から菌体を除去するが
シロ−イノソースを単離せず、培養上清液に適当な還元
剤を添加し、還元反応を行う。こうして得られた還元反
応液中から生成されたシロ−イノシトールを取得する。
すなわち、培養液から菌体を除去後、得られた培養上清
液に直接に還元剤を添加して還元反応を行う。これによ
って、培養上清液内でシロ−イノソースからシロ−イノ
シトール及びミオ−イノシトールが生成される。使用さ
れる還元剤は、水系中でシロ−イノソースをシロ−イノ
シトールに還元できる還元剤であり、例えば、水素化ホ
ウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素
カリウム、水素化トリメトキシホウ素ナトリウム、シア
ン化水素化ホウ素ナトリウムであるのが望ましい。ここ
で得られた還元反応液からシロ−イノシトールを回収
し、採取するには、通常の水溶性中性物質を単離精製す
る一般的な方法を応用することができる。すなわち還元
反応液を、活性炭やイオン交換樹脂で処理することによ
り、シロ−イノシトール及びミオ−イノシトールを含み
それ以外の不純物をほとんど含まない水溶液を得る。こ
の水溶液からシロ−イノシトールだけを取得するには、
主に水に対する溶解度の差を利用することが有効であ
る。すなわち、前記の水溶液を濃縮し、水に対する溶解
度の低いシロ−イノシトールを固体として析出せしめこ
れを取得すればよい。
記す方法はシロ−イノシトールを効率良く取得するのに
きわめて有効である。すなわち、シロ−イノソースを適
当な還元剤で還元した溶液中ではシロ−イノシトールの
他にミオ−イノシトールも生成されるが、この溶液に対
して、遠心分離等で除いておいたAB10064株あるいはAB1
0253株の菌体を再び添加し、反復回で培養を行うことに
なり、シロ−イノシトールには何の変化を与えずに、ミ
オ−イノシトールをシロ−イノソースへ再度変換させ、
培養液中にシロ−イノシトールとシロ−イノソースを蓄
積させる。この際、ミオ−イノシトールの適量を追加添
加したり、また炭素源や窒素源を培養開始前に添加して
も良い。こうして得られた培養液から菌体を除いた後、
培養上清液に再び還元剤を添加することによりシロ−イ
ノソースを還元して、還元反応液中にシロ−イノシトー
ルを多量に生成させ蓄積させることが可能であること
が、本発明者らによって初めて明らかになった。この様
にして得られた反応溶液からシロ−イノシトールを単離
し、精製するには、前記した通常の手法を用いて実施す
ることができる。本発明の方法は、AB10064株あるいはA
B10253株が基質としてミオ−イノシトールを認識するが
シロ−イノシトールは認識しないというAB10064株ある
いはAB10253株の有するミオ−イノシトール酸化酵素の
基質特異性を利用したもので、繰り返し実施することで
生成シロ−イノシトールの蓄積量を更に高めることが出
来る。
記AB10064株あるいはAB10253株の細菌を接種して好気的
に培養することにより、該菌体を取得し、こうして得ら
れた該菌体を、緩衝液あるいは液体培地等の水性媒質中
に溶解させたミオ−イノシトールに作用させて、シロ−
イノソースを生成蓄積させ、シロ−イノソースを単離せ
ず、適当な還元剤を添加し、還元反応を行い、こうして
得られた還元反応液から、生成されたシロ−イノシトー
ルを取得する。
は菌体破砕物は、実施方法(B)と同様の手段で得るこ
とができる。また、液体反応の方法も実施方法(B)と
同様の手法で実施できる。シロ−イノソース含有反応液
から遠心分離、濾過等の公知の手段により菌体を除去し
た後、得られた菌体を除去された反応液(培養上清液)
に還元剤として水素化物を添加して、シロ−イノソース
の還元反応を行い、これによりシロ−イノシトール及び
ミオ−イノシトールを生成させる。この還元反応は、実
施方法(C)で説明したと同じ要領で行い得る。更に、
シロ−イノシトール及びミオ−イノシトール含有の還元
反応液からシロ−イノシトールを取得する方法は、先に
実施方法(C)で説明した手法と同様に実施できる。
ロ−イノソース生産する菌は多種存在するが、例えば本
発明者らが神奈川県厚木市の土壌より分離したAB10064
株あるいはAB10253株は本発明に最も有効に使用される
菌株の例である。本菌株の菌学的性質を以下に示した。
菌培地学講座」(第2版、近代出版)、「医学細菌同定
の手引き」(第2版、近代出版)、「細菌学実習提要」
(丸善)に準じて実験を行い、実験結果を「Bergey's M
anual of Systematic Bacteriology」VOL1(1984)を参
考にして同定した。
る。 (A)形態的特徴 (1)細胞形態:桿菌で大きさは0.4〜0.7×0.6〜4.0μ
m。多形性がある。
ー形態は円形、平滑で光沢を帯び、色調はクリーム色。
ラム陰性の桿菌で、大きさは0.4〜0.7×0.6〜4.0μmで
ある。本菌株は生育適温12℃〜34℃の中温菌でpH4.0で
は生育しない。硝酸塩の還元性はなく、カタラーゼ及び
オキシダーゼ陽性であり、グルコースを好気的に分解
し、酸を生成する。ユビキノンの分子種はQ9で、DNAのG
C含量は62%であった。
シュードモナス(Pseudomonas)属に属する菌株である
と判断した。「Bergey's Manual of Systematic Bacter
iology」 Vol 1(1984)第141頁〜第199頁によると、シ
ュードモナス属細菌は30種以上の種(species)が知ら
れており、遺伝子的に幅のある分類群を形成している。
と比較検討した結果、AB10064株はシュードモナス・プ
チダ(Pseudomonas putida)に最も近縁の種であると考
えられた。しかし、本菌株の菌学的性質は炭素源の資化
性等の結果が、シュードモナス・プチダの性状と完全に
は一致しなかったので、本AB10064株を公知のものと区
別するため、シュードモナス・エスピーAB10064株と命
名し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託セ
ンターにFERM P−18330として寄託した(寄託日は平成1
3年5月17日)。
ス・プチダ(Pseudomonas putida)及びシュードモナス
・ベイジェリンキー(Pseudomonas beijerinckii)にお
いて、ミオ−イノシトールをシロ−イノソースへ酸化す
る活性を有していることが知られている。シュードモナ
ス・プチダの活性は文献によると、シロ−イノシトール
をミオ−イノシトールの2倍の比率で酸化するという点
で、AB10064株とは異なっている。また、同じくシュー
ドモナス・ベイジェリンキーも同様な活性が報告されて
いるが、AB10064株は前記した通りシュードモナス・プ
チダに近縁な細菌であり、シュードモナス・ベイジニリ
ンキーとは菌学的性質が大きく異なる。従って本発明で
用いるシュードモナス・エスピーAB10064株の有するミ
オ−イノシトール酸化活性は全くの新知見であるといえ
る。
m。多形性は無い (2)運動性:−(懸滴法) (3)普通寒天培地上での生育:生育は極微。色調は黄
土色〜黄色 (b)生理生化学的性状 (1)グラム染色: −(一部variable) (2)OFテスト: O(Oxidative) (3)好気条件での生育: + (4)嫌気条件での生育: − (5)生育温度: 10℃ − 12℃ ± 15℃ + 35℃ + 38℃ + 42℃ ± (6)食塩耐性: 0% + 1% + 2% − (7)グルコース耐性: 10% + 20% + 30% + (8)エタノール耐性試験: 1% + 2% + 5% + 10% + (9)生育pH: pH3.0 − pH4.0 + pH5.0 + pH7.0 + pH8.0 ± (10)色素の産生: GYC培地 菌体周囲が黄土色〜茶色に着色 (11)チトクロームオキシダーゼ: − (12)カタラーゼ: + (13)硝酸塩還元性: − (14)硫化水素産生: − (15)ゼラチンの液化: − (16)インドールの産生: − (17)マロン酸の利用性: − (18)ONPG分解性: − (19)エスクリンの分解性: + (20)クエン酸の利用性: − (21)アルギニンヒロラーゼ活性: − (22)尿素の分解性: − (23)デオキシリボヌクレアーゼ活性:+ (24)各種糖から酸の生成; D−グルコース + D−キシロース + D−マンノース + L−アラビノース + D−フルクトース − ガラクトース + L−ラムノース − マンニトール − シュークロース − アドニトール − エリスリトール − アラビトール − ミオ−イノシトール + ソルビトール − トレハロース − D−セロビオース − エタノール + グリセロール + ラクトース − リボース + ラフィノース − プロピレングリコール − β−ヒドロキシーブチレート − α−メチルーグルコース − (25)炭素源の資化性 D−グルコース + ガラクト−ス − L−アラビノース − D−キシロース − グリセロール + ミオ−イノシトール + シュ−クロース − L−ヒスチジン − レバリン − L−アルギニン − L−セリン − (26)ユビキノンの分子種: ユビキノン9(Q9) (27)DNAのGC含量: 58%
ラム陰性の球桿菌で、大きさは0.5〜0.8×0.6〜1.6μ
m。生育適温は30℃〜34℃の中温菌で至適生育pHはpH
5。硝酸塩の還元性は無く、カタラーゼ陽性、オキシダ
ーゼ陰性であり、30%グルコース培地で好気的に生育す
る。ユビキノンの分子種はQ9で、DNAのGC含量は58%であ
った。
アセトバクター(Acetobacter)属に属する菌株である
と判断した。Bergey's Manual of Systematic Bacterio
logyVOL.1(1984)268頁〜274頁によると、アセトバク
ター属はアセトバクター・アセティ(Acetobacter acet
i)、アセトバクター・リケファシエンス(Acetobacter
liquefaciens)、アセトバクター・パステウリアヌス
(Acetocacter pasteurianus)、アセトバクター・ハン
セニー(Acetobacter hansenii)の4つの種(specie
s)から構成されている。AB10253株の菌学的性状を上記
の既知の種と比較検討した結果、AB10253株はアセトバ
クター・アセティ(Acetobacter aceti)に最も近縁の
種であると考えられた。しかし、高濃度のグルコース及
びエタノールに対して耐性である点、生育温度において
38℃でも生育する点、可溶性色素を産生する点など本菌
株の有するいくつかの菌学的性質において、アセトバク
ター・アセティの性状とは一致しなかったので、本AB10
253株を公知のものと区別するため、アセトバクター・
エスピーAB10253株と命名し、産業枝術総合研究所特許
生物寄託センターにFERM P−18868として寄託した(寄
託日は平成14年5月27日)。
ではアセトバクター属細菌とグルコノバクター属細菌は
分類学的な境界が曖昧であり、本来はグルコノバクター
属である微生物がアセトバクター属と同定され発表され
ていた。従ってアセトバクター属細菌によるミオ−イノ
シトール酸化活性は、本発明で開示したAB10253株が初
めての発見である。
として有用な、純度の高いシロ−イノソースと、医薬及
び医農薬合成原料として有用なシロ−イノシトールとを
工業的生産レベルで安価に製造することができる。
る。実施例1 実施方法(A)によるシロ−イノソースの製造例 (1)シロ−イノソースの生成 ミオ−イノシトール12.0%、酵母エキス1.0%、(NH4)2S
04 0.1%、K2HPO4 0.7%、KH2PO4 0.2%、MgSO4・7H2O 0.0
1%を含む液体培地3リットルを、100 mlずつ500 ml容の
バッフル付き三角フラスコに分注し、オートクレーブ滅
菌した。滅菌された液体培地を含む各々の三角フラスコ
にシュードモナス・エスピーAB10064株(FERM P−1833
0)のスラント培養物を1白金耳接種し、27℃で4日間振
盪培養した。得られた培養液を遠心分離(8,000rpm 20
分間)し、上清を培養上清液(2900 ml)として得た。
ィーにより下記の条件で分析した。その結果、培養上清
液中にはシロ−イノソースが98mg/mlの濃度で生成して
いることがわかった(収量284g、ミオ−イノシトール
からの変換率80%)。この時の培養液中にミオ−イノシ
トールは検出されなかった。
以下の通りである。 カラム:Wakosil 5NH2(4.6×250mm) カラム温度:40℃ 検出器:RIDETECTER ERC−7515A(ERMA CR. INC.) 注入量:20μl 溶媒:アセトニトリル−水=4:1 流量:2 ml/min 溶出時間シロ−イノソース;11.6分 なお、上記のシロ−イノソースの変換率は、次式により
求めた。 変換率(%)=〔培養上清液中のシロ−イノソースのモ
ル数÷培地中のミオ−イノシトールのモル数〕×100
樹脂デュオライト(登録商標)C−20(H+型)500mlを充
填したカラム(内径5cm、長さ40cm)を通過させ、その
後、このカラムに500mlのイオン交換水を通過させて洗
浄した。ここで得られたカラム通過液及び洗浄液を合併
し、合併した水溶液を弱塩基性陰イオン交換樹脂デュオ
ライト(登録商標)368S(遊離塩基型)1000mlを充填し
たカラム(内径7cm、長さ40cm)を通過させ、その後、
このカラムに1000mlのイオン交換水を通過させて洗浄し
た。こうして得られた通過液及び水洗浄液を合併した水
溶液中には上記シロ−イノソースが含まれ、それ以外の
不純物はほとんど存在していなかった。
減圧下で約700mlまで濃縮し、エタノールを3倍量加え5
℃で一晩放置したところ、純粋なシロ−イノソースの精
製品の無色結晶216gが得られた。この時の精製回収収率
は76%で、ミオ−イノシトールからのシロ−イノソース
の通算収率は61%であった。
は次式により求めた; 精製回収率(%)=〔精製単離したシロ−イノソースの
量÷培養上清液中の精製前のシロ−イノソースの量〕×
100 また、上記シロ−イノソースの全回収率は次式により求
めた: 全回収率(%)=〔精製単離したシロ−イノソースのモ
ル数÷培地中に添加したミオ−イノシトールのモル数〕
×100
0.7%、KH2PO4 0.2%、MgSO4・7H2O 0.01%を含むpH7の
液体培地2リットルを500ml容のバッフル付き三角フラス
コに100mlずつ分注し、オートクレーブ滅菌した。滅菌
された液体培地を含む各々の三角フラスコにシュードモ
ナス・エスピーAB10064株を接種し、27℃で3日間振盪培
養した。培養液を遠心分離して得られた菌体を、0.05M
リン酸緩衝液(pH7.0)200mlで洗浄後、再度遠心分離
し、洗浄菌体を得た。
イノシトール 4.0gを含有した0.05M リン酸緩衝液(pH
7.0)400ml(ミオ−イノシトール濃度10mg/ml)中に加
え、得られた混合物を30℃で、24時間、緩やかにスター
ラーで攪拌しながら菌体をミオ−イノシトールに作用さ
せて反応させた。反応終了後、得られた反応液から菌体
を除き、その反応液濾液を液体クロマトグラフィーによ
り分析したところ、シロ−イノソースが8mg/mlの濃度
(変換率82%)で蓄積していた。反応液濾液からのシロ
−イノソースの回収と単離は、実施例1に記載した方法
に準じて行い、シロ−イノソース2.5gを結晶として得た
(精製回収率78%)。また、上記シロ−イノソースのミ
オ−イノシトールからの全回収率は64%であった。
は、実施例1に準じて求め、精製回収率は次式により求
めた: 精製回収率(%)=〔精製単離したシロ−イノソースの
量÷反応液中の精製前のシロ−イノソースの量〕×100 また、上記シロ−イノソースのミオ−イノシトールから
の全回収率は次式により求めた: 全回収率(%)=〔精製単離したシロ−イノソースのモ
ル数÷緩衝液中に添加したミオ−イノシトールのモル
数〕×100
ルの培地で培養し、培養液を遠心分離して菌体を除去し
た。シロ−イノソースを含有した培養上清液2900mlを得
た。この培養上清液を実施例1で示した高速液体クロマ
トグラフィーにより分析すると、培養上清液中にはシロ
−イノソースが286g(ミオ−イノシトールからシロ−イ
ノソースへの変換率は80%)生成していることがわかっ
た。
ノソースのモル数÷培地中のミオ−イノシトールのモル
数〕×100
ノシトールの生成 前項(1)で得たシロ−イノソース含有培養上清液の290
0mlに水素化ホウ素ナトリウム 15.3gを徐々に加え、還
元反応を実施した。還元終了後、培養上清液(すなわち
還元反応液)を、実施例1で示した高速液体クロマトグ
ラフィーにより分析した。その結果、その還元反応液
(培養上清液)中には、シロ−イノシトールが105g存在
し、副生成物として、ミオ−イノシトールを151g含有し
ていることがわかった(シロ−イノシトールとミオ−イ
ノシトールの合計反応収率は89%:計算式は下記に示
す)。シロ−イノソースからのシロ−イノシトールの反
応収率は36%であった。なお、高速液体クロマトグラフ
ィーにおける、各化合物の溶出時間は以下の通りであ
る。 溶出時間:ミオ−イノシトール 17.0分、シロ−イノシ
トール 17.7分
の合計反応収率(%)=〔還元反応後の培養上清液中の
シロ−イノシトールのモル数とミオ−イノシトールのモ
ル数の合計÷還元反応前の培養上清液中のシロ−イノソ
ースのモル数〕×100
−イノシトールの反応収率は次式により求めた: 反応収率(%)=〔還元反応後の培養上清液中のシロ−
イノシトールのモル数÷還元反応前の培養上清液中のシ
ロ−イノソースのモル数〕×100
デュオライト(登録商標)C−20(H+型)400mlを充填し
たカラム(内径5cm、長さ40cm)に通過させ、その後、
このカラムに400mlのイオン交換水を通過させて洗浄し
た。ここで得られたカラム通過液及び洗浄液を合併し、
合併した水溶液を強塩基性陰イオン交換樹脂デュオライ
ト(登録商標)A−113(OH−型)800mlを充填したカラ
ム(内径5cm、長さ60cm)を通過させ、その後、このカ
ラムに800mlのイオン交換水を通過させて洗浄した。
併して得られた水溶液は、シロ−イノシトールと副生成
物であるミオ−イノシトールを含有するが、これら以外
の不純物をほとんど含有しなかった。この水溶液を減圧
下で濃縮すると、水溶解度の低いシロ−イノシトールの
みが濃縮液中に析出した。500mlまで濃縮し、析出した
結晶を濾過操作により取得した。このようにして得られ
た結晶(79g)の一部を水に溶解して、実施例1に記した
方法による液体クロマトグラフィー及び他の分析装置で
分析すると、この結晶はミオ−イノシトールを僅かに含
有するシロ−イノシトールの結晶であることが判った。
続いて、この結晶を全て4リットルの水に溶解し、グラ
スフィルターで濾過した後、再度400mlまで濃縮した。
ここで析出した結晶を取得し、60gの白色結晶を得た。
この結晶を液体クロマトグラフィー及びその他の分析装
置で分析すると純粋なシロ−イノシトールであることが
判明した。
ルの精製回収率は57%、ミオ−イノシトールからのシロ
−イノシトールの全収率は17%であった。
率は次式により求めた; 精製回収率(%)=〔結晶として単離したシロ−イノシ
トールの量÷還元反応後の上清液中のシロ−イノシトー
ルの量〕×100 また、上記シロ−イノシトールのミオ−イノシトールか
らの全回収率は次式により求めた: 全回収率(%)=〔結晶として単離したシロ−イノシト
ールの量÷培地中に添加したミオ−イノシトールの量〕
×100
た。培養上清液中に生成したシロ−イノソースを実施例
3の(2)と同様の方法で還元し、シロ−イノシトール
(105g)とミオ−イノシトール(152g)を含有する混合
溶液(2900ml)を得た。この溶液に、遠心分離により分
取されたAB10064株の菌体と酵母エキス(6g)を添加し
た。得られた混合溶液を5L容ジャーファーメンターに装
入して、培養温度27℃、攪拌回転数400rpm、通気量1vvm
で3日間培養を行った。培養液を分析した結果、前記混
合溶液中のミオ−イノシトールはシロ−イノソースに変
換されていた。かくしてシロ−イノソース(122g)及び
シロ−イノシトール(105g)と菌体を含有する混合溶液
を得た。
き、得られた溶液(培養上清液)に水素化ホウ素ナトリ
ウム 6.5gを徐々に加えて還元反応を実施した。その結
果、還元反応後の反応溶液(培養上清液)中にはシロ−
イノシトールが162g存在し、更に副生物として、ミオ−
イノシトールが66g含有されていることがわかった。最
終的にミオ−イノシトールからのシロ−イノシトール変
換率は45%であった。
シトールの単離を行った。即ちイオン交換樹脂による脱
塩の後、溶液を約900mlに濃縮し、シロ−イノシトール
の結晶を析出させ、この結晶を濾過することにより単離
した。こうして取得したシロ−イノシトールの粗結晶を
再度8リットルの水に溶解し、得られた水溶液からグラ
スフィルターで水不溶物を除去し、ついで減圧下濃縮し
た。水溶液を約800mlに濃縮した後、析出したシロ−イ
ノシトールをグラスフィルターで濾過し、白色結晶(12
3g)として回収した。ミオ−イノシトールからの全回収
率は34%であった。 全回収率(%)=〔結晶として単離したシロ−イノシト
ールの量÷培地中に添加したミオ−イノシトールの量〕
×100
培養上清液の還元、還元反応液の再培養及び2度目の培
養上清液の再還元を実施した。こうして得られた還元反
応後の反応溶液(培養上清液)にはシロ−イノシトール
が160g存在し、副生物として、ミオ−イノシトール65g
が含有されていた。この混合溶液に再度、遠心分離して
分取されておいたAB10064株の菌体と酵母エキス(2.5
g)を添加した。得られた混合液を5L容ジャーファーメ
ンターに装入し、培養温度27℃、攪拌回転数400rpm、通
気量1vvmで3日間培養を行った。培養液を分析した結
果、前記混合液中のミオ−イノシトールはシロ−イノソ
ースに変換されていた。かくして、シロ−イノソース
(52g)及びシロ−イノシトール(160g)と菌体を含有
する混合溶液を得た。
き、得られた上清溶液に水素化ホウ素ナトリウム2.8gを
徐々に加えて還元反応を実施した。還元反応後の反応溶
液(培養上清液)にはシロ−イノシトールが180g存在
し、副生物として、ミオ−イノシトール26gが含有され
ていることがわかった。最終的にミオ−イノシトールか
らのシロ−イノシトール変換率は50%であった。
を行った。即ちイオン交換樹脂による脱塩の後、溶液を
約900mlに濃縮し、シロ−イノシトールの結晶を析出さ
せ、この結晶を濾過することにより単離した。こうして
取得したシロ−イノシトールの粗結晶を再度8リットル
の水に溶解し、得られた溶液を減圧下で濃縮した。約80
0mlに濃縮し、その結果析出したシロ−イノシトールを
グラスフィルターで濾過し、白色結晶(140g)として得
た。ミオ−イノシトールからの全回収率は39%であっ
た。
よるミオ−イノシトールの酸化でシロ−イノソースの製
造を行った。すなわちミオ−イノシトール4.0gを含有す
る0.05M リン酸緩衝液(pH7.0)400ml(ミオ−イノシト
ール濃度10mg/ml)中にAB10064株の洗浄菌体30g加え、
得られた混合物を30℃で24時間緩やかにスターラーで攪
拌しながら菌体をミオ−イノシトールと反応させて、反
応溶液中にシロ−イノソースを8mg/mlの濃度で蓄積させ
た。反応液を遠心分離して菌体を除き、得られた溶液
(上清液)に水素化ホウ素ナトリウム170mgを徐々に加
えて還元反応を実施した。その結果、反応液中にはシロ
−イノシトールが1250mg存在し、副生物としてミオ−イ
ノシトール1600mgが含有されていた。
ノシトールの単離を行い、シロ−イノシトールの白色結
晶800mgを得た。ミオ−イノシトールからの全回収率は2
0%であった。
体培地3リットルをpH5.0に調整し、100 mlずつ500 ml
容のバッフル付き三角フラスコに分注し、オートクレー
ブ滅菌した。各々の三角フラスコにアセトバクター・エ
スピーAB10253株(FERM P−18868)のスラント培養物を
1白金耳接種し、27℃で4日間振盪培養した。培養液を
遠心分離(8,000rpm 20分間)して菌体を除き、上清を
培養上清液(2900 ml)とした。遠心分離により得られ
た培養菌体は4℃で冷蔵保存した。この培養上清液を実
施例1と同様の方法で分析した。その結果培養上清液中
にはシロ−イノソースが153mg/ml(459g、変換率97%)
生成していることがわかった。この時の培養液中にミオ
−イノシトールは検出されなかった。
900 mlに水素化ホウ素ナトリウム30.6gを徐々に加え、
還元反応を実施した。還元終了後、培養上清(反応液)
を、実施例1で示した高速液体クロマトグラフィーによ
り分析した。その結果、還元反応後の反応液中(培養上
清液)には、シロ−イノシトールが177g存在し、副生
成物として、ミオ−イノシトールを252g含有している
ことがわかった。
と、菌体反応によるシロ−イノソースの生成 前項(2)で得た還元反応後の反応液を一晩、室温に静
置して置くとシロ−イノシトールを含有する白色の沈殿
物が生じた。この溶液をろ過し、白色固体と、ろ液に分
けた。白色固体は乾燥重量で99g得られた。ろ液は再度
反応させるためにミオイノシトールの228gを追加し溶
解させた後に、5N HClでpH5.0に調整した。これに前項
(1)で分離されて保存しておいた培養菌体を懸濁し、
約100 mlずつ500 ml容のバッフル付き三角フラスコに分
注した。
混合液に通気し、27℃で20時間、ロータリーシェーカー
で反応させた。反応終了後、反応溶液を遠心分離(8,00
0rpm20分間)し、上清を菌体反応上清液(3050 ml)と
した。遠心分離により得られた培養菌体は4℃で冷蔵保
存した。
050 mlに水素化ホウ素ナトリウム31.1gを徐々に加え、
に還元反応を実施した。還元終了後、菌体反応上清液
(還元反応液)を、実施例1で示した高速液体クロマト
グラフィーにより分析した。その結果、還元反応後の反
応液中には、シロ−イノシトールが258g存在し、副生
成物として、ミオ−イノシトールを256g含有している
ことがわかった。
菌体再反応によるシロ−イノソースの生成 前記(4)で得た還元反応後の反応液を一晩、室温に静
置して置くとシロ−イノシトールを含有する白色の沈殿
物が生じた。この溶液をろ過し、白色固体と、ろ液に分
けた。白色固体は乾燥重量で199g得られた。ろ液は再
度反応させるためにミオ−イノシトールの224gを追加
し溶解させた後に、5N HClでpH5.0に調整した。これに
前項(3)で分離され保存しておいた培養菌体を懸濁
し、約100 mlずつ500 ml容のバッフル付き三角フラスコ
に分注した。菌体反応は純酸素ガスを三角フラスコ内の
混合液に通気し、27℃で20時間、ロータリーシェーカー
で反応させた。菌体との再反応終了後、生成したシロ−
イノソースを含有した培養液を遠心分離(8,000rpm 20
分間)して菌体を除去し、上清を菌体再反応後の培養上
清液(3170 m1)とした。遠心分離により得られた培養
菌体は4℃で冷蔵保存した。
170 mlに水素化ホウ素ナトリウム31.1gを徐々に加えた
後に還元反応を実施した。還元終了後、ここで得た還元
反応液を、実施例1で示した高速液体クロマトグラフィ
ーにより分析した。その結果、還元反応液中(培養上清
液)には、シロ−イノシトールが268g存在し、副生成
物として、ミオ−イノシトールを253g含有していること
がわかった。
くとシロ−イノシトールを含有する白色の沈殿物が生じ
た。この溶液をろ過し、白色固体と、ろ液に分けた。白
色固体は乾燥重量で197g得られた。この白色沈殿物
と、前項(3)と(5)で得られた白色沈殿物を合わせ
て、シロ−イノシトールを含有する白色沈殿物を合計49
5g(99+199+197)得た。また、ここまでの反応に要
したミオ−イノシトールは932g(480+228+224)であ
った。
せた後、室温まで冷却し、強酸性陽イオン交換樹脂デュ
オライト(登録商標)C−20(H+型)400 mlを充填した
カラム(内径5cm、長さ40cm)に通過させ、その後この
カラムに400 mlのイオン交換水を通過させて洗浄した。
この通過液及び洗浄液を、強塩基性陰イオン交換樹脂デ
ュオライト(登録商標)A−113(OH−型)800 mlを充填
したカラム(内径5cm、長さ60cm)に通過させ、その後
このカラムに800 mlのイオン交換水を通過させて洗浄し
た。
併して得られた水溶液は、シロ−イノシトールと副生成
物であるミオ−イノシトールを含有するが、これら以外
の不純物をほとんど含有しなかった。この水溶液を減圧
下で濃縮すると、水溶解度の低いシロ−イノシトールの
みが濃縮液中に析出した。500 mlまで濃縮し、析出した
結晶を濾過操作により取得した。このようにして得られ
た結晶(421g)の一部を水に溶解して実施例1に記した
方法による液体クロマトグラフィー及び他の分析装置で
分析すると、ミオ−イノシトールを含有しない純粋なシ
ロ−イノシトールの結晶であった。以上の一連の操作で
の、ミオ−イノシトールからのシロ−イノシトールの全
収率は45%(421/932×100)であった。
Claims (11)
- 【請求項1】 ミオ−イノシトールに、細菌であるシュ
ードモナス・エスピーAB10064株(FERM P−18330として
寄託)あるいはアセトバクター・エスピーAB10253株(F
ERM P−18868として寄託)を作用させて、ミオ−イノシ
トールをシロ−イノソースへ変換させることを特徴とす
る、シロ−イノソースの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の細菌を、ミオ−イノシ
トールを含有する液体培地で培養し、培養液中でミオ−
イノシトールに該細菌を作用させて、ミオ−イノシトー
ルをシロ−イノソースへ変換させ、これにより、培養液
中でシロ−イノソースを生成させかつ蓄積させ、そし
て、培養液からシロ−イノソースを回収する、請求項1
に記載の方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の細菌を、ミオ−イノシ
トールを含有する液体培地で培養し、その培養液から得
られた菌体或いはその破砕物を、ミオ−イノシトールを
含む水溶液または緩衝液中でミオ−イノシトールに作用
させて前記の水溶液または緩衝液中でシロ−イノソース
を生成させ、そして生成したシロ−イノソースを回収す
る、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の方法でシロ−イノソー
スを生成させ、得られた反応液から生成したシロ−イノ
ソースを単離することなしに、シロ−イノソースを含有
する該反応液に還元剤を添加して作用させてシロ−イノ
ソースからシロ−イノシトールおよびミオ−イノシトー
ルを生成させることを特徴とする、シロ−イノシトール
の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の方法でシロ−イノソー
スを還元してシロ−イノシトールとミオ−イノシトール
を生成させ、生成されたシロ−イノシトールおよびミオ
−イノシトールを含む反応液に、再度、AB10064株ある
いはAB10253株を作用させることにより、反応液中に存
在するシロ−イノシトールには何ら影響を与えずに、シ
ロ−イノシトールと同時に生成したミオ−イノシトール
をシロ−イノソースへ変換し、得られた反応液に次に還
元剤を添加してシロ−イノソースからシロ−イノシトー
ルおよびミオ−イノシトールを再び生成させることによ
り、反応液中のシロ−イノシトールの含有量を高める、
請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載の方法でシロ−イノソー
スを還元した際に生成するミオ−イノシトールを、AB10
064株あるいはAB10253株で再びシロ−イノソースへ変換
する工程を数回繰り返し実行し、得られた反応液に次に
還元剤を添加して、シロ−イノソースからシロ−イノシ
トールを生成させることにより、反応液中のシロ−イノ
シトールの濃度を段階的に高める、請求項5に記載の方
法。 - 【請求項7】 請求項1に記載の細菌を、ミオ−イノシ
トールを含有する液体培地で培養し、培養液中でミオ−
イノシトールに当該細菌を作用させて、ミオ−イノシト
ールをシロ−イノソースに変換することにより培養液中
でシロ−イノソースを生成させかつ蓄積させ、得られた
反応液からシロ−イノソースを単離することなしに、シ
ロ−イノソースを含有する該反応液に次に還元剤を直接
に添加して、該還元剤をシロ−イノソースに作用させて
シロ−イノシトールおよびミオ−イノシトールを生成さ
せ、そして得られた反応液からシロ−イノシトールを回
収する、請求項4に記載の方法。 - 【請求項8】 請求項7に記載の方法で、シロ−イノソ
ースから還元剤でシロ−イノシトールおよびミオ−イノ
シトールを生成させた反応液に、再度、AB10064株ある
いはAB10253株を作用させることにより反復回分で培養
を実施して、反応液中に生成したミオ−イノシトールを
シロ−イノソースへ変換し、この反応液に還元剤を直接
に添加して該還元剤をシロ−イノソースに作用させてシ
ロ−イノシトールおよびミオ−イノシトールを生成させ
ることにより、反応液中のシロ−イノシトールの含有量
を高め、こうして得られた反応液中からシロ−イノシト
ールを回収する、請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】 請求項1に記載の細菌を、ミオ−イノシ
トールを含有する液体培地で培養し、その培養液から得
られた菌体或いはその破砕物を、ミオ−イノシトールを
含む水溶液または緩衝液中でミオ−イノシトールと反応
させて前記の水溶液または緩衝液中でシロ−イノソース
を生成せしめ、得られた反応液から生成したシロ−イノ
ソースを単離することなしに、シロ−イノソースを含有
する該反応液に還元剤を直接に添加し、該還元剤をシロ
−イノソースに作用させてシロ−イノシトールおよびミ
オ−イノシトールを生成させ、そして生成したシロ−イ
ノシトールを回収する、請求項4に記載の方法。 - 【請求項10】 ミオ−イノシトールをシロ−イノソー
スに選択的に変換できる特性を有して独立行政法人産業
技術総合研究所特許生物寄託センターにFERMP−18330の
受託番号で寄託されたシュードモナス・エスピーAB1006
4株。 - 【請求項11】 ミオ−イノシトールをシロ−イノソー
スに選択的に変換できる特性を有して独立行政法人産業
技術総合研究所特許生物寄託センターにFERMP−18868の
受託番号で寄託されたアセトバクター・エスピーAB1025
3株。
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