JP2000129094A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

Info

Publication number
JP2000129094A
JP2000129094A JP30381898A JP30381898A JP2000129094A JP 2000129094 A JP2000129094 A JP 2000129094A JP 30381898 A JP30381898 A JP 30381898A JP 30381898 A JP30381898 A JP 30381898A JP 2000129094 A JP2000129094 A JP 2000129094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
epoxy resin
epoxy
molding material
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30381898A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryoichi Ikezawa
良一 池沢
Shinsuke Hagiwara
伸介 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP30381898A priority Critical patent/JP2000129094A/ja
Publication of JP2000129094A publication Critical patent/JP2000129094A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形性、信頼性に優れ、かつ収縮率が小さく、
パッケージの反り変形量が小さい封止用エポキシ樹脂成
形材料及びその成形材料で素子を封止した電子部品装置
を提供する。 【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
(C)エポキシ基を有する有機ケイ素化合物、(D)無
機充填剤を必須成分とし、(D)成分の無機充填剤が
(C)成分のエポキシ基を有する有機ケイ素化合物であ
らかじめ表面処理され、かつ処理後の無機充填剤表面の
エポキシ基の含有量が無機充填剤の表面積1m2に対し
て4.0×10-6〜150×10-6モルであることを特
徴とする封止用エポキシ樹脂成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性、信頼性に
優れ、かつ収縮率が小さく、BGA等のパッケージの反
り変形量を低減することが可能な封止用エポキシ樹脂成
形材料及びその成形材料で封止された素子を備える電子
部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ、IC等の電子
部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面か
ら樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く
用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が作
業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、
インサート品との接着性等の諸特性にバランスがとれて
いるためである。特に、オルソクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂とフェノールノボラック硬化剤の組み合わ
せはこれらのバランスに優れており、IC封止用成形材
料のベース樹脂として主流になっている。また、充填剤
としては溶融シリカなどの無機粉末が添加されており、
カップリング剤としては主にエポキシシラン等のシラン
カップリング剤が使用されている。またカップリング剤
による無機充填剤の処理は各材料を配合する時に同時に
加えるインテグラルブレンド法が主流である。
【0003】近年、電子部品のプリント配線板への高密
度実装化が進んでいる。これに伴い、電子部品装置は従
来のピン挿入型のパッケージから、表面実装型のパッケ
ージが主流になっている。表面実装型のIC、LSIな
どは、実装密度を高くし実装高さを低くするために、薄
型、小型のパッケージになっており、素子のパッケージ
に対する占有体積が大きくなり、パッケージの肉厚は非
常に薄くなってきた。さらに、これらのパッケージは従
来のピン挿入型のものと実装方法が異なっている。即
ち、ピン挿入型パッケージはピンを配線板に挿入した
後、配線板裏面からはんだ付けを行うため、パッケージ
が直接高温にさらされることがなかった。しかし、表面
実装型ICは配線板表面に仮止めを行い、はんだバスや
リフロー装置などで処理されるため、直接はんだ付け温
度にさらされる。この結果、ICパッケージが吸湿した
場合、はんだ付け時に吸湿水分が急激に膨張し、パッケ
ージをクラックさせてしまう。現在、この現象が表面実
装型ICに係わる大きな問題となっている。また、半導
体の集積度の向上に伴い、パッケージの入出力数の増加
も進み、表面実装用の多ピンパッケージとしては、CS
P(Chip Size Package)を含めたBGA(Ball Grild
Array)が主流となりつつある。このBGAは基板上に
搭載した半導体素子を成形材料によって封止するもので
あり、半導体装置の形状が片面封止であること、また半
導体素子搭載用基板と成形材料との物性値の大きな差異
等が原因で、成形温度から室温まで冷却した時、又はリ
フロー温度まで昇温させた時、半導体装置中心部を起点
とし、反り変形が生じやすいという問題がある。このた
め半導体素子搭載用基板に同一面となるように配置した
複数のボールが、半導体装置の反り変形に伴って同一面
に配置されず、場所によって高低差が生じる状態にな
る。これをパッケージD/C動作検査工程で試験を行っ
た時、コネクタ接続に支障をきたし、十分な検査を行え
ない等の不具合が発生することがある。また半導体装置
を実装基板に表面実装した時、ボールの一部が対応する
配線層に完全に接続されず、接続部の信頼性を低下させ
ることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなパッケージ
の反り変形量を低減するために、多官能エポキシ樹脂等
を用いた高Tgの成形材料を使用するなどして対処して
いるが、この場合、耐リフロー性の低下が避けられな
い。この問題を解決するためにICを防湿梱包して出荷
したり、配線板へ実装する前に予めICを十分乾燥して
使用するなどの方法がとられている。しかし、これらの
方法は手間がかかり、コストも高くなる。
【0005】本発明はかかる状況に鑑みなされたもの
で、配線板への実装の際、特定の前処理をすることな
く、はんだ付けを行うことができ、かつパッケージの反
り変形量が小さく、成形性、耐リフロークラック性等の
信頼性も良好な電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料を
提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明者らは、上記の課題を解決するため
鋭意研究を重ねた結果、表面にエポキシ基を特定濃度以
上含有するように表面処理した無機充填剤を配合するこ
とにより、上記の要求を満足する成形材料が得られるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)(A)エポキ
シ樹脂、(B)硬化剤、(C)エポキシ基を有する有機
ケイ素化合物、(D)無機充填剤、を必須成分とし、
(D)成分の無機充填剤が(C)成分のエポキシ基を有
する有機ケイ素化合物であらかじめ表面処理され、かつ
処理後の無機充填剤表面のエポキシ基の含有量が無機充
填剤の表面積1m2に対して4.0×10-6〜150×
10-6モルであることを特徴とする封止用エポキシ樹脂
成形材料、(2)(D)成分の無機充填剤を(C)成分
のエポキシ基を有する有機ケイ素化合物で表面処理する
前に、エポキシ基を有しない有機ケイ素化合物(E)で
表面処理することを特徴とする上記(1)記載の封止用
エポキシ樹脂成形材料、(3)表面処理を10℃〜15
0℃の温度範囲で行うことを特徴とする上記(1)又は
上記(2)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(4)
(E)成分のエポキシ基を有しない有機ケイ素化合物
が、下記一般式(I)で示される化合物及び/又はその
加水分解縮合物であることを特徴とする上記(2)又は
上記(3)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
【化6】R1 nSiX(4-n) …(I) (式中、n個のR1は炭素数1〜25の置換又は非置換
の一価の炭化水素基を示し、全て同一でも異なっていて
もよい。(4−n)個のXはハロゲン原子、炭素数1〜
6のアルコキシ基、アシロキシ基及び水酸基から選ば
れ、全て同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整
数を示す。) (5)(E)成分のエポキシ基を有しない有機ケイ素化
合物が、下記一般式(II)で示される化合物及び/又は
その加水分解縮合物であることを特徴とする上記(2)
又は上記(3)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
【化7】 R1 p(3-p)Si−R2−SiR1 q(3-q) …(II) (式中、p個及びq個のR1は炭素数1〜25の置換又
は非置換の一価の炭化水素基を示し、全て同一でも異な
っていてもよい。R2は炭素数1〜25の置換又は非置
換の二価の炭化水素基を示す。(3−p)個及び(3−
q)個のXはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ
基、アシロキシ基及び水酸基から選ばれ、全て同一でも
異なっていてもよい。p及びqは0〜3の整数を示し、
両者が3の場合を除き同一でもよい。) (6)(C)成分のエポキシ基を有する有機ケイ素化合
物が、下記一般式(III)で示される化合物及び/又は
その加水分解縮合物であることを特徴とする上記(1)
〜上記(5)記載のいずれかの封止用エポキシ樹脂成形
材料、
【化8】R1SiR2 p(3-p) …(III) (式中、R1はエポキシ基を含有する有機官能基を示
し、p個のR2は炭素数1〜25の置換又は非置換の一
価の炭化水素基を示し、全て同一でも異なっていてもよ
い。(3−p)個のYはハロゲン原子、炭素数1〜6の
アルコキシ基、アシロキシ基及び水酸基から選ばれ、全
て同一でも異なっていてもよい。pは0〜2の整数を示
す。) (7)(A)成分が下記一般式(IV)のエポキシ樹脂を
含むことを特徴とする上記(1)〜上記(6)記載のい
ずれかの封止用エポキシ樹脂成形材料、
【化9】 (ここで、R1〜R4は水素及び炭素数1〜10の置換又
は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全て同一でも
異なっていてもよい。nは0〜3を示す。) (8)(B)成分が下記一般式(V)の硬化剤を含むこ
とを特徴とする上記(1)〜上記(7)記載のいずれか
の封止用エポキシ樹脂成形材料、
【化10】 (ここで、Rは水素、炭素数1〜10の置換又は非置換
の一価の炭化水素基及びハロゲン原子から選ばれ、nは
0〜8を示す。) (9)上記(1)〜上記(8)記載のいずれかの封止用
エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備える電
子部品装置、である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
成分のエポキシ樹脂は特に限定はないが、たとえば、封
止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されているもの
で、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルAノ
ボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類と
アルデヒド類から合成されるノボラック樹脂をエポキシ
化したエポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールS、アルキル置換ビフェノール等
のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、
イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの
反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、
ジシクロペンタジエンとフェノ−ル類の共縮合樹脂のエ
ポキシ化物、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、ナフ
トールアラルキル樹脂のエポキシ化物、トリメチロール
プロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、
オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線
状脂肪族エポキシ樹脂、及び脂環族エポキシ樹脂などが
挙げられ、耐リフロー性の面からは下記一般式(IV)の
エポキシ樹脂が好適である。
【0009】
【化11】 (ここで、R1〜R4は水素及び炭素数1〜10の置換又
は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全て同一でも
異なっていてもよい。nは0〜3を示す。)これを例示
すると、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)ビフェニルや4,4’−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェ
ニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリン
と4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフ
ェノールや4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノール
とを反応して得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。中
でも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分
とするエポキシ樹脂が好ましい。このビフェニル型エポ
キシ樹脂を使用する場合、その配合量はエポキシ樹脂全
量に対し60重量%以上とすることが好ましい。60重
量%未満では当該エポキシ樹脂の低吸湿性、高接着性の
特長が発揮されず、耐リフロー性に対して効果が小さい
ためである。これらのエポキシ樹脂は単独で用いても2
種類以上併用してもよい。
【0010】本発明において用いられる(B)成分の硬
化剤は特に限定はないが、例えば、封止用エポキシ樹脂
成形材料で一般に使用されているもので、フェノール、
クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF等のフェノール類又はα−ナフト
ール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナ
フトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類とを酸
性触媒下で縮合又は共縮合させて得られる樹脂、フェノ
ール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂な
どがあり、特に耐リフロー性の面からは下記一般式
(V)で表されるフェノール・アラルキル樹脂が好適で
ある。この硬化剤を用いる場合、配合量は、その性能を
発揮するために硬化剤全量に対して60重量%以上とす
ることが好ましい。
【0011】
【化12】 (ここで、Rは水素、炭素数1〜10の置換又は非置換
の一価の炭化水素基及びハロゲン原子から選ばれ、nは
0〜8を示す。) 中でも下記の式(VI)で示され、nが平均的に0〜8の
ものが好ましい。
【化13】 これらの硬化剤は単独で用いても2種類以上併用しても
よい。
【0012】また、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)
成分の硬化剤の当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエ
ポキシ基数/硬化剤中の水酸基数の比は、特に限定はさ
れないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために
0.7〜1.3の範囲に設定することが好ましく、特に
成形性、耐リフロー性に優れる成形材料を得るためには
0.8〜1.2の範囲に設定することが好ましい。
【0013】本発明において用いられる(C)成分のエ
ポキシ基を有する有機シラン化合物はとしては特に限定
はないが、下記一般式(III)で示される化合物及び/
又はその加水分解縮合物が好適に用いられる。
【化14】R1SiR2 p(3-p) …(III) (式中、R1はエポキシ基を含有する有機官能基を示
し、p個のR2は炭素数1〜25の置換又は非置換の一
価の炭化水素基を示し、全て同一でも異なっていてもよ
い。(3−p)個のYはハロゲン原子、炭素数1〜6の
アルコキシ基、アシロキシ基及び水酸基から選ばれ、全
て同一でも異なっていてもよい。pは0〜2の整数を示
す。) ここで、R1はエポキシ基を含有する有機官能基とは、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン
樹脂、ポリイミド、ナイロン、不飽和ポリエステル、架
橋ポリエチレン等の各種樹脂の反応性官能基と反応して
化学結合を形成し得る有機反応性官能基でエポキシ基を
有するものを示し、例えば、3−グリシドキシプロピル
基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキ
ル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基、4−オキシ
ラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキ
シラニルアルキル基等が挙げられ、中でもグリシドキシ
アルキル基であることが好ましい。R2は炭素数1〜2
5の置換又は非置換の一価の炭化水素基とであり、好ま
しくは炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜10
である。このような炭素数1〜25の置換又は非置換の
一価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル
基、キシリル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、
ブテニル基等のアルケニル基、3−クロロプロピル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化ア
ルキル基、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピ
ル基、3−メタクリロキシプロピル基などが挙げられ、
中でもメチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。ま
た、Yとしては、例えば、塩素原子、臭素原子等のハロ
ゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の
アルコキシ基、アセトキシ基等のアシロキシ基などが挙
げられ、中でもアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、
エトキシ基がより好ましい。
【0014】上記一般式(III)で示される化合物及び
/又はその加水分解縮合物としては、例えば、3−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン等のグリシドキシアルキルア
ルコキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメ
トキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルメチルジエトキシシラン、4−オキシラニル
ブチルトリメトキシシラン、4−オキシラニルブチルト
リエトキシシラン、4−オキシラニルブチルメチルジメ
トキシシラン、4−オキシラニルブチルメチルジエトキ
シシラン、8−オキシラニルオクチルトリメトキシシラ
ン、8−オキシラニルオクチルトリエトキシシラン、8
−オキシラニルオクチルメチルジメトキシシラン、8−
オキシラニルオクチルメチルジエトキシシラン等のオキ
シラニルアルキルアルコキシシランなど、及びこれらの
加水分解縮合物などが挙げられ、単独で用いても、2種
以上併用してもよい。中でも耐湿性、耐リフロークラッ
ク性の観点からはグリシドキシアルキルアルコキシシラ
ンが好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランや3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ランがより好ましい。
【0015】本発明における(D)成分の無機充填剤と
しては、特に限定はないが、溶融シリカ、結晶シリカ、
アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウ
ム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベ
リリア、ジルコニア等の粉体、又はこれらを球形化した
ビーズ、チタン酸カリウム、アルミナ等の単結晶繊維、
ガラス繊維などを1種類以上配合して用いることができ
る。さらに、難燃効果のある無機充填剤として水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、モリブデン酸亜鉛、
硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化モリブデン等が挙げ
られ、これらを単独で用いても併用してもよい。上記の
無機充填剤の中で、線膨張係数低減の観点からは溶融シ
リカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましい。
充填剤形状は、成形時の流動性及び金型摩耗性の点から
球形もしくは球状に近い形が好ましく、50重量%以上
が球形であることがより好ましい。
【0016】無機充填剤(D)の配合量は、吸湿性、線
膨張係数の低減及び強度向上の観点から、成形材料全体
に対して70重量%以上が好ましく、80〜95重量%
がより好ましい。70重量%未満では耐リフロー性が低
下しやすく、95重量%を超える場合には流動性が不足
しがちである。中でも88〜92重量%の範囲がさらに
好適である。
【0017】本発明における(D)成分の無機充填剤
は、あらかじめ(C)成分のエポキシ基を有する有機ケ
イ素化合物で表面処理され、処理後の無機充填剤表面の
エポキシ基の含有量が、無機充填剤の表面積1m2当た
り4.0×10-6〜150×10-6モルであることが必
要である。この無機充填剤表面のエポキシ基含有量は
5.0×10-6〜50×10-6モル/m2であることが
より好ましく、さらに好ましくは6.0×10-6〜15
×10-6モル/m2である。4.0×10-6モル/m2
りも小さい場合は成形材料の収縮率が大きくなり、パッ
ケージの反り変形量が大きくなる。また成形性も低下す
る。また、150×10-6モル/m2よりも大きい場合
は流動性が低下しがちである。無機充填剤表面のエポキ
シ基の含有量の測定方法は特に限定されないが、例え
ば、アルカリ逆滴定によりエポキシ基と未反応の塩酸量
から求めることができる。
【0018】本発明の(D)成分の無機充填剤を(C)
成分のエポキシ基を有する有機ケイ素化合物で表面処理
する方法は、上記のように処理後の無機充填剤表面のエ
ポキシ基の含有量が無機充填剤の表面積1m2に対して
4.0×10-6〜150×10-6モルとなれば、特に限
定するものではないが、無機充填剤表面のエポキシ基の
開環反応を低減させるという観点からは(C)成分のエ
ポキシ基を有する有機ケイ素化合物で表面処理する前
に、(E)成分のエポキシ基を有しない有機ケイ素化合
物で表面処理することが好ましい。(D)成分の無機充
填剤を(C)成分、(E)成分で表面処理する方法とし
ては、例えば、ヘンシェルミキサー等の混合機を用いて
処理する方法等が挙げられる。この処理は酸化雰囲気下
で行ってもよいが、得られる無機充填剤の黄変を防止で
きることから、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
また、処理温度は特に限定されず、10℃〜30℃程度
の常温で処理を行って良いし、30℃〜200℃の加熱
下で処理を行うこともできる。中でも10〜150℃の
範囲に設定されることが好ましく、20〜120℃がよ
り好ましい。10℃より低い場合は処理率が上がりにく
く、150℃より高い場合はエポキシ基の含有量(残存
量)が低下しがちである。また、処理時間は1〜600
分であることが好ましく、3〜180分がより好まし
い。1分よりも短い場合は処理率、エポキシ基含有量が
上がりにくく、成形材料の収縮率が大きくなり、パッケ
ージの反り変形量が大きくなりがちである。600分よ
りも長くしても処理率に大差はなく、生産効率が上がり
にくい。
【0019】このような(C)成分、(E)成分の無機
充填剤(D)成分に対する処理量は特に限定されない
が、それぞれ無機充填剤に対して0.1〜10重量%の
範囲内となる量を用いることが好ましい。より好ましく
は、0.5〜5重量%である。0.1重量%より少ない
場合は、無機充填剤表面のエポキシ基の含有量が十分で
はなく、成形材料の収縮率が大きく、パッケージの反り
変形量が大きくなりがちで、10重量%より多い場合
は、パッケージの成形性が低下しやすい。また(C)成
分と(E)成分の配合比率(C)/(E)は特には限定
されないが、0.1〜10の範囲内となるのが好まし
い。より好ましくは、0.5〜5である。0.1より小
さい場合、5より大きい場合ともに無機充填剤表面のエ
ポキシ基の含有量が不十分で、成形材料の収縮率が大き
く、パッケージの反り変形量が大きくなりがちで、また
成形性も低下しやすい。
【0020】本発明における(E)成分のエポキシ基を
有しない有機ケイ素化合物としては、特に限定はない
が、下記一般式(I)や一般式(II)で示される化合
物、及びそれらの加水分解縮合物が好ましい。
【化15】R1 nSiX(4-n) …(I) ここで、式(I)中のR1は、メチル基、エチル基、プ
ロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシ
リル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、ブテニル
基等のアルケニル基、3−クロロプロピル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル
基、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、
3−メタクリロキシプロピル基などの、炭素数1〜25
の置換又は非置換の一価の炭化水素基を示し、好ましく
は炭素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜10であ
る。中でもメチル基、エチル基、フェニル基が好まし
い。n個のR1は全てが同一でも異なっていてもよい。
Xは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜6のアル
コキシ基、アセトキシ基等の炭素数1〜6のアシロキシ
基、及び水酸基から選ばれ、(4−n)個全てが同一で
も異なっていてもよい。中でも、メトキシ基、エトキシ
基が好ましい。nは0〜3の整数を示し、好ましくは0
または1である。
【0021】上記一般式(I)の有機ケイ素化合物及び
/又はその加水分解縮合物としては、例えば、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等及びこれ
らの加水分解縮合物などが挙げられ、単独で用いても、
2種以上併用してもよい。中でも無機充填剤表面のエポ
キシ基含有量の観点からはジメチルジメトキシシラン、
テトラエトキシシランが好ましい。
【0022】
【化16】 R1 p(3-p)Si−R2−SiR1 q(3-q) …(II) ここで、式(II)中のR1は、メチル基、エチル基、プ
ロピル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシ
リル基等のアリール基、ビニル基、アリル基、ブテニル
基等のアルケニル基、3−クロロプロピル基、3,3,
3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル
基、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、
3−メタクリロキシプロピル基などの炭素数1〜25の
置換又は非置換の一価炭化水素基を示し、好ましくは炭
素数1〜18、より好ましくは炭素数1〜10である。
中でもメチル基、エチル基、フェニル基が好ましい。p
及びq個のR1は全てが同一でも異なっていてもよい。
2は炭素数1〜25の置換又は非置換の二価炭化水素
基であり、好ましくは炭素数1〜18、より好ましくは
炭素数1〜10である。このような炭素数1〜25の置
換又は非置換の二価の炭化水素基としては、例えばメチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキ
シレン基等のアルキレン基、次の式(i)や式(ii)等
で例示されるフェニル基、トリル基、キシリル基等のア
リール基を含有するアルキレン基、
【化17】 次の式(iii)、式(iv)及び式(v)等で例示される
エステル基含有アルキレン基、
【化18】 及び、
【化19】−C36NHC36− −C36NHC24NHC36− 等で例示されるアミノ基含有アルキレン基などが挙げら
れ、中でもアルキレン基が好ましく、エチレン基、ヘキ
シレン基がより好ましい。また、Xは、塩素原子、臭素
原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基、アセトキシ
基等の炭素数1〜6のアシロキシ基、及び水酸基から選
ばれ、(3−p)及び(3−q)個が全て同一でも異な
っていてもよい。中でもルコキシ基が好ましく、メトキ
シ基、エトキシ基がより好ましい。p及びqは0〜3の
整数を示し、両者が3の場合を除き同一でもよい。
【0023】上記式(II)の有機ケイ素化合物及び/又
はその加水分解縮合物としては、例えば、1,2−ビス
(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(メチル
ジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキ
シシリル)エタン、1,2−ビス(メチルジエトキシシ
リル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘ
キサン、1,6−ビス(メチルジメトキシシリル)ヘキ
サン、1,6−ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、
1,6−ビス(メチルジエトキシシリル)ヘキサン等及
びこれらの加水分解縮合物などが挙げられ、単独で用い
ても、2種以上併用してもよい。中でも無機充填剤表面
のエポキシ基含有量の観点からは1,6−ビス(メチル
ジメトキシシリル)ヘキサン、1,6−ビス(トリメト
キシシリル)ヘキサンが好ましい。
【0024】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、上記(C)成分及び(E)成分の有機ケイ素化合物
以外に従来公知のカップリング剤を併用してもよい。例
えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)
チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−ア
ミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリ
デシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジ
アリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシ
ル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジ
オクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イ
ソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピル
ジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプ
ロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプ
ロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イ
ソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソ
プロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等
のチタネート系カップリング剤を1種以上併用すること
ができる。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物および電子部
品封止用エポキシ樹脂成形材料には、硬化促進剤も使用
することができる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシ
クロ(4,3,0)ノネン、5、6−ヂブチルアミノ−
1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水
マレイン酸、ベンゾキノン、ジアゾフェニルメタン等の
π結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する
化合物、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミ
ン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノール等の3級アミン類及びこれらの誘
導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミ
ダゾール類及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィ
ン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の
有機ホスフィン類及びこれらのホスフィン類に無水マレ
イン酸、ベンゾキノン、ジアゾフェニルメタン等のπ結
合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン
化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボ
レート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレー
ト、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニ
ルボレート、N−メチルモリホリンテトラフェニルボレ
ート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体な
どが挙げられる。これらは、単独で用いても2種以上併
用しても良い。
【0026】さらに、その他の添加剤として、ブロム化
エポキシ樹脂や三酸化アンチモン、リン酸エステル、赤
リンや、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミン変
性フェノール樹脂等の含窒素化合物などの難燃剤、天然
ワックス、合成ワックス、酸化又は非酸化のポリオレフ
ィン等の離型剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコ
ーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤、ハイ
ドロタルサイト、アンチモンービスマス等のイオントラ
ップ剤などを必要に応じて用いることができる。
【0027】本発明における成形材料は、各種原材料を
均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用い
ても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量
の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシ
ングロール、押出機等によって溶融混練した後、冷却、
粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うよ
うな寸法及び重量でタブレット化すると使いやすい。
【0028】リードフレーム、配線済みのテープキャリ
ア、配線板、ガラス、シリコンウエハなどの支持部材
に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリ
スタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受
動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用
成形材料で封止して、電子部品装置を製造することがで
きる。このような電子部品装置としては、例えば、銅リ
ードフレーム上に搭載したチップを本発明の成形材料で
封止したQFPや、テープキャリアにバンプで接続した
半導体チップを本発明の成形材料で封止したTCPなど
を挙げることができる。また、配線板やガラス上に形成
した配線に、ワイヤーボンディング、フリップチップボ
ンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トラン
ジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又
はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明
の成形材料で封止したCOBモジュール、ハイブリッド
IC、マルチチップモジュールなどを挙げることができ
る。電子部品を封止する方法としては、低圧トランスフ
ァー成形法が最も一般的であるが、インジェクション成
形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
【0029】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】有機ケイ素化合物による無機充填剤の表面
処理 表面処理シリカ1〜4 スーパーミキサー(株式会社カワタ製のSMV−20)
に、本発明の(D)成分として平均粒径20μmのシリ
カ粉体(BET比表面積=3.8m2/g)を3150
g投入し、次に本発明の(E)成分としてジメチルジメ
トキシシランを19g投入した後、約25℃の室温に
て、回転数3000rpmで3分間混合し、掻き落とし
を行い、さらに同じ回転数で3分間混合し、その後、掻
き落としを行い、本発明の(C)成分として3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランを34g投入し、約
25℃の室温にて、3000rpmで3分間混合し、掻
き落としを行い、さらに同じ回転数で3分間混合して、
表面処理シリカ1を得た。同様にして、(E)成分とし
てテトラエトキシシランを用いて表面処理シリカ2を、
1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサンを用いて
表面処理シリカ3を得た。また、(E)成分としてジメ
チルジメトキシシランを、(C)成分として3−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシランを用いて表面処
理シリカ4を得た。 比較表面処理シリカ1 スーパーミキサー(株式会社カワタ製のSMV−20)
に、平均粒径20μmのシリカ粉体3150g(BET
比表面積=3.8m2/g)を投入し、次に3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン34gを投入し、約
25℃の室温にて、3000rpmで3分間混合し、掻
き落としを行い、さらに同じ回転数で3分間混合して、
比較表面処理シリカ1を得た。 比較処理シリカ2 スーパーミキサー(株式会社カワタ製のSMV−20)
に、平均粒径20μmのシリカ粉体3150g(BET
比表面積=3.8m2/g)を投入し、次に3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン34gを投入した
後、約25℃の室温にて、回転数3000rpmで3分
間混合し、掻き落としを行い、さらに同じ回転数で3分
間混合し、その後、掻き落としを行い、ジメチルジメト
キシシラン19gを投入し、約25℃の室温にて、30
00rpmで3分間混合し、掻き落としを行い、さらに
同じ回転数で3分間混合して、比較表面処理シリカ2を
得た。
【0031】無機充填剤表面のエポキシ基の定量 上記で作成した4種類の表面処理シリカと2種類の比較
表面処理シリカの表面のエポキシ基の含有量を以下の手
順で測定した。エポキシ基の定量はアルカリによる逆滴
定により行った。すなわち、精秤した(E)成分及び/
又は(C)成分で処理後のシリカ20gに、塩酸(1
0.7ml)、ジエチレングリコールジメチルエーテル
(250ml)、ジオキサン(750ml)の混合溶液
50mlを加え、室温で10分間良く混合した。次に
0.25NのKOHエタノール溶液で未反応の塩酸を電
位差滴定により定量し、シリカ表面のエポキシ基の含有
量を求めた。シリカ表面のエポキシ基の含有量はシリカ
のBET法による表面積1m2当たりのエポキシ基のモ
ル数として示した。また、エポキシ基残存率T(%)を
下記式より求めた。 T=(Emeas/Efeed)×100 (ここで、Emeasはアルカリによる逆滴定により求めた
処理シリカのエポキシ基定量値(モル/シリカm2)、
feedは仕込んだ(B)成分のエポキシ基量(モル/シ
リカm2)を示す。) 得られたエポキシ基含有量と残存率を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1〜4、比較例1〜4 表2に示す配合組成で、各配合成分を予備混合(ドライ
ブレンド)した後、二軸ロール(ロール表面温度約80
℃)で10分間混練し、冷却粉砕して、実施例1〜4及
び比較例1〜4の成形材料を製造した。エポキシ樹脂と
しては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを
主成分とするエポキシ当量196、融点106℃のビフ
ェニル骨格型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ製;エ
ピコートYX−4000H)、エポキシ当量393、臭
素含有率49%のエピビス型の臭素化エポキシ樹脂を使
用し、硬化剤としては、水酸基当量171、軟化点69
℃、数平均分子量900の下記構造式(VI)のフェノー
ルアラルキル樹脂(三井東圧製;ミレックスXL−22
5)を使用した。硬化促進剤としてはトリフェニルホス
フィンを使用した。またその他添加剤として、カルナバ
ワックス、三酸化アンチモン、カーボンブラックを使用
した。なお、実施例1〜4と比較例1、2では、上記で
作製した表面処理シリカと比較表面処理シリカを用い
た。比較例3はジメチルジメトキシシランと3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランを、比較例4は3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、平均粒径
20μmの溶融シリカ(BET比表面積=3.8m2
g)、及び他の配合成分とともに、それぞれ予備混合時
に投入するインテグラルブレンド法を用いて材料を作製
した。
【化20】 (ここで、nは0〜8の正の数を示す。)
【0034】
【表2】
【0035】作製した実施例、比較例の成形材料を、次
の各試験を行い、評価した。試験片の成形は、トランス
ファー成形機を用い、金型温度180℃、成形圧力70
kgf/cm2、硬化時間90秒の条件で行った。 (1)スパイラルフロー(流動性の指標) EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金
型を用いて成形し、流動距離を求めた。 (2)熱時硬度 金型開き直後の成形品硬度をショア−D型硬度計を用い
て測定した。 (3)収縮率 直径50mm、厚さ3mmの円板を作製し、金型キャビ
ティー部の直径と175℃、5時間後硬化した後の室温
での試験片円板の直径を測定し、直径の収縮率から成形
材料の収縮率を求めた。 (4)BGA反り変形量 絶縁ベース基材(日立化成工業製、商品名E−679)
上に配線パターンを形成し、半導体素子搭載側の金メッ
キ端子及び反対側の外部接続端子を除いた面に絶縁保護
レジスト(太陽インキ製、商品名PSR4000AUS
5)を塗布した外形が縦24mm×横24mm×厚さ
0.6mmの半導体素子搭載用基板に、縦9mm×横9
mm×厚さ0.51mmの半導体素子を銀ペースト(日
立化成工業製、商品名EN−4500)を塗布して搭載
し(130℃/2h硬化)、直径30μmの金ワイヤに
よりワイヤボンド部と半導体素子をワイヤボンディング
した。次に実施例及び比較例の成形材料を用いて、金型
温度180℃、成形圧力70kgf/cm2、硬化時間
90秒の条件で成形し、175℃、5時間後硬化するこ
とにより試験用パッケージを作製した。このパッケージ
のはんだボール搭載前における裏面の対角線中央部を表
面粗さ測定機によって、25℃の条件で測定し、最外の
外部接続端子を基準とした変形量の最大値を反り変形量
とした。 (4)耐リフロークラック性 QFP80ピンの樹脂封止型半導体装置(外形寸法20
mm×14mm×2mm、チップサイズ:8×10m
m、リードフレーム:LF810T(42アロイ製))
を用いて、フレームにシリコンチップを銀ペーストにて
接着(130℃/2h硬化)した後さらに225℃に保
持した熱板上に3分間放置してフレーム表面に酸化膜を
形成した。このフレームを実施例及び比較例の成形材料
を用いて、金型温度180℃、成形圧力70kgf/c
2、硬化時間90秒の条件で成形し、175℃、5時
間後硬化することにより試験用パッケージを作製した。
このパッケージを恒温恒湿槽を用い、85℃/85%R
Hの条件下、所定時間吸湿した後、240℃/10秒の
条件で処理した時のクラックの有無を観察し、クラック
が発生するまでの吸湿時間を調べた。 (5)耐湿性 SOP−28ピンの半導体装置を各成形材料を用いて成
形し、175℃、5時間後硬化することにより試験用パ
ッケージを作製した。このパッケージを85℃/85%
RH/72時間吸湿+215℃/90秒(VPS)の前
処理後、PCT(121℃/2気圧)に放置してチップ
上配線の断線の有無を観察し、断線不良率が50%に達
するまでの時間を調べた。評価結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】無機充填剤表面のエポキシ基含有量が2.
9×10-6モル/m2、2.0×10-6モル/m2と本発
明の規定量よりも少ない比較例1及び比較例2は、全て
の特性において実施例よりも劣っており、特には流動
性、熱時硬度、耐リフロークラック性の低下が顕著であ
る。また、有機ケイ素化合物であらかじめ表面処理をし
ていない比較例3、4は成形材料の収縮率が大きく、パ
ッケージの反り変形量も大きい。これに対して、本発明
の(C)成分の有機ケイ素化合物であらかじめ無機充填
剤の表面処理を行い、処理後の無機充填剤表面のエポキ
シ基含有量がいずれも本発明の規定を満たす実施例1〜
4は流動性、熱時硬度、成形材料の収縮率、パッケージ
の反り変形量、耐リフロークラック性及び耐湿性のいず
れも良好であった。
【0038】
【発明の効果】本発明によって得られる封止用エポキシ
樹脂成形材料は、成形性、信頼性に優れ、さらには成形
材料の収縮率が小さいため、この成形材料を用いて、素
子を封止して作製した電子部品装置は、実施例で示した
半導体装置のように、低い反り変形量を有するパッケー
ジとなり、その工業的価値は大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC04X CD00W CD05W FB117 FB127 FB137 FD017 FD146 GQ05 4M109 AA01 BA04 CA21 EA02 EB02 EB09 EB12 EB14 EB17 EC03 EC04 EC14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
    (C)エポキシ基を有する有機ケイ素化合物、(D)無
    機充填剤、を必須成分とし、(D)成分の無機充填剤が
    (C)成分のエポキシ基を有する有機ケイ素化合物であ
    らかじめ表面処理され、かつ処理後の無機充填剤表面の
    エポキシ基の含有量が無機充填剤の表面積1m2に対し
    て4.0×10-6〜150×10-6モルであることを特
    徴とする封止用エポキシ樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】(D)成分の無機充填剤を(C)成分のエ
    ポキシ基を有する有機ケイ素化合物で表面処理する前
    に、エポキシ基を有しない有機ケイ素化合物(E)で表
    面処理することを特徴とする請求項1記載の封止用エポ
    キシ樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】表面処理を10℃〜150℃の温度範囲で
    行うことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の封止
    用エポキシ樹脂成形材料。
  4. 【請求項4】(E)成分のエポキシ基を有しない有機ケ
    イ素化合物が、下記一般式(I)で示される化合物及び
    /又はその加水分解縮合物であることを特徴とする請求
    項2又は請求項3記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化1】R1 nSiX(4-n) …(I) (式中、n個のR1は炭素数1〜25の置換又は非置換
    の一価の炭化水素基を示し、全て同一でも異なっていて
    もよい。(4−n)個のXはハロゲン原子、炭素数1〜
    6のアルコキシ基、アシロキシ基及び水酸基から選ば
    れ、全て同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整
    数を示す。)
  5. 【請求項5】(E)成分のエポキシ基を有しない有機ケ
    イ素化合物が、下記一般式(II)で示される化合物及び
    /又はその加水分解縮合物であることを特徴とする請求
    項2又は請求項3記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化2】 R1 p(3-p)Si−R2−SiR1 q(3-q) …(II) (式中、p個及びq個のR1は炭素数1〜25の置換又
    は非置換の一価の炭化水素基を示し、全て同一でも異な
    っていてもよい。R2は炭素数1〜25の置換又は非置
    換の二価の炭化水素基を示す。(3−p)個及び(3−
    q)個のXはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ
    基、アシロキシ基及び水酸基から選ばれ、全て同一でも
    異なっていてもよい。p及びqは0〜3の整数を示し、
    両者が3の場合を除き同一でもよい。)
  6. 【請求項6】(C)成分のエポキシ基を有する有機ケイ
    素化合物が、下記一般式(III)で示される化合物及び
    /又はその加水分解縮合物であることを特徴とする請求
    項1〜請求項5各項記載のいずれかの封止用エポキシ樹
    脂成形材料。 【化3】R1SiR2 p(3-p) …(III) (式中、R1はエポキシ基を含有する有機官能基を示
    し、p個のR2は炭素数1〜25の置換又は非置換の一
    価の炭化水素基を示し、全て同一でも異なっていてもよ
    い。(3−p)個のYはハロゲン原子、炭素数1〜6の
    アルコキシ基、アシロキシ基及び水酸基から選ばれ、全
    て同一でも異なっていてもよい。pは0〜2の整数を示
    す。)
  7. 【請求項7】(A)成分が下記一般式(IV)のエポキシ
    樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜請求項6各項記
    載のいずれかの封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化4】 (ここで、R1〜R4は水素及び炭素数1〜10の置換又
    は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全て同一でも
    異なっていてもよい。nは0〜3を示す。)
  8. 【請求項8】(B)成分が下記一般式(V)の硬化剤を
    含むことを特徴とする請求項1〜請求項7各項記載のい
    ずれかの封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化5】 (ここで、Rは水素、炭素数1〜10の置換又は非置換
    の一価の炭化水素基及びハロゲン原子から選ばれ、nは
    0〜8を示す。)
  9. 【請求項9】請求項1〜請求項8各項記載のいずれかの
    封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備
    える電子部品装置。
JP30381898A 1998-10-26 1998-10-26 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 Pending JP2000129094A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30381898A JP2000129094A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30381898A JP2000129094A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000129094A true JP2000129094A (ja) 2000-05-09

Family

ID=17925683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30381898A Pending JP2000129094A (ja) 1998-10-26 1998-10-26 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000129094A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005336329A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Shin Etsu Chem Co Ltd 表面処理無機充填材、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
KR101172551B1 (ko) 2005-11-08 2012-08-08 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 금도금 인쇄 기판 상에 장착된 반도체 소자의 밀봉 방법
KR20170017777A (ko) * 2015-08-07 2017-02-15 아지노모토 가부시키가이샤 수지 조성물
JP2020045501A (ja) * 2015-08-07 2020-03-26 味の素株式会社 樹脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005336329A (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Shin Etsu Chem Co Ltd 表面処理無機充填材、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP4618407B2 (ja) * 2004-05-27 2011-01-26 信越化学工業株式会社 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
KR101172551B1 (ko) 2005-11-08 2012-08-08 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 금도금 인쇄 기판 상에 장착된 반도체 소자의 밀봉 방법
KR20170017777A (ko) * 2015-08-07 2017-02-15 아지노모토 가부시키가이샤 수지 조성물
JP2020045501A (ja) * 2015-08-07 2020-03-26 味の素株式会社 樹脂組成物
KR102600199B1 (ko) * 2015-08-07 2023-11-10 아지노모토 가부시키가이샤 수지 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001131393A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
KR100893022B1 (ko) 경화 촉진제, 경화성 수지 조성물 및 전자 부품 장치
JP2003321594A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2004307650A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び半導体装置
KR20000062775A (ko) 캡슐화재료조성물 및 전자장치
JP3659116B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2005029641A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP3840989B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物および電子部品装置
JP3890681B2 (ja) 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品
JP7491223B2 (ja) 封止用樹脂組成物、電子部品装置及び電子部品装置の製造方法
JP2001207023A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2014129485A (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JPWO2017188455A1 (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2012107209A (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2006193618A (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2000129094A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2001207025A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2021195480A (ja) 封止用樹脂組成物及び電子部品装置
JP2003321533A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP3982325B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2002212392A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP3870489B2 (ja) 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品
JP2008115364A (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2004300275A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2002294037A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20051025

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20071101

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071213

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080828