JP3870825B2 - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents
封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、封止用エポキシ樹脂成形材料、特に環境対応の観点から要求されるノンハロゲンかつノンアンチモンで難燃性の封止用エポキシ樹脂成形材料で、厳しい信頼性、成形性を要求されるVLSIの封止用に好適な成形材料及びこの成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。これらの封止用エポキシ樹脂成形材料の難燃化は主にテトラブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル等のブロム化樹脂と酸化アンチモンの組合せにより行われている。
近年、環境保護の観点からダイオキシン問題に端を発し、デカブロムをはじめとするハロゲン化樹脂やアンチモン化合物に量規制の動きがあり、封止用エポキシ樹脂成形材料についてもノンハロゲン化(ノンブロム化)及びノンアンチモン化の要求が出てきている。また、プラスチック封止ICの高温放置特性にブロム化合物が悪影響を及ぼすことが知られており、この観点からもブロム化樹脂量の低減が望まれている。
そこで、ブロム化樹脂や酸化アンチモンを用いずに難燃化を達成する手法としては、赤リンを用いる方法(特開平9−227765号公報)、リン酸エステル化合物を用いる方法(特開平9−235449号公報)、ホスファゼン化合物を用いる方法(特開平8−225714号公報)、金属水酸化物を用いる方法(特開平9−241483号公報)、金属水酸化物と金属酸化物を併用する方法(特開平9−100337号公報)、フェロセン等のシクロペンタジエニル化合物(特開平11-269349号公報)、アセチルアセトナート銅(加藤寛、機能材料、11(6)、34(1991))等の有機金属化合物を用いる方法などのハロゲン、アンチモン以外の難燃剤を用いる方法、充填剤の割合を高くする方法(特開平7−82343号公報)等が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、封止用エポキシ樹脂成形材料に赤リンを用いた場合は耐湿性の低下の問題、リン酸エステル化合物やホスファゼン化合物を用いた場合は可塑化による成形性の低下や耐湿性の低下の問題、金属水酸化物を用いた場合は流動性や金型離型性の低下の問題、金属酸化物を用いた場合や、充填剤の割合を高くした場合は流動性の低下の問題がそれぞれある。また、アセチルアセトナート銅等の有機金属化合物を用いた場合は、硬化反応を阻害し成形性が低下する問題がある。
以上のようにこれらノンハロゲン、ノンアンチモン系の難燃剤では、いずれの場合もブロム化樹脂と酸化アンチモンを併用した封止用エポキシ樹脂成形材料と同等の成形性、信頼性及び安全性を得るに至っていない。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、ノンハロゲンかつノンアンチモンで、成形性、耐リフロー性、耐湿性及び高温放置特性等の信頼性を低下させずに難燃性が良好な封止用エポキシ樹脂材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、複合金属水酸化物を配合した封止用エポキシ樹脂成形材料により上記の目的を達成しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願は以下の発明に関する。
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)複合金属水酸化物、(F)2級アミノ基を有するシランカップリング剤を必須成分とする封止用エポキシ樹脂成形材料。
(2)(D)無機充填剤をさらに含有する上記(1)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(3)(C)複合金属水酸化物が下記組成式(I)で示される化合物である上記(1)又は(2)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
p(M1aOb)・q(M2cOd)・r(M3cOd)・mH2O (I)
(ここで、M1、M2及びM3は互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、p、q及びmは正の数、rは0又は正の数を示す。)
(4)組成式(I)中のM1とM2が同一とならないようにM1が第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土類金属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA族及びIVA族に属する金属元素から選ばれ、M2がIIIB〜IIB族の遷移金属元素から選ばれる上記(3)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(5)組成式(I)中のM1とM2が同一とならないようにM1がマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれ、M2が鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれる上記(4)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(6)組成式(I)中のM1がマグネシウムで、M2が亜鉛又はニッケルである上記(5)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(7)組成式(I)中、r=0で、p及びqのモル比p/qが99/1〜50/50である上記(3)〜(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(8)(E)硬化促進剤をさらに含有する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(9)(E)硬化促進剤が第三ホスフィン化合物とキノン化合物の付加物である上記(8)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(10)(E)硬化促進剤が第三ホスフィン化合物とp-ベンゾキノンとの付加物である上記(9)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(11)(E)硬化促進剤が下記一般式(II)で示される第三ホスフィン化合物とp-ベンゾキノンとの付加物である上記(9)又は(10)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
【化3】
(式中Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、mが2又は3の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。)
(12)(E)硬化促進剤がトリス(4-メチルフェニル)ホスフィンとp-ベンゾキノンとの付加物である上記(9)〜(11)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(13)(E)2級アミノ基を有するシランカップリング剤が下記一般式(III)で示される化合物を含有する上記(1)〜(12)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
【化4】
(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜2のアルコキシ基から選ばれ、R2は炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基から選ばれ、R3はメチル基又はエチル基を示し、nは1〜6の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。)
(14)(A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の少なくとも1種を含有する上記(1)〜(13)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(15)(B)硬化剤がビフェニル型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂の少なくとも1種を含有する上記(1)〜(14)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。及び
(16)上記(1)〜(15)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止された素子を備えた電子部品装置。
【0005】
また、本発明は以下の発明にも関する。
(18)(C)複合金属水酸化物が下記組成式(Ia)で示される化合物である上記(1)又は(2)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (Ia)
(ここで、M1及びM2は互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。)
(19)上記(18)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止された素子を備えた電子部品装置。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換又は非置換のビフェノール等のジグリシジルエーテル、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノ−ル類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、耐リフロー性の観点からはビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂が好ましく、硬化性の観点からはノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性及び低反り性の観点からはナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましく、これらのエポキシ樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
【0007】
ビフェニル型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、スチルベン型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、硫黄原子含有エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化5】
(ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
【化6】
(ここで、R1〜R8は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数6〜10のアリール基、及び炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
【化7】
(ここで、R1〜R8は水素原子及び炭素数1〜5の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜10の整数を示す。)
【化8】
(ここで、R1〜R8は水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基及び置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。)
上記一般式(IV)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、たとえば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。なかでも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。
上記一般式(V)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂はとしては、例えば、R1、R3、R6及びR8がメチル基で、R2、R4、R5及びR7が水素原子であり、n=0を主成分とするYSLV−80XY(新日鉄化学株式会社製商品名)が市販品として入手可能である。
上記一般式(VI)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料であるスチルベン系フェノール類としては、たとえば3−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5,5′−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5′,6−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン等が挙げられ、なかでも3−t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5,5′−トリメチルスチルベン、及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。これらのスチルベン型フェノール類は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記一般式(VII)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R2、R3、R6及びR7が水素原子で、R1、R4、R5及びR8がアルキル基であるエポキシ樹脂が好ましく、R2、R3、R6及びR7が水素原子で、R1及びR8がt−ブチル基で、R4及びR5がメチル基であるエポキシ樹脂がより好ましい。このような化合物としては、YSLV−120TE(新日鐵化学社製)等が市販品として入手可能である。
これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
【0008】
ノボラック型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化9】
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の整数を示す。)
上記一般式(VIII)で示されるノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることによって容易に得られる。なかでも、一般式(VIII)中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一般式(VIII)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のなかでも、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましい。
【0009】
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、たとえば下記一般式(IX)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化10】
(ここで、R1及びR2は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基からそれぞれ独立して選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
上記式(IX)中のR1としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜5の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、メチル基及び水素原子がより好ましい。R2としては、たとえば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの炭素数1〜5の置換又は非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでも水素原子が好ましい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましい。
【0010】
ナフタレン型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(X)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられ、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としてはたとえば下記一般式(XI)で示されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
【化11】
(ここで、R1〜R3は水素原子及び置換又は非置換の炭素数1〜12の一価の炭化水素基から選ばれ、それぞれ全てが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、l、mはそれぞれ0〜11の整数であって、(l+m)が1〜11の整数でかつ(l+p)が1〜12の整数となるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示す。)
上記一般式(X)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【化12】
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の整数を示す。)
これらのエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても両者を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
【0011】
上記のビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量はエポキシ樹脂全量に対して合わせて50重量%以上とすることが好ましく、60重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。
【0012】
本発明において用いられる(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とシクロペンタジエンから共重合により合成される、ジクロペンタジエン型フェノールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等のジクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、難燃性の観点からはビフェニル型フェノール樹脂が好ましく、耐リフロー性及び硬化性の観点からはアラルキル型フェノール樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からはジシクロペンタジエン型フェノール樹脂が好ましく、耐熱性、低膨張率及び低そり性の観点からはトリフェニルメタン型フェノール樹脂が好ましく、硬化性の観点からはノボラック型フェノール樹脂が好ましく、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
【0013】
ビフェニル型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(XII)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
【化13】
上記式(IX)中のR1〜R9は全てが同一でも異なっていてもよく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜10のアリール基、及び、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、なかでも水素原子とメチル基が好ましい。nは0〜10の整数を示す。
上記一般式(XII)で示されるビフェニル型フェノール樹脂としては、たとえばR1〜R9が全て水素原子である化合物等が挙げられ、なかでも溶融粘度の観点から、nが1以上の縮合体を50重量%以上含む縮合体の混合物が好ましい。このような化合物としては、MEH−7851(明和化成株式会社製商品名)が市販品として入手可能である。
ビフェニル型フェノール樹脂を使用する場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。
【0014】
アラルキル型フェノール樹脂としては、たとえばフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等が挙げられ、下記一般式(XIII)で示されるフェノール・アラルキル樹脂が好ましく、一般式(XIII)中のRが水素原子で、nの平均値が0〜8であるフェノール・アラルキル樹脂がより好ましい。具体例としては、p−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂、m−キシリレン型フェノール・アラルキル樹脂等が挙げられる。これらのアラルキル型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【化14】
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の整数を示す。)
【0015】
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(XIV)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
【化15】
(ここで、R1及びR2は水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基からそれぞれ独立して選ばれ、nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。)
ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0016】
トリフェニルメタン型フェノール樹脂としては、たとえば下記一般式(XV)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
【化16】
(ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の整数を示す。)
トリフェニルメタン型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0017】
ノボラック型フェノール樹脂としては、たとえばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂等が挙げられ、なかでもフェノールノボラック樹脂が好ましい。ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合、その配合量は、その性能を発揮するために硬化剤全量に対して30重量%以上とすることが好ましく、50重量%以上がより好ましい。
【0018】
上記のビフェニル型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量は硬化剤全量に対して合わせて60重量%以上とすることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0019】
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する硬化剤中の水酸基数の比(硬化剤中の水酸基数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.3がより好ましい。成形性及び耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
【0020】
本発明において用いられる(C)複合金属水酸化物は難燃剤として作用するもので、本発明の効果が得られれば特に制限はないが、下記組成式(I)で示される化合物が好ましい。
p(M1aOb)・q(M2cOd)・r(M3cOd)・mH2O (I)
(ここで、M1、M2及びM3は互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、p、q及びmは正の数、rは0又は正の数を示す。)
なかでも、上記組成式(I)中のrが0である化合物、すなわち、下記組成式(Ia)で示される化合物がさらに好ましい。
m(M1aOb)・n(M2cOd)・l(H2O) (Ia)
(ここで、M1及びM2は互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、m、n及びlは正の数を示す。)
上記組成式(I)及び(Ia)中のM1及びM2は互いに異なる金属元素であれば特に制限はないが、難燃性の観点からは、M1とM2が同一とならないようにM1が第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土類金属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA族及びIVA族に属する金属元素から選ばれ、M2がIIIB〜IIB族の遷移金属元素から選ばれることが好ましく、M1がマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれ、M2が鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれることがより好ましい。流動性の観点からは、M1がマグネシウム、M2が亜鉛又はニッケルであることが好ましく、M1がマグネシウムでM2が亜鉛であることがより好ましい。
上記組成式(I)中のp、q、rのモル比は本発明の効果が得られれば特に制限はないが、r=0で、p及びqのモル比p/qが99/1〜50/50であることが好ましい。すなわち、上記組成式(Ia)中のm及びnのモル比m/nが99/1〜50/50であることが好ましい。
複合金属水酸化物の市販品としては、たとえば、タテホ化学株式会社製商品名エコーマグZ-10を入手することができる。
なお、金属元素の分類は、典型元素をA亜族、遷移元素をB亜族とする長周期型の周期率表(出典:共立出版株式会社発行「化学大辞典4」1987年2月15日縮刷版第30刷)に基づいて行った。
【0021】
(C)複合金属水酸化物の形状は特に制限はないが、流動性の観点からは、平板状より、適度の厚みを有する多面体形状が好ましい。複合金属水酸化物は、金属水酸化物と比較して多面体状の結晶が得られやすい。
(C)複合金属水酸化物の配合量は特に制限はないが、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.5〜20重量%が好ましく、0.7〜15重量%がより好ましく、1.4〜12重量%がさらに好ましい。0.5重量%未満では難燃性が不十分となる傾向があり、20重量%を超えると離型性、流動性及び耐リフロー性が低下する傾向がある。
【0022】
本発明において用いられる(D)無機充填剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上のために成形材料に配合されるものであり、たとえば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアルミナが好ましく、充填剤形状は成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球形が好ましい。
(D)無機充填剤の配合量は、難燃性、成形性、吸湿性、線膨張係数低減及び強度向上の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して70〜95重量%が好ましく、75〜92重量%がより好ましい。70重量%未満では難燃性及び耐リフロー性が低下する傾向があり、95重量%を超えると流動性が不足する傾向がある。
【0023】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤の反応を促進させるために必要に応じて(E)硬化促進剤を用いることができる。(E)硬化促進剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等のホスフィン化合物及びこれらのホスフィン化合物に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、硬化性、流動性及び離型性の観点からは、第三ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物が好ましい。第三ホスフィン化合物としては、特に限定するものではないが、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4-メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(t-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィンなどのアルキル基、アリール基を有する第三ホスフィン化合物が好ましい。またキノン化合物としてはo-ベンゾキノン、p-ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4-ナフトキノン、アントラキノン等があげられ、なかでも耐湿性、保存安定性の観点からp-ベンゾキノンが好ましい。さらには、下記一般式(II)で示される第三ホスフィン化合物とp-ベンゾキノンとの付加物が好ましく、
【化17】
(式中Rは水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、mが2又は3の場合、Rは互いに同一でも異なっていてもよい。)
トリス(4-メチルフェニル)ホスフィンとp-ベンゾキノンとの付加物が離型性の観点からより好ましい。
【0024】
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される量であれば特に制限されるものではないが、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.005〜2重量%が好ましく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。0.005重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、2重量%を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。
【0025】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性及び高温放置特性を向上させる観点から、必要に応じて(G)イオントラップ剤をさらに配合することができる。(G)イオントラップ剤としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、たとえば、ハイドロタルサイト類や、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマスから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、下記組成式(XVI)で示されるハイドロタルサイトが好ましい。
Mg1-XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O ……(XVI)
(0<X≦0.5、mは正の数)
(G)イオントラップ剤の配合量は、ハロゲンイオンなどの陰イオンを捕捉できる十分量であれば特に制限はないが、流動性及び曲げ強度の観点から(A)エポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましく、1〜5重量%がさらに好ましい。
【0026】
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を添加することができる。これらを例示すると、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ-アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも流動性、離型性の観点からは、2級アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましく、下記一般式(III)で示されるアミノシランカップリング剤が特に好ましい。
【化18】
(ここで、R1は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基及び炭素数1〜2のアルコキシ基から選ばれ、R2は炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基から選ばれ、R3はメチル基又はエチル基を示し、nは1〜6の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。)
上記一般式(III)で示されるアミノシランカップリング剤としては、例えばγ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルエチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルエチルジメトキシシラン、γ−アニリノメチルトリメトキシシラン、γ−アニリノメチルトリエトキシシラン、γ−アニリノメチルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノメチルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノメチルエチルジエトキシシラン、γ−アニリノメチルエチルジメトキシシラン、N−(p−メトキシフェニル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(p−メトキシフェニル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(p−メトキシフェニル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(p−メトキシフェニル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(p−メトキシフェニル)−γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−(p−メトキシフェニル)−γ−アミノプロピルエチルジメトキシシラン等が挙げられる。特に好ましくは、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランである。
【0027】
上記カップリング剤の配合量は、(D)成分の無機充填剤に対して0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜2.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満ではフレームとの接着性が低下する傾向があり、また円板フローが低下し、ワイヤー流れ、ボイド等の成形不良が発生しやすくなり、さらには離型性が低下して、成形品の金型離れ不良が発生しやすくなる。5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
【0028】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、さらに難燃性を向上する目的で従来公知のノンハロゲン、ノンアンチモンの難燃剤を必要に応じて配合することができる。たとえば、赤リン、酸化亜鉛等の無機化合物とフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で被覆された赤リン及びリン酸エステル等のリン化合物、メラミン、メラミン誘導体、メラミン変性フェノール樹脂、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物、シクロホスファゼン等のリン及び窒素含有化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、ジシクロペンタジエニル鉄等の金属元素を含む化合物などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
なかでも流動性の観点からは、リン酸エステルが好ましい。リン酸エステルはリン酸とアルコール化合物又はフェノール化合物のエステル化合物であれば特に制限はないが、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(2,6ジメチルフェニル)ホスフェート及び芳香族縮合リン酸エステル等が挙げられる。なかでも耐加水分解性の観点からは、下記一般式(XVII)で示される芳香族縮合リン酸エステルが好ましい。
【化19】
上記式(XVII)のリン酸エステルを例示すると、下記構造式(XVIII)〜(XXII)で示されるリン酸エステル等が挙げられる。
【化20】
これらリン酸エステルの添加量は、充填剤を除く他の全配合成分に対して、燐原子の量で0.2〜3.0重量%の範囲内であることが好ましい。0.2重量%より少ない場合は難燃効果が低くなる傾向がある。3.0重量%を超えた場合は成形性、耐湿性の低下や、成形時にこれらのリン酸エステルがしみ出し、外観を阻害する場合がある。
【0029】
さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、その他の添加剤として、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の離型剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム粉末等の応力緩和剤などを必要に応じて配合することができる。
【0030】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料のせん断離型力は、10ショット以内に200KPa以下である。かかるせん断離型力を有することより、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は離型性が良好である。ここで、「せん断離型力」とは封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて半導体装置を成形する際の成形品と金型との離型性の程度を表す指標である。具体的には、縦50mm×横35mm×厚さ0.4mmのクロムめっきステンレス板の上に直径20mmの円板を金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で成形し、成形後直ちに該ステンレス板を引き抜き、その時測定される最大引き抜き力のことをいう。この条件で、10ショット(10回)以上、好ましくは20ショット(20回)程度、繰り返して連続成形を行い、毎ショット成形直後に毎回せん断離型力の測定を行った場合、少なくとも10ショット成形後のせん断離型力が、200Kpa以下であることが好ましい。せん断離型力は、成形性の観点から150Kpa以下が好ましく、100Kpa以下がより好ましい。せん断離型力が10ショット以内に200KPa以下となる封止用エポキシ樹脂成形材料を用いることにより、半導体装置の製造において、ゲートブレイク等金型離れの不良を低減することが可能となる。この時、せん断離型力が10ショット以内に200KPa以下となることが好ましいが、100KPa以下となることがより好ましく、50KPa以下となることがさらに好ましい。本発明においては、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)複合金属水酸化物及びその他の添加剤として用いる成分の組み合わせ及び配合量を調整することによって、せん断離型力が10ショット以内に200KPa以下となる封止用エポキシ樹脂成形材料を得ることができる。
【0031】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使いやすい。
【0032】
本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形材料により封止した素子を備えた電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、たとえば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形等により封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
【0033】
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
【0034】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
実施例1〜10、比較例1〜6
エポキシ樹脂として、エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコートYX−4000H)、エポキシ当量186、融点75℃のビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄化学株式会社製商品名YSLV−80XY)、エポキシ当量210、融点120℃のスチルベン型エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製商品名ESLV−210)、エポキシ当量245、融点110℃の硫黄原子含有エポキシ樹脂(新日鐵化学株式会社製商品名YSLV−120TE)及びエポキシ当量195、軟化点65℃のo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製商品名ESCN−190)、硬化剤として軟化点70℃、水酸基当量175のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株式会社製商品名ミレックスXL−225)、軟化点80℃、水酸基当量199のビフェニル型フェノール樹脂(明和化成株式会社製商品名MEH−7851)、軟化点80℃、水酸基当量106のフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製商品名H−1)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンとp-ベンゾキノンの付加物(硬化促進剤1)、トリス(4-メチルフェニル)ホスフィンとp-ベンゾキノンの付加物(硬化促進剤2)及びトリフェニルホスフィン(硬化促進剤3)、カップリング剤としてγ-アニリノプロピルトリメトキシシラン(アニリノシラン)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)、難燃剤としてタテホ化学製複合金属水酸化物エコーマグZ-10、芳香族縮合リン酸エステル(大八化学製商品名PX−200)、三酸化アンチモン及びエポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製商品名ESB−400T)、無機充填剤として平均粒径17.5μm、比表面積3.8m2/gの球状溶融シリカ、その他の添加剤としてカルナバワックス(クラリアント社製)及びカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)をそれぞれ表1に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例1〜10及び比較例1〜6の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。
【0036】
【表1】
【0037】
作製した実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を、次の各試験により評価した。結果を表2に示す。
なお、封止用エポキシ樹脂成形材料の成形は、トランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で行った。また、後硬化は180℃で5時間行った。
(1)スパイラルフロー
EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料をトランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間90秒の条件で成形し、流動距離(cm)を求めた。
(2)熱時硬度
封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形し、成形後直ちにショアD型硬度計を用いて測定した。
(3)せん断離型性(離型性の指標)
縦50mm×横35mm×厚さ0.4mmのクロムめっきステンレス板を挿入し、この上に直径20mmの円板を成形する金型を用いて、封止用エポキシ樹脂組成物を上記条件で成形し、成形後直ちに該ステンレス板を引き抜いて最大引き抜き力を記録した。これを同一のステンレス板に対して連続で20ショット繰り返し、10ショット目の引き抜き力を求めて評価した。
(4)難燃性
厚さ1/16インチの試験片を成形する金型を用いて、封止用エポキシ樹脂成形材料を上記条件で成形して180℃で5時間後硬化を行い、UL−94試験法に従って難燃性を評価した。
(5)ゲートブレイク性(離型性の指標)
8mm×10mm×0.4mmのシリコーンチップを搭載した外形寸法20mm×14mm×2mmの80ピンフラットパッケージを、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形し、成形後のゲート部分を観察し、ゲート数(20)に対するゲートブレイク数(成形品が詰まって残った数)で評価した。
(6)耐リフロー性
8mm×10mm×0.4mmのシリコーンチップを搭載した外形寸法20mm×14mm×2mmの80ピンフラットパッケージを、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して作製し、85℃、85%RHの条件で加湿して所定時間毎に240℃、10秒の条件でリフロー処理を行い、クラックの有無を観察し、試験パッケージ数(5)に対するクラック発生パッケージ数で評価した。
(7)耐湿性
線幅10μm、厚さ1μmのアルミ配線を施した6mm×6mm×0.4mmのテスト用シリコーンチップを搭載した外形寸法19mm×14mm×2.7mmの80ピンフラットパッケージを、封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて上記条件で成形、後硬化して作製し、前処理を行った後、加湿して所定時間毎にアルミ配線腐食による断線不良を調べ、試験パッケージ数(10)に対する不良パッケージ数で評価した。
なお、前処理は85℃、85%RH、72時間の条件でフラットパッケージを加湿後、215℃、90秒間のベーパーフェーズリフロー処理を行った。その後の加湿は0.2MPa、121℃の条件で行った。
(8)高温放置特性
上記(8)と同様に作製した試験用パッケージを200℃の高温槽に保管し、所定時間毎に取り出して導通試験を行い、試験パッケージ数(10)に対する導通不良パッケージ数で、高温放置特性を評価した。
【0038】
【表2】
【0039】
本発明における(C)複合金属水酸化物を含まない比較例5は難燃性が低く、UL-94 V-0を達成していない。またリン酸エステルのみを用いた比較例4は耐湿性が劣っており、ブロム化エポキシ樹脂及びアンチモン化合物を用いた比較例6は高温放置特性が劣っている。(C)複合金属水酸化物を含んではいるが、せん断離型力が10ショット以内に200KPa以下となることを満たしていない比較例1〜3はゲートブレイク数が多く、離型性が悪い。
これに対し、本発明の(A)〜(C)成分を全て含み、せん断離型力が10ショット以内に200KPa以下となる実施例1〜10はノンハロゲン、ノンアンチモンにてUL-94 V-0を達成し良好な難燃性を示し、またゲートブレイク数も少なく、パッケージの金型離れ性も良好で、さらには、耐リフロー性、耐湿性、高温放置特性といった信頼性も良好である。
【0040】
【発明の効果】
本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材料は実施例で示したようにノンハロゲンかつノンアンチモンで難燃化を達成でき、これを用いてIC、LSI等の電子部品を封止すれば成形性が良好であり、耐リフロー性、耐湿性及び高温放置特性等の信頼性が良好で、その工業的価値は大である。
Claims (16)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)複合金属水酸化物、(F)2級アミノ基を有するシランカップリング剤を必須成分とする封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (D)無機充填剤をさらに含有する請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (C)複合金属水酸化物が下記組成式(I)で示される化合物である請求項1又は請求項2に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
p(M1aOb)・q(M2cOd)・r(M3cOd)・mH2O (I)
(ここで、M1、M2及びM3は互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、p、q及びmは正の数、rは0又は正の数を示す。) - 組成式(I)中のM1とM2が同一とならないようにM1が第3周期の金属元素、IIA族のアルカリ土類金属元素、IVB族、IIB族、VIII族、IB族、IIIA族及びIVA族に属する金属元素から選ばれ、M2がIIIB〜IIB族の遷移金属元素から選ばれる請求項3に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 組成式(I)中のM1とM2が同一とならないようにM1がマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれ、M2が鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛から選ばれる請求項4に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 組成式(I)中のM1がマグネシウムで、M2が亜鉛又はニッケルである請求項5に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 組成式(I)中、r=0で、p及びqのモル比p/qが99/1〜50/50である請求項3〜6のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (E)硬化促進剤をさらに含有する請求項1〜7のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (E)硬化促進剤が第三ホスフィン化合物とキノン化合物の付加物である請求項8に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (E)硬化促進剤が第三ホスフィン化合物とp-ベンゾキノンとの付加物である請求項9に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (E)硬化促進剤がトリス(4-メチルフェニル)ホスフィンとp-ベンゾキノンとの付加物である請求項9〜11のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (A)エポキシ樹脂がビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の少なくとも1種を含有する請求項1〜13のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- (B)硬化剤がビフェニル型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂及びノボラック型フェノール樹脂の少なくとも1種を含有する請求項1〜14のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止された素子を備えた電子部品装置。
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