JP2018168217A - 封止用樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温で保管した際の電気的信頼性といった半導体装置の信頼性に優れる封止用樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、イオン捕捉剤と、熱可塑性樹脂と、を含む封止用樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂は、下記一般式(1)で示される構造単位を含む。(一般式(1)中、R1からR7は、それぞれ独立して水素または炭素数1以上3以下の有機基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、封止用樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置に関する。
半導体素子を封止するための液状エポキシ樹脂組成物として、様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1には、基板を封止する液状エポキシ樹脂組成物が記載されている。特許文献1によれば、液状エポキシ樹脂組成物に低弾性率化剤を添加することで、液状エポキシ樹脂組成物の硬化物を低応力化しながら強度を確保でき、基板に反りが発生することを防止し、さらに、液状エポキシ樹脂組成物の硬化物に樹脂クラックが発生することを防止できることが記載されている。
特開2003−246845号公報
本発明者が、特許文献1に記載の液状エポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置の信頼性について検討した。その結果、特許文献1に記載の液状エポキシ樹脂組成物を用いてもなお、半導体装置に電気的な接続不良が生じることが判明した。そこで、本発明は、電気的信頼性といった半導体装置の信頼性に優れる封止用樹脂組成物を提供することを課題とする。
封止用樹脂組成物を用いた半導体装置は、例えば、基板上に半導体素子を搭載し、半導体素子を封止用樹脂組成物によって封止することで作製することができる。この半導体装置は、製造工程において、リフロー工程が存在する場合に高温にさらされることがある。また、半導体装置は、使用時において高温になることがある。
本発明者は、封止用樹脂組成物について、硬化後、高温に晒された場合における物性の変化について検討した。その結果、封止用樹脂組成物の硬化物は、高温下で、引張弾性率が上昇することを見出した。
さらに、本発明者は、封止用樹脂組成物の硬化物の引張弾性率が上昇した際の電気接続の信頼性について検討した。その結果、例えば、半導体素子と、他の部品とが、ボンディングワイヤを介して電気的に接続されている半導体装置の場合、封止用樹脂組成物の硬化物の引張弾性率が上昇することで、該硬化物の内部応力が増加し、ボンディングワイヤと、半導体素子との接合部にクラックが生じ、半導体装置の電気的信頼性が低下する場合があることを見出した。
そこで、本発明者が、半導体装置の電気的信頼性を向上させるため、封止用樹脂組成物に熱可塑性樹脂を添加することについて検討したところ、特定の構造の熱可塑性樹脂を添加することで、封止用樹脂組成物を高温で保管した時の引張弾性率の上昇を抑制できることを見出した。
また、本発明者は、封止用樹脂組成物に、さらにイオン捕捉剤を添加することについて検討した。その結果、封止用樹脂組成物を高温で保管した時の引張弾性率の上昇をさらに抑制できることを見出した。
以上より、本発明者が、封止用樹脂組成物に熱可塑性樹脂と、イオン捕捉剤とを含むことにより、電気接続の信頼性の観点から良い作用効果が得られることを見出し、本発明は完成した。
本発明によれば、
エポキシ樹脂と、
硬化剤と、
無機充填材と、
イオン捕捉剤と、
熱可塑性樹脂と、を含む封止用樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂は、下記一般式(1)で示される構造単位を含む、封止用樹脂組成物が提供される。
Figure 2018168217
(一般式(1)中、RからRは、それぞれ独立して水素または炭素数1以上3以下の有機基である。)
また、本発明によれば、
基板上に搭載された半導体素子と、
前記半導体素子を封止する封止部材と、を備える半導体装置であって、
前記封止部材が、上記封止用樹脂組成物の硬化物で構成される、半導体装置が提供される。
本発明によれば、高温で保管した際の電気的信頼性といった半導体装置の信頼性に優れる封止用樹脂組成物が提供される。
本実施形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。 本実施形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、イオン捕捉剤と、特定の構造単位を含む熱可塑性樹脂と、を含む。
本発明者は、ポストキュアによって硬化した封止用樹脂組成物の硬化物の、高温下における物性の変化について検討した。その結果、封止用樹脂組成物の硬化物を、例えば、1000時間の長時間、200℃の高温で熱処理すると、ポストキュア後の封止用樹脂組成物の硬化物と比べて、さらに引張弾性率が上昇することを見出した。詳細なメカニズムは定かではないが、この理由は以下のように推測される。
まず、ポストキュアによって硬化された封止用樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤とが反応して架橋構造を形成し、エポキシ樹脂及び硬化剤の分子鎖は架橋構造を介して束縛される。その後、例えば、1000時間の長時間、200℃の高温で熱処理することによって、封止用樹脂組成物の含有成分のいずれかがラジカルを生成すると推測される。このラジカルに由来して、上記架橋構造に加えて、さらに架橋構造が形成されると推測される。これにより、封止用樹脂組成物中の架橋密度が上昇し、引張弾性率が上昇すると考えられる。
なお、本実施形態において、ポストキュアとは、150℃以上200℃以下の温度で、1時間以上10時間以下の熱処理をする処理のことである。本実施形態に係る封止用樹脂組成物の硬化物は、封止用樹脂組成物をポストキュアすることで作製することができる。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物を用いた半導体装置は、基板上に半導体素子を搭載し、半導体素子を封止部材によって封止することで作製することができる。ここで、封止部材は、封止用樹脂組成物の硬化物によって構成される。
半導体装置は、製造工程において、リフロー工程などで高温になることがある。また、半導体装置は、使用時において、発熱、周囲の環境などの原因により高温になることがある。すなわち、半導体装置は、その製造工程または使用時において高温になることがあり、高温になると、上述したように封止用樹脂組成物の硬化物の引張弾性率が上昇する。
本発明者が、半導体装置の高温保管時における電気的な接続について検討したところ、ボンディングワイヤと、半導体素子との接合部にクラックが生じ、半導体装置の電気的信頼性が低下してしまうことを見出した。この理由は以下のように考えられる。まず、半導体装置を高温で保管することで、封止用樹脂組成物の硬化物の引張弾性率が上昇し、封止用樹脂組成物の内部応力が増加すると考えられる。内部応力が増加することによって、封止用樹脂組成物によって封止された被封止物に応力がかかり、ひずみが生じてしまう。これにより、ボンディングワイヤと、半導体素子との接合部にクラックが生じ、電気的な接続が破壊され、半導体装置の電気的信頼性が低下してしまうと考えられる。
そこで、本発明者は、封止用樹脂組成物の硬化物について、高温保管時における引張弾性率の上昇を抑制するために、封止用樹脂組成物に熱可塑性樹脂を添加することを検討した。その結果、後述する一般式(1)で示される構造単位を含む特定の熱可塑性樹脂を添加することで、封止用樹脂組成物を高温で保管した時の引張弾性率の上昇を抑制できることを見出した。詳細なメカニズムは定かではないが、この理由は以下のように推測される。特定の熱可塑性樹脂は、上述した架橋構造と比べて柔軟であり、内部応力の増加を抑制すると考えられる。そして、特定の熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性が良く、封止用樹脂組成物中で、適度に分散した相構造を形成すると推測される。以上より、封止用樹脂組成物を高温で保管した時の引張弾性率の上昇を抑制できると推測される。
また、本発明者は、封止用樹脂組成物の電気的信頼性をさらに向上させるために、イオン捕捉剤を添加することを考えた。従来の封止用樹脂組成物において、イオン捕捉剤は、半導体装置のパッド、配線などのアルミニウムを腐食する陰イオン性のイオン不純物を吸着し、封止用樹脂組成物の電気的信頼性を向上することが知られている。本発明者が、封止用樹脂組成物に、熱可塑性樹脂と、さらにイオン捕捉剤を添加することを検討した結果、封止用樹脂組成物を高温で保管した時の引張弾性率の上昇をさらに抑制できることを見出した。詳細なメカニズムは定かではないが、この理由は以下のように推測される。イオン捕捉剤が、陰イオン性のイオン不純物を吸着することで、封止用樹脂組成物中のイオン濃度が変化し、封止用樹脂組成物中の各相の表面自由エネルギーが変化すると考えられる。これにより、封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂と、熱可塑性樹脂との相構造が、内部応力の増加を抑制するのにより適切な相構造となり、引張弾性率の上昇をさらに抑制できると推測される。
以上より、本発明の封止用樹脂組成物は、封止用樹脂組成物に熱可塑性樹脂と、イオン捕捉剤とを含むことによって、高温で保管した時の引張弾性率の上昇を抑制でき、電気的信頼性などの半導体装置の信頼性を向上できると推測される。
以下、本実施形態に係る封止用樹脂組成物を構成する各原料成分について詳述する。
(エポキシ樹脂)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物はエポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂としては限定されず、その分子量、分子構造に関係なく、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を使用することが可能である。
エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;スチルベン型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂等に例示されるトリスフェノール型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等のフェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレンの2量体をグリシジルエーテル化して得られるエポキシ樹脂等のナフトール型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート等のトリアジン核含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等の有橋環状炭化水素化合物変性フェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、これらの中から1種を単独で用いてよいし、異なる2種類以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、上記具体例のうち、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂及びジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種又は2種以上を選択して用いることが好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を選択して用いることがより好ましい。これにより、エポキシ樹脂と、後述する熱可塑性樹脂との相溶性を向上できると推測される。したがって、熱可塑性樹脂を封止用樹脂組成物中により適切に分散させ、封止用樹脂組成物を高温保管した時の内部応力の増加を抑制することができる。
封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量の上限値は、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して15質量部以下であることが好ましく、13質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。これにより、封止用樹脂組成物は、内部応力の増加を抑制しつつ、適切な機械的特性を発現できる。したがって、半導体装置の機械的な信頼性を向上できる。
また、封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂の含有量の下限値は、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分に対して1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましい。これにより、封止用樹脂組成物中における、エポキシ樹脂の相構造が占める割合を増やすことができる。したがって、後述する熱可塑性樹脂を封止用樹脂組成物中に適切に分散させ、封止用樹脂組成物を高温保管した時の内部応力の増加を抑制することができる。
なお、本実施形態において、封止用樹脂組成物の全固形分とは、封止用樹脂組成物に含まれる成分のうち、溶媒を除く成分の合計を示す。
(硬化剤)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、硬化剤を含む。封止用樹脂組成物に含まれる硬化剤は、例えば重付加型の硬化剤、触媒型の硬化剤、および縮合型の硬化剤の3タイプに大別することができる。
上記硬化剤として用いられる重付加型の硬化剤は、具体的には、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)などの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドラジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニルフェノール、アラルキル型フェノール樹脂などのフェノール樹脂系硬化剤;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などが挙げられる。重付加型の硬化剤としては、上記具体例の中から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
上記硬化剤として用いられる触媒型の硬化剤は、具体的には、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)などのイミダゾール化合物;BF3錯体などのルイス酸などが挙げられる。触媒型の硬化剤としては、上記具体例の中から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
上記硬化剤として用いられる縮合型の硬化剤は、具体的には、レゾール型フェノール樹脂;メチロール基含有尿素樹脂などの尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂などのメラミン樹脂などが挙げられる。縮合型の硬化剤としては、上記具体例の中から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
上記硬化剤の中でも、フェノール樹脂系硬化剤を含むことが好ましい。これにより、硬化剤は、エポキシ樹脂と適切な反応性を示す。したがって、封止用樹脂組成物中に均一に硬化反応を進行させ、内部応力の局所的な上昇を抑制できる。
フェノール樹脂系硬化剤としては、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量、分子構造は限定されない。
硬化剤として用いられるフェノール樹脂系硬化剤は、具体的には、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック、フェノール−ビフェニルノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;ポリビニルフェノール;トリフェニルメタン型フェノール樹脂等の多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のフェノールアラルキル型フェノール樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物などが挙げられる。フェノール樹脂系硬化剤としては、上記具体例の中から選択される1種類または2種類以上を含むことができる。
フェノール樹脂系硬化剤としては、上記具体例のうち、フェノールノボラック樹脂、フェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂、ビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂及びジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂からなる群より選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。これにより、エポキシ樹脂と適切な架橋構造を形成することができる。
封止用樹脂組成物中の硬化剤の含有量の上限値は、封止用樹脂組成物が適切な硬化性を発現し、機械的な信頼性を向上する観点から、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して10質量部以下であることが好ましく、7質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがさらに好ましい。これにより、封止用樹脂組成物は適切な硬化性を発現できる。したがって、半導体装置の機械的特性を向上できる。
封止用樹脂組成物中の硬化剤の含有量の下限値は、上記上限値と同じ観点から、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して0.3質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、0.7質量部以上であることがさらに好ましい。
(無機充填材)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、無機充填材を含む。
無機充填材としては、具体的には、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、合成球状シリカ、結晶性シリカ、2次凝集シリカ、微粉シリカなどのシリカ;アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化チタン、炭化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタンホワイトなどの金属化合物;タルク;クレー;マイカ;ガラス繊維などが挙げられる。
無機充填材としては、上記具体例のうち、シリカを用いることが好ましい。シリカとしては、上記具体例のうち、溶融球状シリカ、合成球状シリカ及び微粉シリカからなる群より選択される1種又は2種以上を用いることが好ましく、溶融球状シリカまたは合成球状シリカを用いることがより好ましい。これにより、封止用樹脂組成物の線膨張係数を低下させることができる。したがって、封止用樹脂組成物の硬化物の内部応力を低下させることができる。
封止用樹脂組成物中の無機充填材の含有量の下限値は、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、50質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であることがさらに好ましく、65質量部以上であることがより好ましく、70質量部以上であることが一層好ましい。これにより、封止用樹脂組成物の熱膨張係数を低下させることができる。したがって、内部応力が低下し、高温保管特性が向上する。
封止用樹脂組成物中の無機充填材の含有量の上限値は、例えば、封止用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、93質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であることがより好ましく、89質量部以下であることが更に好ましい。これにより、封止用樹脂組成物の粘度は上昇しすぎず、封止樹脂組成物の物性を均一にすることができる。
無機充填材の体積基準粒度分布の累積頻度が50%となる粒径D50の上限値としては、例えば、30.0μm以下であることが好ましく、25.0μm以下であることがより好ましい。これにより、粗大な無機充填材の数が減り、封止用樹脂組成物中の各成分の分散性を向上できる。したがって封止用樹脂組成物中のエポキシ樹脂と、熱可塑性樹脂との相構造が、内部応力の増加を抑制するのにより適切な相構造とできる。
また、無機充填材の体積基準粒度分布の累積頻度が50%となる粒径D50の下限値としては、例えば、0.1μm以上とすることができ、0.2μm以上でもよい。
なお、本実施形態において、無機充填材の体積基準粒度分布の累積頻度が50%となる粒径D50を測定する方法は限定されず、粒子に応じた公知の方法を用いることができる。具体的な測定方法としては、レーザー回折散乱法、動的光散乱法などが挙げられる。
(イオン捕捉剤)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物はイオン捕捉剤を含む。イオン捕捉剤としては、封止用樹脂組成物中の陰イオン性の不純物を吸着する陰イオン捕捉剤であれば、封止用樹脂組成物中の他の成分に応じて、公知のイオン捕捉剤を用いることができる。なお、イオン捕捉剤は中和剤として用いられることもある。
イオン捕捉剤としては、具体的には、ハイドロタルサイト、ゼオライト、水酸化ビスマスなどを挙げることができる。
イオン捕捉剤としては、上記具体例のうち、ハイドロタルサイトを用いることが好ましい。これにより、封止樹脂組成物中における熱可塑性樹脂組成物の分散を、引張弾性率の上昇を抑制するのにより好適なものにできる。
封止用樹脂組成物中のイオン捕捉剤の含有量の下限値は、後述する熱可塑性樹脂が、封止用樹脂組成物中に適切に分散した相構造を形成し、さらにアルミニウムの腐食を抑制する観点から、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であることがより好ましく、4質量部以上であることが更に好ましい。
封止用樹脂組成物中のイオン捕捉剤の含有量の上限値は、上記下限値と同様の観点から、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、25質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
(熱可塑性樹脂)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物は、下記一般式(1)で示される構造単位を含む熱可塑性樹脂を含む。すなわち、熱可塑性樹脂は、インデンまたはインデン誘導体に由来する構造単位を含む。
Figure 2018168217
(一般式(1)中、RからRは、それぞれ独立して水素または炭素数1以上3以下の有機基である。)
上記一般式(1)における、RからRは、それぞれ独立して、水素又は炭素数1以上3の有機基であり、水素または炭素数1の有機基であることが好ましく、水素であることが更に好ましい。
上記一般式(1)における、RからRを構成する有機基は、例えば、有機基の構造に水素及び炭素以外の原子を含んでもよい。
水素及び炭素以外の原子としては、具体的には、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、フッ素原子、塩素原子などが挙げられる。水素及び炭素以外の原子としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を含むことができる。
からRを構成する有機基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基;アリル基、ビニル基などのアルケニル基;エチニル基などのアルキニル基;メチリデン基、エチリデン基などのアルキリデン基;シクロプロピル基などのシクロアルキル基;エポキシ基オキセタニル基などのヘテロ環基などが挙げられる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂の重量平均分子量Mwの上限値は、例えば、4000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1500以下であることが更に好ましく、1000以下であることが一層好ましく、800以下であることが殊更好ましい。これにより、熱可塑性樹脂とエポキシ樹脂との相溶性を高め、適切に熱可塑性樹脂を分散できる。
また、熱可塑性樹脂の重量平均分子量Mwの下限値は、例えば、400以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、550以上であることが更に好ましく、600以上であることが一層好ましい。これにより、封止用樹脂組成物の中に熱可塑性樹脂が適切に分散できる。したがって、熱可塑性樹脂は内部応力の増加を適切に抑制することができる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂の数平均分子量Mnの上限値は、例えば、2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましく、700以下であることが一層好ましく、600以下であることが殊更好ましい。これにより、熱可塑性樹脂とエポキシ樹脂との相溶性を高め、適切に熱可塑性樹脂を分散できる。
また、熱可塑性樹脂の数平均分子量Mnの下限値は、例えば、200以上であることが好ましく、300以上であることがより好ましく、350以上であることが更に好ましく、400以上であることが一層好ましい。これにより、封止用樹脂組成物の中に熱可塑性樹脂が適切に分散できる。したがって、熱可塑性樹脂は内部応力の増加を適切に抑制することができる。
また、本実施形態に係る熱可塑性樹脂の多分散度の上限値は、熱可塑性樹脂の分子鎖毎の物性を均一にする観点から、例えば、2.50以下であって、2.00以下とするのが好ましく、1.80以下とするのが更に好ましく、1.70以下とするのが一層好ましい。また、上限値と同様の観点から、共重合体の多分散度の下限値は、例えば、1.00以上とすることができ、1.10以上としてもよい。
なお、多分散度とは、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnによって表され、分子量分布の幅を示す分散度を意味するものである。
重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、および多分散度Mw/Mnは、例えば、GPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いて評価、算出できる。
GPC測定の測定条件は、例えば以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
上記一般式(1)で示される構造単位を含む熱可塑性樹脂としては、具体的には、上記一般式(1)で示される構造単位を繰り返し単位として有する熱可塑性樹脂、すなわち、インデンホモオリゴマーまたはインデンホモポリマーが挙げられる。
また、他の上記一般式(1)で示される構造単位を含む熱可塑性樹脂としては、具体的には、上記一般式(1)で示される構造単位と、他のモノマーに由来する構造単位とを繰り返し単位として有する熱可塑性樹脂、すなわち、インデンコオリゴマーまたはインデンコポリマーが挙げられる。ここで、他のモノマーに由来する構造単位としては、例えば、フェノール系モノマー、スチレン系モノマー、クマロン系モノマー、ベンゾチオフェン系モノマーなどのモノマーに由来するものが挙げられる。
上記一般式(1)で示される構造単位を含む熱可塑性樹脂としては、例えば、インデンコポリマーまたはインデンコオリゴマーであることが好ましく、インデンコオリゴマーであることがより好ましい。これにより、封止用樹脂組成物中に適切に熱可塑性樹脂を分散できる。
なお、本実施形態において、オリゴマーとは数平均分子量が10000未満のものを示し、ポリマーとは数平均分子量が10000以上のものを示す。
熱可塑性樹脂がインデンコポリマーまたはインデンコオリゴマーである場合、熱可塑性樹脂中のインデンまたはインデン誘導体に由来する構造単位のモル含有量の下限値は、例えば、40%以上であることが好ましく、45%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましく、55%以上であることが一層好ましく、60%以上であることが殊更好ましい。これにより、加熱時の引張弾性率の上昇を抑制できる。
また、熱可塑性樹脂がインデンコポリマーまたはインデンコオリゴマーである場合、熱可塑性樹脂中のインデンまたはインデン誘導体に由来する構造単位のモル含有量の上限値は、例えば、99%以下とすることができる。
上述した、他のモノマーに由来する構造単位について詳細を説明する。
フェノール系モノマーに由来する構造単位としては、具体的には、下記一般式(M1)で表されるものが挙げられる。
また、スチレン系モノマーに由来する構造単位としては、具体的には、下記一般式(M2)で表されるものが挙げられる。
さらに、クマロン系モノマーに由来する構造単位としては、具体的には、下記一般式(M3)で表されるものが挙げられる。
また、ベンゾチオフェン系モノマーに由来する構造単位としては、具体的には、下記一般式(M4)で表されるものが挙げられる。
熱可塑性樹脂は、上記具体例のうち、フェノール系モノマーに由来する構造単位またはスチレン系モノマーに由来する構造単位を含むことが好ましく、フェノール系モノマーに由来する構造単位及びスチレン系モノマーに由来する構造単位を含むことがより好ましい。これにより、エポキシ樹脂と、熱可塑性樹脂との相溶性をより向上することができる。したがって、より分散した熱可塑性樹脂の相を形成でき、封止用樹脂組成物を高温で保管した時の引張弾性率の上昇を抑制できると推測される。
Figure 2018168217
(一般式(M1)中、Rは、水素または炭素数1以上3以下の有機基である。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。)
Figure 2018168217
(一般式(M2)中、Rは、水素または炭素数1以上3以下の有機基である。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。)
Figure 2018168217
(一般式(M3)中、Rは、水素または炭素数1以上3以下の有機基である。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。)
Figure 2018168217
(一般式(M4)中、Rは、水素または炭素数1以上3以下の有機基である。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。)
上記一般式(M1)−(M4)において、R、R、R及びRは、例えば、有機基の構造に水素及び炭素以外の原子を含んでもよい。
水素及び炭素以外の原子としては、具体的には、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、フッ素原子、塩素原子などが挙げられる。水素及び炭素以外の原子としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を含むことができる。
上記一般式(M1)−(M4)において、R、R、R及びRは、それぞれ独立して、例えば、水素又は炭素数1以上3の有機基であり、水素または炭素数1の有機基であることが好ましく、水素であることが更に好ましい。
上記一般式(M1)−(M4)において、R、R、R及びRを構成する有機基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基などのアルキル基;アリル基、ビニル基などのアルケニル基;エチニル基などのアルキニル基;メチリデン基、エチリデン基などのアルキリデン基;シクロプロピル基などのシクロアルキル基;エポキシ基、オキセタニル基などのヘテロ環基などが挙げられる。
熱可塑性樹脂がコオリゴマーまたはコポリマーの場合、熱可塑性樹脂中のインデンまたはインデン誘導体に由来する構造単位のモル含有率の下限値は、例えば、50%以上とすることが好ましく、60%以上とすることがより好ましく、90%以上とすることが更に好ましい。これにより、インデン又はインデン誘導体に由来する構造単位が適切に分散する。したがって、封止用樹脂組成物を高温保管した場合における内部応力の増加を抑制できる。
また、熱可塑性樹脂中のインデンまたはインデン誘導体に由来する構造単位のモル含有率の上限値は、例えば、99%以下とすることができる。これにより、インデンまたはインデン誘導体に由来する構造単位以外の構造単位が、エポキシ樹脂との相溶性を向上させることができる。したがって、インデンまたはインデン誘導体に由来する構造単位の分散状態を適切にでき、封止用樹脂組成物を高温保管した場合における内部応力の増加を抑制できる。
封止用樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量の下限値は、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して、4質量部以上であることが好ましく、7質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることが更に好ましく、12質量部以上であることが一層好ましく、14質量部以上であることが殊更好ましい。これにより、封止用樹脂組成物を高温保管した場合における内部応力の増加を抑制できる。
封止用樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量の上限値は、例えば、エポキシ樹脂100質量部に対して、50質量部以下であることが好ましく、45質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることが更に好ましく、38質量部以下であることが一層好ましい。これにより、ポストキュア後における封止用樹脂組成物の硬化物の引張弾性率を適切に維持できる。
(その他の成分)
封止用樹脂組成物中には、上記成分の他に、必要に応じて、低応力剤、着色剤、カップリング剤、離型剤、硬化促進剤及び難燃剤などの各種添加剤のうち一種または二種以上を配合することができる。以下、代表成分について詳細を説明する。
(低応力剤)
低応力剤としては、封止用樹脂組成物に用いられる公知の低応力剤を用いることができる。封止用樹脂組成物は、上述した特定の構造の熱可塑性樹脂に加えて、低応力剤を更に含むことが好ましい。低応力剤は、上記熱可塑性樹脂と同様に、封止用樹脂組成物の中で柔軟な成分として作用する。したがって、封止用樹脂組成物を高温保管した時における引張弾性率の上昇をさらに抑制でき、内部応力を緩和することができる。
低応力剤としては、具体的には、シリコーン化合物などのシロキサン結合を有する化合物;ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂などの熱可塑性エラストマー;ポリブタジエン化合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合化合物などの熱硬化性エラストマーを挙げることができる。低応力剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
低応力剤としては、上記具体例のうち、シロキサン結合を有する化合物または熱硬化性エラストマーを含むことが好ましく、熱硬化性エラストマーを含むことがより好ましい。これにより、複数の応力緩和の機構を封止用樹脂組成物中に組み込むことができ、内部応力をさらに緩和することができる。また、電気的な接続を保持する観点から、シロキサン結合を有する化合物または熱硬化性エラストマーを併用することがより好ましい。
上記シロキサン結合を有する化合物としては、例えば、シリコーン化合物であることが好ましい。シリコーン化合物としては、具体的には、シリコーンオイル、シリコーンゴムなどが挙げられる。シリコーン化合物としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。シリコーン化合物としては、例えば、ジメチルシロキサン−アルキルカルボン酸−4,4'−(1−メチルエチリデン)ビスフェノールジグリシジルエーテル共重合体などのシリコーンオイルを用いることが好ましい。
上記熱硬化性エラストマーとしては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合化合物であることが好ましい。アクリロニトリル−ブタジエン共重合化合物としては、具体的には、非変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合化合物、カルボン酸変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合化合物などが挙げられる。これらの中でも、カルボン酸変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合化合物を用いることが好ましい。
封止用樹脂組成物中の低応力剤の含有量の下限値は、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対して、3質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましい。これにより、封止用樹脂組成物を高温保管した時における引張弾性率の上昇をさらに抑制できる。
また、封止用樹脂組成物中の低応力剤の含有量の上限値は、例えば、熱可塑性樹脂100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、25質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましい。これにより、ポストキュア後における封止用樹脂組成物の硬化物の引張弾性率を適切に維持できる。
(着色剤)
着色剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知の着色剤を用いることができる。
着色剤としては、具体的には、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタンなどを挙げることができる。着色剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(カップリング剤)
カップリング剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知のカップリング剤を用いることができる。
カップリング剤としては、具体的には、エポキシシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン等の各種シラン系化合物;チタン系化合物;アルミニウムキレート類;アルミニウム/ジルコニウム系化合物などが挙げられる。カップリング剤としては、例えば、フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシランを用いることが好ましい。
(離型剤)
離型剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知の離型剤を用いることができる。
離型剤としては、具体的には、カルナバワックス等の天然ワックス、合成ワックス、ステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸及びその金属塩、パラフィンなどが挙げられる。離型剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(硬化促進剤)
硬化促進剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知の硬化促進剤を用いることができる。
硬化促進剤としては、具体的には、ホスフィン、テトラ置換ホスホニウム化合物、ホスホベタイン化合物、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、ホスホニウム化合物とシラン化合物との付加物等のリン原子含有化合物;1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、ベンジルジメチルアミン、2−メチルイミダゾール等のアミジンや3級アミン、さらには前記アミジン、アミンの4級塩等の窒素原子含有化合物などが挙げられる。硬化促進剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(難燃剤)
難燃剤としては限定されず、封止用樹脂組成物に用いられる公知の難燃剤を用いることができる。
難燃剤としては、具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ホスファゼンなどを挙げることができる。難燃剤としては、上記具体例のうち1種または2種以上を配合することができる。
(封止用樹脂組成物の製造方法)
次に、本実施形態に係る封止用樹脂組成物の製造方法について説明する。
本実施形態に係る封止用樹脂組成物の製造方法は、例えば、上述した原料成分を混合して混合物を作製する混合工程(S1)と、次いで、混合物を成形する成形工程(S2)とを含む。
(混合工程(S1))
混合工程は、原料成分を混合し、混合物を作製工程である。混合する方法は限定されず、用いられる成分に応じて、公知の方法を用いることができる。
混合工程としては、具体的には、上述した封止用樹脂組成物が含む原料成分を、ミキサーなどを用いて均一に混合する。次いで、ロール、ニーダーまたは押出機等の混練機で溶融混練し、混合物を作製する。
(成形工程(S2))
上述した混合工程(S1)に、次いで、混合物を成形する成形工程(S2)を行う。
成形する方法としては限定されず、封止用樹脂組成物の形状に応じて、公知の方法を用いることができる。封止用樹脂組成物の形状としては、例えば、顆粒形状、粉末形状、タブレット形状、シート形状などが挙げられる。
顆粒形状とした封止用樹脂組成物を作製する成形工程としては、例えば、溶融混練後、冷却した混合物を粉砕する工程が挙げられる。なお、例えば、顆粒形状とした封止用樹脂組成物をふるい分けして、顆粒の大きさを調節してもよい。また、例えば、顆粒形状とした封止用樹脂組成物を、遠心製粉法またはホットカット法などの方法で処理し、分散度または流動性などを調整してもよい。
また、粉末形状とした封止用樹脂組成物を作製する成形工程としては、例えば、混合物を粉砕し顆粒形状の封止用樹脂組成物とした後、該顆粒形状の封止用樹脂組成物をさらに粉砕する工程が挙げられる。
また、タブレット形状とした封止用樹脂組成物を作製する成形工程としては、例えば、混合物を粉砕し顆粒形状の封止用樹脂組成物とした後、該顆粒形状の封止用樹脂組成物を打錠成型する工程が挙げられる。
また、シート形状とした封止用樹脂組成物を作製する成形工程としては、例えば、溶融混練後、混合物を押出成形またはカレンダー成形する工程が挙げられる。
(封止用樹脂組成物)
本実施形態に係る封止用樹脂組成物の引張弾性率は、限定されず、後述する半導体装置に要求される機械的特性に応じて適切な引張弾性率を設定できる。
ここで、封止用樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間120秒の条件で長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmに注入成形し、次いで、175℃で4時間加熱処理して硬化物を得た時、当該硬化物の200℃における引張弾性率をE1とし、当該硬化物を、さらに200℃1000時間の条件で熱処理して熱処理物を得た時、当該熱処理物の200℃における引張弾性率をE2とした場合における、(E2−E1)の上限値は、例えば、7.0GPa以下とすることが好ましく、6.5GPa以下とすることがより好ましく、6.0GPa以下とすることが更に好ましく、5.5GPa以下とすることが一層好ましく、5.0GPa以下とすることが殊更好ましい。(E2−E1)が上記数値範囲以下であることにより、高温保管時に封止用樹脂組成物の内部応力が増加し、半導体装置の電気的な接続が破壊されることを抑制できる。
また、(E2−E1)の下限値は限定されず、封止用樹脂組成物が含有する原料成分に応じて例えば、1.0GPa以上とすることができ、2.0GPa以上としてもよい。これにより、封止用樹脂組成物は、適切な機械的性質を実現できる。
なお、硬化物の200℃における引張弾性率は、例えば、エー・アンド・デイ社製のRHEOVIBRON(登録商標)DDV−25GPなどの市販の動的粘弾性測定装置を用いて、引張モード、測定温度範囲20℃から300℃、昇温速度5℃/分の条件で測定された貯蔵弾性率の200℃における値を用いることができる。
(半導体装置)
本実施形態にかかる封止用樹脂組成物は、半導体装置において、基板上に搭載された半導体素子を封止する封止部材に用いられる。すなわち、本実施形態に係る半導体装置は、基板上に搭載された半導体素子と、前記半導体素子を封止する封止部材と、を備える半導体装置であって、封止部材が、上述した封止樹脂組成物の硬化物で構成されるものである。
封止部材を形成する方法は限定されないが、例えば、トランスファー成形法、圧縮成形法、インジェクション成形などが挙げられる。これらの方法により、封止用樹脂組成物を、成形し、硬化させることにより封止部材を形成することができる。
半導体素子としては、限定されず、半導体装置の用途に応じて、公知の半導体素子を選択することができる。半導体素子としては、具体的には、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード、固体撮像素子などが挙げられる。
基板としては、限定されず、半導体装置の用途に応じて、公知の半導体装置を選択することができる。基板としては、具体的には、インターポーザ等の配線基板、リードフレームなどが挙げられる。
半導体素子と、基材との電気的な接続が必要な場合、適宜接続してもよい。電気的に接続する方法は、限定されるものではないが、具体的には、ワイヤボンディング、フリップチップ接続などが挙げられる。
本実施形態の封止用樹脂組成物が有用な電気的な接続方法は、上記具体例のうち、ワイヤボンディングである。すなわち、本実施形態に係る半導体装置が、半導体素子と、がボンディングワイヤを介して基板と接続されており、封止部材はボンディングワイヤを封止する場合、本実施形態に係る封止用樹脂組成物は有用である。
本実施形態の封止用樹脂組成物は、高温で保管した場合でも、内部応力の向上を抑制できる。半導体素子と、基材との電気的な接続方法がワイヤボンディングである場合、ボンディングワイヤは封止部材の中に埋め込まれる。従来の封止用樹脂組成物を用いた場合、ボンディングワイヤは、封止樹脂組成物の内部応力の増加に影響を受けて、ひずみを生じる。ボンディングワイヤにひずみが生じる場合、ボンディングワイヤと、半導体素子または基板との接合部分にクラックが生じ、電気的な接続が破壊される。一方、本実施形態に係る封止用樹脂組成物を用いた場合、封止樹脂組成物の内部応力の増加を抑制できる。したがって、ボンディングワイヤにひずみが生じず、電気的な接続の破壊を抑制できる。
本実施形態にかかる半導体装置の種類としては、具体的には、MAP(Mold Array Package)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、QFN(Quad Flat Non−leaded Package)、SON(Small Outline Non−leaded Package)、BGA(Ball Grid Array)、LF−BGA(Lead Flame BGA)、FCBGA(Flip Chip BGA)、MAPBGA(Molded Array Process BGA)、eWLB(Embedded Wafer−Level BGA)、Fan−In型eWLB、Fan−Out型eWLBなどが挙げられる。
以下に、本実施形態に係る封止用樹脂組成物を用いた半導体装置について、図1及び図2を用いて説明する。
図1は本実施形態に係る半導体装置100の一例を示す断面図である。ここで、基材30は、例えば、リードフレームである。
本実施形態の半導体装置100は、半導体素子20と、半導体素子20に接続されるボンディングワイヤ40と、封止部材50と、を備えるものであり、当該封止部材50は、上述の封止用樹脂組成物の硬化物により構成される。
より具体的には、半導体素子20は、基材30上にダイアタッチ材10を介して固定されており、半導体装置100は、半導体素子20上に設けられた電極パッド22からボンディングワイヤ40を介して接続されるアウターリード34を有する。ボンディングワイヤ40は用いられる半導体素子20に応じて設定することができるが、たとえばCuワイヤを用いることができる。
なお、半導体素子20は、基材30が備えるダイパッド32の上にダイアタッチ材10を介して固定されてもよい。
図2は、図1に示す半導体装置100の変形例を示す断面図である。
ここで、基材30は、例えば、インターポーザである。基材30において、半導体素子20が固定される面と反対の面には、例えば、複数の半田ボール52が形成される。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
各実施例、各比較例で用いた成分の詳細について以下に示す。
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC3000L)
・エポキシ樹脂2:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製、YDCN−800−70)
・エポキシ樹脂3:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YL6810)
・エポキシ樹脂4:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、YX4000H)
(硬化剤)
・硬化剤1:ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂(日本化薬社製、GPH−65)
・硬化剤2:フェノールノボラック樹脂(住友ベークライト社製、PR−HF−3)
(無機充填材)
・無機充填材1:溶融球状シリカ(電気化学工業(株)製、FB−950FC、D50:22μm)
・無機充填材2:合成球状シリカ(アドマテックス社製、SO−E2、D50:0.5μm、比表面積6.0m/g)
なお、無機充填材の体積基準粒度分布の累積頻度が50%となる粒径D50は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製、SALD−7000)を用いて測定した。
(イオン捕捉剤)
・イオン捕捉剤1:ハイドロタルサイト(協和化学社製、DHT−4H)
(熱可塑性樹脂)
・熱可塑性樹脂1:下式(P1)で表されるインデン−スチレン−フェノールコオリゴマー(新日鐵化学社製、I−100、重量平均分子量Mw=710、数平均分子量Mn=420、多分散度Mw/Mn=1.69、熱可塑性樹脂中におけるインデン由来の構造単位のモル含有量60%以上70%以下)
・熱可塑性樹脂2:下式(P1)で表されるインデン−スチレン−フェノールコオリゴマー(新日鐵化学社製、IP−100、重量平均分子量Mw=710、数平均分子量Mn=420、多分散度Mw/Mn=1.69、熱可塑性樹脂中におけるインデン由来の構造単位のモル含有量90%以上99%以下)
Figure 2018168217
(低応力剤)
・低応力剤1:低応力剤1として、シロキサン結合を有する化合物であるジメチルシロキサン−アルキルカルボン酸−4,4'−(1−メチルエチリデン)ビスフェノールジグリシジルエーテル共重合体を用いた。低応力剤1の具体的な合成方法について以下に説明する。
下記式(L1)で表されるビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、YL6810)66.1重量部を140℃で加温溶融し、次いで、下記式(L2)で表されるオルガノポリシロキサン33.1重量部及びトリフェニルホスフィン0.8重量部を添加して、30分間溶融混合し、反応させた。これにより得られた、ジメチルシロキサン−アルキルカルボン酸−4,4'−(1−メチルエチリデン)ビスフェノールジグリシジルエーテル共重合体を低応力剤1として用いた。
・低応力剤2:アクリロニトリル−ブタジエン共重合体化合物(PTIジャパン社製、CTBN1008SP)
Figure 2018168217
Figure 2018168217
(上記式(L2)において、nは整数である。)
(着色剤)
・着色剤1:カーボンブラック(三菱化学社製、カーボン#5)
(カップリング剤)
・カップリング剤1:フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社製、CF4083)
(離型剤)
・離型剤1:カルナバワックス(日興ファイン社製、ニッコウカルナバ)
・離型剤2:酸化ポリエチレンワックス(クラリアント・ジャパン社製、リコワックスPED522)
(実施例1)
下記表1に記載した配合量の各成分を、常温でミキサーを用いて混合し、次に70℃以上100℃以下の温度で2軸混練した。次いで、常温まで冷却後、粉砕して実施例1の封止用樹脂組成物を得た。
(実施例2−6、比較例1−6)
各成分の配合量を、表1に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2−6、比較例1−6の各封止用樹脂組成物を得た。
(封止用樹脂組成物を用いた半導体装置の製造)
3.5mm×3.5mmのTest Element Groupチップ(TEGチップ)を352ピンBGA上に搭載した。次いで、銅純度99.99質量%、直径25μmの銅ワイヤを用いて電極パッドにワイヤピッチ80μmでワイヤボンディングした。
これにより得られた構造体を、低圧トランスファー成形機(TOWA製「Yシリーズ」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間2分の条件で、得られた各実施例及び比較例の封止用樹脂組成物を用いて封止成形し、352ピンBGAパッケージを作製した。その後、得られたBGAパッケージを175℃、4時間の条件で硬化して半導体装置を得た。
(評価)
得られた各実施例及び各比較例の封止用樹脂組成物及び半導体装置について、以下の方法にて評価を行った。評価結果は以下の表1に示す。
(引張弾性率)
各実施例および各比較例の封止用樹脂組成物について、ポストキュア後の引張弾性率E1及びポストキュア後に温度200℃で1000時間熱処理した後の引張弾性率E2を評価した。詳細について以下に説明する。
まず、低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製「KTS−15」)を用いて金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間120秒で封止用樹脂組成物を注入成形し、10mm×80mm×4mmの試験片を得た。次いで、得られた試験片を175℃、4時間でポストキュアした後、動的粘弾性測定装置(エー・アンド・デイ社製、RHEOVIBRON(登録商標)DDV−25GP)を用いて、引張モード、測定温度範囲20℃から300℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定し、200℃における貯蔵弾性率をE1とした。
また、ポストキュアした後の上記試験片を、さらに温度200℃、750時間の条件で熱処理し、同様の条件で測定し、200℃における貯蔵弾性率をE'とした。
また、ポストキュアした後の上記試験片を、さらに温度200℃、1000時間の条件で熱処理し、同様の条件で測定し、200℃における貯蔵弾性率をE2とした。
算出したE1、E'、E2、(E'−E1)及び(E2−E1)を下記表1に示す。なお、表1中の「−」は評価を行っていないことを示す。
(高温保管特性)
各実施例および比較例の封止用樹脂組成物を用いた半導体装置について、以下の方法による高温保管試験を行った。各半導体装置を、温度200℃、1000時間の条件下に保管した。保管後の半導体装置について、ワイヤと電極パッドとの間における電気抵抗値を温度25℃で測定し、以下に基準により評価した。評価結果を下記表1に示す。
○:半導体装置の電気抵抗値の平均値が、初期の電気抵抗値の平均値に対し、110%未満を示す。
△:半導体装置の電気抵抗値の平均値が、初期の電気抵抗値の平均値に対し、110%以上120%未満を示す。
×:半導体装置の電気抵抗値の平均値が、初期の電気抵抗値の平均値に対し、120%以上を示す。
(ガラス転移温度Tg、線膨張係数)
各実施例および各比較例の封止用樹脂組成物について、硬化物のガラス転移温度(Tg)、線膨張係数を測定した。詳細について以下に説明する。
まず、低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、KTS−15)を用いて金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間120秒で封止用樹脂組成物を注入成形し、10mm×4mm×4mmの試験片を得た。次いで、得られた試験片を175℃、4時間でポストキュアした後、熱機械分析装置(セイコー電子工業社製、TMA100)を用いて、測定温度範囲0℃から320℃、昇温速度5℃/分の条件下で測定を行った。測定結果から、ガラス転移温度(Tg)、ガラス転移温度以下における線膨張係数を算出した。算出した結果を表1に示す。
Figure 2018168217
上記表1に示す通り、各実施例の封止用樹脂組成物は、各比較例の封止用樹脂組成物と比べて、高温で保管した時の引張弾性率の上昇を抑制し、高温で保管した時の電気信頼性といった信頼性を向上できることが確認された。
100 半導体装置
10 ダイアタッチ材
20 半導体素子
22 電極パッド
30 基材
32 ダイパッド
34 アウターリード
40 ボンディングワイヤ
50 封止部材
52 半田ボール

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂と、
    硬化剤と、
    無機充填材と、
    イオン捕捉剤と、
    熱可塑性樹脂と、を含む封止用樹脂組成物であって、
    前記熱可塑性樹脂は、下記一般式(1)で示される構造単位を含む、封止用樹脂組成物。
    Figure 2018168217
    (一般式(1)中、RからRは、それぞれ独立して水素または炭素数1以上3以下の有機基である。)
  2. 請求項1に記載の封止用樹脂組成物であって、
    当該封止用樹脂組成物を金型温度175℃、注入圧力10MPa、硬化時間120秒の条件で長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmに注入成形し、次いで、175℃で4時間加熱処理して硬化物を得た時、該硬化物の200℃における引張弾性率をE1とし、
    前記硬化物を、さらに200℃で1000時間熱処理して熱処理物を得た時、該熱処理物の200℃における引張弾性率をE2とした場合における、(E2−E1)が1.0GPa以上7.0GPa以下である、封止用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記封止用樹脂組成物中の前記熱可塑性樹脂の含有量が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して、4質量部以上50質量部以下である、封止用樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物であって、
    該封止用樹脂組成物は、さらに低応力剤を含み、
    前記低応力剤はシロキサン結合を有する化合物、熱可塑性エラストマー及び熱硬化性エラストマーからなる群より選択される1種または2種以上を含む、封止用樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の封止用樹脂組成物であって、
    前記低応力剤は、前記熱硬化性エラストマーを含み、
    前記熱硬化性エラストマーは、カルボン酸変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体である、封止用樹脂組成物。
  6. 基板上に搭載された半導体素子と、
    前記半導体素子を封止する封止部材と、を備える半導体装置であって、
    前記封止部材が、請求項1から5のいずれか1項に記載の封止用樹脂組成物の硬化物で構成される、半導体装置。
  7. 請求項6に記載の半導体装置であって、
    前記半導体素子は、ボンディングワイヤを介して、前記基板と接続されており、
    前記封止部材は、前記ボンディングワイヤを封止する、半導体装置。
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