JP2003026932A - 超微粒子複合樹脂粒子、誘電体形成用組成物および電子部品 - Google Patents

超微粒子複合樹脂粒子、誘電体形成用組成物および電子部品

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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明に係る誘電体形成用組成物は、5
00℃以下の加熱で、誘電率が30以上でありかつ誘電
正接が0.1以下の誘電体を形成することが可能であ
り、平均粒子径が0.1μm以下である無機超微粒子
と、重合性化合物および重合体の少なくとも一方からな
る樹脂成分とからなり、該無機超微粒子を20重量%以
上の量で含有する超微粒子複合樹脂粒子と、誘電率が3
0以上である無機粒子または該無機粒子の表面の一部ま
たは全体に導電性金属等が被覆されている無機複合粒子
とを含むことを特徴としている。 【効果】 本発明の超微粒子複合樹脂粒子を用いると、
前記のように500℃以下という低温の加熱温度で、3
0以上という高い誘電率と0.1以下という低い誘電正
接を有する誘電体層を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、超微粒子複合樹脂粒子、
この超微粒子複合樹脂粒子を含む誘電体形成用組成物、
この組成物等から形成される高誘電率の誘電体、この誘
電体が導電性箔上に形成された導電性箔付き誘電体、お
よびこの誘電体を含む電子部品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】近年、多層プリント配線基板等に
高誘電率層を設け、この層をコンデンサ等に利用する技
術が知られている。この高誘電率層は、たとえば、熱硬
化性樹脂が溶解された有機溶剤に高誘電率の無機粉末を
添加したものを、ガラス繊維等の繊維強化材に含浸さ
せ、溶剤を焼成などにより飛散させて硬化させる等の方
法により調製されている。しかしながら、従来の方法で
は、通常、たとえば30以上あるいは50以上などの高
い誘電率を有する誘電体層を得ることは困難であった。
【0003】また、各種の無機粉末を用いて高誘電率の
誘電体層を得る試みもなされ、たとえば、ポリスチレン
に無機粉末としてFe34、あるいはZnO+カーボン
などを添加すると、高い誘電率の誘電体層を得ることが
できることが知られている。しかし、このような系で
は、誘電率を高くすることができても、得られる誘電体
層の誘電正接が大きくなるため、交流電場における誘電
体層での発熱が大きくなり、誘電体のフィルムを設けた
多層プリント配線基板等の劣化、熱応力による接合部の
破断等、不良の原因となり、半導体基板の信頼性、耐久
性が低下し易いという問題点があった。
【0004】一方、高い誘電率を得るためには、通常、
高誘電率の無機粉末を高温で加熱焼成して誘電体層を形
成する方法が知られている。しかしながら、この方法
は、たとえば1000℃程度の高温で焼成する必要があ
るため、配線基板上に電子部品が装着されている状態で
誘電体層を設ける場合には適用できず、種々の半導体基
板の製造プロセスに汎用的に適用できないという問題点
があった。
【0005】このため、低温焼成により、高い誘電率
で、熱損失の小さい誘電体層を提供するとともに、この
ような誘電体層を提供しうる無機粒子、組成物の出現が
望まれていた。そこで、本発明者らは、前記問題を解決
すべく鋭意研究し、特定の粒子径の無機超微粒子と特定
の樹脂成分とからなる超微粒子複合樹脂粒子と、特定の
無機粒子あるいは該無機粒子の表面の一部または全体に
導電性金属もしくは有機化合物等が付着された無機複合
粒子とを含有する組成物を用いることにより、500℃
以下という低温での焼成が可能で、高誘電率かつ低誘電
正接の誘電体を形成することができることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、前記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、熱損失が小さ
く、低温焼成可能な高誘電率の誘電体層を形成できるよ
うな超微粒子複合樹脂粒子、誘電体形成用組成物、およ
びこの組成物から形成された導電性箔付き誘電体、この
誘電体を備えてなる電子部品を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る超微粒子複合樹脂粒子は、
[I]平均粒子径が0.1μm以下である無機超微粒子
と、[II]重合性化合物および重合体の少なくとも一方
からなる樹脂成分とからなり、かつ該無機超微粒子
[I]が20重量%以上の量で含まれていることを特徴
とする。
【0008】本発明に係る超微粒子複合樹脂粒子は、平
均粒子径が0.1〜5μmであることが好ましい。前記
無機超微粒子[I]の誘電率は10以上であり、チタン
系金属酸化物からなることが好ましい。本発明に係る誘
電体は、前記超微粒子複合樹脂粒子を含有することがで
きる。
【0009】本発明に係る誘電体形成用組成物は、前記
超微粒子複合樹脂粒子と、平均粒子径が0.1〜1μm
でありかつ誘電率が30以上の無機粒子、あるいは該無
機粒子表面の一部または全体に導電性金属もしくはその
化合物または導電性有機化合物もしくは導電性無機物を
付着させた無機複合粒子とを含むことを特徴としてい
る。
【0010】本発明に係る誘電体形成用組成物は、前記
超微粒子複合樹脂粒子と、前記無機粒子あるいは無機複
合粒子とを、重量比(無機粒子または無機複合粒子/超
微粒子複合樹脂粒子)で、30/70〜95/5の割合
で含有することが好ましい。本発明に係る誘電体形成用
電着液は、前記超微粒子複合樹脂粒子と、平均粒子径が
0.1〜1μmでありかつ誘電率が30以上である無機
粒子、あるいは該無機粒子表面の一部または全体に導電
性金属もしくはその化合物または導電性有機化合物もし
くは導電性無機物を付着させた無機複合粒子とを、水性
分散媒中に分散させてなることを特徴としている。
【0011】前記誘電体形成用組成物あるいは誘電体形
成用電着液を500℃以下で加熱して得られる誘電体
は、誘電率が30以上であり、かつ誘電正接が0.1以
下であることが好ましい。本発明に係る誘電体におい
て、前記無機超微粒子[I]および無機粒子は、チタン
系金属酸化物からなることが好ましい。
【0012】本発明に係る導電性箔付き誘電体は、導電
性箔上に前記誘電体が形成されていることを特徴として
いる。本発明に係る電子部品は、前記誘電体を含むこと
を特徴としている。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明について具体的に説
明する。 [超微粒子複合樹脂粒子]本発明に係る超微粒子複合樹
脂粒子は、特定の粒子径を有し、特定の粒子径を有する
無機超微粒子[I]と、特定の樹脂成分[II]とからな
る。無機超微粒子[I] 本発明において使用する無機超微粒子[I]は、平均粒
子径が0.1μm以下であり、好ましくは0.08μm
以下、さらに好ましくは0.05μm以下であることが
望ましい。平均粒子径が0.1μmを超えると樹脂粒子
に対する分散性が低下し、添加効果が得られにくくなる
ことがある。また、平均粒子径の下限は特に限定されな
いが、小さくなると樹脂中に分散する際に分散せずに凝
集しやすくなるため、好ましくは0.001μm以上、
さらに好ましくは0.005μm以上であることが望ま
しい。
【0014】本発明の無機超微粒子の誘電率は、好まし
くは10以上であり、好ましくは20以上、さらに好ま
しくは30以上であることが望ましい。このような無機
超微粒子としては、金属酸化物からなるものが好ましく
用いられ、チタン系金属酸化物がより好ましい。ここ
で、「チタン系金属酸化物」とはチタン元素と酸素元素
とを必須元素として含む化合物をいう。このようなチタ
ン系金属酸化物としては、結晶構造を構成する金属元素
としてチタンを単一で含むチタン系単一金属酸化物と、
金属元素としてチタンおよび他の金属元素を含むチタン
系複酸化物とを好ましく用いることができる。
【0015】前記チタン系単一金属酸化物としては、た
とえば、二酸化チタン系金属酸化物が挙げられる。この
ような二酸化チタン系金属酸化物としては、アナターゼ
構造またはルチル構造の二酸化チタン系金属酸化物が挙
げられる。前記チタン系複酸化物としては、たとえば、
チタン酸バリウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ストロン
チウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム
系、チタン酸ネオジウム系、チタン酸カルシウム系等の
金属酸化物が挙げられる。
【0016】また、アルコール媒体などの分散媒への分
散性を向上させるため、前記無機粒子の表面をシリカ、
アルミナ等で変性した粒子も好適に用いることができ
る。本発明の無機超微粒子の形状は、特に制限されるも
のではないが、球状、粒状、板状、麟片状、ウィスカー
状、棒状、フィラメント状などの形状が挙げられる。こ
れらの形状のうち、球状、粒状、片状、鱗片状であるこ
とが好ましい。これらの形状の無機粒子は、一種単独
で、または二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0017】本発明において使用する無機超微粒子は、
たとえば気相法やゾルゲル法により合成することができ
る。気相法で合成した無機超微粒子を溶剤に分散するに
は、分散剤を併用して公知の分散方法、ビーズミル、混
練法、高圧ホモジナイザーなどにより一次粒子にまで分
散させることができる。樹脂成分[II] 本発明において使用する樹脂成分[II]は、重合性化合
物または重合体の少なくとも一方からなる。ここで「重
合性化合物」とは、重合性基を有する化合物を指し、完
全硬化前の前駆的重合体、重合性オリゴマー、単量体な
どを含む化合物を意味する。また、「重合体」とは、実
質的に重合反応が完了した化合物を意味する。ただし、
加熱、湿気などによりこの重合体を誘電層形成後に架橋
させることも可能である。
【0018】このような樹脂成分としては、ポリイミド
系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステ
ル系樹脂、フッ素系樹脂およびシリコン系樹脂から選択
される一種または二種以上からなることが好ましい。ま
た、これらの樹脂に加えてさらに他の成分を含んでもよ
い。さらに、これらの樹脂は互いに、あるいは他の成分
と化学的に結合されていてもよい。超微粒子複合樹脂粒子 本発明に係る超微粒子複合樹脂粒子は、前述の通り、無
機超微粒子[I]と、樹脂成分[II]とからなるが、好
ましくは該無機超微粒子[I]表面の少なくとも一部が
樹脂成分[II]で被覆され、より好ましくは無機超微粒
子[I]表面の全体が樹脂成分[II]で被覆された粒子
であることが望ましい。
【0019】すなわち、超微粒子複合樹脂粒子におい
て、無機超微粒子[I]は樹脂成分[II]中に内包され
ていてもよく、また、無機超微粒子[I]の一部分が樹
脂成分[II]で被覆されずに超微粒子複合樹脂粒子表面
に露出していてもよい。このような超微粒子複合樹脂粒
子は、超微粒子複合樹脂粒子全体を100重量%とした
場合に、無機超微粒子[I]を好ましくは20重量%以
上、より好ましくは30〜70重量%、さらに好ましく
は35〜50重量%の量で含んでいることが望ましい。
超微粒子複合樹脂粒子において無機超微粒子の含有量が
20重量%未満であると誘電率が低下することがあり、
70重量%を超えると誘電体を形成したときに誘電体の
機械的強度が低下することがある。
【0020】このような超微粒子複合樹脂粒子の平均粒
子径は、好ましくは0.1〜5μmであり、より好まし
くは0.1〜1μm、さらに好ましくは0.15〜0.
6μmであることが望ましい。平均粒子径が5μmを超
えると沈降してしまい保存安定性が低下することがあ
る。また、平均粒子径が0.1μm未満であると無機超
微粒子を複合することが難しくなり誘電体層の均一性が
低下することがある。
【0021】本発明に係る超微粒子複合樹脂粒子は、後
述する方法で主としてエマルジョンとして得ることがで
きる。このような超微粒子複合樹脂粒子の表面は、電着
を可能とするために電荷を有することが好ましく、この
表面電荷はアニオン型でもカチオン型でもよいが、電着
時の電極酸化を防止するためにはカチオン型であること
が好ましい。
【0022】本発明においては、電着により機械的特
性、化学的特性および電気的特性に優れた高誘電率の誘
電体を形成できることから、ポリイミド系樹脂を主成分
とする樹脂成分を用いることが特に好ましい。なお、
「ポリイミド系樹脂」とは、前述の通り、たとえば、電
着後の加熱などにより硬化可能な前駆的重合体(たとえ
ばポリアミック酸など)、ポリイミド系樹脂の形成に用
いられる単量体、オリゴマー、ポリイミド樹脂の形成に
用いられる単量体と他の単量体との共重合体樹脂または
その前駆的重合体、ポリイミド樹脂またはその前駆的重
合体と他の化合物との反応物などをも含むことを意味し
ている。 [無機粒子または無機複合粒子]本発明に係る誘電体形
成用組成物は、上記のような超微粒子複合樹脂粒子と、
無機粒子、あるいは無機複合粒子とを含んでなる。以下
に、該無機粒子および無機複合粒子について説明する。無機粒子 本発明において使用する無機粒子は、誘電率が30以上
であり、好ましくは50以上、さらに好ましくは70以
上である。誘電率は高い分には問題なく、上限値は限定
されないが、たとえば、30000程度であってもよ
い。
【0023】このような無機粒子としては、金属酸化物
からなるものが好ましく用いられ、特にチタン系金属酸
化物が好ましい。ここで、「チタン系金属酸化物」とは
チタン元素と酸素元素とを必須元素として含む化合物を
いう。このようなチタン系金属酸化物としては、結晶構
造を構成する金属元素としてチタンを単一で含むチタン
系単一金属酸化物と、金属元素としてチタンおよび他の
金属元素を含むチタン系複酸化物とを好ましく用いるこ
とができる。
【0024】前記チタン系単一金属酸化物としては、た
とえば、二酸化チタン系金属酸化物が挙げられる。この
ような二酸化チタン系金属酸化物としては、アナターゼ
構造またはルチル構造の二酸化チタン系金属酸化物が挙
げられる。前記チタン系複酸化物としては、たとえば、
チタン酸バリウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ストロン
チウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム
系、チタン酸ネオジウム系、チタン酸カルシウム系等の
金属酸化物が挙げられる。
【0025】なお、前記「二酸化チタン系金属酸化物」
とは、二酸化チタンのみを含む系、または二酸化チタン
に他の少量の添加物を含む系を意味し、主成分である二
酸化チタンの結晶構造が保持されているものであり、他
の系の金属酸化物についても同様である。また、前記
「チタン系複酸化物」とは、チタン系単一金属酸化物
と、少なくとも1種の他の金属元素からなる金属酸化物
とが複合して生ずる酸化物であり、構造の単位としてオ
キソ酸のイオンが存在しないものをいう。
【0026】本発明においては、このような無機粒子を
構成するチタン系金属酸化物としては、チタン系単一金
属酸化物のうちでは、ルチル構造の二酸化チタン系金属
酸化物が好ましく、チタン系複酸化物のうちでは、チタ
ン酸バリウム系金属酸化物を好ましく用いることができ
る。さらに、これらのうちでは、チタン酸バリウム系金
属酸化物を特に好ましく用いることができる。
【0027】また、水性媒体への分散性を向上させるた
め、前記無機粒子の表面をシリカ、アルミナ等で変性し
た粒子も好適に用いることができる。このような無機粒
子の平均粒子径は、好ましくは0.1〜2μm、より好
ましくは0.1〜1μm、さらに好ましくは0.15〜
0.8μmであることが望ましい。平均粒子径が1μm
を超えると、膜厚を薄くした場合に誘電体層の組成が不
均一になりやすくなることがある。平均粒子径が、0.
1μm未満であると誘電体層の誘電率が低下することが
ある。
【0028】本発明の無機粒子の形状は、特に制限され
るものではないが、球状、粒状、板状、麟片状、ウィス
カー状、棒状、フィラメント状などの形状が挙げられ
る。これらの形状のうち、球状、粒状、片状、鱗片状で
あることが好ましい。これらの形状の無機粒子は、一種
単独で、または二種以上を組み合わせて用いることがで
きる。無機複合粒子 本発明に使用する無機複合粒子は、上記の無機粒子の表
面の一部あるいは全体に、導電性金属もしくはそれらの
化合物、または導電性有機化合物もしくは導電性の無機
物(以下、導電性被覆材ともいう。)が被覆されている
粒子である。
【0029】「導電性被覆材」前記無機粒子を被覆する
導電性被覆材としては、導電性金属もしくはそれらの化
合物、または導電性有機化合物もしくは導電性無機物が
挙げられる。これらの導電性物質は、前記無機粒子の表
面の一部に、1種単独でまたは複数種を併用して付着さ
れていてもよい。
【0030】前記の導電性金属としては、たとえば、
金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ルテニウム、Fe、
Ni、Co、Ge、Si、Zn、Ti、Mg、Alなどから選ばれる少な
くとも1種の金属を用いることができる。金属として
は、これらの合金を用いることもできる。前記の導電性
金属の化合物としては、前記導電性金属の窒化物を用い
ることができる。
【0031】前記の導電性有機化合物としては、TCN
Q(7,7,8,8-テトラシアノキノジメタン)、ポリピロー
ル、ポリアニリン、ポリチオフェンなどから選ばれる少
なくとも1種の化合物を用いることができる。前記の導
電性無機物としては、カーボン、黒鉛などから選ばれる
少なくとも1種のものを用いることができる。
【0032】「無機複合粒子」本発明に用いる無機複合
粒子に含まれる前記無機粒子の割合は、無機複合粒子の
全重量に対して、好ましくは70〜99重量%、さらに
好ましくは85〜95重量%、特に好ましくは80〜9
0重量%の量であることが望ましい。また、導電性の金
属または導電性の有機化合物等の割合は、好ましくは1
〜30重量%、さらに好ましくは5〜15重量%、特に
好ましくは10〜20重量%の量であることが望まし
い。
【0033】無機粒子成分の割合が99重量%を超える
と、誘電体にしたときに高い誘電率が得られなくなるこ
とがある。また、無機粒子成分の割合が70重量%より
小さいと誘電体の絶縁性が低下することがある。本発明
に用いられる無機複合粒子の平均粒子径は、好ましくは
0.1〜2μm、より好ましくは0.1〜1μm、さら
に好ましくは0.15〜0.8μmであることが望まし
い。平均粒子径が2μmを超えると、膜厚を薄くした場
合に誘電体層の組成が不均一になりやすくなることがあ
る。平均粒子径が、0.1μm未満であると誘電体層の
誘電率が低下することがある。
【0034】このような無機複合粒子は公知の方法を用
いて調製することができ、限定されない。たとえば、メ
ッキ等により無機粒子の表面に導電性の金属を被膜する
場合には、化学メッキなどの無電解メッキなどにより行
うことができる。また、たとえば、ガスアトマイズ法な
どの公知の方法により、無機粒子の表面に導電性の金属
や有機化合物を合金状態あるいは複合化して被覆するこ
ともできる。さらに、ガスアトマイズ法により調製した
無機複合粒子は、たとえば公知の合金製造方法を用い
て、粒子表面付近の前記導電性成分を高濃度にして、粒
子表面の酸化を抑えることもできる。
【0035】具体的には、1〜40重量%の金属成分で
被覆した無機粒子からなる無機複合粒子を、分級機によ
って平均粒度0.1〜2μmの粉末を採取し、その粉末
を用いて純水中にて超音波分散を施し、充分に表面を浸
水させた後、1〜10容積%の硫酸浴中において表面の
Cu分のみを溶出させることにより無機複合粒子を得る
ことができる。
【0036】また、たとえば、粒子が微細あるいは片状
形状であっても、無機複合粒子の表面付近に導電性成分
を多く含有した複合粒子を製造することもできる。この
ような無機複合粒子には、無機粒子に対して3〜50重
量%のカーボンを加え、粉砕加工しながら機械的に磁性
体粉にカーボンを付着させることができる(メカノケミ
カル法)。
【0037】さらに、前記導電性金属と無機粒子を高温
のプラズマガス中で溶融し、さらに急冷凝固することに
よっても、無機複合粒子表面付近の導電性成分の濃度
を、平均濃度より高めることができる。平均粒子径が
0.1〜2μm径程度の無機複合粒子の微粉末を得る場
合、微粉末状の無機粒子を、不活性雰囲気中で流体ジェ
ット・ミル処理して一次粒子に分散し、該分散処理して
得た無機粒子を不活性雰囲気中で減圧加熱処理し、該加
熱処理した無機粒子を、スパッタリング源としての導電
性成分を納めた回転容器に仕込み、該容器を一定方向に
回転させて無機粒子の流動層を形成し、容器を回転した
状態で導電性成分をスパッタリングすることにより被覆
(コーティング)材料を流動無機粒子に被覆し、被覆済
微粉末を、不活性ガス導入と真空排気を組み合わせるこ
とによって真空掃除機の原理で前記回転容器から取り出
すことにより、前記平均粒径の範囲内で、無機粒子の表
面に導電性成分が強固かつ均一に被覆された無機複合粒
子を得ることもできる。 [誘電体形成用組成物]本発明に係る誘電体形成用組成
物は、前記超微粒子複合樹脂粒子と、無機粒子あるいは
無機複合粒子とを含有してなる。
【0038】本発明では、前記超微粒子複合樹脂粒子
と、無機粒子あるいは無機複合粒子との重量比(無機粒
子あるいは無機複合粒子/超微粒子複合樹脂粒子)は、
好ましくは30/70〜95/5、さらに好ましくは5
0/50〜90/10であることが望ましい。無機粒子
あるいは無機複合粒子の割合が30重量%未満である
と、高誘電率の誘電体を得ることが困難になることがあ
る。また、無機粒子あるいは無機複合粒子の割合が95
重量%を超えると、誘電体の成膜性が低下することがあ
る。
【0039】このような誘電体形成用組成物は、該組成
物を500℃以下で加熱することにより、誘電率が30
以上であり、かつ誘電正接が0.1以下の誘電体を形成
することができる組成物である。なお、本明細書におい
て、誘電率、誘電正接は、JIS K6481(周波数1MHz)に
記載の方法により測定した値である。また、前記誘電体
形成用組成物は、さらに、必要に応じ、充填剤、その他
の成分を含有することができる。充填剤 本発明の誘電体形成用組成物は、超微粒子複合樹脂粒子
と、無機粒子あるいは無機複合粒子の他に、さらに、充
填剤を含有することができる。このような充填剤とし
て、誘電率を向上させる添加剤としては、アセチレンブ
ラック、ケッチェンブラックなどのカーボン微粉、黒鉛
微粉などの導電性微粒子、炭化ケイ素微粉などの半導体
性の微粒子などが挙げられる。これらの誘電率向上用の
充填剤を添加する場合には、無機粒子あるいは無機複合
粒子に対し、好ましくは0〜10重量%、さらに好まし
くは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5
重量%の量を使用することが望ましい。その他の添加剤 本発明に係る誘電体形成用組成物は、前記以外の化合物
として、さらに、硬化剤、ガラス粉末、カップリング
剤、高分子添加剤、反応性希釈剤、重合禁止剤、重合開
始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可
塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充
填剤、防カビ剤、調湿剤、染料溶解剤、緩衝溶液、キレ
ート剤、難燃化剤等を含んでいてもよい。これらの添加
剤は、1種単独で、または二種以上を組合せて用いるこ
とができる。
【0040】なお、本発明に係る誘電体形成用組成物
は、後述するように誘電体形成用電着液の形態をとるこ
とが好ましいが、必要に応じてペースト状の形態をとる
こともできる。 [誘電体形成用電着液]本発明に係る誘電体形成用電着
液は、前記超微粒子複合樹脂粒子と、無機粒子あるいは
無機複合粒子とを、水性分散媒中に分散してなる。この
ような誘電体形成用電着液は、通常、前記超微粒子複合
樹脂粒子が水性分散媒に分散した水性エマルジョンを調
製し、この水性エマルジョンと、前記無機粒子あるいは
無機複合粒子とを混合して得られる。そこでまず、この
水性エマルジョンについて説明する。なお、本明細書に
おいて「水性分散媒」とは水を含有する媒体を意味し、
この水性分散媒中における水の含有率は通常、1重量%
以上、好ましくは5重量%以上であることが望ましい。水性エマルジョン 以下、主として無機超微粒子と、ポリイミド系樹脂とか
らなる超微粒子複合樹脂粒子の水性エマルジョン(以
下、「超微粒子複合ポリイミド系樹脂エマルジョン」と
いう。)、主として無機超微粒子と、エポキシ系樹脂と
からなる超微粒子複合樹脂粒子の水性エマルジョン(以
下、「超微粒子複合エポキシ系樹脂エマルジョン」とい
う。)、主として無機超微粒子とアクリル系樹脂とから
なる超微粒子複合樹脂粒子の水性エマルジョン(以下、
「超微粒子複合アクリル系樹脂エマルジョン」とい
う。)、主として無機超微粒子とポリエステル系樹脂と
からなる超微粒子複合樹脂粒子の水性エマルジョン(以
下、「超微粒子複合ポリエステル系樹脂エマルジョン」
という。)、主として無機超微粒子とフッ素系樹脂とか
らなる超微粒子複合樹脂粒子の水性エマルジョン(以
下、「超微粒子複合フッ素系樹脂エマルジョン」とい
う。)および主として無機超微粒子とシリコン系樹脂と
からなる超微粒子複合樹脂粒子の水性エマルジョン(以
下、「超微粒子複合シリコン系樹脂エマルジョン」とい
う。)の製造方法について説明する。なお、このような
水性エマルジョンは、水とともに、必要に応じ他の媒体
を含有することができる。必要に応じ水と共に使用され
る他の媒体としては、たとえば、前記ポリアミック酸、
ポリイミドの製造に使用される非プロトン性極性溶媒、
エステル類、ケトン類、フェノール類、アルコール類な
どが挙げられる。
【0041】また、このような水性エマルジョン中にお
いては、樹脂成分[II]は粒子形状の有機粒子であるこ
とが好ましい。 (i)超微粒子複合ポリイミド系樹脂エマルジョンの製
造方法 本発明で用いられる樹脂成分がポリイミド系樹脂からな
る場合には、機械的特性、化学的特性および電気的特性
に優れたポリイミド系の高誘電率層を形成できる。この
ような誘電体層を電着により作製する方法としては下記
の二種類の方法を好ましく用いることができる。
【0042】前記無機超微粒子と、有機溶媒可溶性の
ポリイミドおよび親水性ポリマーとからなる樹脂成分と
を含む超微粒子複合ポリイミド系樹脂エマルジョンを電
着液として、この超微粒子複合樹脂粒子を電着する方
法。 前記無機超微粒子と、ポリアミック酸および疎水性化
合物とからなる樹脂成分とを含む超微粒子複合ポリイミ
ド系樹脂エマルジョンを電着液としてこの超微粒子複合
樹脂粒子を電着し、電着されたポリアミック酸を加熱に
より脱水閉環する方法。
【0043】これらの方法において使用するポリイミド
系樹脂エマルジョンを製造する方法としては、前記の
方法については特開平11−49951公報に記載の方
法が、また前記の方法について特開平11−6094
7号公報に記載の方法を用いることができる。前記の
方法において使用するポリイミド系樹脂エマルジョンの
製造方法についてさらに詳しく説明する。
【0044】「有機溶媒可溶性のポリイミド」の合成法
は特に限定されるものではないが、たとえば、有機極性
溶媒中、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物と
を混合して重縮合させて、ポリアミック酸を得たのち、
該ポリアミック酸を加熱イミド化法または化学イミド化
法により脱水閉環反応させることにより、ポリイミドを
合成することができる。また、テトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物との重縮合を多段階で行うことによ
り、ブロック構造を有するポリイミドを合成することも
可能である。
【0045】この有機溶媒可溶性のポリイミドは、たと
えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホン酸
基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基等の反応
性基(a)を1種以上有することが好ましい。反応性基
(a)を有するポリイミドの合成方法としては、たとえ
ば、ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン酸二無
水物、ジアミン化合物、カルボン酸一無水物、モノアミ
ン化合物等の反応原料として、反応性基(a)を有する
化合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基(a)を残
存させる方法等を挙げることができる。
【0046】「親水性ポリマー」は、親水性基として、
たとえば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルホ
ン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対する20℃
の溶解度が、通常、0.01g/100g以上、好まし
くは0.05g/100g以上である親水性ポリマーか
らなる。前記親水性基に加えて、前記有機溶媒可溶性ポ
リイミド成分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基
(b)を1種以上有することが好ましい。このような反
応性基(b)としては、たとえば、エポキシ基、イソシ
アネート基、カルボキシル基のほか、前記親水性基と同
様の基等を挙げることができる。このような親水性ポリ
マーは、親水性基および/または反応性基(b)を有す
るモノビニル単量体を単独重合または共重合させるか、
あるいはこれらのモノビニル単量体と他の単量体とを共
重合させることにより得ることができる。
【0047】この有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性
ポリマーとを、反応性基(a)と親水性ポリマー中の反
応性基(b)とが適切な反応性を有する組み合わせとな
るように選択し、該ポリイミドと該親水性ポリマーと
を、たとえば有機溶媒中にて溶液状態で混合して、必要
に応じて加熱しつつ、反応させたのち、この反応溶液と
水性媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少なくとも
一部を除去することにより、該ポリイミドと該親水性ポ
リマーとが相互に結合して同一粒子内に含有される有機
粒子からなるポリイミド系樹脂エマルジョンを得ること
ができる。
【0048】次に、前記の方法において使用するポリ
イミド系樹脂エマルジョンの製造方法についてさらに詳
しく説明する。ポリイミドの前駆体である「ポリアミッ
ク酸」の合成法は、特に限定されるものではないが、た
とえば、有機極性溶媒中、テトラカルボン酸二無水物と
ジアミン化合物との重縮合反応によりポリアミック酸を
得ることができる。また、テトラカルボン酸二無水物と
ジアミン化合物との重縮合反応を多段階で行うことによ
り、ブロック構造を有するポリアミック酸を合成するこ
とも可能である。なお、ポリアミック酸を脱水閉環させ
ることにより部分的にイミド化したポリアミック酸も使
用可能である。
【0049】一方、「疎水性化合物」は、前記ポリアミ
ック酸中の少なくともアミド酸基と反応しうる基(以
下、「反応性基」という。)を有する化合物である。こ
の反応性基としては、たとえば、エポキシ基、イソシア
ナト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト基、ハ
ロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、ジアゾ基、カルボニル基等を挙げることができる。
これらの反応性基は、疎水性化合物中に1種以上存在す
ることができる。なお、「疎水性」とは、水に対する2
0℃の溶解度が、通常、0.05g/100g未満、好
ましくは0.01g/100g未満、さらに好ましくは
0.005g/100g未満であることを意味する。
【0050】このような疎水性化合物としては、たとえ
ば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、アリルグリシジルエーテル、
グリシジル(メタ)アクリレート、1,3,5,6−テ
トラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,
N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミ
ン、トリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド、ポリカルボジイミド、コレステロール、ベ
ンジルアルコールp−トルエンスルホン酸エステル、ク
ロロ酢酸エチル、トリアジントリチオール、ジアゾメタ
ン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等から選択され
る1種または2種以上を使用することができる。
【0051】このポリアミック酸と疎水性化合物とを、
たとえば、有機溶媒中にて溶液状態で混合して反応させ
たのち、この反応溶液を水性分散媒と混合し、場合によ
り有機溶媒の少なくとも一部を除去することにより、ポ
リアミック酸と疎水性化合物とを同一粒子内に含む有機
粒子からなるポリイミド系樹脂エマルジョンを得ること
ができる。
【0052】なお、前記およびの方法において用い
られるテトラカルボン酸二無水物は特に限定されるもの
ではなく、たとえば、ブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラ
カルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシク
ロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9A
−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキ
ソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物あ
るいは脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット
酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラ
カルボン酸二無水物等を挙げることができる。これらの
テトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。
【0053】また、前記およびの方法において用い
られるジアミン化合物は特に限定されるものではなく、
たとえば、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン等の芳香族ジアミン
類;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパ
ンジアミン、テトラメチレンジアミン、4,4’−メチ
レンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン
あるいは脂環式ジアミン類;2,3−ジアミノピリジ
ン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,
5−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチア
ゾール、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン等
の、分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミ
ノ基以外の窒素原子を有するジアミン類;モノ置換フェ
ニレンジアミン類;ジアミノオルガノシロキサン等を挙
げることができる。これらのジアミン化合物は、一種単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0054】本発明において、前記有機粒子と無機超微
粒子とは、電着液中において、複合体粒子を形成し、超
微粒子複合樹脂粒子となっていることが好ましい。この
「複合体粒子」とは、前記有機粒子を構成する化合物と
無機超微粒子とが化学的に結合したもの、前記有機粒子
の表面または内部に無機超微粒子が吸着したものなどを
指す。すなわち、無機超微粒子[I]は有機粒子中に内
包されていてもよく、また、該有機粒子表面に無機超微
粒子[I]の一部分が露出していてもよい。
【0055】この無機超微粒子の使用量は、前記樹脂成
分100重量部に対して、好ましくは20〜60重量
部、さらに好ましくは30〜50重量部であることが望
ましい。このような超微粒子複合樹脂粒子は、水溶性溶
剤系分散媒に分散された無機超微粒子の存在下で、前記
樹脂成分を乳化することによって製造することができ
る。
【0056】この方法に先だって、無機超微粒子を、ホ
モミキサーまたは超音波混合機、ビーズミル等を用いて
水溶性溶剤系媒体中に分散することで、無機超微粒子分
散体を得ることができる。 (ii)超微粒子複合エポキシ系樹脂エマルジョンの製造
方法 本発明において使用するエポキシ系樹脂エマルジョンの
製造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方
法、たとえば特開平9−235495号公報、同9−2
08865号公報に記載の方法などにより製造すること
ができる。
【0057】このようなエポキシ系樹脂エマルジョンの
製造方法に従って、前記無機超微粒子の存在下で、樹脂
成分を乳化することにより、超微粒子複合エポキシ系樹
脂エマルジョンを得ることができる。 (iii)超微粒子複合アクリル系樹脂エマルジョンの製造
方法 本発明において使用するアクリル系樹脂エマルジョンの
製造方法は特に限定されるものではないが、たとえば、
通常の乳化重合法により製造できる。単量体としては一
般的なアクリル系および/またはメタクリル系単量体か
ら選択される一種または二種以上を用いればよい。この
とき、樹脂粒子を電着可能とするために、アミノ基、ア
ミド基、フォスフォノ基などのカチオン性基を有する単
量体、またはカルボキシル基、スルホン酸基等などのア
ニオン性基を有する単量体を共重合させることが好まし
く、その共重合量は使用する単量体全体に対して5〜8
0重量%(より好ましくは10〜50重量%)とするこ
とが好ましい。前記アミノ基を有する単量体の具体例と
しては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチル
アミノプロピルアクリルアミドなどを好ましく用いるこ
とができる。
【0058】この場合も上記と同様にして、無機超微粒
子の存在下で樹脂成分を乳化することにより、超微粒子
複合アクリル系樹脂エマルジョンを得ることができる。 (iv)超微粒子複合ポリエステル系樹脂エマルジョンの
製造方法 本発明に使用するポリエステル系樹脂エマルジョンの製
造方法は特に限定されるものではなく、従来公知の方
法、たとえば特開昭57−10663号公報、同57−
70153号公報、同58−174421号公報に記載
の方法などによればよい。
【0059】この場合も上記と同様にして、無機超微粒
子の存在下で樹脂成分を乳化することにより、超微粒子
複合ポリエステル系樹脂エマルジョンを得ることができ
る。 (v)超微粒子複合フッ素系樹脂エマルジョンの製造方
法 本発明に使用するフッ素系樹脂エマルジョンの製造方法
は特に限定されるものではなく、従来公知の方法、たと
えば特開平7−268163号公報に記載の方法などに
よればよい。
【0060】この場合も上記と同様にして、無機超微粒
子の存在下で樹脂成分を乳化することにより、超微粒子
複合フッ素系樹脂エマルジョンを得ることができる。(v
i)超微粒子複合シリコン系樹脂エマルジョンの製造方法
本発明に使用するシリコン系樹脂エマルジョンの製造方
法は特に限定されるものではなく、従来公知の方法、た
とえば特開平10−60280号公報に記載の方法など
によればよい。
【0061】この場合も上記と同様にして、無機超微粒
子の存在下で樹脂成分を乳化することにより、超微粒子
複合シリコン系樹脂エマルジョンを得ることができる。誘電体形成用電着液 本発明に係る誘電体形成用電着液は、前述のとおり、超
微粒子複合樹脂粒子と、無機粒子あるいは無機複合粒子
と、水性分散媒とを含有してなり、超微粒子複合樹脂粒
子と、無機粒子あるいは無機複合粒子とが電着可能な粒
子として分散しているものである。なお、水性分散媒の
意味は上述と同様である。
【0062】このような誘電体形成用電着液は、無機
粒子あるいは無機複合粒子の水溶性溶剤分散液と、前記
超微粒子複合樹脂粒子の水性エマルジョンとを混合す
る、前記超微粒子複合樹脂粒子の水性エマルジョン中
に、無機粒子あるいは無機複合粒子を添加混合するなど
の方法により調製することができる。このうちの方法
を用いることが好ましい。
【0063】なお、前記超微粒子複合樹脂粒子の水性エ
マルジョンと混合する前における無機粒子あるいは無機
複合粒子の水溶性溶剤分散液のpHは、これらの混合時
の安定性を向上させるために、有機酸(たとえば、ぎ
酸、酢酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸など)や有
機アルカリ性化合物(たとえば、ジメチルアミノエチル
アルコール、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(TMAH)、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、モノメチルアミンなど)を用いてpH
2〜10に調製することが好ましい。
【0064】誘電体形成用電着液のpHは、好ましくは
2〜10、より好ましくは3〜9であり、誘電体形成用
電着液の固形分濃度は、好ましくは1〜50重量%、よ
り好ましくは5〜20重量%であり、誘電体形成用電着
液の20℃における粘度は、好ましくは1〜100mP
a・sであることが望ましい。pH、固形分濃度または
粘度が前記範囲を外れると、超微粒子複合樹脂粒子およ
び、無機粒子あるいは無機複合粒子の分散性等が低下し
て貯蔵安定性が不足したり、あるいは取り扱い時や使用
時の作業性が低下する場合がある。
【0065】本発明の誘電体形成用電着液は、二層分離
や粘度の著しい変化等を起こすことなく貯蔵可能な期間
が20℃において5日間以上(より好ましくは7日間以
上、さらに好ましくは10日間以上、特に好ましくは1
4日以上)となる貯蔵安定性を有するものとすることが
できる。なお、本発明の誘電体形成用電着液は、前記超
微粒子複合樹脂粒子と、前記無機粒子あるいは無機複合
粒子とに加えて、下記一般式(1)
【0066】
【化1】
【0067】(式中、R1は水素原子または炭素数1〜
8の一価の有機基を示し、R2は炭素数1〜5のアルキ
ル基、炭素数1〜6のアシル基またはフェニル基を示
し、nは1または2の整数である。R1およびR2は同一
であってもよいし、異なっていてもよい。)で表される
オルガノシラン、このオルガノシランの有する加水分解
性基の一部または全部が加水分解された加水分解物およ
びこの加水分解物が部分的に脱水縮合した部分縮合物か
ら選択される少なくとも一種(以下、「オルガノシラン
縮合物等」という。)を含有してもよい。このようなオ
ルガノシラン縮合物等を含む誘電体形成用電着液から形
成された誘電体層は、特に電着後に加熱硬化させた場合
に、誘電体層中でオルガノシラン縮合物等が架橋するこ
とにより、得られる誘電体層を機械的特性、化学的特性
硬度および電気的特性に優れたものとすることができ
る。
【0068】前記一般式(1)中、R1の炭素数1〜8
の有機基としては、直鎖または分岐を有するアルキル
基、ハロゲン置換されたアルキル基、ビニル基、フェニ
ル基および3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基等
を挙げることができる。なお、R1はカルボニル基を有
していてもよい。なお、R1は炭素数1〜4のアルキル
基またはフェニル基であることが好ましい。
【0069】前記一般式(1)中、R2の炭素数1〜5
のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、n−ペンチル基、アセチル基、プ
ロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。なお、R2
は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
【0070】好ましく使用されるオルガノシランの例と
しては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、イソブチルトリメトキシシランおよびフェニ
ルトリエトキシシランが挙げられる。これらのオルガノ
シランは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併
用してもよい。前記「オルガノシラン縮合物等」は、本
発明の誘電体形成用電着液中において、前記超微粒子複
合樹脂粒子と複合体粒子を形成していることが好まし
い。この「複合体粒子」とは、前記超微粒子複合樹脂粒
子を構成する樹脂成分の有機粒子の化合物とオルガノシ
ラン縮合物等とが化学的に結合したもの、前記超微粒子
複合樹脂粒子の表面または内部にオルガノシラン縮合物
等が吸着したものなどを指す。
【0071】このオルガノシラン縮合物等の使用量は、
前記樹脂成分100重量部に対して、好ましくは0.1
〜500重量部、さらに好ましくは0.5〜250重量
部であることが望ましい。オルガノシラン縮合物等の使
用量が0.1重量部未満では所望の効果が得られない場
合があり、一方500重量部を超える場合にはフィルム
の密着性などが低下する傾向にある。
【0072】このような複合体粒子は、下記または
の方法等によって製造することができる。なお、これら
の方法を組み合わせてもよい。 前記超微粒子複合樹脂粒子のエマルジョンに前記オル
ガノシランを添加し、オルガノシランの少なくとも一部
を前記超微粒子複合樹脂粒子に吸収させた後、このオル
ガノシランの加水分解反応および縮合反応を進行させ
る。
【0073】水系媒体に分散された前記オルガノシラ
ン縮合物等の存在下で前記超微粒子複合樹脂粒子を生成
させる反応を行う。前記の方法で、オルガノシランを
超微粒子複合樹脂粒子に吸収させるには、エマルジョン
中にオルガノシランを添加して充分に撹拌するなどの方
法によればよい。このとき、添加したオルガノシランの
10重量%以上(より好ましくは30重量%以上)を粒
子に吸収させることが好ましい。吸収が不充分な段階で
オルガノシランの加水分解・縮合反応が進んでしまうの
を避けるために、反応系のpHを通常4〜10、好まし
くは5〜10、さらに好ましくは6〜8に調製すること
ができる。オルガノシランを超微粒子複合樹脂粒子に吸
収させるための処理温度は70℃以下とすることが好ま
しく、より好ましくは50℃以下、さらに好ましくは0
〜30℃である。処理時間は通常5〜180分であり、
20〜60分程度とすることが好ましい。
【0074】吸収されたオルガノシランを加水分解・縮
合させる際の温度は、通常30℃以上、好ましくは50
〜100℃、より好ましくは70〜90℃であり、好ま
しい重合時間は0.3〜15時間、より好ましくは1〜
8時間である。また、前記の方法においては、前記オ
ルガノシランを、ホモミキサーまたは超音波混合機等を
用いて、アルキルベンゼンスルホン酸等の強酸性乳化剤
の水溶液中で混合し、加水分解・縮合させることによっ
て、水系媒体に分散されたオルガノシラン縮合物等が得
られる。このオルガノシラン縮合物等の存在下で、好ま
しくは乳化重合により前記有機粒子を生成させればよ
い。[誘電体]本発明に係る誘電体形成用組成物は、そ
のままで、あるいは必要に応じて添加剤を添加して、一
定温度以下で加熱して得られる高誘率の誘電体の製造に
用いることができる。また誘電体形成用組成物は、好ま
しくは前記誘電体形成用電着液の形態で、必要に応じ
て、従来公知の添加剤を配合して、基体上に塗布し、一
定温度以下で加熱して得られる高誘電率の誘電体の製造
に用いることができる。このような誘電体形成用組成物
を塗布する方法としては公知のものが使用でき、たとえ
ば、スクリーン印刷、各種コーター(ブレードコータ
ー、スリットコーター、カーテンコーター、ワイヤーコ
ーター、ダイコーターなど)、電着法などが好適に使用
できる。これらのうちでは、電着法が、ロスが少なく導
電性部分にのみ選択的に誘電体層を形成できる点が優れ
ており好ましい。
【0075】また、誘電体の形状は用いる用途により異
なり、特に限定されないが、本発明に係る誘電体形成用
組成物は、薄膜形状の高誘電率層として用いることが好
ましい。さらに、本発明においては、導電性箔上に薄膜
形状の誘電体を形成することもできる。導電性箔 本発明に用いる導電性箔は、導電性を有するものであれ
ば特に限定されないが、銅、金、銀、白金、ニッケル、
ステンレス、アルミニウム、鉄および各種合金からなる
箔を挙げることができる。これらの箔のなかで耐酸化
性、導電性と柔軟性の観点から銅、金、銀、白金、ニッ
ケル、アルミニウムが特に好ましい。また、必要に応じ
て複数の導電性箔の積層体や、樹脂基板や不織布樹脂含
浸基板の上に積層された基板であっても良い。このよう
な導電性箔の厚さは特に制限されるものではないが、通
常5〜75μm、好ましくは8〜50μm、特に好まし
くは10〜25μmの範囲にあるものが望ましい。誘電体の製造方法 本発明の誘電体は、前記誘電体形成用組成物を、500
℃以下の温度で加熱して得ることができ、加熱温度は、
好ましくは100〜500℃、さらに好ましくは150
〜300℃あることが望ましい。以下に、さらに詳しく
説明する。
【0076】本発明の誘電体形成用電着液は、そのま
ま、あるいはこれを希釈または濃縮して、また必要に応
じて、従来公知の添加剤を適宜配合して、誘電体の形成
に用いることができる。この誘電体形成用電着液を用い
た通常の電着方法により、誘電体形成用電着液中の超微
粒子複合樹脂粒子と、無機粒子あるいは無機複合粒子と
を電極表面等に電着させて誘電体を製造することができ
る。
【0077】本発明の誘電体を製造するにあたっては、
電着された粒子の樹脂成分をさらに加熱硬化させること
が望ましい。加熱硬化の条件は、500℃以下、好まし
くは100〜500℃、より好ましくは150〜300
℃で行うことが望ましい。加熱時間は、好ましくは5分
〜24時間、さらに好ましくは10分〜12時間の範囲
で行うことが望ましい。誘電体の物性 このような本発明の誘電体形成用組成物から得られる誘
電体は、誘電率が30以上、好ましくは100以上、さ
らに好ましくは150以上、特に好ましくは200以上
であり、誘電正接が0.1以下、好ましくは0.08以
下、さらに好ましくは0.06以下であることが望まし
い。なお、誘電正接の下限は特に限定されない。また、
誘電体のリーク電流は、10-8A/cm2以下、好ましくは
10-9A/cm2以下、さらに好ましくは10-10A/cm2
下であることが望ましい。
【0078】なお、この誘電体の厚さは、好ましくは5
0μm以下、より好ましくは30μm以下であることが
望ましい。誘電体の厚さの下限は特に限定されないが、
通常は1μm以上である。 [電子部品]本発明の誘電体は、500℃以下という温
度で加熱焼成して得ることができ、誘電率が30以上か
つ誘電正接が0.1以下であり、薄膜で静電容量の大き
なコンデンサ等を形成することができる。また、この誘
電体を備えたプリント回路基板、半導体パッケージ、コ
ンデンサ、高周波用アンテナ等の電子部品は、小型でか
つ高密度のものとすることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明の誘電体形成用組成物を用いる
と、前記のように500℃以下という低温の加熱温度
で、しかも0.1以下という低い誘電正接かつ30以上
という高い誘電率の誘電体を形成することができる。ま
た、本発明の誘電体は、誘電体形成用電着液を用いて電
着により作製することができるので、電着条件の調整等
により膜厚制御が容易であり、形成性に優れ基体への追
随性にも優れる。
【0080】さらに、電着による誘電体の形成法では選
択的に高誘電率層を形成させることができ、フォトリソ
グラフィーや印刷法等に比べて安価で高精度に高誘電率
層を作成できる。本発明の誘電体は、薄膜で高誘電率で
あるので、プリント回路基板、半導体パッケージ、コン
デンサ、高周波用アンテナ等の電子部品等において好適
に利用される。
【0081】本発明の電子部品は、高誘電率の誘電体を
備えることから、小型化、薄膜化することができる。
【0082】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限される
ものではない。なお、以下において、特記しない限り
「部」および「%」は重量基準である。
【0083】
【実施例1】超微粒子複合樹脂粒子(1); [酸化チタン超微粒子複合ポリイミド系樹脂エマルジョ
ンの調製]テトラカルボン酸二無水物として3,3’,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物32.29g(90ミリモル)および1,3,3a,
4,5,9A−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,
5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]
−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリモ
ル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g
(90ミリモル)およびオルガノシロキサンLP710
0(商品名、信越化学(株)製)2.49g(10ミリ
モル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解
して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶
液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、
100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応
溶液を減圧留去して精製し、固形分10%のポリイミド
溶液を得た。
【0084】ジエチレングリコールモノエチルエーテル
100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85
℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート
65部、ジメチルアミノエチルアクリレート30部、グ
リシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチ
ロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に
添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行った。滴下終了後、
85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結さ
せ、固形分50%のアクリルポリマー溶液を得た。
【0085】ポリイミド溶液50部(固形分)とアクリ
ルポリマー溶液30部(固形分)とエピコート828
(油化シェルエポキシ社製の商品名)20部、ゾルゲル
法で製造したルチル型酸化チタン超微粒子(平均粒子径
20nm)のイソプロピルアルコール分散体(固形分濃
度15%)67部(固形分)を混合し、70℃で1時間
反応させた後、酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH
調整を行った。次いで、蒸留水1300部中に徐々に添
加しつつ強く撹拌して、酸化チタン超微粒子複合ポリイ
ミド系樹脂粒子のカチオン性エマルジョンを得た(固形
分濃度 7.3%)。この酸化チタン超微粒子複合ポリ
イミド系樹脂粒子の平均粒子径は、0.2μmであっ
た。
【0086】
【実施例2】超微粒子複合樹脂粒子(2); [酸化チタン超微粒子複合エポキシ系樹脂エマルジョン
の調製]トリレンジイソシアネートと2−エチルヘキサ
ノールからなるブロックイソシアネート46.3部と、
エピコート828(油化シェルエポキシ社製の商品名)
とジエチルアミンとを反応させて得られたエポキシアミ
ン付加物89.3部、気相法で製造したアナターゼ型酸
化チタン超微粒子(平均粒子径20nm)のエタノール
分散体(固形分濃度15%)100部(固形分)とを混
合し、pH調節剤として酢酸3.8部を加えた。これ
を、イオン交換水1500部中に撹拌しながら投入する
ことによって、エポキシ系樹脂前駆体を主成分とする酸
化チタン超微粒子複合エポキシ系樹脂粒子のカチオン性
エマルジョンを得た(固形分濃度 10%)。この酸化
チタン超微粒子複合エポキシ系樹脂粒子の平均粒子径
は、0.3μmであった。
【0087】
【実施例3】超微粒子複合樹脂粒子(3); [チタン酸バリウム超微粒子複合ポリイミド系樹脂エマ
ルジョンの調製]テトラカルボン酸二無水物として3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物32.29g(90ミリモル)および1,3,
3a,4,5,9A−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ
−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2
−c]−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリ
モル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g
(90ミリモル)およびオルガノシロキサンLP710
0(商品名、信越化学(株)製)2.49g(10ミリ
モル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解
して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶
液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、
100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応
溶液を減圧留去して精製し、固形分10%のポリイミド
溶液を得た。
【0088】ジエチレングリコールモノエチルエーテル
100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85
℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート
65部、ジメチルアミノエチルアクリレート30部、グ
リシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチ
ロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に
添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行った。滴下終了後、
85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結さ
せ、固形分50%のアクリルポリマー溶液を得た。
【0089】ポリイミド溶液50部(固形分)とアクリ
ルポリマー溶液30部(固形分)とエピコート828
(油化シェルエポキシ社製の商品名)20部、ゾルゲル
法で製造したチタン酸バリウム超微粒子(平均粒子径3
0nm)のイソプロピルアルコール分散体(固形分濃度
15%)67部(固形分)を混合し、70℃で1時間反
応させた後、酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調
整を行った。次いで、蒸留水1300部中に徐々に添加
しつつ強く撹拌して、チタン酸バリウム超微粒子複合ポ
リイミド系樹脂粒子のカチオン性エマルジョンを得た
(固形分濃度 7.3%)。このチタン酸バリウム超微
粒子複合ポリイミド系樹脂粒子の平均粒子径は、0.2
μmであった。
【0090】
【合成例1】[ポリイミド系樹脂エマルジョンの調製]
実施例1においてゾルゲル法で製造したルチル型酸化チ
タン超微粒子(平均粒子径20nm)のイソプロピルア
ルコール分散体(固形分濃度15%)を添加しない以外
は全く同様にして、ポリイミド系樹脂粒子のカチオン性
エマルジョン(固形分濃度 6.5%)を調製した。こ
のポリイミド系樹脂粒子の平均粒子径は、0.2μmで
あった。
【0091】
【比較例1】合成例1で得たポリイミド系樹脂粒子のカ
チオン性エマルジョン100部に対し、ゾルゲル法で製
造したルチル型酸化チタン超微粒子(平均粒子径20n
m)のイソプロピルアルコール分散体(固形分濃度15
%)29部を添加してよく撹拌し、本発明の範囲外の誘
電体形成用組成物を得た。
【0092】
【合成例2】[無機複合粒子(1)の合成]チタン酸バ
リウム粒子(商品名「HPBT−1」、富士チタン株式
会社製、平均粒子径 0.6μm、誘電率2000)
に、銀を無電解メッキ法でチタン酸バリウム表面に銀コ
ートした無機複合粒子(1)を得た。
【0093】蒸着前後の重量変化から、チタン酸バリウ
ムに銀が20%付着していることが分かった。また、粉
体のSEM観察から、粒子表面に銀の微粒子が付着して
いることを確認した。
【0094】
【合成例3】[無機複合粒子(2)の合成]チタン酸バ
リウム粒子(商品名「BT02」、堺化学株式会社製、
平均粒子径0.2μm、誘電率2000)に、銅を無電
解メッキ法でチタン酸バリウム表面に銅コートした無機
複合粒子(2)を得た。
【0095】蒸着前後の重量変化から、チタン酸バリウ
ムに銅が20%付着していることが分かった。また、粉
体のSEM観察から、粒子表面に銅の微粒子が付着して
いることを確認した。
【0096】
【実施例4】誘電体形成用電着液(1); [電着用水性分散液(1)の調製]チタン酸バリウム粒
子(商品名「HPBT−1」、富士チタン株式会社製、
平均粒子径 0.6μm、誘電率2000)10重量部
を、メチルプロピレングリコール70重量部にホモミキ
サーで混合した後、ビーズミル分散処理を行って、凝集
物のない無機粒子の分散液(固形分12.5%)を得
た。
【0097】さらに、前記分散液100重量部に実施例
1で得られた超微粒子複合樹脂粒子(1)のカチオン性
エマルジョン40部を混合して電着用水性分散液(1)
を調製した。
【0098】
【実施例5】誘電体形成用電着液(2); [電着用水性分散液(2)の調製]合成例2で得られた
無機複合粒子(1)を15重量部、アセチレンブラック
0.1重量部を、乳酸エチル85重量部にホモミキサー
で混合した後、ビーズミル分散処理を行って、凝集物の
ない無機複合粒子の分散液(固形分15%)を得た。
【0099】さらに、前記分散液100重量部に実施例
1で得られた超微粒子複合樹脂粒子(1)のカチオン性
エマルジョン40部を混合して電着用水性分散液(2)
を調製した。
【0100】
【合成例4】[重合体の調製:熱硬化性樹脂(エポキシ
基含有重合体)の製造)]反応容器内に、メタクリル酸
グリシジル25gと、アクリロニトリル10gと、メチ
ルメタクリレート15gと、ジオキサン50gとを混合
して、均一な反応原料溶液とした。
【0101】この反応原料溶液に対して、30分間、窒
素バブリングを実施した後、重合開始剤としての2,2
−アゾビスイソブチロニトリル1.9gを添加した。窒
素バブリングを継続しながら、反応容器内の温度を70
℃に昇温した。そのままの温度で、7時間重合反応を継
続した。得られた反応溶液と、多量のヘキサンとを混合
し、重合体を凝固させた後、この重合体を採取して、ジ
オキサンに再溶解させた。このヘキサンによる凝固と、
ジオキサンによる再溶解の操作を5回繰り返し、未反応
モノマーを除去した。次いで、70℃、減圧の条件でジ
オキサンを飛散させ、白色のエポキシ基含有重合体を得
た。この重合体の重量平均分子量を、GPC(ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定したと
ころ、110,000であった。
【0102】
【実施例6】誘電体形成用組成物(1); [誘電体形成用組成物(1)の調製]合成例3で得られ
た無機複合粒子(2)を25重量部、アセチレンブラッ
ク0.1重量部を、メチルプロピレングリコール75重
量部にホモミキサーで混合した後、ビーズミル分散処理
を行って、凝集物のない無機複合粒子の分散液(固形分
25%)を得た。
【0103】さらに、前記分散液100重量部に実施例
3で得られた超微粒子複合樹脂粒子(3)のカチオン性
エマルジョン40部、および合成例4の重合体2部を混
合して誘電体形成用組成物(1)を調製した。
【0104】
【実施例7】誘電体形成用電着液(3); [電着用水性分散液(3)の調製]合成例3で得られた
無機複合粒子(2)を15重量部、アセチレンブラック
0.1重量部を、メチルプロピレングリコール85重量
部にホモミキサーで混合した後、ビーズミル分散処理を
行って、凝集物のない無機複合粒子の分散液(固形分1
5%)を得た。
【0105】さらに、前記分散液113重量部に実施例
2で得られた超微粒子複合樹脂粒子(2)のカチオン性
エマルジョン40部を混合して電着用水性分散液(3)
を調製した。
【0106】
【比較例2】実施例4において、実施例1で得られた超
微粒子複合樹脂粒子(1)のカチオン性エマルジョン4
0部に代えて合成例1で得られたカチオン性エマルジョ
ン40部を用いる以外は全く同様にして本発明の範囲外
の電着用水性分散液を調製した。
【0107】
【比較例3】実施例5において、実施例1で得られた超
微粒子複合樹脂粒子(1)のカチオン性エマルジョン4
0部に代えて合成例1で得られたカチオン性エマルジョ
ン40部を用いる以外は全く同様にして本発明の範囲外
の電着用水性分散液を調製した。誘電体の形成 [電着法による誘電体層の形成]前記実施例1〜3の超
微粒子複合樹脂粒子のカチオン性エマルジョン、比較例
1の誘電体形成用組成物、実施例4、5、7および比較
例2、3の電着用水性分散液中に、それぞれ陰極として
の銅板および対向電極としてのSUS板を配置し、0.
5〜1mA/cm2の定電流法により陰極側の銅箔(1
3μm厚)上に電着させた。その後、120℃で10分
加熱し、さらに実施例1、3〜5と比較例1〜3は25
0℃で30分間、実施例2、7は150℃で30分間加
熱して銅箔付き誘電体を得た。得られた誘電体の膜厚は
電磁膜厚計で1μmの単位で計測した。 [ダイコーターによる誘電体層の形成]前記実施例6の
誘電体形成用組成物(1)をダイコーターにて銅箔(1
3μm厚)上に塗布した。その後、120℃で10分加
熱し、さらに250℃で30分間加熱して銅箔付き誘電
体を得た。得られた誘電体の膜厚は電磁膜厚計で1μm
の単位で計測した。誘電体の性能評価 誘電体の性能を下記方法により評価した。
【0108】結果を表1および表2に示す。 [誘電率、誘電正接およびリーク電流]得られた銅箔付
き誘電体上面にアルミ蒸着法によりガイドリング付きの
電極(面積;1cm2、厚み;0.5μm)を形成した。銅
箔側と電極の間でLCRメーター(HP4284A、ヒ
ューレットパッカード社製)により1MHzでの誘電
率、誘電正接を10点測定してその平均値を求めた。ま
た、銅箔側と電極の間でのリーク電流を絶縁抵抗計(ア
ドバンテスト製)で10点測定してその平均値を求め
た。 [耐湿熱性(HAST試験)]硬化フィルムについて、
121℃、湿度100%、2気圧の条件下で、72時間
耐湿熱性試験を行って、試験の前後で赤外線分光測定を
実施し、その変化の程度により、耐湿熱性を下記基準で
評価した。
【0109】 ○・・・変化がなく耐性が認められる ×・・・変化が大きく耐性が認められない
【0110】
【表1】
【0111】
【表2】
【0112】表1から判るように、実施例1〜3から得
られた誘電体は、比較例1の誘電体に比較して薄膜で高
い誘電率と小さいリーク電流が得られることが分かる。
また、表2から判るように実施例4〜7から得られた誘
電体は比較例2〜3の誘電体に比べて高い誘電率で、電
気的特性が良好であることが分かる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 3/12 304 H01B 3/12 304 (72)発明者 長谷川 里美 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 Fターム(参考) 4F070 AA23 AA32 AA46 AA47 AA55 AA60 AC18 AD04 AD06 AD07 AE27 DA32 DA36 DB01 DB03 DB04 DC02 DC07 DC11 DC13 4J002 BG021 BG071 CD001 CD042 CD052 CD182 CD192 CF001 CM041 CP031 DE136 DE186 FA016 FA036 FA066 FB076 FB266 GQ00 HA07 5G303 AA01 AA05 AB06 AB07 AB15 BA04 BA08 CA01 CB03 CB05 CB06 CB17 CB22 CB32 CB35 CC01 CC02 CD01 CD03 CD04 CD06 DA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]平均粒子径が0.1μm以下である
    無機超微粒子と、 [II]重合性化合物および重合体の少なくとも一方から
    なる樹脂成分とからなり、かつ該無機超微粒子[I]が
    20重量%以上の量で含まれていることを特徴とする超
    微粒子複合樹脂粒子。
  2. 【請求項2】平均粒子径が0.1〜5μmであることを
    特徴とする請求項1に記載の超微粒子複合樹脂粒子。
  3. 【請求項3】前記無機超微粒子[I]の誘電率が10以
    上であることを特徴とする請求項1または2に記載の超
    微粒子複合樹脂粒子。
  4. 【請求項4】前記無機超微粒子[I]がチタン系金属酸
    化物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の超微粒子複合樹脂粒子。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の超微粒子
    複合樹脂粒子を含有することを特徴とする誘電体。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の超微粒子
    複合樹脂粒子と、 平均粒子径が0.1〜2μmでありかつ誘電率が30以
    上である無機粒子、あるいは該無機粒子表面の一部また
    は全体に導電性金属もしくはその化合物または導電性有
    機化合物もしくは導電性無機物を付着させた無機複合粒
    子とを、 含有することを特徴とする誘電体形成用組成物。
  7. 【請求項7】前記超微粒子複合樹脂粒子と、 前記無機粒子あるいは無機複合粒子とを、重量比(無機
    粒子または無機複合粒子/超微粒子複合樹脂粒子)で、
    30/70〜95/5の割合で含有することを特徴とす
    る請求項6に記載の誘電体形成用組成物。
  8. 【請求項8】請求項1〜4のいずれかに記載の超微粒子
    複合樹脂粒子と、 平均粒子径が0.1〜2μmでありかつ誘電率が30以
    上である無機粒子、あるいは該無機粒子表面の一部また
    は全体に導電性金属もしくはその化合物または導電性有
    機化合物もしくは導電性無機物を付着させた無機複合粒
    子とを、 水性分散媒中に分散させてなることを特徴とする誘電体
    形成用電着液。
  9. 【請求項9】請求項6〜8のいずれかに記載の誘電体形
    成用組成物または誘電体形成用電着液を用いて形成した
    誘電体層を500℃以下の温度で加熱してなる、誘電率
    が30以上であり、かつ誘電正接が0.1以下であるこ
    とを特徴とする誘電体。
  10. 【請求項10】前記無機超微粒子[I]および無機粒子
    がチタン系金属酸化物からなることを特徴とする請求項
    9に記載の誘電体。
  11. 【請求項11】請求項5、9、10のいずれかに記載の
    誘電体が導電性箔上に形成されていることを特徴とする
    導電性箔付き誘電体。
  12. 【請求項12】請求項5、9〜11のいずれかに記載の
    誘電体を含むことを特徴とする電子部品。
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