JP4017953B2 - エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置、精密部品 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置、精密部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形性および信頼性、特に高温リフロー信頼性に優れ、特に半導体封止用として好適なエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置などの電子回路部品の封止方法として、従来より金属やセラミックスによるハーメッチックシールと共にフェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されており、一般にこのような封止に使用される樹脂を封止材樹脂と呼んでいる。その中でも、経済性、生産性、物性のバランスの点からエポキシ樹脂による樹脂封止が最も盛んに行われている。そして、エポキシ樹脂による封止方法は、エポキシ樹脂に硬化剤、充填材などを添加した組成物を用い、半導体素子を金型にセットしてトランスファー成型法などにより封止する方法が一般的に行われている。
【0003】
最近はプリント基板への半導体装置パッケージの実装において高密度化、自動化が進められており、従来のリードピンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代わり、基板表面に半導体装置パッケージを半田付けする“表面実装方式”が盛んになってきた。それに伴い、半導体装置パッケージも従来のDIP(デュアル・インライン・パッケージ)から、高密度実装・表面実装に適した薄型のFPP(フラット・プラスチック・パッケージ)に移行しつつある。
【0004】
表面実装においては、通常半田リフローによる実装が行われる。この方法では、基板の上に半導体装置パッケージを載せ、これらを200℃以上の高温にさらし、基板にあらかじめつけられた半田を溶融させて半導体装置パッケージを基板表面に接着させる。このような実装方法では半導体装置パッケージ全体が高温にさらされるため、封止樹脂の吸湿性が高いと封止樹脂と半導体チップの間、あるいは封止樹脂とリードフレームの間の剥がれが生じたり、吸湿した水分が半田リフロー時に爆発的に膨張してクラックが生じるという現象が起こる。特に封止樹脂とチップ、リードフレームのステージ、インナーリードの銀メッキ部分等各部材との剥がれは重要な問題であり、密着性に優れる封止樹脂の開発が望まれている。最近では中でも銀メッキとの密着性改良が重要な課題となってきている。
【0005】
また最近では、微細加工技術の進歩によりTSOP、TQFP、LQFP、TQFP等厚さ2mm以下のパッケージが主流となりつつある。そのため湿度や温度など外部からの影響をいっそう受けやすくなり、耐リフロー信頼性、高温信頼性、耐湿信頼性などの信頼性が今後ますます重要となってくる。薄型パッケージの場合、銀ペースト層が吸湿してリフロー時にシリコンチップまたはリードフレームとの界面から剥離し、パッケージ底部が押し下げられてパッケージ底部が膨らむ現象が起こり問題になっており、膨れ特性の改良が求められている。
【0006】
更に、近年では環境保護の点から鉛を含んでいない鉛フリー半田の使用が進んでいるが、鉛フリー半田は融点が高く、そのためリフロー温度も上がることになりこれまで以上の耐リフロー信頼性が求められている。
【0007】
一般的に耐リフロー信頼性を向上させるには封止樹脂組成物中の充填材の割合を上げることが有効であることが知られていた。封止樹脂組成物中の樹脂成分を減らすことにより吸湿性が低下するからである。しかしながら、単純に封止樹脂組成物中の充填材の割合を大きくするだけでは流動性が悪化し、パッケージ未充填やステージシフトなどの問題が起こる。
【0008】
流動性を向上する手段としては無機充填剤の球形度を上げる熱硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また耐リフロー信頼性を向上し、かつ流動性を改良するエポキシ樹脂としてテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物(例えば特許文献2参照)、またエポキシ樹脂としてテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂を、硬化剤としてフェノールアラルキル樹脂を配合し充填材を25〜93重量%含有するエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献3参照)また、成形性や耐半田クラック性の改良を目的として、硬化剤としてビフェニル誘導体の繰り返し単位と、キシレン誘導体の繰り返し単位が結合した共重合体のフェノール化合物を含有するエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献4参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平3−66151号公報(特許請求の範囲)
【0010】
【特許文献2】
特開平6−345850号公報(特許請求の範囲)
【0011】
【特許文献3】
特開平8−134183号公報(特許請求の範囲)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1において球形度は無機充填剤全体に対して定義されたものであり、流動性向上の効果は必ずしも十分とはいえない。また特許文献2,3においては、効果はそれなりに奏するものの未だ十分ではない。特許文献4においては、成形性は必ずしも十分といえず、銀メッキとの密着性や膨れ特性についての効果は不明である。
【0014】
したがって、本発明の課題は、成形性(充填性、流動性)と信頼性、特に高温リフロー信頼性(部材密着性や膨れ特性など)全てを同時に満足するようなエポキシ樹脂組成物と半導体装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および無機充填剤(C)を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)が下記式(VII)で表されるテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、下記式(XII)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂の少なくともいずれか1種であり硬化剤(B)が下記一般式(IV)で表されるフェノールアラルキル樹脂(b1)、下記式(V)及び(VI)で表される繰り返し単位構造を有するフェノール化合物(b2)の少なくともいずれか1種を含有し、無機充填剤(C)の割合が樹脂組成物全体の80〜95重量%であって、無機充填剤(C)の粒径45μm以上における球形度が0.75〜1.0であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた樹脂封止用半導体装置、精密部品あるいは光ファイバ接続部品である。
【0016】
【化9】
Figure 0004017953
【化10】
Figure 0004017953
【化11】
Figure 0004017953
(但し、式中R 〜R は水素を示す。)
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳述する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および無機充填剤(C)を含有する。
【0018】
本発明におけるエポキシ樹脂(A)はビスフェノール型エポキシ樹脂(a1)を含有することを特徴とする。エポキシ樹脂(a1)を含有することにより流動性、膨れ特性及び銀メッキ等各部材との密着性に優れるエポキシ樹脂を得ることができる。
【0019】
ビスフェノール型エポキシ樹脂(a1)の具体例としては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、2,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタンなどビスフェノールF型エポキシ樹脂、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテル、3,3’、5,5’−テトラメチル−4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテルなどのビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。なかでも膨れ特性、流動性に優れるビスフェノールF型エポキシ樹脂が、さらに好ましくは式(VII)で表されるテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂が良い。
【0020】
【化5】
Figure 0004017953
【0022】
また、本発明のエポキシ樹脂(A)はビスフェノール型エポキシ樹脂(a1)以外の公知のエポキシ樹脂を併用しても良く、その種類については1分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に限定されない。上記エポキシ樹脂(a1)以外に併用できるエポキシ樹脂としては、たとえばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、線状脂肪族型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂およびスピロ環含有エポキシ樹脂などがあげられる。
【0023】
本発明において、ビスフェノール型エポキシ樹脂(a1)の合計のエポキシ樹脂(A)中の配合率は、25重量% 以上が好ましく、さらには成形性、信頼性の点から50重量%以上が好ましい。
【0024】
本発明においてエポキシ樹脂(A)の配合量は、全樹脂組成物に対して通常1.0〜10.0重量%である。
【0025】
硬化剤(B)としては、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、それらの具体例としては、例えばフェノールノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラックなどのノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物およびメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミンなどがあげられる。なかでも下記一般式(IV)で表されるフェノールアラルキル樹脂(b1)及び下記化学式()及び(VI)で表される繰り返し単位構造を有するフェノール化合物(b2)が特に好ましく使用される。
【0026】
【化6】
Figure 0004017953
【0027】
これらフェノールアラルキル樹脂(b1)やビフェニル誘導体/キシレン誘導体共重合系フェノール化合物(b2)を用いることにより良好な信頼性と成形性が得られる。フェノールアラルキル樹脂(b1)やビフェニル誘導体/キシレン誘導体共重合系フェノール化合物(b2)はどちらか1種でも両方用いてもかまわない。
【0028】
硬化剤(B)の溶融粘度はICI(150℃)粘度で1Pa・s以下、さらには0.3Pa・s以下のものが特に好ましく使用される。
【0029】
硬化剤(B)の配合量はエポキシ樹脂組成物全体に対して通常0.5〜12重量%、特に1〜8重量%が好ましい。さらにはエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の配合比は、機械的性質、及び耐湿性も点からエポキシ樹脂(A)に対する硬化剤(B)の化学当量比が0.5〜1.5、特に0.7〜1.3の範囲にあることが好ましい。
【0030】
硬化剤(B)としてフェノールアラルキル樹脂(b1)、ビフェニル誘導体/キシレン誘導体共重合系フェノール化合物(b2)以外のものを併用する場合、耐熱性、耐湿性および保存性に優れる点から、フェノール性水酸基を有する硬化剤が好ましい。フェノール性水酸基を有する硬化剤の具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンとフェノールの縮合化合物、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂、ナフトールアラルキル樹脂などがあげられる。
【0031】
本発明では無機充填剤(C)の粒径45μm以上における球形度が0.75〜1.0であることを特徴とする。粒径分布の全体でなく、粒径45μm以上の粗粒域における球形度の向上がエポキシ樹脂組成物の流動性を向上する上で特に重要である。
【0032】
本発明でいう球形度は、走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子社製「JSM T200型」)と画像解析装置(例えば、日本アビオニクス社製)を用い、次のようにして測定することができる。
【0033】
すなわち、試料のSEM写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出することができる。そこで、無機充填粒子の集合体である無機充填粉末の球形度は、無機充填粉末から任意に選んだ1000個の粒子について測定し、その平均値で代表させるものとする。
【0034】
球形度は0.80〜1.0であることがさらに好ましい。
【0035】
無機充填(C)の具体例としては非晶性シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタンや酸化アンチモンなどの金属酸化物、アスベスト、ガラス繊維およびガラス球などが挙げられるが、中でも非晶性シリカは線膨脹係数を低下させる効果が大きく、低応力化に有効なため好ましく用いられる。形状としては、破砕状のものや球状のものが用いられ、流動性の点から球状のものが特に好ましく使用される。
【0036】
ここでいう非晶性シリカは、一般的には真比重が2.3以下のものを意味する。この非晶性シリカは公知の任意の方法で製造方法でき、例えば結晶性シリカを溶融する方法および金属ケイ素の酸化による方法、アルコキシシランの加水分解など、各種原料からの合成方法が使用できる。非晶性シリカのなかでも石英を溶融して製造される球状溶融シリカが特に好ましく使用され、球状溶融シリカを全無機充填(C)中に90重量%以上含有することが特に好ましい。
【0037】
無機充填(C)の粒径および粒度分布については、特に限定はないが、流動性、成形時のバリ低減の点から、平均粒径(メディアン径を意味する。以下同じ。)が5〜30μmの範囲にあることが好ましい。また、平均粒径または粒度分布の異なる無機充填を2種以上組み合わせることもできる。
【0038】
本発明において、無機充填剤(C)の割合が全樹脂組成物に対して80〜95重量%であることが必要であり、85〜92重量%が特に好ましい。無機充填剤(C)の含有量を80重量%以上にすることにより樹脂組成物の吸水率が低下し、良好なリフロー信頼性が得られ、95重量%未満では成形性が低下することもない。
【0039】
無機充填(C)中に粒子径0.01μm〜1.00μmの非晶質シリカ(c1)を5〜30重量%を含有させることが特に好ましく、5重量%〜20重量%含有するのがさらによい。それにより樹脂組成物全体に無機充填の配合比率を高めることができ、耐リフロー性の向上と、ステージシフト低減など成形性の向上を両立できる。
【0040】
本発明においてエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の硬化反応を促進するために硬化促進剤を用いてもよい。硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどのりん系化合物、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などのアミン系化合物などが成形性、信頼性の点で好ましく用いられるが、硬化反応を促進するものであれば特に限定されない。
【0041】
これらの硬化促進剤は、用途によっては二種以上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が望ましい。
【0042】
本発明のエポキシ樹脂組成物には充填剤とエポキシ樹脂や硬化剤の結合を強化し、信頼性の向上を図る目的でシランカップリング剤を用いてもよい。中でも、アミノ基を含有するシランカップリング剤、エポキシ基を含有するシランカップリング剤或いはメルカプト基を含有するシランカップリング剤が成形性、信頼性の点で好ましく用いられる。
【0043】
本発明において、シランカップリング剤の割合が全樹脂組成物に対して0.05〜2重量%の範囲にあることが成形性、信頼性の点で好ましく、0.1〜1重量%の範囲がより好ましい。
【0044】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、カーボンブラック、酸化鉄などの着色剤、シリコーンゴム、スチレン系ブロック共重合体、オレフィン系重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴムなどのエラストマー、ポリスチレンなどの熱可塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミド、パラフィンワックスなどの離型剤および有機過酸化物など架橋剤、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどの難燃助剤、難燃剤としての臭素化合物を任意に添加することができる。
【0045】
本発明のエポキシ樹脂組成物は上記各成分を溶融混練によって製造することが好ましい。たとえば各種原料をミキサーなどの公知の方法で混合した後、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造される。溶融混練時の樹脂温度としては、通常70〜150℃の範囲が使用される。
【0046】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、加熱混練で溶融し、冷却さらに粉砕した粉末の形状、粉末を打錠して得られるタブレットの形状、加熱混練で溶融し型内で冷却固化したタブレットの形状、加熱混練で溶融し押し出ししてさらに切断したペレットの形状などの状態で使用できる。
【0047】
そしてこれらの形状から半導体素子の封止に供され半導体装置の製造が行われる。半導体を基板に固定した部材に対して、本発明のエポキシ樹脂組成物を、例えば120〜250℃、好ましくは150〜200℃の温度で、トランスファ成形、インジェクション成形、注型法などの方法で成形して、エポキシ樹脂組成物の硬化物によって封止された半導体装置が製造される。また必要に応じて追加熱処理(例えば、150〜200℃、2〜16時間)を行うことができる。
【0048】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、精密部品成形用の樹脂組成物としても好適である。ここで、精密部品としては、例えば、各種ギヤー、ケース、コネクタ、ソケット、光ピックアップ、端子板、プラグ、基板、ベース、プレート、ハウジング、アダプタ、軸受けなどがあげられ、ハードディスクドライブ(HDD)スライダ、HDDモーターハブ、HDDアームなどのコンピューター部品、ファクシミリ、複写機などのOA機器部品、携帯電話、携帯オーディオ機器などの携帯機器部品、顕微鏡、カメラなどの光学機器部品、時計、各種測定機器、各種工作機器などの精密機械部品、ウエハ研磨用プレートなどの半導体製造装置用部品、半導体実装基板などの半導体装置用部品、光コネクタ、光モジュール用パッケージなどの光通信用部品などを挙げることができる。好ましくは、成形加工時の成形収縮率が0.3%以下であり、かつ、線膨張係数が12×10-6-1以下の部品である。
【0049】
これら精密部品の成形用に、本発明の組成物を供することで、成形歩留まりが高く、かつ、寸法精度の高い精密部品を得ることができる。
【0050】
本発明の精密部品は、上記したエポキシ樹脂組成物を半導体装置のものと同様の成形法、成形条件で成形して得ることができる。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はここに掲げた実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の%は重量%を示す。
【0052】
[実施例1〜参考例1〜5、比較例1〜4]
表1に示した成分を表2〜3に示す組成比(重量比)で、ミキサーによりドライブレンドした後、ロール表面温度90℃のミキシングロールを用いて5分間加熱混練後、冷却、粉砕して半導体封止用のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0053】
なお本発明で使用した各原料を表1に示す。なお、ここで言う粘度とは150℃におけるICI粘度のことである。
【0054】
【表1】
Figure 0004017953
【0055】
【化7】
Figure 0004017953
【0056】
<膨れ特性(耐リフロー信頼性)評価>
得られた樹脂組成物について176pinLQFP(外形:24mm×24mm×1.4mm、フレーム材料:銅)用金型を用いて、低圧トランスファー成形機で金型温度175℃、キュアータイム1分間の条件でパッケージを成形した。なお評価用のチップとしては表面に窒化珪素膜を被覆した模擬素子を搭載した、チップサイズ10mm×10mm×0.3mmのものを用いた。
【0057】
上記成形により得られた176pinLQFPのパッケージ20個を180℃、6時間の条件でポストキュアーした後、マイクロメーターにてパッケージ中央部の厚みI(μm)を計測した。これを40℃/80%RHで72時間加湿後、最高温度260℃のIRリフロー炉で加熱処理した。なお、リフロー炉の温度プロファイルは、150℃〜200℃の領域を60秒〜100秒、200℃から260℃の昇温速度を1.5〜2.5℃/秒、最高温度である255℃〜265℃の領域で10〜20秒維持し、260℃から200℃の降温速度を1.5〜2.5℃/秒とした。
【0058】
パッケージがリフロー炉を出た5秒後、再びマイクロメーターにてパッケージの中央部の厚みII(μm)を計測した。さらに20個それぞれのパッケージについて(厚みII−厚みI)を算出し、この20個の平均値を「膨れ」(μm)とした。なお、膨れは小さい方が好ましく、100μm以下であることが特に好ましい。
【0059】
<耐剥離性(耐リフロー信頼性・チップ表面剥離、銀メッキ部剥離)評価>
得られた樹脂組成物について176pinLQFP(外形:24mm×24mm×1.4mm、フレーム材料:銅)用金型を用いて、低圧トランスファー成形機で金型温度175℃、キュアータイム1分間の条件でパッケージを成形した。なお評価用のチップとしては表面に窒化珪素膜を被覆した模擬素子を搭載した、チップサイズ10mm×10mm×0.3mmのものを用いた。
【0060】
上記成形により得られた176pinLQFPのパッケージ20個を180℃、6時間の条件でポストキュアーした後、40℃/80%RHで72時間加湿した。これを温度260℃のIRリフロー炉で10秒間加熱処理した。こののち、リードフレームの銀メッキ部、チップ表面、ステージ裏面の剥離状況を超音波探傷器(日立建機(株)製「mi−scope10」)で観察し、それぞれについて剥離の発生したパッケージ数を調べた。
【0061】
<耐クラック性評価>
膨れ特性の評価と同様の方法で同様の176pinLQFP(外形:24mm×24mm×1.4mm、フレーム材料:銅)用金型を用いて、低圧トランスファー成形機で金型温度175℃、キュアータイム1分間の条件でパッケージを成形した。なお評価用のチップとしては表面に窒化珪素膜を被覆した模擬素子を搭載した、チップサイズ10mm×10mm×0.3mmのものを用いた。
【0062】
上記成形により得られた176pinLQFPのパッケージ20個を180℃、6時間の条件でポストキュアーした後、40℃/80%RHで72時間加湿した。これを温度260℃のIRリフロー炉で10秒間加熱処理した。こののち、目視により外部クラックの発生したパッケージ数を調べた。
【0063】
<成形性(パッケージ充填性)評価>
上記成形により得られた176pinLQFPパッケージ20個を成形後に目視で観察し、未充填の発生したパッケージ数を調べた。
【0064】
【表2】
Figure 0004017953
【0065】
【表3】
Figure 0004017953
【0066】
表2の実施例1〜に見られるように本発明のエポキシ樹脂組成物は膨れ特性、銀メッキ部その他部材との密着性、耐クラック性等の耐リフロー信頼性、成形性のいずれも優れている。
【0067】
一方、無機充填剤(C)の粒径45μm以上における球形度が0.75未満である場合や、上記エポキシ樹脂(a1)含んでいない比較例1〜3は耐リフロー信頼性と成形性を同時に満足できない。
【0068】
[実施例
実施例1と同様の方法で得られたエポキシ樹脂組成物をタブレット化し、各種金型を具備した低圧トランスファー成形機を用いてJIS C5981記載の多心光ファイバコネクタ(CNF12SPM126C10−4)を10個成形した。成形条件は金型温度175℃、成形圧力10MPa、硬化時間90秒とした。得られた各種成形物(試験片)は175℃で4時間の条件で後硬化を行った後、光ファイバ挿入穴位置をCCDカメラを搭載した画像測定器で測定した。穴位置ばらつきは各光ファイバ挿入穴中心の位置ずれ量(設定中心に対する実測中心との位置ずれ量)を測定した。位置ずれ量が全て1μm以内の寸法安定性の優れた光コネクタ用精密部品が得ることができた。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればリフロー時の密着性、膨れ特性などの耐リフロー信頼性および成形時の充填性が優れたエポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物によって封止してなる半導体装置及び精密部品を得ることができる。

Claims (4)

  1. エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および無機充填剤(C)を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)が下記式(VII)で表されるテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、下記式(XII)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂の少なくともいずれか1種であり硬化剤(B)が下記一般式(IV)で表されるフェノールアラルキル樹脂(b1)、下記式(V)及び(VI)で表される繰り返し単位構造を有するフェノール化合物(b2)の少なくともいずれか1種を含有し、無機充填剤(C)の割合が樹脂組成物全体の80〜95重量%であって、無機充填剤(C)の粒径45μm以上における球形度が0.75〜1.0であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004017953
    Figure 0004017953
    Figure 0004017953
    (但し、式中R 〜R は水素を示す。)
  2. 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物を用いて、半導体素子の少なくとも回路形成面を封止してなる樹脂封止型半導体装置。
  3. 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を成形して得られる精密部品。
  4. 請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物を成形して得られる光ファイバ接続部品。
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