JP2012075822A - 電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴミ捨て時の埃舞い上がり抑制と、吸込ヘッド、パイプ、ホース、集塵部の静電気発生を防ぎ、内部表面への塵埃付着抑制を目的とする。
【解決手段】本発明の電気掃除機は、吸込ヘッド、吸引パイプ、接続パイプおよびサクションホース、旋回部および集塵部のいずれか、または全ての内部表面にポリアニリンを含む材料(他はバインダなどの結着剤)で構成する。風路の内部表面の静電気発生を抑制することができ、通過する塵埃の帯電を抑制することができるため、ゴミ捨ての際に舞い上がる微細な塵埃を低減させることができ、高い旋回分離性能を長期間維持することを実現することができる。また、ポリアニリンは抗菌性と防汚性を有するため、内部表面の衛生性を維持できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気掃除機に関するものであり、特にミクロンサイズ以下の細塵の捕集能力を高めた電気掃除機に関するものである。
近年、杉花粉やハウスダストなどのアレルギー症状を患う患者数が著しく増加しており、室内の空気質に対する関心が高まる傾向にある。このような状況において、室内空気を清浄化する機能を有するエアコンや空気清浄機などの家電製品の普及が高まる一方で、電気掃除機は掃除中に床の塵埃を舞い上げたり、ゴミパックやサイクロン方式の集塵室に溜まったゴミを捨てる動作時に、微細な埃を室内に舞い上げたりして空気質を悪化させる欠点があった。これは電気掃除機使用者にとって常に上位の不満点になっており、最近、掃除機メーカーでは創意工夫によって様々な方法が開発され提案され製品化されてきたが、この不満点を解消する方式は未だ見出されていない。
舞い上がる粉塵の大きさは幅広く、数ミリから1μm以下の範囲で分布しており、1μm以上の大きさであれば数分で床に落下するが、それ以下の微細な粉塵は、落下するまでに長時間を有するため、そのまま浮遊塵として室内空間を漂うことになり、人への影響度は高まる。
電気掃除機は、一般に、吸込ヘッドと、接続パイプと、サクションホースと、掃除機本体とから構成されており、連結されて1本の風路になっている。吸い込み気流が通過するあらゆる部位の内部表面で静電気は発生し、吸い込まれた塵埃は、通過時に各部位の内部表面と衝突を繰り返し、激しく摩擦されるため、強く帯電された状態になる。このため塵埃は静電的に内部表面に吸引付着されやすい状態になっている。以下、電気掃除機の各部位の課題について記載する。
床面のゴミを吸い込む吸込ヘッドは、床面に接して使用するため、汚れが最も付着し易く、雑菌が繁殖しやすい状態のため、悪臭の発生も強い。
回転ブラシは抗菌処理が施された毛を植毛しており、取り外して洗浄できる製品がほとんどであるためメンテナンスが可能であるが、吸込ヘッド自体は水洗が不可なものが大半であり、複雑な構造であることもあり、ユーザーはメンテナンスを行っていないのが実態である。
接続パイプとサクションホースは、その形状から最もメンテの困難な部位であり、狭くて長い筒状の風路を高速の気流と塵埃が流通するため、静電気が発生しやすく、塵埃が付着しやすい状態になっており、特に微細塵埃は付着すると気流や運転使用時の衝撃程度では容易に脱落しない状態になる。またパイプの連結部やホースの螺旋状に巻かれたワイヤー構造の部分は、塵埃が溜まりやすい凹凸部が多くあり、帯電した塵埃が付着して蓄積しやすい状態になっている。
電気掃除機は、集塵方式が集塵袋方式とサイクロン方式とがある。サイクロン方式は、塵埃と空気を遠心分離する旋回部と、分離した塵埃を捕集する集塵部があり、旋回部では高速に気流が旋回するため、内部表面と塵埃の繰り返し衝突や摩擦によって大きな静電気を発生してしまう。発生した静電気により帯電した塵埃粒子は、内部表面に静電的に吸引されて非常に付着しやすい状態になる。さらに帯電した塵埃粒子は、集塵部に移動した際にも、内部表面に多量に付着してしまう状態になる。付着した状態になると、旋回部では、内部表面と旋回気流との摩擦抵抗が高くなることで旋回分離性能が低下してしまう。また、集塵部の内部表面への付着量が多い場合、ユーザーがゴミ捨てをする際に、集塵部からのゴミ離れが悪くなったり、表面に付着していた微細塵埃が脱落して舞い上がりが発生するなど、使い勝手も著しく損なわれてしまう。集塵部では雑菌の繁殖が盛んで、床面から吸い込んだ花粉やダニの死骸などのアレル物質を大量に蓄積しているため、舞い上がりによる人への影響は深刻である。
上記課題を解消する手段として、特に、サイクロン方式に対する対策が考案されており、いずれも微細塵埃に放出した水滴を接触させて、微細塵埃同士を凝集させることで落下しやすくさせるものである。例えば、サイクロン集塵室に微小な水滴を供給する水滴供給部と、水滴供給部から供給される微小水滴を帯電させる放電部とを備えるものが知られている。この水滴供給部は、水を溜めた受け皿に超音波(ネブライザー)を照射して霧化させ、発生した水滴に対してコロナ放電で発生させた電荷を付与させて帯電作用を与えるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。 また、別の電気掃除機として、水を霧状にして、サイクロン集塵部が配置される位置よりも上流側の流通路に、平均粒子径が50μm以下の水粒子を供給する水分供給部を備えているものが提案されている。このサイクロン式電気掃除機において、噴霧水は無給水方式であり、ユーザーの使い勝手を軽減するための工夫が施されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−29769号公報 特開2009−39253号公報
特許文献1に示される従来技術においては、モーターの駆動時にのみ帯電作用するが、吸い込み気流によって作られた水滴のほとんどは十分帯電する前にモーター側に吸い込まれてしまうため、十分な帯電作用は得られず、集塵室内の空間に大量に漂う微細塵を高効率に帯電させて凝集させることが困難であるという問題があった。また、同文献1に記載の技術では、超音波によって霧化され形成された水滴は、粒度分布として直径が数100μmオーダーのものを大量に含むため、水滴同士の凝集を生じることや、また水滴が大量に発生するため、交換可能な通水フィルターを設けて水分を吸収するように構成しているが、通水フィルターの吸水性能にも限度があり、また、通水フィルターの交換時期を判断する手段がないため、通水フィルターを交換せずに放っておきがちになる。通水フィルターを交換せずに放っておくと、吸水性能を超える水分が発生する場合がある。このような場合には、集塵室内が過剰に濡れてしまうことで、ゴミが壁面にこびりつく、などの問題があった。さらに、多量の水蒸気がモーターへ流れ込むことで、モーター寿命の短縮化を招くという問題もある。
また、超音波式の霧化の場合、大量の水供給が必要となるため、頻繁な水補給や大型の水タンクを配置しなければならず使用者への負担を増大させることや、水道水を供給した場合、カルシウム成分などの析出による本体内へのこびり付きがあり、使用上あるいは製品寸法・重量上の問題があった。また、超音波素子の場合、長期使用する場合には寿命の課題があり、信頼性が懸念される。
さらに、帯電手段が放電式であるため、オゾンなどの酸化性の強い物質を集塵室に放出する問題があり、例えば掃除機本体の運転終了直後に使用者が集塵室を開放した場合、高濃度の酸化性物質を気中に暴露する危険性がある。さらに、オゾンと水滴との共存下では酸化性が極めて高いヒドロキシラジカルを生成する可能性が高い。集塵室の開口部は一般に、使用者が容易に人体を近づけることが出来、たとえば、幼児が集塵室の空気を吸った場合には、最悪の場合、高濃度の酸化性物質の吸引によって健康被害に至る可能性は否定できない。
また、特許文献2で示される従来技術においては、電気掃除機が動作する時間内では、空気から回収する水量が少なく、実質的に凝集効果が得られないという問題がある。また、同文献2の文中には平均粒子径10μm以下の水を噴霧するための方法として、遠心式加湿、ブロア2流体ノズル方式、圧搾空気汎用2流体方式、圧搾空気ドライフォグ用2流体方式などの霧化能力が2000ミリリットル/時間程度の市販用の水噴霧装置を採用する様に記載されており、その水分を空気回収する方法は、ペルチェ素子を用いた凝縮水回収である。しかしながら、本技術の水粒子の生成手段によれば、例えば、圧搾式のように圧力を加える方式は連続的に水粒子を生成させるためには比較的多くの水量が必要となり、大面積のペルチェ素子が必要となるため、高コストとなり、さらに消費電力が増加するので電気代の増加によるユーザーへの経済的な負担が増すことになる。また、水粒子は平均粒子径10〜50μmであるが、水粒子同士は空間で近接すると分子間力(ファンデルワールス力)により凝集する傾向があり、また本技術で生成する水粒子は帯電していないため、水粒子間に斥力が働かない。従って、水滴同士が凝集する傾向はさらに強まるので、期待する程の凝集作用が得られない可能性がある。
水滴放出以外の手段として、吸込ヘッドや吸引パイプ、ホースなどの内部表面に微細塵埃が静電気付着するのを抑制するため、イオン放出による帯電除去などがある。しかしながら、イオン放出源は、通常、高電圧を印加する放電電極を使用しており、発火あるいは発煙などの安全対策が必要である他、オゾンやラジカルなどおの有害成分を同時に放出するので、人体への影響も懸念される。
本発明では、上記のような課題を解決するためになされたものであり、吸込ヘッド、吸引パイプ、接続パイプおよびサクションホース、旋回部および集塵部の内部表面に微細な塵埃がの帯電付着を抑制することができる。これにより、電気掃除機の内部の衛生性を維持でき、ゴミ捨ての際に舞い上がる微細な塵埃を低減することができる。さらに性能面においても高い旋回分離性能の維持も実現することができる。
本発明は、従来技術のような、有害なオゾンやラジカル、あるいは使い勝手が悪くカビや雑菌の繁殖を引き起こすリスクがある水滴やイオンを放出する手段を用いず、さらに電気的な動力も不要な手段によって、高い衛生性、ゴミ捨て時の使い勝手向上や舞い上がり抑制を実現するものであり、上記課題を解決するために、空気を流通させる風路の内側表面を、ポリアニリンを含む材料で構成する手段を用いる。上記風路は、電気掃除機の風路に適用することができ、送風機と、この送風機の吸引力により外部から含塵空気を吸引する吸込ヘッドと、一端が上記吸込ヘッドに接続された吸引用パイプあるいは吸引用ホースと、この吸引用ホースの他端が接続され、上記含塵空気から塵埃を分離して捕集する集塵質と、一端が前記集塵部に接続され、他端が微細塵フィルターを介して上記送風機に連通する風路、のいずれかに適用するものであり、好ましくは風路全体に適用するものである。
本発明に係る電気掃除機は、空気を流通させる送風路の内側表面に、ポリアニリンを含む材料から構成されており、内側表面の表面抵抗率ρsは、10−3(Ω/□)≦ρs≦10(Ω/□)の特性を有するため、風路の内部表面の静電気発生を抑制することができ、通過する塵埃の帯電を抑制することができる。これにより、ゴミ捨ての際に舞い上がる微細な塵埃を低減させることができ、高い旋回分離性能を維持することもできる。
本発明の実施の形態に係る電気掃除機の全体構成の一例を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態に係る電気掃除機の全体構成の一例を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態に係る電気掃除機の旋回部と出口部の回転方向の関係を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態に係る電気掃除機の風路の内部表面に用いるポリアニリンの構造状態を説明する図である。 本発明の実施の形態に係る電気掃除機の風路の内部表面に用いるポリアニリンの表面抵抗率と抗菌効果の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を記述する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る電気掃除機の概略的な構成を示す図である。図1に示すように、電気掃除機100は、吸込ヘッド1と、吸引パイプ2と、接続パイプ3と、サクションホース4と、掃除機本体5とから構成されている。吸込ヘッド1は床面F上の塵埃及び含塵空気を吸い込む。吸込ヘッド1の出口側には真直な円筒状の吸引パイプ2の一端が接続されている。吸引パイプ2の他端には、取手が設けられており、中途にて若干折れ曲がった接続パイプ3の一端が接続されている。接続パイプ3の他端には、折り曲げ自在のサクションホース4の一端が接続されている。さらに、サクションホース4の他端には、本体5が接続されている。
本体5は、筐体501と、筐体501の側面に回転自在に設けられ、筐体501を床面F上にて移動自在に支持する車輪520を備えており、筐体501内には後述の集塵部と、図示しない送風機、電気集塵機、コードリール、送風機の通電を制御する制御回路等が収容されている。
なお、図1においては、含塵空気の流れが矢印で示されている。矢印Pで示すように吸込ヘッド1から流入した含塵空気は、吸引パイプ2を通じて、矢印Qで示すように接続パイプ3、サクションホース4の順に吸引経路を流れた後、矢印Rで示すように本体部5内に吸引されて塵埃を除去され、モーターを冷却した後に矢印Sで示すように本体部5の外部へ排気される。吸込ヘッド1、吸引パイプ2、接続パイプ3およびサクションホース4は、含塵空気を本体5の外から内部に流入させるための風路の一部を構成する。図中の破線部は、ポリアニリンを含む材料で構成された風路内部表面であり、図示しないが本体510内部の旋回部および集塵部の内部表面もポリアニリンを含む材料で構成されている。
集塵部としては、集塵袋方式とサイクロン方式が知られている。集塵部としてサイクロン集塵部を備えた電気掃除機においては、掃除機本体内のサイクロン集塵部による遠心分離によって塵埃を分離捕集し、塵埃が捕集され、清浄になった空気を本体5の外部へ排気する。
図2および3は、図1に示す電気掃除機がサイクロン方式電気掃除機である場合の本体部の構成を模式的に示す図である。図に示すように、電気掃除機の本体5は、サイクロンユニット510と筐体501内に収容された各種機器類と、これらを支持する車輪520とから構成されている。筐体501内には、図示しないが、送風機と、送風機の上流側に配置されたHEPAフィルターあるいはULPAフィルターが配置されている。送風機は、風路の一部を構成するサクションホース4に連通するように接続され、筐体501内に配置されて、サクションホース4を通じる風路に吸気を発生させる。サイクロンユニット510は、風路に配置され、送風機によって発生した吸気から塵埃を分離して捕集する。
次に、サイクロンユニット510および掃除機本体5の内部に流入した空気を掃除機本体5の外部に排出する経路について説明する。本実施の形態を明確に説明するため、サイクロンユニット510が、3つの旋回部と3つの集塵部で構成されるサイクロン方式の構造を例に挙げる。吸入風路を経て図中右側より流入した含塵空気は、はじめに0次旋回部511で例えば髪の毛・飴袋などの比較的大きなサイズのゴミを遠心分離し、分離されたゴミは0次集塵部512に捕集される。
次に、0次旋回部511を通過した含塵空気は1次旋回部513で、軽くて気流に乗りやすく且つ嵩の多い、綿ゴミや細かい砂ゴミなどの中サイズのゴミを遠心分離し、分離された中サイズのゴミは1次集塵部514に捕集される。1次旋回部513は、遠心分離が高効率に達成できる様に最適設計されており、その側壁が、略円筒形状の円筒部と、略円錐形状の円錐部とで構成されている。
次に、1次旋回部513を通過した含塵空気は0次旋回部511の中心軸に沿って上昇し、排出管515から排出され、2次旋回部516に到達する。排出管515は、0次旋回部511とその軸をおおよそ一致させて、0次旋回部511内に突出して設置されており、その突出部の側壁は、多数の細孔を持つ略円筒形状の円筒体と、多数の細孔を持つ略円錐形状の円錐体とで構成し、この細孔により排出口515の入口部を構成している。
2次旋回部516に到達した含塵空気は2次旋回部516の側壁に沿って流入するため旋回気流となり、中心軸近傍の強制渦領域とその外周側の準自由渦領域とを形成しながら、その経路構造と重力とにより下向きに流れていく。このとき、遠心力が塵埃に作用するため、1次集塵部514で捕集しきれなかった微細なゴミが2次旋回部516の内壁に押し付けられて吸気から遠心分離され、下降する旋回流に乗って2次旋回室516の下方に進んだ後、2次集塵部517内に捕集される。2次旋回部516は、遠心分離が高効率に達成できる様に最適設計されており、その側壁が、略円筒形状の円筒部と、略円錐形状の円錐部とで構成されている。ゴミが除去された空気は、2次旋回部516の中心軸に沿って上昇し、排出管518から排出される。排出管518から排出された空気は、排出管518を通って送風機及び排気口からなる排気経路を経て掃除機本体5の外部に排出される構成となっている。
このように構成されたサイクロン方式の電気掃除機においては、サイクロンユニット510内部の旋回部で、旋回流に乗った塵埃がこれら旋回部の内部表面と激しく摩擦・衝突を繰り返している。旋回部内部表面および塵埃は静電気により強く帯電し,帯電した塵埃の一部は旋回部内面に付着し、残りのほとんどは大きく帯電したままの状態で集塵部に蓄積される。帯電した塵埃は、集塵部の内部表面に静電付着し、気流による風圧を受けても脱落しないほどの付着力を有するため、一定の厚みになるまで脱落せずに付着し続ける状態になる。
本実施の形態の電気掃除機は、吸込ヘッド1、吸引パイプ2、接続パイプ3およびサクションホース4、旋回部511、513、516および集塵部512、514、517、一端が前記集塵部に接続され、他端が微細塵フィルターを介して上記送風機に連通する風路、の内部表面には、ポリアニリンを含む材料(他はバインダなどの結着剤や分散剤)で構成されている。これにより、上記風路の内部表面は、表面抵抗率が10−3〜10(Ω/□)のオーダーである特性を有している。
ポリアニリンを風路の内部表面に含ませる方法として、ポリアニリンをバインダなどの結着剤や分散剤などと調合した塗料を用いてコーティングする方法、または、風路の内部表面の一部または全体が樹脂基材で構成される場合には、樹脂と混合して練りこみ処理をおこなって成型する方法、などがある。混練りする樹脂は、一般的なものを指し、特にその種類を限定するものではない。
次に、ポリアニリンの材料特性と効果について記述する。
ポリアニリンは、主鎖に非局在化したπ電子を有するπ共役系高分子であり、電子の授受により酸化状態及び還元状態が可逆的に変化する機構によって導電性を発現する導電性ポリマーである。
一般にポリアニリンは、化学重合、または電解重合により生成され、柔軟で変形しやすくかつ弾力性に優れる特性を有しており、コーティングおよび樹脂への混練りに非常に適した材料と言える。
図4は、ポリアニリンの構造状態を説明する図である。図示したように空気中の酸素と接触して一電子還元されて活性酸素であるスーパーオキシドアニオンラジカル(・O )を生成し、自らは還元型から酸化型へ構造変化する。この反応過程において、スーパーオキシドアニオンラジカルだけでなく、下式のように空気中の水分との反応によってヒドロキシラジカル、過酸化水素などの活性酸素も生成することができる。
2・O + 2H → H +O
このようにして得られた活性酸素は高い酸化力を有するため、雑菌や皮脂などの有機物を、酸化分解することができる。なお、空間での空気接触でポリアニリンの効果を発現する本発明の場合の反応場は、ポリアニリン表面であり、生成される過酸化水素、ラジカルなどはポリアニリン表面のみで発生し、塵埃や雑菌と接触して酸化分解作用を生じるが、過酸化水素やラジカルを空気中に放出することはほとんどない。ポリアニリンは可逆性を有することから、酸化型構造を有したポリアニリンは、乾燥により自動的に還元型構造に戻ることができる。
図5は、ポリアニリンの表面抵抗率と抗菌効果の関係を示すグラフである。図示したように、過酸化水素生成量は、ポリアニリンを担持した電極を有する電極対を水道水中300mL中に浸漬して、両電極間に−1.4VvsAgClの電圧を3時間後印加したときの値である。ポリアニリン固形分量1%をNMPに分散して作製したポリアニリン液をABS樹脂上に塗膜した基材を陰極、白金チタン電極を陽極として用いて評価を行ない、ポリアニリンへ添加する有機酸の量によりポリアニリンの表面抵抗を調整した。ポリアニリンの表面抵抗の増加とともに過酸化水素の生成量が低下し、10(Ω/□)では殆ど過酸化水素は生成しない。表面抵抗値が上昇すると、ポリアニリン内電子の移動が効率よく行なうことができなくなるためであり、ポリアニリンから空気中の酸素への電子供給量が低下して活性酸素生成量が低下する。
ポリアニリンを含有する材料の表面抵抗値を下げるために、以下の3つの手段がある。1つは、カーボンや金属粒子等の導電性無機物をポリアニリンと接触するように分散して添加する方法である。ポリアニリンと導電性無機物を混合することにより、ポリアニリンと導電性無機物との間で生じる酸化還元電位により、ポリアニリン表面で活性酸素が生成されやすくなる。もう1つは、ポリアニリンへのドーパント処理であり、塩酸や硫酸、またはスルホン酸などの有機酸を添加する方法である。有機酸をポリアニリンに添加することで、ポリアニリン内で保持できる電子量が多くなるため、ポリアニリンが空気中の酸素に電子授受を容易に行なうことができる状態になり、活性酸素種の生成効率が増大する。さらに3つ目の手段として、ポリアニリン同士が絡み合うことなく直鎖状に合成することで、ポリアニリン間での電子の授受が容易に行なわれる状態になるため、表面抵抗値が下がり、活性酸素種の生成効率を増大させることができる。以上の3つの手段により、表面抵抗値を10−3(Ω/□)まで低下させることができる。
また、ポリアニリンは撥水性を有するため、家庭ゴミやアレル物質、雑菌などが表面に付着しにくい防汚特性を有している(ポリアニリンの接触角はθ=90deg以上)。従来の帯電防止剤は,ナイロンなどの半導電性樹脂が用いられるが、吸湿性を有しているため、ゴミやアレル物質、雑菌が付着しやすく、カビの発生も課題であったが、ポリアニリンの適用によって、従来の課題は解決することができる。
ポリアニリンは、帯電防止と抗菌と防汚の多機能を併せ持ち、単一材料で3つの効果を発現することができる。従来はこのような多機能材料がなく、単機能の材料を混合することで多機能な表面特性を実現する他、手段が無く、コストや、混合材料の不均一化などの品質、混合する各材料の低濃度化による効果の低下など、多くの課題があった。本発明の電気掃除機は、吸込ヘッド、吸引パイプ、接続パイプおよびサクションホース、旋回部および集塵部のいずれか、または全ての内部表面にポリアニリンを含む材料(他はバインダなどの結着剤)で構成されているため、上記のような従来の課題は解消することができる。
以上、本発明の電気掃除機においては、吸込ヘッド、吸引パイプ、接続パイプおよびサクションホース、旋回部および集塵部の内部表面に微細な塵埃が帯電付着を抑制することができる。このため、ゴミ捨ての際に舞い上がる微細な塵埃を低減させること、高い旋回分離性能を長期間維持することを実現する。
なお、本実施の形態において、サイクロン方式の電気掃除機に関して詳細な説明を行ったが,これに限るものではなく,集塵袋方式であっても吸込ヘッド、吸引パイプ、接続パイプおよびサクションホースに関しては、同様な効果を得ることができる。
100 電気掃除機、1 吸込ヘッド、2 吸引パイプ、3 接続パイプ、4 サクションホース、5 本体、510 サイクロンユニット、501 筐体、520 車輪、511 0次旋回部、512 0次集塵部、513 1次旋回部、
514 1次集塵部、515 排出管、516 2次旋回部、517 2次集塵部、518 排出管。

Claims (3)

  1. 送風機と、この送風機の吸引力により外部から含塵空気を吸引する吸込ヘッドと、一端が上記吸込ヘッドに接続された吸引用パイプあるいはホースと、この吸引用パイプあるいはホースの他端が接続され、上記含塵空気から塵埃を分離して捕集する集塵室と、一端が前記集塵部に接続され、他端が微細塵フィルターを介して上記送風機と連通する連通部とから風路を形成し、前記風路の構成部材いずれかの内部表面の一部をポリアニリンを含む材料で構成することを特徴とする電気掃除機。
  2. 送風機と、この送風機の吸引力により外部から含塵空気を吸引する吸込ヘッドと、一端が上記吸込ヘッドに接続された吸引用パイプあるいはホースと、この吸引用ホースの他端が接続され、上記含塵空気から塵埃を分離する旋回部と、上記塵埃を捕集する集塵室と、一端が前記集塵部に接続され、他端が微細塵フィルターを介して上記送風機に連通する連通部とから風路を形成し、前記風路の構成部材のいずれかの内部表面の一部をポリアニリンを含む材料で構成することを特徴と電気掃除機。
  3. 前記内部表面の表面抵抗率ρsは、10−3(Ω/□)≦ρs≦10(Ω/□)であることを特徴とする請求項1または2いずれかに記載の電気掃除機。
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