JP2021195480A - 封止用樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents

封止用樹脂組成物及び電子部品装置 Download PDF

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Takehiro Nakamura
格 山浦
Itaru Yamaura
昌勲 洪
Chang Xun Hong
東哲 姜
Dong-Cheol Kang
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Abstract

【課題】硬化開始温度の低い封止用樹脂組成物の提供。【解決手段】エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤からなる混合樹脂と、無機充填材と、硬化促進剤と、を含有し、前記混合樹脂が、トリフェニルメタン骨格を有する樹脂と、フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂と、を含む封止用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物及び電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コストなどの面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物が広く用いられている(例えば特許文献1)。これは、エポキシ樹脂が作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性のバランスに優れるためである。また、COB(Chip on Board)、COG(Chip on Glass)、TCP(Tape Carrier Package)等のベアチップ実装した電子部品装置においても、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物が封止材として広く使用されている。
特開2017−115083号公報
樹脂組成物によって素子を封止する工程においては、生産性及び作業性向上の観点から、低温において短時間で硬化終了することが求められている。
本開示の一形態は、硬化開始温度の低い封止用樹脂組成物、及び前記封止用樹脂組成物により封止された素子を備える電子部品装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1>
エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤からなる混合樹脂と、無機充填材と、硬化促進剤と、を含有し、
前記混合樹脂が、トリフェニルメタン骨格を有する樹脂と、フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂と、を含む封止用樹脂組成物。
<2>
前記エポキシ樹脂が、前記トリフェニルメタン骨格を有する樹脂を含む<1>に記載の封止用樹脂組成物。
<3>
前記フェノール硬化剤が、前記フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂を含む<1>又は<2>に記載の封止用樹脂組成物。
<4>
前記硬化促進剤が、有機リン系硬化促進剤及びイミダゾール系硬化促進剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の封止用樹脂組成物。
<5>
前記フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂は、ナフトールアラルキル骨格を有する樹脂を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の封止用樹脂組成物。
<6>
前記フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂は、ビフェニル構造を有する樹脂を含む<1>〜<4>のいずれか1つに記載の封止用樹脂組成物。
<7>
素子と、
前記素子を封止する<1>〜<6>のいずれか1つに記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、
を備える電子部品装置。
本開示の一形態によれば、硬化開始温度の低い封止用樹脂組成物、及び前記封止用樹脂組成物により封止された素子を備える電子部品装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
[封止用樹脂組成物]
本開示の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤からなる混合樹脂(以下、単に「混合樹脂」ともいう)と無機充填材と硬化促進剤とを含有し、混合樹脂が、トリフェニルメタン骨格を有する樹脂(以下「TPM樹脂」ともいう)と、フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂(以下「AR樹脂」ともいう)と、を含む。
本開示の封止用樹脂組成物は、混合樹脂がTPM樹脂とAR樹脂とを含むため、硬化開始温度が低く抑えられる。その理由は定かではないが、反応起点を多く有するTPM樹脂によって反応性が向上しつつ、反応性に加えて平面性も高いAR樹脂によって立体障害が低減されることで、硬化開始温度が低く抑えられるためと推測される。また、混合樹脂がTPM樹脂とAR樹脂の両方を含むことで、封止用樹脂組成物が硬化する過程における反りの発生も抑制されると推測される。
以下、本開示の封止用樹脂組成物に含まれ得る成分について詳細に説明する。
<混合樹脂>
エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤からなる混合樹脂は、TPM樹脂とAR樹脂とを含む。混合樹脂がTPM樹脂とAR樹脂とを含む形態としては、エポキシ樹脂がTPM樹脂を含みフェノール硬化剤がAR樹脂を含む形態、エポキシ樹脂がAR樹脂を含みフェノール硬化剤がTPM樹脂を含む形態、エポキシ樹脂がTPM樹脂及びAR樹脂を含む形態、及びフェノール硬化剤がTPM樹脂及びAR樹脂を含む形態が挙げられる。また、エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤の両方がTPM樹脂を含んでもよく、エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤の両方がAR樹脂を含んでもよい。
混合樹脂がTPM樹脂とAR樹脂とを含む形態は、上記の中でも、エポキシ樹脂がTPM樹脂を含みフェノール硬化剤がAR樹脂を含む形態、及びエポキシ樹脂がAR樹脂を含みフェノール硬化剤がTPM樹脂を含む形態が好ましく、エポキシ樹脂がTPM樹脂を含みフェノール硬化剤がAR樹脂を含む形態がより好ましい。
なお、封止用樹脂組成物は、混合樹脂以外の樹脂成分(すなわち、エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤以外の樹脂成分)を含んでもよい。混合樹脂以外の樹脂成分としては、フェノール硬化剤以外の硬化剤等が挙げられる。封止用樹脂組成物が混合樹脂以外の樹脂成分を含む場合、樹脂成分全体に対する混合樹脂の含有率は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。
以下、エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤それぞれについて説明する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであればその種類は特に制限されない。
エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂は、TPM樹脂及びAR樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、TPM樹脂を含むことがより好ましい。また、エポキシ樹脂は、TPM樹脂及びAR樹脂以外のエポキシ樹脂を含んでもよい。
エポキシ樹脂がTPM樹脂及びAR樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む場合、エポキシ樹脂全体に対するTPM樹脂及びAR樹脂の合計含有率は、硬化開始温度低減の効果を発揮する観点から、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。なお、フェノール硬化剤がTPM樹脂及びAR樹脂の両方を含む場合、エポキシ樹脂は、TPM樹脂及びAR樹脂の両方を含まなくてもよい。
−TPM樹脂であるエポキシ樹脂−
TPM樹脂であるエポキシ樹脂としては、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂であれば特に制限されるものではなく、例えば、トリフェニルメタン骨格を持つ化合物を原料とするエポキシ樹脂が挙げられる。
TPM樹脂であるエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂をエポキシ化したものであるトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が挙げられ、その中でも、下記一般式(VIII)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。
Figure 2021195480
式(VIII)中、R17及びR18は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iは各々独立に0〜3の整数、kは各々独立に0〜4の整数を示す。nは平均値であり、0〜10の数を示す。
上記一般式(VIII)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、かつ、kが0であるエポキシ樹脂が好ましい。
−AR樹脂であるエポキシ樹脂−
AR樹脂であるエポキシ樹脂としては、フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有するエポキシ樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェノール、クレゾール等のフェノール性化合物及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ビス(メトキシメチル)ベンゼン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル、又はこれらの誘導体と、から合成されるフェノール樹脂を原料とするエポキシ樹脂が挙げられる。
AR樹脂であるエポキシ樹脂は、これらの中でも、フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。
また、AR樹脂であるエポキシ樹脂は、ビフェニル構造を有してもよい。
AR樹脂であるエポキシ樹脂としては、フェノール、クレゾール等のフェノール化合物及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ビス(メトキシメチル)ベンゼン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル、又はこれらの誘導体と、から合成されるフェノール樹脂をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂が好ましく、その中でも下記一般式(X)で表されるエポキシ樹脂及び下記一般式(XI)で表されるエポキシ樹脂がより好ましい。
Figure 2021195480
式(X)及び(XI)において、R38は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R37、R39〜R41は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、jはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、kはそれぞれ独立に0〜4の整数を示す。nは平均値であり、それぞれ独立に0〜10の数である。ただしj+k≦5である。
上記一般式(X)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、R38が水素原子であるエポキシ樹脂が好ましい。
また、上記一般式(XI)で表されるエポキシ樹脂の中でも、iが0であり、jが0であり、kが0であるエポキシ樹脂が好ましい
上記一般式(VIII)、(X)、及び(XI)中のR17、R18、及びR37〜R41について、「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」とは、例えば、式(X)中の8〜88個のR38の全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。他のR17〜、R18、R37、及びR39〜R41についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも異なっていてもよいことを意味している。また、R17、R18、及びR37〜R41はそれぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、R17とR18の全てについて同一でも異なっていてもよい。
また、一般式(VIII)、(X)、及び(XI)における炭素数1〜18の1価の有機基はアルキル基又はアリール基であることが好ましい。
上記一般式(VIII)、(X)、及び(XI)中のnは、平均値であり、それぞれ独立に0〜10の範囲であることが好ましい。nが10以下であると樹脂成分の溶融粘度が高くなりすぎず、封止用樹脂組成物の溶融成形時の粘度が低下し、充填不良、ボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形等の発生が抑制される傾向にある。nは0〜4の範囲に設定されることがより好ましい。
−その他のエポキシ樹脂−
その他のエポキシ樹脂(すなわち、TPM樹脂及びAR樹脂以外のエポキシ樹脂)としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール化合物及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等の脂肪族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものであるノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等);上記フェノール化合物及びナフトール化合物と、アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものである共重合型エポキシ樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のジグリシジルエーテルであるジフェニルメタン型エポキシ樹脂;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;スチルベン系フェノール化合物のジグリシジルエーテルであるスチルベン型エポキシ樹脂;ビスフェノールS等のジグリシジルエーテルである硫黄原子含有エポキシ樹脂;ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のアルコール類のグリシジルエーテルであるエポキシ樹脂;フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の多価カルボン酸化合物のグリシジルエステルであるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;アニリン、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等の窒素原子に結合した活性水素をグリシジル基で置換したものであるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール化合物の共縮合樹脂をエポキシ化したものであるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;分子内のオレフィン結合をエポキシ化したものであるビニルシクロヘキセンジエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン等の脂環型エポキシ樹脂;パラキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるパラキシリレン変性エポキシ樹脂;メタキシリレン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるメタキシリレン変性エポキシ樹脂;テルペン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるテルペン変性エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるジシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルであるシクロペンタジエン変性エポキシ樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂のグリシジルエーテルである多環芳香環変性エポキシ樹脂;ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;などが挙げられる。さらにはシリコーン樹脂のエポキシ化物、アクリル樹脂のエポキシ化物等もエポキシ樹脂として挙げられる。
−エポキシ樹脂の特性等−
エポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されない。成形性、耐リフロー性、及び電気的信頼等の各種特性バランスの観点からは、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、100g/eq〜1000g/eqであることが好ましく、150g/eq〜500g/eqであることがより好ましく、150g/eq〜300g/eqであることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236:2009に準じた方法で測定される値とする。
なお、エポキシ樹脂を複数種用いている場合は、前記複数種のエポキシ樹脂全体のエポキシ当量が、上記範囲であることが好ましい。
エポキシ樹脂が固体である場合、その軟化点又は融点は特に制限されない。エポキシ樹脂の軟化点又は融点は、成形性と耐リフロー性の観点からは40℃〜180℃であることが好ましく、封止用樹脂組成物の調製の際の取扱い性の観点からは50℃〜130℃であることがより好ましく、50℃〜100℃であることがさらに好ましい。
エポキシ樹脂の融点は示差走査熱量測定(DSC)で測定される値とし、エポキシ樹脂の軟化点はJIS K 7234:1986に準じた方法(環球法)で測定される値とする。
封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有率は、強度、流動性、耐熱性、成形性等の観点から0.5質量%〜50質量%であることが好ましく、2質量%〜30質量%であることがより好ましい。
(フェノール硬化剤)
フェノール硬化剤は、フェノール性水酸基を分子中に有するものであればその種類は特に制限されず、例えば、1分子中に2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂及び多価フェノール化合物が挙げられる。
フェノール硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール硬化剤は、TPM樹脂及びAR樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、AR樹脂を含むことがより好ましい。また、フェノール硬化剤は、TPM樹脂及びAR樹脂以外のフェノール硬化剤を含んでもよい。
フェノール硬化剤がTPM樹脂及びAR樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を含む場合、フェノール硬化剤全体に対するTPM樹脂及びAR樹脂の合計含有率は、硬化開始温度低減の効果を発揮する観点から、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。なお、エポキシ樹脂がTPM樹脂及びAR樹脂の両方を含む場合、フェノール硬化剤は、TPM樹脂及びAR樹脂の両方を含まなくてもよい。
−TPM樹脂であるフェノール硬化剤−
TPM樹脂であるフェノール硬化剤としては、トリフェニルメタン骨格を有するフェノール硬化剤であれば特に制限されるものではなく、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール性化合物と、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等の芳香族アルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるトリフェニルメタン型フェノール樹脂が挙げられる。
TPM樹脂であるフェノール硬化剤の具体例としては、例えば、下記一般式(XVI)で表されるフェノール樹脂が挙げられる。
Figure 2021195480
式(XVI)中、R30及びR31は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、kはそれぞれ独立に0〜4の整数である。nは平均値であり、0〜10の数である。
上記一般式(XVI)で表されるフェノール樹脂の中でも、iが0であり、kが0であるフェノール樹脂が好ましい。
−AR樹脂であるフェノール硬化剤−
AR樹脂であるフェノール硬化剤としては、フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、フェノール、クレゾール等のフェノール性化合物及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ビス(メトキシメチル)ベンゼン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル、又はこれらの誘導体と、から合成されるフェノール樹脂が挙げられる。
AR樹脂であるフェノール硬化剤は、さらに他のフェノール樹脂と共重合していてもよい。共重合したフェノール硬化剤としては、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂との共重合型フェノール樹脂等が挙げられる。
また、AR樹脂であるフェノール硬化剤は、ビフェニル構造を有してもよい。
AR樹脂であるフェノール硬化剤としては、フェノール、クレゾール等のフェノール化合物及びナフトール、ジメチルナフトール等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、ビス(メトキシメチル)ベンゼン、ビス(メトキシメチル)ビフェニル、又はこれらの誘導体と、から合成されるフェノール樹脂が好ましく、その中でも下記一般式(XII)〜(XIV)で表されるフェノール樹脂がより好ましい。
Figure 2021195480
式(XII)〜(XIV)において、R23は水素原子又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R22、R24、R25、及びR28は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。R26及びR27は水酸基又は炭素数1〜18の1価の有機基を示し、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。iはそれぞれ独立に0〜3の整数であり、jはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、kはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、pはそれぞれ独立に0〜4の整数である。nは平均値であり、それぞれ独立に0〜10の数である。ただしj+k≦5である。
上記一般式(XII)〜(XIV)で表されるフェノール樹脂の中でも、上記一般式(XII)で表され、iが0であり、R23が全て水素原子であるフェノール樹脂、上記一般式(XIII)で表され、iが0であり、kが0であるフェノール樹脂、上記一般式(XIV)で表され、jが0であり、kが0であり、pが0であるフェノール樹脂、上記一般式(XIV)で表され、jが0であり、kが1であり、R27が水酸基であり、pが0であるフェノール樹脂が好ましい。
上記一般式(XII)〜(XIV)及び(XVI)におけるR22〜R28及びR30〜R31について記載した「それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい」は、例えば、式(XII)中のi個のR22の全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。他のR23〜R28及びR30〜R31についても、式中に含まれるそれぞれの個数について全てが同一でも相互に異なっていてもよいことを意味している。また、R22〜R28及びR30〜R31は、それぞれが同一でも異なっていてもよい。例えば、R22及びR23の全てについて同一でも異なっていてもよく、R30及びR31の全てについて同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(XII)〜(XIV)及び(XVI)中のnは、平均値であり、それぞれ独立に0〜10の範囲であることが好ましい。nが10以下であると樹脂成分の溶融粘度が高くなりすぎず、封止用樹脂組成物の溶融成形時の粘度が低下し、充填不良、ボンディングワイヤ(素子とリードを接続する金線)の変形等の発生が抑制される傾向にある。nは0〜4の範囲に設定されることがより好ましい。
−その他のフェノール硬化剤−
その他のフェノール硬化剤(すなわち、TPM樹脂及びAR樹脂以外のフェノール硬化剤)としては、例えば、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、置換又は非置換のビフェノール等の多価フェノール化合物;フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール化合物及びα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種のフェノール性化合物と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;パラキシリレン及び/又はメタキシリレン変性フェノール樹脂;メラミン変性フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;上記フェノール性化合物と、ジシクロペンタジエンと、から共重合により合成されるジシクロペンタジエン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン型ナフトール樹脂;シクロペンタジエン変性フェノール樹脂;多環芳香環変性フェノール樹脂;ビフェニル型フェノール樹脂;これら2種以上を共重合して得たフェノール樹脂;などが挙げられる。
−フェノール硬化剤の特性等−
フェノール硬化剤の水酸基当量は、特に制限されない。成形性、耐リフロー性、電気的信頼性等の各種特性バランスの観点からは、70g/eq〜1000g/eqであることが好ましく、80g/eq〜500g/eqであることがより好ましく、90g/eq〜300g/eqであることがさらに好ましい。
フェノール硬化剤の水酸基当量は、例えば、JIS K 0070:1992に準じた方法により測定される値であってもよい。
フェノール硬化剤が固体である場合、その軟化点又は融点は、特に制限されない。成形性と耐リフロー性の観点からは、40℃〜180℃であることが好ましく、封止用樹脂組成物の製造時における取扱い性の観点からは、50℃〜130℃であることがより好ましい。また、硬化剤の軟化点又は融点は、流動性を向上させる観点及び封止用樹脂組成物の硬化物の高温弾性率を低下させ、耐リフロー性を向上させる観点から、50℃〜100℃であることが好ましい。
フェノール硬化剤の融点又は軟化点は、エポキシ樹脂の融点又は軟化点と同様にして測定される値とする。
エポキシ樹脂とフェノール硬化剤との当量比、すなわちエポキシ樹脂中のエポキシ基数に対するフェノール硬化剤中の官能基数(すなわち水酸基数)の比(フェノール硬化剤中の官能基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限されない。それぞれの未反応分を少なく抑える関連からは、0.5〜2.0の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3の範囲に設定されることがより好ましい。成形性と耐リフロー性の観点からは、0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
<無機充填材>
封止用樹脂組成物は、無機充填材を含有する。
無機充填材の種類は、特に制限されない。無機充填材の具体例としては、溶融シリカ、結晶シリカ、ガラス、アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア、タルク、クレー、マイカ等の無機材料が挙げられる。難燃効果を有する無機充填材を用いてもよい。難燃効果を有する無機充填材としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マグネシウムと亜鉛の複合水酸化物等の複合金属水酸化物、硼酸亜鉛などが挙げられる。中でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが好ましく、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。無機充填材は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填材の状態としては粉未、粉末を球形化したビーズ、繊維等が挙げられる。
なお、「無機充填材を2種類以上組み合わせて用いる」とは、例えば、同じ成分で平均粒子径が異なる無機充填材を2種類以上用いる場合、平均粒子径が同じで成分の異なる無機充填材を2種類以上用いる場合、並びに平均粒子径及び種類の異なる無機充填材を2種類以上用いる場合が挙げられる。
無機充填材の含有率は特に制限されない。流動性及び強度の観点からは、封止用樹脂組成物全体の30体積%〜90体積%であることが好ましく、35体積%〜88体積%であることがより好ましく、40体積%〜85体積%であることがさらに好ましく、70体積%〜85体積%であることが特に好ましい。無機充填材の含有率が封止用樹脂組成物全体の30体積%以上であると、硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、弾性率等の特性がより向上する傾向にある。無機充填材の含有率が封止用樹脂組成物全体の90体積%以下であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇が抑制され、流動性がより向上して成形性がより良好になる傾向にある。
また、無機充填材の含有率は、耐リフロー性及び流動性の観点から、封止用樹脂組成物全体の80質量%〜95質量%であることが好ましく、85質量%〜94質量%であることがより好ましく、88質量%〜93質量%であることがさらに好ましい。無機充填材の含有率が封止用樹脂組成物全体の80質量%以上であると、耐リフロー性が向上する傾向がある。無機充填材の含有率が封止用樹脂組成物全体の95質量%以下であると、流動性に優れる傾向がある。
無機充填材の平均粒子径は、特に制限されない。例えば、体積平均粒子径が0.2μm〜80μmであることが好ましく、0.5μm〜70μmであることがより好ましい。体積平均粒子径が0.2μm以上であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇がより抑制される傾向がある。体積平均粒子径が80μm以下であると、狭い隙間への充填性がより向上する傾向にある。無機充填材の体積平均粒子径は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により、体積平均粒子径(D50)として測定することができる。
封止用樹脂組成物又はその硬化物中の無機充填材の体積平均粒子径は、公知の方法によって測定することができる。例えば、有機溶剤、硝酸、王水等を用いて、又は封止用樹脂組成物若しくはその硬化物の試料を800℃等に加熱処理し、試料を灰化させて、封止用樹脂組成物又は硬化物から無機充填材を抽出し、超音波分散機などで充分に分散して分散液を調製する。この分散液を用いて、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置により測定される体積基準の粒度分布から、無機充填材の体積平均粒子径を測定することができる。また、硬化物を透明なエポキシ樹脂等に埋め込み、研磨して得られる断面を走査型電子顕微鏡にて観察して得られる体積基準の粒度分布から、無機充填材の体積平均粒子径を測定することができる。さらには、FIB装置(集束イオンビームSEM)などを用いて、硬化物の二次元の断面観察を連続的に行い、三次元構造解析を行なうことで測定することもできる。
無機充填材の最大粒子径(カットポイントともいう)は特に制限されない。狭い隙間への充填性の観点からは、無機充填材の最大粒子径は150μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、55μm以下であることがさらに好ましい。
封止用樹脂組成物は、狭い隙間への充填性及びバリの抑制の観点から、体積平均粒子径が、2.0μm以下である無機充填材を混合してなることが好ましく、0.1μm〜2.0μmである無機充填材を混合してなることがより好ましく、0.2μm〜1.5μmの無機充填材を混合してなることがさらに好ましく、0.3μm〜1.0μmである無機充填材を混合してなることが特に好ましい。
封止用樹脂組成物は、体積平均粒子径が2.0μm以下である無機充填材を混合してなる場合、体積平均粒子径が2.0μm超である無機充填材とともに混合してなるものであってもよい。封止用樹脂組成物において、体積平均粒子径が2.0μm以下である無機充填材の混合割合は、無機充填材の全質量に対して0.1質量%〜10質量%であってもよく、0.2質量%〜5質量%であってもよく、0.3質量%〜2質量%であってもよい。
封止用樹脂組成物では、狭い隙間への充填性及びバリの抑制の観点からは、体積平均粒子径が2.0μm以下の無機充填材の含有率は、無機充填材の全量に対して5質量%以上であることが好ましい。体積平均粒子径が2.0μm以下の無機充填材の含有率は、無機充填材の全量に対して5質量%〜30質量%であってもよく、6質量%〜20質量%であってもよく、7質量%〜15質量%であってもよい。
封止用樹脂組成物の流動性の観点からは、無機充填材の粒子形状は角形よりも球形が好ましく、また無機充填材の粒度分布は広範囲に分布したものが好ましい。
耐リフロー性、粘度の上昇抑制等の観点からは、無機充填材はシリカを含むことが好ましく、シリカを主成分として含んでいてもよい。無機充填材がシリカを含む場合のシリカの平均粒子径は特に制限されない。例えば、シリカの体積平均粒子径は0.2μm〜80μmであることが好ましく、0.5μm〜70μmであることがより好ましい。体積平均粒子径が0.2μm以上であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇が抑制される傾向がある。体積平均粒子径が80μm以下であると、狭い隙間への充填性が向上する傾向にある。また、無機充填材は微粒シリカ、例えば平均粒子径が0.01μm〜2.0μm、より好ましくは0.1μm〜1.5μm、さらに好ましくは0.2μm〜1.0μmのシリカを含むことが好ましい。無機充填材が微粒シリカを含むと、狭い隙間への充填性が向上し、硬化物としたときのバリの発生が抑制される傾向にある。
シリカの最大粒子径は特に制限されない。狭い隙間への充填性の観点からは、シリカの最大粒子径は150μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、55μm以下であることがさらに好ましい。
シリカの形状は特に制限されない。封止用樹脂組成物の混練性の観点からは、シリカの粒子形状は球形であることが好ましい。
無機充填材がシリカを含む場合、シリカの含有率は特に限定されず、無機充填材の全質量に対して70質量%〜100質量%であってもよく、80質量%〜100質量%であってもよく、90質量%〜100質量%であってもよい。また、シリカをアルミナと併用する場合のシリカの含有率は、無機充填材の全質量に対して0.1質量%〜10質量%であってもよく、0.2質量%〜5質量%であってもよく、0.3質量%〜2質量%であってもよい。
高熱伝導性の硬化物を得る場合には、無機充填材はアルミナを含むことが好ましく、アルミナを主成分として含むことがより好ましい。無機充填材がアルミナを含む場合のアルミナの平均粒子径は特に制限されない。例えば、アルミナの体積平均粒子径は0.2μm〜80μmであることが好ましく、0.5μm〜70μmであることがより好ましい。体積平均粒子径が0.2μm以上であると、封止用樹脂組成物の粘度の上昇が抑制される傾向がある。体積平均粒子径が80μm以下であると、狭い隙間への充填性が向上する傾向にある。
アルミナの最大粒子径は特に制限されない。狭い隙間への充填性の観点からは、アルミナの最大粒子径は150μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましく、55μm以下であることがさらに好ましい。
好ましい一実施形態において、平均粒子径が0.1μm〜2.0μm、好ましくは0.2μm〜1.5μm、より好ましくは0.3μm〜1.0μmのアルミナと、平均粒子径が2.0μmを超え75μm以下、好ましくは5.0μm〜55μm、より好ましくは8.0μm〜20μmのアルミナと、を併用してもよい。平均粒子径の異なる2種類以上のアルミナを併用することによって、充填性を好適なものとすることができる傾向にある。
アルミナの形状は特に制限されない。封止用樹脂組成物の混練性の観点からは、アルミナの粒子形状は球形であることが好ましい。
無機充填材がアルミナを含む場合、高熱伝導化の観点からは、無機充填材の全質量に対するアルミナの含有率は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることがさらに好ましい。また、低粘度化、混練の作業性等の観点からは、無機充填材の全質量に対するアルミナの含有率は、99.9質量%以下であることが好ましく、99.8質量%以下であることがより好ましく、99.7質量%以下であることがさらに好ましい。
無機充填材がアルミナを含む場合、無機充填材はアルミナに加えてシリカを含むことが好ましい。無機充填材がシリカを含むと、粘度が低下し、混練性及び流動性を向上させることができる傾向にあり、特に微細なシリカを併用することで、硬化物としたときのバリの発生が抑制される傾向にある。特に、無機充填材は微粒シリカ、例えば平均粒子径が0.01μm〜2.0μm、より好ましくは0.1μm〜1.5μm、さらに好ましくは0.2μm〜1.0μmのシリカを含むことが好ましい。弾性率の低減、線膨張係数の低減の観点から無機充填材は大粒子径シリカを含むことが好ましい。
大粒径シリカとしては、好ましくは2.0μmを超え75μm以下、より好ましくは5.0μm〜55μm、さらに好ましくは8.0μm〜20μmであるシリカが挙げられる。
<硬化促進剤>
本開示の封止用樹脂組成物は、硬化促進剤を含有する。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化反応を促進可能な化合物であれば限定はなく、通常用いられる化合物から適宜選択して用いることができる。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化促進剤は、有機リン系硬化促進剤及びイミダゾール系硬化促進剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
有機リン系硬化促進剤としては、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物;これらの有機ホスフィン化合物に無水マレイン酸、キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムエチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムテトラブチルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート;テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレートの誘導体;などが挙げられる。
なお、上記キノン化合物としては、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等が挙げられる。
有機リン系硬化促進剤は、これらの中でも、難燃性、硬化性、流動性、及び離型性の観点からは第三級ホスフィン化合物とキノン化合物との付加反応物が好ましい。なかでも耐湿性及び保存安定性の観点から、有機リン系硬化促進剤は、第三級ホスフィン化合物とp−ベンゾキノンとの付加反応物が好ましい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2―フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物;これらのイミダゾール化合物の誘導体;などが挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤は、これらの中でも、速硬化性、耐熱性、電気特性などの観点から、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−フェニルイミダゾールが好ましく、2−エチル−4−メチルイミダゾールがより好ましい。
有機リン系硬化促進剤及びイミダゾール系硬化促進剤以外のその他の硬化促進剤としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;これらのシクロアミジン化合物に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三級アミン化合物;これらの第三級アミン化合物の誘導体;2−エチル−4−メチルイミダゾリウムテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリニウムテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩;テトラフェニルボロン塩の誘導体;などが挙げられる。
封止用樹脂組成物全体に対する硬化促進剤の含有率は、硬化促進効果が達成される量であれば特に制限されるものではない。封止用樹脂組成物中における硬化促進剤の含有率は、0.005質量%〜2質量%が好ましく、0.01質量%〜0.5質量%がより好ましい。硬化促進剤の含有率が0.005質量%以上の場合、短時間での硬化性に優れる傾向があり、2質量%以下の場合、硬化速度が適切となり良好な成形品を得やすくなる傾向がある。
また樹脂成分100質量部に対する硬化促進剤の含有量は、0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
<各種添加剤>
封止用樹脂組成物は、上述の成分に加えて、以下に例示するカップリング剤、イオン交換体、離型剤、難燃剤、着色剤、応力緩和剤等の各種添加剤を含んでもよい。封止用樹脂組成物は、以下に例示する添加剤以外にも必要に応じて当技術分野で周知の各種添加剤を含んでもよい。
(カップリング剤)
封止用樹脂組成物は、樹脂成分と無機充填材との接着性を高めるために、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤としては、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウム/ジルコニウム系化合物などの公知のカップリング剤が挙げられる。
封止用樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、カップリング剤の量は、無機充填材100質量部に対して0.05質量部〜5質量部であることが好ましく、0.1質量部〜2.5質量部であることがより好ましい。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して0.05質量部以上であると、フレームとの接着性がより向上する傾向にある。カップリング剤の量が無機充填材100質量部に対して5質量部以下であると、パッケージの成形性がより向上する傾向にある。
(イオン交換体)
封止用樹脂組成物は、イオン交換体を含んでもよい。特に、封止用樹脂組成物を封止用成形材料として用いる場合には、封止される素子を備える電子部品装置の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、イオン交換体を含むことが好ましい。イオン交換体は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハイドロタルサイト化合物、並びにマグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及びビスマスからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素の含水酸化物等が挙げられる。イオン交換体は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、下記一般式(A)で表されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg(1−X)Al(OH)(COX/2・mHO ……(A)
(0<X≦0.5、mは正の数)
封止用樹脂組成物がイオン交換体を含む場合、その含有量は、ハロゲンイオン等のイオンを捕捉するのに充分な量であれば特に制限はない。例えば、樹脂成分100質量部に対して0.1質量部〜30質量部であることが好ましく、1質量部〜15質量部であることがより好ましい。
(離型剤)
封止用樹脂組成物は、成形時における金型との良好な離型性を得る観点から、離型剤を含んでもよい。離型剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、カルナバワックス、モンタン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス、酸化ポリエチレン、非酸化ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックスなどが挙げられる。離型剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止用樹脂組成物が離型剤を含む場合、その量は樹脂成分100質量部に対して0.01質量部〜15質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部がより好ましい。離型剤の量が樹脂成分100質量部に対して0.01質量部以上であると、離型性が充分に得られる傾向にある。15質量部以下であると、より良好な接着性が得られる傾向にある。
(難燃剤)
封止用樹脂組成物は、難燃剤を含んでもよい。難燃剤は特に制限されず、従来公知のものを用いることができる。具体的には、ハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む有機又は無機の化合物、金属水酸化物等が挙げられる。難燃剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
封止用樹脂組成物が難燃剤を含む場合、その量は、所望の難燃効果を得るのに充分な量であれば特に制限されない。例えば、樹脂成分100質量部に対して1質量部〜300質量部であることが好ましく、2質量部〜150質量部であることがより好ましい。
(着色剤)
封止用樹脂組成物は、着色剤をさらに含んでもよい。着色剤としてはカーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の公知の着色剤を挙げることができる。着色剤の含有量は目的等に応じて適宜選択できる。着色剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(応力緩和剤)
封止用樹脂組成物は、シリコーンオイル、シリコーンゴム粒子等の応力緩和剤を含んでもよい。応力緩和剤を含むことにより、パッケージの反り変形及びパッケージクラックの発生をより低減させることができる。応力緩和剤としては、一般に使用されている公知の応力緩和剤(可とう剤)が挙げられる。具体的には、シリコーン系、スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の熱可塑性エラストマー、NR(天然ゴム)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンパウダー等のゴム粒子、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体(MBS)、メタクリル酸メチル−シリコーン共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体等のコア−シェル構造を有するゴム粒子などが挙げられる。応力緩和剤は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、シリコーン系応力緩和剤が好ましい。シリコーン系応力緩和剤としては、エポキシ基を有するもの、アミノ基を有するもの、これらをポリエーテル変性したもの等が挙げられる。
<封止用樹脂組成物の調製方法及び特性>
封止用樹脂組成物の調製方法は、特に制限されない。一般的な手法としては、所定の配合量の成分をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。より具体的には、例えば、上述した成分の所定量を均一に撹拌及び混合し、予め70℃〜140℃に加熱してあるニーダー、バンバリミキサ、ロール、エクストルーダー等で混練し、冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。
封止用樹脂組成物は、常温常圧下(例えば、25℃、大気圧下)において固体であることが好ましい。封止用樹脂組成物が固体である場合の形状は特に制限されず、粉状、粒状、タブレット状等が挙げられる。封止用樹脂組成物がタブレット状である場合の寸法及び質量は、パッケージの成形条件に合うような寸法及び質量となるようにすることが取り扱い性の観点から好ましい。
(ゲルタイム)
封止用樹脂組成物の175℃におけるゲルタイムは、30秒〜90秒であることが好ましく、30秒〜60秒であることがより好ましい。
175℃におけるゲルタイムの測定は、以下のようにして行う。具体的には、封止用樹脂組成物の試料0.5gを175℃に熱した熱板上に乗せ、治具を用いて20回転/分−25回転/分の回転速度で、試料を2.0cm〜2.5cmの円状に均一に広げる。試料を熱板に乗せてから、試料の粘性がなくなり、ゲル状態となって熱板から剥がれるようになるまでの時間を計測し、これをゲルタイム(sec)として測定する。
(オンセット温度)
封止用樹脂組成物の硬化開始温度の指標となるオンセット温度は、100℃〜120℃であることが好ましく、100℃〜110℃であることがより好ましい。
オンセット温度の測定は、以下のようにして行う。具体的には、アルミパンに封止用樹脂組成物を10mg計りとり、示差走査熱量計(DISCOVERY DSC25(TA Instruments社製))により、窒素流量30mL/min、室温(25℃)から40℃まで昇温速度10℃/minの条件で昇温し1分間保持し、更に40℃から300℃まで昇温速度10℃/minの条件で昇温したときのDSC曲線を得る。得られたDSC曲線において、発熱ピークが立ち上がる点を通る基線の延長線(つまり、ベースライン)と、発熱ピークが立ち上がる点から発熱ピーク点までの間におけるDSC曲線の変曲点に対する接線と、の交点に相当する温度をオンセット温度とする。
[電子部品装置]
本開示の一実施形態である電子部品装置は、素子と、前記素子を封止する上述の封止用樹脂組成物の硬化物と、を備える。
電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ、有機基板等の支持部材に、素子(半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子など)を搭載して得られた素子部を封止用樹脂組成物で封止したものが挙げられる。
より具体的には、リードフレーム上に素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部とをワイヤボンディング、バンプ等で接続した後、封止用樹脂組成物を用いてトランスファ成形等によって封止した構造を有するDIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC;テープキャリアにバンプで接続した素子を封止用樹脂組成物で封止した構造を有するTCP(Tape Carrier Package);支持部材上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した素子を、封止用樹脂組成物で封止した構造を有するCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール等;裏面に配線板接続用の端子を形成した支持部材の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と支持部材に形成された配線とを接続した後、封止用樹脂組成物で素子を封止した構造を有するBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)などが挙げられる。また、プリント配線板においても封止用樹脂組成物を好適に使用することができる。
封止用樹脂組成物を用いて電子部品装置を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法、インジェクション成形法、圧縮成形法等が挙げられる。これらの中では、低圧トランスファ成形法が一般的である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[封止用樹脂組成物の調製]
下記の材料を表1及び表2に記載の組成(質量部)で混合し、ヘンシェル式ミキサーにて十分に混合した後、混練温度100℃、混練時間180秒の条件で二軸混練機による溶融混練を行った。次いで、得られた溶融物を冷却した後、固体状になったものを粉末状に粉砕することによって、実施例及び比較例の封止用樹脂組成物をそれぞれ調製した。なお、表1及び表2中の空欄は、その成分が未配合であることを意味する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂(エポキシ当量167g/eq、軟化点59℃、三菱ケミカル株式会社、商品名:1032H60、一般式(VIII)で表され、iが0、kが0)
エポキシ樹脂2:フェノールアラルキル骨格を有しビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(エポキシ当量275g/eq、軟化点58℃、日本化薬株式会社、商品名:NC−3000、一般式(X)で表され、iが0、R38が水素原子)
エポキシ樹脂3:フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)との混合物(エポキシ当量237g/eq、軟化点93℃、日本化薬株式会社、商品名:CER−3000、フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂の含有率80質量%)
エポキシ樹脂4:トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂とその他のエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂)との混合物(エポキシ当量164g/eq、軟化点110℃、三菱ケミカル株式会社、商品名:YL6677、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂の含有率75質量%)
エポキシ樹脂5:その他のエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂、エポキシ当量186g/eq、融点108℃、三菱ケミカル株式会社、商品名:YX−4000)
エポキシ樹脂6:その他のエポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂の混合物、エポキシ当量173g/eq、軟化点100℃、三菱ケミカル株式会社、商品名:YL6121H)
エポキシ樹脂7:その他のエポキシ樹脂(ジフェニルメタン型エポキシ樹脂、エポキシ当量191g/eq、融点66℃、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名:YSLV−80XY)
エポキシ樹脂8:その他のエポキシ樹脂(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量200g/eq、軟化点70℃、DIC株式会社、商品名:N−500P)
(フェノール硬化剤)
硬化剤1:トリフェニルメタン骨格を有するフェノール硬化剤(水酸基当量103g/eq、軟化点85℃、明和化成株式会社、商品名:MEH7500−3S、一般式(XVI)で表され、iが0、kが0)
硬化剤2:ナフトールアラルキル骨格を有するフェノール硬化剤(水酸基当量210g/eq、軟化点85℃、日鉄ケミカル&マテリアル株式会社、商品名:SN−485、一般式(XIV)で表され、jが0であり、kが0であり、pが0)
硬化剤3:フェノールアラルキル骨格を有するフェノール硬化剤(水酸基当量174g/eq、軟化点75℃、明和化成株式会社社、商品名:MEHC7800−S、一般式(XIII)で表され、iが0であり、kが0)
硬化剤4:その他のフェノール硬化剤(ノボラック型フェノール樹脂、水酸基当量103g/eq、軟化点83℃、日立化成株式会社、商品名:HP−850N)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:トリブチルホスフィンと1,4−ベンゾキノンの付加反応物
硬化促進剤2:2−エチル−4−メチルイミダゾール
(無機充填材)
溶融シリカ(球状溶融シリカ、平均粒子径9.1μm、比表面積2.1m/g)
(カップリング剤)
N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社、商品名「KBM−573」)
(着色剤)
カーボンブラック(三菱ケミカル株式会社、商品名「MA600」)
(離型剤)
モンタン酸エステルワックス(クラリアントジャパン株式会社、商品名「HW−E」)
[封止用樹脂組成物の測定]
得られた封止用樹脂組成物について、前述の方法で、175℃におけるゲルタイムを測定した。
また、得られた封止用樹脂組成物について、前述の方法で、オンセット温度を測定した。
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2021195480
Figure 2021195480
表1及び表2に示すように、実施例の封止用樹脂組成物は、比較例の封止用樹脂組成物に比べて、硬化開始温度の指標となるオンセット温度が低いことがわかる。

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂及びフェノール硬化剤からなる混合樹脂と、無機充填材と、硬化促進剤と、を含有し、
    前記混合樹脂が、トリフェニルメタン骨格を有する樹脂と、フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂と、を含む封止用樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂が、前記トリフェニルメタン骨格を有する樹脂を含む請求項1に記載の封止用樹脂組成物。
  3. 前記フェノール硬化剤が、前記フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の封止用樹脂組成物。
  4. 前記硬化促進剤が、有機リン系硬化促進剤及びイミダゾール系硬化促進剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  5. 前記フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂は、ナフトールアラルキル骨格を有する樹脂を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  6. 前記フェノールアラルキル骨格及びナフトールアラルキル骨格の少なくとも一方を有する樹脂は、ビフェニル構造を有する樹脂を含む請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物。
  7. 素子と、
    前記素子を封止する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物と、
    を備える電子部品装置。
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