JP2003277581A - 精密部品成形用エポキシ樹脂組成物及び精密部品 - Google Patents

精密部品成形用エポキシ樹脂組成物及び精密部品

Info

Publication number
JP2003277581A
JP2003277581A JP2002082210A JP2002082210A JP2003277581A JP 2003277581 A JP2003277581 A JP 2003277581A JP 2002082210 A JP2002082210 A JP 2002082210A JP 2002082210 A JP2002082210 A JP 2002082210A JP 2003277581 A JP2003277581 A JP 2003277581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
molding
resin composition
curing accelerator
precision
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002082210A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Kobayashi
隆弘 小林
Shiro Honda
史郎 本田
Motohiro Kuroki
基弘 黒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2002082210A priority Critical patent/JP2003277581A/ja
Publication of JP2003277581A publication Critical patent/JP2003277581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性と寸法安定性に優れた精密部品成形用
エポキシ樹脂組成物および寸法安定性に優れた精密部品
を提供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂、硬化剤、充填材および特
定の硬化促進剤を含有するエポキシ樹脂組成物であっ
て、前記充填材が全エポキシ樹脂組成物中に80重量%
以上含有されていることを特徴とする精密部品成形用エ
ポキシ樹脂組成物を用いることにより、寸法安定性に優
れた精密部品や光接続損失の小さな光ファイバ接続部品
を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密部品成形用エ
ポキシ樹脂組成物、および該エポキシ樹脂組成物を用い
て成形して得られる精密部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス分野、情報通信
分野の発展には目覚ましいものがあり、機器の軽薄短小
化・高機能化や情報の大容量化・高速化のため、これら
の分野で使用される精密部品には極めて高い寸法精度が
要求されるようになった。例えば光情報通信の分野で用
いられる光ファイバを接続する光コネクタにはサブミク
ロンオーダーの寸法精度が要求されている。
【0003】従来、上記のような精密部品の構成素材と
しては金属材料やセラミックスなどの無機材料が用いら
れてきた。しかし、これら金属材料や無機材料を素材と
して製造される精密部品は、寸法変化はそれなりに小さ
いものの、製造時に切削加工や研磨加工を必要とし、こ
れらの加工に高度な熟練技術や高価な製造設備、複雑な
工程などを必要とし、このために大量生産が難しいだけ
でなく、精密部品のコストもきわめて高騰してしまうと
いう問題がある。
【0004】一方、各種機器部品を大量に安価に製造す
ることを目的として、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂など
の樹脂材料を射出成形などの成形加工を行う技術も広く
知られており、溶融粘度の低い熱硬化性樹脂成形材料に
多量の無機充填材を配合して寸法安定性を向上させる試
みも行われているが(特開平8−225656号公
報)、これらの樹脂成形品は成形時にひけや反りを生じ
やすく、寸法安定性が要求される精密部品としての要求
性能を満たすものではなかった。また、多量の無機充填
材の配合は成形流動性を大幅に低下させ、特に熱硬化性
樹脂では常温放置時の流動性低下のために樹脂組成物の
常温使用可能時間が短く、樹脂組成物使用効率の低下と
管理コストの増大を招いていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
した従来技術の問題点を解決し、成形性と寸法安定性に
優れた精密部品成形用樹脂組成物と寸法安定性に優れた
精密部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、主として次の構成を有する。すなわち、
「エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填材(C)お
よび硬化促進剤(D)を含有するエポキシ樹脂組成物で
あって、前記充填材(C)が全エポキシ樹脂組成物中に
80重量%以上含有し、前記硬化促進剤(D)がアミン
化合物または有機ホスフィン化合物の置換ボレート塩
類、芳香族カルボン酸塩類またはキノン類との付加物を
含有することを特徴とする精密部品成形用エポキシ樹脂
組成物。」である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
【0008】本発明におけるエポキシ樹脂(A)とは1
分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、
分子量および分子構造には特に制限はない。
【0009】本発明で使用されるエポキシ樹脂(A)の
具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、4,4´−ビス(2,
3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´
−テトラメチルビフェニルなどのビフェニル骨格含有エ
ポキシ樹脂、1,5−ジ(2,3−エポキシプロポキ
シ)ナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポ
キシ)ナフタレン、ナフトールアラルキル型エポキシ樹
脂などのナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、3−t−ブ
チル−2,4´−ジヒドロキシ−3´,5´,6−トリ
メチルスチルベンのジグリシジルエーテル、3−t−ブ
チル−4,4´−ジヒドロキシ−3´,5,5´−トリ
メチルスチルベンのジグリシジルエーテル、4,4´−
ジヒドロキシ−3,3´,5,5´−テトラメチルスチ
ルベンのジグリシジルエーテル、4,4´−ジヒドロキ
シ−3,3´−ジ−t−ブチル−6,6´−ジメチルス
チルベンのジグリシジルエーテルなどのスチルベン型エ
ポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フ
ェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールメ
タン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂
などがあげられ、これらは単独で使用しても2種類以上
併用してもかまわない。
【0010】本発明における硬化剤(B)とは、エポキ
シ樹脂(A)と反応してこれを硬化させ得る物であれば
特に制限はない。
【0011】本発明で使用される硬化剤(B)の具体例
としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピ
ロメリット酸、無水コハク酸などの酸無水物、メタフェ
ニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノ
ジフェニルスルホン、トリエチレンテトラミンなどのア
ミン化合物、ビスフェノールF、ビスフェノールA、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、
ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノール
アラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリス
(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス
(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス
(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリフェノールメタ
ン型樹脂などのフェノール化合物があげられ、これらは
単独で使用しても2種類以上併用してもかまわない。な
お、これらの硬化剤(B)の配合量は機械特性などの点
からエポキシ樹脂(A)100重量部に対して1〜20
0重量部の範囲、またはエポキシ樹脂(A)のエポキシ
基数に対して硬化剤の硬化官能基数が0.5〜2の範囲
となる量であることが好ましい。また、上記硬化剤
(B)の中では成形性の点から特にフェノール化合物が
好ましく使用される。
【0012】本発明における充填材(C)とは、無機充
填材を意味し、組成や形状、結晶性などに特に制限はな
い。
【0013】本発明で使用される充填材(C)の具体例
としては結晶性シリカ、非晶性シリカ、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレ
ー、マイカ、カオリン、タルク、ケイ酸カルシウム、チ
タン酸カリウム、酸化チタン、酸化アンチモン、窒化珪
素、グラファイト、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンナ
ノチューブなどがあげられ、これらは2種類以上を併用
してもよく、球状、破砕状、繊維状、針状など種々の形
状の物を単独で使用するだけでなく組み合わせて使用す
ることができる。また、充填材(C)の粒子径について
も特に制限はないが、平均粒子径1〜100μmの物が
好ましく使用される。
【0014】本発明の精密部品成形用エポキシ樹脂組成
物における充填材(C)の含有量は80重量%以上で、
より好ましくは83重量%以上である。充填材(C)の
含有量が80重量%未満では成形品の線膨張係数や成形
収縮率が十分に小さくならず、寸法安定性に優れた精密
部品を得ることができない。
【0015】本発明における硬化促進剤(D)は、アミ
ン化合物または有機ホスフィン化合物の置換ボレート塩
類、芳香族カルボン酸塩類またはキノン類との付加物か
ら選ばれる少なくとも1種を含有し、これら硬化促進剤
(D)はエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の硬化反応
を促進する。
【0016】上記硬化促進剤(D)の具体例としては、
アミン化合物の置換ボレート塩類または芳香族カルボン
酸塩類として、2−メチルイミダゾール、4−メチルイ
ミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−
メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−
5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、6−n−ヘキシル−
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ(4.
4.0)デセン−5などのテトラフェニルボレート塩、
安息香酸塩、ナフトエ酸塩、テレフタル酸塩、フタル酸
塩、2,6−ナフタレンジカルボン酸塩、トリメリット
酸塩、ピロメリット酸塩や、有機ホスフィン化合物の置
換ボレート塩類または芳香族カルボン酸塩類として、テ
トラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テ
トラフェニルホスホニウムテトラキス(1−ナフトイル
オキシ)ボレート塩、テトラフェニルホスホニウムテト
ラキス(1−ナフチルオキシ)ボレート塩、テトラフェ
ニルホスホニウムテトラキス(1−ベンゾイルオキシ)
ボレート塩、テトラフェニルホスホニウム安息香酸塩、
テトラフェニルホスホニウムナフトエ酸塩、テトラフェ
ニルホスホニウムテレフタル酸塩、テトラフェニルホス
ホニウムフタル酸塩、テトラフェニルホスホニウム−
2,6−ナフタレンジカルボン酸塩、テトラフェニルホ
スホニウムトリメリット酸塩、テトラフェニルホスホニ
ウムピロメリット酸塩などがあげられ、アミン化合物ま
たは有機ホスフィン化合物のキノン類との付加物とし
て、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾー
ル、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイ
ミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5
−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネン−5、6−ジブ
チルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン−7、6−n−ヘキシル−1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7、7−メチル−1,
5,7−トリアザビシクロ(4.4.0)デセン−5、
トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリメタトリルホスフィン、トリ−2,6−ジメト
キシフェニルホスフィンなどと1,4−ベンゾキノン、
2,3−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジ
メチル−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジメトキシ−
1,4−ベンゾキノン、2−メチル−1,4−ベンゾキ
ノン、2−t−ブチル−1,4−ベンゾキノン、2−フ
ェニル−1,4−ベンゾキノンとの付加物があげられ
る。
【0017】これらの硬化促進剤は、2種以上を併用し
てもよく、硬化促進剤(D)配合量はエポキシ樹脂
(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲
が好ましい。
【0018】さらに、本発明の精密部品成形用エポキシ
樹脂組成物には硬化促進剤(D)以外の硬化促進剤を併
用することもできる。併用できる硬化促進剤としてはエ
ポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の硬化反応を促進する
ものであれば特に限定されず、たとえば、2−メチルイ
ミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプ
タデシルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、トリ
エチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベ
ンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フ
ェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4.
3.0)ノネン−5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジ
アザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、6−n−
ヘキシル−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウン
デセン−7、7−メチル−1,5,7−トリアザビシク
ロ(4.4.0)デセン−5などの3級アミン化合物、
トリフェニルホスフィン、トリ(o−メチルフェニル)
ホスフィン、トリ(m−メチルフェニル)ホスフィン、
トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィ
ン、トリ(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ
(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィンなどの有機
ホスフィン化合物などがあげられる。
【0019】また、硬化促進剤(D)の樹脂組成物中で
の分散性を向上させるため、硬化促進剤(D)をあらか
じめエポキシ樹脂(A)や硬化剤(B)、その他配合剤
と混合して使用することもできる。
【0020】本発明の精密部品成形用エポキシ樹脂組成
物はカップリング剤を含んでいることが好ましい。カッ
プリング剤としては、公知のシランカップリング剤、チ
タネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリン
グ剤などを用いることができる。その具体例としては、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン
などのシランカップリング剤、イソプロピルトリス(ジ
オクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプ
ロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネートなど
のチタネート系カップリング剤、アセトアルコキシアル
ミニウムジイソプロピレートなどのアルミニウム系カッ
プリング剤があげられ、これらは単独で使用しても2種
類以上を併用してもよい。
【0021】これらカップリング剤はあらかじめ充填材
(C)に表面処理してもよいが、エポキシ樹脂組成物中
に添加するだけでもかまわない。
【0022】また、これらのカップリング剤は、好まし
くは充填材(C)に対して0.1〜3重量%添加され
る。
【0023】本発明の精密部品成形用エポキシ樹脂組成
物には、さらに次にあげる各種添加剤を任意に含有する
ことができる。すなわち、ハロゲン化エポキシ樹脂など
のハロゲン化合物やリン化合物などの難燃剤、三酸化二
アンチモン、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン
などの難燃助剤、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタ
ンなどの着色剤、シリコーンゴム、スチレン系ブロック
共重合体、オレフィン系重合体、変性ニトリルゴム、変
性ポリブタジエンゴムなどのエラストマー、ポリスチレ
ンなどの熱可塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属
塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミド、パラ
フィンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチ
レンワックスなどの離型剤などを任意に添加することが
できる。
【0024】本発明の精密部品成形用エポキシ樹脂組成
物の製造方法は特に限定されず、公知の方法によって製
造することができるが、溶融混練によって製造すること
が好ましい。たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、
ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニーダーな
どの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより、
製造される。
【0025】本発明のエポキシ系樹脂組成物は、精密部
品成形用の樹脂組成物である。ここで、精密部品として
は、各種ギヤー、ケース、コネクタ、ソケット、光ピッ
クアップ、端子板、プラグ、基板、ベース、プレート、
ハウジング、アダプタ、軸受けなどがあげられ、ハード
ディスクドライブ(HDD)スライダ、HDDモーター
ハブ、HDDアームなどコンピューター部品、ファクシ
ミリ、複写機などのOA機器部品、携帯電話、携帯オー
ディオ機器などの携帯機器部品、顕微鏡、カメラなどの
光学機器部品、時計、各種測定機器、各種工作機器など
の精密機械部品、ウエハ研磨用プレートなどの半導体製
造装置用部品、半導体実装基板などの半導体装置用部
品、光コネクタ、光モジュール用パッケージなどの光通
信用部品などを挙げることができる。好ましくは、成形
加工時の成形収縮率が0.3%以下であり、かつ、線膨
張係数が12×10-6-1以下の部品である。
【0026】これら精密部品の成形用に、本発明の組成
物を供することで、成形歩留まりが高く、かつ、寸法精
度の高い精密部品を得ることができる。
【0027】本発明の精密部品は、上記したエポキシ樹
脂組成物を成形して得ることができる。ここで、成形法
としては、圧縮成形、射出成形、押出成形、注型成形、
トランスファー成形などの一般的なプラスチックの成形
法を適用することができる。特に、生産性および成形品
の品質の点からトランスファー成形、射出成形が好まし
く用いられる。
【0028】成形加工条件について特に制限はないが、
トランスファー成形では金型温度150〜200℃、注
入圧力7〜30MPa、注入時間5〜20秒、硬化時間
30〜180秒が好ましい。また、射出成形では、金型
温度150〜200℃、スクリュー温度80〜120
℃、射出時間5〜20秒、硬化時間30〜180秒が好
ましい。
【0029】また、成形後、必要に応じて100〜20
0℃の範囲で後硬化処理を行うことが寸法安定性や機械
特性のために好ましい。
【0030】本発明の精密部品の具体例としては、上記
した部品が挙げられるが、特に各種顕微鏡、光学測定装
置、精密測定機器などの試料テーブル、ウエハー研磨用
プレートや、各種光ファイバーコネクタ、光コネクタ用
フェルール、光コネクタ用スリーブ、光ファイバ接続用
V溝、光モジュール用パッケージ部品などの光ファイバ
接続部品が好ましい。
【0031】
【実施例】以下、配合物の製造例、実施例、比較例によ
り本発明を具体的に説明する。
【0032】[実施例1〜12、比較例1〜4]表1に
示した配合物を、表2に示す配合割合(重量%)で計量
し、ミキサーを用いて撹拌混合した。次いで、混合物を
2軸押出機に供給して90℃で溶融混練した。得られた
溶融混合物を冷却ロールに通してシート状にするととも
に冷却し、グラインダーで粉砕してエポキシ樹脂組成物
を得た。
【0033】
【表1】
【0034】得られたエポキシ樹脂組成物を以下の方法
で評価し、結果を表2および3に示した。
【0035】ゲル化時間:樹脂組成物を175℃の熱板
上で硬化させ、硬化時間を測定した。
【0036】スパイラルフロー:樹脂組成物をタブレッ
ト化し、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー
測定用金型を具備した低圧トランスファー成形機を用い
て、金型温度175℃、成形圧力10MPa、硬化時間
90秒で成形を行い、流動長さを測定した。タブレット
を冷蔵庫(5℃)から取り出し常温に戻した後(取り出
し2時間後)に成形した値を初期値、さらに常温(25
℃/50%RH)で72時間放置した後に成形した値を
72h値とした。
【0037】各種試験片の成形:樹脂組成物をタブレッ
ト化し、各種金型を具備した低圧トランスファー成形機
を用いて、金型温度175℃、成形圧力10MPa、硬
化時間90秒で成形した。得られた各種成形物(試験
片)は175℃で4時間、後硬化して試験に供した。
【0038】線膨張係数:6mm×6mm×12mmh
の試験片を使用し、熱機械分析法(TMA)により25
℃〜275℃まで昇温速度10℃/分で加熱して温度上
昇に伴う寸法変化を測定し、50〜60℃での接線から
線膨張係数を求めた。
【0039】成形収縮率:JIS K6911に準拠し
て測定した。
【0040】以下の部品特性の評価ではタブレットを冷
蔵庫(5℃)から取り出して常温に戻し(取り出し2時
間後)、さらに常温(25℃/50%RH)で72時間
放置した後に各部品を成形して評価した。
【0041】寸法安定性[角板]と反り[角板]:10
0mm×100mm×3mm(厚み)の角板を5枚成形
し、上記の条件で、後硬化を行った後、外形を三次元測
定器(ミツトヨ製BH504)で測定した。外形寸法ば
らつきは設計値から最も大きいずれ量の値とし、反り量
は角板の対角線で測定し5枚の平均値とした。
【0042】成形品外観[角板]:上記の角板を目視で
観察し、全数(5枚)問題のない場合を良好(○)、ひ
けや欠けのある物が存在する場合を不良(×)とした。
○と△が合格である。
【0043】寸法安定性[コネクタ]:JIS C59
81記載の多心光ファイバコネクタ(CNF12SPM
126C10−4)を10個成形して、上記の条件で、
後硬化を行った後、光ファイバ挿入穴位置をCCDカメ
ラを搭載した画像測定器で測定した。穴位置ばらつきは
各光ファイバ挿入穴中心の位置ずれ量が全て1μm以内
であれば○、1〜3μmの穴がある場合は△、3μm以
上の穴がある場合は×とした。○が合格である。○が合
格である。
【0044】ボイド[コネクタ]:上記の多心光ファイ
バコネクタを10個成形して、上記の条件で、後硬化を
行った後、軟X線装置を用いて非破壊検査を行い、成形
品10個の内部のボイドの総数を計数した。
【0045】成形品外観[コネクタ]:上記の多心光フ
ァイバコネクタを10個を目視で外観を観察し、全数問
題のない場合を良好(○)、ひけや欠けなどのある物が
存在する場合を不良(×)とした。○が合格である。
【0046】寸法安定性[フェルール]:図1に示す光
コネクタ用フェルールを10個成形して後硬化を行った
後、直径(φD)と穴径(φd)をCCDカメラを搭載
した画像測定器で測定した。直径、穴径の両方とも平均
値に対してのずれ量が全て1μm以内であれば○、1〜
3μmの物がある場合は△、3μm以上の物がある場合
は×とした。○が合格である。
【0047】成形品外観[フェルール]:上記の光コネ
クタ用フェルール10個を目視で外観を観察し、全数問
題のない場合を良好(○)、ひけや欠けなどのある物が
存在する場合を不良(×)とした。○が合格である。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】表2および3から、実施例1〜12の本発
明の組成物は、線膨張係数および成形収縮率が小さく、
成形時の流動性にも優れるので寸法安定性に優れる精密
部品を成形できた。実施例1〜12の成形部品は、外形
寸法安定性に優れ、反りも小さく、外観も良好である。
特に多心光ファイバコネクタでは光ファイバを接続する
穴の位置のばらつきが非常に小さく、ボイドも全くない
ので光信号の接続損失を非常に小さくすることができ
る。また、光コネクタ用フェルールでも寸法安定性、外
観ともに優れた部品を成形できた。
【0051】一方、本発明の硬化促進剤(D)を含有し
ない比較例1〜3では線膨張係数や成形収縮率が小さい
にも関わらず、成形流動性が悪いために、成形された部
品の寸法安定性は悪く、反りも大きい上に外観にもひけ
が発生していた。さらに、光ファイバコネクタでも光フ
ァイバを接続する穴の位置のばらつきが大きく、ボイド
の発生や未充填などの不良も観察された。また、光コネ
クタ用フェルールでも寸法安定性、外観ともに劣った部
品しか成形できていない。
【0052】また、充填材(C)の含有量が少ない比較
例4では、成形流動性には問題ないものの線膨張係数お
よび成形収縮率が大きいため、成形品の寸法安定性が悪
く、反りも大きい。また、多心光ファイバコネクタや光
コネクタ用フェルールでも寸法安定性が悪く、成形品に
欠けなど不良が発生していた。
【0053】
【発明の効果】本発明に従うと、成形性と寸法安定性に
優れた精密部品成形用エポキシ樹脂組成物が得られ、寸
法安定性の高い精密部品、特に光接続損失の小さな光フ
ァイバ接続部品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で成形した光コネクタ用フェルール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC042 CD041 CD051 CD061 CD071 CD072 CD131 CE002 DA017 DA027 DE077 DE127 DE137 DE147 DE187 DE237 DJ007 DJ037 DJ047 DJ057 DL007 EJ046 EL136 EN076 EU118 EU138 EV236 FA047 FD017 FD142 FD146 FD158 4J036 AA01 DA01 DB06 DB15 DC02 DC40 DD07 FB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
    材(C)および硬化促進剤(D)を含有するエポキシ樹
    脂組成物であって、前記充填材(C)が全エポキシ樹脂
    組成物中に80重量%以上含有し、前記硬化促進剤
    (D)がアミン化合物または有機ホスフィン化合物の置
    換ボレート塩類、芳香族カルボン酸塩類またはキノン類
    との付加物のうちから選ばれる少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とする精密部品成形用エポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】硬化促進剤(D)がアミン化合物または有
    機ホスフィン化合物の置換ボレート塩類を含有すること
    を特徴とする請求項1に記載の精密部品成形用エポキシ
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】硬化促進剤(D)がアミン化合物または有
    機ホスフィン化合物の芳香族カルボン酸塩類を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の精密部品成形用エポ
    キシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】硬化促進剤(D)がアミン化合物または有
    機ホスフィン化合物とキノン類との付加物のいずれかを
    含有することを特徴とする請求項1に記載の精密部品成
    形用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の精密部品
    成形用エポキシ樹脂組成物を成形して得られる精密部
    品。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の精密部品
    成形用エポキシ樹脂組成物を成形して得られる光ファイ
    バ接続部品。
JP2002082210A 2002-03-25 2002-03-25 精密部品成形用エポキシ樹脂組成物及び精密部品 Pending JP2003277581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002082210A JP2003277581A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 精密部品成形用エポキシ樹脂組成物及び精密部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002082210A JP2003277581A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 精密部品成形用エポキシ樹脂組成物及び精密部品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003277581A true JP2003277581A (ja) 2003-10-02

Family

ID=29230480

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002082210A Pending JP2003277581A (ja) 2002-03-25 2002-03-25 精密部品成形用エポキシ樹脂組成物及び精密部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003277581A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039567A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Kri Inc 高周波電子部品用複合成形体及び高周波電子部品用複合成形体製造用組成物
JP2021046518A (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 昭和電工マテリアルズ株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2021046517A (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 昭和電工マテリアルズ株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007039567A (ja) * 2005-08-03 2007-02-15 Kri Inc 高周波電子部品用複合成形体及び高周波電子部品用複合成形体製造用組成物
JP2021046518A (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 昭和電工マテリアルズ株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2021046517A (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 昭和電工マテリアルズ株式会社 エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP7351161B2 (ja) 2019-09-20 2023-09-27 株式会社レゾナック エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100878415B1 (ko) 에폭시 수지 조성물 및 반도체 장치
JP2002356538A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置
JP2010118649A (ja) 封止用液状樹脂組成物、及びこれを用いた電子部品装置
JP2003277581A (ja) 精密部品成形用エポキシ樹脂組成物及び精密部品
JP4017953B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置、精密部品
KR20170096543A (ko) 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이를 이용하여 밀봉된 반도체 소자
JP4348775B2 (ja) エポキシ系樹脂組成物
JP2003268206A (ja) 精密部品用エポキシ樹脂組成物および精密部品
JP2003268198A (ja) 精密部品成形用エポキシ樹脂組成物および精密部品
JP2001279064A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2004300239A (ja) 樹脂封止型半導体装置および半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2003268071A (ja) エポキシ系樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2002097344A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4033990B2 (ja) 樹脂封止型半導体装置および半導体装置封止用樹脂組成物
JP2000022049A (ja) 樹脂封止型半導体装置及び樹脂封止型半導体装置封止用エポキシ樹脂組成物
JP2002275358A (ja) エポキシ系樹脂組成物および半導体装置
JPH10279671A (ja) エポキシ樹脂組成物および半導体装置
JP2002275357A (ja) エポキシ系樹脂組成物
JPS62106920A (ja) 半導体封止用樹脂組成物
JPH10279665A (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2001310930A (ja) エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4974434B2 (ja) 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2023155458A (ja) ステータ、回転電機およびステータの製造方法
JPH10279670A (ja) エポキシ樹脂組成物および半導体装置
JP2021147498A (ja) 封止用樹脂組成物および電子装置