JP2003268206A - 精密部品用エポキシ樹脂組成物および精密部品 - Google Patents

精密部品用エポキシ樹脂組成物および精密部品

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JP2003268206A
JP2003268206A JP2002075647A JP2002075647A JP2003268206A JP 2003268206 A JP2003268206 A JP 2003268206A JP 2002075647 A JP2002075647 A JP 2002075647A JP 2002075647 A JP2002075647 A JP 2002075647A JP 2003268206 A JP2003268206 A JP 2003268206A
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epoxy resin
resin composition
molding
precision
filler
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JP2002075647A
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Shiro Honda
史郎 本田
Takahiro Kobayashi
隆弘 小林
Motohiro Kuroki
基弘 黒木
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形性と寸法安定性に優れた精密部品用エポ
キシ樹脂組成物および寸法安定性に優れた精密部品を提
供すること。 【解決手段】 エポキシ樹脂、硬化剤、充填材および化
学式(I)で表される化合物(D)を含有するエポキシ
樹脂組成物であって、前記充填材が該エポキシ樹脂組成
物中に80重量%以上含有されていることを特徴とする
精密部品用エポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、Rは2つまたは3つが水酸基である。残りのR
は水素原子およびアミノ基、アルキル基、カルボキシル
基等の有機基から選ばれる置換基を示し、それぞれ同一
であっても異なっていてもかまわない。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密部品用エポキ
シ樹脂組成物、および該樹脂組成物を用いて成形した精
密部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス分野、情報通信
分野の発展には目覚ましいものがあり、機器の軽薄短小
化・高機能化や情報の大容量化・高速化のため、これら
の分野で使用される精密部品には極めて高い寸法精度が
要求されるようになった。例えば光情報通信の分野で光
ファイバを接続する光コネクタにはサブミクロンオーダ
ーの寸法精度が要求されている。
【0003】従来、上記のような精密部品の構成素材と
しては金属材料やセラミックスなどの無機材料が用いら
れてきた。しかし、これら金属材料や無機材料を素材と
して製造される精密部品は、寸法変化はそれなりに小さ
いものの、製造時に切削加工や研磨加工を必要とし、こ
れらの加工に高度な熟練技術や高価な製造設備、複雑な
工程などを必要とし、このために大量生産が難しいだけ
でなく、精密部品のコストもきわめて高騰してしまうと
いう問題がある。
【0004】一方、各種機器部品を大量に安価に製造す
ることを目的として、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂など
の樹脂材料を射出成形などの成形加工を行う技術も広く
知られており、樹脂成形材料に多量の無機充填材を配合
して寸法安定性を向上させる試みも行われているが(特
開平8−225656号公報)、これらの樹脂成形品は
成形時にひけや反りを生じやすく、寸法安定性が要求さ
れる精密部品としての要求性能を満たすものではなかっ
た。また、多量の無機充填材の配合は溶融粘度の上昇や
成形流動性の低下を招き、成形不良が増大し、生産性が
低下するなどの問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
した従来技術の問題点を解決し、成形性と寸法安定性に
優れた精密部品用エポキシ樹脂組成物と寸法安定性に優
れた精密部品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、主として次の構成を有する。すなわち、
「エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填材(C)お
よび化学式(I)で表される化合物(D)を含有するエ
ポキシ樹脂組成物であって、前記充填材(C)が該エポ
キシ樹脂組成物中に80重量%以上含有されていること
を特徴とする精密部品用エポキシ樹脂組成物。」であ
る。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Rは2つまたは3つが水酸基であ
る。残りのRは水素原子およびアミノ基、アルキル基、
カルボキシル基等の有機基から選ばれる置換基を示し、
それぞれ同一であっても異なっていてもかまわない。)
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
【0010】本発明におけるエポキシ樹脂(A)とは1
分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であり、
分子量および分子構造には特に制限はない。
【0011】本発明で使用されるエポキシ樹脂(A)の
具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、4,4´−ビス(2,
3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´
−テトラメチルビフェニルなどのビフェニル骨格含有エ
ポキシ樹脂、1,5−ジ(2,3−エポキシプロポキ
シ)ナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポ
キシ)ナフタレン、ナフトールアラルキル型エポキシ樹
脂などのナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、3−t−ブ
チル−2,4´−ジヒドロキシ−3´,5´,6−トリ
メチルスチルベンのジグリシジルエーテル、3−t−ブ
チル−4,4´−ジヒドロキシ−3´,5,5´−トリ
メチルスチルベンのジグリシジルエーテル、4,4´−
ジヒドロキシ−3,3´,5,5´−テトラメチルスチ
ルベンのジグリシジルエーテル、4,4´−ジヒドロキ
シ−3,3´−ジ−t−ブチル−6,6´−ジメチルス
チルベンのジグリシジルエーテルなどのスチルベン型エ
ポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フ
ェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールメ
タン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂
などがあげられ、これらは単独で使用しても2種類以上
併用してもかまわない。
【0012】本発明における硬化剤(B)とは、エポキ
シ樹脂(A)と反応してこれを硬化させ得る物であれば
特に制限はない。
【0013】本発明で使用される硬化剤(B)の具体例
としては、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾー
ル化合物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピ
ロメリット酸、無水コハク酸などの酸無水物、メタフェ
ニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノ
ジフェニルスルホン、トリエチレンテトラミンなどのア
ミン化合物、ビスフェノールF、ビスフェノールA、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、
ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノール
アラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリス
(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス
(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス
(ヒドロキシフェニル)プロパン、トリフェノールメタ
ン型樹脂などのフェノール化合物があげられ、これらは
単独で使用しても2種類以上併用してもかまわない。な
お、これらの硬化剤(B)の配合量は機械特性などの点
からエポキシ樹脂(A)100重量部に対して1〜20
0重量部の範囲、またはエポキシ樹脂(A)のエポキシ
基数に対して硬化剤の硬化官能基数が0.5〜2の範囲
となる量であることが好ましい。また、上記硬化剤
(B)の中では成形性の点から特にフェノール化合物が
好ましく使用される。
【0014】また、本発明においてエポキシ樹脂(A)
と硬化剤(B)の硬化反応を促進するため硬化触媒を用
いても良い。硬化触媒は硬化反応を促進するものであれ
ば特に限定されず、たとえば、2−メチルイミダゾー
ル、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−
メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−
フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシル
イミダゾールなどのイミダゾール化合物、トリエチルア
ミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルメ
チルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7などの3級アミン化合物およびそれらの塩、ジ
ルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラプロ
ポキシド、テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニ
ウム、トリ(アセチルアセトナト)アルミニウムなどの
有機金属化合物およびそれらの塩、およびトリフェニル
ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンな
どの有機ホスフィン化合物およびそれらの塩、1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7・テトラ
フェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テト
ラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンとp−ベ
ンゾキノンとの付加物などがあげられる。
【0015】これらの硬化触媒は、二種以上を併用して
もよく、その配合量はエポキシ樹脂(A)100重量部
に対して0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0016】また、硬化触媒のエポキシ樹脂組成物中で
の分散性を向上させるため、硬化触媒をあらかじめエポ
キシ樹脂や硬化剤、その他配合剤と混合して使用するこ
ともできる。
【0017】本発明における充填材(C)とは、無機充
填材を意味し、組成や形状、結晶性などに特に制限はな
い。
【0018】本発明で使用される充填材(C)の具体例
としては、結晶性シリカ、非晶性シリカ、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレ
ー、マイカ、カオリン、タルク、ケイ酸カルシウム、チ
タン酸カリウム、酸化チタン、酸化アンチモン、窒化珪
素、グラファイト、炭素繊維、ガラス繊維、カーボンナ
ノチューブなどがあげられ、これらは2種類以上を併用
してもよく、球状、破砕状、繊維状、針状など種々の形
状の物を単独で使用するだけでなく組み合わせて使用す
ることができる。また、充填材(C)の粒子径について
も特に制限はないが、平均粒子径1〜100μの物が好
ましく使用される。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物における充填
材(C)の含有量は80重量%以上で、より好ましくは
83重量%以上である。充填材(C)の含有量が80重
量%未満では成形品の線膨張係数や成形収縮率が十分に
小さくならず、寸法安定性に優れた精密部品を得ること
ができない。
【0020】本発明においては、化学式(I)で表され
る化合物(D)を含有することが必要である。
【0021】
【化3】
【0022】(式中、Rは2つまたは3つが水酸基であ
る。残りのRは水素原子およびアミノ基、アルキル基、
カルボキシル基等の有機基から選ばれる置換基を示し、
それぞれ同一であっても異なっていてもかまわない。) 化学式(I)で表される化合物(D)の具体例として
は、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5
−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキ
シベンゼン、3,4,5−トリヒドロキシベンゾイック
アシッドなどの水酸基を3つ持つ化合物、1,2−ジヒ
ドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、
1,4−ジヒドロキシベンゼン、2,5−ジヒドロキシ
ベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデ
ヒド、1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスル
フォニックアシッド、2,3−ジヒドロキシベンゾイッ
クアシッド、2,4−ジヒドロキシベンゾイックアシッ
ド、2,5−ジヒドロキシベンゾイックアシッド、2,
6−ジヒドロキシベンゾイックアシッド、3,4−ジヒ
ドロキシベンゾイックアシッド、3,5−ジヒドロキシ
ベンゾイックアシッド、2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,2
−ジヒドロキシ−4−ニトロベンゼン、2,5−ジヒド
ロキシフェニルアセティックアシッド、3,4−ジヒド
ロキシフェニルアセティックアシッド、2,6−ジヒド
ロキシトルエン、3,5−ジヒドロキシトルエン、2,
3−ジヒドロキシトルエン、3,4−ジヒドロキシトル
エンなどの水酸基を2つ持つ化合物が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。なかでも1,2−ジヒ
ドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,2,3−トリヒド
ロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼ
ン、3,4,5−トリヒドロキシベンゾイックアシッ
ド、1,2,4−トリヒドロキシベンゼンが好ましく用
いられる。
【0023】なお、これらの化合物は1種類を用いて
も、2種類以上併用してもかまわない。また、エポキシ
樹脂組成物中での分散性を向上させるために、エポキシ
樹脂、硬化剤、その他の配合剤などとあらかじめ混合し
て用いてもかまわない。
【0024】式(I)で示される化合物(D)の添加量
としては、好ましくはエポキシ樹脂(A)100重量部
に対して0.1〜20重量部であり、より好ましくは1
〜10重量部である。
【0025】式(I)で示される化合物(D)を用いる
ことで、エポキシ樹脂組成物の流動性と硬化性が向上
し、未充填、成形品の割れ、欠けなどの成形不良が減少
し、生産性が向上するとともに成形品の寸法安定性もさ
らに向上する。
【0026】本発明のエポキシ樹脂組成物は、カップリ
ング剤を含んでいることが好ましい。カップリング剤と
しては、公知のシランカップリング剤、チタネート系カ
ップリング剤、アルミニウム系カップリング剤などを用
いることができる。その具体例としては、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2
−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのシラン
カップリング剤、イソプロピルトリス(ジオクチルピロ
ホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスファイト)チタネートなどのチタネー
ト系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジ
イソプロピレートなどのアルミニウム系カップリング剤
があげられ、これらは単独で使用しても2種類以上を併
用してもよい。
【0027】これらカップリング剤は、あらかじめ充填
材に表面処理してもよいが、エポキシ樹脂組成物中に添
加するだけでもかまわない。
【0028】また、これらのカップリング剤は、好まし
くは充填材(C)に対して0.1〜3重量%添加され
る。
【0029】本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに次
にあげる各種添加剤を任意に含有することができる。す
なわち、ハロゲン化エポキシ樹脂などのハロゲン化合物
やリン化合物などの難燃剤、三酸化二アンチモン、四酸
化二アンチモン、五酸化二アンチモンなどの難燃助剤、
カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタンなどの着色剤、
シリコーンゴム、スチレン系ブロック共重合体、オレフ
ィン系重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエン
ゴムなどのエラストマー、ポリスチレンなどの熱可塑性
樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸の
エステル、長鎖脂肪酸のアミド、パラフィンワックス、
ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスなど
の離型剤などを任意に添加することができる。
【0030】本発明のエポキシ系樹脂組成物の製造方法
は特に限定されず、公知の方法を使用することができる
が、溶融混練によって製造することが好ましい。たとえ
ばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしく
は二軸の押出機およびコニーダーなどの混練方法を用い
て溶融混練することにより、製造される。
【0031】本発明のエポキシ系樹脂組成物は、精密部
品用の樹脂組成物である。ここで、精密部品としては、
例えば、各種ギヤー、ケース、コネクタ、ソケット、光
ピックアップ、端子板、プラグ、基板、ベース、プレー
ト、ハウジング、アダプタ、軸受けなどがあげられ、ハ
ードディスクドライブ(HDD)スライダ、HDDモー
ターハブ、HDDアームなどのコンピューター部品、フ
ァクシミリ、複写機などのOA機器部品、携帯電話、携
帯オーディオ機器などの携帯機器部品、顕微鏡、カメラ
などの光学機器部品、時計、各種測定機器、各種工作機
器などの精密機械部品、ウエハ研磨用プレートなどの半
導体製造装置用部品、半導体実装基板などの半導体装置
用部品、光コネクタ、光モジュール用パッケージなどの
光通信用部品などを挙げることができる。好ましくは、
成形加工時の成形収縮率が0.3%以下であり、かつ、
成形品の線膨張係数が12×10-6-1以下の部品であ
る。
【0032】これら精密部品の成形用に、本発明の組成
物を供することで、成形歩留まりが高く、かつ、寸法精
度の高い精密部品を得ることができる。
【0033】本発明の精密部品は、上記したエポキシ樹
脂組成物を成形して得ることができる。ここで、成形法
としては、圧縮成形、射出成形、押出成形、注型成形、
トランスファー成形などの一般的なプラスチックの成形
法を適用することができる。特に、生産性および成形品
の品質の点からトランスファー成形、射出成形が好まし
く用いられる。
【0034】成形加工条件については特に制限はない
が、トランスファー成形では、金型温度150〜200
℃、注入圧力7〜30MPa、注入時間5〜20秒、硬
化時間30〜180秒が好ましい。また、射出成形で
は、金型温度150〜200℃、スクリュー温度80〜
120℃、射出時間5〜20秒、硬化時間30〜180
秒が好ましい。
【0035】また、成形後、必要に応じて100〜20
0℃の範囲で後硬化処理を行うことが寸法安定性や機械
特性のために好ましい。
【0036】本発明の精密部品の具体例としては、上記
した部品が挙げられるが、特に、各種顕微鏡、光学測定
装置、精密測定機器などの試料テーブル、ウエハー研磨
用プレートや、各種光ファイバーコネクタ、光コネクタ
用フェルール、光コネクタ用スリーブ、光ファイバ接続
用V溝、光モジュール用パッケージ部品などの光ファイ
バ接続部品が好ましい。
【0037】
【実施例】以下、実施例、比較例により本発明を具体的
に説明する。なお、得られたエポキシ樹脂組成物の評価
方法は次の通りである。
【0038】ゲル化時間:樹脂組成物を175℃の熱板
上で硬化させ、硬化時間を測定した。
【0039】スパイラルフロー:樹脂組成物をタブレッ
ト化し、EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー
測定用金型を具備した低圧トランスファー成形機を用い
て、金型温度175℃、成形圧力10MPa、硬化時間
90秒で成形を行い、流動長さを測定した。
【0040】熱時硬度:φ50mm×3mm(厚み)の
円板を成形し、成形直後の175℃での表面硬度をバー
コル硬度計(バーバーコールマン社製GYZJ935)
にて測定した。
【0041】各種試験片の成形:樹脂組成物をタブレッ
ト化し、各種金型を具備した低圧トランスファー成形機
を用いて、金型温度175℃、成形圧力10MPa、硬
化時間90秒で成形した。得られた各種成形物(試験
片)は、175℃で6時間、後硬化して試験に供した。
【0042】線膨張係数:6mm×6mm×12mmh
の試験片を使用し、熱機械分析法(TMA)により25
℃〜275℃まで昇温速度10℃/分で加熱して温度上
昇に伴う寸法変化を測定し、50〜60℃での接線から
線膨張係数を求めた。
【0043】成形収縮率:JIS K6911に準拠し
て測定した。
【0044】寸法安定性[角板]と反り[角板]:10
0mm×100mm×3mm(厚み)の角板を5枚成形
し、上記の条件で後硬化を行った後、外形を三次元測定
器(ミツトヨ製BH504)で測定した。外形寸法ばら
つきは設計値から最も大きいずれ量の値とし、反り量は
平均値とした。
【0045】成形品外観[角板]:上記の角板を目視で
観察し、全数(5枚)問題のない場合を良好(○)、ひ
けや欠けのある物が存在する場合を不良(×)とした。
【0046】寸法安定性[コネクタ]:JIS C59
81記載の多心光ファイバコネクタ(CNF12SPM
126C10−8)を10個成形して後硬化を行った
後、光ファイバ挿入穴位置をCCDカメラを搭載した画
像測定器で測定した。穴位置ばらつきは各光ファイバ挿
入穴中心の位置ずれ量(設定中心に対する実測中心との
位置ずれ量)が全て1μm以内であれば○、1〜3μm
の穴がある場合は△、3μm以上の穴がある場合は×と
した。
【0047】ボイド[コネクタ]:上記の多心光ファイ
バコネクタ10個を軟X線装置を用いて非破壊検査を行
い、内部のボイドの総数を計数した。
【0048】成形品外観[コネクタ]:上記の多心光フ
ァイバコネクタを10個を目視で外観を観察し、全数問
題のない場合を良好(○)、ひけや欠けなどのある物が
存在する場合を不良(×)とした。○が合格である。
【0049】寸法安定性[フェルール]:図1に示すフ
ェルールを10個成形して後硬化を行った後、直径(φ
D)と穴径(φd)をCCDカメラを搭載した画像測定
器で測定した。直径、穴径および穴中心位置の全てが設
定に対するずれ量で1μm以内であれば○、1〜3μm
の物がある場合は△、3μm以上の物がある場合は×と
した。○が合格である。
【0050】成形品外観[フェルール]:上記のフェル
ール10個を目視で外観を観察し、全数問題のない場合
を良好(○)、ひけや欠けなどのある物が存在する場合
を不良(×)とした。○が合格である。
【0051】[実施例1〜12、比較例1〜4]表1に
示した配合物を、表2に示す配合割合で計量し、ミキサ
ーを用いて撹拌混合した。表2中の配合割合は重量%を
表す。次いで、混合物を2軸押出機に供給して90℃で
溶融混練した。得られた溶融混合物を冷却ロールに通し
てシート状にするとともに冷却し、グラインダーで粉砕
してエポキシ樹脂組成物を得た。評価結果を表2に示し
た。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】表2から、実施例1〜12の本発明の組成
物は、線膨張係数および成形収縮率が小さく、成形時の
硬度も高いので、寸法安定性に優れる精密部品を生産性
良く成形できた。実施例1〜12の成形品は、外形寸法
安定性に優れ、成形時の硬度が高いので反りが小さく、
割れ欠けも無かった。特に、光ファイバ接続部品である
多心光ファイバコネクタでは、光ファイバを接続する穴
の位置のばらつきが非常に小さく、成形流動性が良いた
めかボイドも全くないので光信号の接続損失を非常に小
さくすることができた。フェルールでもジルコニアセラ
ミックス製の物と同等の寸法安定性を有し、外観不良の
無い物が得られた。
【0055】一方、化学式(I)で表される化合物
(D)を含有しない比較例1〜3では線膨張係数や成形
収縮率が小さいにも関わらず、熱時硬度が低いことから
わかるように離型時にかかる外力などで、成形された部
品の寸法安定性は悪く、反りも大きい上に外観にもひけ
やかけが発生していた。また、多心光ファイバコネクタ
では、光ファイバを接続する穴の位置のばらつきが大き
く、成形流動性に劣るためかボイドも多く発生してい
た。また、フェルールでも寸法安定性が劣っており、外
観不良(欠け)が発生した。
【0056】また、充填材(C)の含有量が少ない比較
例4では、熱時硬度は問題ないものの、線膨張係数およ
び成形収縮率が大きいため、成形品の寸法安定性が悪か
った。
【0057】
【発明の効果】本発明に従うと、成形性と寸法安定性に
優れた精密部品用エポキシ樹脂組成物が得られ、寸法安
定性の高い精密部品、特に光接続損失の小さな光ファイ
バ接続部品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】寸法安定性を測定するフェルールの形状を示す
概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H036 QA18 4J002 CC032 CD001 DE077 DE147 DE237 DJ017 DJ037 EJ018 EL136 EU116 FD017 FD142 FD146 GM00 GP02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充填
    材(C)および化学式(I)で表される化合物(D)を
    含有するエポキシ樹脂組成物であって、前記充填材
    (C)が該エポキシ樹脂組成物中に80重量%以上含有
    されていることを特徴とする精密部品用エポキシ樹脂組
    成物。 【化1】 (式中、Rは2つまたは3つが水酸基である。残りのR
    は水素原子およびアミノ基、アルキル基、カルボキシル
    基等の有機基から選ばれる置換基を示し、それぞれ同一
    であっても異なっていてもかまわない。)
  2. 【請求項2】請求項1に記載の精密部品用エポキシ樹脂
    組成物を成形して得られる精密部品。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の精密部品用エポキシ樹脂
    組成物を成形して得られる光ファイバ接続部品。
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