JP2002294037A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

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JP2002294037A
JP2002294037A JP2001365070A JP2001365070A JP2002294037A JP 2002294037 A JP2002294037 A JP 2002294037A JP 2001365070 A JP2001365070 A JP 2001365070A JP 2001365070 A JP2001365070 A JP 2001365070A JP 2002294037 A JP2002294037 A JP 2002294037A
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Takayuki Akimoto
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Mitsuo Katayose
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Takayoshi Kashiwabara
隆貴 柏原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノンハロゲンかつノンアンチモンで、成形性、
耐リフロー性、耐湿性、及び高温放置特性等の信頼性を
低下させずに難燃性が良好な封止用エポキシ樹脂材料、
及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提
供する。 【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
(C)複合金属水酸化物及び(D)リン原子を有するエ
ステル化合物を必須成分とする封止用エポキシ樹脂成形
材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料により封止
された素子を備えた電子部品装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、封止用エポキシ樹
脂成形材料、特に環境対応の観点から要求されるノンハ
ロゲンかつノンアンチモンで難燃性の封止用エポキシ樹
脂成形材料で、厳しい信頼性を要求されるVLSIの封
止用に好適な成形材料及びこの成形材料で封止した素子
を備えた電子部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ、IC等の電子
部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面か
ら樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く
用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電
気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との
接着性などの諸特性にバランスがとれているためであ
る。これらの封止用エポキシ樹脂成形材料の難燃化は主
にテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル等のブロム化樹脂と酸化アンチモンの組合せにより行
われている。近年、環境保護の観点からダイオキシン問
題に端を発し、デカブロムをはじめとするハロゲン化樹
脂やアンチモン化合物に量規制の動きがあり、封止用エ
ポキシ樹脂成形材料についてもノンハロゲン化(ノンブ
ロム化)及びノンアンチモン化の要求が出てきている。
また、プラスチック封止ICの高温放置特性にブロム化
合物が悪影響を及ぼすことが知られており、この観点か
らもブロム化樹脂量の低減が望まれている。そこで、ブ
ロム化樹脂や酸化アンチモンを用いずに難燃化を達成す
る手法としては、赤リンを用いる方法(特開平9−22
7765号公報)、リン酸エステル化合物を用いる方法
(特開平9−235449号公報)、ホスファゼン化合
物を用いる方法(特開平8−225714号公報)、金
属水酸化物を用いる方法(特開平9−241483号公
報)、金属水酸化物と金属酸化物を併用する方法(特開
平9−100337号公報)、フェロセン等のシクロペ
ンタジエニル化合物を用いる方法(特開平11-269
349号公報)、アセチルアセトナート銅等の有機金属
化合物を用いる方法(加藤寛、機能材料、11(6)、
34(1991))などのハロゲン、アンチモン以外の
難燃剤を用いる方法、充填剤の割合を高くする方法(特
開平7−82343号公報)等が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、封止用
エポキシ樹脂成形材料に赤リンを用いた場合は耐湿性の
低下の問題、リン酸エステル化合物やホスファゼン化合
物を用いた場合は可塑化による成形性の低下や耐湿性の
低下の問題、金属水酸化物や金属酸化物を用いた場合
や、充填剤の割合を高くした場合は流動性の低下の問題
がそれぞれある。また、アセチルアセトナート銅等の有
機金属化合物を用いた場合は、硬化反応を阻害し成形性
が低下する問題がある。以上のようにこれらノンハロゲ
ン、ノンアンチモン系の難燃剤では、いずれの場合もブ
ロム化樹脂と酸化アンチモンを併用した封止用エポキシ
樹脂成形材料と同等の成形性、信頼性を得るに至ってい
ない。本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、ノン
ハロゲンかつノンアンチモンで、成形性、耐リフロー
性、耐湿性及び高温放置特性等の信頼性を低下させずに
難燃性が良好な封止用エポキシ樹脂材料、及びこれによ
り封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとす
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、複合金属水酸
化物及びリン原子を有するエステル化合物を配合した封
止用エポキシ樹脂成形材料により上記の目的を達成しう
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は(1)(A)エポキシ
樹脂、(B)硬化剤、(C)複合金属水酸化物及び
(D)リン原子を有するエステル化合物を必須成分とす
る封止用エポキシ樹脂成形材料、(2)(C)複合金属
水酸化物が下記組成式(I)で示される化合物である上
記(1)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
【化4】 m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (I) (ここで、M1及びM2は互いに異なる金属元素を示し、
a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。) (3)組成式(I)中のM1とM2は互いに異なるように
1が第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土類金属
元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA族及びI
VA族に属する金属元素から選ばれ、M2がIIIB〜IIB
族の遷移金属元素から選ばれる上記(2)記載の封止用
エポキシ樹脂成形材料、(4)組成式(I)中のM1
2は互いに異なるようにM1がマグネシウム、カルシウ
ム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅及び亜鉛から選ばれ、M2が鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅及び亜鉛から選ばれる上記(3)記載の封止
用エポキシ樹脂成形材料、(5)組成式(I)中のM1
がマグネシウムで、M2が亜鉛又はニッケルである上記
(4)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(6)組成
式(I)中のm及びnのモル比m/nが99/1〜50
/50である上記(2)〜(5)のいずれかに記載の封
止用エポキシ樹脂成形材料、(7)(D)リン原子を有
するエステル化合物がリン酸エステル、亜リン酸エステ
ル及び次亜リン酸エステルの少なくとも1種である上記
(1)〜(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂
成形材料、(8)(D)リン原子を有するエステル化合
物が芳香環を有する化合物である上記(7)記載の封止
用エポキシ樹脂成形材料、(9)(D)リン原子を有す
るエステル化合物が下記一般式(II)で示される骨格を
有する化合物である上記(8)記載の封止用エポキシ樹
脂成形材料、
【化5】 (ここで、Xは水素原子又は置換又は非置換の芳香環を
有する有機基示し、同一でも異なっていてもよい。ただ
し、全てが水素原子の場合を除く。) (10)(D)リン原子を有するエステル化合物が下記
一般式(III)で示される骨格を有する化合物である上
記(9)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
【化6】 (ここで、Yは置換又は非置換の芳香環を有する2価の
有機基、Rは水素原子又は炭素数1〜6の置換又は非置
換の有機基を示し、Rは全てが同一でも異なっていても
よい。m、nは0〜3の整数を示す。) (11)(E)無機充填剤をさらに含有する上記(1)
〜(10)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形
材料、(12)(A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポ
キシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エ
ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペン
タジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及
びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の少なくとも1種
を含有する上記(1)〜(11)のいずれかに記載の封
止用エポキシ樹脂成形材料、(13)(B)硬化剤がビ
フェニル型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹
脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェ
ニルメタン型フェノール樹脂及びノボラック型フェノー
ル樹脂の少なくとも1種を含有する上記(1)〜(1
2)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(14)(F)硬化促進剤をさらに含有する上記(1)
〜(13)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形
材料、(15)(F)硬化促進剤がホスフィン化合物と
キノン化合物との付加物及び/又はシクロアミジン化合
物とフェノール樹脂との付加物を含有する上記(14)
記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、(16)(F)硬
化促進剤が第三ホスフィン化合物を含有し、キノン化合
物をさらに含有する上記(14)又は(15)記載の封
止用エポキシ樹脂成形材料、及び(17)(G)イオン
トラップ剤をさらに含有する上記(1)〜(16)のい
ずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、並びに
(18)上記(1)〜(17)のいずれかに記載の封止
用エポキシ樹脂成形材料で封止された素子を備えた電子
部品装置に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に
使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を
有するエポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾ
ール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/
又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナ
フタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合
物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボ
ラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又
は非置換のビフェノール等のジグリシジルエーテル、ス
チルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹
脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒ
ドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸
等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得ら
れるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエンとフェノ−ル類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ナ
フタレン環を有するエポキシ樹脂、フェノール・アラル
キル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル
型フェノール樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロ
パン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレ
フィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂
肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、硫黄原子含有
エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても
2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、耐リ
フロー性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、スチ
ルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂が
好ましく、硬化性の観点からはノボラック型エポキシ樹
脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジ
エン型エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性及び低反り性の
観点からはナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニル
メタン型エポキシ樹脂が好ましく、これらのエポキシ樹
脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
【0007】ビフェニル型エポキシ樹脂としてはたとえ
ば下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂等が挙げら
れ、スチルベン型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一
般式(V)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、硫黄
原子含有エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(V
I)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化7】 (ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜10の置
換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、これらは
全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数
を示す。)
【化8】 (ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜10の置
換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、これらは
全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数
を示す。)
【化9】 (ここで、R1〜R8は水素原子、置換又は非置換の炭素
数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、これらは全
てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を
示す。) 上記一般式(IV)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂
としては、たとえば、4,4’−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3
−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラ
メチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピク
ロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−
(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールと
を反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。な
かでも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)
−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成
分とするエポキシ樹脂が好ましい。上記一般式(V)で
示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるスチ
ルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性
物質存在下で反応させて得ることができる。この原料で
あるスチルベン系フェノール類としては、たとえば3−
t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5,5′
−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4′−
ジヒドロキシ−3′,5′,6−トリメチルスチルベ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テ
トラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベ
ン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチ
ル−6,6’−ジメチルスチルベン等が挙げられ、なか
でも3−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,
5,5′−トリメチルスチルベン、及び4,4’−ジヒ
ドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベ
ンが好ましい。これらのスチルベン型フェノール類は単
独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。上
記一般式(VI)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂の
なかでも、R1〜R8が水素原子、置換又は非置換の炭素
数1〜10のアルキル基及び置換又は非置換の炭素数1
〜10のアルコキシ基から選ばれるエポキシ樹脂が好ま
しく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、R2、R3
6及びR7がアルキル基であるエポキシ樹脂がより好ま
しく、R1、R4、R5及びR8が水素原子で、R2及びR7
がメチル基で、R3及びR6がt−ブチル基であるエポキ
シ樹脂がさらに好ましい。このような化合物としては、
YSLV−120TE(新日鐵化学社製)等が市販品とし
て入手可能である。これらのエポキシ樹脂はいずれか1
種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい
が、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ
樹脂全量に対して合わせて20重量%以上とすることが
好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%
以上とすることがさらに好ましい。
【0008】ノボラック型エポキシ樹脂としては、たと
えば下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂等が挙
げられる。
【化10】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の
整数を示す。) 上記一般式(VII)で示されるノボラック型エポキシ樹
脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリ
ンを反応させることによって容易に得られる。なかで
も、一般式(VII)中のRとしては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチ
ル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜1
0のアルコキシル基が好ましく、水素原子又はメチル基
がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一
般式(VII)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のな
かでも、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が
好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂を使用する場合、
その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂
全量に対して20重量%以上とすることが好ましく、3
0重量%以上がより好ましい。
【0009】ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂とし
ては、たとえば下記一般式(VIII)で示されるエポキシ
樹脂等が挙げられる。
【化11】 (ここで、R1及びR2は水素原子及び炭素数1〜10の
置換又は非置換の一価の炭化水素基からそれぞれ独立し
て選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整
数を示す。) 上記式(VIII)中のR1としては、たとえば、水素原
子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソ
プロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、
アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化ア
ルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換
アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非置換の一
価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル
基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及
び水素原子がより好ましい。R2としては、たとえば、
水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビ
ニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロ
ゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプ
ト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は非
置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも水素原子
が好ましい。ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使
用する場合、その配合量は、その性能を発揮するために
エポキシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが
好ましく、30重量%以上がより好ましい。
【0010】ナフタレン型エポキシ樹脂としてはたとえ
ば下記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂等が挙げら
れ、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としてはたとえ
ば下記一般式(X)で示されるエポキシ樹脂等が挙げら
れる。下記一般式(IX)で示されるナフタレン型エポキ
シ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位を
ランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重
合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロッ
ク共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で
用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、下記一般式(X)で示されるトリフェニルメタン型
エポキシ樹脂としては特に制限はないが、サリチルアル
デヒド型エポキシ樹脂が好ましい。
【化12】 (ここで、R1〜R3は水素原子及び置換又は非置換の炭
素数1〜12の一価の炭化水素基から選ばれ、これらは
全てが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、
l、mはそれぞれ0〜11の整数であって、(l+m)
が1〜11の整数でかつ(l+p)が1〜12の整数と
なるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整
数、kは0〜4の整数を示す。)
【化13】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の
整数を示す。) これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても
両者を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その
性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせ
て20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以
上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに
好ましい。
【0011】上記のビフェニル型エポキシ樹脂、スチル
ベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキ
シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメ
タン型エポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても
2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量はエ
ポキシ樹脂全量に対して合わせて50重量%以上とする
ことが好ましく、60重量%以上がより好ましく、80
重量%以上がさらに好ましい。
【0012】本発明において用いられる(B)硬化剤
は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されてい
るもので特に制限はないが、たとえば、フェノール、ク
レゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフ
ェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、
β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトー
ル類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチル
アルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触
媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェ
ノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジ
メトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフ
ェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナ
フトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール
樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペ
ンタジエンから共重合により合成される、ジクロペンタ
ジエン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラ
ック樹脂等のジクロペンタジエン型フェノール樹脂、テ
ルペン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単
独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。な
かでも、難燃性の観点からはビフェニル型フェノール樹
脂が好ましく、耐リフロー性及び硬化性の観点からはア
ラルキル型フェノール樹脂が好ましく、低吸湿性の観点
からはジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好まし
く、耐熱性、低膨張率及び低そり性の観点からはトリフ
ェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく、硬化性の観
点からはノボラック型フェノール樹脂が好ましく、これ
らのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有しているこ
とが好ましい。
【0013】ビフェニル型フェノール樹脂としては、た
とえば下記一般式(XI)で示されるフェノール樹脂等が
挙げられる。
【化14】 上記式(XI)中のR1〜Rは全てが同一でも異なって
いてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素
数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキ
シル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数
6〜10のアリール基、及び、ベンジル基、フェネチル
基等の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、なか
でも水素原子とメチル基が好ましい。nは0〜10の整
数を示す。上記一般式(XI)で示されるビフェニル型フ
ェノール樹脂としては、たとえばR1〜Rが全て水素
原子である化合物等が挙げられ、なかでも溶融粘度の観
点から、nが1以上の縮合体を50重量%以上含む縮合
体の混合物が好ましい。このような化合物としては、M
EH−7851(明和化成株式会社製商品名)が市販品
として入手可能である。ビフェニル型フェノール樹脂を
使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するため
に硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ま
しく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上
がさらに好ましい。
【0014】アラルキル型フェノール樹脂としては、た
とえばフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラ
ルキル樹脂等が挙げられ、下記一般式(XII)で示され
るフェノール・アラルキル樹脂が好ましく、一般式(XI
I)中のRが水素原子で、nの平均値が0〜8であるフ
ェノール・アラルキル樹脂がより好ましい。具体例とし
ては、p−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂、
m−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂等が挙げ
られる。これらのアラルキル型フェノール樹脂を用いる
場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤
全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、5
0重量%以上がより好ましい。
【化15】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の
整数を示す。)
【0015】ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂と
しては、たとえば下記一般式(XIII)で示されるフェノ
ール樹脂等が挙げられる。
【化16】 (ここで、R1及びR2は水素原子及び炭素数1〜10の
置換又は非置換の一価の炭化水素基からそれぞれ独立し
て選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整
数を示す。) ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を用いる場合、
その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に
対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量
%以上がより好ましい。
【0016】トリフェニルメタン型フェノール樹脂とし
ては、たとえば下記一般式(XIV)で示されるフェノー
ル樹脂等が挙げられる。下記一般式(XIV)で示される
トリフェニルメタン型フェノール樹脂としては特に制限
はないが、たとえば、サリチルアルデヒド型フェノール
樹脂、o−ヒドロキシベンズアルデヒド型フェノール樹
脂、m−ヒドロキシベンズアルデヒド型フェノール樹脂
等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上
を組合わせて用いてもよい。なかでもサリチルアルデヒ
ド型フェノール樹脂が好ましい。
【化17】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の
整数を示す。) トリフェニルメタン型フェノール樹脂を用いる場合、そ
の配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対
して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%
以上がより好ましい。
【0017】ノボラック型フェノール樹脂としては、た
とえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラッ
ク樹脂、ナフトールノボラック樹脂等が挙げられ、なか
でもフェノールノボラック樹脂が好ましい。ノボラック
型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性
能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上
とすることが好ましく、50重量%以上がより好まし
い。
【0018】上記のビフェニル型フェノール樹脂、アラ
ルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェ
ノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂及び
ノボラック型フェノール樹脂は、いずれか1種を単独で
用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配
合量は硬化剤全量に対して合わせて60重量%以上とす
ることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0019】(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当
量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対す
る硬化剤中の水酸基数の比(硬化剤中の水酸基数/エポ
キシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限はないが、そ
れぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範
囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3がより
好ましい。成形性及び耐リフロー性に優れる封止用エポ
キシ樹脂成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲
に設定されることがさらに好ましい。
【0020】本発明において用いられる(C)複合金属
水酸化物は難燃剤として作用するもので、本発明の効果
が得られれば特に制限はないが、下記組成式(I)で示
される化合物が好ましい。
【化18】 m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (I) (ここで、M1及びM2は互いに異なる金属元素を示し、
a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。) 上記組成式(I)中のM1及びM2は互いに異なる金属元
素であれば特に制限はないが、難燃性の観点からは、M
1とM2は互いに異なるようにM1が第3周期の金属元
素、IIA族のアルカリ土類金属元素、IVB族、IIB族、
VIII族、IB族、IIIA族及びIVA族に属する金属元素
から選ばれ、M2がIIIB〜IIB族の遷移金属元素から選
ばれることが好ましく、M1がマグネシウム、カルシウ
ム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッ
ケル、銅及び亜鉛から選ばれ、M2が鉄、コバルト、ニ
ッケル、銅及び亜鉛から選ばれることがより好ましい。
流動性の観点からは、M1がマグネシウム、M2が亜鉛又
はニッケルであることが好ましく、M1がマグネシウム
でM2が亜鉛であることがより好ましい。m及びnのモ
ル比は特に制限はないが、m/nが99/1〜50/5
0であることが好ましい。なお、金属元素の分類は、典
型元素をA亜族、遷移元素をB亜族とする長周期型の周
期率表(出典:共立出版株式会社発行「化学大辞典4」
1987年2月15日縮刷版第30刷)に基づいて行っ
た。
【0021】(C)複合金属水酸化物の形状は特に制限
はないが、流動性の観点からは、平板状より、適度の厚
みを有する多面体形状が好ましい。複合金属水酸化物
は、金属水酸化物と比較して多面体状の結晶が得られや
すい。(C)複合金属水酸化物の配合量は特に制限はな
いが、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.5〜2
0重量%が好ましく、0.7〜15重量%がより好まし
く、1.4〜12重量%がさらに好ましい。0.5重量
%未満では難燃性が不十分となる傾向があり、20重量
%を超えると流動性及び耐リフロー性が低下する傾向が
ある。
【0022】本発明において用いられる(D)リン原子
を有するエステル化合物は難燃剤として作用するもの
で、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、リン
酸エステル、亜リン酸エステル、次亜リン酸エステルの
少なくとも1種であることが好ましく、耐加水分解性の
観点からは、(D)リン原子を有するエステル化合物が
芳香環を有する化合物であることがより好ましい。芳香
環を有する化合物としては、たとえば、下記一般式式
(II)で示される骨格を有する化合物等が挙げられ、な
かでも下記一般式(III)で示される化合物が好まし
い。
【化19】 (ここで、Xは水素原子又は置換又は非置換の芳香環を
有する有機基を示し、同一でも異なっていてもよい。た
だし、全てが水素原子の場合を除く。)
【化20】 (ここで、Yは置換又は非置換の芳香環を有する2価の
有機基、Rは水素原子又は炭素数1〜6の置換又は非置
換の有機基を示し、Rは全てが同一でも異なっていても
よい。m、nは0〜3の整数を示す。)
【0023】このようなリン原子を有するエステル化合
物としては、たとえば、トリメチルホスフェート、トリ
エチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリ
クレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、
クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニ
ルホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)
ホスフェート、ジメチルメチルホスホネート、ジエチル
−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)メチルホスホ
ネート等が挙げられ、なかでも下記構造式(XV)〜(XX
I)で示される芳香族環を有する化合物が好ましく、構
造式(XVII)〜(XX)で示される化合物がより好まし
い。
【0024】
【化21】
【化22】
【0025】(D)リン原子を有するエステル化合物の
配合量は特に制限はないが、(C)複合金属水酸化物を
除く他の全配合成分に対して、(E)無機充填剤を用い
る場合には(C)複合金属水酸化物及び(E)無機充填
剤を除く他の全配合成分に対して、リン原子の量で0.
1〜5重量%が好ましく、0.2〜3重量%がより好ま
しい。配合量が0.1重量%未満では難燃性が不十分と
なる傾向があり、5重量%を超えると成形性、耐湿性が
低下する傾向がある。
【0026】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、(C)複合金属水酸化物及び(D)リン原子を有す
るエステル化合物に加えて従来公知のノンハロゲン、ノ
ンアンチモンの難燃剤を必要に応じて配合することがで
きる。たとえば、被覆又は無被覆の赤リン等のリン化合
物、メラミン、メラミン誘導体、メラミン変性フェノー
ル樹脂、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸誘導
体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物、シクロ
ホスファゼン等のリン及び窒素含有化合物、酸化亜鉛、
錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、モリブ
デン酸亜鉛、ジシクロペンタジエニル鉄等の金属元素を
含む化合物などが挙げられ、これらの1種を単独で用い
ても2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0027】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、必要に応じて(E)無機充填剤を配合することがで
きる。(E)無機充填剤は、吸湿性、線膨張係数低減、
熱伝導性向上及び強度向上のために配合されるものであ
り、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されるも
ので特に制限はないが、たとえば、たとえば、溶融シリ
カ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒
化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニ
ア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネ
ル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化
したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、これらを単独
で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なか
でも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱
伝導性の観点からはアルミナが好ましく、充填剤形状は
成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球形が好まし
い。(E)無機充填剤の配合量は、難燃性、成形性、吸
湿性、線膨張係数低減及び強度向上の観点から、封止用
エポキシ樹脂成形材料に対して60重量%以上が好まし
く、70〜95重量%がより好ましく、75〜92重量
%がさらに好ましい。60重量%未満では難燃性及び耐
リフロー性が低下する傾向があり、95重量%を超える
と流動性が不足する傾向がある。
【0028】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、必要に応じて(F)硬化促進剤を用いることができ
る。(F)硬化促進剤としては、封止用エポキシ樹脂成
形材料に一般に使用されているもので特に制限はない
が、たとえば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,
0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,
3,0)ノネン、5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジ
アザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のシク
ロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレイン
酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,
4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、
2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−
5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキ
シ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾ
キノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェ
ノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子
内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、トリ
エタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類
及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダ
ゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、トリブ
チルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホス
フィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等
のホスフィン化合物及びこれらのホスフィン化合物に無
水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタ
ン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加して
なる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニルホ
スホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホス
フィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモ
ルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボ
ロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられ、これらを単
独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。な
かでも、硬化性及び流動性の観点からは、ホスフィン化
合物及びホスフィン化合物とキノン化合物との付加物が
好ましく、トリフェニルホスフィン等の第三ホスフィン
化合物及びトリフェニルホスフィンとキノン化合物との
付加物がより好ましい。第三ホスフィン化合物を用いる
場合にはキノン化合物をさらに含有することが好まし
い。また、保存安定性の観点からは、シクロアミジン化
合物とフェノール樹脂との付加物が好ましく、ジアザビ
シクロウンデセンのフェノールノボラック樹脂塩がより
好ましい。
【0029】(F)硬化促進剤の配合量は、硬化促進効
果が達成される量であれば特に制限されるものではない
が、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.005〜
2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好
ましい。0.005重量%未満では短時間での硬化性に
劣る傾向があり、2重量%を超えると硬化速度が速すぎ
て良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。
【0030】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、IC等の半導体素子の耐湿性及び高温放置特性を向
上させる観点から、必要に応じて(G)イオントラップ
剤をさらに配合することができる。(G)イオントラッ
プ剤としては特に制限はなく、従来公知のものを用いる
ことができるが、たとえば、ハイドロタルサイト類や、
マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム及
びビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げら
れ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用
いてもよい。なかでも、下記組成式(XXII)で示される
ハイドロタルサイトが好ましい。
【化23】 Mg1-XAlX(OH)2(CO3X/2・mH2O ……(XXII) (0<X≦0.5、mは正の数) (G)イオントラップ剤の配合量は、ハロゲンイオンな
どの陰イオンを捕捉できる十分量であれば特に制限はな
いが、成形性、耐湿性及び高温放置特性の観点から、
(A)エポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ま
しく、0.5〜10重量%がより好ましく、1〜5重量
%がさらに好ましい。
【0031】また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材
料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるため
に、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラ
ン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、
ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合
物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニ
ウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加すること
ができる。これらを例示すると、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アニリノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメト
キシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピ
ル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリル
イソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング
剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イ
ソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チ
タネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミ
ノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデ
シルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジア
リルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)
ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオク
チルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプ
ロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメ
タクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルト
リドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピ
ルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピ
ルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプ
ロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロ
ピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチ
タネート系カップリング剤などが挙げられ、これらを単
独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。上
記カップリング剤の配合量は、(E)無機充填剤に対し
て0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜
2.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満では
フレームとの接着性が低下する傾向があり、5重量%を
超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
【0032】さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形
材料には、その他の添加剤として、高級脂肪酸、高級脂
肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワ
ックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の離型剤、
カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリ
コーンゴム粉末等の応力緩和剤などを必要に応じて配合
することができる。
【0033】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に含
まれるリン酸イオン濃度は、耐湿性の観点から、成形後
に500ppm以下であることが好ましい。すなわち封
止用エポキシ樹脂成形材料の成形品のリン酸イオン濃度
が500ppm以下であることが好ましく、200pp
m以下がより好ましく、100ppm以下がさらに好ま
しい。リン酸イオン濃度の測定は、封止用エポキシ樹脂
成形材料を成形した成形品を純粋な水好ましくは電気伝
導率2μS/cm以下の蒸留水又はイオン交換水に浸漬
して、リン酸イオン(PO4 3-)の量が飽和するまで抽出
して定量する。定量方法としては、イオンクロマトグラ
ムによって定量する方法、リン酸イオン(PO4 3-)と反
応して沈殿を発生する化合物を加えて、沈殿物の重量か
ら定量する方法等の公知の方法が使用できる。湿度管理
がなされない屋外等で使用される電子機器、車載機器等
に適用する場合は、リン酸イオン濃度がさらに低いこと
が好ましく、80ppm以下が特に好ましい。本発明に
おいては、必須成分として用いられる(A)エポキシ樹
脂、(B)硬化剤、(C)複合金属水酸化物及び(D)
リン原子を有するエステル化合物、並びに必要に応じて
配合される(E)無機充填剤、(F)硬化促進剤、
(G)イオントラップ剤及びその他の添加剤として用い
る成分の組み合わせ及び配合量を調整することによっ
て、成形品のリン酸イオン濃度が500ppm以下であ
る封止用エポキシ樹脂成形材料を得ることができる。特
に(C)複合金属水酸化物、(D)リン原子を有するエ
ステル化合物、(G)イオントラップ剤、及びその他の
添加剤として配合される難燃剤の選定とその組合わせ、
これらの配合量が重要である。成形性の観点からは、本
発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に含まれるリン酸イ
オン以外の不純物イオンの量も少ない方が好ましく、塩
素イオン及びナトリウムイオンの濃度がそれぞれ500
ppm以下がより好ましい。これらの不純物イオン量の
低減には、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)
複合金属水酸化物、(D)リン原子を有するエステル化
合物、(G)イオントラップ剤、及びその他の添加剤と
して配合される難燃剤等の選定とその組合わせ、これら
の配合量が特に重要である。
【0034】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、
各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかな
る手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、
所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合し
た後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し
た後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形
条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使
いやすい。
【0035】本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形
材料により封止した素子を備えた電子部品装置として
は、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線
板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チ
ップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動
素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素
子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂
成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。
このような電子部品装置としては、たとえば、リードフ
レーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等
の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバン
プで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料
を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DI
P(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leade
d Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、S
OP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outli
ne J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline
Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の
一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接
続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成
形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配
線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディン
グ、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した
半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ
等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等
の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で
封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブ
リッドIC、マルチチップモジュール、裏面に配線板接
続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、
バンプまたはワイヤボンディングにより素子と有機基板
に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキ
シ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Ar
ray)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられ
る。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ
樹脂成形材料は有効に使用できる。
【0036】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用
いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成
形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、
圧縮成形法等を用いてもよい。
【0037】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0038】実施例1〜3、比較例1〜6 エポキシ樹脂としてエポキシ当量192、融点105℃
のビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂1:油化シ
ェルエポキシ株式会社製商品名エピコートYX−400
0H)、エポキシ当量210、軟化点130℃のスチル
ベン型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂2:住友化学工業株
式会社製商品名ESLV−210)、エポキシ当量19
5、軟化点65℃のo−クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂(エポキシ樹脂3:住友化学工業株式会社製商品
名ESCN−190)、エポキシ当量244、融点11
8℃の硫黄原子含有エポキシ樹脂(エポキシ樹脂4:新
日鐵化学株式会社製商品名YSLV−120TE)、硬
化剤として水酸基当量172、軟化点70℃のフェノー
ル・アラルキル樹脂(硬化剤1:三井化学株式会社製商
品名ミレックスXL−225)、水酸基当量199、軟
化点80℃のビフェニル型フェノール樹脂(硬化剤2:
明和化成株式会社製商品名MEH−7851)、複合金
属水酸化物として下記組成式(I)中のM1がマグネシ
ウム、M2が亜鉛で、mが0.8、nが0.2、lが1
で、a、b、c及びdが1である水酸化マグネシウム・亜鉛
固溶体(タテホ化学工業株式会社製商品名エコーマグZ
10)、リン原子を有するエステル化合物として下記構
造式(XVIII)で示される縮合リン酸エステル、その他
の難燃剤として水酸化マグネシウム(協和化学工業株式
会社製商品名キスマ5A)、メラミン(三菱化学株式会
社製)、三酸化アンチモン及びエポキシ当量375、軟
化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA型
ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製商品名
ESB−400T)、無機充填剤として平均粒子径1
7.5μm、比表面積3.8m2/gの球状溶融シリ
カ、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンと1,4
−ベンゾキノンとの付加物(硬化促進剤1)、トリフェ
ニルホスフィンと1,4−ベンゾキノンとの混合物(硬
化促進剤2、トリフェニルホスフィン/1,4−ベンゾ
キノンのモル比1/1.2)、イオントラップ剤として
ハイドロタルサイト(協和化学工業株式会社製商品名D
HT−4A)、その他の添加剤としてエポキシシランカ
ップリング剤(信越化学工業株式会社製商品名KBM4
03)、カルナバワックス(クラリアント社製)及びカ
ーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−10
0)をそれぞれ表1に示す重量部で配合し、混練温度8
0℃、混練時間10分の条件でロール混練を行って、実
施例1〜3及び比較例1〜6の封止用エポキシ樹脂成形
材料を作製した。
【化24】 m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (I)
【化25】
【0039】
【表1】
【0040】作製した実施例及び比較例の封止用エポキ
シ樹脂成形材料を、次の各試験により評価した。結果を
表2に示す。なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形
は、トランスファ成形機により、金型温度180℃、成
形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。
また、後硬化は180℃で5時間行った。 (1)難燃性 厚さ1/16インチの試験片を成形する金型を用いて、
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形して後硬
化を行い、UL−94試験法に従って難燃性を評価し
た。 (2)スパイラルフロー(流動性の指標) EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金
型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で
成形し、流動距離(cm)を求めた。 (3)熱時硬度 封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で直径50mm
×厚さ3mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型
硬度計を用いて測定した。 (4)耐リフロー性 8mm×10mm×0.4mmのシリコーンチップを搭
載した外形寸法20mm×14mm×2mmの80ピン
フラットパッケージ(QFP)を、封止用エポキシ樹脂
成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して作製し、
85℃、85%RHの条件で加湿して所定時間毎に24
0℃、10秒の条件でリフロー処理を行い、クラックの
有無を観察し、試験パッケージ数(5)に対するクラッ
ク発生パッケージ数で評価した。 (5)耐湿性 5μm厚の酸化膜上に線幅10μm、厚さ1μmのアル
ミ配線を施した6mm×6mm×0.4mmのテスト用
シリコーンチップを搭載した外形寸法20mm×14m
m×2.7mmの80ピンフラットパッケージ(QF
P)を、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件
で成形、後硬化して作製し、前処理を行った後、加湿し
て所定時間毎にアルミ配線腐食による断線不良を調べ、
試験パッケージ数(10)に対する不良パッケージ数で
評価した。なお、前処理は85℃、85%RH、72時
間の条件でフラットパッケージを加湿後、215℃、9
0秒間のベーパーフェーズリフロー処理を行った。その
後の加湿は0.2MPa、121℃の条件で行った。 (6)高温放置特性 5μm厚の酸化膜上に線幅10μm、厚さ1μmのアル
ミ配線を施した5mm×9mm×0.4mmのテスト用
シリコーンチップを、部分銀メッキを施した42アロイ
のリードフレーム上に銀ペーストを用いて搭載し、サー
モニック型ワイヤボンダにより、200℃でチップのボ
ンディングパッドとインナリードをAu線にて接続した
16ピン型DIP(Dual Inline Package)を、封止用
エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化
して作製して、200℃の高温槽中に保管し、所定時間
毎に取り出して導通試験を行い、試験パッケージ数(1
0)に対する導通不良パッケージ数で、高温放置特性を
評価した。
【0041】
【表2】
【0042】本発明における(C)複合金属水酸化物を
含まない比較例2、4、6では、難燃性、熱時硬度、耐
リフロー性、耐湿性等のいずれかが劣り、(D)リン原
子を有するエステル化合物を含まない比較例1、3で
は、いずれも耐リフロー性に劣り、本発明の目的を満足
しない。また、ブロム化エポキシ樹脂及びアンチモン化
合物を用いた比較例5は高温放置特性に劣る。これに対
して、本発明の(A)〜(D)成分を全て含む実施例1
〜3は、流動性、熱時硬度、耐リフロー性、耐湿性及び
高温放置特性のいずれも低下せずに良好であり、かつ、
UL-94試験でV−0を達成し良好な難燃性を示す。
【0043】
【発明の効果】本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材
料は実施例で示したようにノンハロゲンかつノンアンチ
モンで難燃化を達成でき、これを用いてIC、LSI等
の電子部品を封止すれば成形性が良好であり、耐リフロ
ー性、耐湿性及び高温放置特性等の信頼性が良好な製品
を得ることができ、その工業的価値は大である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 片寄 光雄 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 柏原 隆貴 茨城県結城市大字鹿窪1772−1 日立化成 工業株式会社下館事業所内 Fターム(参考) 4J002 CC042 CC062 CC072 CD041 CD051 CD061 CD111 CD181 DE056 DE066 DE096 EE057 EW046 EW147 FD136 FD142 FD157 4J036 AA01 AF06 AF26 AF27 AJ19 AK02 DB05 DB06 DB30 DD07 FA03 FA12 FB07 JA07 4M109 AA01 BA01 CA21 EA02 EB02 EB04 EB07 EB12 EC01 EC05 EC20

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
    (C)複合金属水酸化物及び(D)リン原子を有するエ
    ステル化合物を必須成分とする封止用エポキシ樹脂成形
    材料。
  2. 【請求項2】(C)複合金属水酸化物が下記組成式
    (I)で示される化合物である請求項1記載の封止用エ
    ポキシ樹脂成形材料。 【化1】 m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (I) (ここで、M1及びM2は互いに異なる金属元素を示し、
    a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。)
  3. 【請求項3】組成式(I)中のM1とM2は互いに異なる
    ようにM1が第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土
    類金属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA
    族及びIVA族に属する金属元素から選ばれ、M2がIIIB
    〜IIB族の遷移金属元素から選ばれる請求項2記載の封
    止用エポキシ樹脂成形材料。
  4. 【請求項4】組成式(I)中のM1とM2は互いに異なる
    ようにM1がマグネシウム、カルシウム、アルミニウ
    ム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜
    鉛から選ばれ、M2が鉄、コバルト、ニッケル、銅及び
    亜鉛から選ばれる請求項3記載の封止用エポキシ樹脂成
    形材料。
  5. 【請求項5】組成式(I)中のM1がマグネシウムで、
    2が亜鉛又はニッケルである請求項4記載の封止用エ
    ポキシ樹脂成形材料。
  6. 【請求項6】組成式(I)中のm及びnのモル比m/n
    が99/1〜50/50である請求項2〜5のいずれか
    に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  7. 【請求項7】(D)リン原子を有するエステル化合物が
    リン酸エステル、亜リン酸エステル及び次亜リン酸エス
    テルの少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに
    記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  8. 【請求項8】(D)リン原子を有するエステル化合物が
    芳香環を有する化合物である請求項7記載の封止用エポ
    キシ樹脂成形材料。
  9. 【請求項9】(D)リン原子を有するエステル化合物が
    下記一般式(II)で示される骨格を有する化合物である
    請求項8記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化2】 (ここで、Xは水素原子又は置換又は非置換の芳香環を
    有する有機基を示し、同一でも異なっていてもよい。た
    だし、全てが水素原子の場合を除く。)
  10. 【請求項10】(D)リン原子を有するエステル化合物
    が下記一般式(III)で示される骨格を有する化合物で
    ある請求項9記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。 【化3】 (ここで、Yは置換又は非置換の芳香環を有する2価の
    有機基、Rは水素原子又は炭素数1〜6の置換又は非置
    換の有機基を示し、Rは全てが同一でも異なっていても
    よい。m、nは0〜3の整数を示す。)
  11. 【請求項11】(E)無機充填剤をさらに含有する請求
    項1〜10のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形
    材料。
  12. 【請求項12】(A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポ
    キシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エ
    ポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペン
    タジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及
    びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の少なくとも1種
    を含有する請求項1〜11のいずれかに記載の封止用エ
    ポキシ樹脂成形材料。
  13. 【請求項13】(B)硬化剤がビフェニル型フェノール
    樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジ
    エン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノー
    ル樹脂及びノボラック型フェノール樹脂の少なくとも1
    種を含有する請求項1〜12のいずれかに記載の封止用
    エポキシ樹脂成形材料。
  14. 【請求項14】(F)硬化促進剤をさらに含有する請求
    項1〜13のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形
    材料。
  15. 【請求項15】(F)硬化促進剤がホスフィン化合物と
    キノン化合物との付加物及び/又はシクロアミジン化合
    物とフェノール樹脂との付加物を含有する請求項14記
    載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  16. 【請求項16】(F)硬化促進剤が第三ホスフィン化合
    物を含有し、キノン化合物をさらに含有する請求項14
    又は請求項15記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  17. 【請求項17】(G)イオントラップ剤をさらに含有す
    る請求項1〜16のいずれかに記載の封止用エポキシ樹
    脂成形材料。
  18. 【請求項18】請求項1〜17のいずれかに記載の封止
    用エポキシ樹脂成形材料で封止された素子を備えた電子
    部品装置。
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JP2007262317A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Adeka Corp 難燃性樹脂組成物
JP2008063570A (ja) * 2006-08-09 2008-03-21 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2013010666A (ja) * 2011-06-29 2013-01-17 Hitachi Chemical Co Ltd モリブデン酸亜鉛微粒子含有スラリー組成物

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