JP2709359B2 - 4―ヒドロキシ―2―ブチン酸の製造方法 - Google Patents
4―ヒドロキシ―2―ブチン酸の製造方法Info
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Description
本発明は2−ブチン−1,4−ジオールからリノクラデ
ィエラ属に属する微生物により4−ヒドロキシ−2−ブ
チン酸を製造する方法に関する。 4−ヒドロキシ−2−ブチン酸は、分子内に水酸基、
カルボキシル基および三重結合を含むため有機化合物の
合成原料として有用であり、例えば抗腫瘍剤のアスペル
ジオールの出発物質(ジャーナル・オブ・オーガニック
・ケミストリー,48,4785−4786,1983)として利用され
る。
ィエラ属に属する微生物により4−ヒドロキシ−2−ブ
チン酸を製造する方法に関する。 4−ヒドロキシ−2−ブチン酸は、分子内に水酸基、
カルボキシル基および三重結合を含むため有機化合物の
合成原料として有用であり、例えば抗腫瘍剤のアスペル
ジオールの出発物質(ジャーナル・オブ・オーガニック
・ケミストリー,48,4785−4786,1983)として利用され
る。
従来、4−ヒドロキシ−2−ブチン酸の製造方法とし
ては、以下のような化学的方法および微生物を用いる方
法が1例づつ知られている。 (1) 硫酸酸性下、アセトン水溶液を溶媒とし2−ブ
チン−1,4−ジオールをクロム酸で酸化する方法(ソ連
特許第514806号明細書;ケミカル・アブストラクツ,8
5,123360e,(1976))。 (2) 単一極性鞭毛を有し胞子非形成の土壌バクテリ
アを用いて2−ブチン−1,4−ジオールを酸化して4−
ヒドロキシ−2−ブチン酸を製造する方法(醗酵工学雑
誌,49(3),202−205,(1971))。 (1)の化学的製法は、毒性の強いクロムを含む廃水
処理に問題があり、工業的に実施しようとする場合公害
面での対策が必要である。 (2)の微生物を用いる方法は、4−ヒドロキシ−2
−ブチン酸の収量が10%未満と低いこと、選択率が低く
目的物以外の中性化合物が副成するなどの点で工業的実
施には不適当である。また、(2)の方法に用いられる
微生物は土壌バクテリアと記載されているのみで、菌学
的に明確に同定されていない。
ては、以下のような化学的方法および微生物を用いる方
法が1例づつ知られている。 (1) 硫酸酸性下、アセトン水溶液を溶媒とし2−ブ
チン−1,4−ジオールをクロム酸で酸化する方法(ソ連
特許第514806号明細書;ケミカル・アブストラクツ,8
5,123360e,(1976))。 (2) 単一極性鞭毛を有し胞子非形成の土壌バクテリ
アを用いて2−ブチン−1,4−ジオールを酸化して4−
ヒドロキシ−2−ブチン酸を製造する方法(醗酵工学雑
誌,49(3),202−205,(1971))。 (1)の化学的製法は、毒性の強いクロムを含む廃水
処理に問題があり、工業的に実施しようとする場合公害
面での対策が必要である。 (2)の微生物を用いる方法は、4−ヒドロキシ−2
−ブチン酸の収量が10%未満と低いこと、選択率が低く
目的物以外の中性化合物が副成するなどの点で工業的実
施には不適当である。また、(2)の方法に用いられる
微生物は土壌バクテリアと記載されているのみで、菌学
的に明確に同定されていない。
本発明の目的は、収率および選択率に優れた4−ヒド
ロキシ−2−ブチン酸の醗酵製造法を提供することにあ
る。
ロキシ−2−ブチン酸の醗酵製造法を提供することにあ
る。
本発明者らは、上記課題を解決するため前記従来法
(2)で知られたバクテリア以外の微生物を探索し、特
定の糸状菌が2−ブチン−1,4−ジオールを基質として
効率よく4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生成すること
を見いだし本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、2−ブチン−1,4−ジオールを基
質として4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノ
クラディエラ属に属する微生物を2−ブチン−1,4−ジ
オールを含む培地に培養し、4−ヒドロキシ−2−ブチ
ン酸を生成せしめ、これを採取することを特徴とする4
−ヒドロキシ−2−ブチン酸の製造方法に関するもので
ある。 本発明に用いられる上記リノクラディエラ属に属する
微生物としては、リノクラディエラ・アトロビレンスKY
−801(Rhinocladiella atrovirens KY−801)菌株
〔微工研菌寄第10463号(FERM P−10463)〕がある。 本発明者らが得たリノクラディエラ・アトロビレンス
KY−801(微工研菌寄第10463号)の菌学的性質を以下に
示す。 顕微鏡的所見および培地における培養所見 ポテトグルコース寒天培地上での成育は遅く、暗灰オ
リーブ色の羊毛状またはフェルト状を呈し、裏面はオリ
ーブ黒色である。 無色ないし褐色の菌糸は隔壁を有し、単独または束状
となる。菌糸または気中菌糸から分岐して短い分生子柄
を生じ、その先端にシンポジオ型の分生子を形成する。
分生子柄は通常、幅2.2〜3μm前後であるが、600μm
に達する場合もある。中間部がややふくらむものもあ
る。 中間に一個の隔壁を有することもあり、また分岐して
分生子柄を形成することもある。菌糸から短い突起を通
して直接分生子を数個塊状に形成する場合も多い。 分生子は単細胞、倒卵形、長倒卵形、1−4×4.5−
6μmで無色ないし淡オリーブまたは淡褐色、単生また
は塊状に形成される。分生子形成が塊状となるために、
典型的なシンポジオ型が明確に認められず、フィアロフ
ォラ属(Phialophora)の変形かとも考えられたが、経
時的にスライド培養を観察することにより、ほぼリノク
ラディエラ属であることが判明した。「菌類図鑑」
(椿、宇田川著,講談社,1978年)の記載にほぼ一致す
るのでリノクラディエラ・アトロビレンス・ナンフェル
ド(Rhinocladiella atrovirens NANNFELD)と同定し
た。 本発明方法による4−ヒドロキシ−2−ブチン酸の製
造は、2−ブチン−1,4−ジオールを基質として4−ヒ
ドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノクラディエラ属
に属する微生物を2−ブチン−1,4−ジオールを含む培
地に培養し、4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生成せし
めることにより行われる。 本発明の実施方法には、2−ブチン−1,4−ジオール
と本発明の微生物が資化利用できる栄養素源を含む培地
中に本発明の微生物の接種菌を添加して培養するいわゆ
る発酵法と、あらかじめ通常の培地で本発明の微生物を
増殖培養させた後遠心分離等により得られる菌体を添加
して、2−ブチン−1,4−ジオールを単一炭素源とする
培地で培養させるいわゆる酵素的方法がある。 2−ブチン−1,4−ジオールの培養濃度は、通常0.5〜
10g/、好ましくは2〜5g/の範囲で行う。培養方法
は、一般微生物で採用される好気的培養法であれば特に
限定されないが、通常は液体培地による振とう培養法ま
たは通気撹拌培養法が用いられる。 酵素的方法における前培養に用いられる培地として
は、2−ブチン−1,4−ジオールを基質として4−ヒド
ロキシ−2−ブチン酸を生産するリノクラディエラ属の
微生物が資化利用できる栄養源を含有するものであれば
よい。すなわち、炭素源としては、アラビノースなどの
ペントース類、グルコース、マンノース、フラクトー
ス、ガラクトースなどのヘキトース類、シュークロー
ス、マルトースなどの二糖類、澱粉分解物、糖アルコー
ル類、グリセリン、1,4−ブタンジオールなどの多価ア
ルコール類、ポリペプトン、ペプトン、肉エキス、麦芽
エキス、酵母エキス、各種アミノ酸、有機酸などが用い
られる。また、窒素源としては、アンモニア、硫酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの
無機窒素源、またはポリペプトン、ペプトン、肉エキス
などの有機窒素源が用いられる。また、この他にリン酸
水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシ
ウムなどの無機塩類を添加してもよい。 培養条件は、特に限定されないが、通常20〜35℃で10
時間〜7日間振とう培養または通気撹拌培養を行う。 酵素的方法の一実施態様としては、あらかじめ前記の
栄養素を含む培地中で2−ブチン−1,4−ジオールを基
質として4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノ
クラディエラ属の微生物を増殖培養したのち、集菌洗浄
したものまたは予め凍結乾燥したものを、2−ブチン−
1,4−ジオール水溶液中に懸濁し、振とう培養または通
気撹拌培養すればよい。また発酵法の場合は、2−ブチ
ン−1,4−ジオールを基質として4−ヒドロキシ−2−
ブチン酸を生産するリノクラディエラ属の微生物の増殖
培養時に直接基質を添加して培養すればよい。さらに、
アルギン酸ナトリウム、κ−カラギーナン、ウレタンフ
ォームなどの担体に2−ブチン−1,4−ジオールを基質
として4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノク
ラディエラ属の微生物を固定化し、固定化菌体として用
いてもよい。 このようにして、培養液中に蓄積された4−ヒドロキ
シ−2−ブチン酸を分離、採取するには、培養液から菌
体を遠心分離によって分離した後、遠心上清を減圧下に
直接濃縮するか、またはアニオン交換樹脂で吸着分離す
る方法を採用すればよいが、これらの方法に限定されな
い。 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
(2)で知られたバクテリア以外の微生物を探索し、特
定の糸状菌が2−ブチン−1,4−ジオールを基質として
効率よく4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生成すること
を見いだし本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、2−ブチン−1,4−ジオールを基
質として4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノ
クラディエラ属に属する微生物を2−ブチン−1,4−ジ
オールを含む培地に培養し、4−ヒドロキシ−2−ブチ
ン酸を生成せしめ、これを採取することを特徴とする4
−ヒドロキシ−2−ブチン酸の製造方法に関するもので
ある。 本発明に用いられる上記リノクラディエラ属に属する
微生物としては、リノクラディエラ・アトロビレンスKY
−801(Rhinocladiella atrovirens KY−801)菌株
〔微工研菌寄第10463号(FERM P−10463)〕がある。 本発明者らが得たリノクラディエラ・アトロビレンス
KY−801(微工研菌寄第10463号)の菌学的性質を以下に
示す。 顕微鏡的所見および培地における培養所見 ポテトグルコース寒天培地上での成育は遅く、暗灰オ
リーブ色の羊毛状またはフェルト状を呈し、裏面はオリ
ーブ黒色である。 無色ないし褐色の菌糸は隔壁を有し、単独または束状
となる。菌糸または気中菌糸から分岐して短い分生子柄
を生じ、その先端にシンポジオ型の分生子を形成する。
分生子柄は通常、幅2.2〜3μm前後であるが、600μm
に達する場合もある。中間部がややふくらむものもあ
る。 中間に一個の隔壁を有することもあり、また分岐して
分生子柄を形成することもある。菌糸から短い突起を通
して直接分生子を数個塊状に形成する場合も多い。 分生子は単細胞、倒卵形、長倒卵形、1−4×4.5−
6μmで無色ないし淡オリーブまたは淡褐色、単生また
は塊状に形成される。分生子形成が塊状となるために、
典型的なシンポジオ型が明確に認められず、フィアロフ
ォラ属(Phialophora)の変形かとも考えられたが、経
時的にスライド培養を観察することにより、ほぼリノク
ラディエラ属であることが判明した。「菌類図鑑」
(椿、宇田川著,講談社,1978年)の記載にほぼ一致す
るのでリノクラディエラ・アトロビレンス・ナンフェル
ド(Rhinocladiella atrovirens NANNFELD)と同定し
た。 本発明方法による4−ヒドロキシ−2−ブチン酸の製
造は、2−ブチン−1,4−ジオールを基質として4−ヒ
ドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノクラディエラ属
に属する微生物を2−ブチン−1,4−ジオールを含む培
地に培養し、4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生成せし
めることにより行われる。 本発明の実施方法には、2−ブチン−1,4−ジオール
と本発明の微生物が資化利用できる栄養素源を含む培地
中に本発明の微生物の接種菌を添加して培養するいわゆ
る発酵法と、あらかじめ通常の培地で本発明の微生物を
増殖培養させた後遠心分離等により得られる菌体を添加
して、2−ブチン−1,4−ジオールを単一炭素源とする
培地で培養させるいわゆる酵素的方法がある。 2−ブチン−1,4−ジオールの培養濃度は、通常0.5〜
10g/、好ましくは2〜5g/の範囲で行う。培養方法
は、一般微生物で採用される好気的培養法であれば特に
限定されないが、通常は液体培地による振とう培養法ま
たは通気撹拌培養法が用いられる。 酵素的方法における前培養に用いられる培地として
は、2−ブチン−1,4−ジオールを基質として4−ヒド
ロキシ−2−ブチン酸を生産するリノクラディエラ属の
微生物が資化利用できる栄養源を含有するものであれば
よい。すなわち、炭素源としては、アラビノースなどの
ペントース類、グルコース、マンノース、フラクトー
ス、ガラクトースなどのヘキトース類、シュークロー
ス、マルトースなどの二糖類、澱粉分解物、糖アルコー
ル類、グリセリン、1,4−ブタンジオールなどの多価ア
ルコール類、ポリペプトン、ペプトン、肉エキス、麦芽
エキス、酵母エキス、各種アミノ酸、有機酸などが用い
られる。また、窒素源としては、アンモニア、硫酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどの
無機窒素源、またはポリペプトン、ペプトン、肉エキス
などの有機窒素源が用いられる。また、この他にリン酸
水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸マグネシ
ウムなどの無機塩類を添加してもよい。 培養条件は、特に限定されないが、通常20〜35℃で10
時間〜7日間振とう培養または通気撹拌培養を行う。 酵素的方法の一実施態様としては、あらかじめ前記の
栄養素を含む培地中で2−ブチン−1,4−ジオールを基
質として4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノ
クラディエラ属の微生物を増殖培養したのち、集菌洗浄
したものまたは予め凍結乾燥したものを、2−ブチン−
1,4−ジオール水溶液中に懸濁し、振とう培養または通
気撹拌培養すればよい。また発酵法の場合は、2−ブチ
ン−1,4−ジオールを基質として4−ヒドロキシ−2−
ブチン酸を生産するリノクラディエラ属の微生物の増殖
培養時に直接基質を添加して培養すればよい。さらに、
アルギン酸ナトリウム、κ−カラギーナン、ウレタンフ
ォームなどの担体に2−ブチン−1,4−ジオールを基質
として4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノク
ラディエラ属の微生物を固定化し、固定化菌体として用
いてもよい。 このようにして、培養液中に蓄積された4−ヒドロキ
シ−2−ブチン酸を分離、採取するには、培養液から菌
体を遠心分離によって分離した後、遠心上清を減圧下に
直接濃縮するか、またはアニオン交換樹脂で吸着分離す
る方法を採用すればよいが、これらの方法に限定されな
い。 以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
実施例1 リノクラディエラ・アトロビレンスKY−801(微工研
菌寄第10463号)を以下に示す方法により培養した。 グルコース2g、塩化アンモニウム0.2g、リン酸二水素
カリウム0.02g、硫酸マグネシウム・7水塩0.02g、塩化
カリウム0.002g、硫酸第一鉄・7水塩0.001g、硫酸マン
ガン・4水塩0.0002g、硫酸亜鉛・7水塩0.0007g、微量
の硫酸銅および微量のビタミンB1・塩酸塩に水道水を加
えて1(pH6.5)に調整し、これを培地とした。この
培地100mlを、500ml容の坂口フラスコに秤り取り、120
℃、20分間オートクレーブ殺菌した。この培地にリノク
ラディエラ・アトロビレンスKY−801(微工研菌寄第104
63号)を一白金耳接種し、30℃、120rpm、暗所で4日間
振とう培養した。 培養終了後、0.2μmのメンブランフィルターで集菌
し、0.1g(乾燥重量)の菌体を得た。これを、0.2%の
2−ブチン−1,4−ジオールの水溶液10mlに分散させ、3
0℃、120rpm、暗所で2日間振とう培養した。遠心分離
により菌体と上清に分離し、遠心上清中の4−ヒドロキ
シ−2−ブチン酸を高速液体クロマトグラフィーにより
定量した結果、生成収率は98%であり、ブチン二酸は全
く生成していなかった。 遠心上清を減圧下に直接脱水濃縮して単離精製した化
合物の赤外吸収スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトル
およびマススペクトルは、全て4−ヒドロキシ−2−ブ
チン酸の構造と一致した。 ・IR(neat)νmax 3225cm-1(OH), 2237cm-1(C≡C), 1701cm-1(COOH) ・13C−NMR(D2O)δ 158.2ppm(COOH) 85.8ppm,78.8ppm(C≡C) 50.1ppm(C−OH) ・元素分析 測定値 C:47.68% ; H:4.35% 計算値(C4H4O3) C:48.01% ; H:4.03%
菌寄第10463号)を以下に示す方法により培養した。 グルコース2g、塩化アンモニウム0.2g、リン酸二水素
カリウム0.02g、硫酸マグネシウム・7水塩0.02g、塩化
カリウム0.002g、硫酸第一鉄・7水塩0.001g、硫酸マン
ガン・4水塩0.0002g、硫酸亜鉛・7水塩0.0007g、微量
の硫酸銅および微量のビタミンB1・塩酸塩に水道水を加
えて1(pH6.5)に調整し、これを培地とした。この
培地100mlを、500ml容の坂口フラスコに秤り取り、120
℃、20分間オートクレーブ殺菌した。この培地にリノク
ラディエラ・アトロビレンスKY−801(微工研菌寄第104
63号)を一白金耳接種し、30℃、120rpm、暗所で4日間
振とう培養した。 培養終了後、0.2μmのメンブランフィルターで集菌
し、0.1g(乾燥重量)の菌体を得た。これを、0.2%の
2−ブチン−1,4−ジオールの水溶液10mlに分散させ、3
0℃、120rpm、暗所で2日間振とう培養した。遠心分離
により菌体と上清に分離し、遠心上清中の4−ヒドロキ
シ−2−ブチン酸を高速液体クロマトグラフィーにより
定量した結果、生成収率は98%であり、ブチン二酸は全
く生成していなかった。 遠心上清を減圧下に直接脱水濃縮して単離精製した化
合物の赤外吸収スペクトル、13C核磁気共鳴スペクトル
およびマススペクトルは、全て4−ヒドロキシ−2−ブ
チン酸の構造と一致した。 ・IR(neat)νmax 3225cm-1(OH), 2237cm-1(C≡C), 1701cm-1(COOH) ・13C−NMR(D2O)δ 158.2ppm(COOH) 85.8ppm,78.8ppm(C≡C) 50.1ppm(C−OH) ・元素分析 測定値 C:47.68% ; H:4.35% 計算値(C4H4O3) C:48.01% ; H:4.03%
微生物を利用した酸化反応によって、穏やかな条件で
2−ブチン−1,4−ジオールから相当する4−ヒドロキ
シ−2−ブチン酸を選択的に高収率で生産することがで
き、工業的生産が可能となった。
2−ブチン−1,4−ジオールから相当する4−ヒドロキ
シ−2−ブチン酸を選択的に高収率で生産することがで
き、工業的生産が可能となった。
Claims (1)
- 【請求項1】2−ブチン−1,4−ジオールを基質として
4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生産するリノクラディ
エラ属に属する微生物を2−ブチン−1,4−ジオールを
含む培地に培養し、4−ヒドロキシ−2−ブチン酸を生
成せしめ、これを採取することを特徴とする4−ヒドロ
キシ−2−ブチン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP155389A JP2709359B2 (ja) | 1989-01-07 | 1989-01-07 | 4―ヒドロキシ―2―ブチン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP155389A JP2709359B2 (ja) | 1989-01-07 | 1989-01-07 | 4―ヒドロキシ―2―ブチン酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02182193A JPH02182193A (ja) | 1990-07-16 |
JP2709359B2 true JP2709359B2 (ja) | 1998-02-04 |
Family
ID=11504718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP155389A Expired - Lifetime JP2709359B2 (ja) | 1989-01-07 | 1989-01-07 | 4―ヒドロキシ―2―ブチン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2709359B2 (ja) |
-
1989
- 1989-01-07 JP JP155389A patent/JP2709359B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02182193A (ja) | 1990-07-16 |
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