JP5923851B2 - ペースト組成物およびそれを用いた磁性体組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、パソコン、自動車、携帯電話や携帯情報端末、フラットパネルテレビ、ゲーム機器、高度道路情報システム、無線LANなどに内蔵するインダクタ用コアや電磁波吸収体などに含有されるペースト組成物およびそれを硬化させてなる磁性体組成物に関する。
近年、インターネット利用を始めとして、パソコン、自動車、携帯電話や携帯情報端末、フラットパネルテレビ、ゲーム機器、高度道路情報システム、無線LANなど、GHz帯の高周波を利用した情報通信機器等が普及してきている。高周波は信号にノイズを発生させて情報伝達を悪化させたり、またその高周波に伴い電磁波が情報機器から放射され、他の電子機器への誤作動を引き起こしたりする可能性が指摘されている。それらに対応する為、高周波ノイズを除去し、かつ電圧を安定化させる役割を担うインダクタが情報通信機器に内蔵されている。透磁率の高いコアをインダクタに挿入することで、インダクタンスをさらに向上させることができる。コアとしては磁性体金属や磁性体セラミックスあるいは樹脂中に磁性体無機粒子を充填したものが利用されている。
一般に、樹脂中に無機粒子を高充填に分散させる場合、しばしば無機粒子と樹脂が相互作用し、得られたペーストが顕著に増粘し、ひいてはゲル化を引き起こす場合がある。これを防ぐために、特定の化合物を用いて磁性体無機粒子を樹脂中に安定に分散させる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、金属粉末表面に誘電体層を被覆させた粒子や熱硬化性樹脂を被覆させた粒子を樹脂中に分散させる技術が提案されている(例えば、特許文献2〜3参照)。
特開2009−263645号公報 特開2001−338813号公報 特開2010−87366号公報
本発明は、無機粒子の樹脂中での分散性をさらに高め、それにより、低温硬化可能で、硬化後に磁性体材料として優れた性能を示すペースト組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、磁性体無機粒子をコアとするコア−シェル構造粒子、樹脂、および120℃以上の沸点を有する溶媒を含み、前記コア−シェル構造粒子のシェルとして、メラミン樹脂を有することを特徴とするペースト組成物である。
本発明によれば、低温硬化可能で、硬化後に磁性体材料として優れた性能を示す組成物を提供することができる。
本発明のペースト組成物には、磁性体無機粒子をコアとするコア−シェル構造粒子、マトリックス樹脂、および120℃以上の沸点を有する溶媒を含む。
本発明のペースト組成物で用いられるコア、すなわち磁性体無機粒子としては、軟磁性金属やフェライトなどが挙げられる。軟磁性金属は抵抗が小さく、高周波帯域では渦電流の発生により急激に透磁率が低下するといった特徴がある。また、フェライトは軟磁性金属に比べ抵抗は高いものの、材料本来の透磁率が小さいといった特徴がある。本発明においては、Fe(カルボニル鉄)、Fe−Ni合金、Fe−Ni−Mo合金、Fe−Co合金、Fe−Cr合金、Fe−Si合金、Fe−Al合金、Fe−Cr−Si合金、Fe−Cr−Al合金、Fe−Al−Si合金、Fe基アモルファス、Co基アモルファス、Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Cu−Znフェライト、Mg−Mn−Srフェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどの粉末を用いることが好ましい。これらの中でも、各種フェライトが好ましく、さらには、電気抵抗値が比較的大きなNi−Znフェライトを特に好ましく用いることができる。さらに好ましくは、Fe(カルボニル鉄)やFe合金類、アモルファス合金である。これらを用いることで、高透磁率を得ることができる。
磁性体無機粒子の製造方法としては、固相反応法、水熱合成法、超臨界水熱合成法、ゾルゲル法、しゅう酸塩法、乾式法、湿式法、共沈法および噴霧熱分解法などが挙げられる。得られた磁性体無機粒子は、ハンマーミル、ロールミル、ボールミル、遊星式ボールミル等によって粉砕され、目的の粒径を有する磁性体無機粒子が得られる。
磁性体無機粒子の形状としては、球状、略球状、楕円球状、針状、板状、鱗片状、棒状などが挙げられるが、特に、限定されるものではない。これらのうち1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。
本発明に用いられる磁性体無機粒子の平均粒子径は3μm以下であることが好ましい。ペースト組成物中の磁性体無機粒子は、凝集が完全にほぐれた1次粒子の状態にあるものと、複数個の1次粒子が凝集した状態(2次粒子)にあるものが存在する。ここで、磁性体無機粒子の粒子径とは、凝集していない1次粒子はその粒子の粒子径であり、1次粒子が凝集したものはその凝集体の粒子径である。磁性体無機粒子の平均粒子径を測定する方法としては、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)により直接粒子を観察し、粒子径の数平均を計算する方法が挙げられる。
磁性体無機粒子の平均粒子径が3μm以下であると、ペースト組成物および磁性体組成物の各形態において膜の平坦性が良好である。また、磁性体組成物をインダクタ用コアや電磁波吸収体として用いる場合は膜厚ばらつきを小さくすることができる。さらに、百MHzを超える高周波帯域においても、磁気損失が小さく、低tanδが可能となる。tanδは、1GHzで、0.2以下であることが好ましく、さらに好ましくは、0.15以下である。
また、前処理として磁性体無機粒子の表面処理を行ってもよく、このような処理としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などの各種カップリング剤、脂肪酸などによる処理のほか、ロジン処理、酸性処理、塩基性処理などが挙げられる。特に、磁性体無機粒子をシランカップリング剤等で前処理するのが好ましい。例えば、シランカップリング剤と磁性体無機粒子、水、ビーズを混合した後、攪拌し、ビーズ除去して得られた分散液を濾過して、濾物を得、その濾物を乾燥するという処理を行うことで、シランカップリング剤で処理した磁性体無機粒子が得られる。その結果、磁性体無機粒子を被覆したシランカップリング剤にシェルが付きやすくなり、シェルの厚膜化が期待できる。特に、水素化処理して得られた磁性体無機粒子には、親水基を有するシランカップリング剤を用いることが好ましい。水素化処理したものは、磁性体無機粒子表面の水酸基の量が少なくなっていると思われ、その結果、水系での分散では凝集しやすくなると考えられる。
本発明で用いられるシランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明で用いられるコア−シェル構造粒子のシェルは、樹脂であることが好ましく、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であることが好ましい。シェルを樹脂にすることにより、絶縁性を高めることができ、また、マトリックス樹脂との濡れ性が良くなる可能性が高まる。なお、シェルとして、樹脂ではなく絶縁性の無機材料を用いても構わない。例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、硫酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラスのような各種ガラス材料等や、アルミナ、マグネシア、ジルコニアなどの酸化物等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明で用いられるコアーシェル構造粒子のシェルには耐溶剤性が求められる。また、ペーストを硬化する工程がある為、シェルは熱硬化性樹脂であることが好ましい。また、感光性を付与したペースト組成物として利用する場合は、シェルはさらに耐アルカリ性を有することが好ましい。以上より、コア−シェル構造粒子として、好ましいのは、耐水性、耐溶剤性、耐熱性、耐アルカリ性を有するものである。
シェルを構成する熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられるが、上記の中でもメラミン樹脂を用いたものが特に好ましい。フェノール樹脂やユリア樹脂の場合は、親水性基である水酸基やケトン基を有する為、水溶媒でコア−シェル構造粒子を作製すると、シェルの厚みが薄くなる傾向がある。また得られたコア−シェル構造粒子をペースト組成物に含有させた際に、アルコール系の溶媒に溶解するおそれが生じる。
コア−シェル構造粒子のシェルとしては、メチロール基を有する樹脂モノマーを加熱して得るのが簡単である。メチロール基は加熱するだけで脱水縮合反応を起こし易いため、メチロール基を有する樹脂モノマーは、熱で容易に硬化させることが可能である。メチロール基を有する樹脂モノマーとしては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のモノマーが知られており、単独に或いはこれらを組み合わせて用いて、コア−シェル構造粒子のシェルの作製に用いられる。
なお、上記の例においてメチロール基がメトキシメチル基に置き換わったモノマーも、メトキシメチル基部分のメチル基の脱離およびそれに続く分子間縮合の連鎖により、最終的に硬化させることは可能である。しかし、メチル基を脱離させ、メチロール基に戻すには、酸を触媒にした加水分解が必要である。ここで、磁性体無機粒子が存在する溶液の酸性度を強くすると、粒子が溶けて水素が発生する可能性があるため好ましくない。一方で、有機溶媒や中性の水溶媒では反応が進みにくく、コアーシェル構造粒子になりにくい。これに対し、メチロール基を用いると、メチル基の脱離工程を省略できるため、溶媒の種類や酸性度の影響を受けることなく樹脂を硬化させることができる。
コア−シェル構造粒子のシェル樹脂を作製するのに用いられる樹脂モノマーとして、メチロール基を2つ有するものとしては、26DMPC、46DMOC、46DMOEP、DM−BIPC−F、DM−BIOC−F、(商品名、旭有機材工業(株)製)、DML−MBPC、DML−MBOC、DML−OCHP、DML−PC、DML−PCHP、DML−PTBP、DML−34X、DML−EP、DML−POP、ジメチロール−BisOC−P、DML−PFP、DML−PSBP、DML−MTrisPC、(商品名、本州化学工業(株)製)、3つ有するものとしては、TriML−P、TriML−35XL(商品名、本州化学工業(株)製)など、4つ有するものとしては、TM−BIP−A(商品名、旭有機材工業(株)製)、TML−BP、TML−HQ、TML−pp−BPF、TML−BPA、(商品名、本州化学工業(株)製)など、6つ有するものとしては、HML−TPPHBA、HML−TPHAP(商品名、本州化学工業(株)製)などが挙げられる。また、ニカレヂンS−176、ニカレヂンS−260(商品名、日本カーバイド工業(株)製)などが挙げられる。これらの中でも、コア−シェル構造粒子のシェル樹脂は、メチロール基を有するメラミン樹脂モノマーを用いて作製することが好ましい。
なお、コア−シェル構造粒子は、メチロール基を有する樹脂モノマーから得られる樹脂以外の樹脂をシェル樹脂として有していてもよい。他の樹脂モノマーとしては、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ケイ素樹脂などのモノマーが挙げられる。
本発明のペースト組成物は溶媒を含有する。本発明のペースト組成物で用いられる溶媒としては、120℃以上の沸点を有するものであり、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。溶媒は1種を単独で用いたり、2種以上を混合して用いたりすることができる。溶媒の沸点が120℃以上であることで、プロセス中に溶媒が飛散しにくくなり、ひいては、コア−シェル構造粒子を凝集させることなく、硬化膜におけるコア−シェル構造粒子の充填率を増加させることが可能となる。特に、100μm以上の厚膜の磁性体組成物を必要とする場合に、120℃以上の沸点を有する溶媒を用いることが好ましい。その理由は以下の通りである。このような厚膜の形成のためには、高粘度のペースト組成物が必要であり、高粘度のペースト中に磁性体無機粒子を均一に分散させるためには、後述のような3本ロールミルを用いた分散が好ましく利用される。ところで、3本ロールミルを用いた分散法は開放系で行われるため、溶媒の沸点が低いと処理中の溶媒の飛散量が多くなる。そのため、120℃以上の沸点を有する溶媒を用いることが好ましい。さらに好ましくは150℃以上の沸点を有する溶媒である。
ペースト組成物中の溶媒の含有量は、1重量%以上95重量%以下であることが好ましい。また、ペースト組成物中の溶媒は、混合溶媒であっても構わない。混合溶媒の組み合わせについては、(1)沸点120℃以上の溶媒と沸点120℃未満の溶媒の組み合わせや、(2)沸点150℃以上の溶媒と沸点150℃未満の溶媒の組み合わせなどが考えられる。(1)の場合、混合溶媒100重量%中の沸点120℃以上の溶媒の配合比率が、80重量%以上であることが好ましい。(2)の場合、混合溶媒100重量%中の沸点150℃以上の溶媒の配合比率が60重量%以上であることが好ましい。混合溶媒を用いる場合、上記配合比率を行うことで、3本ロールで飛散する溶媒量を抑えることができ、磁性体無機粒子を均一に分散させることが可能となる。
本発明でペースト組成物に用いられるマトリックス樹脂としては、ビニル樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、エポキシメタクリレート樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、シロキサン樹脂などの、重合性基を有する熱硬化型あるいはUV硬化型の樹脂が挙げられる。また、ポリスチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂、ノボラック樹脂など重合性基を持たない樹脂が挙げられる。これらの樹脂を単独で用いてもよいし、複数種を適当な比にて用いてもよい。
プロセス中で耐熱性などが要求される用途では、上記樹脂の中でも、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、またはポリイミド樹脂とエポキシ化合物との混合物を含有することが好ましい。また、ペースト組成物から得られる磁性体組成物をインダクタ用コアや電磁波吸収体に用いる場合は、UV硬化型の樹脂を選定すると、フォトリソグラフィー法による磁性体組成物のパターニングが実現でき好ましい。ただし、エポキシ樹脂などをカチオン重合させる場合、カチオン活性種が磁性体無機粒子に吸着し、重合反応が遅くなることがある。したがって、ラジカル重合に適したアクリレート樹脂、メタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、エポキシメタクリレート樹脂が好ましい。
また、フォトリソグラフィーを行う場合は、アルカリ可溶性の樹脂であることが環境の点で望ましい。アルカリ可溶性の樹脂とは、アルカリ水溶液に可溶な酸性基を有する樹脂のことであり、前記基として、カルボキシル基やフェノール性水酸基等が挙げられる。前記樹脂はポリイミド樹脂から選択されるポリマーであることが好ましく、前記ポリマーは分子中に酸性基を有するポリマーであればどのようなものでも構わないが、好ましくは酸性基がカルボキシル基であることが望ましい。
本発明で用いられるエポキシ樹脂(エポキシ化合物)は、例えば、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導されるエポキシ化合物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、ジヒドロキシジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物、複素環式エポキシ樹脂、芳香族ジグリシジルアミン化合物などを用いることができる。また、エポキシ基を2個以上有するものを用いることが好ましい。また、エポキシ化合物は、一般に収縮を伴わない開環反応によって硬化するため、硬化時の収縮を低減することが可能となる。
エポキシ樹脂は液状と固形状のいずれを用いても良い。ここで液状エポキシ樹脂とは25℃、1.013×10N/mで150Pa・s以下の粘度を示すものであり、25℃で150Pa・sを越える粘度を示すものは固形エポキシ樹脂を示す。このようなエポキシ樹脂であれば特に限定されず、液状エポキシ樹脂としては、例えばエピコート828、エピコート1002、エピコート1750、エピコート152、エピコート630、(以上商品名、三菱化学(株)製)、エピクロンHP−4032(以上商品名、大日本インキ化学工業(株)製)、オグゾールEG250(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、などが挙げられる。これらを2種以上組み合わせてもよい。また、固形エポキシ樹脂としては、エピコート1002、エピコート1001、YX4000H、エピコート4004P、エピコート5050、エピコート154、エピコート157S70、エピコート180S70、YX4000H、フェノキシ樹脂4250(以上商品名、三菱化学(株)製)、テピックS、テピックG、テピックP(以上商品名、日産化学工業(株)製)、エポトートYH−434L(商品名、東都化成(株)製)、EPPN502H、NC3000(以上商品名、日本化薬(株)製)、エピクロンN695、エピクロンHP−7200、エピクロンHP−7200H(以上商品名、DIC(株)製)、オグゾールPG100、EG200(以上商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、マープルーフG−2050M、マープルーフG−1010S、マープルーフG−0250S、マープルーフG−01100(以上商品名、日油(株)製)などが挙げられる。これらのうち2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂や、フェノキシ樹脂やジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の高分子量を有するエポキシ樹脂を用いると、コア−シェル構造粒子の分散性が向上するので好ましい。
代表的なフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂としては、9,9−ビス(グリシジルオキシアリール)フルオレン類や9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類が挙げられ、具体的には、9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(アルキル−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(アリール−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(ジ乃至テトラグリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(グリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(C1−4アルキル−グリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(グリシジルオキシジ乃至テトラC2−4アルコキシフェニル)フルオレン等がある。
より具体的には、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキル−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(モノ又はジC6−10アリール−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(6−グリシジルオキシ−2−ナフチル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(グリシジルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレン等が挙げられるが、これらに限定されない。また、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、エポキシ樹脂と硬化剤を組み合わせることで、固形エポキシ樹脂および液状のエポキシ樹脂の硬化を促進し、短時間で硬化させることができる。硬化剤としては、各種イミダゾール、イミダゾールシラン、イミダゾリン、酸無水物、フェノール系化合物などが挙げられる。
各種イミダゾールとしては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイトなどが挙げられる。イミダゾールシランとしては、IS−1000、IS−1000D、IM−1000、SP−1000、IA−100A、IA−100P、IA−100F(以上商品名、日鉱マテリアルズ(株)製)などが挙げられる。
酸無水物としては、ヘキサハイドロフタル酸無水物、メチルテトラハイドロフタル酸無水物、アデカハードナーEH−3326、アデカハードナーEH−703、アデカハードナーEH−705A(以上商品名、旭電化工業(株)製)、エピクロンB−570、エピクロンB−650(以上商品名、大日本インキ化学(株)製)などが挙げられる。
フェノール系化合物にはフェノール樹脂も含まれる。フェノール系化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o‐クレゾールノボラック、m‐クレゾールノボラック、p‐クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ‐p‐ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t‐ブチルカテコール、t‐ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4‐ベンゼントリオール、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2‐ジヒドロキシナフタレン、1,3‐ジヒドロキシナフタレン、1,4‐ジヒドロキシナフタレン、1,5‐ジヒドロキシナフタレン、1,6‐ジヒドロキシナフタレン、1,7‐ジヒドロキシナフタレン、1,8‐ジヒドロキシナフタレン、2,3‐ジヒドロキシナフタレン、2,4‐ジヒドロキシナフタレン、2,5‐ジヒドロキシナフタレン、2,6‐ジヒドロキシナフタレン、2,7‐ジヒドロキシナフタレン、2,8‐ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール、NV203R4、CP001、CP002、BPF、BCF(以上商品名、大阪ガスケミカル(株)製)、26DMPC、46DMOC、DM−BIOC−F、DM−BIPC−F、TM−BIP−A(以上商品名、旭有機材工業(株)製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの中でも、硬化剤として、フェノール系化合物を用いるのが好ましい。フェノール系化合物を用いると、得られるコア−シェル構造粒子とマトリックス樹脂との濡れ性が高まり、コア−シェル構造粒子の充填率が高まる。さらに好ましくは、平均官能基数が5以下のフェノール系化合物を用いることである。特に、好ましくは、2官能のフェノール系化合物を用いることである。そうすることで、粒子の充填率がさらに向上し、高透磁率が可能となる。
フェノール系化合物は2種類以上を混合して使用しても良い。好ましい硬化剤は、二官能性フェノール化合物を硬化剤中50wt%以上、好ましくは70wt%以上含むものである。この場合の二官能性フェノール化合物としては、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビスフェノールA、1,5−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール、2,6−ナフタレンジオール、ハイドロキノン、及びレゾルシンより選択されるフェノール化合物が好ましい等が好ましいが、これらに限定されない。
エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ基と硬化剤中の官能基が当量比で0.8〜1.5の範囲であることが好ましい。この範囲内であれば硬化後の未反応のエポキシ基、又は硬化剤中の官能基をきわめて低減し、封止機能に関しての信頼性をより向上させる。
また、硬化剤のほかに、硬化助剤を利用しても構わない。硬化助剤を利用することで、フェノール樹脂の水酸基を活性化させることができ、エポキシ化合物との反応性を高めることができる。
硬化助剤としては、保存安定性が良好で充分な熱硬化性を有するものであれば特に限定するものではなく、例えば、潜在性熱酸発生剤、潜在性光酸発生剤、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸、フェノール系化合物、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、ホスフィン系化合物、ホスホニウム塩系化合物、金属キレート系化合物等が使用できる。具体的には、熱酸発生剤としては、有機ハロゲン化合物、オニウム塩等があげられ、各々、有機ハロゲン化合物としてトリハロメチル基含有トリアジン化合物やオキサジアゾール化合物等があげられ、オニウム塩としてアリルジアゾニウム塩、(ジ)アリルヨードニウム塩、(ジ、トリ)アリルスルホニウム塩等があげられる。また、カルボン酸無水物は、芳香族としては無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等があげられ、脂肪族としては無水コハク酸、無水マレイン酸等があげられ、脂環族としては無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等があげられる。カルボン酸は上記酸無水物の開環体があげられる。さらに、フェノール系化合物としては(ポリ)ヒドロキシベンゾフェノン、ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]スルホン、ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]スルフィド、ビスフェノールA、ビスフェノールF等があげられる。アミン系化合物としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等があげられる。イミダゾール系化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等があげられる。ホスフィン系化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等があげられる。
本発明に用いられるポリイミド樹脂は、ポリイミド前駆体であっても既閉環ポリイミドであっても構わない。ポリイミド樹脂は、一般にテトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させて得られるポリイミド前駆体の1つであるポリアミド酸を、加熱あるいは酸や塩基などの化学処理で脱水閉環することで得ることができる。本発明ではポリアミド酸が使用できるだけでなく、他のポリイミド前駆体であるポリアミド酸エステル、ポリアミド酸アミド、ポリイソイミドなども使用することができる。また、既閉環ポリイミドとは、本発明のペースト組成物中ですでにイミド結合したポリイミドのことであり、ポリイミド前駆体で必要とされるような高温での硬化処理(イミド化)は不要である。その為、ペースト組成物中に高温で失活する成分が含有される場合に、低温での処理が可能となる既閉環ポリイミドを利用することで、ペースト組成物の膜特性を良好にすることができる。また、既閉環ポリイミドは、ポリイミド前駆体とは異なり、フォトリソグラフィーの現像時に発生する残査の原因と推測されるカルボキシル基を有していないので、現像時に残査が発生する可能性が殆ど無いといった利点がある。
ポリイミド樹脂に利用される酸無水物としては、好ましくはテトラカルボン酸二無水物とジアミンを、非プロトン性極性溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸およびそのエステルが挙げられる。テトラカルボン酸二無水物では3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルヘキサフルオロプロパンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ターフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられるが、これらに限定されない。
またジアミンとしてはパラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、メチルパラフェニレンジアミン、メチルメタフェニレンジアミン、ジメチルパラフェニレンジアミン、ジメチルメタフェニレンジアミン、トリメチルパラフェニレンジアミン、トリメチルメタフェニレンジアミン、テトラメチルパラフェニレンジアミン、テトラメチルメタフェニレンジアミン、トリフルオロメチルパラフェニレンジアミン、トリフルオロメチルメタフェニレンジアミン、ビス(トリフルオロメチル)パラフェニレンジアミン、ビス(トリフルオロメチル)メタフェニレンジアミン、メトキシパラフェニレンジアミン、メトキシメタフェニレンジアミン、トリフルオロメトキシパラフェニレンジアミン、トリフルオロメトキシメタフェニレンジアミン、フルオロパラフェニレンジアミン、フルオロメタフェニレンジアミン、カルボキシパラフェニレンジアミン、カルボキシメタフェニレンジアミン、メトキシカルボニルパラフェニレンジアミン、メトキシカルボニルメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(アミノメチルフェニル)スルホン、ビス(アミノエチルフェニル)スルホン、ビス(アミノトリフルオロメチルフェニル)スルホン、ビス(アミノジメチルフェニル)スルホン、ビス(アミノジエチルフェニル)スルホン、ジアミノジフェニルエーテル、ビス(アミノメチルフェニル)エーテル、ビス(アミノトリフルオロメチルフェニル)エーテル、ビス(アミノエチルフェニル)エーテル、ビス(アミノジメチルフェニル)エーテル、ビス(アミノジエチルフェニル)エーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンなどが挙げられるが、これらに限定されず、公知の材料を用いることができる。
本発明のペースト組成物は、塗布した膜の表面状態を良好なものとするために、界面活性剤を含有しても良い。界面活性剤としては、アクリル系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、アクリル−シリコン系界面活性剤等があるが、これらに限定されない。界面活性剤を含む場合、ペースト組成物中の界面活性剤の含有量は、0.01重量%以上1重量%以下であることが好ましい。0.01重量%未満であると、界面活性剤の効果が得られない。1重量%より大きいと、表面が凸凹になるといった現象が発生するおそれがある。
本発明のペースト組成物は、不飽和結合含有重合性化合物や光重合開始剤を含有しても良い。不飽和結合含有重合性化合物は、加熱および/または光により硬化させることができる。特に、光硬化性を利用することで、樹脂にネガ型の感光性を付与することができる。
また、本発明のペースト組成物は、熱架橋性化合物を含有してもよい。熱架橋性化合物を含有することで、熱処理時に熱架橋反応が起きるため、収縮率を小さくすることができる。
本発明のペースト組成物は、樹脂の重合を促進するために、ラジカルやカチオン、アニオンなどの活性種を発生する重合促進剤を含有してもよい。重合促進剤としては、光照射や加熱処理により活性化するものがあり、用途に応じて使い分けることが可能である。
その他、本発明のペースト組成物は、pH調整剤、湿潤剤、重合禁止剤、可塑剤、酸化防止剤などを含有してもよい。
次に、本発明のペースト組成物の製造方法について説明する。ただし以下の方法は一例であり、各工程で使用する試薬、媒体等を、本発明の範囲内で適宜変更することは差し支えない。
まず、前処理として磁性体無機粒子の表面処理を行う場合には、以下のような操作を行う。磁性体無機粒子(2次粒子、凝集状態のものを含む)、シランカップリング剤、および溶媒を所定の分量で混合し、分散メディアの存在下、分散処理を行う。分散方法としては、ボールミル、ホモジナイザー、ビーズミル、遊星式ボールミルなどを用いる方法が挙げられる。粉砕または解砕するための分散メディアには、微小ビーズを用いる。本発明においては、ビーズの平均粒子径が0.03mm以上5mm以下のものを用いることが好ましい。ビーズの平均粒子径が5mm以下である場合、ビーズの間を磁性体無機粒子が通過する際に、磁性体無機粒子がビーズと接触する頻度が高く、十分な分散効果が得られる。ビーズの平均粒子径が0.03mm以上である場合、個々のビーズの持つ運動量が十分大きく、磁性体無機粒子の凝集をほぐすのに十分なせん断応力が得られる。
次に、磁性体無機粒子の分散液を濾過して分散メディアを除去する。さらに濾過を行うと、余分な溶媒が除かれ、表面をシランカップリング剤で覆われた磁性体無機粒子からなる濾物が得られる。得られた濾物を容器に移し、熱風オーブン炉で乾燥させ、表面処理された磁性体無機粒子を得る。
次に、界面活性剤を用いて、表面処理された磁性体無機粒子を分散させる。表面処理された磁性体無機粒子、溶媒および必要に応じて界面活性剤を所定の分量で混合し、分散メディアの存在下、解砕処理を行う。解砕処理後の分散液を濾過して、分散メディアを除去し、界面活性剤で分散された表面処理済みの磁性体無機粒子含有の分散液を得る。分散方法は超音波、ホモジナイザー、ボールミル、その他のメディア分散機などを用いることで効率的に行うことができる。なお、メタノールやエタノールを用いた場合には、粒子が沈降していることがあるが、このような場合でもそのまま以下の工程に進むことが可能である。
界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの陰イオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などの陽イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルモノグリセリルエーテルなどの非イオン性界面活性剤が挙げられ、中でもステアリン酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムやスチレンマレイン酸樹脂塩が好ましく、これらを2種以上含有してもよいが、これらに限定はされない。界面活性剤を用いることで、磁性体無機粒子が効率よく分散され、コア−シェル構造が得られやすい。特に好ましいのは、スチレンマレイン酸樹脂アンモニウムであり、これを用いて作成されたコア−シェル構造粒子はシェルが厚く形成されやすい。そして、そのようなコア−シェル構造粒子を含有するペースト組成物は絶縁性材料としての特性にも優れる。磁性体無機粒子の種類によっては、界面活性剤が被膜されにくいことがあるが、その場合は、磁性体無機粒子を表面処理することで、被膜が可能となる。
得られた分散液にシェルを構成する樹脂のモノマーを添加し、所定の時間加熱する方法や、ラジカル重合させる方法等で、コア−シェル構造粒子を得ることができる。加熱温度や時間は用いられるモノマーにより好適に選択されるが、通常は、250℃以下の範囲が好ましい。一例として、メチロール基を有する樹脂モノマーを用いる場合は、加熱温度は50〜90℃が好ましく、加熱時間は0.5〜8時間が好ましい。また、分散液が水溶媒系であるとき、その溶液は極端な酸性または極端なアルカリ性でなければよい。例えば、pH4〜9の弱酸性〜弱アルカリ性の範囲で反応を進行させることができる。より好ましくはpH5〜8である。pHを4未満にすると粒子の種類によっては溶けて水素が発生する可能性があり、9より大きくすると反応が遅くなることがある。
なお、溶液のpHの好ましい調整方法について、一例として、メチロール基を有する樹脂モノマーを用いる場合を説明する。まず、磁性体無機粒子の水分散液にメチロール基を有する樹脂モノマーを添加した時点で、溶液のpHは7〜8であることが多い。この溶液を酸性側に調整する方法としては、混合液に酸を添加する方法や、最初から混合液に、酸性の水溶液や有機溶媒を用いる方法などが挙げられる。酸としては、塩酸、硫酸や酢酸などが挙げられるが、酢酸などの弱酸である方が好ましい。また、最初から酸性の水溶液にするには、弱酸を水で薄めたものを利用するのが好ましい。また、この溶液をアルカリ性側に調整する方法としては、混合液にアルカリ水溶液を添加する方法や、最初から混合液に、アルカリ性の水溶液や有機溶媒を用いる方法などが挙げられる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム水溶液や炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられるが、炭酸水素ナトリウム等の弱アルカリである方が好ましい。また、最初からアルカリ性の水溶液にするには、弱アルカリを水で薄めたものを利用するのが好ましい。他の樹脂モノマーであっても同様に調整できる。
また、磁性体無機粒子を表面処理せずに直接、界面活性剤を用いて分散させた分散液に、シェルを構成する樹脂モノマーを添加し、所定の時間加熱する方法や、ラジカル重合させる方法等でコア−シェル構造粒子を得ても構わない。また、界面活性剤無しに、磁性体無機粒子、シェルを構成する樹脂モノマー、溶媒を加え、加熱する方法や、ラジカル重合させる方法等で、コア−シェル構造粒子を得ても構わない。加熱温度、時間、溶液のpHなどの好ましい条件は上記と同様である。
上記により得られるコア−シェル構造粒子のシェルの平均厚さは10nm以上1000nm以下であることが好ましい。シェル樹脂の平均厚さが1000nm以下であれば、磁性体無機粒子の高充填が可能となり、比透磁率が高い磁性体組成物を得ることができる。より好ましくは500nm以下である。シェルの平均厚さが10nm以上であればコア−シェル構造粒子のコア同士の導通を抑えることができ、体積抵抗率を増大させることができる。なお、本発明においては、シェルの平均厚さが10nm未満である場合は、TEM観察で、シェルであるかどうかの判定が難しいことから、コア−シェル構造粒子ではないとした。
シェルの平均厚さを10nm以上にするには、立体網目状の構造を有する樹脂を用いることが好ましい。そうすることで、シェルの平均厚さを厚くすることができる。一例として、メチロール基を有する樹脂モノマーを用いる場合は、溶媒温度を50〜90℃にし、磁性体無機粒子を0.5〜8時間の範囲で攪拌させることが好ましい。さらに、水中で重合を行う場合は、溶液のpHを下げることで、樹脂モノマーの反応が加速され、さらなる厚膜が期待できる。
なお、本発明においてシェルの平均厚さとは、以下のようにして得られた値をいう。すなわち、作製したコア−シェル構造粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)観察を行い、得られたTEM写真から、測定対象としたいコア−シェル構造粒子について10箇所のシェルの厚さを測定し、最大値と最小値を除いた8つの値の平均値をシェル層の平均厚さとする。なお、複数のコア−シェル構造粒子のシェル部分が接触している場合は、接触している領域については測定点には含めないものとする。
また、コア−シェル構造粒子を作製中に、コア−シェル構造粒子を分散させる為に、分散剤を添加してもよい。分散剤を添加するタイミングは、樹脂モノマーを反応させた後でも、樹脂モノマーを添加する前でもよい。そうすることで、コア−シェル構造粒子作製中に、コア−シェル構造粒子同士がくっつくことが少なくなる。分散剤としては、公知の無機系及び有機系の分散剤を用いることができる。具体的には、無機系の分散剤;リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。また、有機系の分散剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、酢ビポバール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩等が含まれる。また、市販のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。この様な界面活性剤の例としては、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、縮合ナフタレンスルホン酸等の塩や、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等のエステル塩が含まれる。これらの中でも、リン酸エステル塩が特に好ましく、具体的には、BYK142、145(以上商品名、ビックケミー・ジャパン(株)製)、リン酸モノドデシルナトリウム(東京化成工業(株)製)、ラウリルリン酸モノエステルジナトリウム、ラウリルリン酸ジエステルナトリウム、ラウリルリン酸モノエステルジカリウム、ラウリルリン酸ジエステルカリウム、オレイルアルコールエチレンオキサイド5モル付加物リン酸モノエステルジナトリウム等が挙げられるが、これらに限定されない。
得られたコア−シェル構造粒子を粉末として取り出すためには、コア−シェル構造粒子分散液をエタノールやN−メチル−2−ピロリドンなどの両性溶媒と混合する。これにより、コア−シェル構造粒子を沈殿させることができ、さらに不要な界面活性剤や分散剤を除去できる。この沈殿を濾過することでコア−シェル構造粒子を分離して得ることができる。また、濾過ではなく、上澄みを捨てて沈殿物を取り出す方法も可能である。この場合は、沈殿物に溶媒を加えてかき混ぜ、再び沈殿させ、上澄みを捨てる工程を数回行ってから、沈殿物を得ることで、未反応の樹脂モノマーやコア−シェル構造粒子にならなかった樹脂を除去できる可能性が高くなる。なお、コア−シェル構造粒子の製造をメタノールまたはエタノール中で行った場合には、前記の通り当初から沈降していることがあるが、この場合は、反応液をそのまま濾過すればよい。また、有機溶媒でコア−シェル構造粒子を作製する場合には、水を添加することでコア−シェル構造粒子を沈殿させることができる。
上記の方法によれば、磁性体無機粒子表面がシェル樹脂により効率よく覆われ、簡単にコア−シェル構造粒子を得ることができる。
次に、得られたコア−シェル構造粒子を用いて、ペースト組成物を作製する方法を説明する。本発明で利用されるペースト組成物は、コア−シェル構造粒子、マトリックス樹脂および溶剤を混合し、さらに必要に応じて、不飽和結合含有重合性化合物、光重合開始剤、重合禁止剤、熱架橋性化合物、界面活性剤などを混合することで得られる。
これらの成分の混合後、ペースト組成物が均質になるようにするために、ボールミルやロールミル、ニーダーを用いた処理を行う。このような処理を行える装置としては、例えば、3本ロール(EXAKT(株)製、EXAKT M−80S)等がある。3本ロールは、高せん断応力を持つため、ペースト組成物をより均質にすることができる。また、混合処理によりペースト組成物中に気泡が混入した場合は、静置する、減圧下に置く、あるいは攪拌脱泡機を用いるなどして気泡を除去すると、ペースト組成物を用いて製造する磁性体組成物中への気泡の混入を避けることができる。
このとき必要に応じさらに他の物質を混合してもよい。また、ペースト組成物の粘度を調整するために、さらに有機溶媒を添加したり、加熱や減圧により有機溶媒を適量除去してもよい。
本発明では、ペースト組成物中のコア−シェル構造粒子の含有量は、有機溶媒などの揮発成分を除いた固形成分に対して、50重量%以上98重量%以下であることが好ましい。ペースト組成物中の固形成分に対するコア−シェル構造粒子の含有量が50重量%以上であると、得られる磁性体組成物の透磁率を大きくすることができる。ペースト組成物中の固形成分に対するコア−シェル構造粒子の含有量は、より好ましくは80重量%以上である。ペースト組成物中の固形成分に対するコア−シェル構造粒子の含有量が98重量%以下であると、耐クラック性や基板との接着性が向上する。
なお、本発明においては、コア−シェル構造によりペースト硬化時に磁性体無機粒子が凝集することがないため、磁性体組成物中の磁性体無機粒子の平均粒子径はペースト組成物中の磁性体無機粒子の平均粒子径と同じである。
本発明のペースト組成物は、コア−シェル構造粒子、マトリックス樹脂、溶媒等をミキサー等で混合した後、3本ロール等で混錬したものを、フィルターで濾過したものを利用したものであっても構わない。濾過する方法としては、真空濾過、加圧濾過、大気濾過等がある。加圧濾過の場合は、圧力は0.1〜0.4Mpaが好ましく、また、濾過フィルターは、捕捉粒子径0.1〜5μmのメンブレムフィルターを用いるのが好ましい。
コア−シェル構造粒子の分散工程において当初から樹脂溶液やその他必要な物質を混合しておくこともできる。また、分散剤、溶剤、樹脂、その他必要な物質等は、その必要量の全量を最初の混合時に加えてもよいし、分散時の粘度変化等の状況を見ながら数回に分けて加えてもよい。また、加熱処理や光照射により樹脂の重合反応を適度に進行させてもよい。
次に、上記のようにして製造したペースト組成物を硬化させて、コア−シェル構造粒子が分散した磁性体組成物を製造する方法について詳細に説明する。例えば、ペースト組成物をある被着体(例えば基板)に塗布し、有機溶媒を除去し、熱などによりペースト組成物を硬化させ、磁性体組成物を製造することができる。ただし、本発明の磁性体組成物は焼結体ではないので、樹脂を完全に分解、除去する必要はなく、電子部品の耐熱温度範囲内(例えば、500℃以下の温度)で加熱することが好ましい。
シリコンウエハーなどの被着体とペースト組成物との接着性を高めるために、被着体表面にシランカップリング剤などによる表面処理を施すことができる。例えば、シランカップリング剤などをイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルなどの有機溶媒に0.5から20重量%溶解させた溶液を、回転塗布、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などにより被着体へ塗布する。場合によっては、その後50℃から300℃までの温度で加熱することで、基板とシランカップリング剤との反応を進行させる。また、被着体を高温で加熱し、被着体表面の吸着水などを取り除くことも表面処理方法として有効である。この場合、例えば80℃から400℃の温度にて行うことができる。
ペースト組成物を塗布する被着体は、例えば、シリコンウエハー、ガラス類、セラミックス類、ガリウムヒ素、有機系回路基板、無機系回路基板、およびこれらの基板に回路の構成材料が配置されたものから選択できるが、これらに限定されない。有機系回路基板の例としては、ガラス布・エポキシ銅張積層板などのガラス基材銅張積層板、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板などのコンポジット銅張積層板、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリイミド樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板などの耐熱・熱可塑性基板、ポリエステル銅張フィルム基板、ポリイミド銅張フィルム基板などのフレキシブル基板が挙げられる。
また、無機系回路基板の例は、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板などのセラミック基板、アルミニウムベース基板、鉄ベース基板などの金属系基板が挙げられる。回路の構成材料の例は、銀、金、銅などの金属を含有する導体、無機系酸化物などを含有する抵抗体、ガラス系材料および/または樹脂などを含有する低誘電体、樹脂や高誘電率無機粒子などを含有する高誘電体、ガラス系材料などを含有する絶縁体などが挙げられる。
ペースト組成物を被着体に塗布する方法としてはスピナーを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティング、スクリーン印刷、ブレードコーター、ダイコーター、カレンダーコーター、メニスカスコーター、バーコーターなどの方法がある。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、0.1から300μmになるように塗布される。
次に基板上に塗布したペースト組成物膜から有機溶媒を除去する。有機溶媒を除去する方法としては、オーブン、ホットプレート、赤外線などによる加熱乾燥や真空乾燥などが挙げられる。加熱乾燥は50℃から180℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。
有機溶媒を除去した後に、用いたペースト組成物中の樹脂の硬化機構に応じて、光照射などによりペースト組成物の硬化反応を進行させる。
次に膜強化の為に、熱処理を行う。加熱の処理温度は120℃から400℃の範囲内が好ましく、一定温度あるいは段階的に昇温し、処理時間は5分から5時間の範囲で実施することができる。より好ましくは、150℃以上、250℃未満である。より好ましくは230℃以下であり、さらに好ましくは200℃以下である。230℃以下であると、コア−シェル構造粒子を製造するにあたり前処理でシランカップリング剤を利用した場合に、そのシランカップリング剤が失活する可能性が低くなり、その結果、コア−シェル構造粒子のシェル膜を維持でき、高体積抵抗率を得ることができる。また、磁性体無機粒子を酸化させることが無いので、高透磁率を維持できる。200℃以下であるとこれらの効果がより大きくなる。
以上のように作製されたこのコア−シェル構造粒子を用いたペースト組成物を硬化させて得られる磁性体組成物は、磁性体無機粒子を樹脂中により密に充填することができ、高透磁率且つ、高体積抵抗率を得ることが可能となる。
磁性体組成物の体積抵抗率は、1×10Ωcm以上であることが好ましい。1×10Ωcm以上であると、絶縁性が良好であり、リーク電流を抑制することが可能となる。より好ましくは1×1010Ωcm以上であり、さらに好ましくは、1×1012Ωcm以上であり、この場合には絶縁性が特に良好となる。
本発明のコア−シェル構造粒子含有の磁性体組成物の形態は特に限定されず、膜状、棒状、球状など、用途に合わせて選択することができるが、特に膜状であることが好ましい。ここでいう膜とは、フィルム、シート、板、ペレットなども含まれる。もちろん、導通のためのビアホール形成、インピーダンスや静電容量あるいは内部応力の調整、または、放熱機能付与など、用途にあわせた加工を行うこともできる。
本発明のコア−シェル構造粒子や、コア−シェル構造粒子を利用したペースト組成物および磁性体組成物の用途は特に限定されないが、例えば、高透磁率を有するインダクタ用コアや電磁波吸収体として、多種の電子部品、装置への適用が可能である。本発明の磁性体組成物は、インダクタ用コアとして好ましく使用される。磁性体組成物を用いてインダクタ用コアを形成する方法は特に限定されない。例えば、フェライト粉末をポリイミド樹脂等でペースト状にして薄い中空を持つ膜を多数作り、それらの膜に導電パターンを印刷して、重ねて焼成して出来たインダクタの中空部に、上記で作製したコア−シェル構造粒子含有のペースト組成物を塗布し、硬化させた磁性体組成物をインダクタ用コアに利用するなどの方法が考えられる。
本発明の磁性体組成物の透磁率は、たとえば次のように測定することができる。ガラス基板やフィルム基板等の非磁性基板の上に形成した高透磁率材料の薄膜試料をコイル中に配置し、コイル近傍のストリップ線路からコイルに磁束が鎖交するように交流磁界をかける。測定を行なう周波数に対し、ネットワークアナライザーでSパラメータの伝達係数S21を測定し、試料をコイル中に置くことによって伝達係数S21がどの程度変化するかによって透磁率を求めることができる。このような方法で測定できる装置としては、例えば、高周波薄膜透磁率測定装置((株)東栄科学産業製)がある。
本発明のコア−シェル粒子含有の磁性体組成物は、パソコン、携帯電話や携帯情報端末、フラットパネルテレビ、ゲーム機器等の小型機器の電子回路に用いられるものである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中のコア−シェル構造粒子並びにペースト組成物の評価は以下の方法により行った。
<シェルの平均厚さの測定>
作製したコア−シェル構造粒子をH−7100FA((株)日立製作所製)を用いてTEM観察を行い、100nmが実測で5cmとなるまで拡大した(50万倍)。この状態で、測定対象としたいコア−シェル構造粒子について10箇所のシェルの厚さを測定し、最大値と最小値を除いた8つの値の平均値をシェルの平均厚さとした。なお、粒子同士がシェル樹脂を介して接触している場合には、接触している部分については測定個所には含めなかった。
<磁性体組成物の体積抵抗率の測定方法>
まず、ペースト組成物をCr膜付きシリコン基板上に塗布した後、熱風オーブン炉で60℃で30分乾燥した。次いで、イナートオーブン“INL−60”(商品名、光洋サーモシステム(株)製)を用いて大気雰囲気下、各実施例および比較例記載の温度で1時間加熱処理し、磁性体組成物を得、さらに、磁性体組成物の上に、Au電極(電極面積1cm)を蒸着した。Au電極とCr膜付きシリコン基板間で、DC電圧5Vを印加し、その時得られた抵抗値と磁性体組成物の膜厚から、体積抵抗率を求めた。体積抵抗率は、“絶縁抵抗計6517A”(商品名、ケースレーインスツルメンツ(株)製)を用いて測定した。磁性体組成物の膜厚は、サンプル断面のSEM(走査型電子顕微鏡)観察から測定した。
<磁性体組成物の透磁率測定>
まず、ガラス基板上にペースト組成物を塗布した後、熱風オーブン炉で60℃で30分乾燥した。次いで、イナートオーブン“INL−60”(商品名、光洋サーモシステム(株)製)を用いて大気雰囲気下、各実施例および比較例記載の温度で1時間加熱処理し、磁性体組成物を得た。磁性体組成物の膜厚は100μmであった。その磁性体組成物を5mm角にカットした後、そのサンプルを高周波薄膜透磁率測定装置((株)東栄科学産業製)に入れて、透磁率測定を行った。測定は、その薄膜試料をコイル中に配置し、コイル近傍のストリップ線路からコイルに磁束が鎖交するように10M〜2GHzまでの交流磁界をかけ、ネットワークアナライザーでSパラメータの伝達係数S21を測定し、試料をコイル中に配置しない場合と比べてS21がどの程度変化するかによって透磁率を求めた。また、透磁率の補正には、測定で得られた伝達係数S11、S22等を用いた。
透磁率は、μ=μ’+iμ”(μ’:実部、μ”:虚部)で表され、各実施例における透磁率はμ’の値を、また、tanδは、μ”/ μ’の値を記載した。なお、各実施例においては、1GHzでの値を代表して示した。
<膜観察>
上述の透磁率測定で利用した5mm角のサンプルの断面を1万倍でSEM観察し、コア−シェル構造粒子と樹脂との濡れ性を評価した。コア−シェル構造粒子と樹脂が接触している箇所を観察し、その箇所において濡れている(分離していない)場合を○とし、分離している場合を×とした。
<膜厚>
塗膜の膜厚は、塗膜と基板の段差をサーフコム1400(東京精密(株)製)を用いて触針法により測定することで求めた。
<マトリックス樹脂I>オグゾールEG200(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、フルオレン骨格を有する固形エポキシ樹脂)
<マトリックス樹脂II>オグゾールEG250(商品名、大阪ガスケミカル(株)製、フルオレン骨格を有する液状エポキシ樹脂)
<マトリックス樹脂III>HP7200H(商品名、DIC(株)製、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)
<マトリックス樹脂IV>157S70(商品名、三菱化学(株)製、エポキシ樹脂)
<マトリックス樹脂V>EP828US(商品名、三菱化学(株)製、エポキシ樹脂)。
<硬化剤I>4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド
<硬化剤II>4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン
<硬化剤III>ビスフェノールA(商品名、東京化成工業(株)製)
<硬化剤IV>NV203R4(商品名、大阪ガスケミカル(株)製)
<硬化剤V>KAYAHARD KTG105(商品名、日本化薬(株)製)
<硬化剤VI>2PZ(商品名、四国化成工業(株)製)
<硬化剤VII>2P4MZ(商品名、四国化成工業(株)製)
硬化剤I〜Vはフェノール系硬化剤であり、硬化剤VI、VIIはアミン系硬化剤である。
<磁性体無機粒子I>HQ粉(商品名、BASF製カルボニル鉄粉末、平均粒子径1.2μm)
<磁性体無機粒子II>HS粉(商品名、BASF製カルボニル鉄粉末、平均粒子径2.1μm)
<磁性体無機粒子III>OM粉(商品名、BASF製カルボニル鉄粉末、平均粒子径4μm)。
<樹脂モノマーI>ニカレヂンS−260(商品名、日本カーバイド工業(株)、メチロール基を有するメラミン樹脂モノマー)
<樹脂モノマーII>ニカレヂンS−176(商品名、日本カーバイド工業(株)、メチロール基を有するメラミン樹脂モノマー)
<樹脂モノマーIII>26DMPC(商品名、旭有機材工業(株)、メチロール基を有するフェノール樹脂モノマー)。
<界面活性剤I>スチレンマレイン酸樹脂アンモニウム塩
<界面活性剤II>ラウリル硫酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)
<界面活性剤III>ステアリン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製)。
<シランカップリング剤I>KBE903(商品名、信越シリコーン(株)製、3−アミノプロピルトリエトキシシラン)
<シランカップリング剤II>KBM903(商品名、信越シリコーン(株)製、3−アミノプロピルトリメトキシシラン)。
<溶媒I>N−メチル−2−ピロリドン(和光純薬工業(株)製、沸点204℃)
<溶媒II>N,N−ジメチルアセトアミド(三菱ガス化学(株)製、沸点165℃)
<溶媒III>乳酸エチル(和光純薬工業(株)製、沸点155℃)
<溶媒IV>プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(和光純薬工業(株)製、沸点146℃)
<溶媒V>1−エトキシ−2−プロパノール(和光純薬工業(株)製、沸点132℃)
<溶媒VI>1,4−ジオキサン(東邦化学工業(株)製、沸点101℃)
<溶媒VII>プロピレングリコールジメチルエーテル(東邦化学工業(株)製、沸点97℃)
実施例1
まず、磁性体無機粒子I 28g、純水を300g、トレセラムφ0.4mm(商品名、東レ(株)製ジルコニアビーズ)500g、界面活性剤I 14gを混合し、ボールミルで、回転数170rpmで30分粉砕を行った。その後、得られた磁性体無機粒子分散液の濾過を行い、ビーズを除去した。濾過にはメッシュフィルターを利用した。また、別途、エチレングリコール42gに樹脂モノマーI 6gを、超音波を用いて溶解させ、それを濾過して得られた樹脂モノマー溶液を作製した。
次に、三口フラスコに、得られた磁性体無機粒子分散液を投入した。この混合液のpHは8であった。シリコンオイルバスに、その三口フラスコを設置した後、フラスコ内の温度が75℃に安定するまで昇温し、安定してから樹脂モノマー溶液30gを1時間かけて滴下し、さらに3時間攪拌して、コアーシェル構造粒子分散液を得た。得られたコアーシェル構造粒子分散液を静置し、上澄み液を捨てた。再び捨てた上澄み液分だけ純水を加え、再び上澄み液を捨てることをさらにもう1回行った。さらにもう1回純水を加えてから、メンブレムフィルターを用いて濾過し、濾過し終わってから、さらに上からエタノールを加えて濾過した。得られた濾物を熱風オーブン炉で50℃1時間乾燥させ、コアーシェル構造粒子を得た。シェルの平均厚さ22nm、コア−シェル構造粒子の粉末25gを得た。
このコア−シェル構造粒子の粉末25gと、マトリックス樹脂Iと硬化剤Iの混合物(エポキシ当量:活性水素当量=1:1)のN−メチル−2−ピロリドン溶液4.4g(固形分2.9g)を混ぜ、3本ロール(EXAKT M−80S)で、360rpmで5回通した。その後、ハイブリッドミキサー(KEYENCE(株)製HM−500、攪拌5分+脱泡1分)で攪拌し、コア−シェル構造粒子含有のペースト組成物を得た。
次いで、上述の磁性体組成物の体積抵抗率の測定方法に従い、体積抵抗率の測定を行ったところ、3×1014Ωcmであった。さらに、同様に磁性体組成物の透磁率の測定を行ったところ、透磁率3.4、tanδ0.14であった。なお、測定用の磁性体組成物を得るための加熱は150℃で行った。
次に、上述の磁性体組成物の膜観察の評価方法に従い、膜観察の評価を行ったところ、コア−シェル構造粒子と樹脂が濡れていたので、○とした。
実施例2〜7
表1に示すように、硬化剤の種類を変えた以外は実施例1と同様の組成のペースト組成物を作製し、上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表1に示した。フェノール系の硬化剤を用いた場合、絶縁性磁性体材料として優れた性能を示すだけでなく、コア−シェル構造粒子と樹脂の濡れ性も良好であることがわかる。
実施例8〜11
表1に示すように、マトリックス樹脂の種類を変えた以外は実施例1と同様の組成のペースト組成物を作製し、上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例12〜16
表1に示すように、磁性体無機粒子、シェルを構成する樹脂のモノマー、または分散時に用いる界面活性剤の種類を変えた以外は実施例1と同様の組成のコア−シェル構造粒子を用いたペースト組成物を作製し、上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表1に示した。平均粒子径が3μm以下の無機粒子を用いた場合、透磁率が大きくてもtanδを小さく保てることがわかる。また、界面活性剤としてスチレンマレイン酸樹脂アンモニウムを用いた場合、コア−シェル構造粒子のシェル厚みが厚くなり、磁性体組成物の体積抵抗率が大きくなることがわかる。
実施例17
まず、磁性体無機粒子I 28g、純水を300g、トレセラムφ0.4mm(商品名、東レ(株)製ジルコニアビーズ)500g、シランカップリング剤I 3gを混合し、ボールミルで、回転数170rpmで60分粉砕を行った。その後、得られた磁性体無機粒子分散液の濾過を行い、ビーズを除去した。濾過にはメッシュフィルターを利用した。得られた濾物を熱風オーブン炉で110℃1時間乾燥させ、シランカップリング剤で処理した磁性体無機粒子を25g得た。
次に、シランカップリング剤処理した磁性体無機粒子I 28g、純水を300g、トレセラムφ0.4mm(商品名、東レ(株)製ジルコニアビーズ)500g、界面活性剤II 14gを混合し、ボールミルで、回転数170rpmで30分粉砕を行った。その後、得られた磁性体無機粒子分散液の濾過を行い、ビーズを除去した。濾過にはメッシュフィルターを利用した。また、別途、エチレングリコール42gに樹脂モノマーI 6gを、超音波を用いて溶解させ、それを濾過して得られた樹脂モノマー溶液を作製した。
次に、三口フラスコに、得られた磁性体無機粒子分散液を投入した。この混合液のpHは8であった。シリコンオイルバスに、その三口フラスコを設置した後、フラスコ内の温度が75℃に安定するまで昇温し、安定してから樹脂モノマー溶液30gを1時間かけて滴下し、さらに3時間攪拌して、コア−シェル構造粒子分散液を得た。得られたコア−シェル構造粒子分散液を静置し、上澄み液を捨てた。再び捨てた上澄み液分だけ純水を加え、再び上澄み液を捨てることをさらにもう1回行った。さらにもう1回純水を加えてから、メンブレムフィルターを用いて濾過し、濾過し終わってから、さらに上からエタノールを加えて濾過した。得られた濾物を熱風オーブン炉で50℃1時間乾燥させ、コア−シェル構造粒子を得た。シェルの平均厚さ22nm、コア−シェル構造粒子の粉末25gを得た。
このコア−シェル構造粒子の粉末25gと、マトリックス樹脂Iと硬化剤Iの混合物(エポキシ当量:活性水素当量=1:1)のN−メチル−2−ピロリドン溶液4.4g(固形分2.9g)を混ぜ、3本ロール(EXAKT M−80S)で、360rpmで5回通した。その後、ハイブリッドミキサー(KEYENCE(株)製HM−500、攪拌5分+脱泡1分)で攪拌し、コア−シェル構造粒子含有のペースト組成物を得た。その後、上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1821
表1に示すように、溶媒の種類を変えた以外は実施例1と同様の組成のペースト組成物を作製し、上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表1に示した。沸点が150℃以上の溶媒を使用する場合に特に透磁率が大きくなり、tanδも小さく保つことができることがわかる。
実施例2226
表1に示すように、ペースト組成物中の固形成分に対するコア−シェル構造粒子の含有量を変えた以外は実施例1と同様の組成のペースト組成物を作製し、上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表1に示した。コア−シェル構造粒子の含有量が多いほど透磁率が大きくなることがわかる。なお、後述の比較例3〜5との対比により、コア−シェル構造粒子の含有量が少ない場合でも、沸点が120℃以上の溶媒を使用することにより透磁率が相対的に大きくなる一方でtanδは小さく保てていることがわかる。
実施例2731
表1に示すように、実施例1と同様の組成のペースト組成物を作製し、ペースト組成物のキュア温度を変えた以外は実施例1と同様の方法で磁性体組成物を作製した。上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表1に示した。
比較例1、2
表2に示すように、溶媒の種類を変えた以外は実施例1と同様の組成のペースト組成物を作製し、上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表2に示した。実施例1と対比して、沸点が120℃未満の溶媒を使用することにより透磁率が小さくなる一方でtanδが大きくなった。
比較例3〜5
表2に示すように、ペースト組成物中の固形成分に対するコア−シェル構造粒子の含有量を変えた以外は実施例1と同様の組成のペースト組成物を作製し、上述の方法に従って、体積抵抗率と透磁率、膜観察の評価を行った。その結果を表2に示した。実施例2426と対比して、沸点が120℃未満の溶媒を使用することにより透磁率が小さくなる一方でtanδが大きくなった。
Figure 0005923851
Figure 0005923851

Claims (9)

  1. 磁性体無機粒子をコアとするコア−シェル構造粒子、マトリックス樹脂、および120℃以上の沸点を有する溶媒を含み、前記コア−シェル構造粒子のシェルとして、メラミン樹脂を有することを特徴とするペースト組成物。
  2. 前記マトリックス樹脂がエポキシ樹脂である請求項1記載のペースト組成物。
  3. さらに硬化剤を含む請求項1または2記載のペースト組成物。
  4. 前記硬化剤がフェノール系化合物である請求項3記載のペースト組成物。
  5. 前記溶媒が、150℃以上の沸点を有する溶媒を含む請求項1〜4のいずれかに記載のペースト組成物。
  6. 前記磁性体無機粒子の平均粒子径が3μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載のペースト組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のペースト組成物を塗布し、熱処理する工程を含む磁性体組成物の製造方法
  8. ペースト組成物の熱処理が230℃以下での加熱処理である請求項7記載の磁性体組成物の製造方法
  9. 前記磁性体組成物の体積抵抗率が1×1010Ωcm以上である請求項7または8記載の磁性体組成物の製造方法
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