JP2003051423A - 電子部品 - Google Patents
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Abstract
延びる内部電極21が配置されるだけでなく、誘電体素
体の左側と右側との間で細長く延びる内部電極22が配
置される。内部電極21の右側部分に、誘電体素体の三
つの側面12B、12C、12Dに跨がって引き出され
る引出部21Aが形成されることで、内部電極21に1
つの引出部21Aが附属して設けられる。内部電極22
の左側部分に、誘電体素体の三つの側面12B、12
D、12Eに跨がって引き出される引出部22Aが形成
されることで、内部電極22に1つの引出部22Aが附
属して設けられる。これら引出部21A、22Aに接続
されるように、二つの端子電極が誘電体素体の三つの側
面に跨がった形で誘電体素体の外側に配置される。
Description
タンス(ESL)を大幅に低減した電子部品に係り、特
にデカップリングコンデンサとして用いられる積層セラ
ミックコンデンサに好適なものである。
電源においては低電圧化が進む一方で負荷電流は増大し
ている。従って、負荷電流の急激な変化に対して電源電
圧の変動を許容値内に抑えることが非常に困難になった
為、図8に示すように、デカップリングコンデンサと呼
ばれる例えば2端子構造の積層セラミックコンデンサ1
00が電源102に接続されるようになった。そして、
負荷電流の過渡的な変動時にこの積層セラミックコンデ
ンサ100からCPU等のLSI104に電流を供給し
て、電源電圧の変動を抑えるようにしている。
の動作周波数の一層の高周波数化に伴って、負荷電流の
変動はより高速且つ大きなものとなり、図8に示す積層
セラミックコンデンサ100自身が有している等価直列
インタクタンス(ESL)が、電源電圧の変動に大きく
影響するようになった。
100ではESLが高いことから、図9に示す負荷電流
iの変動に伴って、上記と同様に電源電圧Vの変動が大
きくなり易かった。これは、負荷電流の過渡時における
電圧変動が下記の式1で近似され、ESLの高低が電源
電圧の変動の大きさと関係するからである。そして、こ
の式1からESLの低減が電源電圧を安定化することに
繋がるとも言える。 dV=ESL・di/dt…式1 ここで、dVは過渡時の電圧変動(V)であり、iは電
流変動量(A)であり、tは変動時間(秒)である。
コンデンサでは、図11に示す二種類の内部導体11
4、116をそれぞれ設置したセラミック層112Aが
交互に積層されて、誘電体素体112が形成される構造
となっていて、誘電体素体112の相互に対向する二つ
の側面112B、112Dにそれぞれ引き出される形に
これら内部導体114、116は形成されていた。
コンデンサにおいて、ESLを低減する一般的な手法と
して、図10に示すように、それぞれ積層セラミックコ
ンデンサの外寸である寸法Lと寸法Wとの間の寸法比を
L/W<0.75とした構造とし、面積の大きい側面1
12B、112Dに端子電極118、120をそれぞれ
配置することで、電流の流路を短くして内部導体11
4、116のインダクタンスを低減するようにしてき
た。しかし、この構造では積層セラミックコンデンサの
製造上及び実装上の限界があり、インダクタンスを十分
に低減出来なかった。
14、116が引き出されている誘電体素体112の側
面112B、112D間の距離であり、寸法Wは、これ
ら内部導体114、116が引き出された誘電体素体1
12の側面112B、112Dに対して直交する側面1
12C、112E間の距離である。本発明は上記事実を
考慮し、ESLを大幅に低減した電子部品を提供するこ
とを目的とする。
は、複数の誘電体シートが積層されて形成される誘電体
素体と、誘電体シート間に挟まれる形で誘電体素体内に
配置され且つそれぞれ誘電体素体の三つの側面に跨がっ
て引き出される二種類の内部導体と、それぞれ誘電体素
体の三つの側面に跨がって誘電体素体の外側に配置され
且つ二種類の内部導体の何れか一方にそれぞれ接続され
る二つの端子電極と、を有することを特徴とする。
誘電体シートが積層されて形成される誘電体素体内に、
それぞれ誘電体シート間に挟まれる形で二種類の内部導
体が配置されている。そして、これら二種類の内部導体
は、それぞれ誘電体素体の三つの側面に跨がって引き出
される構造とされている。また、二つの端子電極が、そ
れぞれ誘電体素体の三つの側面に跨がって誘電体素体の
外側に配置されていて、二種類の内部導体の何れか一方
にこれら二つの端子電極がそれぞれ接続されている。
に跨がる二つの端子電極と二種類の内部導体とがそれぞ
れ相互に接続されることで、二種類の内部導体内におい
て、電流が相互に逆向きに流れる個所がそれぞれ存在す
るようになる。この為、電流が逆向きに流れる個所で磁
界を相殺する作用が生じ、これに伴って、電子部品自体
が持つ寄生インダクタンスを少なくでき、等価直列イン
ダクタンスを低減する効果が生じるようになる。以上よ
り、本請求項に係る電子部品によれば、デカップリング
コンデンサとして好適なように電子部品の大幅な低ES
L化が図られて、電源電圧の振動を抑制できるようにな
る。
1の電子部品と同様の構成の他に、誘電体素体が直方体
形状に形成されるという構成を有している。つまり、誘
電体シートがそれぞれ長方形等の四辺形に形成され、こ
れら誘電体シートが積層されることで、直方体形状に誘
電体素体が形成されるようになる。この為、生産性の観
点から最適な四つの側面を有する直方体形状に形成され
た誘電体素体の三つの側面に跨がって端子電極及び内部
導体の引き出し部分が設けられる形になるので、ESL
が低減される効果が最大限に発揮されるようになる。
1及び請求項2の電子部品と同様の構成の他に、誘電体
素体の側面にそれぞれ引き出された二種類の内部導体の
部分が、誘電体シートの積層方向に投影して相互に重な
らない位置関係になるように、誘電体素体の三つの側面
に跨がって配置されるという構成を有している。つま
り、二種類の内部導体のそれぞれ引き出された部分を本
請求項のような位置関係とすることにより、二つの端子
電極が相互に短絡することなく、それぞれ誘電体素体の
三つの側面に跨がって誘電体素体の外側に確実に配置可
能となる。
1から請求項3の電子部品と同様の構成の他に、二種類
の内部導体がそれぞれ誘電体素体内に複数配置されると
いう構成を有している。従って、二種類の内部導体をそ
れぞれ誘電体素体内に複数配置することで、本請求項に
係る電子部品が例えば積層セラミックコンデンサであれ
ば、静電容量が高まるだけでなく磁界を相殺する作用が
さらに大きくなり、インダクタンスがより大幅に減少し
てESLが一層低減されるようになる。
1の実施の形態を図面に基づき説明する。本実施の形態
に係る電子部品である積層セラミックコンデンサ(以下
単に、積層コンデンサと言う)10を図1から図3に示
す。これらの図に示すように、誘電体シートであるセラ
ミックグリーンシートを複数枚積層した積層体を焼成す
ることで得られた直方体状の焼結体である誘電体素体1
2を主要部として、この積層コンデンサ10が構成され
ている。
2の左側と右側との間で細長く延びる第1種類目の内部
導体である内部電極21が配置されているだけでなく、
同じく誘電体素体12の左側と右側との間で細長く延び
る第2種類目の内部導体である内部電極22が配置され
ている。そして、これら内部電極21及び内部電極22
は、図1及び図3に示すように、例えば4枚づつ交互に
配置される形で、誘電体素体12内にそれぞれ存在して
いて、それぞれの内部電極21と内部電極22との間に
は、セラミック層12Aが配置されている。
電体シートであるセラミック層12Aが間に挟まれる形
で、誘電体素体12内に4枚づつの内部電極21、22
が交互に配置されている。尚、これら内部電極21、2
2の材質としては、卑金属材料であるニッケル、ニッケ
ル合金、銅或いは、銅合金が考えられるだけでなく、こ
れらの金属を主成分とする材料が考えられる。
の右側部分に、誘電体素体12の三つの側面12B、1
2C、12Dに跨がって引き出される引出部21Aが形
成されることで、内部電極21に1つの引出部21Aが
附属して設けられている。但し、この引出部21Aは、
誘電体素体12の手前側と奥側の側面12B、12Dに
おいて、これらの側面12B、12Dの中央より若干右
側寄りの部分までしか形成されていない。
素体12の三つの側面12B、12D、12Eに跨がっ
て引き出される引出部22Aが形成されることで、内部
電極22に1つの引出部22Aが附属して設けられてい
る。但し、この引出部22Aは、誘電体素体12の手前
側と奥側の側面12B、12Dにおいて、これらの側面
12B、12Dの中央より若干左側寄りの部分までしか
形成されていない。
電極21、22の引出部21A、22Aが、誘電体シー
トの図1及び図2の矢印Zで示す積層方向に投影して相
互に重ならない位置関係になるように、それぞれ誘電体
素体12の三つの側面に跨がって配置されていることに
なる。
続されるように、図2及び図3に示す端子電極31が誘
電体素体12の三つの側面12B、12C、12Dに跨
がった形で誘電体素体12の外側に配置されており、ま
た、内部電極22の引出部22Aに接続されるように、
同じく図2及び図3に示す端子電極32が誘電体素体1
2の三つの側面12B、12D、12Eに跨がった形で
誘電体素体12の外側に配置されている。
1、22がコンデンサの相互に対向する電極を構成し、
積層コンデンサ10の右側寄りにこの内部電極21に接
続される端子電極31が配置され、積層コンデンサ10
の左側寄りにこの内部電極22に接続される端子電極3
2が配置されている。この為、本実施の形態に係る積層
コンデンサ10は、直方体である六面体形状とされる誘
電体素体12の四つの側面12B〜12E全てに、端子
電極31、32がそれぞれ配置される2端子構造の積層
コンデンサになっている。
10の作用を説明する。本実施の形態に係る積層コンデ
ンサ10によれば、複数の誘電体シートが積層されて直
方体形状に形成される誘電体素体12内に、それぞれ誘
電体シート間に挟まれる形で、二種類の内部電極21、
22が複数枚づつ配置されている。これら二種類の内部
電極21、22は、誘電体シートの積層方向に投影して
相互に重ならない位置関係で、それぞれ誘電体素体12
の三つの側面に跨がって引き出される構造とされてい
る。また、二つの端子電極31、32が、それぞれ誘電
体素体12の三つの側面に跨がって誘電体素体12の外
側に配置されていて、二種類の内部電極21、22の何
れか一方にこれら二つの端子電極31、32がそれぞれ
接続されている。
側面に跨がる二つの端子電極31、32と二種類の内部
電極21、22の引出部21A、22Aとがそれぞれ相
互に接続されることで、二種類の内部電極21、22内
において、図1の矢印Xで示す主要な電流の流れの他
に、矢印Yで示す相互に逆向きの電流が生じる個所が、
それぞれ存在するようになる。
を相殺する作用が生じ、これに伴って、積層コンデンサ
10自体が持つ寄生インダクタンスを少なくでき、等価
直列インダクタンスを低減する効果が生じるようにな
る。以上より、本実施の形態に係る積層コンデンサ10
によれば、デカップリングコンデンサとして好適なよう
に積層コンデンサ10の大幅な低ESL化が図られて、
電源電圧の振動を抑制できるようになる。
ぞれ誘電体素体12内に複数配置されることで、静電容
量が高まるだけでなく、磁界を相殺する作用が大きくな
り、インダクタンスがより大幅に減少してESLが一層
低減された積層コンデンサ10となる。
10の製造に際して、それぞれ長方形等の四辺形に形成
された誘電体シートを積層することで、誘電体素体12
を直方体形状に形成した。この結果、誘電体素体12
が、生産性の観点から最適な四つの側面12B〜12E
を有する直方体形状に形成され、この誘電体素体12の
三つの側面に跨がって端子電極31、32及び内部電極
21、22が形成される形となるので、ESLが低減さ
れる効果が本実施の形態によれば最大限に発揮されるよ
うになる。
ートの積層方向に投影して相互に重ならない位置関係に
なるように、誘電体素体12の三つの側面に跨がって二
種類の内部電極21、22の引出部21A、22Aをそ
れぞれ形成することにより、二つの端子電極31、32
が相互に短絡することなく、誘電体素体12の三つの側
面に跨がって誘電体素体12の外側に確実に配置可能と
なる。
の形態を図4及び図5に基づき説明する。尚、第1の実
施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を
付して、重複した説明を省略する。第1の実施の形態で
は、誘電体素体12の左右の側面12C、12Eを中心
としてそれぞれ二つの端子電極31、32及び内部電極
21、22の引出部21A、22Aが、手前側の側面1
2Bと奥側の側面12Dにまで延びる形とされていた。
図5に示すように、第1種類目の内部導体である内部電
極21が、奥側の側面12Dを挟んで左右の側面12
C、12Eに拡がる形で延びる引出部21Aを有してい
る。また、第2種類目の内部導体である内部電極22
が、手前側の側面12Bを挟んで左右の側面12C、1
2Eに拡がる形で延びる引出部21Aを有している。そ
してこれに伴って、端子電極31が奥側の側面12Dを
中心として左右の側面12C、12Eに延びており、ま
た、端子電極32が手前側の側面12Bを中心として左
右の側面12C、12Eに延びている。
電流の流れが図4の矢印Yで示す方向とされて、第1の
実施の形態より短くなることで、より一層ESLが低減
された積層コンデンサ10となる。
て、Sパラメータからインピーダンスヘ換算し、以下の
各試料のESLをそれぞれ求めた。まず、各試料となる
サンプルの内容を説明する。つまり、コンデンサとして
一般的な2端子型積層コンデンサをサンプル1とし、図
10に示す従来の低ESL化した2端子型積層コンデン
サをサンプル2とし、図5に示す実施の形態に係る2端
子型積層コンデンサをサンプル3とし、ESLをそれぞ
れ求めた。
ンピーダンス特性を測定したデータを示す図6のグラフ
のように、サンプル1、2、3の順でインピーダンスの
最小値は小さくなり、これに伴って、サンプル1ではE
SLが1420pHであり、サンプル2ではESLが3
80pHであるのに対して、サンプル3ではESLが1
72pHであった。つまり、本発明の実施の形態による
サンプル3により、ESLが大幅に低減されることが確
認された。
SL・C)の式より求められるものであり、f0 は自己
共振周波数でCは静電容量である。また、自己共振周波
数f 0 における等価直列抵抗(ESR)との関係が図7
に示されている。
類の内部導体が引き出されている誘電体素体の側面間の
距離を寸法Lとし、内部導体が引き出された誘電体素体
の側面に対して直交する側面間の距離を寸法Wとした時
に、サンプル1がL=3.2mmでW=l.6mmであ
った。また、サンプル2及びサンプル3は、L=1.6
mmでW=3.2mmであった。さらに、静電容量とし
ては、サンプル1が1.06μFであり、サンプル2が
1.01μFであり、サンプル3が1.02μFであっ
た。
10では、4枚づつの計8枚の内部電極を有する構造と
されているものの、内部電極の枚数はこれらの数に限定
されずさらに多数とし、例えば層数及び内部電極の枚数
を例えば数十或いは数百としても良い。
た電子部品を提供することが可能となる。
サの分解斜視図である。
サを示す斜視図である。
サを示す断面図であって、図2の3−3矢視線断面に対
応する図である。
サの分解斜視図である。
サを示す斜視図である。
を示した図である。
を示した図である。
回路図である。
回路における負荷電流と電源電圧との関係を表すグラフ
を示した図である。
ある。
分を示す分解斜視図であって、(A)は一方の内部導体
を示す図であり、(B)は他方の内部導体を示す図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の誘電体シートが積層されて形成さ
れる誘電体素体と、 誘電体シート間に挟まれる形で誘電体素体内に配置され
且つそれぞれ誘電体素体の三つの側面に跨がって引き出
される二種類の内部導体と、 それぞれ誘電体素体の三つの側面に跨がって誘電体素体
の外側に配置され且つ二種類の内部導体の何れか一方に
それぞれ接続される二つの端子電極と、 を有することを特徴とする電子部品。 - 【請求項2】 誘電体素体が直方体形状に形成されたこ
とを特徴とする請求項1記載の電子部品。 - 【請求項3】 誘電体素体の側面にそれぞれ引き出され
た二種類の内部導体の部分が、誘電体シートの積層方向
に投影して相互に重ならない位置関係になるように、誘
電体素体の三つの側面に跨がって配置されたことを特徴
とする請求項1或いは請求項2記載の電子部品。 - 【請求項4】 二種類の内部導体が、それぞれ誘電体素
体内に複数配置されたことを特徴とする請求項1から請
求項3の何れかに記載の電子部品。
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