JP2021147498A - 封止用樹脂組成物および電子装置 - Google Patents

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【課題】半導体パッケージのリフロー時のクラックの発生を抑制できる封止用樹脂組成物の提供。【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填剤と、を含み、以下の手順により算出されるKaおよびKbにおいて、Kb/Kaが0.40〜1.3であり、かつKbが0.4以上である。(手順)所定の条件で、試験片を作成し硬化物とする。ASTMD5045−99:KQ法に準拠し、下記式より算出された破壊靭性値をKa(式中aは、ノッチ深さ3.5mm)、ノッチ先端部分に深さ0.1mmのクラックを施した硬化物について、同様に算出された破壊靭性値をKb(式中aは、ノッチ深さ3.5mmとクラック深さ0.1mmの合計の深さ)。KQ=(PQ/(B×W1/2))×f(x)f(x)=6x1/2[1.99−x(1−x)(2.15−3.93x+2.7x2)]/[(1+2x)(1−x)3/2]x=a/W【選択図】図1

Description

本発明は、封止用樹脂組成物および電子装置に関する。
熱硬化性樹脂の一種であるエポキシ樹脂は、その硬化物が優れた耐熱性、電気絶縁性などの特性を有しているため、電気及び電子材料、塗料、接着剤、複合材料など様々な分野に用いられている。特に、電気及び電子材料分野においては、エポキシ樹脂は半導体封止材やプリント基板材料などに用いられている。
例えば、特許文献1には、特定の構造を有するエポキシ樹脂について記載されており、かかるエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物はその硬化物において優れた耐湿性、耐衝撃性を有しており、電気・電子部品用絶縁材料及び積層板(プリント配線板など)やCFRPを始めとする各種複合材料、接着剤、塗料等に使用する場合に極めて有用であるとされている。
特開2002−121257号公報
近年の電子機器の薄型化、小型化、軽量化、多機能化にともない、部品の表面実装による高密度化が進み、半導体の表面実装パッケージが広く行われるようになっている。しかしながら、半導体パッケージのはんだ付けの際、半導体パッケージにクラックが発生するという問題が生じる場合があった。その発生要因は、半導体パッケージの保管時などにおいて、雰囲気中の水蒸気により吸湿した半導体パッケージが、リフロー時に高温に曝されることによって、水蒸気が拡散したり、線膨張係数の差による剪断力が生じること等が挙げられる。その結果、ICパッケージ(MSL)と、封止材との界面で剥離やクラックが生じる。
特許文献1記載のような従来の封止材は、このような半導体パッケージのリフロー時のクラックの発生を抑制する点で十分なものではなかった。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、同じエポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填剤と、を含む封止用樹脂組成物であっても、半導体パッケージのリフロー時のクラックの発生を抑制できる場合と、そうでない場合とがあることに着目し、かかる要因について鋭意検討を行った結果、特定の破壊靭性値を指標として用いることが有効であることを見出した。すなわち、本発明は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填剤と、を含む封止用樹脂組成物が、所定の条件により特定される破壊靭性値を有することにより、効果的に半導体パッケージのリフロー時のクラックの発生を抑制できることができるものである。
本発明によれば、
エポキシ樹脂と、
硬化剤と、
無機充填剤と、
を含み、
以下の手順により算出されるKaおよびKbにおいて、
Kb/Kaが0.40〜1.3であり、かつKbが0.4以上である、封止用樹脂組成物が提供される。
(手順)トランスファー成形装置(金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒)を用いて、当該封止用樹脂組成物から試験片を作成する。当該試験片に、長さ50mm、幅B5mm、厚みW10mmの大きさで、長さ方向中央部に厚み方向の深さ3.5mmのノッチを形成し、175℃で4時間硬化し、硬化物を得る。
得られた硬化物を用いて、ASTM D5045−99で規格されているK法に準拠し、3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき算出された破壊靭性値(K(MPa・m1/2))をKaとする。なお、式中aは、前記ノッチ深さ3.5mmを示す。
また、得られた前記硬化物の前記ノッチ先端部分に厚み方向の深さ0.1mmのクラックを剃刀で施したのち、ASTM D5045−99で規格されているK法に準拠し、3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき算出された破壊靭性値(K(MPa・m1/2))をKbとする。なお、式中aは、前記ノッチ深さ3.5mmと前記クラック深さ0.1mmの合計の深さを示す。
=(P/(B×W1/2))×f(x)
f(x)=6x1/2[1.99−x(1−x)(2.15−3.93x+2.7x)]/[(1+2x)(1−x)3/2
x=a/W
また本発明によれば、
電子部品と、前記電子部品を封止する封止材とを備える電子装置であって、
前記封止材が、上記の封止用樹脂組成物の硬化物で構成される、電子装置が提供される。
本発明によれば、半導体パッケージのクラックの発生を抑制できる封止用樹脂組成物、および当該封止用樹脂組成物の硬化物を封止材として含む電子装置が提供される。
本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る電子装置の他の例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、(i)同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合や、(ii)特に図2以降において、図1と同様の構成要素に改めては符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1〜5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本明細書における「有機基」の語は、特に断りが無い限り、有機化合物から1つ以上の水素原子を除いた原子団のことを意味する。例えば、「1価の有機基」とは、任意の有機化合物から1つの水素原子を除いた原子団のことを表す。
本明細書における「電子装置」の語は、半導体チップ、半導体素子、プリント配線基板、電気回路ディスプレイ装置、情報通信端末、発光ダイオード、物理電池、化学電池など、電子工学の技術が適用された素子、デバイス、最終製品等を包含する意味で用いられる。
<封止用樹脂組成物>
本実施形態の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填剤と、を含み、以下の手順により算出されるKaおよびKbにおいて、Kb/Kaが0.40〜1.3であり、かつKbが0.4以上である。
(手順)トランスファー成形装置(金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒)を用いて、当該封止用樹脂組成物から試験片を作成する。当該試験片に、長さ50mm、幅B5mm、厚みW10mmの大きさで、長さ方向中央部に厚み方向の深さ3.5mmのノッチを形成し、175℃で4時間硬化し、硬化物を得る。
得られた硬化物を用いて、ASTM D5045−99で規格されているK法に準拠し、3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき算出された破壊靭性値(K(MPa・m1/2))をKaとする。なお、式中aは、前記ノッチ深さ3.5mmを示す。
また、得られた前記硬化物の前記ノッチ先端部分に厚み方向の深さ0.1mmのクラックを剃刀で施したのち、ASTM D5045−99で規格されているK法に準拠し、3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき算出された破壊靭性値(K(MPa・m1/2))をKbとする。なお、式中aは、前記ノッチ深さ3.5mmと前記クラック深さ0.1mmの合計の深さを示す。
=(P/(B×W1/2))×f(x)
f(x)=6x1/2[1.99−x(1−x)(2.15−3.93x+2.7x)]/[(1+2x)(1−x)3/2
x=a/W
すなわち、本実施形態の封止用樹脂組成物の硬化物において、Kbは当該硬化物に所定のノッチを施した時の破壊靭性を示すものであり、Kaは当該硬化物にノッチを施していないときの破壊靭性を示すものである。
ここで、破壊靭性とは、亀裂状の欠陥を有する材料に応力がかかった際、亀裂が進行することを抑制するための材料が有する抵抗力を意味する。例えば、セラミックスは、硬いという性質がある反面、破壊に対してもろいという性質があることが知られており、セラミックスは靭性が低いといわれる。破壊靭性とは、かかる靭性をより具体的に示すものである。
本実施形態の封止用樹脂組成物においては、硬化物のKbを0.4以上に制御することで、硬化物の靭性を得ることができると考えられる。これにくわえ、本実施形態の封止用樹脂組成物においては、Kb/Kaを0.40〜1.3とすることで、亀裂に対する抵抗力を保持しつつ、適度な引張強度を保持でき、硬化物全体の強度バランスが良好となることで、半導体パッケージにクラックが発生することを抑制できると推測される。
Kbは、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.7以上である。Kbを、下限値以上とすることにより、曲げ弾性率、曲げ強度を高めることができる。一方、Kbの上限値は特に限定されないが、流動性を確保する観点から、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましい。また、Kaは、好ましくは0.6〜8であり、より好ましくは0.8〜7であり。さらに好ましくは1.1〜5である。また、Kb/Kaは、好ましくは0.50〜1.25であり、より好ましくは0.60〜1.25であり、さらに好ましくは0.65〜1.25である。
本実施形態の封止用樹脂組成物において、上記Kb、Kb/Kaは、封止用樹脂組成物の材料の選択により、当業者が公知の方法によって調整しうるものである。言い換えると、本実施形態の封止用樹脂組成物は、Kb、Kb/Kaを特定の数値範囲に制御することで、クラックの発生を抑制できることを見出した点に技術的意義を有する。
[スパイラルフロー]
本実施形態の封止用樹脂組成物のスパイラルフロー流動長は、封止用樹脂組成物を成形する際の充填性をより効果的に向上させる観点から、好ましくは50cm以上であり、より好ましくは70cm以上、さらに好ましくは90cm以上であり、流動性を向上させる観点からは、100cm以上がことさらに好ましい。また、スパイラルフロー流動長の上限値は、限定されないが、たとえば200cm以下とすることができる。
[その他物性]
本実施形態の封止用樹脂組成物の硬化物(金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間2分としたのち、175℃、4時間で後硬化したもの)の25℃における曲げ弾性率は、硬化物の強度を高める観点から、好ましくは5GPa以上であり、より好ましくは7GPa以上、さらに好ましくは9GPa以上である。
また、応力緩和特性に優れた硬化物を実現する観点から、上記曲げ弾性率は、好ましくは30GPa以下であり、好ましくは25GPa以下であり、より好ましくは23GPa以下である。
曲げ弾性率は、JIS K 6911に準拠して測定される。
本実施形態の封止用樹脂組成物の硬化物(金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間2分としたのち、175℃、4時間で後硬化したもの)の25℃における曲げ強度は、硬化物の強度を高める観点から、好ましくは50MPa以上であり、より好ましくは80MPa以上、さらに好ましくは110MPa以上である。また、応力緩和特性に優れた硬化物を実現する観点から、25℃における曲げ強度は、好ましくは300MPa以下であり、より好ましくは250MPa以下であり、さらに好ましくは200MPa以下である。
硬化物の25℃における曲げ強度は、JIS K 6911に準拠して測定される。
[形態]
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、液状、固形のいずれの形態とすることも可能であるが、固形であることが好ましい。また、本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、粒子状、タブレット状、シート状、または顆粒状とすることが可能であるが、成形性を良好にし、反りを効果的に抑制する観点から、顆粒状の封止用樹脂組成物であることが好ましい。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、顆粒状である場合、その平均粒径は2mm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下である。これにより、大面積化した金型への充填性を向上させることができる。また、上記平均粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上であり、0.3mmを越えてもよく、0.4mm以上としてもよい。これにより、製造安定性に優れた顆粒状の封止用樹脂組成物を実現することができる。
圧縮成形金型への安定した供給性、生産性、良好な秤量精度を得るという観点からは、顆粒は微粉及び粗粉が少ないことが好ましく、例えば、封止用樹脂組成物全体に対し、2mm以上の粒子の割合が3質量%以下、106μm未満の微粉の割合が5質量%以下とすることができる。
なお、顆粒の粒度分布は、JIS標準篩を用いてふるい分け試験にて求めることができる。
また、顆粒密度は例えば、1.5〜2.1g/cmであることが好ましい。
以下、封止用樹脂組成物の各成分について説明する。
[エポキシ樹脂]
本実施形態の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;アリールアルキレン型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、トリスフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、これらの中から1種を単独で用いてよいし、異なる2種類以上を併用してもよい。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量の下限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましい。
また、封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量の上限値は、封止用樹脂組成物の全固形分100質量%に対して、例えば、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。これにより、成形時における封止用樹脂組成物の流動性を適切に設定できる。したがって、充填性を向上できる。なお、本実施形態において、封止用樹脂組成物の全固形分とは、溶媒を除く全含有成分の合計を示す。
[硬化剤]
本実施形態の封止用樹脂組成物は、硬化剤を含む。硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖脂肪族ジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、パラキシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、メタキシレンジアミン、パラキシレンジアミン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、ジシアノジアミド等のアミノ類;アニリン変性レゾール樹脂やジメチルエーテルレゾール樹脂等のレゾール型フェノール樹脂;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル樹脂;ナフタレン骨格やアントラセン骨格のような縮合多環構造を有するフェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等を含む酸無水物等;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテル等のポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネート等のイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂等の有機酸類等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
この中でも、硬化剤としては、耐湿性、信頼性等の点から、1分子内に少なくとも2個のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂、シリコン変性フェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;レゾール型フェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン;フェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂等が例示される。この中でも、封止用樹脂組成物の硬化物の耐熱性や、金型成形時の作業性の観点から、トリヒドロキシフェニルメタン型フェノール樹脂を用いることができる。
本実施形態において、封止用樹脂組成物中の硬化剤の含有量の上限値は、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分に対して10.0質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以下であることがより好ましく、5.0質量%以下であることがさらに好ましく、3.0質量%以下であることが一層好ましい。これにより、成形時における流動性を向上させることができる。したがって、充填性を向上させることができる。
また、封止用樹脂組成物中の硬化剤の含有量の下限値は、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分に対して0.3質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることがさらに好ましい。これにより、封止樹脂組成物の硬化速度を適切に調整することができる。したがって、局所的な硬化反応の進行により、内部応力が上昇するのを抑制できる。
[無機充填剤]
本実施形態の封止用樹脂組成物は無機充填剤を含む。無機充填剤としては、例えば、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ等のシリカ、シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、およびガラス繊維の中から選ばれる1種または2種以上が挙げられる。なかでも、シリカが好ましく、溶融球状シリカがより好ましい。
無機充填剤は、吸湿性低減、線膨張係数低減、熱伝導性向上および強度向上を図るために用いられる。
上記無機充填剤の平均粒径D50の上限値は、金型充填性の観点から、例えば、50μm以下であり、好ましくは45μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下である。これにより、大面積化した金型内における充填性を向上させることができる。また、上記無機充填剤の平均粒径D50の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上とすることができる。
また、無機充填剤は、体積基準粒度分布において、0.01μm〜10μmと、10μm〜50μmの間に、少なくともひとつずつのピークを有することが好ましい。言い換えると、異なる粒径の無機充填剤を2種以上含むことが好ましい。これにより、粒径が大きい粒子の間に、粒径が小さい粒子が入り込み、充填性を向上しやすくなる。
本実施形態において、無機充填剤の平均粒径D50は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)を用いて測定することが可能である。
本実施形態において、無機充填剤の含有量の下限値は、例えば、封止用樹脂組成物全体に対して、50質量%以上であり、好ましくは75質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上である。これにより、封止用樹脂組成物の硬化物の低吸湿性および低熱膨張性を向上させ、電子装置の耐湿信頼性や耐リフロー性をより効果的に向上させることができる。また、上記無機充填剤の含有量の上限値は、特に限定されないが、例えば、封止用樹脂組成物全体に対して、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましく、90質量%以下であることがとくに好ましい。これにより、封止用樹脂組成物の成形時における流動性や充填性をより効果的に向上させることが可能となる。
本実施形態のその他、以下の成分を含むことができる。これにより、さらに安定的に反りの発生を抑制することができる。
[硬化促進剤]
本実施形態の封止用樹脂組成物には、硬化促進剤を用いることができる。用いられる硬化促進剤としては、エポキシ基と硬化剤との硬化反応を促進させるものであればよく、一般に封止材料に使用するものを用いることができる。上記硬化促進剤としては、例えば、有機ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等が例示されるアミジンや3級アミン、前記アミジンやアミンの4級塩等の窒素原子含有化合物から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性を向上させる観点からはリン原子含有化合物を含むことがより好ましい。また、成形性と硬化性のバランスを向上させる観点からは、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等の潜伏性を有するものを含むことがより好ましい。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、有機ホスフィンとしては、例えばエチルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジフェニルホスフィン等の第2ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の第3ホスフィンが挙げられる。
より好ましいものとしては、封止用樹脂組成物が溶融した後の急激な増粘が少ない潜伏性を有する硬化促進剤が挙げられる。
[着色剤]
本実施形態の封止用樹脂組成物は、着色剤を含んでもよい。着色剤は、最終的な封止材を所望の色味にしたり、色味による機能を付与するため等に用いられる。着色剤としては、オレンジ染料、黄色染料、黒色染料、カーボンブラックおよび酸化チタンなどが挙げられる。なかでも、適度な黒色を得る観点から、黒色酸化チタンおよびカーボンブラックの少なくとも一方を含むことが好ましい。
着色剤の含有量は、封止用樹脂組成物全体に対して、0.01質量%以上、3.0質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上、2.0質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上、1.0質量%以下がさらに好ましい。着色剤の含有量を上記範囲内とすることにより、封止体を所望の色味にしやすくなる。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、上記各成分以外に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、離型剤、低応力剤、感光剤、消泡剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、およびイオン捕捉剤等から選択される一種または二種以上の添加物を含有してもよい。
上記カップリング剤としては、例えばエポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランカップリング剤、フェニルアミノプロピルトリメトキシシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。
上記レベリング剤としては、アクリル系共重合物等が挙げられる。
上記離型剤としては、天然ワックス、モンタン酸エステル等の合成ワックス、高級脂肪酸もしくはその金属塩類、パラフィン、酸化ポリエチレン等が挙げられる。
上記低応力剤としては、シリコーンゴム等が挙げられる。
上記イオン捕捉剤としては、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
上記難燃剤としては、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
本実施形態においては、例えば、上記低応力剤と上記離型剤とを併用してもよい。
<封止用樹脂組成物の製造方法>
本実施形態に係る封止用樹脂組成物を得る方法について説明する。本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、本実施形単に係る構成を満足すれば、特にその製造方法が限定されるものではないが、例えば以下の方法で製造することができる。
具体的には、複数の小孔を有する円筒状外周部と円盤状の底面から構成される回転子の内側に、溶融混練された樹脂組成物を供給し、その樹脂組成物を、回転子を回転させて得られる遠心力によって小孔を通過させて得る方法(以下、「遠心製粉法」とも言う。);各原料成分をミキサーで予備混合後、ロール、ニーダー又は押出機等の混練機により加熱混練後、冷却、粉砕工程を経て粉砕物としたものを、篩を用いて粗粒と微紛の除去を行って得る方法(以下、「粉砕篩分法」とも言う。);各原料成分をミキサーで予備混合後、スクリュー先端部に小径を複数配置したダイを設置した押出機を用いて、加熱混練を行うとともに、ダイに配置された小孔からストランド状に押し出されてくる溶融樹脂をダイ面に略平行に摺動回転するカッターで切断して得る方法(以下、「ホットカット法」とも言う。)等が挙げられる。
いずれの方法においても、製造工程において、原料として使用する熱膨張性フィラーの膨張開始温度より低い温度を保つか、原料として使用する熱膨張性フィラーの膨張開始温度以上となる時間を短く保つことが好ましく、例えば、混合温度を110℃以下とすることが好ましく、100℃以下とすることがさらに好ましい。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、半導体素子の封止に用いることができ、また、半導体素子の封止用に限定されず、その他の素子の封止、ECU(engine control unit)の一括封止、ローターコアの封止等様々な封止用途に用いることができる。半導体素子の封止に用いる場合、上記半導体素子としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子等が挙げられる。半導体素子を備える半導体パッケージの構造としては、例えば、ボール・グリッド・アレイ(BGA)、MAPタイプのBGA等が挙げられる。また、チップ・サイズ・パッケージ(CSP)、クワッド・フラット・ノンリーデッド・パッケージ(QFN)、embedded WLP(eWLP)、Fan In WLPおよびFan Out WLP等のウエハ・レベルパッケージ(WLP)、スモールアウトライン・ノンリーデッド・パッケージ(SON)、リードフレーム・BGA(LF−BGA)等が挙げられる。
<電子装置、その製造方法>
上述の封止用樹脂組成物を用いて、電子装置を製造することができる。
具体的には、電子部品と、その電子部品を封止する封止材(この封止材は、上述の封止用樹脂組成物の硬化物である)とを備える電子装置を得ることができる。
以下、電子装置の一例を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、電子装置100の構成を示す断面図である。図1に記載の電子装置100は、基板30上に搭載された半導体素子20と、その半導体素子20を封止する封止材50と、を備える。封止材50は、本実施形態の封止用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物により構成される。
図1には、基板30が回路基板である場合が示されている。この場合、図1に示されるように、基板30のうちの半導体素子20を搭載する一面とは反対側の他面には、例えば複数の半田ボール60が形成される。半導体素子20は基板30上に搭載され、かつ、ワイヤ40を介して基板30と電気的に接続される。一方で、半導体素子20は、基板30に対してフリップチップ実装されてもよい。ここで、ワイヤ40は、例えば銅で構成される。
封止材50は、例えば半導体素子20のうちの基板30と対向する一面とは反対側の他面を覆うように半導体素子20を封止する。図1においては、半導体素子20の他面と側面を覆うように封止材50が形成されている。
封止材50は、例えば本実施形態の封止用樹脂組成物をトランスファー成形法または圧縮成形法等の公知の方法を用いて成形することにより形成することができる。
ここで、例えば、圧縮成形を行う場合には、金型内を減圧下にしながら封止を行うことが好ましく、真空条件下であるとさらに好ましい。これにより、充填部分を残すことなく、封止材50で埋設することができる。
圧縮成形における成形温度は、例えば、100℃以上200℃以下としてもよく、120℃以上180℃以下としてもよい。成形圧力は、例えば、0.5MPa以上12MPa以下としてもよく、1MPa以上10MPa以下としてもよい。成形時間は、例えば、30秒以上15分以下としてもよく、1分以上10分以下としてもよい。本実施形態において、成形温度、圧力、時間を上記範囲とすることで、溶融状態の封止用樹脂組成物が充填されない部分が発生することを防止することができる。
また、得られた封止材50に対して、最終的な特性を改善したり、特性を完了するため、封止後、ポストキュアを実施してもよい。ポストキュア温度は、例えば、150℃以上200℃以下としてもよく、165℃以上185℃以下としてもよい。ポストキュア時間は、例えば、1時間以上5時間以下としてもよく、2時間以上4時間以下としてもよい。
上記電子装置100の製造方法としては、例えば、
基板30上に半導体素子20を搭載する工程と、
本実施形態の封止用樹脂組成物を用いて、半導体素子20を封止する封止工程と、
を含む製造方法が挙げられる。
また、電子装置100を、さらに他の基板と電気的に接合した電子装置を製造方法するため、封止工程の後に、リフロー工程を行ってもよい。
図2は、図1とは異なる、電子装置100の構成を示す断面図である。
図2の電子装置100は、基板30としてリードフレームが用いられている。この場合、半導体素子20は、例えば基板30のうちのダイパッド32上に搭載され、かつワイヤ40を介してアウターリード34へ電気的に接続される。また、封止材50は、図1の例と同様にして、本実施形態の封止用樹脂組成物を用いて形成される。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<封止用樹脂組成物の調製>
表1に示す封止用樹脂組成物の調製には、以下の原料を用いた。
[原料]
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:NC−3000(日本化薬社製、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂2:1032H60(三菱ケミカル社製、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂3:オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(長春人造樹脂社製、CNE195LL)
(硬化剤)
・硬化剤1:GPH−65(日本化薬社製、前述の一般式(1)において、グリシジルオキシ基をヒドロキシに換えた構造に該当)
・硬化剤2:MEH−7500(明和化成、トリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂)
・硬化剤3:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト株式会社製、PR−HF−3)
(無機充填剤)
・無機充填剤1:FB560(デンカ社製、溶融球状シリカ、平均粒径D5031μm)
・無機充填剤2:SO−C2(アドマ社製、合成球状シリカ、平均粒径D500.5μm)
・無機充填剤3:CL−303(住友化学社製、水酸化アルミニウム、平均粒径D505μm)
・無機充填剤4:DAB−30FC(デンカ社製、酸化アルミニウム、平均粒径D5013μm)
(硬化促進剤)
・硬化促進剤1:下記式(13)で示される化合物
Figure 2021147498
[上記式(13)で示される化合物の合成方法]
撹拌装置付きのセパラブルフラスコに4,4’−ビスフェノールS37.5g(0.15モル)、メタノール100mlを仕込み、室温で撹拌溶解し、更に攪拌しながら予め50mlのメタノールに水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)を溶解した溶液を添加した。次いで予め150mlのメタノールにテトラフェニルホスホニウムブロマイド41.9g(0.1モル)を溶解した溶液を加えた。しばらく攪拌を継続し、300mlのメタノールを追加した後、フラスコ内の溶液を大量の水に撹拌しながら滴下し、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、白色結晶の上記式(13)で示される化合物を得た。
(着色剤)
・着色剤1:カーボンブラック「カーボン♯5」(三菱ケミカル社製)
(カップリング剤)
・カップリング剤1:以下の式(2)で表されるN−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、東レ・ダウコーニング社製「CF−4083」
Figure 2021147498
(離型剤)
・離型剤1:WE−4(クラリアントジャパン社製、モンタン酸エステルワックス)
[手順]
まず、表1に記載の各成分を、ミキサーを用いて混合した。次いで、得られた混合物を、ロール混練し、その後冷却し、さらに粉砕した。これにより、粉粒体である封止用樹脂組成物を得た。
得られた各封止用樹脂組成物を用いて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<評価>
[破壊靭性値]
トランスファー成形装置(金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒)を用いて、当該封止用樹脂組成物から試験片を作成する。当該試験片に、長さ50mm、幅B5mm、厚みW10mmの大きさで、長さ方向中央部に厚み方向の深さ3.5mmのノッチを形成し、175℃で4時間硬化し、硬化物を得た。
得られた硬化物を用いて、ASTM D5045−99で規格されているK法に準拠し、3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき算出された破壊靭性値(K(MPa・m1/2))をKaとした。なお、式中aは、前記ノッチ深さ3.5mmとした。
また、得られた前記硬化物の前記ノッチ先端部分に厚み方向の深さ0.1mmのクラックを剃刀で施したのち、ASTM D5045−99で規格されているK法に準拠し、3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき算出された破壊靭性値(K(MPa・m1/2))をKbとした。なお、式中aは、前記ノッチ深さ3.5mmと前記クラック深さ0.1mmの合計の深さとした。
=(P/(B×W1/2))×f(x)
f(x)=6x1/2[1.99−x(1−x)(2.15−3.93x+2.7x)]/[(1+2x)(1−x)3/2
x=a/W
[スパイラルフロー]
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−30」)を用いて、EMM I−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型に、金型温度175℃、注入圧力6 .9MPa、保圧時間120秒間の条件で、各例得られた封止用樹脂組成物を注入、硬化 させ、スパイラルフロー(cm)を測定した。
[曲げ弾性率]
曲げ弾性率は、JIS K 6911に準拠して測定される。
[曲げ強度]
曲げ強度は、JIS K 6911に準拠して測定される。
[MSL剥離]
各実施例および各比較例について、次のように耐クラック性の評価を行った。
まず、得られた封止用樹脂組成物を使用して、次のタイプのパッケージ(以下、PKGと略す)をMAP成形用のトランスファー成形機を用いて準備した(成形温度175℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間2分)。サイズ240mm×70mm×0.23mmの基板に10×10×0.20mmのSiチップを64(4×16)枚マウントした。そして、樹脂厚みが0.45mmになるように設計したPKGを用いた。次いで、PKGのMSL剥離を観察し、以下の基準に従い評価した(処理前)。
さらに、上記で作成したPKGを乾燥機で175℃4時間のポストモールドキュアを実施し、引き続き125℃20時間乾燥させた。それを恒温恒湿槽で60℃60%120時間保管し、リフロー装置で260℃処理を3回実施した。リフロー処理後の剥離有無を観察し、以下の基準に従い評価した(L3)。結果を表1に示す。
・基準
〇:剥離0個
△:剥離1〜8個(5割未満)
×:剥離9〜16個(5割以上)
Figure 2021147498
20 半導体素子
30 基板
32 ダイパッド
34 アウターリード
40 ワイヤ
50 封止材
60 半田ボール
100 電子装置

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂と、
    硬化剤と、
    無機充填剤と、
    を含み、
    以下の手順により算出されるKaおよびKbにおいて、
    Kb/Kaが0.40〜1.3であり、かつKbが0.4以上である、封止用樹脂組成物。
    (手順)トランスファー成形装置(金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120秒)を用いて、当該封止用樹脂組成物から試験片を作成する。当該試験片に、長さ50mm、幅B5mm、厚みW10mmの大きさで、長さ方向中央部に厚み方向の深さ3.5mmのノッチを形成し、175℃で4時間硬化し、硬化物を得る。
    得られた硬化物を用いて、ASTM D5045−99で規格されているK法に準拠し、3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき算出された破壊靭性値(K(MPa・m1/2))をKaとする。なお、式中aは、前記ノッチ深さ3.5mmを示す。
    また、得られた前記硬化物の前記ノッチ先端部分に厚み方向の深さ0.1mmのクラックを剃刀で施したのち、ASTM D5045−99で規格されているK法に準拠し、3点曲げ試験をおこない、下記式に基づき算出された破壊靭性値(K(MPa・m1/2))をKbとする。なお、式中aは、前記ノッチ深さ3.5mmと前記クラック深さ0.1mmの合計の深さを示す。
    =(P/(B×W1/2))×f(x)
    f(x)=6x1/2[1.99−x(1−x)(2.15−3.93x+2.7x)]/[(1+2x)(1−x)3/2
    x=a/W
  2. 前記無機充填剤は、シリカ、アルミナ、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、およびガラス繊維の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
  3. 前記無機充填剤の含有量は、当該封止用樹脂組成物の固形分全体に対して50質量%以上、99質量%以下である、請求項1または2に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、およびトリスフェニルメタン型エポキシ樹脂の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1乃至3いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
  5. さらに着色剤を含む、請求項1乃至4いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
  6. さらに硬化促進剤を含む、請求項1乃至5いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
  7. 粒子状、顆粒状、タブレット状またはシート状である、請求項1乃至6いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物。
  8. 電子部品と、前記電子部品を封止する封止材とを備える電子装置であって、
    前記封止材が、請求項1乃至7いずれか一項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物で構成される、電子装置。
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