JP2007039567A - 高周波電子部品用複合成形体及び高周波電子部品用複合成形体製造用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 マトリックス中に、ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が0.0001重量%〜0.1重量%含有されることを特徴とする高周波電子部品用複合成形体、その製造法、該成形体製造用の樹脂組成物、該成形体又は樹脂組成物を用いて形成される電子部品等。
【選択図】 なし
Description
・高耐熱性
・低線膨張率
・金属導体層との密着性ないし接着性(銅箔密着性)
・機械的強度
・薄膜形成能
・比誘電率を比較的広範囲に渡って任意に設定することが可能
・絶縁性
・耐候性
・誘電特性が温度、湿度に対して依存性が少ない。
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンは、C−C結合等の共有結合を有し、且つ大きな極性基を持たないため、電気特性、特に絶縁抵抗性に優れているが、耐熱性が低いという欠点がある。このため高温下での使用における電気特性(誘電損失、比誘電率など)が悪化して、コンデンサー等の絶縁膜(層)として好適とはいえない。
塩化ビニル樹脂は、絶縁抵抗性が高く、耐薬品性、難燃性に優れているが、ポリオレフィンと同様耐熱性に欠け、誘電損失が大きいという欠点がある。
フッ素原子を分子鎖中に含有しているこれら重合体は、電気特性(低誘電率、低誘電損失)、耐熱性、化学安定性に優れているが、熱可塑性樹脂のように熱処理加工することによって成形物、あるいはフィルム等を得るというような成形加工性、塗膜形成能に難があり、且つデバイス化を行う際、かなりのコスト高となる。さらに透明性が低いため応用分野が限られているという欠点がある。
従来から印刷配線板にはエポキシ樹脂をジシアンジアミドで硬化させる系が広く一般に用いられてきた。しかしながら、ジシアンジアミド硬化系では吸湿性が高くなる欠点があり、今後の印刷配線板の更なる高密度化に伴う高い絶縁信頼性を満足することは困難となっている。
誘電性・絶縁抵抗性に優れた低誘電率材料にさらに求められる性能として、デバイス化工程のなかに必ず半田付け工程が入るため少なくとも260℃で120秒の加熱に耐え得るだけの耐熱性が要求され、耐熱性、耐アルカリ性等の化学的安定性、および耐湿性や機械的特性に優れたものでなければならない。これらの要求を満足する高分子素材として、例えばポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、熱硬化性ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエチレンテレフタレート等が知られている。しかし、これら樹脂であっても、誘電損失がGHz帯域では大きくなってくる。
(i)熱可塑性樹脂、又は
(ii)熱硬化性樹脂、又は
(iii)放射線硬化性樹脂、又は
(iv)熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び放射線硬化性樹脂からなる群から選ばれる2種以上からなる複合樹脂、又は
(v)上記(i)〜(iv)の2種以上の混合物
であることを特徴とする項3に記載の高周波電子部品用複合成形体。
本発明では、マトリックスに、ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を分散させる。ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種は、導電性をもつ物質で形成されているのが好ましい。
本発明で使用するナノチューブとしては、各種のものが使用できるが、例えば、ナノサイズの直径を有するカーボンチューブが例示できる。かかるナノサイズのカーボンチューブとしては、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、アモルファスナノスケールカーボンチューブ、遷移金属含有ナノスケールカーボンチューブ等が例示できる。これらの詳細については、後述する。これらのナノチューブのサイズは、広い範囲のものが使用できるが、特に、直径が1〜100nm、特に、5〜70nmであり、長さが0.1〜50μm、特に0.2〜10μmであり、アスペクト比が10〜5000、特に20〜2000であるものが好ましい。
カーボンナノチューブは、黒鉛シート(即ち、黒鉛構造の炭素原子面ないしグラフェンシート)がチューブ状に閉じた中空炭素物質であり、その直径はナノメートルスケールであり、壁構造は黒鉛構造を有している。カーボンナノチューブのうち、壁構造が一枚の黒鉛シートでチューブ状に閉じたものは単層カーボンナノチューブと呼ばれ、複数枚の黒鉛シートがそれぞれチューブ状に閉じて、入れ子状になっているものは入れ子構造の多層カーボンナノチューブと呼ばれている。本発明では、これら単層カーボンナノチューブ及び入れ子構造の多層カーボンナノチューブがいずれも使用できる。
また、上記アモルファスナノスケールカーボンチューブは、WO00/40509(日本国特許第3355442号)に記載されており、カーボンからなる主骨格を有し、直径が0.1〜1000nmであり、アモルファス構造を有するナノスケールカーボンチューブであって、直線状の形態を有し、X線回折法(入射X線:CuKα)において、ディフラクトメーター法により測定される炭素網平面(002)の平面間隔(d002)が3.54Å以上、特に3.7Å以上であり、回折角度(2θ)が25.1度以下、特に24.1度以下であり、2θバンドの半値幅が3.2度以上、特に7.0度以上であることを特徴とするものである。
本発明で使用する上記鉄−炭素複合体は、特開2002−338220号公報(特許第3569806号公報)に記載されており、(a)ナノフレークカーボンチューブ及び入れ子構造の多層カーボンナノチューブからなる群から選ばれるカーボンチューブと(b)炭化鉄又は鉄とからなり、該カーボンチューブ(a)のチューブ内空間部の10〜90%の範囲に(b)の炭化鉄又は鉄が充填されている。即ち、チューブ内空間部の100%の範囲に完全に充填されているものではなく、上記炭化鉄又は鉄がそのチューブ内空間部の10〜90%の範囲に充填されている(即ち、部分的に充填されている)ことを特徴とするものである。壁部は、パッチワーク状ないし張り子状(いわゆるpaper mache状)のナノフレークカーボンチューブである。
(1)不活性ガス雰囲気中、圧力を10-5Pa〜200kPaに調整し、反応炉内の酸素濃度を、反応炉容積をA(リットル)とし酸素量をB(Ncc)とした場合の比B/Aが1×10-10〜1×10-1となる濃度に調整した反応炉内でハロゲン化鉄を600〜900℃まで加熱する工程、及び
(2)上記反応炉内に不活性ガスを導入し、圧力10−5Pa〜200kPaで熱分解性炭素源を導入して600〜900℃で加熱処理を行う工程
を包含する製造方法により製造される。
本発明のナノフレークカーボンチューブと炭化鉄又は鉄からなる鉄−炭素複合体は、典型的には円柱状であるが、そのような円柱状の鉄−炭素複合体(特開2002−338220号公の実施例1で得られたもの)の長手方向にほぼ垂直な断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図3に示し、側面のTEM写真を図1に示す。
前記のように、工程(1)及び(2)を行った後、特定の加熱工程を行うことにより、得られる鉄−炭素複合体を構成するカーボンチューブは、入れ子構造の多層カーボンナノチューブとなる。
本明細書において、上記ナノフレークカーボンチューブ及び入れ子構造の多層カーボンナノチューブからなる群から選ばれるカーボンチューブ内空間部の炭化鉄又は鉄による充填率(10〜90%)は、本発明で使用する鉄−炭素複合体を透過型電子顕微鏡で観察し、各カーボンチューブの空間部(即ち、カーボンチューブのチューブ壁で囲まれた空間)の像の面積に対する、炭化鉄又は鉄が充填されている部分の像の面積の割合である。
本発明で使用する鉄−炭素複合体は、湾曲が少なく、直線状であり、壁部の厚さが全長に亘ってほぼ一定の均一厚さを有しているので、全長に亘って均質な形状を有している。その形状は、柱状で、主に円柱状である。
長さ:数μm〜数十μm
純度:>90%(純度は、5,000倍のSEM観察で、100視野について、鉄−炭素複合体が存在する確率)
組成:C=85 〜 95 wt%、H>0.1 wt%、N>0.01 wt%、Fe=5 〜 15 wt%
嵩密度:O.1〜0.2 g/cm3
XRD:
・結晶ピークの同定:グラファイト、Fe3C
・グラファイトの結晶性:(002)ピークの半価幅 = 0.9
・Fe3C/グラファイト比 = Fe3C(102)/C(002) =0.05〜2.0
(2) ナノワイヤ
本発明で使用するナノワイヤとしては、各種のものが使用できるが、導電性のものが好ましく、例えば、Au、Ag、Sn、SiC、TiO、VO2、WO2、RuO2、ReO2、CrO2、MoO2、Fe3O4等からなるナノワイヤを例示することができる。
本発明においてマトリックスとは、ナノチューブ又はナノワイヤを分散させ、成形体を形成するための結合材料である。具体的には、ナノチューブ又はナノワイヤの形状を有さず、常温で固体の、電気絶縁性の有機又は無機の材料が全て含まれる。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ1−ブテン樹脂、ポリ4−メチル−1−ペンテン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂;ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリ三フッ化エチレン樹脂等のフッ素樹脂;その他ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を例示できる。
上記放射線硬化性樹脂としては、電子部品等の分野で使用されているものが広く使用でき、基本的には二重結合を2個以上もつ化合物を使用することで可能となるが、さらにはより精細なパターンを形成するために側鎖に二重結合と水性現像可能を行うためのカルボキシル基を付与したものが使用できる。紫外線硬化型として使用されていることが多い。これら放射線硬化性樹脂としては、例えば、特開昭61−243869、特開2002−294131、特開2005-154780等に記載のものが使用できる。
上記熱硬化性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、架橋性ポリフェニレンオキサイド、硬化性ポリフェニレンエーテル、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA、レゾルシン等から合成される各種ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、スピロ環式エポキシ樹脂を例示できる。
上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との複合樹脂としては、ポリフェニレンエーテル・エポキシ樹脂、ポリアミドイミド・エポキシ樹脂、ポリアミド・エポキシ樹脂、ポリアミドイミド・ポリイミド樹脂等を例示できる。
本発明の樹脂成形体は、前記マトリックス中に、前記ナノチューブ及び/又はナノワイヤを含有するものである。
W2=100−W1
ここで、上記式中、ρ1、V1、W1は、それぞれ、ナノチューブ又はナノワイヤの密度と体積%と重量%を示し、ρ2、V2、W2は、それぞれ、マトリックスの密度と体積%と重量%を示す。
本発明の高周波電子部品用複合成形体を製造するには、常法に従って、ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を、前記低分子有機マトリックス、有機樹脂マトリックス、低分子無機マトリックス、無機樹脂マトリックスおよびそれらの複合物等のマトリックス材料中に分散させればよい。この分散方法としては、たとえば、通常のカーボンブラック等の炭素化合物に用いられる分散方法や、無機フィラー等を分散させるために用いる方法を特に制限なく採用することができる。
ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を、樹脂および適当な有機溶媒と混合し、例えば、遊星ミルなどで混合する。また、通常のカーボン分散のための処理、たとえばプラズマをかける、表面を酸化させる、カップリング剤などで処理する、界面活性剤を付着させる等の処理を採用することもできる。
上記前処理工程(A)により前処理されたナノチューブ又はナノワイヤと、前記マトリックスを構成する材料(即ち、前記有機樹脂等)とを、適当な分散装置、例えば、セラミック3本ロールの分散処理に供することにより、ナノチューブ又はナノワイヤをマトリックス材料(樹脂等)に均一分散させ、マスターバッチ材料を調製する。該マスターバッチの濃度は、広い範囲から適宜選択することができるが、一般には、樹脂100重量部に対して、ナノチューブ又はナノワイヤが0.01〜50重量部、特に、0.01重量部〜10重量部、殊に0.05〜10重量部であるのが好ましい。
この工程では、調合組成に従い、上記マスターバッチ処理工程で得られたマスターバッチと、マトリックス材料(前記樹脂等)で均一に希釈する。この希釈方法としては、各種の方法が採用できるが、例えば、混合・分散・脱泡装置(例えば、商品名「あわとり練太郎」、株式会社シンキー製)により、マスターバッチを、マトリックス材料(樹脂等)により希釈混合する方法を例示できる。好ましくは、この工程にてベースポリマーとマスターバッチ材料を剪断応力により部分的に凝集した配列構造を成形材料の中に作製する。
この成形工程(D)では、上記工程(C)で得られた樹脂組成物を成形する。成形法としては各種の方法が採用でき、例えば、溶剤除去、光硬化反応、熱硬化反応、又は冷却処理、その他、塗布、加熱処理等を行い成形する。
本発明の成形体は、低誘電正接を具備しているので、電気・電子機器の回路基板材料、特にGHz帯域用の回路基板材料として好適に使用できる。より具体的には、本発明の成形体は、印刷配線板、樹脂絶縁膜、樹脂付金属箔、ソルダーレジスト又は半導体封止樹脂、インターポーザー等の電子部品を製造するのに適している。
実験1(下記の実施例1〜6及び比較例1〜3)及び実験2(下記の実施例7〜9及び比較例4及び5)においては、下記の有機樹脂マトリックス及びナノチューブを使用した。
このナノチューブ(1)は、前記特許第3569806号公報に記載の方法に従い製造された鉄−炭素複合体であり、ナノフレークカーボンチューブのチューブ内空間部に炭化鉄を部分的に内包しており、次の物性を有する:
外径:20〜100nm
長さ:5μm以下
炭化鉄の含有量:10wt%
この鉄炭素複合体(1)の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図6に示す。
このナノチューブ(2)は、多層カーボンナノチューブ内に鉄を含むものであり、次の物性を有する:
外径:10〜50nm
長さ:5μm以下
炭化鉄の含有量:3wt%
このナノチューブ(2)の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図7に示す。
<(A)前処理工程及び(B)マスターバッチ材料作製工程>
熱硬化性エポキシ樹脂(1)と、ナノチューブ(1)又は(2)(鉄−炭素複合体)とメチルエチルケトン(ナカライテスク株式会社製)をウルトラソニックホモジナイザーで混合した後、湿式ジェットミルで混合攪拌し、ナノチューブを樹脂に均一分散させた前処理工程及びマスターバッチ工程によりマスターバッチ材料(樹脂100重量部に対するナノチューブの添加量は0.25重量部)を得た。
上記(A)及び(B)の処理をして得られたマスターバッチ材料と熱硬化性エポキシ樹脂(1)を、混合・分散・脱泡装置(商品名「あわとり練太郎」、株式会社シンキー製)により、マスターバッチ材料を感光性樹脂により希釈混合することにより成形材料を得た。
引き続き、上記処理した成形材料、即ち、熱硬化性エポキシ樹脂(1)または熱硬化性エポキシ樹脂(2)と鉄−炭素複合体との複合材料を、真空中にて真空脱溶剤し、スペーサで形成した型に材料を充填し、加熱プレス成形して、厚み2mm、幅150mm、長さ50mmの板状成形体を得た。更にこの成形体より切断して2mmx2mmx150mmの誘電特性評価サンプルを作製した。
鉄−炭素複合体の使用量を、上記熱硬化性エポキシ樹脂の固体分100重量部に対して、表1に記載の量とする以外は実施例1〜5と同様にして比較のための評価用サンプルを得た。
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られたサンプルについて、空洞共振器法(JIS R1641 ファインセラミックス基板のマイクロ波誘電特性の試験方法)に従い、誘電正接(tanδ)を測定した。5GHzでの測定結果を表1に示す。
熱硬化性エポキシ樹脂(2)を使用し、鉄−炭素複合体(ナノチューブ(1))の使用量を表2に記載の量とする以外は実施例1〜6と同様にして評価用サンプルを得た。
熱硬化性エポキシ樹脂(2)を使用し、鉄−炭素複合体(ナノチューブ(1))の使用量を表2に記載の量とする以外は実施例1及び2と同様にして評価用サンプルを得た。
上記実施例7〜9及び比較例4及び5で得られた評価用サンプルについて、試験例1と同様にして、誘電正接を測定した。結果を表2に示す。尚、表2において、「変化量%」は、5.0GHzにおける比較例4のtanδ=0.0074に対する増減の割合%を示している。
実施例10〜17
有機樹脂マトリックスとして、エポキシアクリレート樹脂(日本化薬社製 EAM−2160)に、光重合開始剤(日本化薬社製 DETX−S)2wt%、光重合促進剤(日本化薬社製 EPA)2wt%を混合した感光性樹脂を使用した。
上記樹脂、ナノチューブ(1)又は(2)、アセトン(ナカライテスク株式会社製)、酸化ジルコニアボール(東レ製)を遊星ミル(フレッチュジャパン製)により400rpmで1時間混合後、酸化ジルコニアボールを除去し、アセトンを乾燥除去し、前処理した遷移金属含有ナノスケールカーボンチューブを得た。
上記前処理したナノチューブ(1)およびナノチューブ(2)と感光性樹脂とを、セラミック3本ロール(ノリタケカンパニー製、NR−42A)により混合し、ナノチューブを樹脂に均一分散させ、マスターバッチ材料を得た(樹脂100重量部に対するカーボンナノチューブの添加量はナノチューブ(1)が0.1重量部、ナノチューブ(2)が0.26重量部)。
下記表5の調合組成に従い、上記処理したマスターバッチ材料と感光性樹脂を、混合・分散・脱泡装置(商品名「あわとり練太郎」、株式会社シンキー製)により、表3と表4に示すように、マスターバッチ材料を感光性樹脂により希釈混合することにより成形材料を得た。
上記で得られた成形材料を円筒形のモールドに入れて水銀灯(500W)で紫外線(照射線量:6J/cm2)を照射し、円筒形の成型体を得た。この成型体の中央部をくりぬいて、評価用サンプルを得た。この評価用サンプルは、同軸状加工物で、ドーナツ型の形状をしており、外径が7mm、内径が3.1mm、高さ(厚み)が1〜3mmである。
ナノチューブ(1)およびナノチューブ(2)の使用量を、表5に記載の量とする以外は実施例10〜17と同様にして比較のための評価用サンプルを得た。
上記実施例10〜17及び比較例6〜8で得られた評価用サンプルについて、同軸法により、誘電正接を測定した。
サンプル形状:内径3.1mm、外径7mm、厚み1〜3mm
実験3と同じ成形材料を使用して、成形工程だけを変えて作製したサンプルを評価した結果を示す。
樹脂として、エポキシアクリレート樹脂(日本化薬社製 EAM−2160)に、光重合開始剤(日本化薬社製 DETX−S)2wt%、光重合促進剤(日本化薬社製 EPA)2wt%を混合した感光性樹脂を使用した。
得られた成形材料をブレード法において、ブレードの成形方向に剪断が加わるようにして、約200μmの厚みで塗布した。水銀灯(500W)で紫外線(照射線量:6J/cm2)を照射、さらに約200μmの厚みで塗布し、水銀灯で紫外線照射を繰り返し約2.5mmの厚さの成形体を得た。
鉄−炭素複合体の使用量を、上記感光性樹脂の固体分100重量部に対して、比較例9はカーボンナノチューブの添加が0重量%とする以外は実施例18〜22と同様にして比較のための評価用サンプルを得た。
上記実施例18〜22及び比較例9で得られた成型体の中央部をくりぬいて、評価用サンプルを得た。この評価用サンプルは、同軸状加工物で、ドーナツ型の形状をしており、外径が7mm、内径が3.1mm、高さ(厚み)が1〜3mmである。誘電正接の測定は、前記試験例3に記載の同軸法に従って行った。結果を表6に示す。
実施例23〜28
実施例12,13及び10と同様に成形材料を作製した(表5参照)。
比較例6と同様に作製した。但し、円筒形の成形体の上下面を平滑(Ra:1μm)にした。
誘電正接の測定は、開放型エバネセント波同軸共振器法により行った。この開放型エバネセント波同軸共振器法は、例えば、文献Data-Analysis in the Evanescent Perturbation Method using an Open-ended Coaxial Resonator Probe、Odate et al, Micro wave theory and technic, IEEE,2005に記載されており、同軸共振器プローブ先端部に評価サンプル(厚み1mm以上、直径10mm以上、片面Ra1μm以下の円板)を設置し、先端部から漏れる共振電磁場(エバネセント波)が評価サンプルに浸潤。それにより評価サンプルの複素誘電率によって、共振器全体の共振特性(共振周波数、Q値)に変化が生じる。この変化を測定することで誘電率、tanδを算出した。
チューブ状のナノチューブの代わりに、同じカーボン質の粒子状のカーボンナノ粒子で、低誘電正接化の効果を調査した。
有機樹脂マトリックスとして、エポキシアクリレート樹脂(日本化薬社製 EAM−2160)に、光重合開始剤(日本化薬社製 DETX−S)2wt%、光重合促進剤(日本化薬社製 EPA)2wt%を混合した感光性樹脂を使用した。
樹脂、ケッチェン・ブラック(ケッチェン・ブラック・インターナショナル株式会社製)、PEGME(ポリエチレングリコールメチルエーテル)、アセトン(ナカライテスク株式会社製)、酸化ジルコニアボールを遊星ミルにより400rpmで1時間混合後、酸化ジルコニアボールを除去し、アセトンを乾燥除去し、前処理したケッチェン・ブラックを得た。
上記前処理した樹脂で皮膜したケッチェン・ブラックと樹脂とを、セラミック3本ロール(ノリタケカンパニー製、NR−42A)により混合し、ケッチェン・ブラックを樹脂に均一分散させ、マスターバッチ材料(樹脂100重量部に対するケッチェン・ブラックの添加量は0.1重量部)を得た。
表8の調合組成に従い、上記処理したマスターバッチ材料と感光性樹脂を混合・分散・脱泡装置(商品名「あわとり練太郎」、株式会社シンキー製)により成形材料を得た。
上記工程(C)で得られた成形材料を円筒形のモールドに入れて水銀灯(500W)で紫外線(照射線量:6J/cm2)を照射し、円筒形の成型体を得た。この成型体の中央部をくりぬいて、評価用サンプルを得た。この評価用サンプルは、同軸状加工物で、ドーナツ型の形状をしており、外径が0.7cm、内径が0.3cm、高さ(L)が2.7〜2.9cmである。
上記比較例11〜14で得られた評価用サンプルについて、試験例3と同様にして同軸法による誘電正接の測定を行った。結果を表8に示す。
ナノチューブ(1)とナノチューブ(2)の不純物分析を行った。即ち、1350℃で燃焼後イオンクロマト分析法により塩素、フッ素、臭素の含有量を分析した結果を表9に示す。
熱硬化性樹脂を用いた実施例として、印刷回路基板用絶縁材料として実施されているエポキシ樹脂に鉄−炭素複合体を配合する場合の好ましい形態を示す。
(a)エポキシ樹脂としてビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名エピクロンN−865、エポキシ当量207)100重量部、(b)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの付加縮合物としてビスフェノールAノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトVH−4170、水酸基当量114)24.5重量部、(c)硬化促進剤として、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3重量部および(d)トリアジン環若しくはイソシアヌル環を有する化合物または尿素誘導体を含まない窒素含有率60重量%以下の化合物としてメラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトLA−7054、窒素含有率14重量%)34.2重量部をメチルエチルケトンで溶解し、これに(e)ナノチューブ(ナノフレークカーボンチューブのチューブ内空間部に炭化鉄を部分的に内包している鉄−炭素複合体、大阪ガス株式会社製、商品名メタカーボ)0.008重量部を加えて、不揮発分70重量%の印刷配線板用ナノチューブ複合成形体ワニスを作製した。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名エピクロンN−865、エポキシ当量207)100重量部、ビスフェノールAノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトVH−4170、水酸基当量114)23.2重量部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトLA−7054、窒素含有率14重量%)13.3重量部およびテトラブロモビスフェノールA(帝人化成株式会社製、商品名ファイヤーガードFG−2000、水酸基当量272、臭素含有率58重量%)47.5重量部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3重量部をメチルエチルケトンで溶解し、これに(e)ナノチューブ(大阪ガス株式会社製、商品名メタカーボ)0.008重量部を加えて、不揮発分70重量%の印刷配線板用ナノチューブ複合成形体ワニスを作製した。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製商品名、エピクロンN−865、エポキシ当量207)100重量部、ビスフェノールAノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製商品名、フェノライトVH−4170、水酸基当量114)5.8重量部、ベンゾグアナミン変性フェノールノボラック(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトLA−7054V、窒素含有率7重量%)31.3重量部、テトラブロモビスフェノールA(帝人化成株式会社製商品名、ファイヤーガードFG−2000、水酸基当量272、臭素含有率58重量%)47.9重量部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3重量部をメチルエチルケトンで溶解し、これに(e)カーボンナノチューブ(大阪ガス株式会社製商品名メタカーボ)0.008重量部を加えて、不揮発分70重量%の印刷配線板用ナノチューブ複合成形体ワニスを作製した。
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製、商品名スミエポキシESB400T、エポキシ当量400、臭素含有率49重量%)100重量部、ビスフェノールAノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトVH−4170、水酸基当量114)20.2重量部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトLA−7054、窒素含有率14重量%)9.3重量部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3重量部をメチルエチルケトンで溶解し、これに(e)ナノチューブ(大阪ガス株式会社製、商品名メタカーボ)0.008重量部を加えて、不揮発分70重量%の印刷配線板用ナノチューブ複合成形体ワニスを作製した。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名エピクロンN−865、エポキシ当量207)100重量部、ビスフェノールAノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトVH−4170、水酸基当量114)35.3重量部、テトラブロモビスフェノールA(帝人化成株式会社製、商品名ファイヤーガードFG−2000、水酸基当量272、臭素含有率58重量%)47.3重量部、メラミン(窒素含有率66.7重量%)32.3重量部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3重量部をメチルエチルケトンで溶解し、これに(e)ナノチューブ(大阪ガス株式会社製、商品名メタカーボ)0.008重量部を加えて、不揮発分70重量%の印刷配線板用ナノチューブ複合成形体ワニスを作製した。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名エピクロンN−865、エポキシ当量207)100重量部、ビスフェノールAノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトVH−4170、水酸基当量114)35.3重量部、テトラブロモビスフェノールA(帝人化成株式会社製、商品名ファイヤーガードFG−2000、水酸基当量272、臭素含有率58重量%)47.3重量部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3重量部をメチルエチルケトンで溶解し、不揮発分70重量%の印刷配線板用エポキシ樹脂ワニスを作製した。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製商品名、エピクロンN−865、エポキシ当量207)100重量部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製商品名、フェノライトLA−7054、窒素含有率14重量%)61.4重量部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3重量部をメチルエチルケトンで溶解し、不揮発分70重量%の印刷配線板用エポキシ樹脂ワニスを作製した。
ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名エピクロンN−865、エポキシ当量207)100重量部、メラミン変性フェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名フェノライトLA−7054、窒素含有率14重量%)38.7重量部、テトラブロモビスフェノールA(帝人化成株式会社製、商品名ファイヤーガードFG−2000、水酸基当量272、臭素含有率58重量%)48.5重量部、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.3重量部をメチルエチルケトンで溶解し、不揮発分70重量%の印刷配線板用エポキシ樹脂ワニスを作製した。
低臭素化エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル日本株式会社製、商品名DER−518、臭素含有率21重量%、エポキシ当量485)80重量部、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ工業株式会社製、商品名エピクロンN−673、エポキシ当量213)20重量部に、あらかじめエチレングリコールモノメチルエーテルに溶解したジシアンジアミド1重量部を配合した。硬化促進剤として1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2重量部を配合し、エチレングリコ−ルとメチルエチルケトンに溶解し、不揮発分65重量%の印刷配線板用エポキシ樹脂ワニスを作製した。
はんだ耐熱性:銅箔をエッチングし、プレッシャークッカーテスター中に2時間保持した後、260℃のはんだに20秒間浸漬して外観を目視で調べた。
表中○はミーズリングやフクレの発生が見られず異常がないことを示し、△はミーズリングの発生、×はふくれが発生したことを意味する。
変色のないものを○、若干変色したものを△、変色したものを×とした。
実施例34
樹脂絶縁の耐電圧特性を評価するため、評価サンプルは実験3で使用した遷移金属含有ナノスケールカーボンチューブ(ナノチューブ(1))及び有機樹脂マトリックスとして、エポキシアクリレート樹脂(日本化薬社製 EAM−2160)に、光重合開始剤(日本化薬社製 DETX−S)2wt%、光重合促進剤(日本化薬社製 EPA)2wt%を混合した感光性樹脂を使用した。
110 略直線状のグラフェンシート像
200 ナノフレークカーボンチューブの長手方向にほぼ垂直な断面のTEM像
210 弧状グラフェンシート像
300 入れ子構造の多層カーボンナノチューブの長手方向の全長にわたって連続する直線状グラフェンシート像
400 入れ子構造の多層カーボンナノチューブの長手方向に垂直な断面のTEM像
Claims (43)
- マトリックス中に、ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が、マトリックス100重量部に対して0.0001重量部〜0.1重量部含有されることを特徴とする高周波電子部品用複合成形体。
- 前記マトリックスが、低分子有機マトリックス、有機樹脂マトリックス、低分子無機マトリックス、無機樹脂マトリックスおよびそれらの複合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記マトリックスが、有機樹脂マトリックスであることを特徴とする請求項1記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 有機樹脂マトリックスを形成している有機樹脂が、
(i)熱可塑性樹脂、又は
(ii)熱硬化性樹脂、又は
(iii)放射線硬化性樹脂、又は
(iv)熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び放射線硬化性樹脂からなる群から選ばれる2種以上からなる複合樹脂、又は
(v)上記(i)〜(iv)の2種以上の混合物
であることを特徴とする請求項3に記載の高周波電子部品用複合成形体。 - 前記マトリックスの1GHzでの比誘電率が10未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記マトリックスの1GHzでの比誘電率が5未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記マトリックスの1GHzでの誘電正接が0.5未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記マトリックスが低分子有機マトリックス、有機樹脂マトリックスまたはその複合物であり、低分子有機マトリックス、有機樹脂マトリックス、またはそれらの複合体の融点、軟化点、もしくはガラス転移点のうちの最も低い温度が60℃以上500℃未満であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記マトリックスが低分子有機マトリックス、有機樹脂マトリックス又はその複合物であり、その融点、軟化点、もしくはガラス転移点のうちの最も低い温度又はそれよりも低い温度での線膨張率が1ppm以上1000ppm未満であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が、導電性をもつ物質で形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が、カーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、アモルファスナノスケールカーボンチューブまたは遷移金属含有ナノスケールカーボンチューブであり、1〜100nmの直径、及び10〜5000のアスペクト比を有する請求項1〜9のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が、遷移金属含有ナノスケールカーボンチューブであり、遷移金属の含有量が、遷移金属炭化物換算で、遷移金属ナノスケールカーボンチューブ重量の0.1wt%以上50wt%未満であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が、遷移金属含有ナノスケールカーボンチューブであり、該遷移金属が、鉄、コバルト及びニッケルからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体。
- 前記ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が、遷移金属含有ナノスケールカーボンチューブであり、そのチューブ内空間部に、鉄、コバルト、ニッケル及びそれらの炭化物からなる群から選ばれる少なくとも1種が存在しており、該鉄、コバルト、ニッケル及びそれらの炭化物からなる群から選ばれる少なくとも1種の量が、遷移金属炭化物換算で、遷移金属含有ナノスケールカーボンチューブ重量の1重量%以上である請求項14に記載の高周波電子部品用複合成形体。
- ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種及び有機樹脂マトリックスを含み、該ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種が、一部同士による接続状態で、有機樹脂マトリックス100重量部に対して0.0001〜0.1重量部の割合で存在することを特徴とする高周波電子部品用複合成形体。
- ナノチューブまたはナノワイヤ又はこれらの集合物が、0.5〜5.0μmの範囲の曲率を有する請求項16に記載の高周波電子部品用複合成形体。
- ナノチューブもしくはナノワイヤに含まれる、フリーのイオンが200ppm以下、ハロゲンの含有量が400ppm以下であることを特徴とする請求項16に記載の高周波電子部品用複合成形体。
- ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を、溶液状態、流動状態、又はガラス転移点以上もしくは融点以上の溶融状態にある有機樹脂に配合し、次いで、溶剤除去、光硬化反応、熱硬化反応、または冷却処理により有機樹脂を固化させて成形することを特徴とする高周波電子部品用複合成形体の製造方法。
- 有機樹脂マトリックス中に、ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を、有機樹脂マトリックス100重量部に対して0.01重量部以上50重量部以下の濃度であらかじめ混合分散をし、その濃厚混合分散液を、有機樹脂マトリックスに、カーボンナノチューブもしくはナノワイヤが有機樹脂マトリックス100重量部に対して0.0001〜0.1重量部となるように分散させてなる樹脂組成物を製造し、次いで、溶剤除去、光硬化反応、熱硬化反応、または冷却処理により有機樹脂を固化させて成形することを特徴とする請求項19に記載の高周波電子部品用複合成形体の製造方法。
- 電場又は磁場の印加下、有機樹脂マトリックス中においてナノチューブまたはナノワイヤの一部が互いに接続した状態で、固化させて成形することを特徴とする請求項19又は20に記載の高周波電子部品用複合成形体の製造方法。
- 電場又は磁場の印加下、ナノチューブまたはナノワイヤの一部が互いに接続し、0.5〜5.0μmの曲率範囲を有するコイル状または円弧状の状態で、固化させて成形することを特徴とする請求項19又は20に記載の高周波電子部品用複合成形体の製造方法。
- マトリックスが有機樹脂マトリックスであり、有機樹脂マトリクッスが、(a)エポキシ樹脂、(b)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの付加縮合物、(c)硬化促進剤及び (d)トリアジン環若しくはイソシアヌル環を有する化合物、または尿素誘導体を除く化合物であって窒素含有率60重量%以下の化合物を必須成分として含有する請求項1記載の高周波電子部品用複合成形体。
- (b)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの付加縮合物をエポキシ樹脂のエポキシ基に対してフェノール性水酸基が0.5〜1.5当量の範囲、(c)硬化促進剤をエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部及び(d)トリアジン環若しくはイソシアヌル環を有する化合物または尿素誘導体を含まない窒素含有率60重量%以下の化合物を、210℃の熱風乾燥炉中30分間の処理前後の重量比率から算出する樹脂固形分に対し窒素含有率が、0.1〜10重量%の範囲となるように含有する請求項23に記載の高周波電子部品用複合成形体。
- (a)〜(d)に加え、(e)難燃剤を含有する請求項23または24に記載の高周波電子部品用複合成形体。
- (e)の難然剤が、テトラブロモビスフェノールAまたはテトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルである請求項25に記載の高周波電子部品用複合成形体。
- マトリックス中に、ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を、マトリックス100重量部に対して0.0001重量部〜0.1重量部含有することを特徴とする高周波電子部品用複合成形体用組成物。
- 前記マトリックスが、有機樹脂マトリックスであることを特徴とする請求項27に記載の高周波電子部品用複合成形体用組成物。
- 有機樹脂マトリックス中にナノチューブ又はナノワイヤを含む組成物が、電子部品用樹脂接着剤、樹脂絶縁膜、ソルダーレジスト又は半導体封止樹脂であることを特徴とする請求項28に記載の高周波電子部品用複合成形体用組成物。
- 請求項27〜29のいずれかに記載の高周波電子部品用複合成形体用組成物から形成されたことを特徴とする高周波電子部品用複合成形体。
- 金属箔、及び、請求項29に記載の高周波電子部品用複合成形体用組成物の硬化層を備えていることを特徴とする樹脂付金属箔。
- 請求項29に記載の高周波電子部品用複合成形体用組成物の硬化層を備えていることを特徴とする印刷配線板。
- 請求項27に記載の高周波電子部品用複合成形体用樹脂組成物を用いることを特徴とする電気回路形成方法又は印刷配線板製造方法。
- 請求項32に記載の印刷配線板を部品の一部として使用する電子部品。
- 請求項32に記載の印刷配線板を部品の一部として使用する電気機器。
- ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む有機樹脂マトリックスを、キャストまたはブレードすることにより形成される絶縁膜。
- ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む有機樹脂マトリックスを、キャストまたはブレードすることを特徴とする絶縁膜の製造方法。
- マトリックス中に、ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種がマトリックス100重量部に対して0.0001重量部〜0.1重量部含有される組成物をワニスとし、基材に含浸、乾燥して得られるプリプレグの少なくとも1枚以上を用いその片面又は両面に金属箔を積層し、加熱加圧成形して金属張積層体を得、該金属張積層体において回路形成することを特徴とする印刷配線板。
- マトリックス中に、ナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種がマトリックス100重量部に対して0.0001重量部〜0.1重量部含有される組成物をワニスとし、該ワニスをフィルムの上に塗布乾燥して得られる絶縁膜フィルムを用いて得られる印刷配線板又は多層基板。
- 有機樹脂マトリックス中にナノチューブ及びナノワイヤからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む電子部品用樹脂接着剤。
- 請求項40に記載の電子部品用樹脂接着剤を用いて形成された樹脂絶縁膜、樹脂付金属箔、ソルダーレジスト又は半導体封止樹脂。
- 請求項40に記載の電子部品用樹脂接着剤を用いて形成された樹脂絶縁膜、樹脂付金属箔、ソルダーレジスト、半導体封止樹脂を用いた電気回路又は印刷配線板。
- 請求項40に記載の電子部品用樹脂接着剤を用いた電気回路形成方法又は印刷配線板製造方法。
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