JP2007262317A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃剤の改良により、難燃剤を添加することによる物性の低下、特には耐衝撃強度や熱変形温度の低下を改善することで、これら物性と難燃性とを両立させた難燃性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)、
Figure 2007262317

(式中、R1、R2、R4、R5は、水素原子又は炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を表し、R3は、2官能基を有するナフタレン環を表し、nは、1〜5の整数を表す。)で表される芳香族ホスフェート化合物とを含有する難燃性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ハロゲン化合物を含まず、かつ、固体の状態で使用可能である特定の構造を有する芳香族ホスフェート化合物が添加されてなる、難燃性、耐衝撃性および耐熱性に優れた難燃性樹脂組成物に関する。
樹脂として、ポリカーボネート樹脂は、その優れた耐衝撃性あるいは耐熱性の特性により、様々な工業用途に用いられているが、一方で、成形加工温度が高い、流動性が悪い等の欠点を有している。現在では、この欠点が改良されたポリカーボネート樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(以下、「ABS樹脂」と示す)をブレンドした組成物が広く用いられている。しかし、ポリカーボネート樹脂にABS樹脂をブレンドしたものは、耐衝撃性の向上、成形加工温度の改良の効果が得られるものの、得られるブレンドの難燃性が不足するという問題がある。
また、樹脂として、ポリフェニレンオキシド系樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂)は、優れた耐熱性あるいは電気絶縁性を有する反面、成形性が低く、実用プラスチックにはできなかった。この欠点を解消するためにポリスチレン樹脂とブレンドした組成物が広く用いられているが、この組成物も、ポリカーボネート樹脂にABS樹脂をブレンドしたものと同様、難燃性が不足する問題がある。
従来、難燃性を付与するために、その付与能力の高さから、ハロゲン化合物と三酸化アンチモンを組み合わせたものが用いられてきたが、ハロゲン化合物による成形金型の汚染や、樹脂組成物の燃焼又は焼却時に有毒ガスが発生するなどの問題があるため、ハロゲン化合物を含有しないものが求められている。これに対し、ハロゲン化合物を含有しない難燃剤として、各種の芳香族ホスフェート化合物が用いられている。
OA機器あるいは家電部材のハウジング用途においては、機器の軽量化に伴う樹脂の薄肉化が進んでおり、これに用いる樹脂材料においては、より高度なレベルの難燃性、成型時の流動性及び耐衝撃性が求められている。
難燃剤として必要な特性としては、樹脂の難燃化に寄与することだけでなく、添加使用した場合において樹脂自身の物性を損なわないことや、樹脂との相溶性に優れ、ブリードを生じないこと等が挙げられる。これらを満足する難燃剤として、芳香族ホスフェート化合物からなる難燃剤が特許文献1〜6等に報告されている。
上記の芳香族ホスフェート化合物からなる難燃剤は、工業的にはオキシ塩化リン等のオキシハロゲン化リン化合物とビスフェノールA及びフェノールとのエステル化反応により得られ、トリフェニルホスフェートやオリゴマー成分を含有する液体である。従って、液体の難燃剤であるために、樹脂に添加する場合に液体(難燃剤)と固体(樹脂や他の添加剤)との均質混合のための特別な設備や繁雑な作業を伴うという問題点を有していた。
芳香族ホスフェート化合物からなる固体難燃剤については、特許文献7〜9等に報告されている。一般に難燃剤は、抗酸化剤、光安定剤等の樹脂に利用される他の添加剤に比べて大量に添加使用されるため、成形加工において難燃剤自身の耐熱性が問題になる。樹脂の加工温度は、例えば、ポリオレフィン系樹脂で180〜250℃であり、ポリカーボネート系樹脂で250〜300℃であるので、これらの温度で加工を行っても熱劣化が少ない難燃剤が求められている。上記の固体難燃剤は、得られる難燃性樹脂組成物の物性の低下が大きく、特に熱変形温度や耐衝撃強度が低下する問題があった。
なお、特許文献10には、セルロースエステルにおいて、本発明に係る固体の芳香族ホスフェート化合物を難燃剤として添加することが開示されているが、上記の問題を改善する効果については何ら記載されていない。また、特許文献11には該芳香族ホスフェート化合物が開示されているが、難燃剤として使用することについての記載はない。
特許第3043694号公報 特開平5−186681号公報 特開平7−258539号公報 特開平9−249768号公報 特開2000−319494号公報 特開2000−319495号公報 特開2001−123057号公報 特開2001−234051号公報 特開2003−82159号公報 特表平6−501039号公報 特開2001−117205号公報
上述のように、これまでに種々検討はなされてきているものの、樹脂に対し、耐衝撃性や耐熱性等の物性を損なうことなく難燃性を付与することができ、かつ、ハロゲン化合物を含まず、固体状態での使用が可能であるなどの利点を有する難燃剤に係る技術については、十分なものが得られていなかった。
そこで本発明の目的は、難燃剤の改良により、難燃剤を添加することによる物性の低下、特には耐衝撃強度や熱変形温度の低下を改善することで、これら物性と難燃性とを両立させた難燃性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、難燃剤として、特定の構造の芳香族ホスフェート化合物を使用することにより、上記課題を解決して、固体の難燃剤でありながら更に高度な難燃性を付与し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
本発明の難燃性樹脂組成物は、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群から選択される樹脂の一種以上と、下記一般式(I)、
Figure 2007262317
(式中、R1、R2、R4、R5は、各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を表し、R3は、2官能基を有するナフタレン環を表し、nは、1〜5の整数を表す。)で表される芳香族ホスフェート化合物とを含有することを特徴とするものである。
上記一般式(I)におけるR1、R2、R4及びR5で表される炭素原子数1〜30のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル、ベヘニル、トリコシル等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。また、アルケニル基としては、例えば、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、エイコセニル、トリコセニル等の直鎖又は分岐のアルケニル基が挙げられ、アリール基、アルキルアリール基としては、例えば、フェニル、クレジル、2,6−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、2,6−ジ−第三ブチルフェニル、2,4−ジ第三ペンチルフェニル、2,4−ジクミルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ナフチル、ビフェニル等が挙げられ、アリールアルキル基としては、例えば、ベンジル、フェニルエチル等が挙げられる。
本発明においては、前記難燃性樹脂組成物100質量部に対して、上記一般式(I)で表される芳香族ホスフェート化合物を5〜30質量部配合することが好ましい。
また、本発明において、前記樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂とスチレン系樹脂との混合物を好適に用いることができる。
さらに、本発明において、前記スチレン系樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂が好適である。
以上より、本発明の難燃性樹脂組成物によれば、特定の芳香族ホスフェート化合物を配合したことにより、高度な難燃性を発揮するとともに、耐熱性及び衝撃強度等の物性の低下を改善する効果が得られるものである。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明で使用する樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。
(1)ポリカーボネート系樹脂
ポリカーボネート系樹脂には、ジヒドロキシ化合物とホスゲン又はジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとの反応により得られる重合体が含まれる。ポリカーボネートは分岐を有するものであってもよく、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネートであってもよく、ポリカーボネートとスチレン系樹脂を混合してもよく、アロイにしたものであってもよい。
(2)ポリエステル系樹脂
ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合、オキシカルボン酸又はラクトンの重縮合、またはこれらの成分の重縮合などにより得られるホモポリエステル又はコポリエステルである。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリエチレンテレフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート、ボリブチレンテレフタレート/デカジカルボキシレート、及びポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートが挙げられる。また、液晶性を有するポリエステルであってもよい。
中でも、力学的特性、成形性等からポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリエチレンテレフタレート等が好ましい。
(3)スチレン系樹脂
スチレン系樹脂は、芳香族ビニル単量体を含有する熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、高耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン共重合体、アクリロニトリル−エチレン・プロピレンゴム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、ポリパラメチルスチレン等が挙げられる。
好ましいスチレン系樹脂としては、ABSである。
(4)ポリアミド系樹脂
ポリアミド系樹脂は、ポリマー鎖にアミド基を持つポリマーである。ポリアミドは、脂肪酸ポリアミドおよび芳香族ポリアミドという分類と、結晶性ポリアミドおよび非結晶性ポリアミドという分類ができるが、いずれも本発明に使用することができる。具体的には以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミド系樹脂として挙げられるものは、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12、パラアミノメチル安息香酸とε−カプロラクタムとの共重合ポリアミド(ナイロンAHBA/6)やテレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンとの共重合ポリアミド(ナイロンTHDT)等である。ジアミンとジカルボン酸とから誘導されるポリアミド;アミノカルボン酸、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸を併用して得られるポリアミド;ラクタム、必要に応じてジアミン及び/又はジカルボン酸との併用により誘導されたポリアミドが含まれる。
(5)ポリフェニレンオキシド系樹脂
ポリフェニレンオキシド系樹脂(ポリフェニレンエーテル系樹脂)には、単独重合体および共重合体が含まれる。単独重合体としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジエチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−メトキシ−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレン)オキシド等のポリ(モノ、ジ又はトリC1-6アルキル−フェニレン)オキシド、ポリ(モノ又はジC6-20アリール−フェニレン)オキシド、ポリ(モノC1-6アルキル−モノC6-20アリール−フェニレン)オキシドなどが挙げられる。
ポリフェニレンオキシドの共重合体としては、前記単独重合体のモノマーユニットを2つ以上有する共重合体(例えば、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド単位と、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンオキシド単位とを有するランダム共重合体など)、ベンゼンホルムアルデヒド樹脂(フェノール樹脂などのベンゼン環含有化合物のホルムアルデヒド縮合物)やアルキルベンゼンホルムアルデヒド樹脂に、クレゾール、p−tert−ブチルフェノールなどのアルキルフェノールを反応させて得られるアルキルフェノール変性ベンゼンホルムアルデヒド樹脂ブロックと、主体構造としてのポリフェニレンオキシドブロックとで構成された変性ポリフェニレンオキシド共重合体、ポリフェニレンオキシド又はその共重合体にスチレン系重合体がグラフトしている変性グラフト共重合体などが挙げられる。ポリフェニレンオキシド系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(6)ビニル系樹脂
ビニル系樹脂としては、ビニル系単量体(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、クロトン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニルエステル;塩素含有ビニル単量体(例えば、塩化ビニル、クロロプレンなど);フッ素含有ビニル単量体(例えば、フルオロエチレンなど);メチルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなどのビニルアミン類など)の単独又は共重合体、あるいは他の共重合可能なモノマーとの共重合体などが含まれる。
また、上記ビニル系樹脂の誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体など)も使用できる。これらのビニル系樹脂は、1種で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(7)オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂には、オレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、デセン−1、4−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−C1-6オレフィン等)の単独又は共重合体、これらのオレフィンと共重合可能なモノマー(不飽和カルボン酸又はそのエステル((メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステル等))との共重合体等が含まれる。これらの共重合体には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が含まれる。
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂(例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低融点ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体など)、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、低融点ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体等のプロピレン含有80質量%以上のプロピレン系樹脂など)、ポリ(メチルペンテン−1)樹脂等が挙げられる。共重合体としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体、オレフィン系ゴム、オレフィン系エラストマー等が挙げられる。これらのオレフィン系重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
(8)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂には、例えば、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸又はそのエステルなど)の単独又は共重合体の他、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体などが含まれる。
(9)その他の樹脂
その他の樹脂としては、ポリアセタール樹脂、脂肪族ポリケトン系樹脂(ケトン樹脂);ポリスルホン(例えば、熱可塑性ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4′−ビスフェノールエーテルスルホンなど);ポリエーテルケトン;ポリ(エーテルエーテルケトン);ポリエーテルイミド;ポリアリレート;熱可塑性ポリウレタン系樹脂(例えば、トリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物と、前記グリコール及び/又は前記ジアミンとの反応により得られる重合体、ポリテトラメチレングリコールなどのセグメントを有していてもよいポリウレタンエラストマーなど);熱可塑性ポリイミド;ポリオキシベンジレン;熱可塑性エラストマーなどが例示できる。これらその他の樹脂は、樹脂の総量のうち50質量%程度まで使用することができる。
本願発明においては、上記の樹脂を単独でまたは二種以上組み合わせて混合して使用してもよく、ポリマーアロイにしたものを併用して使用してもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物に係る上記一般式(I)で表される芳香族ホスフェート化合物は、難燃効果が発現する範囲の量で使用されるものであり、難燃性樹脂組成物100質量部に対して、5質量部より少ないと難燃効果が発現しない場合があり、30質量部を超えると樹脂の使用に支障をきたすまで軟化点が低下する場合があるので、5〜30質量部が好ましく、5〜20質量部がより好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、通常一般に用いられる他の添加剤を難燃性樹脂組成物に加えてもよい。
上記他の添加剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系等からなる抗酸化剤;HALS、紫外線吸収剤等からなる光安定剤;炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族エステル系、脂肪族アミド化合物、脂肪族カルボン酸金属塩又は、その他の金属石けん等の滑剤;重金属不活性化剤;防曇剤;カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤;ハロゲン系化合物;リン酸エステル系化合物;リン酸アミド系化合物;メラミン系化合物;フッ素樹脂又は金属酸化物;(ポリ)リン酸メラミン、(ポリ)リン酸ピペラジン等の難燃剤;ガラス繊維、炭酸カルシウム等の充填剤;顔料;ハイドロタルサイト、フュームドシリカ、微粒子シリカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、マイカ、ミネソタイト、パイロフィライト、シリカ等の珪酸系無機添加剤;造核剤等を使用することができる。特に、フェノール系及びリン系からなる抗酸化剤は、難燃性樹脂組成物の着色防止としての効果があるので好ましく使用される。
フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)チオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、 トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
HALSとしては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジルメタクリレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類等が挙げられる。
滑剤として用いられる脂肪族アミド化合物としては、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のモノ脂肪酸アミド類;N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミド等のN,N’−ビス脂肪酸アミド類;ステアリン酸モノメチロールアミド、やし油脂肪酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド等のアルキロールアミド類;N−オレイルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド類;N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等のN,N’−置換ジカルボン酸アミド類が挙げられる。これらは、1種類又は2種類以上の混合物で用いてもよい。
造核剤としては、ヒドロキシ−ジ−(第三ブチル安息香酸)アルミニウム、アジピン酸ナトリウム、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート等のカルボン酸金属塩、ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート等の酸性リン酸エステル金属塩、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(pーエチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体が挙げられる。
また、これらの添加剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、本発明の難燃性樹脂組成物に係る難燃剤に含有して、ワンパック添加剤等の複合添加剤を形成し、樹脂に添加使用してもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物は、難燃性ばかりか、力学的特性、耐熱性及び成形加工性に優れており、押出成形、射出成形、プレス成形だけではなく、シート成形や真空成形への適用が可能である。
そして、本発明の難燃性樹脂組成物からなる成形品は、その優れた難燃性を生かして、電気・電子部品、自動車部品、機械機構部品、OA機器、家電機器などのハウジング及びそれらの部品類、一般雑貨など種々の用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明の構成、効果をさらに詳細に説明する。
(実施例1、比較例1〜比較例3)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製;ユーピロン S−3000FN)/ABS樹脂(日本エイアンドエル(株)製;サンタックAT−05)が4/1の割合でブレンドされた樹脂と、表1に記載の難燃剤と、ポリテトラフルオロエチレンとで構成される混合物であって、樹脂組成物100質量部に対し、難燃剤は表1に記載した割合で、ポリテトラフルオロエチレンは0.3質量部にて、それぞれ配合された混合物を、260℃に加熱した二軸押出機に供給し、混練してペレットを得た。
得られたペレットを用いて、射出成形機(東芝機械(株)製;EC−100)で、射出温度250〜260℃、金型温度50℃の各条件で試験片を作製し、各特性を以下の測定方法にて評価した。
(1)難燃性:米国アンダーライターラボラトリー規格(UL−94V)に準拠して難燃性の評価をした。長さ127mm、幅12.7mm、厚さ1.6mmの短冊試験片を垂直に保ち、下端にバーナの火を10秒間接炎させた後、炎を取り除き、試験片に着火した火が消える時間(t1[秒])を測定した。次に、火が消えると同時に2回目の接炎を10秒間行い、1回目と同様にして着火した火が消える時間(t2[秒])を測定した。また、試験片から落下する火種により試験片の下の綿が着火するか否かについても同時に評価した。1回目と2回目の燃焼時間、綿着火の有無等から上述のUL−94V規格に従って燃焼ランクをつけた。燃焼ランクはV−0が最高の難燃効果を示すものであり、以下にV−1、V−2の順に難燃効果が低下する。但し、V−0〜V−2のランクの何れにも該当しないものはNRとする。
(2)荷重たわみ温度:ISO75(荷重1.82MPa)に準じて耐熱性を評価した。
(3)アイゾット衝撃強度:ISO180に準じて耐衝撃性を評価した。
(4)シャルピー衝撃強度:ISO179に準じて耐衝撃性を評価した。
Figure 2007262317
*1:1,5−ナフタレンビスジフェニルリン酸エステル
*2:レゾルシノールビス・ジキシレニルホスフェート
表1において、難燃性V−0の難燃性樹脂組成物を検討すると(実施例1及び比較例3)、実施例1の難燃性樹脂組成物は、比較例3の難燃性樹脂組成物よりも難燃剤の使用量が少なく、かつ、耐熱性、耐衝撃強度の物性の低下が改善されていることがわかる。
また、本発明に係る前記一般式(I)で表される芳香族ホスフェート化合物は結晶性が良く固化が早い特性を有し、かかる芳香族ホスフェート化合物を配合することによって得られる本発明の難燃性樹脂組成物は、添加物のブリードを抑制する効果も奏するものである。

Claims (4)

  1. ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群から選択される一種以上の樹脂と、下記一般式(I)、
    Figure 2007262317
    (式中、R1、R2、R4、R5は、各々独立に水素原子又は炭素原子数1〜30のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基を表し、R3は、2官能基を有するナフタレン環を表し、nは、1〜5の整数を表す。)で表される芳香族ホスフェート化合物とを含有することを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  2. 前記難燃性樹脂組成物100質量部に対して、前記芳香族ホスフェート化合物が5〜30質量部配合されてなる請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記樹脂が、ポリカーボネート系樹脂とスチレン系樹脂との混合物である請求項1または2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記スチレン系樹脂が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂である請求項3記載の難燃性樹脂組成物。
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