JP2004277631A - エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物および半導体装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】耐リフロー信頼性、および成形性がすぐれたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)及びシランカップリング剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)として下記一般式(I)で表されるスルフィド構造含有エポキシ樹脂(a1)及び下記一般式(II)で表されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を必須成分として含有し、かつシランカップリング剤(D)が1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を必須成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物およびその硬化物によって封止されたことを特徴とする半導体装置。
【選択図】なし
【解決手段】エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)及びシランカップリング剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)として下記一般式(I)で表されるスルフィド構造含有エポキシ樹脂(a1)及び下記一般式(II)で表されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を必須成分として含有し、かつシランカップリング剤(D)が1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を必須成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物およびその硬化物によって封止されたことを特徴とする半導体装置。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐リフロー信頼性(膨れ特性,耐銀メッキ密着性、窒化膜密着性)、速硬化(カル膨れ特性)、成形性に優れ、特に半導体封止用として好適なエポキシ樹脂組成物および半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子などの電子回路部品の封止方法として、従来より金属やセラミックスによるハーメチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されているが、その中でも、生産性、物性のバランスの点からエポキシ樹脂による樹脂封止が最も盛んに行われている。エポキシ樹脂による封止方法は、エポキシ樹脂に硬化剤、充填剤などを添加した組成物を用い、半導体素子を金型にセットしてトランスファー成形法などにより封止する方法が一般的に行われている。
【0003】
半導体封止用エポキシ樹脂組成物に要求される特性としては、信頼性および成形性などがあり、信頼性としては半田耐熱性、耐湿性などが、成形性としては充填性、流動性、生産性(カル膨れ特性や連続成形性)、などがあげられる。
【0004】
近年は、半導体装置の高密度実装化の流れにともない従来のリードピンを基板の穴に挿入する挿入実装方式から、基板表面に半導体装置を半田付けする表面実装方式が主流になっている。表面実装においては、通常半田リフローによる実装が行われる。この方法では、基板の上に半導体装置を乗せ、これらを200℃以上の高温にさらし、基板にあらかじめつけられた半田を溶融させて半導体装置を基板表面に接着させる。このような実装方法では半導体装置全体が高温にさらされるため、封止樹脂組成物の耐湿性が悪いと吸湿した水分が半田リフロー時に爆発的に膨張しクラックが生じたり、半導体装置中の部材と封止樹脂組成物との界面で剥離が生じるという現象が起こる。特に近年ではインナーリードの銀メッキとの密着性が重要視されるようになってきている。
【0005】
また薄型パッケージの場合、銀ペースト層が吸湿してリフロー時にシリコンチップまたはリードフレームとの界面から剥離し、パッケージ底部が押し下げられてパッケージ底部が膨らむ現象(膨れ特性)が起こり問題になっている。
【0006】
更に、近年では環境保護の点から鉛を含んでいない鉛フリー半田の使用が進んでいるが、鉛フリー半田は融点が高く、そのためリフロー温度も上がることになりこれまで以上の耐リフロー信頼性が求められている。
【0007】
一方、半導体装置自体も高密度実装化の流れから、従来のDIP(デュアル・インライン・パッケージ)からFPP(フラット・プラスチック・パッケージ)に移行してきており、中でも最近では厚さ2mm以下のTSOP、TQFP、LQFPが主流となっている。そのため湿気や温度など外部からの影響をいっそう受けやすくなり、高温リフロー信頼性、耐熱性、耐湿性などの信頼性がますます重要となっている。さらに、上記のように半導体装置のさらなる薄型化にともなって、封止樹脂組成物にはよりよい充填性、流動性が求められるようになってきた。
【0008】
一般に耐リフロー信頼性を向上させるには封止樹脂組成物中の充填剤の割合を上げることが有効であることが知られている。封止樹脂組成物中の樹脂成分を減らすことによって耐湿性が向上するからである。しかしながら封止樹脂組成物中の充填剤の割合を大きくすると封止樹脂の成形時の溶融粘度が上昇し、成形が困難になるといった問題点がある。
【0009】
これまでに耐リフロー信頼性を向上させるエポキシ樹脂としてテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、スルフィド構造含有エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−134183号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平6−145300号公報(請求項1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1記載のエポキシ樹脂組成物は、硬化速度が遅く、生産性が悪化するという問題があり、特許文献2記載のエポキシ樹脂組成物はチップ表面の窒化膜との密着性が十分でなかった。本発明の課題は耐リフロー信頼性(膨れ特性,耐銀メッキ密着性、窒化膜密着性)、速硬化性を同時に満足するようなエポキシ樹脂組成物と半導体装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目標を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0013】
本発明は、主として次の構成を有する。すなわちエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)及びシランカップリング剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)として下記一般式(I)で表されるスルフィド構造含有エポキシ樹脂(a1)及び下記一般式(II)で表されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を必須成分として含有し、かつシランカップリング剤(D)が1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を必須成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【0014】
【化4】
【0015】
(式中、R1〜R8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、同一であっても異なっても良い。nは0以上の整数を示す。)
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、R9〜R18は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、同一であっても異なっても良い。nは0以上の整数を示す。)
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳述する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)及びシランカップリング剤(D)を含有する。
【0019】
本発明におけるエポキシ樹脂(A)は上記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂(a1)及び上記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂(a2)を必須成分として含有する。これらのエポキシ樹脂を含有することにより耐リフロー信頼性(膨れ特性,対銀メッキ密着性、窒化膜密着性)、速硬化性(カル膨れ特性)の全てにおいて優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0020】
本発明において上記一般式(I)で表されるスルフィド構造含有エポキシ樹脂の具体例としては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィド、2,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィド、2,2’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィド、3,3,5,5’−テトラメチル−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィド、2,2’−ジメチル−5,5’−ジターシャルブチル−4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィドなどが挙げられる。その中でも、流動性、速硬化性に優れる下記式(IV)で表される4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィドが好ましい。
【0021】
【化6】
【0022】
本発明において上記一般式(II)で表されるビスフェノール型エポキシ樹脂の具体例としては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、2,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテル、3,3’、5,5’−テトラメチル−4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。その中でも、リードフレームやシリコンチップに対する密着性の良い下記一般式(V)で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a3)が好ましい。
【0023】
【化7】
【0024】
(式中、R27〜R30は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、同一であっても異なっても良い。)
【0025】
エポキシ樹脂(a1)の含有量はエポキシ樹脂(A)中5〜95重量%が好ましく、10〜90重量%がさらに好ましい。5重量%以上であれば耐リフロー信頼性(特に対銀メッキ密着性)、速硬化性(カル膨れ特性)を向上させる効果が得られ、95重量%以下であれば窒化膜密着性を低下させることもない。
【0026】
また、エポキシ樹脂(a2)の含有量はエポキシ樹脂(A)中95〜5重量%が好ましく、90〜10重量%がさらに好ましい。5重量%以上であれば窒化膜密着性を向上させる効果が得られ、95重量%以下であれば速硬化性(カル膨れ特性)を低下させることもない。
【0027】
さらにはエポキシ樹脂(A)がエポキシ樹脂(a1)とエポキシ樹脂(a2)のみからなることが好ましく、この場合、エポキシ樹脂(a1)のエポキシ樹脂(a2)に対する配合比率は重量比で(a1)/(a2)=10/90〜90/10が好ましく、さらに好ましくは20/80〜80/20が良い。
【0028】
用途によっては上記エポキシ樹脂(a1)および(a2)以外のエポキシ樹脂を併用しても良い。その他のエポキシ樹脂としては1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般が併用可能である。例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラエチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラブチルビフェニルなどのビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、およびハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられる。その他のエポキシ樹脂として2種以上用いても良い。なかでも、一般式(VI)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a3)が第3のエポキシ樹脂成分として好ましく用いられる。
【0029】
【化8】
【0030】
(式中、R19〜R26は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、同一であっても異なっても良い。)
【0031】
エポキシ樹脂(a1)、エポキシ樹脂(a2)およびエポキシ樹脂(a3)の3種を用いる場合の好ましい配合割合は (a1)と(a2)の合計量に対する(a3)の配合比率は重量比で((a1)+(a2))/(a3)=90/10〜10/90が好ましく、さらに好ましくは90/10〜50/50が良い。また、これら3種を用いる場合においても、エポキシ樹脂(a1)のエポキシ樹脂(a2)に対する配合比率は重量比で(a1)/(a2)=10/90〜90/10が好ましく、さらに好ましくは20/80〜80/20が良い。
【0032】
本発明においてエポキシ樹脂(A)の配合量は全樹脂組成物に対して通常2〜25重量%、特に2〜10重量%が好ましい。
【0033】
硬化剤(B)としては、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、それらの具体例としては、例えばフェノールノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラックなどのノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物およびメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミンなどがあげられる。なかでも下記一般式(III)で表されるフェノールアラルキル樹脂(b1)が特に好ましく使用される。さらに好ましくは下記一般式(VII)で表されるp−キシレン型フェノールアラルキル樹脂が良い。
【0034】
【化9】
【0035】
(式中、nは0以上の整数を示す。)
【0036】
フェノールアラルキル樹脂(b1)を用いることにより良好な信頼性と成形性が得られる。硬化剤(B)の溶融粘度はICI(150℃)粘度で1Pa・s以下、さらには0.3Pa・s以下のものが特に好ましく使用される。
【0037】
硬化剤(B)としてフェノールアラルキル樹脂(b1)以外のものを併用する場合、耐熱性、耐湿性および保存性に優れる点から、フェノール性水酸基を有する硬化剤が好ましい。フェノール性水酸基を有する硬化剤の具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンとフェノールの縮合化合物、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル誘導体/キシレン誘導体共重合系フェノール化合物などがあげられる。
【0038】
2種以上の硬化剤を併用する場合、フェノールアラルキル樹脂(b1)の含有量は硬化剤(B)全量に対して10重量%以上が好ましく、20重量%以上であることがさらに好ましい。
【0039】
硬化剤(B)の配合量はエポキシ樹脂組成物全体に対して通常0.5〜12重量%、特に1〜6重量%が好ましい。さらにはエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の配合比は、機械的性質、及び耐湿性も点からエポキシ樹脂(A)に対する硬化剤(B)の化学当量比が0.5〜1.5、特に0.6〜1.3の範囲にあることが好ましい。
【0040】
本発明においてエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の硬化反応を促進するために硬化促進剤を用いてもよい。硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどのりん系化合物、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などのアミン系化合物などが成形性、信頼性の点で好ましく用いられるが、硬化反応を促進するものであれば特に限定されない。
【0041】
これらの硬化促進剤は、用途によっては2種以上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が望ましい。
【0042】
本発明における無機充填材(C)の具体例としては非晶性シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタンや酸化アンチモンなどの金属酸化物、アスベスト、ガラス繊維およびガラス球などが挙げられるが、中でも非晶性シリカは線膨脹係数を低下させる効果が大きく、低応力化に有効ななため好ましく用いられる。形状としては、破砕状のものや球状のものが用いられ、流動性の点から球状のものが特に好ましく使用される。
【0043】
ここでいう非晶性シリカは、一般的には真比重が2.3以下のものを意味する。この非晶性シリカは公知の任意の方法で製造方法でき、例えば結晶性シリカを溶融する方法および金属ケイ素の酸化による方法、アルコキシシランの加水分解など、各種原料からの合成方法が使用できる。非晶性シリカのなかでも石英を溶融して製造される球状溶融シリカが特に好ましく使用され、球状溶融シリカを全充填材(C)中に90重量%以上含有することが特に好ましい。
【0044】
本発明における無機充填剤(C)としては球状溶融シリカ以外の充填剤を併用することができる。その具体例としては破砕溶融シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、アスベスト、ガラス繊維などが挙げられ、中でも成形性、信頼性の点から破砕溶融シリカ、結晶性シリカがより好ましい。
【0045】
無機充填材(C)の粒径および粒度分布については、特に限定はないが、流動性、成形時のバリ低減の点から、平均粒径(メディアン径を意味する。以下同じ。)が5〜30μmの範囲にあることが好ましい。また、平均粒径または粒度分布の異なる充填材を2種以上組み合わせることもできる。無機充填材(C)中に粒子径0.01μm〜1.00μmのものを5〜30重量%を含有させることが特に好ましく、5重量%〜20重量%含有するのがさらによい。それにより樹脂組成物全体に無機充填材の配合比率を高めることができ、耐リフロー性の向上と、ステージシフト低減など成形性の向上を両立できる。
【0046】
無機充填剤(C)の割合は全樹脂組成物に対して80〜95重量%であることが好ましく、85〜93重量%が特に好ましい。
【0047】
無機充填剤(C)の粒径45μm以上における球形度は0.75〜1.0であることが好ましい。粒径分布の全体でなく、粒径45μm以上の粗粒域における球形度の向上がエポキシ樹脂組成物の流動性を向上する上で効果的である。
【0048】
ここで球形度は、走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子社製「JSM T200型」)と画像解析装置(例えば、日本アビオニクス社製)を用い、次のようにして測定することができる。
【0049】
すなわち、試料のSEM写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2 となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出することができる。そこで、無機充填材粒子の集合体である無機充填材粉末の球形度は、無機充填材粉末から任意に選んだ1000個の粒子について測定し、その平均値で代表させるものとする。球形度は0.80〜1.0であることがさらに好ましい。
【0050】
本発明においてはシランカップリング剤(D)が1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を含有することを特徴とする。1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を含有するシランカップリング剤(D)を使用することにより耐リフロー信頼性、特に対銀メッキ密着性及びカル膨れ特性(硬化性)を向上することができる。
【0051】
一級アミノシランとしては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシシラン等が、二級アミノシランとしては、例えば、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルジエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、上記アミノシランカップリング剤は単独、もしくは混合して用いても良い。
【0052】
また他の一般のシランカップリング剤と混合して用いても良い。併用するシランカップリング剤の具体例としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−(2,3−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカトプロピルメチルジメトキシシラン、などが挙げられるが、シランカップリング剤(D)中に、1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を10重量%以上含有することが特に好ましい。
【0053】
シランカップリング剤(D)は充填材にあらかじめ表面処理しても構わないが、単に他の構成成分とブレンドするだけでも効果を発現できる。
【0054】
シランカップリング剤(D)の配合割合としてはエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜2重量%添加することが流動性及び充填性の点で好ましい。
【0055】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに次に挙げる各種添加剤を任意に含有することができる。すなわちカーボンブラックおよび酸化鉄などの各種着色剤や各種顔料、シリコーンゴム、オレフィン系共重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴムなどの各種エラストマー、シリコーンオイル、ポリエチレンなどの各種熱可塑性樹脂、フッ素系、シリコーン系などの界面活性剤、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミドおよびパラフィンワックスなどの各種離型剤およびハイドロタルサイト類などのイオン捕捉剤、有機過酸化物などの架橋剤である。
【0056】
本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法としては、たとえば溶融混練による方法が好ましく、各種原料をミキサーなどで混合した後、通常は60〜140℃で、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造できる。このエポキシ樹脂組成物は通常粉末またはタブレット状態から、成形によって半導体封止に供される。半導体素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が一般的であるがインジェクション成形法や圧縮成形法も可能である。成形条件としては、たとえばエポキシ樹脂組成物を成形温度150℃〜200℃、成形圧力5〜15MPa、成形時間30〜300秒で成形し、エポキシ樹脂組成物の硬化物とすることによって半導体装置が製造される。また、必要に応じて上記成形物を100〜200℃で2〜15時間、追加加熱処理も行われる。
【0057】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はここに掲げた実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の%は重量%を示す。評価は以下の条件で実施した。
【0058】
<膨れ特性(耐リフロー信頼性)評価>
得られた樹脂組成物について144pinTQFP(外形:20mm×20mm×1.0mm、フレーム材料:42アロイ)用金型を用いて、低圧トランスファー成形機で金型温度175℃、キュアータイム1分間の条件でパッケージを成形した。なお評価用のチップとしては表面に窒化珪素膜を被覆した模擬素子を搭載した、チップサイズ8mm×8mm×0.3mmのものを用いた。
【0059】
上記成形により得られた144pinTQFPのパッケージ10個を180℃、6時間の条件でポストキュアーした後、マイクロメーターにてパッケージ中央部の厚みI(μm)を計測した。これを85℃/60%RHで24時間加湿後、最高温度260℃のIRリフロー炉で加熱処理した。なお、リフロー炉の温度プロファイルは、150℃〜200℃の領域を60秒〜100秒、200℃から260℃の昇温速度を1.5〜2.5℃/秒、最高温度である255℃〜265℃の領域で10〜20秒維持し、260℃から200℃の降温速度を1.5〜2.5℃/秒とした。
【0060】
パッケージがリフロー炉を出た5秒後、再びマイクロメーターにてパッケージの中央部の厚みII(μm)を計測した。さらに10個それぞれのパッケージについて(厚みII−厚みI)を算出し、この10個の平均値を「膨れ」(μm)とした。なお、膨れは小さい方が好ましく、80μm以下であることが特に好ましい。
【0061】
<耐剥離性(対銀メッキ)>
上記と同様のリフロー処理後のパッケージについて、リードフレームの銀メッキ部の剥離状況を超音波探傷器(日立建機(株)製 「mi−scope10」)で観測し、それぞれについて剥離の発生したパッケージ数から不良率を調べた。
【0062】
<耐剥離性(対窒化膜)>
上記と同様のリフロー処理後のパッケージについて、チップ表面の窒化膜の剥離状況を超音波探傷器(日立建機(株)製 「mi−scope10」)で観測し、それぞれについて剥離の発生したパッケージ数から不良率を調べた。
【0063】
<パッケージ充填性(成形性)評価>
上記成形により得られた144pinTQFPパッケージ10個を成形後に目視および断面切断後、20倍の顕微鏡を用いて観察し、ステージ変位・未充填の有無を調べた。ステージ変位・未充填が発生した不良パッケージの数を測定し、パッケージ充填性不良率を計算した。ステージ変位についてはパッケージゲート部とベント部の傾きが100μm以上のものを不良とした。
【0064】
<カル膨れ特性(成形性)評価>
上記と同様の方法でパッケージを10ショット成形して成形性の評価を行った。ただし、キュアータイムは25秒とした。成形後目視によりカル膨れを観察し、カル膨れ特性不良が発生する確率を調べた。
【0065】
[実施例1〜9、比較例1〜7]
表1に示した成分を表2に示す組成比(重量比)で、ミキサーによりドライブレンドした後、ロール表面温度90℃のミキシングロールを用いて5分間加熱混練後、冷却、粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0066】
【表1】
【0067】
【化10】
【0068】
【化11】
【0069】
【化12】
【0070】
【表2】
【0071】
表2に評価結果を示す。表2に見られるように一般式(I)で表されるエポキシ樹脂を用いていない場合、カル膨れ特性(硬化性)が不十分である(比較例2、3、5)。
【0072】
一般式(II)で表されるエポキシ樹脂を用いていない場合、対窒化膜密着性、パッケージ充填性が不十分である(比較例1)。シランカップリング剤(D)が1級アミノ基及び2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤のいずれも含有していない場合、リフロー時の膨れ特性、対銀メッキ密着性、カル膨れ特性が不十分である(比較例5.6.7)。それに対し、本発明のエポキシ樹脂組成物はリフロー時の膨れ特性、対窒化膜密着性、対銀メッキ密着性、パッケージ充填性、カル膨れ特性のいずれも優れている(実施例1〜9)。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればリフロー時の膨れ特性などの耐リフロー信頼性、成形時の充填性およびカル膨れ特性など成形性が優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物によって封止してなる半導体装置を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐リフロー信頼性(膨れ特性,耐銀メッキ密着性、窒化膜密着性)、速硬化(カル膨れ特性)、成形性に優れ、特に半導体封止用として好適なエポキシ樹脂組成物および半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子などの電子回路部品の封止方法として、従来より金属やセラミックスによるハーメチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されているが、その中でも、生産性、物性のバランスの点からエポキシ樹脂による樹脂封止が最も盛んに行われている。エポキシ樹脂による封止方法は、エポキシ樹脂に硬化剤、充填剤などを添加した組成物を用い、半導体素子を金型にセットしてトランスファー成形法などにより封止する方法が一般的に行われている。
【0003】
半導体封止用エポキシ樹脂組成物に要求される特性としては、信頼性および成形性などがあり、信頼性としては半田耐熱性、耐湿性などが、成形性としては充填性、流動性、生産性(カル膨れ特性や連続成形性)、などがあげられる。
【0004】
近年は、半導体装置の高密度実装化の流れにともない従来のリードピンを基板の穴に挿入する挿入実装方式から、基板表面に半導体装置を半田付けする表面実装方式が主流になっている。表面実装においては、通常半田リフローによる実装が行われる。この方法では、基板の上に半導体装置を乗せ、これらを200℃以上の高温にさらし、基板にあらかじめつけられた半田を溶融させて半導体装置を基板表面に接着させる。このような実装方法では半導体装置全体が高温にさらされるため、封止樹脂組成物の耐湿性が悪いと吸湿した水分が半田リフロー時に爆発的に膨張しクラックが生じたり、半導体装置中の部材と封止樹脂組成物との界面で剥離が生じるという現象が起こる。特に近年ではインナーリードの銀メッキとの密着性が重要視されるようになってきている。
【0005】
また薄型パッケージの場合、銀ペースト層が吸湿してリフロー時にシリコンチップまたはリードフレームとの界面から剥離し、パッケージ底部が押し下げられてパッケージ底部が膨らむ現象(膨れ特性)が起こり問題になっている。
【0006】
更に、近年では環境保護の点から鉛を含んでいない鉛フリー半田の使用が進んでいるが、鉛フリー半田は融点が高く、そのためリフロー温度も上がることになりこれまで以上の耐リフロー信頼性が求められている。
【0007】
一方、半導体装置自体も高密度実装化の流れから、従来のDIP(デュアル・インライン・パッケージ)からFPP(フラット・プラスチック・パッケージ)に移行してきており、中でも最近では厚さ2mm以下のTSOP、TQFP、LQFPが主流となっている。そのため湿気や温度など外部からの影響をいっそう受けやすくなり、高温リフロー信頼性、耐熱性、耐湿性などの信頼性がますます重要となっている。さらに、上記のように半導体装置のさらなる薄型化にともなって、封止樹脂組成物にはよりよい充填性、流動性が求められるようになってきた。
【0008】
一般に耐リフロー信頼性を向上させるには封止樹脂組成物中の充填剤の割合を上げることが有効であることが知られている。封止樹脂組成物中の樹脂成分を減らすことによって耐湿性が向上するからである。しかしながら封止樹脂組成物中の充填剤の割合を大きくすると封止樹脂の成形時の溶融粘度が上昇し、成形が困難になるといった問題点がある。
【0009】
これまでに耐リフロー信頼性を向上させるエポキシ樹脂としてテトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、スルフィド構造含有エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−134183号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平6−145300号公報(請求項1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1記載のエポキシ樹脂組成物は、硬化速度が遅く、生産性が悪化するという問題があり、特許文献2記載のエポキシ樹脂組成物はチップ表面の窒化膜との密着性が十分でなかった。本発明の課題は耐リフロー信頼性(膨れ特性,耐銀メッキ密着性、窒化膜密着性)、速硬化性を同時に満足するようなエポキシ樹脂組成物と半導体装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目標を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0013】
本発明は、主として次の構成を有する。すなわちエポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)及びシランカップリング剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)として下記一般式(I)で表されるスルフィド構造含有エポキシ樹脂(a1)及び下記一般式(II)で表されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を必須成分として含有し、かつシランカップリング剤(D)が1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を必須成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
【0014】
【化4】
【0015】
(式中、R1〜R8は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、同一であっても異なっても良い。nは0以上の整数を示す。)
【0016】
【化5】
【0017】
(式中、R9〜R18は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、同一であっても異なっても良い。nは0以上の整数を示す。)
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を詳述する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填材(C)及びシランカップリング剤(D)を含有する。
【0019】
本発明におけるエポキシ樹脂(A)は上記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂(a1)及び上記一般式(II)で表されるエポキシ樹脂(a2)を必須成分として含有する。これらのエポキシ樹脂を含有することにより耐リフロー信頼性(膨れ特性,対銀メッキ密着性、窒化膜密着性)、速硬化性(カル膨れ特性)の全てにおいて優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0020】
本発明において上記一般式(I)で表されるスルフィド構造含有エポキシ樹脂の具体例としては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィド、2,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィド、2,2’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィド、3,3,5,5’−テトラメチル−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィド、2,2’−ジメチル−5,5’−ジターシャルブチル−4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィドなどが挙げられる。その中でも、流動性、速硬化性に優れる下記式(IV)で表される4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)スルフィドが好ましい。
【0021】
【化6】
【0022】
本発明において上記一般式(II)で表されるビスフェノール型エポキシ樹脂の具体例としては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、2,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシフェニル)メタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテル、3,3’、5,5’−テトラメチル−4,4’−イソプロピリデンジフェノールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。その中でも、リードフレームやシリコンチップに対する密着性の良い下記一般式(V)で表されるビスフェノールF型エポキシ樹脂(a3)が好ましい。
【0023】
【化7】
【0024】
(式中、R27〜R30は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、同一であっても異なっても良い。)
【0025】
エポキシ樹脂(a1)の含有量はエポキシ樹脂(A)中5〜95重量%が好ましく、10〜90重量%がさらに好ましい。5重量%以上であれば耐リフロー信頼性(特に対銀メッキ密着性)、速硬化性(カル膨れ特性)を向上させる効果が得られ、95重量%以下であれば窒化膜密着性を低下させることもない。
【0026】
また、エポキシ樹脂(a2)の含有量はエポキシ樹脂(A)中95〜5重量%が好ましく、90〜10重量%がさらに好ましい。5重量%以上であれば窒化膜密着性を向上させる効果が得られ、95重量%以下であれば速硬化性(カル膨れ特性)を低下させることもない。
【0027】
さらにはエポキシ樹脂(A)がエポキシ樹脂(a1)とエポキシ樹脂(a2)のみからなることが好ましく、この場合、エポキシ樹脂(a1)のエポキシ樹脂(a2)に対する配合比率は重量比で(a1)/(a2)=10/90〜90/10が好ましく、さらに好ましくは20/80〜80/20が良い。
【0028】
用途によっては上記エポキシ樹脂(a1)および(a2)以外のエポキシ樹脂を併用しても良い。その他のエポキシ樹脂としては1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般が併用可能である。例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラエチルビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラブチルビフェニルなどのビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、およびハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられる。その他のエポキシ樹脂として2種以上用いても良い。なかでも、一般式(VI)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a3)が第3のエポキシ樹脂成分として好ましく用いられる。
【0029】
【化8】
【0030】
(式中、R19〜R26は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、同一であっても異なっても良い。)
【0031】
エポキシ樹脂(a1)、エポキシ樹脂(a2)およびエポキシ樹脂(a3)の3種を用いる場合の好ましい配合割合は (a1)と(a2)の合計量に対する(a3)の配合比率は重量比で((a1)+(a2))/(a3)=90/10〜10/90が好ましく、さらに好ましくは90/10〜50/50が良い。また、これら3種を用いる場合においても、エポキシ樹脂(a1)のエポキシ樹脂(a2)に対する配合比率は重量比で(a1)/(a2)=10/90〜90/10が好ましく、さらに好ましくは20/80〜80/20が良い。
【0032】
本発明においてエポキシ樹脂(A)の配合量は全樹脂組成物に対して通常2〜25重量%、特に2〜10重量%が好ましい。
【0033】
硬化剤(B)としては、エポキシ樹脂と反応して硬化させるものであれば特に限定されず、それらの具体例としては、例えばフェノールノボラック、クレゾールノボラック、ナフトールノボラックなどのノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物およびメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミンなどがあげられる。なかでも下記一般式(III)で表されるフェノールアラルキル樹脂(b1)が特に好ましく使用される。さらに好ましくは下記一般式(VII)で表されるp−キシレン型フェノールアラルキル樹脂が良い。
【0034】
【化9】
【0035】
(式中、nは0以上の整数を示す。)
【0036】
フェノールアラルキル樹脂(b1)を用いることにより良好な信頼性と成形性が得られる。硬化剤(B)の溶融粘度はICI(150℃)粘度で1Pa・s以下、さらには0.3Pa・s以下のものが特に好ましく使用される。
【0037】
硬化剤(B)としてフェノールアラルキル樹脂(b1)以外のものを併用する場合、耐熱性、耐湿性および保存性に優れる点から、フェノール性水酸基を有する硬化剤が好ましい。フェノール性水酸基を有する硬化剤の具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス(ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンとフェノールの縮合化合物、ジシクロペンタジエン骨格含有フェノール樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル誘導体/キシレン誘導体共重合系フェノール化合物などがあげられる。
【0038】
2種以上の硬化剤を併用する場合、フェノールアラルキル樹脂(b1)の含有量は硬化剤(B)全量に対して10重量%以上が好ましく、20重量%以上であることがさらに好ましい。
【0039】
硬化剤(B)の配合量はエポキシ樹脂組成物全体に対して通常0.5〜12重量%、特に1〜6重量%が好ましい。さらにはエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の配合比は、機械的性質、及び耐湿性も点からエポキシ樹脂(A)に対する硬化剤(B)の化学当量比が0.5〜1.5、特に0.6〜1.3の範囲にあることが好ましい。
【0040】
本発明においてエポキシ樹脂(A)と硬化剤(B)の硬化反応を促進するために硬化促進剤を用いてもよい。硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィンなどのりん系化合物、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルベンジルメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などのアミン系化合物などが成形性、信頼性の点で好ましく用いられるが、硬化反応を促進するものであれば特に限定されない。
【0041】
これらの硬化促進剤は、用途によっては2種以上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂(A)100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が望ましい。
【0042】
本発明における無機充填材(C)の具体例としては非晶性シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタンや酸化アンチモンなどの金属酸化物、アスベスト、ガラス繊維およびガラス球などが挙げられるが、中でも非晶性シリカは線膨脹係数を低下させる効果が大きく、低応力化に有効ななため好ましく用いられる。形状としては、破砕状のものや球状のものが用いられ、流動性の点から球状のものが特に好ましく使用される。
【0043】
ここでいう非晶性シリカは、一般的には真比重が2.3以下のものを意味する。この非晶性シリカは公知の任意の方法で製造方法でき、例えば結晶性シリカを溶融する方法および金属ケイ素の酸化による方法、アルコキシシランの加水分解など、各種原料からの合成方法が使用できる。非晶性シリカのなかでも石英を溶融して製造される球状溶融シリカが特に好ましく使用され、球状溶融シリカを全充填材(C)中に90重量%以上含有することが特に好ましい。
【0044】
本発明における無機充填剤(C)としては球状溶融シリカ以外の充填剤を併用することができる。その具体例としては破砕溶融シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、アスベスト、ガラス繊維などが挙げられ、中でも成形性、信頼性の点から破砕溶融シリカ、結晶性シリカがより好ましい。
【0045】
無機充填材(C)の粒径および粒度分布については、特に限定はないが、流動性、成形時のバリ低減の点から、平均粒径(メディアン径を意味する。以下同じ。)が5〜30μmの範囲にあることが好ましい。また、平均粒径または粒度分布の異なる充填材を2種以上組み合わせることもできる。無機充填材(C)中に粒子径0.01μm〜1.00μmのものを5〜30重量%を含有させることが特に好ましく、5重量%〜20重量%含有するのがさらによい。それにより樹脂組成物全体に無機充填材の配合比率を高めることができ、耐リフロー性の向上と、ステージシフト低減など成形性の向上を両立できる。
【0046】
無機充填剤(C)の割合は全樹脂組成物に対して80〜95重量%であることが好ましく、85〜93重量%が特に好ましい。
【0047】
無機充填剤(C)の粒径45μm以上における球形度は0.75〜1.0であることが好ましい。粒径分布の全体でなく、粒径45μm以上の粗粒域における球形度の向上がエポキシ樹脂組成物の流動性を向上する上で効果的である。
【0048】
ここで球形度は、走査型電子顕微鏡(例えば、日本電子社製「JSM T200型」)と画像解析装置(例えば、日本アビオニクス社製)を用い、次のようにして測定することができる。
【0049】
すなわち、試料のSEM写真から粒子の投影面積(A)と周囲長(PM)を測定する。周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とすると、その粒子の球形度はA/Bとして表示できる。そこで、試料粒子の周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定すると、PM=2πr、B=πr2であるから、B=π×(PM/2π)2 となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A×4π/(PM)2として算出することができる。そこで、無機充填材粒子の集合体である無機充填材粉末の球形度は、無機充填材粉末から任意に選んだ1000個の粒子について測定し、その平均値で代表させるものとする。球形度は0.80〜1.0であることがさらに好ましい。
【0050】
本発明においてはシランカップリング剤(D)が1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を含有することを特徴とする。1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を含有するシランカップリング剤(D)を使用することにより耐リフロー信頼性、特に対銀メッキ密着性及びカル膨れ特性(硬化性)を向上することができる。
【0051】
一級アミノシランとしては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシシラン等が、二級アミノシランとしては、例えば、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルジエトキシシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、上記アミノシランカップリング剤は単独、もしくは混合して用いても良い。
【0052】
また他の一般のシランカップリング剤と混合して用いても良い。併用するシランカップリング剤の具体例としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−(2,3−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカトプロピルメチルジメトキシシラン、などが挙げられるが、シランカップリング剤(D)中に、1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を10重量%以上含有することが特に好ましい。
【0053】
シランカップリング剤(D)は充填材にあらかじめ表面処理しても構わないが、単に他の構成成分とブレンドするだけでも効果を発現できる。
【0054】
シランカップリング剤(D)の配合割合としてはエポキシ樹脂組成物全量に対して0.1〜2重量%添加することが流動性及び充填性の点で好ましい。
【0055】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、さらに次に挙げる各種添加剤を任意に含有することができる。すなわちカーボンブラックおよび酸化鉄などの各種着色剤や各種顔料、シリコーンゴム、オレフィン系共重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴムなどの各種エラストマー、シリコーンオイル、ポリエチレンなどの各種熱可塑性樹脂、フッ素系、シリコーン系などの界面活性剤、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミドおよびパラフィンワックスなどの各種離型剤およびハイドロタルサイト類などのイオン捕捉剤、有機過酸化物などの架橋剤である。
【0056】
本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法としては、たとえば溶融混練による方法が好ましく、各種原料をミキサーなどで混合した後、通常は60〜140℃で、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することにより製造できる。このエポキシ樹脂組成物は通常粉末またはタブレット状態から、成形によって半導体封止に供される。半導体素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が一般的であるがインジェクション成形法や圧縮成形法も可能である。成形条件としては、たとえばエポキシ樹脂組成物を成形温度150℃〜200℃、成形圧力5〜15MPa、成形時間30〜300秒で成形し、エポキシ樹脂組成物の硬化物とすることによって半導体装置が製造される。また、必要に応じて上記成形物を100〜200℃で2〜15時間、追加加熱処理も行われる。
【0057】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はここに掲げた実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の%は重量%を示す。評価は以下の条件で実施した。
【0058】
<膨れ特性(耐リフロー信頼性)評価>
得られた樹脂組成物について144pinTQFP(外形:20mm×20mm×1.0mm、フレーム材料:42アロイ)用金型を用いて、低圧トランスファー成形機で金型温度175℃、キュアータイム1分間の条件でパッケージを成形した。なお評価用のチップとしては表面に窒化珪素膜を被覆した模擬素子を搭載した、チップサイズ8mm×8mm×0.3mmのものを用いた。
【0059】
上記成形により得られた144pinTQFPのパッケージ10個を180℃、6時間の条件でポストキュアーした後、マイクロメーターにてパッケージ中央部の厚みI(μm)を計測した。これを85℃/60%RHで24時間加湿後、最高温度260℃のIRリフロー炉で加熱処理した。なお、リフロー炉の温度プロファイルは、150℃〜200℃の領域を60秒〜100秒、200℃から260℃の昇温速度を1.5〜2.5℃/秒、最高温度である255℃〜265℃の領域で10〜20秒維持し、260℃から200℃の降温速度を1.5〜2.5℃/秒とした。
【0060】
パッケージがリフロー炉を出た5秒後、再びマイクロメーターにてパッケージの中央部の厚みII(μm)を計測した。さらに10個それぞれのパッケージについて(厚みII−厚みI)を算出し、この10個の平均値を「膨れ」(μm)とした。なお、膨れは小さい方が好ましく、80μm以下であることが特に好ましい。
【0061】
<耐剥離性(対銀メッキ)>
上記と同様のリフロー処理後のパッケージについて、リードフレームの銀メッキ部の剥離状況を超音波探傷器(日立建機(株)製 「mi−scope10」)で観測し、それぞれについて剥離の発生したパッケージ数から不良率を調べた。
【0062】
<耐剥離性(対窒化膜)>
上記と同様のリフロー処理後のパッケージについて、チップ表面の窒化膜の剥離状況を超音波探傷器(日立建機(株)製 「mi−scope10」)で観測し、それぞれについて剥離の発生したパッケージ数から不良率を調べた。
【0063】
<パッケージ充填性(成形性)評価>
上記成形により得られた144pinTQFPパッケージ10個を成形後に目視および断面切断後、20倍の顕微鏡を用いて観察し、ステージ変位・未充填の有無を調べた。ステージ変位・未充填が発生した不良パッケージの数を測定し、パッケージ充填性不良率を計算した。ステージ変位についてはパッケージゲート部とベント部の傾きが100μm以上のものを不良とした。
【0064】
<カル膨れ特性(成形性)評価>
上記と同様の方法でパッケージを10ショット成形して成形性の評価を行った。ただし、キュアータイムは25秒とした。成形後目視によりカル膨れを観察し、カル膨れ特性不良が発生する確率を調べた。
【0065】
[実施例1〜9、比較例1〜7]
表1に示した成分を表2に示す組成比(重量比)で、ミキサーによりドライブレンドした後、ロール表面温度90℃のミキシングロールを用いて5分間加熱混練後、冷却、粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
【0066】
【表1】
【0067】
【化10】
【0068】
【化11】
【0069】
【化12】
【0070】
【表2】
【0071】
表2に評価結果を示す。表2に見られるように一般式(I)で表されるエポキシ樹脂を用いていない場合、カル膨れ特性(硬化性)が不十分である(比較例2、3、5)。
【0072】
一般式(II)で表されるエポキシ樹脂を用いていない場合、対窒化膜密着性、パッケージ充填性が不十分である(比較例1)。シランカップリング剤(D)が1級アミノ基及び2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤のいずれも含有していない場合、リフロー時の膨れ特性、対銀メッキ密着性、カル膨れ特性が不十分である(比較例5.6.7)。それに対し、本発明のエポキシ樹脂組成物はリフロー時の膨れ特性、対窒化膜密着性、対銀メッキ密着性、パッケージ充填性、カル膨れ特性のいずれも優れている(実施例1〜9)。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればリフロー時の膨れ特性などの耐リフロー信頼性、成形時の充填性およびカル膨れ特性など成形性が優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物によって封止してなる半導体装置を得ることができる。
Claims (4)
- エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、無機充填剤(C)及びシランカップリング剤(D)を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)として下記一般式(I)で表されるスルフィド構造含有エポキシ樹脂(a1)及び下記一般式(II)で表されるビスフェノール型エポキシ樹脂(a2)を必須成分として含有し、かつシランカップリング剤(D)が1級アミノ基または2級アミノ基を有するアミノシランカップリング剤を必須成分として含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 無機充填剤(C)の粒径45μm以上における球形度が0.75〜1.0であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物によって封止されたことを特徴とする半導体装置。
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