JP5105502B2 - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5105502B2
JP5105502B2 JP2006177968A JP2006177968A JP5105502B2 JP 5105502 B2 JP5105502 B2 JP 5105502B2 JP 2006177968 A JP2006177968 A JP 2006177968A JP 2006177968 A JP2006177968 A JP 2006177968A JP 5105502 B2 JP5105502 B2 JP 5105502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester resin
carbon atoms
atom
compound
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006177968A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008007593A (ja
Inventor
隆裕 堀越
和清 野村
尚史 川本
悦男 飛田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2006177968A priority Critical patent/JP5105502B2/ja
Publication of JP2008007593A publication Critical patent/JP2008007593A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5105502B2 publication Critical patent/JP5105502B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、結晶化速度が速く優れた成形性を有するポリエステル樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂は、耐熱性、耐薬品性、力学的特性、電気的特性等に優れており、コスト/性能において優れていることから、繊維やフィルムとして広く工業的に使用され、更に、ガスバリア性、衛生性、透明性が良いことから、飲料用ボトル、化粧品・医薬品容器、洗剤・シャンプー容器等に広く用いられている。
しかし、射出成形用途としては、ポリエステル樹脂、中でも特にポリエチレンテレフタレートは、結晶性樹脂であるにも関わらず結晶化速度が極めて遅いので、成形条件の幅が極めて狭く、かつ加工サイクルの向上が困難で、成形材料の利用は未だ限られている。
ポリエチレンテレフタレートの結晶化速度を向上させる方法として、核剤を添加することが一般的に知られており、鉱物、有機酸の金属塩、無機塩、金属酸化物等があり、結晶核剤として汎用的な化合物としては、安息香酸ナトリウム、p−第三ブチル安息香酸アルミニウム、芳香族リン酸エステル金属塩などの金属塩や、ジベンジリデンソルビトール等の化合物が挙げられる。また、樹脂の加工温度での流動性を向上する目的で、樹脂のオリゴマーを配合する方法も知られている。
例えば、特許文献1には、ポリエステルの結晶化速度を促進させる目的で、アビエチン酸系化合物の金属塩を添加する方法が提案されている。また、特許文献2には、4−アミノベンセンスルホンアミドをオレフィン樹脂に添加する方法が開示されている。さらに、特許文献3には、リン酸エステル金属塩および脂肪族カルボン酸金属塩を結晶性高分子に添加する方法が提案されている。
特開平08−059968号公報 米国特許第3756997号明細書 特開2005−162867号公報
しかしながら、従来公知の添加物によるポリエステル樹脂の結晶化速度の改善効果は、未だ満足のいくものではなかった。また、エチレングリコール等の樹脂のオリゴマーを添加する方法では、樹脂の結晶化速度に多少は寄与するものの、得られる成形品の力学的強度等が低下する場合があった。結晶化速度の向上によりポリエステル樹脂の成形サイクルを改善することができれば、既存の設備で製造できる成形品の絶対量を増加させることができるため、より高性能な核剤の開発が望まれている。
そこで本発明の目的は、上記従来技術における問題を解決して、結晶化速度に優れたポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、下記構成とすることにより上記目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のポリエステル樹脂組成物は、(a)ポリエステル樹脂に対し、(b)バルビツル酸構造を有する化合物を含有してなることを特徴とするものである。
本発明において、前記(b)バルビツル酸構造を有する化合物としては、下記一般式(1)または(2)で表される基を有するものを好適に使用することができる。
Figure 0005105502
(式(1)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数3〜30の置換基を有してもよい環状基若しくは−NH−R4(R4はR1と同じもの、または炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体を表す)、または、これらの基の組合せを表し、Lは酸素原子または硫黄原子を表す)
Figure 0005105502
(式(2)中、R1、R2、R3およびLは、上記一般式(1)中と同じものを表し、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数3〜30の置換基を有してもよい環状基若しくは−NH−R4(R4はR1と同じもの、または炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体を表す)、または、これらの基の組合せを表す)
また、本発明においては、上記(b)バルビツル酸構造を有する化合物として、下記一般式(3)、(4)または(5)で表される化合物の少なくとも一種以上を含むポリエステル樹脂組成物を、特に好適に使用することができる。
Figure 0005105502
(式(3)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数3〜30の置換基を有してもよい環状基若しくは−NH−R4(R4はR1と同じもの、または炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体を表す)、または、これらの基の組合せを表し、Lは酸素原子または硫黄原子を表し、Mは水素原子または金属原子を表し、Mが水素原子または価数1の金属原子である場合には、pは1、qは0を表し、Mが価数2の金属原子である場合には、qは0または1の整数、pは2−qを表し、Mが価数3の金属原子である場合には、qは0〜2の整数、pは3−qを表し、Mが価数4の金属原子である場合には、qは0〜3の整数、pは4−qを表す)
Figure 0005105502
(式(4)中、R1、R2、R3、L、M、pおよびqは上記一般式(3)と同じものを表し、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数3〜30の置換基を有してもよい環状基若しくは−NH−R4(R4はR1と同じもの、または炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体を表す)、または、これらの基の組合せを表す)
Figure 0005105502
(式(5)中、R1、R2、R3、R5およびLは、上記一般式(4)と同じものを表す)
さらに、上記バルビツル酸構造を有する化合物として、下記一般式(6)、(7)または(5)で表される化合物の少なくとも一種以上を含むポリエステル樹脂組成物も好適である。
Figure 0005105502
(式(6)中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数3〜30の置換基を有してもよい環状基若しくは−NH−R4(R4はR1と同じもの、または炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体を表す)、または、これらの基の組合せを表し、Lは酸素原子または硫黄原子を表し、Mは水素原子または金属原子を表し、nは1〜4の整数を表す)
Figure 0005105502
(式(7)中、R1、R2、R3、L、Mおよびnは上記一般式(6)と同じものを表し、R5およびR6はそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数3〜30の置換基を有してもよい環状基若しくは−NH−R4(R4はR1と同じもの、または炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体を表す)、または、これらの基の組合せを表す)
Figure 0005105502
(式(5)中、R1、R2、R3、R5およびLは、上記一般式(7)と同じものを表す)
本発明においてより好適には、前記一般式(3)または(4)において、式中のMがアルカリ金属原子、特にはナトリウム原子を表し、pが1、qが0を表す前記(b)バルビツル酸構造を有する化合物を用いることができる。
また、本発明において前記(a)ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリ乳酸からなる群から選択される少なくとも一種以上を好適に用いることができる。
本発明によれば、ポリエステル樹脂に対し、結晶核剤としてバルビツル酸化合物を配合したことにより、結晶化速度が速く、優れた成形性を有するポリエステル樹脂組成物を実現することが可能となった。
本発明のポリエステル樹脂組成物について、以下に詳述する。
本発明のポリエステル樹脂組成物に用いられるポリエステル樹脂としては、通常の熱可塑性ポリエステル樹脂が用いられ、特別の制限はない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル;ポリエステルの構成成分と他の酸成分および/またはグリコール成分(例えば、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタール酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ダイマー酸のような酸成分、ヘキサメチレングリコール、ビスフェノールA、ネオペンチルグリコールアルキレンオキシド付加体のようなグリコール成分)を共重合したポリエーテルエステル樹脂;ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル;芳香族ポリエステル/ポリエーテルブロック共重合体、芳香族ポリエステル/ポリラクトンブロック共重合体、ポリアリレートなどの広義のポリエステル樹脂も使用される。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレートおよびポリ乳酸が好ましく使用される。
また、前記熱可塑性ポリエステル樹脂は、単独または複数樹脂のブレンド(例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートとのブレンド等)、若しくはそれらの共重合体(例えば、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体等)であってもよい。特に、融点が200℃〜300℃のものが耐熱性を有す特性を示すため、好ましく使用される。
前記一般式中において、R1〜R6で表される分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、デシル等が挙げられるが、かかるアルキル基中の任意の−CH2−は−O−、−CO−、−COO−または−SiH2−で置換されていてもよく、一部あるいは全部の水素原子が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子またはシアノ基によって置換されていてもよい。
前記一般式中において、R1〜R6で表される分岐を有してもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、第二ブチルオキシ、第三ブチルオキシ、イソブチルオキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ、第三アミルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、イソヘプチルオキシ、第三ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、第三オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ等が挙げられるが、かかるアルコキシ基中の任意の−CH2−は−O−、−CO−、−COO−または−SiH2−で置換されていてもよく、一部あるいは全部の水素原子が、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子またはシアノ基によって置換されていてもよい。
前記一般式中において、R1〜R6で表される置換基を有してもよい炭素原子数3〜30の環状基とは、単環、多環、縮合環または集合環であってもよく、芳香族環状基、飽和脂肪族環状基の区別無く使用することができ、環の炭素原子が酸素原子、窒素原子、硫黄原子等に置換されていてもよく、環の水素原子の一部または全部が、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基で置換されていてもよい。かかる炭素原子数3〜30の環状基としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、フェニル、ナフチル、アントラセン、ビフェニル、トリフェニル、2−メチルフェニル(o−トリル、クレジル)、3−メチルフェニル(m−トリル)、4−メチルフェニル(p−トリル)、4−クロロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル(キシリル)、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、2,5−ジ第三ブチルフェニル、2,6−ジ第三ブチルフェニル、2,4−ジ第三ペンチルフェニル、2,5−ジ第三アミルフェニル、2,5−ジ第三オクチルフェニル、ベンゼン、2,4−ジクミルフェニル、シクロヘキシルフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル(メシチル)、4−アミノフェニル、5−ジメチルアミノナフチル、6−エトキシ−ベンゾチアゾーリル、2,6−ジメトキシ−4−ピリミジル、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、5−メチル−3−イソキサゾールイル等が挙げられる。
前記一般式中において、R4で表される炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体とは、アミノ酸またはヒドロキシ基で置換されていてもよく、前記アルキル基、前記アルコキシ基または前記環状基を組み合わせたものであってもよく、かかる炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体としては、例えば、アセタート、アクリラート、マロナート、スクシナート、マレアート、フマラート、ベンゾアート、2−ナフトアート、フタラート、イソテレフタラート、テレフタラート、ニコチナート、イソニコチナート、2−フロアート、ホルマート、プロピオナート、プロピオラート、ブチラート、イソブチラート、メタクリラート、パルミタート、ステアラート、オレアート、オキサラート、グルタラート、アジパート、シンナマート、グリコラート、ラクタート、グリセラート、タルトラート、シトラート、グリオキシラート、ビルバート、アセトアセタート、ベンジラート、アントラニラート、エチレンジアミンテトラアセタート等が挙げられる。
前記一般式中において、Mで表される金属原子としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、卑金属、貴金属、重金属、軽金属、半金属、レアメタル等が挙げられ、具体的には、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブテン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、アルミニウム、亜鉛、金、白金、イリジウム、オスミウム、水銀、カドミウム、ヒ素、タングステン、錫、ビスマス、ホウ素、珪素、ゲルマニウム、テルル、ボロニウム、ガリウム、ゲルマニウム、ルビジウム、インジウム、アンチモン、セシウム、ハフニウム、タンタル、レニウム等が挙げられるが、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタニウム、マンガン、鉄、アルミニウム、亜鉛、珪素、ジルコニウム、イットリウム、バリウム、ハフニウムが好ましく使用される。
前記一般式中において、Mで表されるアルカリ金属原子としては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムが挙げられるが、特に、ナトリウムは本発明の効果が顕著であるので、好ましく使用される。
前記一般式(1)または(2)で表される基を有する化合物、および、前記一般式(3)〜(7)で表される化合物の好ましい具体例としては、下記の化合物No.1〜No.14が挙げられるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
化合物No.2
Figure 0005105502
化合物No.4
Figure 0005105502
化合物No.6
Figure 0005105502
化合物No.8
Figure 0005105502
化合物No.10
Figure 0005105502
化合物No.12
Figure 0005105502
化合物No.14
Figure 0005105502
本発明に係るバルビツル酸構造を有する化合物は、ポリエステル樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部、最も好ましくは0.1〜3質量部配合される。配合量が0.01質量部より少ないと、添加効果が不十分であり、10質量部より多いと、ポリエステル樹脂組成物の表面に上記の化合物が噴出するなどの現象が発生するようになる。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて通常一般に用いられる他の添加剤をポリエステル樹脂組成物に加えてもよい。
上記他の添加剤としては、例えば、フェノール系、リン系、硫黄系等からなる抗酸化剤;HALS、紫外線吸収剤等からなる光安定剤;炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族エステル系、脂肪族アミド化合物、脂肪族カルボン酸金属塩または、その他の金属石けん系等の滑剤;重金属不活性化剤;防曇剤;カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤;ハロゲン系化合物;リン酸エステル系化合物;リン酸アミド系化合物;メラミン系化合物;フッ素樹脂または金属酸化物;難燃剤;ガラス繊維、炭酸カルシウム等の充填剤;顔料;珪酸系無機添加剤;結晶核剤等が挙げられる。特に、フェノール系およびリン系からなる抗酸化剤は、ポリエステル樹脂組成物の着色防止としての効果があるので好ましく使用される。
フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス (4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、 トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類およびペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
上記HALSとしては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジルメタクリレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−(トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]−5−クロロベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル]ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩または金属キレート、特にニッケルまたはクロムの塩またはキレート類等が挙げられる。
滑剤として用いられる脂肪族アミド化合物としては、例えば、ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等のモノ脂肪酸アミド類;N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−メチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ブチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−キシリレンビスステアリン酸アミド等のN,N’−ビス脂肪酸アミド類;ステアリン酸モノメチロールアミド、やし油脂肪酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド等のアルキロールアミド類;N−オレイルステアリン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド類;N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−ジステアリルテレフタル酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等のN,N’−置換ジカルボン酸アミド類が挙げられる。これらは、1種類または2種類以上の混合物で用いてもよい。
上記難燃剤としては、例えば、リン酸トリフェニル、フェノール・レゾルシノール・オキシ塩化リン縮合物、フェノール・ビスフェノールA・オキシ塩化リン縮合物、2,6−キシレノール・レゾルシノール・オキシ塩化リン縮合物等のリン酸エステル;アニリン・オキシ塩化リン縮合物、フェノール・キシリレンジアミン・オキシ塩化リン縮合物等のリン酸アミド;ホスファゼン;デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン系難燃剤;リン酸メラミン、リン酸ピペラジン、ピロリン酸メラミン、ピロリン酸ピペラジン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸ピペラジン等の含窒素有機化合物のリン酸塩;赤リン及び表面処理やマイクロカプセル化された赤リン;酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛等の難燃助剤;ポリテトラフルオロエチレン、シリコン樹脂等のドリップ防止剤等が挙げられる。
上記珪酸系無機添加剤としては、例えば、ハイドロタルサイト、フュームドシリカ、微粒子シリカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、マイカ、ミネソタイト、パイロフィライト、シリカ等が挙げられる。
上記結晶化剤としては、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート等が挙げられる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物において、上記ポリエステル樹脂に対し、バルビツル酸構造を有する化合物、具体的には前記一般式(1)〜(7)に係る化合物、および所望に応じ他の添加剤を配合する方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法によって行うことができる。例えば、前記ポリエステル樹脂の粉末あるいはペレットと化合物等とをドライブレンドで混合してもよく、化合物等の一部をプレブレンドした後、残りの成分とドライブレンドしてもよい。ドライブレンドの後に、例えば、ミルロール、バンバリーミキサー、スーパーミキサーなどを用いて混合し、単軸あるいは二軸押出機等を用いて混練してもよい。この混練は、通常200〜350℃程度の温度で行われる。また、ポリエステル樹脂の重合段階で化合物等を添加する方法、化合物等を高濃度で含有するマスターバッチを作製し、かかるマスターバッチをポリエステル樹脂に添加する方法等を用いることもできる。
本発明のポリエステル樹脂組成物は、主として、一般のプラスチック同様に各種成形品の成形材料として用いられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物を成形するに際しては、一般のプラスチックと同様の押出成形、射出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形等の成形を行うことができ、シート、棒、ビン、容器等の各種成形品を容易に得ることができる。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物は、ガラス繊維、カーボン繊維等を配合して繊維強化プラスチックとしてもよい。
以下に、製造例および実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等によって何ら制限されるものではない。尚、製造例とは、本願発明に係る樹脂組成物の製造方法であり、実施例とは得られた樹脂組成物の評価のことを表す。
(製造例)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(ポリプラスチックス(株)製;TR8550)100質量部に対し、下記の表1に記載された各化合物をそれぞれ1質量部配合し、混合した後、得られた樹脂組成物を3時間140℃で減圧乾燥し、単軸押出機(東洋精機(株)製;ラボプラストミルミュー)を用いて270℃のシリンダ温度および150rpmのスクリュー速度で混練して、ペレットを得た。得られたペレットを140℃で3時間乾燥した後、下記に示す評価を実施した。
(実施例)
(結晶化温度)
得られたペレットを、示差走査熱量測定機(ダイアモンド;パーキンエルマー社製)にて、測定条件は窒素雰囲気(20ml/l)において、50℃/minの速度で300℃まで昇温し、10分間保持後−10℃/minで100℃まで冷却し、結晶化温度を求めた。この結果を下記の表1中に併せて示す。
Figure 0005105502
*1)コントロール:結晶核剤未配合
*2)比較化合物1:4−アミノベンゼンスルホンアミド
*3)比較化合物2:ヒドロキシ(ジ第3ブチル安息香酸)アルミニウム
*4)比較化合物3:ベンゼンスルホンアミド
*5)比較化合物4:ミラード3988;ミリケン社製 結晶核剤
*6)比較化合物5:タルク(P−6;日本タルク(株)製)
*7)比較化合物6:メチレンビス(2,4−ジ第三ブチル−フェニル)ホスフェートナトリウム塩
*8)比較化合物7:酸化亜鉛(1種;三井金属工業(株)製)
*9)比較化合物8:安息香酸ナトリウム塩
*10)比較化合物9:リコモントNaV101;クラリアント社製 結晶核剤
上記表1の結果より、バルビツル酸構造を有する化合物を配合した実施例のポリエステル樹脂組成物は、それ以外の成分を配合した比較例のポリエステル樹脂組成物と比較して、結晶化温度が良好であることが明らかである。
以上より、本発明によれば、ポリエステル樹脂にバルビツル酸構造を有する化合物を使用することで、結晶化温度が高く結晶化促進に優れたポリエステル樹脂組成物が得られることが確かめられた。また、本発明においては、かかるポリエステル樹脂組成物の成形加工において、成形性が良好となるといった利点も得ることができる。

Claims (5)

  1. (a)ポリエステル樹脂に対し、(b)バルビツル酸構造を有する化合物を含有してなることを特徴とするポリエステル樹脂組成物であって、
    前記(b)バルビツル酸構造を有する化合物として、下記一般式(6)または(7)で表される化合物の少なくとも一種以上を含むポリエステル樹脂組成物。
    Figure 0005105502
    (式(6)中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数3〜30の置換基を有してもよい環状基若しくは−NH−R(RはRと同じもの、または炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体を表す)、または、これらの基の組合せを表し、Lは酸素原子または硫黄原子を表し、Mは金属原子を表し、nは1〜4の整数を表す
    Figure 0005105502
    (式(7)中、R、R、R、L、Mおよびnは上記一般式(6)と同じものを表し、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルキル基、炭素原子数1〜10の分岐や置換基を有してもよいアルコキシ基、炭素原子数3〜30の置換基を有してもよい環状基若しくは−NH−R(RはRと同じもの、または炭素原子数2〜20のカルボン酸誘導体を表す)、または、これらの基の組合せを表す
  2. 前記一般式(6)中のMがアルカリ金属原子を表し、nが1を表す請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記一般式(7)中のMがアルカリ金属原子を表し、nが1を表す請求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 前記(a)ポリエステル樹脂100質量部に対して、前記(b)バルビツル酸構造を有する化合物が0.01〜10質量部配合されてなる請求項1〜3のうちいずれか一項記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 前記(a)ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリ乳酸からなる群から選択される少なくとも一種以上を含む請求項1〜4のうちいずれか一項記載のポリエステル樹脂組成物。
JP2006177968A 2006-06-28 2006-06-28 ポリエステル樹脂組成物 Expired - Fee Related JP5105502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006177968A JP5105502B2 (ja) 2006-06-28 2006-06-28 ポリエステル樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006177968A JP5105502B2 (ja) 2006-06-28 2006-06-28 ポリエステル樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008007593A JP2008007593A (ja) 2008-01-17
JP5105502B2 true JP5105502B2 (ja) 2012-12-26

Family

ID=39066088

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006177968A Expired - Fee Related JP5105502B2 (ja) 2006-06-28 2006-06-28 ポリエステル樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5105502B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4737261B2 (ja) 2008-10-01 2011-07-27 ソニー株式会社 樹脂組成物及び樹脂成形物
JPWO2011077742A1 (ja) * 2009-12-25 2013-05-02 三井化学株式会社 偏光性拡散フィルムおよびその製造方法、ならびに偏光性拡散フィルムを含む液晶表示装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3355667B2 (ja) * 1992-10-27 2002-12-09 住友化学工業株式会社 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
JP3436428B2 (ja) * 1994-10-11 2003-08-11 ダイセル化学工業株式会社 熱可塑性エラストマー組成物
JPH11349802A (ja) * 1998-06-09 1999-12-21 Yokohama Rubber Co Ltd:The 一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂組成物
JP2001055492A (ja) * 1999-08-20 2001-02-27 Daicel Chem Ind Ltd 熱可塑性エラストマー組成物
JP2003226819A (ja) * 2001-11-30 2003-08-15 Polyplastics Co 難燃性樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008007593A (ja) 2008-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5354858B2 (ja) スルホンアミド化合物の金属塩を含有するポリエステル樹脂組成物
JP5575396B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP5587533B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
EP2258774B1 (en) Polyester resin composition
EP2407514B1 (en) Reinforced polyester resin composition
JP5105502B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物
JP4014202B2 (ja) 結晶核剤組成物及びこれを含有してなる結晶性高分子組成物
JP4208548B2 (ja) ブロー成形用ポリプロピレン系樹脂組成物
US8980163B2 (en) Process for producing plastic bottle
JP5714204B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
JP4789649B2 (ja) 造核剤
JP2010229361A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120601

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120903

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120928

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5105502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees